原作・北方謙三
『楊家将』
..--‐‐‐‐‐‐‐‐---..,
（;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::＼
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 陛下…
|| .) ( ＼::::::::|
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 楊業の動向には、くれぐれも
.| 'ー .ﾉ 'ｰ-‐' ）.|
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : お気をつけなさいませ…
.|. ＿＿_ ＼ |_
| くｪｪｭｭゝ /|:＼＿
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
.／::::::::|＼ ／ /:::::::::::::::::
218 ：
北方やる夫 ◆vHtcpbLuPQ [saga]：2009/05/10(日) 23:18:20.75 ID:FexRxBA0
主演：ニュー速でやる夫
219 ：
北方やる夫 ◆vHtcpbLuPQ [saga]：2009/05/10(日) 23:20:21.21 ID:FexRxBA0
,,,,,,,.-‐‐‐‐---,,,,,
／::::::::::::::::::::::::::::::; :;:::"'
/:::::;;:::::::::::::::::::::::::;;;ﾉ ヽ;:::＼
/::::::::ﾉ""'''''‐‐-‐'''" ヽ:;::|
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
. |:::::::::/ |ﾐ| : 左様、そのために
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
|彡|. '''"""'' ''"""'' |/ わざわざ遼国より援軍を頼んだのです
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
| （ "''''" | "''''" | 彼らは、屈強な上に、物分りも大変よろしい…
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
| ^-^ |
.＿／| ‐-=＝=- |
:: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
/:::::::::::|. ＼ .,_＿＿__,,,.／::＼
220 ：
北方やる夫 ◆vHtcpbLuPQ [saga]：2009/05/10(日) 23:22:28.96 ID:FexRxBA0
l|l|l|l|l|l|l|
l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|
l|l|l|l||l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l 皆の者、そう言わずとも良い…
|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|
|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|| 朕には、分かっておる
l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|
|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l||l|l|l|l| そう、全て………っていう
l|ll|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l||ll|l|l|l|l|
|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l||l|ll|l|l|l|l|l|
l||l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|
|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|ll|l|l|
これは、愚直なまでに忠義を尽くし、
常に最強で在り続けた英雄”楊不敗”こと楊業と、
その一族『楊家軍』の波乱万丈の物語である――
221 ：
北方やる夫 ◆vHtcpbLuPQ [saga]：2009/05/10(日) 23:23:44.91 ID:FexRxBA0
第二話【獅子身中の虫】
223 ：
北方やる夫 ◆vHtcpbLuPQ [saga]：2009/05/10(日) 23:25:04.97 ID:FexRxBA0
～楊家の館～
/`――∧-∧､
∧_／＼_|::|「|,,,|「|ﾐ^!､
／三三三三三三三 Π . ∩ |:|「|'''|「|||:ll;|＿＿＿＿＿＿＿＿
＿＿|￣同￣同￣同 /￣￣∧￣￣￣￣∧￣＼／田＼／田＼／田＼"ﾞﾞ`ヾ､
_/＿＿l==／＼＝＝＝ﾊ,￣￣|「|￣￣￣￣|「|￣￣|. IIII || IIII || IIII _|＿＿,;;､
/_| ﾛ ﾛ 「￣￣￣￣￣￣| | 田 |「| 田 田 |「|［［［［| 三三三三三三三＼ｪｪｪｪｪｪ〕――
_ l | | :|.|,;ヾﾞﾞヾﾞﾞﾞ'';;,,:::ヾﾞﾞヾ''""``ヾ;;,,""~｀ヾﾞﾞ`ヾ､´ﾞﾞヾ"／￣／＼￣￣￣＼''""``ヾ;;,,""~
224 ：
北方やる夫 ◆vHtcpbLuPQ [saga]：2009/05/10(日) 23:26:17.55 ID:FexRxBA0
＿＿＿
／ ⌒ ⌒＼ うはｗｗｗ
／ （⌒） （⌒）＼ 今日も傾国の美女を片手に
／ ///（__人__）///＼ 右手を動かす作業が始まるおｗｗｗ
| u. `Y⌒y'´ |
＼ ﾞー ′ ,／ 今日のお相手は、三国時代からの刺客
／ ＿＿|__＿ 貂蝉タンなんだおｗ
| ｌ.. ／l 傾国の `l
ヽ 丶-.,／ |__ 美女 _| ”秘奥義・美女連環の計”は、
/`ー､＿ﾉ ／￣￣￣￣／ 三国一の武将・呂布をも骨抜きに…
楊 延昭
英雄”楊不敗”こと、楊業の六郎（六男）。
最近の趣味は、週刊”傾国の美女”を片手に右手を動かす作業。
この作品の主人公（一応）。
| | ＿＿＿_ ＼
| ＿ ／ ＼ __＼
|／ <＿ ─ ─＼__> ｀ヽ
| ヽ＿_[ ）●） （●(ｺ＿_/ | お？
| ヽ＿__[ ） （__人__）（ｺ＿__/ |
ヽ ヽ＿_[ ） ｀ ⌒´ （ｺ＿_/ /
`ー―' .／`ｰ―'
. ￣￣l l￣￣￣
丿 !
225 ：
北方やる夫 ◆vHtcpbLuPQ [saga]：2009/05/10(日) 23:31:07.55 ID:FexRxBA0
／￣￣＼ ま た 傾 国 の 美 女 か
／ﾉ( _ノ ＼
| ⌒(（ ●）（●）
.| （__人__） /⌒l
| ｀ ⌒´ﾉ |`'''|
／ ⌒ヽ } | |
／ へ ＼ }__/ / ／￣￣＼ ﾋﾞｼﾞｮﾚﾝｶﾝ！
／ ／ | ノ ノ ／ ●)) ((●＼’, ･
( _ ノ | ＼´ ＿ （ (_人_)’∴ ）, ’
| ＼＿,, -‐ ''" ￣￣ﾞ''―---└'´￣｀ヽ て
（ （ .| 三三三三三三三三三 ノ （
ヽ ＿,, -‐ ''" ﾉ ヽ ｒ'"￣
＼ , '´ し/.. | J
＼ ( / |
＼ ＼ し- '^`-J
楊 延嗣
同じく楊業の七郎（七男）。
自堕落な兄と比べて、月とスッポンなほど優れた麒麟児。
γ ⌒⌒ヽ 痛ってぇお！
／￣￣＼ （ ( ヽ ) ﾉ お約束のように蹴るなお！
蹴りやすいから ／_ノ ＼ (⌒) 三 ﾉ 从 ゝ
仕方ないだろ… （ ●）（ ●） ヽ 三/ | ニ ＿＿＿_ (⌒) それから貂蝉タンのことを
骨格的に考えて . | （__人__） u } | | ／＼ ／ ) し / | ミ バカにするなお！
| ｀ ⌒´ ﾉ ! ､ ／(○ ）::（○ ）⌒＼/ | ミ
それから、アレは | } ＼.／:::::::（_人＿）:::::::: i' | あの娘がいなかったら、
演義の創作だから . ヽ } | ）ww） | | 菫卓の専横は続いてたんだお！
ヽ ノ ヘ ＼ `ー" ﾉ
/ く ､＿／っ/ ＼ ． ． ＼
| ＼--一'' ＼
| |ヽ、二⌒)､ ＼
226 ：
北方やる夫 ◆vHtcpbLuPQ [saga]：2009/05/10(日) 23:36:04.33 ID:FexRxBA0
＿＿＿_
／ ＼ そんな…七郎は嘘を吐いてるお！
／ _ノ ヽ､_ ＼
／ oﾟ(（●）) (（●）)ﾟo ＼ 貂蝉タンは実在したんだお！
| （__人__）' |
＼ ｀⌒´ ／
／￣￣＼ 実在の人物なら、正史にも登場しているはずだろ
／ _ノ ＼ 現に、登場していないから、架空の人物に違いない
| （ ●）（●）
. | （__人__） 菫卓の侍女をモデルにしたという説が、有力らしいんだが…
| ｀ ⌒´ﾉ
. | } …って、完全にスレの趣旨が変わってるじゃねぇか
. ヽ }
ヽ ノ ＼
/ く ＼ ＼
| ＼ ＼ ＼
| |ヽ、二⌒)､ ＼
／￣￣＼
／ ノ ＼ ＼ 三国志スレは、おそらく一番数が多いと言ってもいい
| （●）（●） |
. | （__人__） | 作者も、北方三国志をやってみたいという意欲はあったらしいが、
| ｀ ⌒´ ﾉ そういう情勢もあるので、控えたそうだ
. | 三国志は、他の作者を応援すればいい}
. ヽ }
ヽ ノ ＼ アンタもそう思うだろ？
/ く ＼ ＼
| ＼ ＼ ＼
| |ヽ、二⌒)､ ＼
228 ：
北方やる夫 ◆vHtcpbLuPQ [saga]：2009/05/10(日) 23:42:17.66 ID:FexRxBA0
／￣￣＼
／ _ノ ＼ もっとも、当初は北方水滸伝をやるつもりだったそうだ…
| （ ー）（ー） 原作自体、まだ連載中だってのにな
. | u. （__人__）
| ｀ ⌒´ノ
. | } 超一流のプロが、足掛け１０年も書き続けてる大長編だお？
. ヽ } ／￣￣￣＼ あんな長編をやったら、全１０００話くらい軽く超える…
ヽ ノ / ⌒ ⌒ ＼ 作者は、一生終わらせる気がねぇんじゃねぇのかお…
i⌒＼ ,__(‐- 、 / u （ー) ::::（ー)ヽ
l ＼ 巛ー─;＼ | :::⌒（__人_）⌒:l
| ｀ヽ-‐ーく＿） ＼ ｀ ￣´ ／ ザパァアァァァ‐─────‐‐‐ ‐ン
. | l i⌒＼、___ ィヽ
| | .l ＼ 巛ー゛‐;＼
リー──‐‐t_＿__. | ヽ-‐≠ー '′
l " ~￣￣⌒ヽ｀ヽ.|゛￣￣⌒ヽ￣ヽ
───`ー───ソ | |┴‐─-r |i' |───────┐
| | | |,＿|, __| |,
|＿、| __|. （´＿)゛＿) |,、;──‐─────‐───────‐─
l'＿__)_＿) ,゜ '≒~゜ ⌒ ~ " ~ ￣ ー ～
; °。 ;从ヾー~ ～"~ ～
゜ ° 。 ゜ ｀ 。 '、从;_゜ノ'～~ ～´⌒ ´～
）; ;゜ 。 ; 从 、 ,j ´ヾ。'~～〆";、～ッ)ヾ
ソ 人´; ノ'～、~ ソ 〆´( ゞ ～ 、～ ～' ⌒ ー
〆～ヾ、゜～ ヾ ～´ " ,゜
リ' ～ー ～' ソ～ ー～
北方やる夫水滸伝をやってみようと思っていた時期が、作者にもありました…
いま思えば、軽く死んで来い、って感じですよね？ｗ
でも、結構キャラとか考えてたんですよ
229 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/05/10(日) 23:46:30.29 ID:/C7jR4oo
仲間がおるｗｗｗｗｗｗ
無論私も挫折したが…… 231 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/05/10(日) 23:49:57.09 ID:UhEwtq2o
里見八犬伝といい、昔の人は小説を超絶に長く書くものな・・・
それを現代人的に細かい所まで表現しなおすとなると・・・
笑うしかないな 232 ：
北方やる夫 ◆vHtcpbLuPQ [saga]：2009/05/10(日) 23:53:18.76 ID:FexRxBA0
／￣￣＼
／ _ノ ＼ まぁメタな脱線は、このくらいにしておいて
| （ ●）（●） そろそろ本線に戻らないとな…
. | （__人__）
| ｀ ⌒´ﾉ 兄上、北漢が滅亡のピンチだ
. | }
. ヽ }
ヽ ノ
/ く
＿＿＿_
／ ＼ いきなり現実に戻されたと思ったら、
／ ─ ─ ＼ 現実逃避したくなる現状だお…
／ -=・=- -=・=- ＼
| （__人__） U |
＼ ｀ ⌒´ ／
233 ：
北方やる夫 ◆vHtcpbLuPQ [saga]：2009/05/11(月) 00:01:10.91 ID:inJK8VI0
／￣￣￣＼
／ ─ ─ ＼ 北漢が滅亡…
／ （●） （●） ＼
| （__人__） | 七郎、ヤバいって、
＼ ｀ ⌒´. ／ どのくらいのヤバさなんだお？
／ ＼
前回、散々と説明していただろうが…
／￣￣＼ 少しは記憶に留めてろよ
／ ＼ ＿＿＿_
|:::::: ｜ ／ ＼ 自慢じゃないけど、六郎はエロ以外のことで、
. |::::::::::: ｜ ／ ⌒ ⌒ .＼ 記憶をセーブすることはできねぇんだお
|:::::::::::::: Ｕ ｜／ （●） （●） ＼
. |:::::::::::::: } | （__人__） | それより、六郎が何を言ってたのかを
. ヽ:::::::::::::: } ＼ ｀ ⌒´ _／ 早く教えるんだお
ヽ:::::::::: ノ | ＼
/:::::::::::: く | | | |
-―――――|:::::::::::::::: ＼-―┴┴―――――┴┴――
|:::::::::::::::|ヽ、二⌒)
234 ：
北方やる夫 ◆vHtcpbLuPQ [saga]：2009/05/11(月) 00:02:30.11 ID:inJK8VI0
／￣￣＼
／ _ノ ＼ 自慢になってないだろ…
| （ ●）（●） （勢力図に変更が生じたし、説明もしやすいだろうから
. | Ｕ （__人__） ちょうど良かったかもな…）
| ｀ ⌒´ﾉ
. | }
. ヽ }
ヽ ノ
/ く
, -―- ､
／ ＼
/ /
／ /
. -―- ､ / /
/ ＼.|i / よしっ…最新版の地図と照らし合わせて、
/ ＼_ |ｌ:､ ./ 現状の説明をしてやるだろ…楊家的に考えて
(●) （●） | /
, -‐r…ー| (_人__) /| ／
/７ｰく厶 l ハ｀⌒´ /_j / ￣￣｀ヽ
_, -‐/ /-―１ |_/￣｀! _｣､＿___／广} , // |
/￣￣ｌ_ﾍ. 〈 〈}_ﾉ｣＿,ノ｜ 〈厂｀Y / ＼＿ l/′ ＼
, l￣ _｣_｣_ﾉ_, -r┘ ｀7介ｰ／_ ＿ ／ /／ ヽ
＼ ￣｀テ¨´ | /_」／ l＼ , / /´ |
￣￣ ＼ / ＼ l _｣/ / / l
∧/ ー―く | / / 〉
＼＼ / l､＼､ ／ / |
/厂入l ―- / ＼__／ ／ /
// ∧ 〈 / ｀! 卜、＼ ／ ／
／/､ l ￣i＼＿_ 丿/ ｀匸¨´ 、 ／
／ ＼ / ／ | ￣ ￣￣
236 ：
北方やる夫 ◆vHtcpbLuPQ [saga]：2009/05/11(月) 00:05:31.93 ID:inJK8VI0
【現在の状況：宋軍に沢州と絳州を、あっさり奪われた】
!､ ・ |
ヽ ★太原府晋陽 ・ ,,--―‐'´
| ・ ／
/ ・ /´
{ ・ i
,ﾉ ・ /
| ・ / ノ
| ・ ,| r‐'´
| ・ ﾉ |´
| ・ / / 白：宋
| ・ | ノ 黒：北漢
i´ ・ 北京大名府○ r´
｀i 岳陽 ・ { | ☆★：首都
!, ● | ,| ○●：大都市
| / | △▲：砦など軍事施設
/ ノ ﾉ
/ ○絳州 ←－○沢州 ノ /
/ 太行山 ,,,-'´ ,ﾉ´
| ,､ △ _r'´ ＿ノ ↑↓←→：宋軍の進路
{ ／ ~｀'‐､ _,;'､ ＿,,-‐'´ ・・・・：遼軍の進路
{ _,,--‐´ ｀'´￣´~ ｀'‐‐'￣｀'-"､☆東京開封府
｀ー‐-‐'´ 黄河 ○ ｀i,
西京河南府 !､＿ ○南京応天府
｀'‐‐､
／￣￣＼ これが最新の勢力図だ
／ _ノ ＼
| （ ●）（●） 宋軍の侵攻が始まって、一ヶ月も経たないうちに
. | （__人__） 南の要所である拓州と絳州が落とされたんだが…
| ｀ ⌒´ﾉ
. | }
. ヽ }
ヽ ノ ＼
/ く ＼ ＼
| ＼ ＼ ＼
| |ヽ、二⌒)､ ＼
遅くなりましたが、地図職人さんに敬礼（ﾉ´д｀）
ありがたく使わせてもらってますorz
この時代の地図なんて、作者くらいしか使ってなさそうですけどｗ
237 ：
北方やる夫 ◆vHtcpbLuPQ [saga]：2009/05/11(月) 00:06:38.62 ID:inJK8VI0
／￣￣＼
／ ノ ＼ ＼ いくらなんでも、北漢が弱すぎる…
| （●）（●） | 六郎兄上も、そう思うだろ？
. | （__人__） |
| ｀ ⌒´ ﾉ
. | }
. ヽ }
ヽ ノ ＼
/ く ＼ ＼
| ＼ ＼ ＼
| |ヽ、二⌒)､ ＼
／￣￣＼ ＿＿＿
／ _ノ ＼ ／⌒ ⌒＼ 今さら、あいつらのヘタレっぷりを嘆いたって
| （ ●）（●） プニ ／（● ） （● ） ＼ 仕方ねぇお
. | （__人_(ニ~`ヽ、 ／:::⌒（__人__）⌒::::: ＼
| ｀ ⌒´(((_⊂>ヽ| |r┬-| | どうせ、これに懲りることもなく
. | } ＼ ＼ `ー'´ ／ ひきこもり続けるに決まっているお
. ヽ } ゝ-| ヽ
ヽ ノ ＼ ヽ ＼
/ く ＼ ＼
| ＼ ＼ ＼
| |ヽ、二⌒)､ ＼
238 ：
北方やる夫 ◆vHtcpbLuPQ [saga]：2009/05/11(月) 00:08:30.35 ID:inJK8VI0
／￣￣＼
／ _ノ ＼ 流石にそれはない…
| （ ー）（ー） とは、言い切れないのが哀しいところなんだよな
. | Ｕ （__人__）
| ｀ ⌒´ﾉ まぁそれについては、父上たちが腐心しておられるし、
.ｌ^l^lｎ } 俺たちが、どうこう言えないだろ
. ヽ L }
ゝ ﾉ ノ
／ / ＼
／ / ＼
. / / |ヽ、二⌒)､
ヽ＿＿ﾉ
／￣￣＼
／ _ノ ＼ …と、話を元に戻さないとな
| （ ●）（●）
. | （__人__） 兄上の言っていた献策は…こうだ
| ｀ ⌒´ﾉ
. | }
. ヽ }
ヽ ノ
/ く
239 ：
北方やる夫 ◆vHtcpbLuPQ [saga]：2009/05/11(月) 00:09:26.66 ID:inJK8VI0
【六郎の献策：絳州に留まる宋軍を、禁軍・遼軍・楊家軍で総攻撃】
!､ 。 ・ |
ヽ 。 ★太原府晋陽 ・ ,,--―‐'´
| 。 ” ・ ／
/ 。 ” ・ /´
{ 。 ” ・ i
,ﾉ 。 ” ・ /
| 。 ” ・ / ノ
| 。 ” ・ ,| r‐'´
| 。 ” ・ ﾉ |´
| 。 ” ・ / / 白：宋
| 。 ” ・ | ノ 黒：北漢
i´ 。 ” ・ 北京大名府○ r´
｀i 。 岳陽” ・ { | ☆★：首都
!, 。 ● ・ | ,| ○●：大都市
| 。 ” ・ / | △▲：砦など軍事施設
/ 。 ” ・ ノ ﾉ
/ ○絳州 ・ ○沢州 ノ /
/ 太行山 ,,,-'´ ,ﾉ´
| ,､ △ _r'´ ＿ノ ↑↓←→：宋軍の進路
{ ／ ~｀'‐､ _,;'､ ＿,,-‐'´ ・・・・：遼軍の進路
{ _,,--‐´ ｀'´￣´~ ｀'‐‐'￣｀'-"､☆東京開封府 。。。。：楊家軍の進路
｀ー‐-‐'´ 黄河 ○ ｀i, ”””””：北漢軍の進路
西京河南府 !､＿ ○南京応天府
｀'‐‐､
／￣￣＼ まず、宋軍に絳州を奪われた形になるんだが…
／ _ノ ヽ､.＼
| （●）（●） | ここで間髪を入れずに、攻勢に出るんだ
| （__人／,〉.|
{ ´フ´ ./._ } まず北漢禁軍を南下させ、進軍中の遼軍と、
ヽ .／,二ニソ} 楊家軍で側面から、同時に挟撃を仕掛ける
_ヽ/ ,-― ､}ﾉ
／:;:{' ノｰﾍJ:;:;ヽ これなら一網打尽にできるだろ…兵法的に考えて
／:;:;:;:;:;| _,イ{:;::;:;:;:;l:;:;}
/:;:;:;:;:;:;:;:;:＼＿/:;:;:;::;:;i:;/＼
{:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;／:;:;:;:;:;:;:;〈:;:;:;:;:＼
ﾍ:;:;:;:;:;:;:;:;／:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:i;:＼:;／ヘ、
￣￣7:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;l;:;::;ゝ、`ｰj
/:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;l:;:;:;:;:;:＼~
/:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:|ヾ:;:;:;／
240 ：
北方やる夫 ◆vHtcpbLuPQ [saga]：2009/05/11(月) 00:10:27.52 ID:inJK8VI0
＿＿＿_
／ ＼ ／＼ ｷﾘｯ
／ （ー） （ー）＼
／ ⌒（__人__）⌒ ＼ 何という慧眼…思わず身震いしてしまった
. | |r┬-| |
＼ `ー'´ ／ これは間違いなく、宋軍を殲滅できるお！
ノ ＼
／´ ヽ
| ｌ ＼
ヽ -一''''''"～～｀`'ー--､ -一'''''''ー-､.
ヽ ＿＿＿＿(⌒)(⌒)⌒) ) (⌒＿(⌒)⌒)⌒))
／￣￣＼
／ ⌒ ＼ あぁ、六郎兄上にしては、珍しくまともな献策だったからな
（ ⌒）（ ⌒） ｜
.（__人__） | あとは楊家軍の出動を待つだけだろ
ｌ｀ ⌒´ .｜
{ .｜
{ ＿ |
（ヽ、ヽ / ）|
| ｀`ー―‐'| ..ヽ|
ゝ ノ ヽ ノ
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
241 ：
北方やる夫 ◆vHtcpbLuPQ [saga]：2009/05/11(月) 00:11:46.36 ID:inJK8VI0
しかし、その翌日―
／￣￣＼
／ _ノ ＼ なん…だと…？
| （ ○）（○）
. | U （__人__） この期に及んでも、
| |r┬-| まだ楊家軍に出動を命じないのか？
. | ι `ー'´}
. ヽ u }
ヽ ノ
/ く ＼
| ＼ ＼
| |ヽ、二⌒)､
＿､‐-､, -‐ｚ._
＞ ` " " ′.＜
／ " " " " ﾞ ﾞ ﾞ ﾞ ＼
7 " " ",.",ｨ ﾊﾞ ,ﾞ ﾞ ヾ r‐ ' _ノ ククク…宋軍をこちらの領内に引き込んだというのに、
! " " /-Ｋl/ Vｌﾊﾞ.N ＿ ) (_ 未だに禁軍を、南へ動かさないとはな…
| "ｎ l =｡== _ ,≦ﾊ! （⊂ﾆﾆ⊃)
|."しｌ| ￣ ,._ ∨ ｀二⊃ﾉ 我らの陛下は、遼の援軍を余程、頼りにしていると見える…
| " ﾞハ ー--7′ （( ￣
r'ﾆﾆヽ._＼. ¨/ ;; そのまま侵略軍に転じなければいいんだがな…
r':ﾆニ:_`ｰ三`:く._ [l、
／: : : : : : :｀,ニ､: :_:_;＞ ／,ｨつ
. /: : : : : : : : / : : : ヽ＼ ,∠∠Z'_つ
| : :.:.:.:.:.: . :/: : : : : : l : ヽ. / .r─-'-っ
. |:.:.:.:.:.:.:.:.:.,' ''"￣: : :l: : : :l / ）:::厂 ´
|:.:.:.:.::.:.:.:ｌ -─-: : /:_:_:_:_l /￣｀Y´
. |:.:.::.:.::.::l._＿: : : :/::: : : : :l/⌒ヽ: :〉
|::.:::.::.::l: : : : : : /:::: : : : : |: : : : ﾞ/
王 貴
楊家軍参謀にして、楊業の右腕。
弁舌と謀略に長け、楊家軍の後方支援、宮廷工作を統括している。
”神域の謀臣”の異名を持つ曲者。
242 ：
北方やる夫 ◆vHtcpbLuPQ [saga]：2009/05/11(月) 00:13:15.01 ID:inJK8VI0
_,;r''" ﾞi
,r'' 〈;;K〕 _,,;::ニ-ー-----=ﾆ::,,_ ,ﾉ
{ ,,:ﾆf'l" ;; :, ,, `l;,
ﾞ:､,,,＿＿＿,,;r''i" i l | li li li; li;;,, ﾞii;
_;f ﾞﾂ,川; l l l llli;i, 'lii;llliilllllliii;;;;;;;;,,,,liiiii} ………それで、王貴
ら'"~ _,,ﾂ 川ﾄミヾﾐミﾄ,llllliii;;,''llliiillllllllllllllllllliiillll}
{i" 〃ｱ~;;;ﾆ._ﾞヾ＿_三ニ=-ﾞﾐミﾞ;iillllllllllllllllllllllllllllli} その頼りになる遼の援軍を指揮しているのは
ﾞi,{ ,{{ ﾞi "ﾓji:､ ;'" -''ﾓj-=;, ji;lllll''""ﾞ;;llllllllllﾂ 誰なんだい？
ﾞヾﾐ､ﾞl; ￣ l:: ::..' ￣￣ ,ﾉﾂﾂ i'" ,ﾉlllllllﾂ
ﾞﾘ':l; l: :::::;,_ ,;ﾂ' i ノ;illllli;'
'l ﾞ:,__:-'' _,il-''";llllli;'
'l; ー─-- ,,r''ﾉ ﾞﾐ;illlllli;;ﾐ;､
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_,;:-''"~''i:, _,::r'".:::: '_,;ﾆ-''''~~ :l
＿,,,,,,;;;:-ｧ"ヽ ／~'===ﾃ"ー､r''''"" _,:-ｰi :|ﾞ'-::,,_
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,/",i' ,;i'j ,} ,;f ﾉ ,i' ﾉ ∥ ﾚ-'''"" ﾞ''ー-
,/' ;l ,l,j r'"l, '' ,:ﾄﾂ ∥ ,;:r''
. /' Lﾆ--ー l,l "ﾞl;, `''ー----─''" ﾗ' iLｪｰ''"
楊 業
北漢最大最強軍閥”楊家軍”の現棟梁。
”楊不敗”の通り名を持つ、当代随一の用兵家。
｀ヽミメ、 . -‐,=‐
. . .-‐‐ミ i! Y i! 厶イ_＿
気になるかい…？ ∠..., =‐- i! i! i! i! ＜´
.ィ´ i! i! i! i! i! i! i! ヽ
耶律沙…だそうだ… . , ′i! i! i! i! i! i! i! i! i!.!
/イ i! i! i!ｨ i! i./::､ i! ﾄ､ i! i! !
/i!.／/i!./::iメi/:::::::,ﾒ､「ヽﾄ､ i! i!j
/イ i!/! /==｡=､:::::.=｡==＝:i!,...i! |
ｊ/ j/ i::｀:‐:/:::::::: ｰ一.:´:|ir, }.|
i:::::/.::::::、 .::::::|Lﾝii|
i: ｀‐――一'.;.::::ハ.i! ｊ;＼
､ ー ..:::::／; ヽ:{;;;;;;;ﾄ､__
. -=''7ﾍ.....:.:::::／;;; ' ｊ;;;;;;;j;;;;;;;
-‐'";;;;;;;;;;/;;;;;;ヽ .イ;;;;: ' /;;;;;;;;|;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;|:.:;;:::' /;;;;;;;;;;;!;;;;;;
243 ：
北方やる夫 ◆vHtcpbLuPQ [saga]：2009/05/11(月) 00:14:31.29 ID:inJK8VI0
＿＿＿_
／ ＼ 耶律沙…！
／ ＼
／ ＼ ／ ＼ 遼軍の元帥”耶律奚低”の副官
| （●） （●） | あの耶律沙ですか？
＼ ´ ／
／ ⌒ ＼
楊 延平
楊業の長男。
温厚かつ公平な性格で、周囲からの信頼が厚い。
i^,＼_＿,,＿ ／＾ｌ
ｌノ i|l ヾﾉ こいつは意外ニャ…
ｼ " ＼ ,＿ ﾐ
ﾒ （●） （●） ﾐ 本気で救援に駆けつけるにしては、
彡 Ｕ 三 （__人__）三;ミ 兵数が二万と心許ニャい
/ ∩ノ ⊃ ／
( ＼ ／ ＿ノ | | しかし、それを指揮する将軍が
.＼ “ ／＿＿| | 遼軍のナンバー２とニャると…
＼ ／＿＿＿ ／
楊 延定
楊業の二郎（次男）。
血気盛んな性格だが、上の人間には従順。
244 ：
北方やる夫 ◆vHtcpbLuPQ [saga]：2009/05/11(月) 00:18:14.90 ID:inJK8VI0
＿＿＿＿＿
／.::::::::::::::::::::::::::.ヽ 遼にとっては、瀬踏み程度と
|.:::::::::γ⌒Ｙ⌒ヽ::.| 捉えているのかもしれませんな
|::::::::/ ⌒ ⌒ |
|:::::::〉 （ ●） （●）| つまり”形の上では、救援に応じた”と
（@ ::::⌒（__人__）⌒)
| |r┬-| | 遼から見れば北漢など、宋に対する
＼ `ー'´ ／ 防波堤に過ぎませんしｗ
,,.....イ.ヽヽ、___ ーーノﾞ-､.
: | '; ＼_____ ノ.| ヽ i
| ＼/ﾞ（__)＼,| i |
＞ ヽ. ハ | |｜
楊 延輝
楊業の三郎（三男）。
陽気な性格で、あまり物事を深く考えない。
/＼＿＿_／ヽ
／'''''' '''''':::::::＼ 左様ですな
. |（●）, ､（●）､.:| ＋
| ,,ﾉ(､_, )ヽ､,, .::::| 我ら楊家軍なくして、北漢に存命など非ず
. | ｀-=ﾆ=- ' .:::::::| +
＼ ｀ﾆﾆ´ .:::::／ + そうでしょう？四郎兄上…
,,.....イ.ヽヽ、ﾆ__ ーーノﾞ-､.
: | '; ＼_____ ノ.| ヽ i
| ＼/ﾞ（__)＼,| i |
＞ ヽ. ハ | |｜
楊 延徳
楊業の五郎（五男）。
普段はクールだが、戦場に立つと一転してヤバイ。
245 ：
北方やる夫 ◆vHtcpbLuPQ [saga]：2009/05/11(月) 00:22:20.88 ID:inJK8VI0
／￣＼
| | さぁな…仮定を話すことに、意味など無い
＼＿／
| こうして戦の想定をしたところで、
／ ￣ ￣ ＼ 我らには出動の機会は与えられていないのだ
／ ::＼:::／:: ＼
／ .<●>::::::<●> ＼ 考えるだけ無駄というものだろう
| （__人__） |
＼ ｀ ⌒´ ／ まぁその仮定の話で、耶律沙とやらと
/,,― -ー ､ , -‐ ､ 干戈を交える機会があるとすれば…
（ , -‐ '" ）
`;ー" ` ー-ー -ー'
l l
楊 延朗
楊業の四郎（四男）。
戦に関しては非凡な才を持っているものの、性格に難アリ。
／￣＼
| | 一度だけだ…
＼＿／
| ｷﾘｯ 次は要らない…
／￣￣￣ ＼
／ ::＼:::／::::＼ 敵は、徹底的に殲滅する…
／ <●>::::::<●> ＼
| （__人__） | それが俺の戦…っ！
＼ ｀ ⌒´ ／
￣（⌒`:::: ⌒ヽ
ヽ:::: ~~⌒γ⌒）
ヽー―'^ー-'
〉 │
246 ：
北方やる夫 ◆vHtcpbLuPQ [saga]：2009/05/11(月) 00:24:49.47 ID:inJK8VI0
＿＿＿_
／ ＼ ううう…空気が張り詰めてて、
／ _ノ ヽ､_ ＼ 小便チビりそうだお…
／ oﾟ⌒ ⌒ﾟo ＼
| （__人__） | 四郎兄上が喋ると、いつもこうだお…
＼ ｀ ⌒´ ／
／￣＼
| |
＼＿／ ﾋﾟｸｯ
|
／ ￣ ￣ ＼
／ ::＼:::／:: ＼ …………！
／ .<●>::::::<●> ＼
| （__人__） |
＼ ｀ ⌒´ ／
/,,― -ー ､ , -‐ ､
（ , -‐ '" ）
`;ー" ` ー-ー -ー'
l l
247 ：
北方やる夫 ◆vHtcpbLuPQ [saga]：2009/05/11(月) 00:27:19.36 ID:inJK8VI0
＿＿＿
／ ＼ ど、どうかしましたかお？
／ノ ＼ u. ＼
／ （●） （●） ＼ 四郎兄上…
| （__人__） u. |
＼ u.｀ ⌒´ ／
ノ ＼
／´ ヽ
／￣＼
| |
＼＿／
| いや…何でもない
／ ￣ ￣ ＼
／ ::＼:::／:: ＼ 気にするな…
／ .<●>::::::<●> ＼
| （__人__） |
＼ ｀ ⌒´ ／
248 ：
北方やる夫 ◆vHtcpbLuPQ [saga]：2009/05/11(月) 00:27:57.91 ID:inJK8VI0
＿＿＿_
／⌒ ー､＼ そ、そうでしたかお…
／（ ●） （●）＼ （四郎兄上は、いつも何を考えてるか
／::::::⌒（__人__）⌒:::::＼ よくわからない人だから、不気味だお…）
| Ｕ |r┬-/ ' |
＼ `ー'´ ／
／￣＼
| |
＼＿／
|
／ ￣ ￣ ＼
／ ::＼:::／:: ＼ …………
／ .<●>::::::<●> ＼
| （__人__） |
＼ ｀ ⌒´ ／
/,,― -ー ､ , -‐ ､
（ , -‐ '" ）
`;ー" ` ー-ー -ー'
l l
249 ：
北方やる夫 ◆vHtcpbLuPQ [saga]：2009/05/11(月) 00:28:54.68 ID:inJK8VI0
＿＿＿_
／ ＼
／ ＼ 父上は、耶律沙が来ることについて
／ ＼ ／ ＼
| （●） （●） | どう思われますか？
＼ ´ ／
／ ⌒ ＼
,.r-‐''"´｀丶､､..,,,_
,r'´ゝ､ ,r'´ﾌ ,､'r￣｀ヾ､
／,ｲ`ヾｰ=彡' ,ｨﾂｲ/ ::ヾ｀ヽ, 好きにさせておけば、いいんじゃないかな
,! ,ﾊ'´ ... . ::;_,ｨミ l
l,ｨ,,,:':::ヾ ミ､;;;,.､-─ﾞ'''ｧty､::;ｨヅ;;::j どうせ私が相手をするわけじゃないんだし
,}｀`ﾊヽ;;;;, r'´ -─‐'´ﾞ,ノ'ソｲ'ヾ,;;〈
/:..;;;,r' ヾ､ﾘ ,か)ゞ`' ,r'｀ヽ,|トj;:ﾘ まぁ自国の領内で、他国の軍同士が闘い、
{ｊｊ ﾊi ノｉ ,:トj ,jﾃy ,ﾊ;;ｉr' 自分たちは傍観している…という状況自体が、
,!.;;:::;ヽゝ'ヾ' ヽ j-‐' 滑稽を通り越して、狂気の沙汰としか思えないがね…
{'ﾍ、,ミジゝ ｀ャソ ,!
`ゞ ﾘﾊ彳､. ｀`ｰ-､, /
ﾞ,r-く,._ｲ, ヽ, ｀ー /
/ ｀丶ﾐ､_ /
,ｲ ｀ヾ,ｰ‐r一'
／ ｀¨丶-､ ｀ｲi｀ヽ､
,r'´￣ ｀ヽ､,ｲ ｀丶 / |,j､ 'j
,イ ヽ､ ＼,/ ,!j ki､,ｲ､
/ ｀, 'i ｀`ヾ<'
250 ：
北方やる夫 ◆vHtcpbLuPQ [saga]：2009/05/11(月) 00:31:31.22 ID:inJK8VI0
,. - ──‐- ､､､
,. '´ ｀`ヽ､
/.... ＼
｛.:.::::. r'_〉 ﾉ
入_ ＿ __ _ ,.. -‐=＝=‐--…く
〃.::::::::ﾉ川::::::::.:.:.:.:jij.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`ヽヽ ここは先日も言ったように、
ｲ::::::::::::ﾉﾊﾄﾄ､.:.:.:.:､::::ﾄﾄ､ ミﾐヽ.:.:.:.:｛{ 宋と遼の戦いを見ることにしようじゃないか
{.:.:.;.:.:../=ｯ,,ヽ＼＼ヽ.:ヽミﾐヽ､.:.:`ヽﾘ
「ヽ }ﾊ.:.ｨｲ i1_) ｀` ___｀`ヾミミﾐヽ ﾘ
l | `ヾぃ ´ } ´￣｀` jﾐ刃.:.:.:.:j!
} | ﾊ / ﾚ' ﾉ;;;;｛〈
ﾉ L ,r‐-､ }.:', ｀ｰ' ﾉ爪.:.ヽ:｛
ﾉ `ヽL | l.:ﾊ ` ‐一' ／ ; ｝;.:::j`ﾄ､__
ﾉ ｀`Yﾉ ′ ヽ ｀ﾞ ／ ; jﾉﾘﾘ 1::. ￣¨¨｀`
「 ｀`Yﾉ ﾚ'"´イ.:::/ ゝ--‐く ,.ｲ !::::.
| r‐ｭﾉ ﾉ.／.::::::::l.:/.:.::::L__ _ ,. -‐くﾉ ﾊ j!:::::
/| l,ィ ／.:::::::::::::| l.::::::｛ ぃ j! .::',. V ,′`ヽ _ ＿＿
_ノ.:| ﾉﾉ}.:.:::::::::::::::::;′.::::::::ヽ い ﾉ .:::::::', j
,r'´.:l.:/.:`ー‐'´lリ.:.:::::::::::::::::;′.:.::::::::::::.`ｰ-‐' ,.:: :.:::Vi
/.:.`ヽl/.:./.:/.:/ﾉﾚ{.:.::::::::::::::::,′.:: ::::::::::::. .::,′ l
/.:.:.:.:.:. `¨¨¨¨¨´ 1.:.:::::::::::::,′ :.::::::::::::::､ .::::, l 「//77
＿＿＿_
／ ＼ そうですね…
／ ⌒ ⌒ ＼
／ （●） （●） ＼ 宋軍から、どの将軍の軍が出てくるのかも
| __´___ . | 興味がありますし…
＼ `ー'´ ／
＿＿＿_
／⌒ ⌒＼ 兄上、宋軍はきっと呼延賛を出してきますお！
／（ ●） （●）＼
／::::::⌒（__人__）⌒:::::＼ この前の接天関の戦いぶりを見れば、
| |r┬-| | 使いたくなるってもんですお
＼ `ー'´ ／
251 ：
北方やる夫 ◆vHtcpbLuPQ [saga]：2009/05/11(月) 00:32:27.86 ID:inJK8VI0
i^＼ ＿,,＿ ／＾ｌ
ｌ ノ ⌒ i|l ⌒ ヾﾉ まーた始まったニャ
ｼ "（ ー） （ー） ﾐ
ﾒ ＝ ⌒（__人__）⌒=ヽ おみゃーときたら、いつも物事を
彡 |r┬'| ;ミ 一つの方向でしか見れないから困るニャ
γ⌒) `ー ' ﾝ
＿＿＿
／ ＼ えっ…結構、自信があったのに…
／ノ ＼ u. ＼
／ （●） （●） ＼ 一体、どういうことですお？
| （__人__） u. |
＼ u.｀ ⌒´ ／
ノ ＼
／´ ヽ
i^,＼ ＿,,＿ ／＾ｌ
ｌノ ／ i|l ＼ヾﾉ 呼延賛は、つい最近、帰順したばかりニャろ？
ｼ " （ ●） （● ）ﾐ
ﾒ ＝ ⌒（__人__）⌒=ヽ つまり宋軍の中では、新参者ニャ
彡 ;ミ
ヾ ﾝ
/ "" |
252 ：
北方やる夫 ◆vHtcpbLuPQ [saga]：2009/05/11(月) 00:33:41.20 ID:inJK8VI0
＿＿＿_
／ ＼ で、でも…それなら、
／ u ノ ＼ むしろ尖兵を命じられるんじゃないですかお？
／ u （●） ＼
| （__人__）| 外様に、忠誠心を求めるのは、
＼ u .｀ ⌒／ 君主としては、当然のことだと思いますお
ノ ＼
／´ ヽ
i^＼ ＿,,＿ ／＾ｌ
ｌ ノ ⌒ i|l ⌒ ヾﾉ まぁ”通常の戦”なら、おみゃーの言うとおりニャ
ｼ "（ ー） （ー） ﾐ
ﾒ ＝ ⌒（__人__）⌒=ヽ ただ、今回の戦は違うのニャ
彡 |r┬'| ;ミ
γ⌒) `ー ' ﾝ
i^,＼ ＿,,＿ ／＾ｌ
ｌノ ＼ i|l ／ヾﾉ そう…”天下の覇権を懸けた戦”ニャ！
ｼ " （ ●） （● ）ﾐ
ﾒ ＝ ⌒（__人__）⌒=ヽ となると、先鋒＝一番槍の名誉を預かれる…
彡 ;ミ
ヾ ﾝ つまり手柄争いが、通常のそれと桁違いに、
/ "" | 起きるのニャ！
253 ：
北方やる夫 ◆vHtcpbLuPQ [saga]：2009/05/11(月) 00:34:49.00 ID:inJK8VI0
＿＿＿_
／ ＼ そうなのかお…
／ ＼ ,＿＼.
／ （●）゛ （●） ＼ 六郎は、大して手柄に興味なんてないから、
| ∪ （__人__） | そういう裏の事情まで、考慮できませんでしたお…
/ ∩ノ ⊃ ／
( ＼ ／ ＿ノ | | となると、迎え撃つのは、
.＼ “ ／＿＿| | 古参の将軍の誰か、ということになるのかお
＼ ／＿＿＿ ／
＿＿＿＿＿
／.::::::::::::::::::::::::::.ヽ
|.:::::::::γ⌒Ｙ⌒ヽ::.| 私は、”潘仁美”が出るのではないかと思います
|::::::::/ ⌒ ⌒ |
|:::::::〉 （ ●） （●）| 何たって、父祖の代から仕えている最古参の将軍
（@ ::::⌒（__人__）⌒)
| |r┬-| | 名門は、そういう名誉に目が眩むものでしょう
＼ `ー'´ ／
,,.....イ.ヽヽ、___ ーーノﾞ-､.
: | '; ＼_____ ノ.| ヽ i
| ＼/ﾞ（__)＼,| i |
＞ ヽ. ハ | |｜
/＼＿＿_／ヽ
／'''''' '''''':::::::＼ 某は、”曹彬”かと思います
. |（●）, ､（●）､.:| ＋
| ,,ﾉ(､_, )ヽ､,, .::::| 宋の先帝、太宗の代から仕えておりますし、
. | ｀-=ﾆ=- ' .:::::::| +
＼ ｀ﾆﾆ´ .:::::／ + 何よりも軍功においては、他の将軍の追随を許しておりません
,,.....イ.ヽヽ、ﾆ__ ーーノﾞ-､.
: | '; ＼_____ ノ.| ヽ i
| ＼/ﾞ（__)＼,| i |
＞ ヽ. ハ | |｜
254 ：
北方やる夫 ◆vHtcpbLuPQ [saga]：2009/05/11(月) 00:35:46.77 ID:inJK8VI0
／￣￣＼
／ _ノ ＼ 私は、まだ初陣すら果たしていないので、
| （ ⌒）（⌒） とやかく言うつもりはありませんな
. | （__人__）
| ｀ ⌒´ﾉ 四郎兄上は、どう思われます？
. | }
. ヽ }
ヽ ノ ＼
/ く ＼ ＼
| ＼ ＼ ＼
| |ヽ、二⌒)､ ＼
／￣＼
| |
＼＿／ さぁな…
|
／ ￣ ￣ ＼ （実を言えば、俺も六郎と同じく
／ ::＼:::／:: ＼ 呼延賛が迎え撃つと思っている…
／ .<●>::::::<●> ＼
| （__人__） | 初撃で自軍の最強の戦力を出すのが、
＼ ｀ ⌒´ ／ 俺の信条…）
/,,― -ー ､ , -‐ ､
（ , -‐ '" ）
`;ー" ` ー-ー -ー'
l l
255 ：
北方やる夫 ◆vHtcpbLuPQ [saga]：2009/05/11(月) 00:36:47.33 ID:inJK8VI0
,ｲ
/ | ━┓¨
,r‐､λノ ﾞi､_,､ﾉゝ ━┛
ﾞl ／￣＼ ﾞ､ ━┓¨
.j´ | | （. ━┛
{ ＼＿／ / ━┓¨ （それに、この俺の考え方は、
) | ,l~ ━┛ 何も戦術面に限ったことではない
／ ￣ ￣ ＼
／ ::＼:::／:: ＼ 戦略面から考えても、
／ <●>::::::<●> ＼ 決して間違っているものではないのだ…）
| （__人__） |
＼ ｀ ⌒´ ／
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ○）（○） し、四郎兄上…？
. | U （__人__）
| |r┬-|
. | ι `ー'´}
. ヽ u }
ヽ ノ
/ く ＼
| ＼ ＼
| |ヽ、二⌒)､
相変わらず煮え切らない宮廷に、相変わらず不満を抱く楊家軍。
そして、刻一刻と、宋と遼の戦いが、火蓋を切ろうと迫っていた。
256 ：
北方やる夫 ◆vHtcpbLuPQ [saga]：2009/05/11(月) 00:39:52.51 ID:inJK8VI0
四刻後―― ※一刻＝約30分
__,,..-‐≪´ _,.z─ ＼ ';, j|
￣~ _,＞-‐'" ￣`' ;, ./ |
-='''"´_,... _,..-‐ i ./ j
｀ヽ、~`'' ￣~` l/ ./
、弋ヾ _,. ヾ､i!|l ! / 殿…伝令からの報告だ…
ヽ、-ｚ''"´＜,-─z, `' ,ﾍ
へ─-＞''"´≪ , _,.-‐'" ﾐ,ﾍ アンタの読んだとおりだったぜ…
,／ヽ、 7７"/ _>-‐''"_,.. -"´∠_,.... i ﾍ ';
/: : : : ヽi l!. ,'i､￣ヽ,.フ _,,...--,-‐'´ , j∧ .l
_,...ｲ: : : : : : :l .i l ヾ､∠.､''"´ ／ ,..;'7 / / ljヽ､l |
,r-v⌒''ー'''"´ l: : : / : : 〉､i l ヽ・' ､';, ／ _,-‐" /／/ / / : : : 1、
f .i .i j-f i __,..l: : :i: :／: : ヾ `ﾞ'' -‐ ''"∠二/_,../ ／j! ./::|: : : : : :＼
l!_{_,{ﾆ<,ﾉ ､/￣ ヽ::／ : : : : : l i :::::/ `''- ’-'/／ ノ ./: : i: : : : : : : :｀-..,_
"￣ .／: : : : : : : : i,ﾄ､ :::/ ./,-'"´j／ :／'": : : : : : : : : : ｀ ﾞ '
／: :_,.-f-へ : : lﾍ';,+ ､,.._ ::/ ／: : : : : : /.-''"´: : : : : : : :_,-: :─
/／´ . | : : ヽ : |:ﾍ`''ー--l_/--.- ／: : : : : : ／-: 、: : : : : : ,-"´: : : : : :
l! : : : :〉: l ﾍ r==- ,.／: : : : : : : / : : : : : :｀ﾞ'', ' : : : : : : : : ::::::
i| : : /: : ﾍ ヽ ,.ﾍ´: : : : : : : : :/: : : : : : : : ,;": : : : : : : : : : : :::
ﾞ, : :ヽ: : : ﾍ ヽ"´1: ﾞ､: : : : : : : /: : : : : : : : /: : : : : : : : : : : : :::::
'､: : :｀ヽ､ ﾍ ,.l: : '､: : : : : :/: : : : : : : : / : : : : : : : : : : : : : : :
／ ヽ
/ ＿＿,,,,,,､､､､}__,
/ D , ．-''"￣ く
,' , -'" l `、 ﾞi、
{ , -' | ｊﾘ | 川 ､ ヽ } そうかい…となると、宋王の人となりは、
У´ 从ﾞi、从ゞ、从 ゞミジ〝 ﾞi 相当な人物だということがわかった
/ / /ﾉ八ゞメ, -ー廾ゞミ辷 ｒｰ､ ﾘ
{| { ,' / _.. -ｰ_ f¨¨［iｊ ）j爪)） } ｊ あの名君、太宗・趙匡胤の覇気を
iﾄ､ｌ川ヽ '´_{li､ ￣ ｲｊ彳 / |ﾉ 彼もまた受け継いでいるようだ
ﾞi､ ゞ从ﾞi、 ｊ ﾄｰ' 〈
ヽ;爪 {、 , 八 ヽ 我々としては、悩みの種が増えたことに
リ八 ,,,.．- ・ / ﾊ ﾊ》 なってしまったがね…
`、 =＝ / 从 ﾉ__
ヽ _, .-ー‥'''¨￣ |
,ィ'´ `、__ _ﾉ / ＿＿,,,... |
/ V'ﾝ￣~7 ,' 「O O O 」 ﾞi、
/ / 〃 / `"´￣_, -＼" ＼
/ ｲ{＿_,,,.ノ ﾉｊ＿, -''" ＼ `-.
￣ｊ ,' ／ `''ｰ-､
257 ：
北方やる夫 ◆vHtcpbLuPQ [saga]：2009/05/11(月) 00:41:55.63 ID:inJK8VI0
そして、その情報は六郎たちにも伝わった―
／| ∧＿ ∧ミ∧
/Ｙ'| .＼伝 /／ ・ |ﾐ 伝令です！
|. !.ﾍ （ﾟДﾟ ;（＿）' |ﾐ
ﾍ､__＞＠ﾟ∪ﾟ/ ,,| 宋軍の陣営から、呼延賛が出動！
.～＜三ミﾐγ"⌒（⌒) /`ー'"|
γ/ ヽ（_/ﾉ`ーΩ'`ヽ
/,へ､ ,）（ ,‐､ ﾉ.ﾉ-＝ ;;(;; ｀)⌒;;,,.⌒）⌒ヽ;;
/__）/`二ﾝ⌒し/ /～i ./ ＝≡ :(⌒;;⌒ヽ;; ｀)⌒;;,,.ソ'';｀)⌒;'
.//" （__） ./ /＝≡=≡三 :::(⌒;;;ソ⌒)(⌒;;ヽ;;｀)⌒;;,,."）⌒ヽ;
/__） / // ＝≡≡ソ''⌒;;）⌒;ソ⌒;;;;!"'''）ヽ）;;;;;ｿ;;,,,,）ソ⌒
.|__）））=≡≡ソ;ソ⌒)(⌒;;ヽ;;;;;'''）ヽ）;;;;;;;,,,,,,）ソ'｀)⌒;;''）
＿＿＿＿＿
i^,＼ ＿,,＿ ／＾ｌ ／.:::::::::::::::::::::::::::ヽ /＼＿＿_／ヽ
ｌノ ＼ i|l ／ヾﾉ |.:::::::γ⌒^Ｙ⌒ヽ::.| ／'''''' '''''':::::::＼
ｼ " （ ○） （○ ）ﾐ |::::::::ゝ:::::─三三─| . |（○）, ､（○）､.:|
ﾒ ＝ ⌒（__人__）⌒=ヽ |::::::（ （ ○）三（○）| | ,,ﾉ(､_, )ヽ､,, .::::|
彡 ;ミ （@::::::::::::::::（__人__）:::::). | ｀-=ﾆ=- ' .:::::::|
ヾ ﾝ |::::::::::: |r┬-| | ＼ ｀ﾆﾆ´ .:::::／
/ "" | ＼::::::::: `ー'´ ／ ／｀ー‐--‐‐―´＼
258 ：
北方やる夫 ◆vHtcpbLuPQ [saga]：2009/05/11(月) 00:42:54.34 ID:inJK8VI0
＊o ﾟ |+| ｡*ﾟ ＋ﾟ } o |* o｡! |!
o○+ | ∨ | {r|! *l: ＋ |!*l::j o ○。
・＋ ,-i| o.＋ ＿＿＿ ｡*ﾟ}‐ ､ﾟ ＋ |
ﾟ |i | {r|! *l: ／_ノ ' ヽ_＼ ﾉヾ} | なんという慧眼…また当てちまったお
o｡! |! * .ﾟ ／（≡）::::::（≡）＼ レ ﾉ ﾟ|
｡*ﾟ l ・ ／ /// （__人__） ///＼o ﾟ。・ ﾟ 今度こそ、間違いなく…
＊oﾟ | | |r┬-| | ＊|
｡ | ・ o ﾟ l＼ ｀ ー'´ ／*ﾟ・＋ﾟ ||
|o |・ﾟ ,.‐- .ハ ｲ | * ﾟ |
＊ ﾟ ｌ| / 、` ニ ´ ノ ﾉ o.＋ | ・
|l + ﾟo i ` -､{! /＿ ＼ ○・ |oﾟ
o○ | | ヽ. ヾ´ ￣ ｀ヽ *。
・| ＋ ﾟ o } } ヽ Ｏ。
Ｏ。 | | ﾘ、 ..::: .. l 。
o＋ |!*｡| / `ー:::: , ﾍ:::::.. | ＊
|・ | ﾟ・ |/ / :::... .. ／:::/ | ::..... { |
＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ─ ＼ ないない
／ （●） （●） ＼
| __´ _ | 次期棟梁は私
＼ ￣ ,／
r､ r､／ ヘ お前は勘当されないように、精進しろ
ヽヾ 三 |:l1 ヽ
＼>ヽ/ |｀ ｝ | |
ﾍ lノ `'ｿ | |
/´ / |. |
＼. ｨ | |
| | |
259 ：
北方やる夫 ◆vHtcpbLuPQ [saga]：2009/05/11(月) 00:44:58.62 ID:inJK8VI0
＜え、延平兄上まで…みんなして、ひどいんだお…！！
＜俺は、まだ何も言ってないでしょう（思っているとは、内緒だろ…）
＜ククク…仲睦ましい兄弟愛なことで……
／￣＼
| |
＼＿／ …………
|
／￣￣￣ ＼ （…俺と違い、六郎は感性で読んでいた
／ ::＼:::／::::＼ 調練を見る限りでは、大したこともないヤツだと
／ <●>::::::<●> ＼ 思ってはいたが…
| （__人__） |
＼ ｀ ⌒´ ／ いや、実際にヤツの戦振りを見てみたが、
￣（⌒`:::: ⌒ヽ やはり光るところは、何もなかった…
ヽ:::: ~~⌒γ⌒）
ヽー―'^ー-' 今回も、単なる偶然…か）
〉 │
260 ：
北方やる夫 ◆vHtcpbLuPQ [saga]：2009/05/11(月) 00:45:53.53 ID:inJK8VI0
_,,,.-―''''"￣`''-,‐'´－--- 、
, ''" ｒｒ、 ＼
／ /iiii（从川 iii iii;; ＼
ﾉ /iiiiiiiiiiiiiiiiiiiiｌ ii iii iiiiii ＼
/ ｉ ノｊノiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii| ii iii ｊiiiiiii ﾞ､ヽｊ
/ ﾉﾝiii;;;iiiiillllliiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii ;;〃iii ／j八iii }
!iiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii_,,,.-ｧiiiiiiiiiiiiiii〃,‐'ﾉノｰ_＝ 〉ｉｉｊﾘ さて、耶律沙 対 呼延賛の戦い…
ｉ、iiiiiiiiﾍ_ｉｉノ::::／iiiiiiiiiiiiiiiiiノ:::::::ｒ ' I!::: {jﾉjﾉ
ｉiiiiiiiiiゝ:::::::／iiiiir'´ヽii 〔:::::::: ￣ ＼ （耶律沙とは、国境の小競り合いで
ﾞ､iiiiiiiiii iiiiiiiiiiiii{ 斤ヽ ヽ::::::. ___ノ 何度か手合わせしたことがある
ｉiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiヽ､爪弋ﾐﾞ:::::::::: ｊ
＼iiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii`Y´:::::::::::::::: ｰ=! 呼延賛に関しては、話で聞いただけだから、
}iiiiiiiiiiiiiiiiii/ﾉﾉ从::::ﾞ､::::::::::::.. 'ｰｆ 詳しくはわからない
「iiiiiiiiiiiiiiiii/iﾝﾉjﾉ::ﾞ､: ヽ::::::::::::: ｉ
ヽi_i_ii_iiiii∧ﾘ:_:_:_:_ヽ;;;: :`''‐-、＿,,ノ ただ、しかし……）
|llllllllllllllllllllliiiiiiｉｉｉｉiｉiiiｉｉ＼〔＿__
|lllllllllllllllll＿llllliiiiiiiiiiiｉｉｉヽ与､-、ｉｉ､
r'´`ヽ!!!ｌｌｌｌｌ|＿ ~`''}ｉｉｉｉｉｉｉ| ｉｉ| ゝ＼ヽ
／llllllllllllllll＼llllllllllll`┘ｉｉｉｉｉ| ｉｉii| ﾉ }ｌL
／llllllllllllllllllllllllllll＼lｉｉｉｉ＼ｉｉｉｉｉ| ｉｉiiii||＿＿_」ｉｉｉ|
／llllllllllllllllllllllllllllllllllｉｉｉｉｉ＼ｉｉｉｉｉ￣ｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉヽ
／llllllllllllllllllllllllllllllllllｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉ／ｉｉｉｉｉｉｉｉｉ_ｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉヽ
/llllllllllllllllllllllllllllllllllｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉ／ｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉＨｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉ|
,．-──‐- ､
,．'´ ＼
／ _,,､-ーヽ
/ ,ィ< ゞ`,
! <ｶ ,．'´ ｀ﾐt､ ﾞi
,>､ ＿ _,,ｨ´ ヽヾ ､_ｲ 私は、耶律沙という男を!
,ｲ ,ｨｲﾊ､ ﾄ､`三ゞ､ ミ彡ij あまり買ってはいないのだよね…
l/l/ ,N'ﾞ _,ィ ｀ ､__,ﾆヾｰ-､ ,r､,i〈
l/Vﾊ, 冖ｲ `≡=､ ﾙ' / j ! 遼軍の特有の”攻めに強い”という
`i j 'ﾞ,ｲ ,ｨｲ 典型さを、そのまま表したような男だ
ヽ ､ ゝ< / ﾉ爪ﾘ
/^(､ ￣`'ｰ=' ／ ｲ/､
/ ＼_ ＿,／ _/Y >､
_, イ´ /!｀ヽイ｀＼! ,/ |
＿,,､-ｰ<二´ (´ ￣￣｀ヽ / i j 「 ,!/ L _ ＿
楊業は、周囲が評価しているほど、
耶律沙という、遼軍ナンバー２の将軍を高く評価していなかった。
261 ：
北方やる夫 ◆vHtcpbLuPQ [saga]：2009/05/11(月) 00:47:11.88 ID:inJK8VI0
,．'"´ ￣￣ ｀`ヽ
,､-''´ ＼
／;:::.: . . . ＿ _ ﾉ,
/;;:;:;:;:;:.:.: . .<ｶ〕. ,．' ´ ｀`ヾ
!;:;;:;:;:.:.: .:. . :. . ,,､ '´ .:..::`,
ﾞ､;:;: ;:.:.:.:.: .::,､‐'´;､ｨｲﾑ､;､ .:.､;.;.;.;ヾ! そして、彼の戦術も”直線の攻めに強い”という
,ｲ＞--‐''ﾞ´.;,ｨｲノﾝ'i'`ヾﾄヾ,,::.::::.ヾﾉ これまた、典型的な猪武者…は言いすぎかな
7;.;.;.;.;.;.;, ,ｨｼ'7_ ,,,､' ﾞ ､_,,>ﾄヾ､;::;:.ﾘ
_」;;;:;:;イ;;j"´,r-ﾃﾞ:;> ,ｲ^ﾓ7 `i;;;;:;ｿ 優勢な時はそれでもいい…が、
＿ , - ー'''´,ﾊ;;;;;;!/j;;;ﾄ ´ . i ´ ,ｲ;ｲｲ それは同時に、劣勢になると崩れやすいことを意味する
.:.:. :.:. :.:. :.:. :.:.:./;:..ゞ仆ヾlﾘ , ,! jｿ/′
;;:.:;.,． -─一'/;;:.: .:.｀ﾞゞﾍ_ﾄ､ ｀ｰ' / ヽ￣｀`ー- ､ そのあたりの対処を、耶律沙は考慮しているのか
:.:.:.:;.:. :.. :.: . . i;;;;.: .:. . Yj '､ -ー‐:- / i ｰ - ､_｀ヽ､
:.:.:.:.:. :.:.:. :. :.. .＼.:.: .. ,ﾍ ＼ヽ ＿_ ´￣ ,ｲ ﾊ _」;, ¨｀`ヽ, そして、それに対し、呼延賛はどう対応するのか
:.:.:.:.:.. .:.:. .: . .:. .:. ＼:./ -‐'"´ ｀`ｰrｧ'ｰ'-､_,::;:; i
,． -‐ ─ ''''"´￣ ij|| ￣ ｀`ヽ |
.:.: .:.: .: . . .:. :. . . . . 1||. ¨` ー -､ ､`, ヽ
.:.:.:.:::. :. :. .:.: ..: : : : : : : . . . . ., j i! i i,1 / j !
.: .:. :.: .:. :..: .: ,,r'"´ ￣ ￣ ｀ヽｲ;:'´ _,ﾚ^ｰ-､_ ,r‐y ｀i j,ﾘ / ! |
.:.:.:.:.:..:.:.:;:;:;／ ｀, ヽ:;: ;:,ｲ.: .: . . . .￣｀ゝ‐'T二ﾚ'ﾞ / ,! 」
:::::::::.::;;:;:;:/ j ﾄ､''´.: . .: :. : :.: . . .: . . ,. / | 1
,.r-‐''"´｀丶､､..,,,_
,r'´ゝ､ ,r'´ﾌ ,､'r￣｀ヾ､
／,ｲ`ヾｰ=彡' ,ｨﾂｲ/ ::ヾ｀ヽ,
,! ,ﾊ'´ ... . ::;_,ｨミ l
l,ｨ,,,:':::ヾ ミ､;;;,.､-─ﾞ'''ｧty､::;ｨヅ;;::j
,}｀`ﾊヽ;;;;, r'´ -─‐'´ﾞ,ノ'ソｲ'ヾ,;;〈 私が以前、耶律沙と闘った時、
/:..;;;,r' ヾ､ﾘ ,か)ゞ`' ,r'｀ヽ,|トj;:ﾘ
{ｊｊ ﾊi ノｉ ,:トj ,jﾃy ,ﾊ;;ｉr' 兵の犠牲を抑えたかったので、
,!.;;:::;ヽゝ'ヾ' ヽ j-‐' あしらう程度の戦しか、しなかったのだが…
{'ﾍ、,ミジゝ ｀ャソ ,!
`ゞ ﾘﾊ彳､. ｀`ｰ-､, / おそらく、彼には怯懦と思われただろうね
ﾞ,r-く,._ｲ, ヽ, ｀ー /
/ ｀丶ﾐ､_ /
,ｲ ｀ヾ,ｰ‐r一' それに関して、私は別にどうとも思ってないよ
／ ｀¨丶-､ ｀ｲi｀ヽ､
,r'´￣ ｀ヽ､,ｲ ｀丶 / |,j､ 'j
,イ ヽ､ ＼,/ ,!j ki､,ｲ､
/ ｀, 'i ｀`ヾ<'
262 ：
北方やる夫 ◆vHtcpbLuPQ [saga]：2009/05/11(月) 00:48:18.58 ID:inJK8VI0
/ , ｉｉｉ ﾞ!,ヽ, ,ヽ, ゝ、.. ;;;, ﾞヽ,
iﾞ , ,! , ｉｌｉ l i., l;, i, l;;;;,`ミﾞヾ';;;, ﾞi i
!iﾞ ;' ,i ,! ,/!,i,iﾊﾄ, i, !! |i', ﾞi; i;;;';';,,_ミ:: ;;, ﾘ
lv',ｨ' ,;;;i 〃;/ ﾘ.ﾘl| !lﾞ:,ﾄ,ﾞ:､li;'､ i:.ﾞi;..;;;;;;;,ヾ ;;:〈 私は、怯懦と思われることに、
,ｨ,ｨ/ ,,;;:;;ｲ,/ｼノﾝ' ﾉ ﾞl! ﾞ'いﾐ`ﾐゝﾐゝ､ﾞ';;;;;;;;;;;;;'v;;;i 然程の抵抗はない
'" / ,;;-''ｼr--=､∠,,__ﾞ､ ﾞゝ,;≧-─ﾐｰi;;;;;;;;;;;;;;;;;;l
iﾞiﾞ ;;ﾍ | ーt‐:ｧﾐ:｀､` ' '<"t::ﾗｰ- |;;;ﾊ;;;;;;;;;;iﾞ
ﾞ;ﾞ､ （ ﾊ,! ｀""´' ﾞ: `' ｀ ´ ﾉ;ﾘ ,i;;;;;;ﾉ 相手の首を奪る…
ﾞ:,ﾞ:､.ヽ,ﾐﾄ: , :. ｹﾉ./;;ｬ'′ その時までは、むしろ弱いと思われていた方がいい
`:､`ｰ; ,'. :::, 'ﾞﾌｰ';;lﾞ
ﾉ,;;;;ﾞﾄ `ｰ-‐'ﾞ /};;;;;;;l、
,ｨ'ｽ､;;;|`､ -‐ - ─- /,.};;;;;;;;;;｢
_｣ ゝ､;;;l ;ﾞ:、 ''''''' ,ｨﾞ 'ｸ;;;:;:;;;;｣
＿／/ `:'､ ﾞ; ﾞ' ､ ,ｨ'ﾞ ;'ク:::::::::::;`;､＿
'"／ l r‐`ｉﾞ:, `ｰ---‐''ﾞ ｢..:::::::::;ｨ^!;;;;;;;;;;;;
ﾞ! |:::::P"⌒`ヽr～''⌒`く! ::::::::iﾟ_ノ,;;;;;;;;;;;;
| ,l:::::::| / バ ,l :::::;:;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;
ﾞ: /:::::::::ﾞi ヽﾉ l ::;:;:;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
,. - ──‐- ､､､
,. '´ ｀`ヽ､
/.... ＼
｛.:.::::. r'_〉 ﾉ
入_ ＿ __ _ ,.. -‐=＝=‐--…く
〃.::::::::ﾉ川::::::::.:.:.:.:jij.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`ヽヽ
ｲ::::::::::::ﾉﾊﾄﾄ､.:.:.:.:､::::ﾄﾄ､ ミﾐヽ.:.:.:.:｛{ というわけで、試合結果を待とうか☆
{.:.:.;.:.:../=ｯ,,ヽ＼＼ヽ.:ヽミﾐヽ､.:.:`ヽﾘ
「ヽ }ﾊ.:.ｨｲ i1_) ｀` ___｀`ヾミミﾐヽ ﾘ
l | `ヾぃ ´ } ´￣｀` jﾐ刃.:.:.:.:j!
} | ﾊ / ﾚ' ﾉ;;;;｛〈
ﾉ L ,r‐-､ }.:', ｀ｰ' ﾉ爪.:.ヽ:｛
ﾉ `ヽL | l.:ﾊ ` ‐一' ／ ; ｝;.:::j`ﾄ､__
ﾉ ｀`Yﾉ ′ ヽ ｀ﾞ ／ ; jﾉﾘﾘ 1::. ￣¨¨｀`
「 ｀`Yﾉ ﾚ'"´イ.:::/ ゝ--‐く ,.ｲ !::::.
| r‐ｭﾉ ﾉ.／.::::::::l.:/.:.::::L__ _ ,. -‐くﾉ ﾊ j!:::::
/| l,ィ ／.:::::::::::::| l.::::::｛ ぃ j! .::',. V ,′`ヽ _ ＿＿
_ノ.:| ﾉﾉ}.:.:::::::::::::::::;′.::::::::ヽ い ﾉ .:::::::', j
,r'´.:l.:/.:`ー‐'´lリ.:.:::::::::::::::::;′.:.::::::::::::.`ｰ-‐' ,.:: :.:::Vi
/.:.`ヽl/.:./.:/.:/ﾉﾚ{.:.::::::::::::::::,′.:: ::::::::::::. .::,′ l
/.:.:.:.:.:. `¨¨¨¨¨´ 1.:.:::::::::::::,′ :.::::::::::::::､ .::::, l 「//77
263 ：
北方やる夫 ◆vHtcpbLuPQ [saga]：2009/05/11(月) 00:49:20.82 ID:inJK8VI0
／| ∧＿ ∧ミ∧
/Ｙ'| .＼伝 /／ ・ |ﾐ 伝令っ！
|. !.ﾍ （ﾟДﾟ ;（＿）' |ﾐ
ﾍ､__＞＠ﾟ∪ﾟ/ ,,| 宋軍と遼軍が交戦を開始！！
.～＜三ミﾐγ"⌒（⌒) /`ー'"|
γ/ ヽ（_/ﾉ`ーΩ'`ヽ
/,へ､ ,）（ ,‐､ ﾉ.ﾉ-＝ ;;(;; ｀)⌒;;,,.⌒）⌒ヽ;;
/__）/`二ﾝ⌒し/ /～i ./ ＝≡ :(⌒;;⌒ヽ;; ｀)⌒;;,,.ソ'';｀)⌒;'
.//" （__） ./ /＝≡=≡三 :::(⌒;;;ソ⌒)(⌒;;ヽ;;｀)⌒;;,,."）⌒ヽ;
/__） / // ＝≡≡ソ''⌒;;）⌒;ソ⌒;;;;!"'''）ヽ）;;;;;ｿ;;,,,,）ソ⌒
.|__）））=≡≡ソ;ソ⌒)(⌒;;ヽ;;;;;'''）ヽ）;;;;;;;,,,,,,）ソ'｀)⌒;;''）
＿＿＿_
／⌒ ⌒＼ お？
／（ ●） （●）＼
／::::::⌒（__人__）⌒:::::＼ ついに始まったかお！
| |r┬-| |
＼ `ー'´ ／
264 ：
北方やる夫 ◆vHtcpbLuPQ [saga]：2009/05/11(月) 01:04:43.68 ID:inJK8VI0
二刻後――
／| ∧＿ ∧ミ∧
/Ｙ'| .＼伝 /／ ・ |ﾐ 伝令っ！
|. !.ﾍ （ﾟДﾟ ;（＿）' |ﾐ
ﾍ､__＞＠ﾟ∪ﾟ/ ,,| 遼軍が潰走しました！
.～＜三ミﾐγ"⌒（⌒) /`ー'"|
γ/ ヽ（_/ﾉ`ーΩ'`ヽ
/,へ､ ,）（ ,‐､ ﾉ.ﾉ-＝ ;;(;; ｀)⌒;;,,.⌒）⌒ヽ;;
/__）/`二ﾝ⌒し/ /～i ./ ＝≡ :(⌒;;⌒ヽ;; ｀)⌒;;,,.ソ'';｀)⌒;'
.//" （__） ./ /＝≡=≡三 :::(⌒;;;ソ⌒)(⌒;;ヽ;;｀)⌒;;,,."）⌒ヽ;
/__） / // ＝≡≡ソ''⌒;;）⌒;ソ⌒;;;;!"'''）ヽ）;;;;;ｿ;;,,,,）ソ⌒
.|__）））=≡≡ソ;ソ⌒)(⌒;;ヽ;;;;;'''）ヽ）;;;;;;;,,,,,,）ソ'｀)⌒;;''）
＿＿＿
／⌒ ⌒＼ ━━┓┃┃
／（ ￣） （＿）＼ ┃ ━━━━━━━━
／::::::⌒（__人__）⌒:::: ＼ ┃ ┃┃┃
| ゝ'ﾟ ≦ 三 ﾟ｡ ﾟ ┛
＼ ｡≧ 三 ＝=-
-ｧ, ≧=- 。
ｲﾚ,､ ＞三 ｡ﾟ ･ ﾟ
≦｀Vヾ ヾ ≧
｡ﾟ /｡･ｲﾊ ､､ ｀ミ ｡ ﾟ ｡
265 ：
北方やる夫 ◆vHtcpbLuPQ [saga]：2009/05/11(月) 01:05:35.11 ID:inJK8VI0
＿＿＿_ い、いくらなんでも
／ .u ＼ 早すぎじゃないかお？
(（○）) (（○）)
/⌒)⌒)⌒. :::: （__人__） l_j :::＼ /⌒)⌒)⌒)
| / / / |r┬-| | (⌒)/ / / /／
| :::::::::::(⌒) U .| | | ／ ゝ :::::::::::/
| ノ | | | ＼ / ） /
ヽ / └ー.┘ ヽ / ／
／￣￣＼
／ _ノ ＼ 遼軍のナンバー２の将軍を、
| （ ○）（○） こうもあっさりと破るなんて…
. | U （__人__）
| |r┬-| 呼延賛強すぎだろ…楊家的に考えても
. | ι `ー'´}
. ヽ u }
ヽ ノ
/ く ＼
| ＼ ＼
| |ヽ、二⌒)､
266 ：
北方やる夫 ◆vHtcpbLuPQ [saga]：2009/05/11(月) 01:07:47.60 ID:inJK8VI0
|┃三 ＿─-､ -‐;ｚ.__
|┃ ＞ ` " ﾞ ＜
|┃ / " " " " ﾞ ﾞ ﾞ ﾞ＼
ｶﾞﾗｯ. |┃ " " ", ,ｨ ハﾞ i ﾞ､ ﾞ､ヾ 殿、速報だ…
|┃ " "ノlﾉメ、 |ﾉjﾑﾍ. N
|┃三 r,ｺ| ＝｡= ,｡==ﾊﾘ 戦況の詳細情報がわかったぞ…
|┃ |ﾋ.j| ￣ r_ ＼7
|┃ j `ｧﾍ ⊂ﾆﾆァ7
|┃三 ∨ :::＼ ＝ ∧
|┃三 ヽ. ::::＼,.ｲ |`'''‐- ､.._
|┃三 ＼ :::::/ │ ハ
|┃ ,ヘ 〉 |へ、| l. l
,,､-''"´￣￣｀｀`ヽ､
,／ `-､,,＿
,/ i, ; ﾞミ三ｰ''"
/ ﾊﾊ ヽ,
i" ,/ / ,〃i/ い、 ＼ いN
/ ,/ ,/ノ / ,ノﾉﾊ ﾄ,、 ミ`'ー Ｖﾘ
| ﾚ' _,,､ｧﾁ-ーﾋヽ| ゞﾋs、ミヽ i
ﾊ rﾍ ｱ' <ﾓﾃ;; ｉ' zｯ､｀i ｿ よし、早速分析に入ろうか
ﾞYf iﾞ |ﾄ :i ｀｀ ｲ, ノ
いヽ ﾞ!, ,_ ;､ ,ﾀ"
`i, `r､ .._＿｀＿ ,ﾘ
ｸ',ﾍ ﾞ:､ `''ー‐'´ /ﾞ
ｲ,ﾍ ゝ＼. ￣ ／
f￣`''ー─--ﾐ''-､,,＿,,イ!‐-､､,,_
,／ ﾞi,⌒ヽz￢"ﾞヽ i
ﾄ ヾぃ ） L,,＿
267 ：
北方やる夫 ◆vHtcpbLuPQ [saga]：2009/05/11(月) 01:09:51.14 ID:inJK8VI0
【呼延賛ＶＳ耶律沙の対陣図】
▽ □□□沙□□□ ▽ 【遼軍】
▽ □□□□□□□ ▽ ・□：歩兵
▽ ▽ ・▽：騎兵
・沙：耶律沙本隊
【宋軍】
▲ ■■■■■■ ▲ ・■：歩兵
▲ ■■呼■■■ ▲ ・▲：騎兵
・呼：呼延賛本隊
※記号一つあたりにつき、約千人に相当。
／￣￣＼ ふむ…パッと見では、呼延賛軍の兵数が少ない以外は、
／ ─ ─＼ お互いに似たような陣形を取ったもんだお
| （●）（●）|
＿＿＿_. .| （__人__） | 耶律沙軍が二万、呼延賛軍が一万五千といったところか
／ ＼ ｀ ⌒´ ﾉ ただ、遼軍の騎馬隊が多いのが気に掛かるだろ
／ ─ ─＼ .}
／ （●） （●） ＼ } 遼は名馬の産地でもあるから、
| （__人__） | ノ.ヽ 騎馬隊が多いのは、むしろ当然のことだお
/ ∩ノ ⊃ ／∩ノ ⊃| |
( ＼ ／ ＿ノ | |／ ＿ノ | | 屈強な騎馬隊による突撃は脅威だろ…
.＼ “ ／＿＿| | ／＿＿| | 例えるなら、バイカーの集団に突っ込まれるようなもんだ
＼ ／＿＿＿ ／／＿＿＿ ／
268 ：
北方やる夫 ◆vHtcpbLuPQ [saga]：2009/05/11(月) 01:12:06.59 ID:inJK8VI0
ﾄﾘｱｴｽﾞ ﾀｲｷ
□□□沙□□□
↓ □□□□□□□ ↓ ﾜｰ
▽↓ ▽↓
▽ ▽
ﾜｰ ▽ ▽
▲ ▲
↑ ▲ ﾂｯｺﾒｰ ↑▲
ｵﾗｵﾗ ↑ ■■■■■■ ↑
■■呼■■■ ｳｯﾎｰ
↑↑↑↑↑↑
＿＿＿_
／ ＼ こいつは意外…
／ ＼ ,＿＼.
／ （●）゛ （●） ＼ 兵数の少ない呼延賛の方から、
| ∪ （__人__） | 打って出たのかお？
/ ∩ノ ⊃ ／
( ＼ ／ ＿ノ | | しかも、耶律沙の得意とする
.＼ “ ／＿＿| | 正面からの、ぶつかり合いで…
＼ ／＿＿＿ ／
／￣￣＼
／ _ノ ＼ それに対する耶律沙の対応は、
| （ ●）（● まず騎兵隊を前面に出して、互いの騎馬隊を牽制
| （__人__）
. | ﾉ 歩兵に関しては、制止…というより、、
| ∩ ノ ⊃ これは迎え撃つつもりだな
／ .／ ＿ノ
(. ＼ ／ .／_ノ │ 何か仕掛けてくるかもしてないという読みで、
＼ “ ／_＿_| | 臨機応変に対処する構えだろ
. ＼／ ＿＿＿ /
269 ：
北方やる夫 ◆vHtcpbLuPQ [saga]：2009/05/11(月) 01:13:58.05 ID:inJK8VI0
ﾅﾝﾀﾞｧ!? て
□□□沙□□□ そ
□□□□□□□
ﾊｻﾒｰ▲
▲ 《▽》 《▽》 ▲ﾂｯｺﾒｰ
→ 《▽》 ■■■← →■■■ 《▽》▲←
ﾋﾟﾀｯ! 《▽》 ↑■■呼 ■■■↑ 《▽》 ﾋﾟﾀｯ!
↑↑ ↑↑
＿＿＿
／ ⌒ ⌒＼ おぉ…！？
／ （○） （○）＼
／ ///（__人__）///＼ 絶妙のタイミングで、呼延賛が歩兵を分けたお！
| u. `Y⌒y'´ |
＼ ﾞー ′ ,／ 恐らく遼軍の騎馬隊は、自分たちのみを狙ったと
/⌒ヽ ー‐ ｨヽ 錯覚して硬直しちまったんだお！
/ rｰ'ゝ 〆ヽ
/,ﾉヾ ,> ヾ_ノ,|
| ヽ〆 |´ |
／￣￣＼ こいつは圧巻だな…
／ _ノ ＼
| （ ○）（○ この時点で、呼延賛の意図は読みきれないが、
| （__人__） 兄上が指摘した”騎馬隊への挟撃”も、十分にあり得る
. | Ｕ ﾉ
| ∩ ノ ⊃ それどころか、耶律沙の本隊に突っ込むことも…
／ .／ ＿ノ
(. ＼ ／ .／_ノ │ 敵には選択の余地を与えず、常にこちらが主導権を握るか…
＼ “ ／_＿_| |
. ＼／ ＿＿＿ /
270 ：
北方やる夫 ◆vHtcpbLuPQ [saga]：2009/05/11(月) 01:15:23.39 ID:inJK8VI0
ﾏﾀﾞｱﾜﾃﾙｼﾞｶﾝｼﾞｬﾅｲ
☆← →☆
☆←□沙□□→☆
ﾔﾝﾉｶｺﾗ? ☆☆□ □☆☆
→▲ ｶﾁｺﾐｼﾞｬー
→▲ ▽← …… →▽ ▲←
▽← ■■■ ■■■ →▽ ▲←
▽← ↑■■呼 ■■■↑ →▽
ｲﾃﾏｳｿﾞ? ↑↑ ↑↑ ｾﾞﾝﾘｮｸﾃﾞﾂﾌﾞｽ!
※☆：耶律沙軍歩兵の精鋭
＿＿＿_ あらら…？
／ .u ＼ 耶律沙は、側面からの挟撃を読んでいたのかお？
(（○）) (（○）)
/⌒)⌒)⌒. :::: （__人__） l_j :::＼ /⌒)⌒)⌒) 歩兵の精鋭を側面に回らせて、
| / / / |r┬-| | (⌒)/ / / /／ バッチリ迎撃態勢を取っているお！
| :::::::::::(⌒) U .| | | ／ ゝ :::::::::::/
| ノ | | | ＼ / ） / やっぱり遼軍ナンバー２の将軍が、
ヽ / └ー.┘ ヽ / ／ 自軍の欠点を、知らないはずがなかったんだお！
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ○）（○） いや、これは違うぞ…兄上！
. | （__人__）
| u ｀ ⌒´ﾉ これは、まさか…
. | }
. ヽ }
ヽ ノ ｍm
/ ￣￣￣ つﾉ
| |￣￣￣
271 ：
北方やる夫 ◆vHtcpbLuPQ [saga]：2009/05/11(月) 01:17:25.74 ID:inJK8VI0
ﾊ…?
☆ ☆
☆ □沙□□ ☆
☆☆□ □☆☆
▲ ﾂﾘﾃﾞｽﾀ
▲ ▽ →■■■■■■← ▽ ▲
▽ →■■呼■■■← ▽ ▲
▽ ↑↑↑↑ ▽
ｱｯｰ!
☆ 沙□ ☆
☆ ■■■■■■ □ ☆
△ □■■呼■■■ □☆ ☆
▲ △ ↑↑↑↑ △
▲ ｿｼﾃ､ﾔﾗﾅｲｶ △ ▲
▲
272 ：
北方やる夫 ◆vHtcpbLuPQ [saga]：2009/05/11(月) 01:18:26.52 ID:inJK8VI0
ﾆｹﾞﾛﾆｹﾞﾛ
☆ 沙□ ☆
↑ ☆ ↑ ↑☆
△ ☆ □ ☆ △
▲△ ﾏﾃｺﾗｰ! ↑ ▲△
↑▲ ■■■■■■ ▲
↑ ■■呼■■■ ↑
↑↑↑↑↑↑
＿＿＿_
／:::::::::: u＼ なんという用兵…
／:::::::::⌒ 三. ⌒＼
／:::::::::: （ ○）三（○）＼ 思わず漏らしてしまったお…
|::::::::::::::::⌒（__人__）⌒ |
＼:::::::::: ｀ ⌒´ ,／
／￣￣＼
／ _ノ ＼ あぁ…まさにこれは、
| （ ●）（●） 絵に描いたような中央突破だろ
. | （__人__）
| u ｀ ⌒´ﾉ というか、漏らすな
. | }
. ヽ }
ヽ ノ
/ く
273 ：
北方やる夫 ◆vHtcpbLuPQ [saga]：2009/05/11(月) 01:19:21.71 ID:inJK8VI0
｀ヽミメ、 . -‐,=‐
. . .-‐‐ミ i! Y i! 厶イ_＿
∠..., =‐- i! i! i! i! ＜´
.ィ´ i! i! i! i! i! i! i! ヽ 奴さんの得意とする、正面からのぶつかり合い…
. , ′i! i! i! i! i! i! i! i! i!.! それで、こうもあっさり破っちまうとはな…
/イ i! i! i!ｨ i! i./::､ i! ﾄ､ i! i! !
/i!.／/i!./::iメi/:::::::,ﾒ､「ヽﾄ､ i! i!j 殿、アンタは…この呼延賛という男…
/イ i!/! /==｡=､:::::.=｡==＝:i!,...i! |
ｊ/ j/ i::｀:‐:/:::::::: ｰ一.:´:|ir, }.| どう見てるんだ…？
i:::::/.::::::、 .::::::|Lﾝii|
i: ｀‐――一'.;.::::ハ.i! ｊ;＼
､ ー ..:::::／; ヽ:{;;;;;;;ﾄ､__
. -=''7ﾍ.....:.:::::／;;; ' ｊ;;;;;;;j;;;;;;;
-‐'";;;;;;;;;;/;;;;;;ヽ .イ;;;;: ' /;;;;;;;;|;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;|:.:;;:::' /;;;;;;;;;;;!;;;;;;
,,､-''"´￣￣｀｀`ヽ､
,／ `-､,,＿
,/ i, ; ﾞミ三ｰ''"
/ ﾊﾊ ヽ,
i" ,/ / ,〃i/ い、 ＼ いN
/ ,/ ,/ノ / ,ノﾉﾊ ﾄ,、 ミ`'ー Ｖﾘ
| ﾚ' _,,､ｧﾁ-ーﾋヽ| ゞﾋs、ミヽ i
ﾊ rﾍ ｱ' <ﾓﾃ;; ｉ' zｯ､｀i ｿ うん、小気味のいい戦をする男だね
ﾞYf iﾞ |ﾄ :i ｀｀ ｲ, ノ
いヽ ﾞ!, ,_ ;､ ,ﾀ"
`i, `r､ .._＿｀＿ ,ﾘ
ｸ',ﾍ ﾞ:､ `''ー‐'´ /ﾞ
ｲ,ﾍ ゝ＼. ￣ ／
f￣`''ー─--ﾐ''-､,,＿,,イ!‐-､､,,_
,／ ﾞi,⌒ヽz￢"ﾞヽ i
ﾄ ヾぃ ） L,,＿
274 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/05/11(月) 01:19:58.40 ID:UqI4F7Io
図で見ると指揮系統がパネェな 275 ：
北方やる夫 ◆vHtcpbLuPQ [saga]：2009/05/11(月) 01:20:27.99 ID:inJK8VI0
,, -──- ､._
．-"´ ＼． というか、援軍があっさり負けるとかｗｗｗ
：/ _ノ ヽ､_ ヽ.：
：/ oﾟ(（●）) (（●）)ﾟoヽ： 今ごろ、宮廷はパニくって、
：| （__人__） |： 涙目になってるに決まってるおｗｗｗ
：l ) ( l：
：` ､ `ー' /： 北漢ざまぁｗｗｗ
：, -‐ (_). ／
：ｌ_ｊ_ｊ_ｊ と)丶─‐┬．''´
：ヽ ：i |：
：/ ：⊂ノ|：
∠-'';::／ ,∠/ .／:: ::＼.ヽ＼ ヽ ヽ ＼ ヽ. ＼
::::r''∠- '´:∠ -ﾍ::....... ,...:‐''７,ゝl‐-ヽ} ﾄ､ lヽ. !
:::l::::-==＝ﾓ＝= _::::／:::::::::/_ ` ／ ,ﾍ. | ヽ |. ヽ.! 一応、楊家も北漢に属しているんだがな…
: |:::: ｀ ー‐=''"::´:::::::::::::/ﾆ´＞,'／ ヽ | ヽ! ﾞl
::|::::: ..::::::::::::::::::::::/ ﾊ ヽ! ”一応”な…
:|:::::: ...:::::::::::／::r:::::::i_: ,'l }
|l:::::: ｀＿＿::: /.|′ ”一応”………
iﾍ::::.. ￣￣ ｀ヽ ./^'
:|::ヽ:::.. ‐＝=;; /
::l::::::ヽ::.. ::::::: / ,.､
:::l::::::::::＼. / ／.:/:ヽ.
::::|:::: :::::::＼. ,ｲ ／....::/::::::::ヽ.
,, -──- ､._
．-"´ ＼．
：/ _ノ ヽ､_ ヽ.： ﾋﾟﾀｯ!
：/ oﾟ(（○）) (（○）)ﾟoヽ：
：| （__人__） |：
：l ) ( l：
：` ､ `ー' /：
：, -‐ (_). ／
：ｌ_ｊ_ｊ_ｊ と)丶─‐┬．''´
：ヽ ：i |：
：/ ：⊂ノ|：
276 ：
北方やる夫 ◆vHtcpbLuPQ [saga]：2009/05/11(月) 01:21:54.65 ID:inJK8VI0
＿､‐-､, -‐ｚ._
＞ ` " " ′.＜
／ " " " " ﾞ ﾞ ﾞ ﾞ ＼
7 " " ",.",ｨ ﾊﾞ ,ﾞ ﾞ ヾ r‐ ' _ノ それはさて置いて、
! " " /-Ｋl/ Vｌﾊﾞ.N ＿ ) (_
| "ｎ l =｡== _ ,≦ﾊ! （⊂ﾆﾆ⊃) この不始末を太原府が、どうつけるのか…
|."しｌ| ￣ ,._ ∨ ｀二⊃ﾉ
| " ﾞハ ー--7′ （( ￣ 六郎殿の言われるとおり、見物ではあるがな…
r'ﾆﾆヽ._＼. ¨/ ;;
r':ﾆニ:_`ｰ三`:く._ [l、
／: : : : : : :｀,ニ､: :_:_;＞ ／,ｨつ
. /: : : : : : : : / : : : ヽ＼ ,∠∠Z'_つ
| : :.:.:.:.:.: . :/: : : : : : l : ヽ. / .r─-'-っ
. |:.:.:.:.:.:.:.:.:.,' ''"￣: : :l: : : :l / ）:::厂 ´
|:.:.:.:.::.:.:.:ｌ -─-: : /:_:_:_:_l /￣｀Y´
. |:.:.::.:.::.::l._＿: : : :/::: : : : :l/⌒ヽ: :〉
|::.:::.::.::l: : : : : : /:::: : : : : |: : : : ﾞ/
＿＿＿_
／⌒ ⌒＼ 楊家に泣きついてきたら、
／（ ＞） （＜）＼ その首をすっ飛ばしてしまいましょうおｗ
／::::::⌒（__人__）⌒::::: ＼
| /| | | | | | 冗談抜きで、そのくらいはやっておかないと、
＼ (、`ー―'´, ／ こちらの気が済まないおｗｗｗ
￣￣￣
277 ：
北方やる夫 ◆vHtcpbLuPQ [saga]：2009/05/11(月) 01:23:02.84 ID:inJK8VI0
翌日――
【代州】
（⌒ ヽ
( ）
（ ヽ⌒ヽ 、
( ）
, ⌒ヽ.
（ '
ゝ ｀ヽ
( ⌒ヽ
_,,,...:-‐‐=-..,,,_
.､ ,r'":: :: ::＼,,..,､., __,,.. -'''""
::.`'::.､ ,,r'":: :: :... ::: . ::; :::.`'::.､ __,,.. - ‐‐ ''''"" ..:: :: ..::..
:: :::.`'::.､ ,:r'::: :: .::: :: :: :; ::: .:: `':.､--‐‐''''"" ::: :: .::: ...:: ..::.. ...::
..:: ..:::. ,r'":::.. ..:: ..:::. .... : :: :; :: ::. ::`'::､_ ...::: ::: ...:::.. ..:: ::__,,,,-‐
ヾ ,r'":::: ;ゞ ゞ '''' ''':‐-,, ,, ::. ::`'::､_ __,, - ''"":::.. ::.
ゞヾ; ゞ,;''ゞゞ ,;ゞヾ ,;ゞヾ''';ヾゞ; ::.. ::::... :: " ''''‐- ,..,,,... __,,,-‐‐''''" ..:: ..::.. .:: ..::..
ヾ ;'''';,,;'''''';; ,;''''';;;''''''; ゞヾ;,,ゞ'''';. . . . . . . , , , , , , , . . . . . . . . , , , , , , , , , , , , . . . .
,,ヾヾ;;ゞi;;;;;i; ゞヾ; ゞ ヾ;;ゞゞ ゞ'; : :: :,,,::;; ;; :::: :::: :::::;; ;;;: :: :::: ;;:: ::: ;::;;; ;:: ::,: :;;;; ;:: ;;; ;;:: ::
;ゞヾ ヾ ゞi;:,;:, ,､,､ ゞ;; ゞゞ ゞヾ;;;;i ''"~""'' ''""'' ''""'' ''"~""' ''"""'' ''""'' ''""'' ''""
ゞゞ ;ヾゞ , ;;ゞヾ;ゞ ヾゞ ゞ;ヾ ゞilﾞ ''"""~ ~"""' ''""" ..:::::＿::::::....... ....:::::........::::::.......
【井戸端会議中】
遼軍がやられっちゃたぞ
∧,,∧ ∧,,∧
∧ (´・ω・) (・ω・｀) ∧∧ これから北漢はどうなるんだ？
( ´・ω) Ｕ) ( つと ﾉ(ω・｀ )
｜ Ｕ ( ´・) (・｀ ) と ﾉ ぶっちゃけ宮廷は何考えてるの？
ｕ-ｕ （l ) ( ﾉu-ｕ
`ｕ-ｕ'. `ｕ-u'
楊家軍を出動させないのかなぁ？
278 ：
北方やる夫 ◆vHtcpbLuPQ [saga]：2009/05/11(月) 01:23:55.26 ID:inJK8VI0
【楊家の館】
/`――∧-∧､
∧_／＼_|::|「|,,,|「|ﾐ^!､
／三三三三三三三 Π . ∩ |:|「|'''|「|||:ll;|＿＿＿＿＿＿＿＿
＿＿|￣同￣同￣同 /￣￣∧￣￣￣￣∧￣＼／田＼／田＼／田＼"ﾞﾞ`ヾ､
_/＿＿l==／＼＝＝＝ﾊ,￣￣|「|￣￣￣￣|「|￣￣|. IIII || IIII || IIII _|＿＿,;;､
/_| ﾛ ﾛ 「￣￣￣￣￣￣| | 田 |「| 田 田 |「|［［［［| 三三三三三三三＼ｪｪｪｪｪｪ〕――
_ l | | :|.|,;ヾﾞﾞヾﾞﾞﾞ'';;,,:::ヾﾞﾞヾ''""``ヾ;;,,""~｀ヾﾞﾞ`ヾ､´ﾞﾞヾ"／￣／＼￣￣￣＼''""``ヾ;;,,""~
｀ヽミメ、 . -‐,=‐
. . .-‐‐ミ i! Y i! 厶イ_＿
∠..., =‐- i! i! i! i! ＜´
.ィ´ i! i! i! i! i! i! i! ヽ ククク…宮廷の混乱ぶりが、
. , ′i! i! i! i! i! i! i! i! i!.! 片田舎の代州にまで、伝わってくるとは…
/イ i! i! i!ｨ i! i./::､ i! ﾄ､ i! i! !
/i!.／/i!./::iメi/:::::::,ﾒ､「ヽﾄ､ i! i!j 世も末だな……
/イ i!/! /==｡=､:::::.=｡==＝:i!,...i! |
ｊ/ j/ i::｀:‐:/:::::::: ｰ一.:´:|ir, }.| そういう事情のせいなのか、
i:::::/.::::::、 .::::::|Lﾝii| アンタに媚を売ってくる連中が、
i: ｀‐――一'.;.::::ハ.i! ｊ;＼ 引っ切り無しに、会いに来やがるぜ…
､ ー ..:::::／; ヽ:{;;;;;;;ﾄ､__
. -=''7ﾍ.....:.:::::／;;; ' ｊ;;;;;;;j;;;;;;;
-‐'";;;;;;;;;;/;;;;;;ヽ .イ;;;;: ' /;;;;;;;;|;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;|:.:;;:::' /;;;;;;;;;;;!;;;;;;
279 ：
北方やる夫 ◆vHtcpbLuPQ [saga]：2009/05/11(月) 01:25:32.94 ID:inJK8VI0
/i/,i.. ／使＼
／ ・.彡 （ ；´∀｀） よ、楊令公（※）
（_､ノ| 彡 ノ__ゞ＿_ヽ
ヽし´彡Ю＝ヽ=ゝ 至急に、北進してくる宋軍の
l ￣[ | |ﾉ ].`ヽ、 迎撃に向かってほしいモナ！
,へ>（ | ⊆ゝ .丿）)
く<ヽ ゝ >ヽ＿,; ヽ＿ｰ､
ヽゝく < ／／
ヽゝ 〈 く
※楊令公とは、楊業の通り名の一つ。
,.r-‐''"´｀丶､､..,,,_
,r'´ゝ､ ,r'´ﾌ ,､'r￣｀ヾ､
／,ｲ`ヾｰ=彡' ,ｨﾂｲ/ ::ヾ｀ヽ,
,! ,ﾊ'´ ... . ::;_,ｨミ l
l,ｨ,,,:':::ヾ ミ､;;;,.､-─ﾞ'''ｧty､::;ｨヅ;;::j
,}｀`ﾊヽ;;;;, r'´ -─‐'´ﾞ,ノ'ソｲ'ヾ,;;〈 はぁ…そうですか
/:..;;;,r' ヾ､ﾘ ,か)ゞ`' ,r'｀ヽ,|トj;:ﾘ
{ｊｊ ﾊi ノｉ ,:トj ,jﾃy ,ﾊ;;ｉr' しかし、我々は陛下の勅命なしに
,!.;;:::;ヽゝ'ヾ' ヽ j-‐' 出動することは許されていません
{'ﾍ、,ミジゝ ｀ャソ ,!
`ゞ ﾘﾊ彳､. ｀`ｰ-､, / そういう用向きでしたら、
ﾞ,r-く,._ｲ, ヽ, ｀ー / まず詔書を認めた後に、お願いします
/ ｀丶ﾐ､_ /
,ｲ ｀ヾ,ｰ‐r一' それでは、失礼させていただきます
／ ｀¨丶-､ ｀ｲi｀ヽ､
,r'´￣ ｀ヽ､,ｲ ｀丶 / |,j､ 'j
,イ ヽ､ ＼,/ ,!j ki､,ｲ､
/ ｀, 'i ｀`ヾ<'
あまりの混乱ぶりに、恥も外聞も捨てて、楊家に救援を依頼する者まで現れる始末。
しかし、楊業はやんわりと断っていた。
280 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]：2009/05/11(月) 01:25:38.02 ID:UqI4F7Io
王貴が、よからぬことを考えてるようにしか見えないｗｗ 281 ：
北方やる夫 ◆vHtcpbLuPQ [saga]：2009/05/11(月) 01:29:47.98 ID:inJK8VI0
＿─-､ -‐;ｚ.__
＞ ` " ﾞ ＜
/ " " " " ﾞ ﾞ ﾞ ﾞ＼
l " " ", ,ｨ ハﾞ i ﾞ､ ﾞ､ヾ それにしても…アンタも苦労が耐えないな…
| " "ノlﾉメ、 |ﾉjﾑﾍ. N
! r,ｺ| ＝｡= ,｡==ﾊﾘ 今回の一件にしたって、帝が我らを出動させていれば、
| |ﾋ.j| ￣ r_ ＼7 ここまで無様な結果には、決してならなかった…
j `ｧﾍ ──‐:7′
. _／∨ :::＼ ￣ 人
-‐'''"´ |. ヽ. ::::`:.イ |`''‐- ､.._
| ＼ :::/ | .ハ
. | ,ヘ 〉 |へ. | l. l
ｌ_／ ﾟ〈ｰ‐'| ヽ! │ |
|::::::| ｢￣￣| | |
｀`''‐､ ｀`ヽ､. ,.. -─;:-
＿＼ ll ヽ.r' ll ／-─- ､.
. ,. ‐''"´ll lll｀` lll ’ l " ll -=ﾆ.｀
. ∠ -‐ ; =-─ ll ll lll ＜`
, ‐''´ lll ll lll ll lll ヽ
殿…以前より、広まっている…噂… ／ ll _,. ll lll ll ll lll ll i
あれは…真と見て、いいのでは…？ , '.,. ‐',´'´ llｌ ll ll ,.ｲ lll ll ll |
／ , ' ll ,ィ . ll ,.ｲll.,.ｲll./::::ヽ.ll ﾄ､ ll 、 lll |
. /ll.／! ,ｲ ./_:l /:::!./::::::::::ヽ. |_ヽ |ヽ llｌ ll |
/., ' . !ll /ｌ ll/:::::l/ヽl/::::::::,.‐''::ヽ!:::ヽ!::ヽ ll |
／ ! / .ｌ /.l＝==｡=､::::::;;;:==｡==＝＝! r‐:､lll|
l/ |/ .l :`::ｰ-:/::::::::::: ｰ-‐ '::´:::|l|r‐､!│
l :::::::/:::::::::::: :::::::::|.!ﾄ､ﾘ l|
ｌ:::/::::::::::__-， .::::::::::|Lンlｌ ﾄ
. l`"----------一::::／ヽｌ! |;;;ヽ.
! ＿＿_ ..::::::::／; ヽ ll !;;;;;;;;ヽ.
ヽ. ￣￣..:::::::／;;: ヽ. |;;;;;;;;;;;;;l`;;ｰ-
_,,. -‐''7ヽ......::::::::::／;;;: ヽ!;;;;;;;;;;;;;|;;;;;;;;
_,,. -‐''";;;;;;;;;;;; /;;;;;ヽ:::::::／;;;:: /;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;`1;;;;:: /;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;| , ';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;;
282 ：
北方やる夫 ◆vHtcpbLuPQ [saga]：2009/05/11(月) 01:38:17.02 ID:inJK8VI0
＿,,.､､､､､､.,,＿
,､-'´ . : ::::::::::::::::::::ヽ;ヽ、
／ . : : :::::::::::::::::::::::::::::ﾞﾐ､::ヽ、
/ . : : : ::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾐヽ::::ゞ、
i ; ; ;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::lﾘゞ;;:::ゞ
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾉｲ,/;;;;/::;;〃i/いﾘ;;;;;;:::::`、
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ノﾉ,/;;;;/ノ;;/;ノﾉﾊﾉﾊw;;;:::::'; あぁ…それに関しては、何も言わないでくれ
!;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾉ,ノﾉｲノﾊﾉノﾉｲﾉヽ､ﾉﾊ;;;::::!
l;;;;;;;;r'ヽ;;;;! -─ノﾉ-ノ '´─-ヽ;;:;:;:::/ 考えたくもないよ
ﾊ;;;;;!リ〉ﾘ' r-rｪｧ'｀ ,rｪｯ !;;;;:ｿ
,ﾘ;;;;;;), ヽ l /;:ノ
,/)ぃ,l:ﾘ l ,_」 /
_,.､-‐! ヾ:!､Y _＿_ /`ｰ -､＿
_,.､-‐'￣''ｰ- ､ l ＼ ヽ ー ／`ー-､＿ i`ヽ､_
｀`ヽ､_,.､-ー-‐'ヾ 〔《l ＼ ＼ ／ ＼ `ー-,l ';
ヽ、 ヽ r'､ ｀ー‐',i ,r-‐'ﾞ} l! !
.ヽ、 `､ ／.､ ＼ / 〉＼/ / ,}
ヽ ﾞl､ ヽ／､;:;:;:ﾞ:、 ＼_/_,.r' / / ｸ
`''‐-:､,_ ＾:､ ! `ー､;;ヽ､,.ｨ':;/ i / ｲr'ﾞ ＼
＿─-､ -‐;ｚ.__
＞ ` " ﾞ ＜
/ " " " " ﾞ ﾞ ﾞ ﾞ＼ いや…アンタがいいというのなら、
l " " ", ,ｨ ハﾞ i ﾞ､ ﾞ､ヾ オレは、それでいい…
| " "ノlﾉメ、 |ﾉjﾑﾍ. N
! r,ｺ| ＝｡= ,｡==ﾊﾘ 帝の真意がどうあれ、
| |ﾋ.j| ￣ r_ ＼7
j `ｧﾍ ⊂ﾆﾆァ7′ オレは、アンタに従うまで…
. _／∨ :::＼ ＝ ∧
-‐'''"´ |. ヽ. ::::＼,.ｲ |`'''‐- ､.._
| ＼ :::::/ │ ハ
. | ,ヘ 〉 |へ、| l. l
ｌ_／ ﾟ〈`ー'| ヽ! │ |
|:::::::| ｢￣￣| │ |
王貴が懸念している噂…
それは、『帝が楊家を嫌っている』というものであった。
283 ：
北方やる夫 ◆vHtcpbLuPQ [saga]：2009/05/11(月) 01:40:23.99 ID:inJK8VI0
【太原府・晋陽】
A A
／ ＼ ｉコ ／ ＼
. ＿／ ＼＿_ | ＿_／ ＼＿
|＝|＝|＝|＝|＝|＝l／´￣￣￣￣￣￣￣｀＼l＝|＝|＝|＝|＝|＝|
＼ ／＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿.＼ ／
| 田 田 田 |ｴｴｴｴｴｴｴｴｴｴｴｴｴｴｴｴｴｴｴ |田 田 田 |
. 〔二二二二二〕 | 〔二二二二二〕ﾖ 田 田 田 田 〔二二二二二〕 ! 〔二二二二二〕
＿＿| ::|＿＿＿＿| ::|＿＿＿＿＿＿＿| ::|＿＿＿＿| ::|＿＿
ＴＴT.| ｌ⌒l ::| ＴＴＴＴＴT| ｌ⌒l ::| TTＴＴＴＴＴＴＴＴT| ｌ⌒l ::| ＴＴＴＴＴT| ｌ⌒l ::| TTＴ
.ＴＴTl ￣ .::|ＴＴＴＴＴT l ￣ .::|TTＴＴＴＴＴＴＴＴT l ￣ .::|ＴＴＴＴＴT l ￣ .::|TTＴＴ
ＴＴT.| ::| ＴＴＴＴＴT| ::| ＴT／￣|￣＼ＴＴ| ::| ＴＴＴＴＴT| ::| TTＴ
.ＴＴT| ::|ＴＴＴＴＴT | ::|TT | ：|： | T | ::|ＴＴＴＴＴT | ::|TTＴＴ
ＴＴT.| ::| ＴＴＴＴＴT| ::| TT| ：|： | T | ::| ＴＴＴＴＴT| ::| TTＴ
.ＴＴT| ::|ＴＴＴＴＴT | ::|TT | ：|： | T | ::|ＴＴＴＴＴT | ::|TTＴＴ
ＴＴT.| ::| ＴＴＴＴＴT| ::| TT| ：|： | T | ::| ＴＴＴＴＴT| ::| TTＴ
..--‐‐‐‐‐‐‐‐---..,
（;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::＼
// ヽ::::::::::| ま、まさか遼軍が負けるとは…
. // ...∪ ........ /::::::::::::|
|| .) ( ＼::::::::| こんなことならば、楊家軍も
.|.-=・‐. ‐=・=- |;;/⌒i 動かしておくべきだったのでは…
.| 'ー .ﾉ 'ｰ-‐' ）.|
| ﾉ(､_,､_)＼ し ノ
.|. ＿＿_ ＼ u |_
| くｪｪｭｭゝ /|:＼＿
ヽ ー--‐ ∪ ／/:::::::::::::
/＼＿＿＿ ／ /:::::::::::::::
.／::::::::|＼ ／ /:::::::::::::::::
,,,,,,,.-‐‐‐‐---,,,,,
／::::::::::::::::::::::::::::::; :;:::"'
/:::::;;:::::::::::::::::::::::::;;;ﾉ ヽ;:::＼
/::::::::ﾉ""'''''‐‐-‐'''" ヽ:;::|
|::::::::::| |ﾐ| し、しかし…
. |::::::::: .|ﾐ|
|::::::::| ,,,,,,, ﾉ ヽ,,,,, |ﾐ| ここで、我々が下手に出れば、
|彡|. u '''""" """'' .|/ 彼らが台頭してくる危険性がありますぞ
/⌒| u -=・=‐, =・=- |
| （ "''''" | "''''" | 楊家軍の兵力は、侮れません
ヽ,, ヽ .|
| ^-^ | ここは、慎重に行動すべきです…
.＿／| -==＝=- |
::;/:::::::|＼. "'''''''" /
/:::::::::::|. ＼ .,_＿＿__,,,.／::＼
284 ：
北方やる夫 ◆vHtcpbLuPQ [saga]：2009/05/11(月) 01:41:00.34 ID:inJK8VI0
『フフフ…皆さん、お困りのようですね…』
,,,,,,,.-‐‐‐‐---,,,,, て
／::::::::::::::::::::::::::::::; :;:::"' そ
/:::::;;:::::::::::::::::::::::::;;;ﾉ ヽ;:::＼ ..--‐‐‐‐‐‐‐‐---..,
/::::::::ﾉ""'''''‐‐-‐'''" ヽ:;::| （;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::＼
|::::::::::| |ﾐ| // ヽ::::::::::| だ、誰だ…っ！？
. |::::::::: .|ﾐ| . // ...∪ ........ /::::::::::::|
|::::::::| ,,,,,,, ﾉ ヽ,,,,, |ﾐ| || .) ( ＼::::::::|
|彡|. u '''""" """'' .|/ .|.-=・‐. ‐=・=- |;;/⌒i
/⌒| u -=・=‐, =・=- | .| 'ー .ﾉ 'ｰ-‐' ）.|
| （ "''''" | "''''" | | ﾉ(､_,､_)＼ し ノ
ヽ,, ヽ .| .|. ＿＿_ ＼ u |_
| ^-^ | | くｪｪｭｭゝ /|:＼＿
.＿／| -==＝=- | ヽ ー--‐ ∪ ／/:::::::::::::
::;/:::::::|＼. "'''''''" / /＼＿＿＿ ／ /:::::::::::::::
/:::::::::::|. ＼ .,_＿＿__,,,.／::＼ .／::::::::|＼ ／ /:::::::::::::::::
285 ：
北方やる夫 ◆vHtcpbLuPQ [saga]：2009/05/11(月) 01:41:40.55 ID:inJK8VI0
|:::::::.:::::::::::::::::::
|:::::.:::::::::::::::::::.:::::::::::::::::::
| :::::
| /⌒ ⌒ヽ :::::::::::::::::::
|丿 ゝゝ ::::::::::::::::::: 皆さんのご懸念は、言わずとも分かっております…
| ゝヾ 〉:::::::::::::::::::
|■■ii､,iii■■■ ゝ /::::::::::::::::::: 楊令公を動かすには、詔書を出せばいいのですよ
|●＞ ）（ ＜● ＞ |/~ヽ:::::::::::::::::::
|~~ | | ~~ ｜ ）::::::::::::::::::: そして、我々にとっても不都合となってしまった
| ( Ω_Ω ) ﾉ ｜ノ:::::::::::::::::::
| :::::::l l::::::::: ｜:::::::::::::::::::::::::::::::::: 『遼軍への救援依頼』の件についても、
| :;＜三三＞;: ノ⌒ーー､:::::::::::::
| ⌒⌒ ノ＼: ⌒＼ 私にお任せください…
| ＼＿__ ＿__／/ ） ヽ / }
| ＼ ／ / ゝ / }
| ＼ ／ /| ＜ /ノ ）
（ ￣￣＼ ＼ / / ／ / 〈
（ ￣￣＼ / / ／
（ ￣￣ヽ
|（ ￣￣ヽ
| ￣￣
／::::::::::::::::::::::"ﾍヽ
/:::::::::::::::::::::::::ノ ヽヽ
/::::::;;;;...-‐'""´ .|;;|
|::::::::| 。 ｜ おぉ、それは頼もしい限りだ
|::::::/ ,,,..... ...,,,,, ||
,ヘ;;| ,,-・‐, ‐・= .| 貴公に、一切を任せることにしよう
（〔y -ｰ'_ | ''ｰ |
ヽ,,,, ／(,､_,.)ヽ .| さて…今日は、ここらでお開きにして、
ヾ.| ヽ-----ﾉ /
|＼ ￣二´ / 一杯やりませんか？ｗ
_ ／:|＼ ....,,,,.／＼___
''":/::::::::| ＼__／ |::::::::::
286 ：
北方やる夫 ◆vHtcpbLuPQ [saga]：2009/05/11(月) 01:42:28.01 ID:inJK8VI0
『今日もギロッポンで遊ぶ仕事が始まりますなｗ』
A A 『またまた…それは仕事じゃないでしょうｗ』
／ ＼ ｉコ ／ ＼
. ＿／ ＼＿_ | ＿_／ ＼＿ 『これは、一本取られましたなｗ』
|＝|＝|＝|＝|＝|＝l／´￣￣￣￣￣￣￣｀＼l＝|＝|＝|＝|＝|＝|
＼ ／＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿.＼ ／ 『六本木なだけにｗｗｗｗ』
| 田 田 田 |ｴｴｴｴｴｴｴｴｴｴｴｴｴｴｴｴｴｴｴ |田 田 田 |
. 〔二二二二二〕 | 〔二二二二二〕ﾖ 田 田 田 田 〔二二二二二〕 ! 〔二二二二二〕 『ハハハハハｗｗｗｗ』
＿＿| ::|＿＿＿＿| ::|＿＿＿＿＿＿＿| ::|＿＿＿＿| ::|＿＿
ＴＴT.| ｌ⌒l ::| ＴＴＴＴＴT| ｌ⌒l ::| TTＴＴＴＴＴＴＴＴT| ｌ⌒l ::| ＴＴＴＴＴT| ｌ⌒l ::| TTＴ
.ＴＴTl ￣ .::|ＴＴＴＴＴT l ￣ .::|TTＴＴＴＴＴＴＴＴT l ￣ .::|ＴＴＴＴＴT l ￣ .::|TTＴＴ
ＴＴT.| ::| ＴＴＴＴＴT| ::| ＴT／￣|￣＼ＴＴ| ::| ＴＴＴＴＴT| ::| TTＴ
.ＴＴT| ::|ＴＴＴＴＴT | ::|TT | ：|： | T | ::|ＴＴＴＴＴT | ::|TTＴＴ
ＴＴT.| ::| ＴＴＴＴＴT| ::| TT| ：|： | T | ::| ＴＴＴＴＴT| ::| TTＴ
.ＴＴT| ::|ＴＴＴＴＴT | ::|TT | ：|： | T | ::|ＴＴＴＴＴT | ::|TTＴＴ
ＴＴT.| ::| ＴＴＴＴＴT| ::| TT| ：|： | T | ::| ＴＴＴＴＴT| ::| TTＴ
それじゃあ、一本じゃねぇだろ…というツッコミはさておき、
北漢の”廷臣”と呼ばれている者たちとは、
往々にして、この手の類の輩ばかりであった。
287 ：
北方やる夫 ◆vHtcpbLuPQ [saga]：2009/05/11(月) 01:43:06.67 ID:inJK8VI0
／⌒´￣｀ヽ､
／ ヽ´＼
／´ ノー―´￣| ＼
/ ／ | ＼
/ /￣ ＼_ |
| / | |
ヽ |へ､ ／ヽ | | あっ…！
ヽ|＝ヽ､ヽ ノ＝＼_, ヽ､／´ヽ
|●ノ 丿 ヽ●__/ ／
/￣ノ / ｀― ヽ／
( ￣ （ ）ー |ノ
ヽ ~｀!´~' 丿
| _,y､___, ヽ ／
＼ (ヽー´ ノ ／
｀ヽ ヽ～ ／
＼＿＿,／
. ,r-.y- ､
. ,i'''''Y-- ,ﾞl, ｼﾞｰｯ…
,r''':::::::::ﾞ ､刈 r;.jﾞ:i
,i':::::~':'~':::::::::｀- "''':::i ………
. l:::::::::::::::::::::::::::;.........::::ﾞヾ
. i::::::::::::::::::::::::::{. ::::::::}
ﾞl､:::::::::::::::::;:::' ,.::':::,-''
. ﾞ-､---' ;:::ぃ''ﾞ;ｧ
｀￣''''i ﾞ;::ﾞl,;;;'-.ｭ
288 ：
北方やる夫 ◆vHtcpbLuPQ [saga]：2009/05/11(月) 01:43:36.46 ID:inJK8VI0
／⌒´￣｀ヽ､
／ ヽ´＼
／´ ノー―´￣| ＼
/ ／ | ＼
/ /￣ ＼_ |
| / | |
ヽ |へ､ ／ヽ | | 陛下も、ご一緒にどうですか？
ヽ|＝ヽ､ヽ ノ＝＼_, ヽ､／´ヽ
|●ノ 丿 ヽ●__/ ／ カワイイ芸妓も、たくさん用意させますのでｗｗｗ
///ノ / ｀― /// ヽ／
( ￣ （ ）ー |ノ
ヽ ~｀!´~' 丿
| _,y､___, ヽ ／
＼ (ヽー´ ノ ／
｀ヽ ヽ～ ／
＼＿＿,／
. ,r-.y- ､
. ,i'''''Y-- ,ﾞl, ﾋﾟｸｯ!
,r''':::::::::ﾞ ､刈 r;.jﾞ:i
,i':::::~':'~':::::::::｀- "''':::i ………！
. l:::::::::::::::::::::::::::;.........::::ﾞヾ
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. ﾞ-､---' ;:::ぃ''ﾞ;ｧ
｀￣''''i ﾞ;::ﾞl,;;;'-.
289 ：
北方やる夫 ◆vHtcpbLuPQ [saga]：2009/05/11(月) 01:44:22.95 ID:inJK8VI0
. ,r-.y- ､
. ,i'''''Y-- ,ﾞl,
,r''':::::::::ﾞ ､刈 r;.jﾞ:i
,i':::::~':'~':::::::::｀- "''':::i ………
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ﾞl､:::::::::::::::::;:::' ,.::':::,-''
. ﾞ-､---' ;:::ぃ''ﾞ;ｧ
｀￣''''i ﾞ;::ﾞl,;;;'-.
ﾊﾟｯ!
(ヽ (ヽ ( i))) /) /)
(ヽ(((i (ヽ((/ﾆＹﾆヽ ( i)))/) /) モチロン、行くに決まってるっていうｗｗｗ
((i(ヽ(((i )/（ ﾟ )( ﾟ ）ヽ ( i)))/) i)))
(ヽ (((i ) ／::::⌒｀´⌒::::＼ ( i))) っていうか、朕を除け者にしたら、
.(((／∠_| ,-）＿＿＿（-，|＿ゝ ＼/) おまえら全員、打ち首にするっていうｗｗｗｗ
( ＿＿､ |-┬-| ,＿ ）
((＼＼ | `ー'´ /´ ／／＼) さっさと連れてけっていうｗｗｗ
(/ (((i )| / ( i)))( i)))
(/ ＼) ＼)
劉 鈞
北漢の帝。暗愚。三行で説明しなくても、二文字で済む。
このように、北漢の未来は暗かった。
290 ：
北方やる夫 ◆vHtcpbLuPQ [saga]：2009/05/11(月) 01:48:33.05 ID:inJK8VI0
そして、翌日――
, -‐ r ─― 、
／ / ＼
/／ ,=vｼ＝= 、 ヽヽ ヽ
// // ヽ ヽ ! l l やぁやぁ、業にゃん
〃{ i{ {‐-､ ィ尢ﾊl i| |
{仆 f ｨ=ﾐ ｨ≠ﾐ | | 太原府から、お手紙が届いたっさ
|ﾊﾑﾍr;_j , jr;_ﾘl |）l|!
ｌ `∧ r‐‐v li l l |l
. ,' i ゝ､ ヽ ノ ｨ'l ｌ l !
/ ,' ｌ _}>‐匕!_ / ,'l l |
/rt/ ィf＜ _ _ ｀/ /_j | l
ノ |l/ ,' llﾆﾆ二ﾆ/ / ＞､|
／ / /. ├ ￢ｰ/ / ／／ ヽ
. ／ / / | ,/ /´,／ ヽ
, イ / ∧ | fA./ /／ﾚ''´ ＼
〃≠-､,.ｲ/ ∧ ＼,| / / ハ. ＼
〈 { / / ＼__,jｲ/ / / !｀ヽ､ ≠､ヽ
ヽ V / { ￣i{}7 / ｲ i >'´ /
＼ / //｀个tﾄ-イ/ / ＿/ i l／ /
／ ヽ
/ ＿＿,,,,,,､､､､}__,
/ D , ．-''"￣ く
,' , -'" l `、 ﾞi、
{ , -' | ｊﾘ | 川 ､ ヽ }
У´ 从ﾞi、从ゞ、从 ゞミジ〝 ﾞi
/ / /ﾉ八ゞメ, -ー廾ゞミ辷 ｒｰ､ ﾘ 太原府からだと…詔書かな？
{| { ,' / _.. -ｰ_ f¨¨［iｊ ）j爪)） } ｊ
iﾄ､ｌ川ヽ '´_{li､ ￣ ｲｊ彳 / |ﾉ ありがとう、余賽花
ﾞi､ ゞ从ﾞi、 ｊ ﾄｰ' 〈
ヽ;爪 {、 , 八 ヽ
リ八 ,,,.．- ・ / ﾊ ﾊ》
`、 =＝ / 从 ﾉ__
ヽ _, .-ー‥'''¨￣ |
,ィ'´ `、__ _ﾉ / ＿＿,,,... |
/ V'ﾝ￣~7 ,' 「O O O 」 ﾞi、
/ / 〃 / `"´￣_, -＼" ＼
/ ｲ{＿_,,,.ノ ﾉｊ＿, -''" ＼ `-.
￣ｊ ,' ／ `''ｰ-､
/ /／ `''- ､ , -''"
/ / `''ｰ､／
,' / ／
{ / /
291 ：
北方やる夫 ◆vHtcpbLuPQ [saga]：2009/05/11(月) 01:49:51.24 ID:inJK8VI0
_,,.-‐'' ￣￣ '- ､
,／:::::／::,ｨ´^^ヾ＼:::::ヽ
/::::::://ｌ::/ ∨｀i:::::ヽ
l:::::::::l/::ｌlﾘ v l:::lﾚ
|:::::::::l::::l j!-=''´ ｀ｰ- lﾉ お礼を、言われることじゃないにょろ
|:::::::::∨:l ＿ ,=､b
|:::::::::r┤lo´￣ヾ " ,,,,l 妻が夫を支えるのは、当然のことっさ
|:::::::::ヽ.l ヽ'''''' rｰ'´ Ⅴ ﾉ
|::::::::::::|::ヽﾄ､_ ヽ＿ ノ ´ｌ
l:::/:::l:::|:::r=､::＼ ＿∨:::::＼
/::j!:::::l:::|:l（ ＼::＼´｀|:::::::::::ヽ
/:::ii::::::ll:::|| .l ＼ ／!l´￣￣ﾆｧ
. /:::〃:::::ll:::::l| l / ヾl」l」V´:::ヽ
l::::ij::::::::::l:l:::::|＿lヽ､ ／ ﾉ::::jヽ:::|
|:::l l:::::j:::|::l::::|::::ヾ ＞-´､ /:::i::::| |::|
|::| .l::::ii:::|::l::::l::::_r'￣（_uuノ´ヽ::l:::ﾉ ﾚ'
ﾚ' ∨|::|⊥-ﾄ'" : : : : : : | | l lヽﾚ'
∨く : : : : : : : : :|: : ::| |: :|
∨::＼: : : : : : :|! : :/|: :|_|: :|
＼| ヽ: : : : lj : :ヽl: : : : :」
余 賽花
楊業の第二婦人。明るく、気丈な性格で、夫や子供たちを和ませる賢母。
ちなみに、彼女の姓は”シャ”という字がなのだが、表記されなかったので、
”余”の字で、代用させてもらう。
＿,,,..．．...,,,＿
_,.-ｯ≦―:::::::::::::::::::::::::::｀:ｰ､
,..r::´:／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::::::ヽ
,.r:::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヾ:::::::::ヽ
,ｲ:::::::::::{少‐"´￣｀^＜::::::::ヽ:::::::::::::::!:::::::::::', ここで一つ、補足しておくにょろ
,ｲ::::::::::::／^ ＼:､:::ﾍ:::::､:::::i:::::::::ﾍ:',
ｒ:::/::::// 1:!､::::i:::::}::::::!:::::::::::!::, 原典『楊家将演義』において、
l:::i::::::i::i , - ¨了ﾍ:::ﾄ､::i::::::i:::::::::::i:ﾊ あたしは、楊家の女だけで編成された軍を率いて、
i::!::::::ﾍ:!＿_ ／ ｿ !ﾂ i::|:::::::}:::::::::::}:::! 業にゃんと一緒に戦っていくにょろ
t:从::::iヾ ｀ﾞ ,.ｨf斤本ヾ}:;!:::::::i=ｪ;::::::i:::i
f !::::ﾊ t弋り!}"|::!:::::::::ﾄ､ }::::::!:::! でも、このスレは『北方楊家将』を引用してるっさ
! ヾ_:::ヽ , ちｴﾝ 1j:::::::::tｲｿ:i::::i::::i
｀iムゞ=r'''" ､ ﾘ:::::::::::|´:::::|::::!::::i そういうことだから、あたしは一切戦場に出ないにょろ
|::::ﾊ f;:::::::::::!::::::::|::::i:::::!
f:::::::::ゝ ｒ ､ _ _ |i::::::::::i::|:::::::::!::::i:::::} やる夫スレ的には、あたしも戦う展開の方が、
i:::::::::::↑-､_. | ! ,.イ::::::::::j::!:::::::::|:::::|:::::i 面白いのかもしれないけど…
j::::::::::::::|::::i:::|i ｌ !､._,,. -´ ｆ:::::::::::ﾘ:iﾄ､::::::;!:::::|:::::|
,{:::::::::::i:::|:::::|::!'! ,!;:r^! , -=､::::::::::;'::j: : ヽ:!:::::::l:::::|
f:::::::::::j::::|:::::!_/ .,!. / ／:::::::::;':::,': : : : :｀-､|:::::|
292 ：
北方やる夫 ◆vHtcpbLuPQ [saga]：2009/05/11(月) 01:51:02.63 ID:inJK8VI0
, -‐ r ─― 、
／ / ＼ ぶっちゃけ、あたしまで楊家軍に加わると、
/／ ,=vｼ＝= 、 ヽヽ ヽ 遼軍ですら涙目になる展開になりそうっさ
// // ヽ ヽ ! l l
〃{ i{ {‐-､ ィ尢ﾊl i| | 原典みたく、荒唐無稽な歴史の改竄はいけないにょろ
{仆 f ＿ ＿ | | |
|ﾊﾑ ￣ , ￣ l |）l|! 北方楊家将における業にゃんの用兵っぷりは、
ｌ `∧ r‐‐v li l l |l 銀英伝のソレと比べて、勝るとも劣らないくらいっさ
. ,' i ゝ､ ヽ ノ ｨ'l ｌ l !
/ ,' ｌ _}>‐匕!_ / ,'l l | まぁメタな発言は、ここまでにしておくにょろ
/rt/ ィf＜ _ _ ｀/ /_j | l
ノ |l/ ,' llﾆﾆ二ﾆ/ / ＞､| あたしは、業にゃんの帰りを一途に待っている
／ / /. ├ ￢ｰ/ / ／／ ヽ 妻にしたい女キャラナンバー１を目指すっさ
. ／ / / | ,/ /´,／ ヽ
, イ / ∧ | fA./ /／ﾚ''´ ＼
〃≠-､,.ｲ/ ∧ ＼,| / / ハ. ＼
〈 { / / ＼__,jｲ/ / / !｀ヽ､ ≠､ヽ
ヽ V / { ￣i{}7 / ｲ i >'´ /
＼ / //｀个tﾄ-イ/ / ＿/ i l／ /
,,､-''"´￣￣｀｀`ヽ､
,／ `-､,,＿
,/ i, ; ﾞミ三ｰ''"
/ ﾊﾊ ヽ,
i" ,/ / ,〃i/ い、 ＼ いN
/ ,/ ,/ノ / ,ノﾉﾊ ﾄ,、 ミ`'ー Ｖﾘ
| ﾚ' _,,､ｧﾁ-ーﾋヽ| ゞﾋs、ミヽ i
ﾊ rﾍ ｱ' <ﾓﾃ;; ｉ' zｯ､｀i ｿ …で、話を本編に戻してもいいかな？
ﾞYf iﾞ |ﾄ :i ｀｀ ｲ, ノ
いヽ ﾞ!, ,_ ;､ ,ﾀ"
`i, `r､ .._＿｀＿ ,ﾘ
ｸ',ﾍ ﾞ:､ `''ー‐'´ /ﾞ
ｲ,ﾍ ゝ＼. ￣ ／
f￣`''ー─--ﾐ''-､,,＿,,イ!‐-､､,,_
,／ ﾞi,⌒ヽz￢"ﾞヽ i
ﾄ ヾぃ ） L,,＿
293 ：
北方やる夫 ◆vHtcpbLuPQ [saga]：2009/05/11(月) 01:52:21.34 ID:inJK8VI0
_,.. -――-....
／´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀ヽ.
/:.:.:.:.:.:.:.:._,: -―- 、:.:ヽ＼
l:.:./:.:.:／ ＼:.:.ヽ:ヽ
. l:.:.l:.:.:.|＿ _}.:.:}::}:.!
|:.::|{:.:{:{ __｀ヽ ／´ |:./:ﾊ|
|:.:.|:ヽﾄｲ刋:.ト _ ﾉｲイ 軍議は、男の戦場でもあるっさ
| {ﾊ:小辷.ｿ 、'z＝､|｀{
|:.:{ﾍ:.:.ヽ r―vｧ }くヽ そのくらいは心得てるにょろ
l:.:.:トヽ:.:.＼ ヽ.__ﾉ .イ:.:.ヽヽ
j:.:./:.:.:∧:.:.:.:ト=r_┬＜:.:.:.＼:.:.ヽ:＼ 女は、男の帰る家を守るのが仕事っさ
/:./:.:.:.:.:.:∧:.:ﾄﾄ､ヽ=!:}}､＼:.:.:.ヽ:.:.}:.:.:ヽ
. /:.:,:.:.:.:.:.:./ _.j:ﾊ l＼､}j/' } }:.:.:.:}ﾊ|:.:.:.: i というわけで、あたしは引き揚げるにょろ
':.:.:i!:.:.:.:.:.:.ヽ._ 入_く不ﾌｸヽﾊ:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:l
｜:.:.||:.:.:.:|:.:.:.:.::せﾉ丁L｢Lハｸ:.:.:.:.:.|:.:.:.:.|:.:.| 六にゃんも、しっかりと父上を補佐するっさ
. l::.:.| !:.:.:.|!:.:.:.／: : ｲ : : : : ﾄ ＼:.:.:.:l!:.:.:.:ﾊ.:l
l:.:.| l:.:.:.lﾊ:.:.:｀iー-L:＿_斗イ´/:./|:.:.:/ j:/
ヽ ヽ:.:l ヽ:.ﾉ /:.:.:.:| |イ:./ j:.:/ /′
＼ i ｀ ７､:.:.:.:ﾊ‐ ´!／ ノ´
| _ /ｰ ヽ{ l _ }
ﾋｱ ﾋﾗ′
＿＿＿_
／ ＼ はいはい、ちゃんと支えますお…
／ ─ ─ ＼ （我ながら、全くと言っていいほど、
／ -=・=- -=・=- ＼ 両親のDNAを受け継いでないと思うお…）
| （__人__） U |
＼ ｀ ⌒´ ／
※ちなみに、六郎と下の妹”八娘”、”九妹”の三人が余賽花の、実の子供。
他の兄弟たちは、異母兄弟という関係。
294 ：
北方やる夫 ◆vHtcpbLuPQ [saga]：2009/05/11(月) 01:53:23.58 ID:inJK8VI0
／￣￣＼
／ _ノ ＼ こう言っちゃあなんだが…
| （ ●）（●）
. | （__人__） あまりにも似てなさすぎる…
| ｀ ⌒´ﾉ 本当に親子か？
. | }
. ヽ } 父上と継母上が、あまりにも不憫すぎるだろ…
ヽ ノ 肉親的に考えて
/ く
＿＿＿_
／_ノ ヽ､_ ＼ うっせえぇぇぇぇ！！！
oﾟ(（●）) (（●）)ﾟo
／::::::⌒（__人__）⌒::::::＼ 大きなお世話だっつーの！！！！
| |r┬-| |
＼ ｀ー'´ ／
和やかな（？）雰囲気を包む母の気遣い。
しかし、帝からの詔書には、それを凍りつかせる内容が書かれてあった。
295 ：
北方やる夫 ◆vHtcpbLuPQ [saga]：2009/05/11(月) 01:56:22.27 ID:inJK8VI0
./ ＼Ｙﾉヽ ｷﾘｯ
/ （0)(―）ヽ 『朕は、太原府の守備に当たるので、
／ ⌒｀´⌒ ＼ 汝ら楊家の一族は、その軍を率いて、
| , -） （-、.| 北上する宋軍に当たれ…っていうｗｗｗ』
l ヽ＿＿ ノ l |
. ＼ ／
＿＿＿_ 何……だと……？
／⌒三 ⌒＼
／（ ○）三（○）＼ こんなもん、宋軍が北漢領に侵攻した時点で、
／::::::⌒（__人__）⌒:::::＼ 届くべき証書だお…
| |r┬-| |
＼ `ー'´ ／
／￣三＼
／;;;; _ノ 三 ＼
|;;;;;;; （ ○）（○） それだけじゃないぞ
. |;;;;; （__人__）
|;;; ｀ ⌒´ﾉ これは、すでに領土が侵されていて、
. |;;;; } それを取り戻せという内容でもない…
. ヽ;;; }
ヽ;;;l ノ これは…つまり…
/ く
| ＼
| |ヽ、二⌒)
296 ：
北方やる夫 ◆vHtcpbLuPQ [saga]：2009/05/11(月) 01:58:08.15 ID:inJK8VI0
｀`''‐､ ｀`ヽ､. ,.. -─;:-
＿＼ ll ヽ.r' ll ／-─- ､.
. ,. ‐''"´ll lll｀` lll ’ l " ll -=ﾆ.｀
. ∠ -‐ ; =-─ ll ll lll ＜`
, ‐''´ lll ll lll ll lll ヽ
／ ll _,. ll lll ll ll lll ll i ククク…奴ら、先の天井関、接天関の敗戦も…
, '.,. ‐',´'´ llｌ ll ll ,.ｲ lll ll ll | そして、遼への救援依頼も”なかった”ことにしていやがる…
／ , ' ll ,ィ . ll ,.ｲll.,.ｲll./::::ヽ.ll ﾄ､ ll 、 lll |
. /ll.／! ,ｲ ./_:l /:::!./::::::::::ヽ. |_ヽ |ヽ llｌ ll | ここまで腐り切っていたとはな…
/., ' . !ll /ｌ ll/:::::l/ヽl/::::::::,.‐''::ヽ!:::ヽ!::ヽ ll |
／ ! / .ｌ /.l＝==｡=､::::::;;;:==｡==＝＝! r‐:､lll| つまり…”これから宋軍が攻めてくるので、撃退せよ”
l/ |/ .l :`::ｰ-:/::::::::::: ｰ-‐ '::´:::|l|r‐､!│ …ということで、済ませようって腹だ…
l :::::::/:::::::::::: :::::::::|.!ﾄ､ﾘ l|
ｌ:::/::::::::::__-， .::::::::::|Lンlｌ ﾄ これは…明らかに隠蔽工作…事実の改竄…っ！
. l`"----------一::::／ヽｌ! |;;;ヽ.
! ＿＿_ ..::::::::／; ヽ ll !;;;;;;;;ヽ
ヽ. ￣￣..:::::::／;;: ヽ. |;;;;;;;;;;;;;l`;;ｰ-
_,,. -‐''7ヽ......::::::::::／;;;: ヽ!;;;;;;;;;;;;;|;;;;;;;;
_,,. -‐''";;;;;;;;;;;; /;;;;;ヽ:::::::／;;;:: /;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;`1;;;;:: /;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;| , ';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;;
＿,,.､､､､､､.,,＿
,､-'´ . : ::::::::::::::::::::ヽ;ヽ、
／ . : : :::::::::::::::::::::::::::::ﾞﾐ､::ヽ、
/ . : : : ::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾐヽ::::ゞ、
i ; ; ;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::lﾘゞ;;:::ゞ
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾉｲ,/;;;;/::;;〃i/いﾘ;;;;;;:::::`、
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ノﾉ,/;;;;/ノ;;/;ノﾉﾊﾉﾊw;;;:::::';
!;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾉ,ノﾉｲノﾊﾉノﾉｲﾉヽ､ﾉﾊ;;;::::!
l;;;;;;;;r'ヽ;;;;! -─ノﾉ-ノ '´─-ヽ;;:;:;:::/ …………
ﾊ;;;;;!リ〉ﾘ' r-rｪｧ'｀ ,rｪｯ !;;;;:ｿ
,ﾘ;;;;;;), ヽ l /;:ノ
,/)ぃ,l:ﾘ l ,_」 /
_,.､-‐! ヾ:!､Y _＿_ /`ｰ -､＿
_,.､-‐'￣''ｰ- ､ l ＼ ヽ ー ／`ー-､＿ i`ヽ､_
｀`ヽ､_,.､-ー-‐'ヾ 〔《l ＼ ＼ ／ ＼ `ー-,l ';
ヽ、 ヽ r'､ ｀ー‐',i ,r-‐'ﾞ} l! !
.ヽ、 `､ ／.､ ＼ / 〉＼/ / ,}
ヽ ﾞl､ ヽ／､;:;:;:ﾞ:、 ＼_/_,.r' / / ｸ
`''‐-:､,_ ＾:､ ! `ー､;;ヽ､,.ｨ':;/ i / ｲr'ﾞ ＼
297 ：
北方やる夫 ◆vHtcpbLuPQ [saga]：2009/05/11(月) 01:59:09.28 ID:inJK8VI0
i^,＼ ＿,,＿ ／＾ｌ
ｌノ ＼ i|l ／ヾﾉ このふざけた詔書は何ニャ！！
ｼ " （ ○） （○ ）ﾐ
ﾒ ＝ ⌒（__人__）⌒=ﾐ こんな事態を招いた廷臣どもの首を、
彡 ﾉ （ |::::::| ﾐ 四つなり、五つなり並べろというべきニャ！！
ヾ ⌒ l;;;;;;l ｿl!| !
／ `ｰ' ＼ |i 楊家軍を、いないものとして、扱いやがったニャ！！！
／ ヽ !l ヽi
（ 丶- 、 しＥ |そ ドンッ！！
`ー､＿ﾉ ∑ l､Ｅ ﾉ <
ﾚY^Ｖ^ヽｌ
【沈黙中】
うわ…二郎様が、マジギレしてるぞ
∧,,∧ .∧,,∧
∧∧(´・ω・｀)(´・ω・｀)∧∧ でも、気持ちはわかるんよ
(´・ω・｀).∧∧) (∧∧(´・ω・｀)
｜ Ｕ (´・ω・｀)(´・ω・｀) と ﾉ いっそのこと全員の首を並べたらいいんじゃね？
ｕ-ｕ （l ) ( ﾉ u-ｕ
. `ｕ-ｕ' `ｕ-u'
それはそれで、不気味だよ…
この処遇に、楊家の諸将たちも憤ってはいたが、
二郎の怒りようが、今にも剣を抜く勢いであったため、
皆が黙り込んでしまった。
298 ：
北方やる夫 ◆vHtcpbLuPQ [saga]：2009/05/11(月) 02:00:05.89 ID:inJK8VI0
【延臣の首を並べた図】
／⌒´￣｀ヽ､
,,,,,,,.-‐‐‐‐---,,,,, ／ ヽ´＼
／::::::::::::::::::::::::::::::; :;:::"' ／´ ノー―´￣| ＼
/:::::;;:::::::::::::::::::::::::;;;ﾉ ヽ;:::＼ / ／ | ＼
_.,,,,,,,,,.....,,,:::::::ﾉ""'''''‐‐-‐'''" ヽ:;::.--‐‐‐‐‐‐‐‐/ /￣ ＼_ |
／::::::::::::::::::::::"ﾍ:::::| （;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| / | |
/::::::::::::::::::::::::::::ノ ヽ. |// ヽ |へ､ ／ヽ | | ゆっくりしんでいってね！！！
/::::::::;;;;...-‐'""´ .| ,,,,, ,,,,, // ..... ........ ヽ|＝ヽ､ヽ ノ＝＼_, ヽ､／´ヽ
|::::::::::| 。 .| '''"""'' ''"""'' || .) ( .| ノ 丿 ヽ __/ ／
|::::::::/ ,,,..... ...,,,,, |-= =‐, = =- |.-= ‐. ‐= =- ./￣ノ / ｀― ヽ／
|,ヘ;;| - ‐, ‐ = .|. "''''" | "''''" | 'ー .ﾉ 'ｰ-‐'.( ￣ （ ）ー |ノ
（〔y -ｰ'_ | ''ｰ |. ヽ | ﾉ(､_,､_)＼ ヽ ~｀!´~' 丿
ヽ,,,, ﾉ(,､_,.)ヽ | ^-^ |. ＿＿_ ＼ | _,y､___, ヽ ／
ヾ.| /,----、 ./. ‐-=＝=- || くｪｪｭｭゝ ＼ (ヽー´ ノ ／
＼ ￣二´ /＼. "'''''''" / ヽ ー--‐ ／ ｀ヽ ヽ～ ／
＼＿...,,,,.／ ＼ .,_＿＿__,,,.／ ＼＿＿＿ ／ ＼＿＿,／
＿＿＿
／⌒ ⌒＼ ━━┓┃┃
／（ ￣） （＿）＼ ┃ ━━━━━━━━
／::::::⌒（__人__）⌒:::: ＼ ┃ ┃┃┃
| ゝ'ﾟ ≦ 三 ﾟ｡ ﾟ ┛
＼ ｡≧ 三 ＝=-
-ｧ, ≧=- 。
ｲﾚ,､ ＞三 ｡ﾟ ･ ﾟ
≦｀Vヾ ヾ ≧
｡ﾟ /｡･ｲﾊ ､､ ｀ミ ｡ ﾟ ｡
299 ：
北方やる夫 ◆vHtcpbLuPQ [saga]：2009/05/11(月) 02:02:37.89 ID:inJK8VI0
＜ワイワイ…
＜ガヤガヤ…
i^,＼ ＿,,＿ ／＾ｌ
ｌノ ＼ i|l ／ヾﾉ
ｼ " （ ー） （ー ）ﾐ ｷﾘｯ
ﾒ ＝ ⌒（__人__）⌒=ヽ 遼に援軍を頼んだ覚えはありません！
彡 |r┬-| ;ミ
ヾ `ー'´ ﾝ
ノ ＼
／´ ヽ
| ｌ ＼
ヽ -一''''''"~~｀`'ー--､ -一'''''''ー-､.
ヽ ＿＿＿＿(⌒)(⌒)⌒) ) (⌒＿(⌒)⌒)⌒))
i^,ﾉ（ ＿,,＿ ／＾ｌ
ｌ ⌒_ノ i|l ヽ､_＼
ﾐ ﾐ ﾐ ｼ oﾟ（○） （○）ﾟo ﾐ ﾐ だってニャｗｗｗ
γ⌒)⌒) ＝ ⌒（__人__）⌒=ヽγ⌒)⌒)……
/⌒) ○ ＾)彡 |r┬ | ﾐ/⌒) ○ ＾) バ 俺がぶっ殺してやるニャ！！！
ヽ / ヾ `ー ' `ー 'ヽ / ン
| | ＼ | | バ
| | | | ン
/ / l||l 从人 l||l l||l 从人 l||l
ヽ -一''''"~~｀`'ー､ -一'''''''ー､
ヽ ＿＿＿(⌒)⌒)⌒) ＿＿(⌒)⌒)⌒))
300 ：
北方やる夫 ◆vHtcpbLuPQ [saga]：2009/05/11(月) 02:03:25.50 ID:inJK8VI0
_,.､-‐''''"""""""'''ｰ- ､
,､-''ﾞ ヽ
／ ,へ ＿＿＿＿..:.::::l
/ ﾞｰ' ,､-‐''"´､ ､_＿ ､_ ｀`'〈
l ,.-'ﾞ､ ､ ゝ、` 、` `､ ﾞ:､
ﾞ､＿,.-'ﾞ ,小､ﾐミ､'ｰﾞﾆ'ｰ`ｰ｀:::｀ヾ:ヽ,::';
ﾘ, r＜,'_ﾞ､`｀ _ｯ=,ﾆ,､｀゛`!::::,:- ､:::::::l
'ﾊ､､ﾄ (で!>i ´ 、:ﾞ‐'::' ﾘ ,!/'i ｌ:::::/ 黙るんだ、二郎！
. l ´ﾉ ､ ｀ ﾉﾘ > !:::iﾞ
l i.. ,...': /ﾞ,ﾆ-'ﾞ::::ﾄ､ これは詔書なんだよ
. ﾞ､ r─- ､ / !、:::::ﾘ
ﾞ､ l,Z二ノ ／ ﾉ;''"＾:､
ﾞ､ ｀二´ ／ ,.r'ﾞ..:.:.:.:::::::ﾞ:､
,､-',ﾆ＼＿_,.､-'ﾆr''ﾞ ／ﾞ､:::::::::::.`ｰ- ､
_,,.､-''",ｨ ｢ f" ｀7´ |ﾞ:､ ﾞ､／.::::::::::::::.:.:...
ｰ''" '''"´ l ハ ! l::::ﾞ:､ ':;:::::::::::::::::::::
l,' ヽﾞｰ- ..,,,.. -‐'ﾞ::::::>;'/`ー-- ､,,_
i^,＼ ＿,,＿ ／＾ｌ
ｌノ ／ i|l ＼ヾﾉ し、しかし…父上…っ！
ｼ " （ ●） （● ）ﾐ
ﾒ ＝ ⌒（__人__）⌒=ヽ
彡 ;ミ
ヾ ﾝ
/ "" |
301 ：
北方やる夫 ◆vHtcpbLuPQ [saga]：2009/05/11(月) 02:04:40.65 ID:inJK8VI0
/ , ｉｉｉ ﾞ!,ヽ, ,ヽ, ゝ、.. ;;;, ﾞヽ,
iﾞ , ,! , ｉｌｉ l i., l;, i, l;;;;,`ミﾞヾ';;;, ﾞi i
!iﾞ ;' ,i ,! ,/!,i,iﾊﾄ, i, !! |i', ﾞi; i;;;';';,,_ミ:: ;;, ﾘ 楊家軍は、粛々として進発する
lv',ｨ' ,;;;i 〃;/ ﾘ.ﾘl| !lﾞ:,ﾄ,ﾞ:､li;'､ i:.ﾞi;..;;;;;;;,ヾ ;;:〈
,ｨ,ｨ/ ,,;;:;;ｲ,/ｼノﾝ' ﾉ ﾞl! ﾞ'いﾐ`ﾐゝﾐゝ､ﾞ';;;;;;;;;;;;;'v;;;i 楊家軍がある限り、北漢は安泰であることを、
'" / ,;;-''ｼr--=､∠,,__ﾞ､ ﾞゝ,;≧-─ﾐｰi;;;;;;;;;;;;;;;;;;l 太原府に解らせるには、
iﾞiﾞ ;;ﾍ | ーt‐:ｧﾐ:｀､` ' '<"t::ﾗｰ- |;;;ﾊ;;;;;;;;;;iﾞ
ﾞ;ﾞ､ （ ﾊ,! ｀""´' ﾞ: `' ｀ ´ ﾉ;ﾘ ,i;;;;;;ﾉ 戦で勝利する…それ以外にない
ﾞ:,ﾞ:､.ヽ,ﾐﾄ: , :. ｹﾉ./;;ｬ'′
`:､`ｰ; ,'. :::, 'ﾞﾌｰ';;lﾞ みんなも、わかったね
ﾉ,;;;;ﾞﾄ `ｰ-‐'ﾞ /};;;;;;;l、
,ｨ'ｽ､;;;|`､ -‐ - ─- /,.};;;;;;;;;;｢
_｣ ゝ､;;;l ;ﾞ:、 ''''''' ,ｨﾞ 'ｸ;;;:;:;;;;｣
＿／/ `:'､ ﾞ; ﾞ' ､ ,ｨ'ﾞ ;'ク:::::::::::;`;､＿
'"／ l r‐`ｉﾞ:, `ｰ---‐''ﾞ ｢..:::::::::;ｨ^!;;;;;;;;;;;;
ﾞ! |:::::P"⌒`ヽr～''⌒`く! ::::::::iﾟ_ノ,;;;;;;;;;;;;
| ,l:::::::| / バ ,l :::::;:;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;
ﾞ: /:::::::::ﾞi ヽﾉ l ::;:;:;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
i^＼ ＿,,＿ ／＾ｌ
ｌ ノ ⌒ i|l ⌒ ヾﾉ わかりましたニャ…
ｼ " _ノ ヽ､_ ﾐ 父上の言うとおりにしますニャ…
ﾒ oﾟ⌒ ⌒ﾟo ヽ
彡 ＝ （__人__） ＝ ;ミ
ヾ ､ `⌒' ; ﾝ
302 ：
北方やる夫 ◆vHtcpbLuPQ [saga]：2009/05/11(月) 02:06:43.28 ID:inJK8VI0
＿＿＿_
／ ＼
／ ⌒ ⌒ ＼ …………
／ （●） （●） ＼
| __´___ . |
＼ `ー'´ ／
i^＼ ＿,,＿ ／＾ｌ
ｌ ノ ⌒ i|l ⌒ ヾﾉ
ｼ " _ノ ヽ､_ ﾐ …………
ﾒ oﾟ⌒ ⌒ﾟo ヽ
彡 ＝ （__人__） ＝ ;ミ
ヾ ､ `⌒' ; ﾝ
＿＿＿＿ ﾁﾗｯ
/ ⌒ ⌒ ＼
./( ―） （ ●） ＼ （よくやった…二郎）
/:: __',__ ::::: |
| `ー'´ .|
＼ ／
303 ：
北方やる夫 ◆vHtcpbLuPQ [saga]：2009/05/11(月) 02:08:14.60 ID:inJK8VI0
i^,＼ ＿,,＿ ／＾ｌ ﾁﾗｯ
ｌノ ⌒ i|l ⌒ヾﾉ
ｼ " （● ） （ｰ ）ﾐ （わかってるニャ、兄上
ﾒ ＝ ⌒（__人__）⌒=ヽ こういう役回りは、俺に任せろニャ！）
彡 |r┬'| ;ミ
γ⌒) `ー ' ﾝ
＿＿＿＿
/ ⌒ ⌒ ＼ （二郎には、損な役を演じてもらっていますが、
./( ―） （ ―） ＼ これで楊家軍の絆は固くなる…）
/:: __',__ ::::: |
| `ー'´ .|
＼ ／
二郎が、過剰すぎるほどに激昂して、太原府の不満を挙げる。
そうすることで、下の弟たちや諸将の不満を代弁させることに繋がる。
延平が二郎に命じて、やらせていることであり、
二郎も納得済みで、損な役回りを演じているのであった。
304 ：
北方やる夫 ◆vHtcpbLuPQ [saga]：2009/05/11(月) 02:09:06.15 ID:inJK8VI0
,.r-‐''"´｀丶､､..,,,_
,r'´ゝ､ ,r'´ﾌ ,､'r￣｀ヾ､
／,ｲ`ヾｰ=彡' ,ｨﾂｲ/ ::ヾ｀ヽ,
,! ,ﾊ'´ ... . ::;_,ｨミ l
l,ｨ,,,:':::ヾ ミ､;;;,.､-─ﾞ'''ｧty､::;ｨヅ;;::j
,}｀`ﾊヽ;;;;, r'´ -─‐'´ﾞ,ノ'ソｲ'ヾ,;;〈
/:..;;;,r' ヾ､ﾘ ,か)ゞ`' ,r'｀ヽ,|トj;:ﾘ
{ｊｊ ﾊi ノｉ ,:トj ,jﾃy ,ﾊ;;ｉr' （まぁ延平が考えそうなことだね…）
,!.;;:::;ヽゝ'ヾ' ヽ j-‐'
{'ﾍ、,ミジゝ ｀ャソ ,!
`ゞ ﾘﾊ彳､. ｀`ｰ-､, /
ﾞ,r-く,._ｲ, ヽ, ｀ー /
/ ｀丶ﾐ､_ /
,ｲ ｀ヾ,ｰ‐r一'
／ ｀¨丶-､ ｀ｲi｀ヽ､
,r'´￣ ｀ヽ､,ｲ ｀丶 / |,j､ 'j
,イ ヽ､ ＼,/ ,!j ki､,ｲ､
/ ｀, 'i ｀`ヾ<'
｀ヽミメ、 . -‐,=‐
. . .-‐‐ミ i! Y i! 厶イ_＿
∠..., =‐- i! i! i! i! ＜´
.ィ´ i! i! i! i! i! i! i! ヽ
. , ′i! i! i! i! i! i! i! i! i!.!
/イ i! i! i!ｨ i! i./::､ i! ﾄ､ i! i! !
/i!.／/i!./::iメi/:::::::,ﾒ､「ヽﾄ､ i! i!j
（そんなところだろうな…） /イ i!/! /==｡=､:::::.=｡==＝:i!,...i! |
ｊ/ j/ i::｀:‐:/:::::::: ｰ一.:´:|ir, }.|
i:::::/.::::::、 .::::::|Lﾝii|
i: ｀‐――一'.;.::::ハ.i! ｊ;＼
､ ー ..:::::／; ヽ:{;;;;;;;ﾄ､__
. -=''7ﾍ.....:.:::::／;;; ' ｊ;;;;;;;j;;;;;;;
-‐'";;;;;;;;;;/;;;;;;ヽ .イ;;;;: ' /;;;;;;;;|;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;|:.:;;:::' /;;;;;;;;;;;!;;;;;;
305 ：
北方やる夫 ◆vHtcpbLuPQ [saga]：2009/05/11(月) 02:10:40.17 ID:inJK8VI0
／ ヽ
/ ＿＿,,,,,,､､､､}__,
/ D , ．-''"￣ く
,' , -'" l `、 ﾞi、
{ , -' | ｊﾘ | 川 ､ ヽ }
У´ 从ﾞi、从ゞ、从 ゞミジ〝 ﾞi
/ / /ﾉ八ゞメ, -ー廾ゞミ辷 ｒｰ､ ﾘ それじゃあ、いこうか
{| { ,' / _.. -ｰ_ f¨¨［iｊ ）j爪)） } ｊ
iﾄ､ｌ川ヽ '´_{li､ ￣ ｲｊ彳 / |ﾉ なぁに、私の指示に従っていれば、
ﾞi､ ゞ从ﾞi、 ｊ ﾄｰ' 〈 勝てる戦いさ
ヽ;爪 {、 , 八 ヽ
リ八 ,,,.．- ・ / ﾊ ﾊ》
`、 =＝ / 从 ﾉ__
ヽ _, .-ー‥'''¨￣ |
,ィ'´ `、__ _ﾉ / ＿＿,,,... |
/ V'ﾝ￣~7 ,' 「O O O 」 ﾞi、
/ / 〃 / `"´￣_, -＼" ＼
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￣ｊ ,' ／ `''ｰ-､
/ /／ `''- ､ , -''"
/ / `''ｰ､／
,' / ／
{ / /
楊家軍動く――。
その報せは、宋軍にも届き、緊張が高まった。
しかし、前方の宋軍以外に、在ろうことか後背にも敵を抱えている楊業。
北漢…そして、楊家軍の命運は―― 第二話【獅子身中の虫】
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