1940年末、激動する世界情勢の中で、
ドイツとソ連は欧州における権益と勢力圏を巡り水面下において角逐していた。
/)
///)
/,.=゙''"/ 人人人人人人人人人人人人
/ i f ,.r='"-‐'つ____ < >
/ / _,.-‐'~/⌒ ⌒\ < 細けぇ事はいいんだよ!! >
/ ,i ,二ニ⊃( ①). (①)\ < >
/ ノ il゙フ::::::⌒(__人__)⌒::::: \ YYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY
,イ「ト、 ,!,!| |r┬-| |
/ iトヾヽ_/ィ"\ `ー'´ /
ボリシェヴィキ党書記長 やる夫・スターリン
・・・しかし当のやる夫は肝心要の独ソ関係について楽観的な展望を持っていた。
457 :
◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:09:11 ID:VmLCEHC60
それは1940年11月12日~13日にかけて行われた
ベルリンにおけるモロトフ・ヒトラー会談の手ごたえによるものだった。
,.-──- 、
/ `ヽ、
/ \
〃 l.:l //.l .lヘヘ:l:.1. il ヽ
〃 , , l:.l //l l:l :lミノ1l:.1. !l l !
/./ //l l:.l/l/⊥l」l:l l l: l.:.l:l ! .l
l/l/l/ :l l:.ト、ト、lヽl リ lノ十从l ∧
l l:.:.:.l∧! ,r==ミ / 二 Vl l/
l l:入い ヽ⌒ /ノノ
N/ l∧ / / 私としては独伊日三国同盟にソ連を加えた
.l/l ∧ r-- ァ /
l/!. ヽ `ニ´/ 四か国同盟の結成を検討しております!
r┴- 、`ーrrrく
_ _」 |\ l ̄`7 これが実現すれば大英帝国以上の
,. ィ´.:.:.:.:l `ヽ  ̄l l /_
´ .l.:.:.:.:.:.:l \ l/ んT.:.`ヽ、 世界勢力として新世界秩序を指導する
l.:.:.:.:.:.:.l -孑'´ l.:.:.:.:.:.:.i\
l.:.:.:.:.:.:.:ヽ i l.:.:.:.:.:.:.l \ 存在となるでしょう!
l.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\ l l.:.:.:.:.:.:.:! /ハ
l.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\ l /.:.:.:.:.:.:.:.l //ハ
ドイツ外相 ヨアヒム・フォン・リッベントロップ
__ __ _
. _ , '"´ ,. _ ___`丶、
/ ` / /´-‐ァー-ヽ \
. / /下7 ..///.:.::/ .:.:ト、 ヽ
/ └イ_j/ .://;へ、/!.:.::/:.}ヽ ',
,' ///!l .::j.:lイ仔くヽ/,.イ,.ム:.', l イギリスには十分な打撃を与えたわ。
, '〈/f`| l ::l`' ゞゾ '´ rャjノ::.l:. | 負け惜しみを言ってるけど、奴らはすでに敗北したのよ!
| l:l :!:{、| l ::| マソハ: |:: |
| l:l::i个| l ::l! l⌒ヽ′} .:}:.l:: l 7つの海に渡る大英帝国の時代も
| lハ:l::{::', ::::{、 ヽ.ノ /.:/::.l:: l もうすぐ終焉を迎えることになる。
l !:|:::',::',::ヽ:::ヽ\._ /.:/::::/l::;!
. ',::{:{、:::ヽ\:\;ゝ `「:フ´!::::/;:::/ 〃 独伊日による世界再編の時よ。
. ヾハj>''´ ヽ ト、_..上くイ::::{ {::{/ 私は、それにソ連が加わることを望むわ。
/⌒ヽ、\ ` \-ー ̄\ヾ
/ ヽ \\ \´ ̄`ヽ、
. l ', \\ \ __| \
. | ', \`ヽ、 ∨n| } ト、
ドイツ第三帝国総統 アドルフ・ヒトラー
件の席上でドイツ側は大英帝国の共同分割を提案し、
独伊日三国同盟にソ連が加わることにまで言及したのである。
458 :
◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:09:25 ID:VmLCEHC60
この提案はソ連側代表であるモロトフによって即時拒絶・一蹴されてしまったが、
それは大きな問題ではなかった。
,.⌒ヽ γ⌒ ヽ
〈● ノ\ /\ ●〉
ヽ彡' ヽ / ヾ_ノ
) Y (
/γ⌒ ⌒ヽ\
/ | | ヽ
| ヽ__人__ノ | だが断る。
\ `ー'´ /
,,.ィ'''フ''''=ー> <''"`ヽ、ヽ、
,r'"´ ノ" )=、., ,,..ィ'"´i ヽ、
( ノ ´ ̄ `Y"´ i
) __,,.. レ _,,,,、 j、、
r''ヽ. ,.ィ'''i" J ,,.ィ'"~ `'ヲ''ー-、ノ、 ヽ、
/ ,,.イ')'" 人 ,,l、 ノt ) `ヽヽ
/ / / `ゝ、 人 ,,イ jt、 ヽ i
f , ノ /、 `ー--;::-ニ"_,ゝ=---‐''" ノ ヽ、 ヽ t、、
)' f ノ ヽ、 r 、 f" `i´ ̄` Y `ヽ / ゝ-,ヲ''' )
. ( ,.ィ''ーr"~ ヽj ミi ! j' | / ,r" ft
ノ、,ノ ヽ, `i 、〉、.__,人,___,..イ、,i" j'' ( ,ノ j
ソ連外務人民委員(外相) ヴァチェスラフ・モロトフ
究極的に言うとソ連の最高意思決定機関はやる夫個人であり、
モロトフが会談をどのように締めくくろうとも結局のところ何をどうするかは、
最終的にやる夫の判断に依るものだったからである。
459 :
◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:09:41 ID:VmLCEHC60
そしてそのやる夫は、ドイツ側の提案に対して確実に心躍っていた。
冬戦争の失敗経験から赤軍の弱体化を痛感していたやる夫は
何としてもドイツとの軍事衝突を先延ばしにしなければならないと考えており、
この四国同盟提案はまさに渡りに船だった。
____
/⌒ ⌒\
(ヽ /( ①) (①)\ /)
(((i ):::::: ⌒(__人__)⌒::::\ ( i))) 素晴らしいっ!!
/∠ | |r┬-| |_ゝ\
(___ `ー'´ ____ ) これで何もかも解決だ!
| /
| / 世界地図をひっくり返して
| r /
ヽ ヽ/ やれるぞ!!
>__ノ;:::......
モロトフに拒絶させたのは単に「手続き上の」問題に過ぎず、
本質的にソ連の意思決定に関わることではなかったのだ。
460 :
◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:09:52 ID:VmLCEHC60
,.⌒ヽ γ⌒ ヽ
〈 ● ノ\ /\● 〉
ヽ彡' ヽ / ヾ_ノ
. ) Y (
/γ⌒ ⌒ヽ\ ヒトラーも相当切羽詰まっていると見えるね。
. / | | ヽ
. | ヽ__人__ノ | 英国本土空襲は大損害を出して
\ `ー'´ /
/⌒ヽ ー‐ ィヽ 事実上失敗したと聞いてるし。
/ ,⊆ニ_ヽ、 |
/ / r─--⊃、 |
| ヽ,.イ `二ニニうヽ. |
___
/⌒ ー、\ チャーチルは聞きしに勝る戦争狂のようで。
/( ●) (●)\ 当分の間、余程のことがない限り停戦に応じないでしょう。
/:::::: __´___ ::::::: \. さらに米国のルーズヴェルトが再選すれば
cー、 | |r┬-/ ' |⌒,一っ 対英支援の強化に動くはずです。
,へ λ \ `ー‐' / 入 へ、 そうなると、この戦争はかなり長引きますよ。
<<</ヽ /\)))
内務人民委員 ラヴレンチー・ベリヤ
461 :
◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:10:03 ID:VmLCEHC60
,.⌒ヽ γ⌒ ヽ
〈 ー ノ\ /\ー 〉
ヽ彡' ヽ / ヾ_ノ
. ) Y (
/γ⌒ ⌒ヽ\ ヒトラーはナポレオンと小モルトケの
. / | | ヽ 愚を再現したくはないはずだ。
. | ヽ__人__ノ |
\ `ー'´ / 対英戦が続く限りソ連侵攻はない。
/ ∩ノ ⊃ /
( \ / _ノ | | ソ独国境の静謐を保とうとするはずだ。
. \ “ /__| |
. \ /___ /
___
/)/\ /\
/ .イ ' (●) (●)\ そこが付け入る隙となるわけです。
/,'才.ミ). 、_',__, \ しかも奴らに原材料の自活能力はありませんから、
| ≧シ' | ソ独通商は死活問題です。
\ ヽ / これをテコに両国関係を上手く運べるでしょう。
462 :
◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:10:15 ID:VmLCEHC60
___
/\:::::::::/\.
/:::<①>:::<①>:::\ (そう。このグレート・ゲームは
/::::::::⌒(__人__)⌒::::::\ 再び転換期を迎えている・・・
| ` ー'´ |
\ ::::: / 我々は新情勢を創るのだ!!)
/ ::::::::::::::::::: \
/ \ 〈〈〈 ヽ
(〈⊃ } }
463 :
◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:10:29 ID:VmLCEHC60
独ソの協力関係は1939年8月のモロトフ・リッベントロップ協定に始まっていたが、
状況は両国にとって、協定締結の時点から大きく変貌していた。
まずソ連にとっては、ドイツ軍が予想をはるかに上回ってポーランドとフランスを早く下してしまったことである。
,. -――――- 、/´\
,ハ /,x≦二二二二ヽ:く ,. ‐く
. く//: : / : : :|: : : : :|:∨ /^ヽ
/:,: : : : :/: : : : : !: !、: : : !: :「 ヽ i
/:/: : / : |: |! : : : |: |/、: l: 人_,人 |
/: :!: : :!:_|_八: : /|/,x≠ミ、!八 \廴ノ
|: : |: : :|: : x≠ミV 〃んィ} }:j \__ノ|
| |: !: : :! 〃 んィ} 弋:り/:{ }:|
|∧|: :八;ハ 弋:り , ""| ;ハ ,ハ|
∨|: : | } "" /´\ !f /|
|: :,ハ :、 ヽ __,ノ 八 /V
∨ヽl: :>―‐┬_彳 | /
|/\\ lー/ ノ }
Y ヽ|// 〈
に二ヌ、 ノイ
く/ | {_〉‐'´ |、
| .:| | ∧ 〈__ || ノ 〉 /./ | |
И | | / /: :‘, { `ヾコ 八 _/ _/ /-─'''"~~ ,.二.フ-> ! ,'
| \ 厂 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | /: : : : . } ,.イ厂 ̄/ / ./, '-─‐ '" ̄ / '´\\ ,' /
..爪 ミl| 、 / V: : : : : : , `ー'^´f、_/ / // ニ二u__,/ // u,__ヽ 〉- 、//
|\,/ \ / {: : : : : : : } i / {//-===:、 |.! / / { | r‐ノ/
∨/ ィ⌒V 〝 ィ⌒V 乂__ノ じ' /,.イ u __\、;;;||/ @ 〃,.-;=´イ,ヽ
ハ⊂⊃_ノ 乂,ノ } )} //ヾ.\ / @ フ''| |: ミ≡彡' / _\ヽ |
{( ハ ____ 「ソ / i´r\ヽu`≡==彡v{ .{._,.ノ/u,ノ u_ \!\
┌‐ > |__|__|__| 厂¨} ヽ.ヽrヽ.} r,ラ',ニニ二´-‐''´、 ̄ ./ヽ/ヽ.ヽ `
[____、 |/////! /__] \`、レ',.イー' ( __ } | - ’,. ‐ヘ / ,| |
⌒\ > | ̄| ̄l|=彡 / `//_| rーrー┬ゝィ‐''1´ ,レ'´ /ン !
\/ 〈  ̄  ̄ }//V⌒V // ! l‐┴‐┴‐┴‐ '"´ /ヽ/ u |
\ ∧{/⌒V二/ ./ ,r‐' / \ヽ.r‐┬‐┬ ''1´.工 -‐'´u |
フランス首相 ポール・レノー ポーランド外相 ユゼフ・ベック
これによって東欧から西欧にかけてのパワーバランスが当初の見通しを大きく超えて
ドイツ側有利に傾いてしまい、MR協定の取り決めだけでは、
今や出現した大ドイツ帝国を相手に均衡を保つことは難しいと言わざるを得ない。
464 :
◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:10:41 ID:VmLCEHC60
そしてドイツ側にとっては、そもそも協定に対するソ連側の遵守意識に疑念を抱いていた。
1939年冬以来ソ連側は協定に則って北はフィンランドから南はルーマニアに至るまで活発な進出活動を始めたが、
部分的に協定の取り決めから踏み越えていたのである。
ザッ ザッ ザッ ザッ ザッ ザッ ザッ
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./,,,l,,,★,,lミ /,,, /,,,l,,,★,,lミ /,,, /,,,l,,,★,,lミ /,, /,,,l,,,★,,lミ /,,,l,,,★,,lミ /,,,l,,,★,,lミ /,,,l,,,★,,lミ /,,,l,,,★,,lミ /,,,l,,,★,,lミ
ミ,,ノ,, ゚Д゚iミ, ミ,,. ミ,,ノ,, ゚Д゚iミ, ミ,,. ミ,,ノ,, ゚Д゚iミ, ミ,,. ミ,,ノ,, ゚Д゚iミ, ミ,,ノ,, ゚Д゚iミ, ミ,,ノ,, ゚Д゚iミ, ミ,,ノ,, ゚Д゚iミ, ミ,,ノ,, ゚Д゚iミ, ミ,,ノ,, ゚Д゚iミ
/┌-‐=r‐,='t.・_/┌-‐=r‐,='t.・_/┌-‐=r‐,='t.・_/┌-‐=r‐,='t・ _‐=r‐,='t・ _‐=r‐,='t・ _‐=r‐,='t・ _‐=r‐,='t・ _‐=r‐,='t・ _
ゝ_ア´::`T、 ゝ::..ゝ_ア´::`T、 ゝ::..ゝ_ア´::`T、 ゝ::..ゝ_ア´::`T、 ゝ:: ̄´`T、 ゝ:: ̄´`T、 ゝ:: ̄´`T、 ゝ:: ̄´`T、 ゝ:: ̄´`T、  ̄´
く_::ノ、´ヽ く:: く_::ノ、´ヽ く:: く_::ノ、´ヽ く:: く_::ノ、´ヽ く_::ノ、´ヽ く_::ノ、´ヽ く_::ノ、´ヽ く_::ノ、´ヽ く_::ノ、´ヽ
.(_/ ー' (_ (_/ ー' (_ (_/ ー' (_. (_/ ー' (_/ .ー' (_/ .ー' (_/ .ー' (_/ .ー' (_/ .ー'
,,,,,,,,,
[|,,★,,|]
( ゚Д゚) ここはソヴィエト人民の土地となったのだ!
/ (y) つ ファシストの指図など知るものか!
∪/ | 全ての土地は国有化されるのだ!
し"し
まず南ではルーマニア領ベッサラヴィアの他、協定の取り決め外にあるブコヴィナを
北ではドイツ側に帰属するはずであったリトアニア領シェシュレ川左岸地区を断りなしに占領し、
現地在住ドイツ人の資産まで没収してしまった。
465 :
◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:10:53 ID:VmLCEHC60
これらの問題は、西部戦線の事実上の消滅と合わせって、
独ソ国境の利害関係問題を想定より早く再浮上させてしまう。
.::::::::::::,.-―一{_}、 ::::::::::::: |::::::::::: } :::::::::::::::::::::::::i::::::::::::::::::::::::i \
|::::::/ /´::::::l \ ::::::::: | :::::::::::ト、 ::::::::::::: ト、::}\:::::::::::::::::::}/
|::::::`ー、,/ ! :::::::: | 、\:::::::!:::::::∧| } :::::::::::::| |,,ノ' ,:::::::::::::::|
|:::::::::::::/ l::::::::::::{ ,、_∧.\:|:::::/ }| | :::::::::::::|/} i}::::::::::::: |
!::::::::::::{ ヽ::::::::::`′:::::〉_ヽ/\.リ !:::::::::::::ノ,ィ==ョ ! ::::::::::: |
.|:::::::::::: \ .\::{ :::::::::::::: {,,ィ==ミ、.l ::::::/〃0).} ,ノ|:::::::::::::::l
/.: ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ \ ..|:::::::::::::::::: \ .\ :::::::::: 〃{(0)) }c. `} / ミ≡彡 .|:::::::::::::::|
/: : : \ .|:::::::::::::::::::::::::\ .\:::::::: `ミ≡≡彡 ' ヽ │:::::::::::::|
/: : : : \ |:::::::::::::::::::::::::::::::\/::::::::::::| ′ .ノ:::::::::::::::|
/: : : : : : \ ..|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| , .::::::::::::::::::!
: : : : : : : :.._ _ \ | ::::::::::::::::::::::::::::::: \:::::::::::::::! __, - /∨}:::::::::::::}
: : : : : : : ´⌒\,, ;、、、/⌒` l .|:::ハ::::::::::::::::::::::::::: l \:::::::: | . _ ´ / リ{::::::::::/
: : : : ::;;( ① )::::ノヽ::::::( ① );;::: | .|/ \ ::::::::::::::::::::::| \::: l > _ ' ヽ:: /
: : : : : : ´"''", "''"´ l .{! /\::::::::::::::::::ト、 \| / }/
: : : : : : . . ( j ) / / .\::::::::::::| \ \{
\: : : : : : :.`ー-‐'´`ー-‐'′ /
/ヽ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : イ\
: : : : : : : : : :.``ー- -‐'"´ \
: : : : . : : . : : . \
そしてMR協定はこのような事態に両国間の協議を設けることとしていたが、
激変した新情勢に対応する為にも、やる夫は協定の全面的な更改を構想していたのである。
466 :
◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:11:03 ID:VmLCEHC60
____
/ \
/ -‐´ `ー\ さて・・・ソ独による世界分割だが。
/ (①) (①)\
| (__人__) | 先のドイツ側提案は誇大的で抽象的すぎる。
\ ` ⌒´ /
> ー‐ < 見出しだけ踊って細目が雑と、
. / / ̄彡ミヽ、
/ ヽ / / ヽ ヽ まぁ、ヒトラーらしい手口だな。
ヽ. Y / | |
ヽ ノ ヽ ノ
467 :
◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:11:15 ID:VmLCEHC60
___
/)/ノ ' ヽ、\ だが、契約で肝心なのはまさに細目だ。
/ .イ '(①) .(①)\ ここを誤魔化されるワケにはいかん。
. /,'才.ミ). (__人__) \
. | ≧シ' ´ ⌒` | 細目を詰めてソ連側対案と言う形で
. \ ヽ / 応じる必要がある。
468 :
◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:11:25 ID:VmLCEHC60
____
/ \
/ _ノ ヽ、_.\
/ (①) (①) \ 中東の英勢力圏が
| (__人__) | 我々のものになるのは当然だろう。
/ ∩ノ ⊃ / バクゥの石油工業地帯はソ連の生命線だ。
( \ / _ノ | |
.\ “ /__| | だが、それと同等乃至以上に重要なのは
\ /___ / バルカン半島だ。
,.⌒,ヽ γ⌒、ヽ
〈/●ノ\ 人● ヽ〉 既にルーマニアにはドイツ軍が進駐済みだし、
ヽ彡' ヽ / ヾ_ノ ユーゴスラヴィアやブルガリアもドイツ寄りを示してる。
) Y (
/γ⌒ ⌒ヽ\ 地中海の出入り口に位置するバルカン半島が
/ | | ヽ 完全にドイツの手に落ちるのは危険すぎるね。
| ヽ__人__ノ |
\ `ー'´ /
469 :
◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:11:36 ID:VmLCEHC60
_-―――- 、._
,-"´ \
/ ヽ その通りだ。
./ ::::::::::::::::::::::::ヽ そもそもスラヴ人が多く住む彼の地は
| ::::::①:::::::::::::::::::ヽ ロシアにとって伝統的に重大な戦略地なのだ。
l :::::::::::::::::::::::::::::::::;l
` 、 (__人_) .;/ バルカン半島で我々が完全に影響力を
`ー,、_ / 失うようなことがあってはならない。
/ `''ー─‐─''"´\
470 :
◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:11:51 ID:VmLCEHC60
やる夫はバルカン問題に大きな関心を払っていた。
ルーマニアがドイツの手に墜ちて以来、イタリアがギリシャに侵攻するなど
同地域はますます枢軸側の影響力が増しつつあった。
__, ノ} _,
ヾミ、 ,イl| ,ィツ
ヾミ、 ノリlj'; ,ィ彡イ
〉ミミⅥ杉ハ='杉彡"
'^".:.:.:.:.:.:.::.:`丶{
/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.ヾミ三ニ≡=-ッ-
/ :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.'.彡''"´ ̄
r==〈r==≦ミ :.:.:.:.ヽ.:.:.}
{:.::::儿_:::::.:::.:}}≠======--、:}
弋彡'iゞr-=彡 f⌒ハ
レ;;公^;ヽ . : :.: :. r' リ 世界的ですもんね。
爪rェェ弍 . : :.: :.:::.r-イ
川ーニ´jj{ . : :.: :.:: : イ 乗るしかない。
巛爪z从} ∠ニ=ヘ ビッグウェーブ
ゞ巛巛lリ _ _,∠二二、\ この枢 軸 同 盟に。
 ̄ {/ ̄ \ \
/ ヘ. ヘ
/ ∨ ,ハ
{ __ 「::レフ r::v‐ァ く::∨ '、
/(::c' |:::;〈 〉:::/ `ヘ |
{ヘ `¨└^¨ `¨´ Y' | |
/.ハ | | |
ブルガリア国王 ボリス三世
バルカン諸国の中でもブルガリアは先の大戦で失ったドブロジャとトラキアを回復するために
ヒトラーへ接近しており、枢軸加入も時間の問題であった。
471 :
◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:12:02 ID:VmLCEHC60
だが、ドイツに対抗してバルカン半島での影響力立て直しを図るソ連は
ブルガリアの枢軸加入に強く反発する。
ノ L
⌒
,.⌒ヽ γ⌒ ヽ
〈○ ノ\ /\ ○〉ノ L
ヽ彡' ヽ / ヾ_ノ ⌒
) Y (
/γ⌒ ⌒ヽ\ ブルガリアの現政権と
/ | | ヽ ファシスト勢力が台頭に交渉できているとは思えない!
| ヽ__人__ノ | ブルガリアは脅迫されて枢軸加入を強制されているのだ!
\ `ー'´ /
/ `ー' \ |i. ソ連は友好国ブルガリアの安全保障に留意し、
/ ヽ !l ヽi 同国をファシストの侵略から防衛する準備がある!
( 丶- 、 しE |.
`ー、_ノ ∑ l、E ノ >
レY^V^ヽ
__, ノ} _,
ヾミ、 ,イl| ,ィツ
ヾミ、 ノリlj'; ,ィ彡イ
〉ミミⅥ杉ハ='杉彡"
'^".:.:.:.:.:.:.::.:`丶{
/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.ヾミ三ニ≡=-ッ-
/ :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.'.彡''"´ ̄
r==〈r==≦ミ :.:.:.:.ヽ.:.:.}
{:.::::儿_:::::.:::.:}}≠======--、:}
弋彡'iゞr-=彡 f⌒ハ
レ;;公^;ヽ U. : :.: :. r' リ ソ連は重要な隣国ですもんね。
爪rェェ弍 . : :.: :.:::.r-イ
川ーニ´jj{ u : :.: :.:: : イ 配慮するしかない。
巛爪z从} ∠ニ=ヘ ビッグウェーブ
ゞ巛巛lリ _ _,∠二二、\ この外 交 声 明に。
 ̄ {/ ̄ \ \
/ ヘ. ヘ
/ ∨ ,ハ
{ __ 「::レフ r::v‐ァ く::∨ '、
/(::c' |:::;〈 〉:::/ `ヘ |
{ヘ `¨└^¨ `¨´ Y' | |
/.ハ | | |
モロトフがベルリンから帰国するとソ連政府はすぐさまブルガリア外交当局に「警告」を送り、
ブルガリアはドイツに申し入れていた枢軸加入の意思表明を撤回せざるを得なくなった。
472 :
◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:12:16 ID:VmLCEHC60
やる夫の目的は、ブルガリアの枢軸加入を一時的にでも阻止し、
その隙にソ連・ブルガリア間の相互「援助」条約を締結させて
赤軍部隊を現地に進出させることだった。
____
/゙\, .,、,/\ r ⌒j
/( ①). (①)\ / /
/ (__人__) \/ / / )
| .` ⌒´ / / / /
\ / '` ´ /
r´ (⌒'ー―- イ′ ´廴
/ > 、 ヽ _  ̄ ̄ ̄)
/ -、 } (  ̄¨´
/ ヽ._ __ \
` --‐'´ `゙'
・・・と同時に、ブルガリアを巡ってソ独が衝突するリスクは低いと見積もっていた。
利害関係当事者であるソ連の主張に対して、ドイツは理解を示すか、
そうでなくとも交渉を設けるかするはずだと考えていた。
473 :
◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:12:26 ID:VmLCEHC60
____
/⌒ ⌒\ これは一種の外交言語なのだ。
/( ―) (①)\ まずブルガリアは譲れない。
/::::::⌒(__人__)⌒:::::\ このメッセージがヒトラーに届くはずだ。
| | 奴もこれくらいは承諾するだろう。
\ /
474 :
◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:12:40 ID:VmLCEHC60
やる夫にとってこれは、1939年8月の繰り返しに過ぎなかった。
情勢の変化に伴い、強者らが互いの懐を推し量りながら、
利益線を画定することは歴史の常である。
____
/⌒ ⌒\
/ 《;1;》 《;1;》 \ なにせ、独ソ軍事同盟などという、
/::::::⌒(__人__)⌒:::::\ コストを補って余りある大金星が
| トェェェイ | ヒトラーの手に転がり込もうと
\ ヽニニソ / いうのだからな!
これが戦前・戦中・戦後を通して一貫したやる夫の国際政治観だった。
いつも歴史書の中から教訓を拾い上げようとするこの男らしい、
古色蒼然とした権威主義的思考である。
475 :
◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:12:55 ID:VmLCEHC60
_
rvt」}__ / ̄ ̄二ー`
__ノ: : : ー-= ー=, ̄ `>
): : : : : =ニ、. `=二)r--'~
f~ー': : : : : : : : : : }__ィ'''´: : : : `ヽ、__
_j: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ_
`弋ゝ、 ノ: : : : : : : : : : 黒 海: : : : : : : : : : : : \__
: : : : : `\ (_: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
: : : : : : : : ヽヘ {: : : : : : : : : _x-ー'' ̄`´ヽ-、: : : : : : : : : : : : : : )
: : : : : : : : : : :} _rー、__ ィ--ーニo r─-ーイ  ̄`ー--ー--。ー''´
: : : : : : : : : : { /{m_}: : : : 彡ー---z__r'
: : : : : : : : : : ヽ、_ ソ: : : : : : : 〉_,,
: : : : : : : : : : : : : ミ ヾ: : : 、: : : : ': ゝ
地: : : : : : : : : : :`ニ==_ヾニラ: : : : ム-、
: : : : : : : : : : : : : : \ kー': : : `、: : : : ' イ
中: : : : : : : : : : : : : トヘ〆: : : : : : : : : : 彡ヘ/ヽ,_____{`ー-、 ノ`ヽっ
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ワ: : : : : : : : : : : : `ー'''´: : : : /
海: : : : : : : : : : : : : : : : : =ニ二= ロードス島 z-'' ̄ア 。 }
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : クレタ島: : : : : : : : : : : : : : : : : ` ̄: : : : : : 〉
・・・が、しかし、このバルカン半島という地域は、
幾度もやる夫の政治外交に不運を告げる因縁の場所となる運命だった。
476 :
◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:13:06 ID:VmLCEHC60
,.⌒ヽ γ⌒ ヽ
〈 ● ノ\ /\● 〉
ヽ彡' ヽ / ヾ_ノ
. ) Y (
/γ⌒ ⌒ヽ\ バルカン半島は我が国にとって
. / | | ヽ 重要な戦略的利益地帯であることを
. | ヽ__人__ノ | 理解しておいていただきたい。
\ `ー'´ /
/⌒ヽ ー‐ ィヽ 当該地域における如何なる軍事同盟の
/ ,⊆ニ_ヽ、 | 形成・拡大も、我々を無視して
/ / r─--⊃、 | 行われるべきではない。
| ヽ,.イ `二ニニうヽ. |
__, ノ} _,
ヾミ、 ,イl| ,ィツ
ヾミ、 ノリlj'; ,ィ彡イ
〉ミミⅥ杉ハ='杉彡"
'^".:.:.:.:.:.:.::.:`丶{
/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.ヾミ三ニ≡=-ッ-
/ :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.'.彡''"´ ̄
r==〈r==≦ミ :.:.:.:.ヽ.:.:.}
{:.::::儿_:::::.:::.:}}≠======--、:}
弋彡'iゞr-=彡 f⌒ハ
レ;;公^;ヽ U. : :.: :. r' リ 懸念はごもっとも。
爪rェェ弍 . : :.: :.:::.r-イ
川ーニ´jj{ u : :.: :.:: : イ しかしこれは相手のあることですから。
巛爪z从} ∠ニ=ヘ
ゞ巛巛lリ _ _,∠二二、\ お伺いを立てるしかない、ドイツに。
 ̄ {/ ̄ \ \
/ ヘ. ヘ
/ ∨ ,ハ
{ __ 「::レフ r::v‐ァ く::∨ '、
/(::c' |:::;〈 〉:::/ `ヘ |
{ヘ `¨└^¨ `¨´ Y' | |
/.ハ | | |
477 :
◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:13:20 ID:VmLCEHC60
,.⌒ヽ γ⌒ ヽ
〈 ● ノ\ /\ー 〉
ヽ彡' ヽ / ヾ_ノ
. ) Y ( (ふむ・・・見たところ
/γ⌒ ⌒ヽ\
. / | | ヽ ブルガリアの枢軸加入は
. | ヽ__人__ノ |
\ `ー'´ / 既に話がまとまっているようだ。
/ ∩ノ ⊃ /
( \ / _ノ | | だからこそ商品価値があるというもの)
. \ “ /__| |
. \ /___ /
478 :
◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:13:47 ID:VmLCEHC60
,.⌒ヽ γ⌒ ヽ
〈 ● ノ\ /\● 〉
ヽ彡' ヽ / ヾ_ノ
. ) Y ( だが利害の調整は可能だ。
/γ⌒ ⌒ヽ\
. / | | ヽ ブルガリア政府が我がソ連赤軍の
. | ヽ__人__ノ |
\ `ー'´ / 国内通過を容認し、
/⌒ヽ ー‐ ィヽ
/ ,⊆ニ_ヽ、 | かつ両国間の相互援助条約を締結するなら
/ / r─--⊃、 |
| ヽ,.イ `二ニニうヽ. | 貴国の枢軸加入に反対しない。
__, ノ} _,
ヾミ、 ,イl| ,ィツ
ヾミ、 ノリlj'; ,ィ彡イ
〉ミミⅥ杉ハ='杉彡"
'^".:.:.:.:.:.:.::.:`丶{
/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.ヾミ三ニ≡=-ッ-
/ :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.'.彡''"´ ̄
r==〈r==≦ミ :.:.:.:.ヽ.:.:.}
{:.::::儿_:::::.:::.:}}≠======--、:}
弋彡'iゞr-=彡 f⌒ハ
レ;;公^;ヽ U. : :.: :. r' リ (そんな無茶な・・・
爪rェェ弍 . : :.: :.:::.r-イ
川ーニ´jj{ u : :.: :.:: : イ ソ連側に与しない為に
巛爪z从} ∠ニ=ヘ
ゞ巛巛lリ _ _,∠二二、\ 枢軸入りしろと言われてるのに、
 ̄ {/ ̄ \ \
/ ヘ. ヘ 本末転倒な話じゃないか)
/ ∨ ,ハ
{ __ 「::レフ r::v‐ァ く::∨ '、
/(::c' |:::;〈 〉:::/ `ヘ |
{ヘ `¨└^¨ `¨´ Y' | |
/.ハ | | |
479 :
◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:14:01 ID:VmLCEHC60
,.⌒ヽ γ⌒ ヽ
〈 ー ノ\ /\ー 〉
ヽ彡' ヽ / ヾ_ノ
. ) Y (
/γ⌒ ⌒ヽ\ ・・・何を考えているか知らないが、
. / | | ヽ
. | ヽ__人__ノ | 貴国の心配はおそらく杞憂に終わるだろう。
\ `ー'´ /
/ ∩ノ ⊃ / これはまだ非公式の情報なのだが・・・
( \ / _ノ | |
. \ “ /__| |
. \ /___ /
480 :
◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:14:12 ID:VmLCEHC60
,.⌒ヽ γ⌒ ヽ ))
((〈 ○ ノ\ /\ ○ 〉
ヽ彡' ヽ / ヾ_ノ
) Y (
γ⌒γ⌒ ⌒ヽ⌒ヽ
| | | .| ・・・我が国は枢軸諸国に
ヽ ヽ__人__ノ .ノ
\ . `ー'´ / 加入する方向で調整段階にある。
. / ∩ノ ⊃ ヽ
( \ / _ノ | |
..\ “ /__| |
\ /___ /
|i
\ |.|
ト\ /| ト
| トヽ / | | ト
| | トヽ\/| | | ト /
| | | ト\≧三ミゞ=イ/
ム彡''´ ̄ ̄  ̄ ヽ{__.. ト、._人,.ヘ.__人_,.イ_,.ィ
/ V´ j`‐'┌┐ r‐――‐ 、ーィ
ノ __ u ', 、- ' | | | r--- 、 l L_
,. == y ̄, __、\_ ) _ ) .| | └┘ ノ ノ く
|i }-| ゝ二 |/ ̄ ̄ /ニ,l )... | | i"´/ (_
ヽ__ノ/ヾ _ ノ > }} ) └┘ └┘ (_
/ >≦'__ し / ) ┌┐ ┌┐ (_
Vて二オカ U (_,/} ) └┘ └┘ (
Yこ二ノ!!| } ⌒)-、 ,. 、 〈
Y⌒ 从 ∠) ′ ヽ/⌒'^´ヽ'⌒ヽ「
从从从トミ _.ィニ二 ̄丶
ミ三三彡 ' ´ \ \
/ \ヽ
/ ミ;,. ', ',
481 :
◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:14:30 ID:VmLCEHC60
__, ノ} _,
ヾミ、 ,イl| ,ィツ
ヾミ、 ノリlj'; ,ィ彡イ
〉ミミⅥ杉ハ='杉彡"
'^".:.:.:.:.:.:.::.:`丶{
/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.ヾミ三ニ≡=-ッ-
/ :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.'.彡''"´ ̄
r==〈r==≦ミ :.:.:.:.ヽ.:.:.}
{:.::::儿_:::::.:::.:}}≠======--、:}
弋彡'iゞr-=彡 f⌒ハ
レ;;公^;ヽ U. : :.: :. r' リ ソ連が枢軸に参加すると!?
爪rェェ弍 . : :.: :.:::.r-イ
川ーニ´jj{ u : :.: :.:: : イ そ、それはどれほど
巛爪z从} ∠ニ=ヘ
ゞ巛巛lリ _ _,∠二二、\ 確かな情報なのですか!?
 ̄ {/ ̄ \ \
/ ヘ. ヘ
/ ∨ ,ハ
{ __ 「::レフ r::v‐ァ く::∨ '、
/(::c' |:::;〈 〉:::/ `ヘ |
{ヘ `¨└^¨ `¨´ Y' | |
/.ハ | | |
,.⌒ヽ γ⌒ ヽ
〈 ● ノ\ /\● 〉
ヽ彡' ヽ / ヾ_ノ
. ) Y (
/γ⌒ ⌒ヽ\
. / | | ヽ まだ確実ではないが、
. | ヽ__人__ノ |
\ `ー'´ / 「概ね確か」と言ってよいだろう。
/⌒ヽ ー‐ ィヽ
/ ,⊆ニ_ヽ、 |
/ / r─--⊃、 |
| ヽ,.イ `二ニニうヽ. |
482 :
◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:14:48 ID:VmLCEHC60
1940年11月25日、ソ連代表団は非公式にブルガリアを訪問。
ブルガリア政府首脳と会談し、ソ連と相互援助条約を締結し赤軍を受け入れるならば
同国の枢軸加入に対する反対を取り下げると表明。
,.⌒ヽ γ⌒ ヽ
〈⌒ ノ\ /\ ⌒〉
ヽ彡' ヽ / ヾ_ノ だからブルガリアの同胞諸君。
) Y ( 何も構えることはない。
/γ⌒ ⌒ヽ\
/ | | ヽ 我々は遅かれ早かれ
| ヽ__人__ノ | 名実ともに同盟国となるのだよ。
\ `ー'´ /
|i
\ |.|
ト\ /| ト
| トヽ / | | ト
| | トヽ\/| | | ト /
| | | ト\≧三ミゞ=イ/
ム彡''´ ̄ ̄  ̄ ヽ{__..
/ V´
ノ __ u ', (ヒトラーはソ連をバルカン半島に
,. == y ̄, __、\_ )
|i }-| ゝ二 |/ ̄ ̄ /ニ,l 招き入れるつもりなのか!?
ヽ__ノ/ヾ _ ノ > }}
/ >≦'__ し / 何がどうなってる、全体像がまったく掴めない・・・
Vて二オカ U (_,/}
Yこ二ノ!!| } とにかく、ドイツの真意を確認しなければ・・・!)
Y⌒ 从 ∠)
从从从トミ _.ィニ二 ̄丶
ミ三三彡 ' ´ \ \
/ \ヽ
/ ミ;,. ', ',
さらにその場で、ソ連の枢軸加入は「概ね確実」であると言明し、ブルガリア側をまさに驚愕させたのだった。
483 :
◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:14:59 ID:VmLCEHC60
世界を仰天させるような大ニュースをブルガリアにぶつけた直後、
ソ連はドイツに対して、ヒトラーによる先の「世界分割」の提案への対案を示した。
これはつまり、事実上、ソ連の枢軸加入の意思を表明したものである。
,.⌒ヽ γ⌒ ヽ
〈 ●ノ\ 人. ● ;∩_ 我々の対案は次の四つである。
ヽ彡' ヽ / ヾ__ノ〈〈〈 ヽ
) Y ( 〈⊃ } 即ち、フィンランドにおけるドイツの
/γ⌒ ⌒ヽ\ | .| 原材料調達に関する権利を我が国が承認し、
/ | | ヽ | かつ保証するうえにおいて、
| ヽ__人__ノ | | 同国に存在する全てのドイツ軍部隊が
\ |rー┬ー-| / / 完全に撤収すること。
/__` ー―ー'´ /
i ヽ /
i――――’ i
484 :
◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:15:14 ID:VmLCEHC60
,.⌒ヽ γ⌒ ヽ
〈 ● ノ\ /\● 〉
ヽ彡' ヽ / ヾ_ノ
. ) Y ( 次に、ソ連・ブルガリア間の
/γ⌒ ⌒ヽ\ 相互援助条約は政治的に不可欠なものであり、
. / | | ヽ これをドイツが公然と確認すること。
. | ヽ__人__ノ |
\ `ー'´ / そして、ソ連側提案を基礎において、
/⌒ヽ ー‐ ィヽ ソ連・ブルガリア両国は数か月内に同条約を締結すること。
/ ,⊆ニ_ヽ、 |
/ / r─--⊃、 |
| ヽ,.イ `二ニニうヽ. |
,.⌒ヽ γ⌒ ヽ
〈 ● ノ,\ 人 ● 〉 そして最後に、中東における旧英国支配地域の処置について、
ヽ彡' ヽ / ヾ_ノ バクーの石油工業地帯の安保の観点からみて、
) Y ( イラン・イラク地域こそがソ連の領域支配の中軸であること!
/γ⌒ ⌒ヽ\
/ | | ヽ 以上の点について合意がなされるならば、
| ヽ__人__ノ | ソ連はソ独伊日四か国による政治的協力、
\ 、`ー'´, / 並びに多角的経済支援の提案を受け入れる準備がある!
/⌒ヽ ー‐ ィヽ
/ rー'ゝ 〆ヽ
/,ノヾ ,> ヾ_ノ,|
| ヽ〆 |´ |
485 :
◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:15:25 ID:VmLCEHC60
,.⌒ヽ γ⌒ ヽ ))
((〈 ー ノ\ /\ ● 〉
ヽ彡' ヽ / ヾ_ノ
) Y ( ・・・また、これに合わせて、
f⌒γ⌒ ' ⌒ヽ⌒ヽ 先の経済合意の枠組みに則り、
{ :::::.| | ::::: } 本案件の進捗に関わらず、
ヽ ヽ__人__ノ ノ 来年5月までに追加で穀物250万トンを
\ . `ー'´ / 貴国に引き渡す予定あることも
. / ∩ノ ⊃ ヽ 申し添えておこう。
( \ / _ノ | |
..\ “ /__| |
\ /___ /
486 :
◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:15:36 ID:VmLCEHC60
ソ連側はさらに、今まで拒んできたソ連支配地域において没収された「ドイツ民族」資産の補償についても大幅な譲歩を示した。
当初ソ連は総補償限度を5億ライヒスマルクとしていたが、最終的には35億ライヒスマルクまで引き上げられた。
〃 ii !| i || | | │ │ | |
{i ii !| i || | | │ | | |
ii ii !| _」L -‐ ニ二 | i │ | |
ii _」≧ニ二¨ミ ̄_{ ン匀アリ''<| ii i | | |
` -ヘ { /杁う`7'⌒ { 、 ゞ-┘ ´ | ii i | | |
l { ゞ'┘′ ヽ、____ | ii i | | |
| ` r‐… 7 | リ i | | | ・・・・・・素晴らしい!
| l.::::: / :::::::::::: | 〃 ノ リ | ! i|
| |ヘ ヽ ::...、 厶 -r…¬ ,,' i i|
| | |:. ` | }} '' ii i|
| | i i:. マ二二二二ヾ | リ / ii i|
. レ⌒| i i ハ ー─ j 〃≠-‐  ̄
| i i _,ム . ...::... . . ,.イ ///..::::::::::::::::::::::
| レ'.:::::::::ト:._:_:..:..:..:..:.:._;..'´''´ //..::::::::::::::::::::::::::::
/..:::::::::::::|::::|ト、 ̄ ̄ / /..::::::::::::::::::::::::::::::::::
/..:::::::::::::::::::|::::|| \/ /..::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
駐ソ独大使 フリードリヒ・フォン・デア・シュレンブルク
フィンランドにおけるペッツァモ鉱山の権利問題など、全ての問題が解決されたわけではなかったが、
それでも破格の収穫と言わざるを得なかった。
487 :
◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:15:50 ID:VmLCEHC60
駐ソ独大使館はモロトフの提案を前に、目の色を変え、即座にドイツ本国に肯定的な決断を促す電文を打った。
少なくともドイツ政府内部の対ソ協調派にとってこれは値千金の吉報に他ならなかったのである。
/ `
/ \
/ ヽ
/ .l | | | ', ', 当地における交渉の現状からいって、
|. l | | |_| ', ',
| | | | レ|/ .| ', | | モロトフの提案は驚くほど良い知らせです。
| | | レ / ',=| | | | , |
| | レ f 〉 | | .| | ', | .| 特にバルト地域における我が国の
レレ ,.、"ゝ '" .| | .| | | | .|
〈_l |_|_|_| | | | | | 権益主張について、概ね我々の希望に沿うものです!
l _ | | | | | l |
゛ー _,. | | | | | |___|
ヽ '´ |_|_|__|ーー
. l,,,,,,,,,,,,,,,,,,,;;/
:;_;:'''''''' ´
ソ連側の対案は独ソ協力の道を拓くに十分なもので、今や四か国同盟の可能性はまさしく現実的なものとなった。
そしてそれはもちろん、やる夫の期待するところでもある。
488 :
◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:16:00 ID:VmLCEHC60
やる夫はドイツ側が示した極上の餌に対して、
可能な限りの「贈り物」で返事をしたのだった。
善意や好意からではなく、冷徹な国益の観点からである。
___
/ ヽ、_ \ ソ独経済協力の拡大・・・
/(① ) (① ) \
/:::⌒(__人__)⌒::::: \ 対英戦に全力を注がねばならないヒトラーにとって、
| l^l^lnー'´ | 背後の安全と食糧安保の確保は
\ヽ L / 何物にも代えがたいものだ。
ゝ ノ
/ / 必ず満足するに決まっている!
489 :
◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:16:12 ID:VmLCEHC60
,.⌒ヽ γ⌒ ヽ
〈 ● ノ\ /\● 〉
ヽ彡' ヽ / ヾ_ノ
. ) Y ( しかし正直なところ、
/γ⌒ ⌒ヽ\ 何もここまですることあるのかとは
. / | | ヽ 思わざるを得ないね。
. | ヽ__人__ノ |
\ `ー'´ / ドイツ人への35億RMの保証然り・・・
/⌒ヽ ー‐ ィヽ しかも穀物取引においては、
/ ,⊆ニ_ヽ、 | ドイツは度々支払い遅延を起こしてる。
/ / r─--⊃、 | このうえ250万トンも恵んでやるとは・・・
| ヽ,.イ `二ニニうヽ. | 太っ腹すぎやしないか。
/)
///)
/,.=゙''"/ 人人人人人人人人人人人人
/ i f ,.r='"-‐'つ____ < >
/ / _,.-‐'~/⌒ ⌒\ < 細けぇ事はいいんだよ!! >
/ ,i ,二ニ⊃( ①). (①)\ < >
/ ノ il゙フ::::::⌒(__人__)⌒::::: \ YYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY
,イ「ト、 ,!,!| |r┬-| |
/ iトヾヽ_/ィ"\ `ー'´ /
490 :
◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:16:23 ID:VmLCEHC60
____
/⌒ ー、\ いかんぞヴェーチャ、そんな古臭い考えでは。
/( ①) (①)\ これは所謂「先行投資」というやつだ。
/::::::⌒(__人__)⌒:::::\ 今時は共産主義者もビジネス感覚をもたねばな。
| |r┬-/ ' | 少しはあのアルメニア人を見習いたまえ。
\ `ー'´ /
491 :
◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:16:33 ID:VmLCEHC60
__
-´ ``ヽ
/::::::::::|:::::: `ヽ それに・・・ヒトラーには理解してもらわねばならん。
/:::\::::::::<① > `ヽ 我々とは「取引ができる」のだと。
(( / <①>::::::::::⌒ ) 戦争狂どももいずれ平和な日常に戻る時がくる。
| ⌒(_人__) ノ | | その為にも我々のような「隣人」が必要だ。
ヽ )vvノ: / ノノ 普通の付き合いができる隣人がな。
ヽ (__ン 人
ヽ \
492 :
◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:16:46 ID:VmLCEHC60
__
/..::::::::::::::..\
/..:::::::::::::::::::::::::.\
/..:::::::①::::::::::::::::::::::::.\ ・・・そうとも、ヒトラーには我々が必要なんだ。
| :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |
\:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/
,. -‐'´..:::::::::::::::::::::...`丶、
ノ .:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::....ヽ
493 :
◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:16:58 ID:VmLCEHC60
_,. -─‐ ― - .,_
. ¨ :::::::::::::: ≡圭≡ ::::::::::::::::::::::::: .
, ´::::::::::::::::::::::::::::三圭三:::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
/ :::::::::::::::::::::::::::::::::: 三|三::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
′:::::::::::::::::: , ´ ` ::::::::::::::::::::::::::'.,
/::::/ ::::::::: / \:::::::ヽ ::::::::}
――〃-/::::::::::::: / _ ―― _ }:::::::::}^}一'\
`ー 彡}::::::::::::::/ ,-―≦三:::::::::::::::::::::::::::::.三≧―-} :::::: }''⌒\ }
〉 ―{::::::::::::丨´ ::::::: i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |::::::::::| \
{_/ ./:::::::::::::::{:::::| :::::: ト::、 :::::::::::::::{ 、 ::::::::::::::::::::::::| :::::::::! ー/
く、 .{::::!:::::::::::+‐┼―┼-+::::::::::::::::ト、\:::::-――-+--:::::| /\
≧!:: |::::::::::::|::::i ヾ :: :ヾ { :::::::::::::::{ \\::::::::::::::: } :::::::::ト、∧ .ヽ
| !::::{::::::::::::|::::i {人:::::{リ ヽ:::::::::::! \\:::::::::::| :::::::::| .}\/
/ ∧:::',:::::::::::|::::| リ \{ \::::{ ヽ \ ::::| :::::::::| .|
. / { ',∧::::::::|::::i,ィ≦芋芋ミ、 ヽ ,≦芋芋癶 | :::::::::| !
/ | ヾ::ト、::::|::.{ゞ (::: .:::) ........... (::: .:::) .》 .}:::::::::::l |
`ー| |:::::.ヽ.!::∧ ===::::::::::::::::::::::::::=== /|:::::::::::| |
| ト、::::::::::::|人 ゞ'"⌒´ ̄三三 ̄ ̄⌒`゛゛人!::::::::: | |
` ┬┘:::{::::::::::| \ ' / .! :::::::::ト┬┘
. |:::::::::::|::::::::::!_,,.- > == < }:::::::::::}:::|
从::::::::{:::::::: { { > _ < . } /:::::::::::ト从
广{ニ|::::::::::| | | ./:::::::::::/ l二}ヽ
〃 {ニ|::::::::::| ├―- 、 , -―┤,′:::::::::{ |二} /ヽ
・・・だが、ヒトラーの考えは違った。
494 :
◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:17:11 ID:VmLCEHC60
ヒトラーにとり、ロシアが恒常的な取引相手に値することは、あり得なかった。
1939年夏のビッグディールは単に歴史の歪な特異点に過ぎない。
/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\
/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i:.:.:.:.:.:.:.|ヽ
. ,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l:.:.:.:.:.:.:.|_,ハ
,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: 「>|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
. ,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::∠__/|:.:.:.:.:/:.:.:.i:/
/:.:./:.:.:.:.:.:/// ハ:.:.:/イノ{
1/|:.:.:.:.:</:.:/ /:.:.:.V /
| |:.:.:, ィ:.:.:.:.:`ン/:.:.{.__, ′
/イ/ ̄/<__/ヽ|
, イ `ヽ
.| / /_二二ニ\
,. ´|.ト 、 // 厂 ̄ ̄ヽ!
ヽ|_\`´/ / .{
, ´ ̄} `ヽ´_イ _,ハ
! 「 ̄ ̄ ̄--┤
/ ト、_/ /
.「 ゝ._, イ
彼がソ連を攻撃するに至った経緯について様々な論点が示されている。
確かなのは、やる夫が対独協調の道を現実視していた1940年冬の段階で、
すでに対ソ攻撃の具体的な計画を握りしめていたことである。
495 :
◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:17:21 ID:VmLCEHC60
【補足】
rーイ¨ ̄¨ト、-┐
,r::┘、」;;;;;;;;;;;:::j/:::::/入
. _i -、_>------- <:::::┴i
〈:::::::i i ||Vlリk i|i ,l||ソ ヽ::::::::〉
┐'レ' ⊂⊃ ⊂⊃!Ni_イ、 ていうか「我が闘争」のなかで
. イ| u |!l lハ ヽ あれだけはっきり侵略の意思を
/ハ u.|| .\ ヽ 示してるんだから、
|| `、 {_ ̄ ヽ '|| / / わざわざ言うまでもなくない?
|| ヽ、  ̄ . イ |,' ヽヽ
` `iTァv'T爪 //
|く|真| >| `ヽ
|〈| || | 〉|
,.:-=;1ー;1―;1―,=;:、
= ゙ミ
ミ ★ ゙ミ
ミ ゙ミ
, ミ;=======.:::゙ミヽ
/ ./ / ヽ\ \
\__/ /l / / , /l'| ト、l ',/
| / l/|7ニイ´/〃| -L.l ! (そんな言われ方したら身も蓋も)ないです。
| l |┬::cr ./ /┬::cr」 ||
| l ! l:::::::j '. l::::::::j. !l 確かにヒトラーはロシアに対して、
ハ ⊂⊃‐ ‐⊂⊃| ドイツ民族の「生存圏」として
l \ _ ,/ | 支配すべき資源地帯としか見ていませんでした。
/l .lY` ー‐┐ r‐ イ| |
/| l::::::::::;ィ´ {X}ik'::::::l. ! この点では独ソの衝突は既定路線とも
l l__j::::::::/: i_lil__|:i::::::! ! 言うことができました。
/ / ::::: i: : :l:::::ヒj::l」 : l_|!
496 :
◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:17:36 ID:VmLCEHC60
,.:-=;1ー;1―;1―,=;:、
= ゙ミ
ミ ★ ゙ミ
ミ ゙ミ
ミ;=======゙ミ
/ ,= ヽ
/ ,=' _ ∧_ _,,
/,,_ {i ,~ ~ /´ ハ^、_
ヽi} / / / ヽ_/ ヽ__,,\ あえて掘り下げようとすれば、
{ | _|__,,/ /  ̄ \ヽ そもそもヒトラーは心情的にソ連ではなく
ヽ | _|∠_// ┬―ゥ ヽ むしろ英国こそが取引相手に
|`、ヽ.__ノ ヽ-‐' _/ なると見ていたフシがあります。
| |{i t _ / |
| | i} > 、___ヽノ_ ,ィ リ| l| |
// i} / }-‐斤ヒl、__| l| |
r、 //,,i} //}} l|》o《|! {{`lヽ
__ゝ |i}^V'' __/ }} ハ {{ |
ヽ ノ' `j }} /X | {{ |
497 :
◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:17:47 ID:VmLCEHC60
,.:-=;1ー;1―;1―,=;:、
= ゙ミ
ミ ★ ゙ミ
ミ ゙ミ
, ミ;=======.:::゙ミ 人種論上の近似性、
/ ./ / l ト、\ 強烈な人種差別主義者であった
\__/ /l / / , /l'| ト、l ', チャーチルの人となり・・・
l | / l/|7ニイ´/〃| -L.l !
l | l | ┬::cr / / ┬c」 | また、そもそも大英帝国が崩壊しても
l | l ! l:::::::j ' l::::j.! / ドイツにとってあまり意味がありません。
l | l l⊂⊃‐ ‐⊂/
! | |ヽ| - リ その広大な植民地がソ連やアメリカ、
! | lゝ、 /| 日本などの手に渡り、世界地図における
! | |::::::::::ー┐ r‐:::イ:l. | 欧州の影響力が低下するだけだからです。
/| l::::::::::;ィ´ {X}ik'::::::l. !
_ _ ,. 、 , 、 ,
f:i_::v`┴`ー::´:7 ー, / '`ー‐ 、 ‐|´
/::::!‐イー、. /::::/ r‐' ,イ ! \ ヽ└ 、
! '::::,ィ! |::::′ _7 '/l ` ヽ( まぁ確かに、広大な「東方生存圏」と
 ̄´ lト ニ !:::| 、 !、 !_i_l! レ|: ハ| .i レ’ 英国植民地じゃ獲物として
,イ | カ !:::l' 〃 トl` ヽ!、|、!: レ' / | ! 釣り合わないわよねぇ。
,l::! ! ^__、l::」 / i! |. ー‐' ヽ'^レ /!リ
i l::! ,| l::! 、ゞjif / \ 、 、Yィ´ '/ 当時ソ連は世界二位の工業力だし、
/ ゙"/l ` `ア|,/、 __ ゙i! _ ' ! | 海の向こうの植民地も
i .〃′ i⌒: !´ ::::ヽ|| ‐ン //r‐、= 、 経営に手間がかかるだけなのだわ。
| i〃/ _/ l:. |:::::::::::ノ!=v‐.:`V// ニ、\\
|〃/ / ,>‐`ー∠::::ノ}_:::::ノ/// \ \\
, '/!i ´ ゝ――‐-、ヽ':::::ト' //. \ \\
498 :
◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:17:57 ID:VmLCEHC60
,.:-=;1ー;1―;1―,=;:、
= ゙ミ
ミ ★ ゙ミ
ミ ゙ミ
ミ;=======゙ミ
/ ,= ヽ ドイツにとって最良の結果は
/ ,=' _ ∧_ _,, 大英帝国がドイツを中軸とする
/,,_ {i ,~ ~ /´ ハ^、_ 新欧州秩序の一角を担ってくれること。
ヽi} / / / ヽ_/ ヽ__,,\
{ | _|__,,/ /  ̄ \ヽ そうでなくとも、せめて好意的中立を保つことでした。
ヽ | _|∠_// ┬―ゥ ヽ
|`、ヽ.__ノ ヽ-‐' _/ ヒトラーがソ連に望む・・・「生存圏」としての隷属よりは
| |{i t _ / | 遥かに控えめで、紳士的で、
| | i} > 、___ヽノ_ ,ィ リ| l| | 然るに現実的なものと考えられたのです。
// i} / }-‐斤ヒl、__| l| |
r、 //,,i} //}} l|》o《|! {{`lヽ
__ゝ |i}^V'' __/ }} ハ {{ |
ヽ ノ' `j }} /X | {{ |
/ _ .. - 、--──- 、 \
' , '" ゙ヽ L
,′ / \ ノ
_ l j// / 丶 ヽ /
___ (._ | ノ , ' , ' ' ヽ
___/r_- '  ̄ イ (__/ / / | i 、 V
r :::__:::: { /:! ヽ ,' │!. │ ! V ',
|:::| イ^て イ::::! ノ .! l. │! ハ ! l ! ハ ! 対英戦争は明確に
L/イ 「 |:::::! (_ | l ハ | | |! l | | ノ| ! ! | | 対ソ戦争とは意味合いが
. /! ハ____. |:::::! ヽVハ__ヽ__Nヽ|! l/ j ,.ィl‐j 'T リ イ レ 異なるものだったのだわ。
/::! l ヽヽ:::ヽ ノヘ´ ヽ==ゝl、 `ヾノ' j/ィ´j::V レイ|
!:::! ! ( ヽ,=:Vハ ヽ イiナ:ハ 、'-ノ ' l | ヽ 英国とは飽くまで停戦がなると考えたのね。
ゝ! ! ー-..{@jil!| ! ゝ‐ ' ハ ハ. |
| ! ´ゞィ'!| | _′ / | | ヽ ま、対ソ戦は「絶滅戦争」だったもの、
| ! `ナ'| ト '-' ∠_.l ! \ 当然と言えば当然だけれど。
. ,| ::! /' l !_>-_、, ―-、 /⌒Y ,′ lヽ
/│ ::::! / l ! ' ´ : : : : : : .ヽ-<: : : : :V ハ. | !
. /:/ :::::! / ,l !: : : : : : :__ {ゞン}─ - 、:.| ! ノ / '
/ l ::::i / /! i!: : : : /: : : : . Y´: : : : : :L_.! / /
499 :
◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:18:13 ID:VmLCEHC60
,.:-=;1―;1―;1―;1,=-;:、
ミ ゙ミ
. ミ ★ ゙ミ
/ミ ゙ミ \
《 ミ;========゙ミ } 》
. 》/ / / :/ : : : : : : : : : \ ∨《
. /// : :/ :/ : : : /:/ |: : : : : ∨^:| 独英がこれ以上正面衝突したとしても、
l∨ : : l :/: : :// / :八 : : : l: l : :| ヒトラーの得るものは決して多くありませんでした。
| :| : : :|/ :/ //:/ :/ ヽ: : | ハ: :|
| :| : : :|≧x、/イ//,.ィ≦ハ ノ : l: :| 彼の「戦争経済」理論に従って見れば、
} :|八 :代uzノ 弋uzノ仏イノ: :| さらなる「果実」を東方に求めたのは
. ′:} 仆⊂⊃ ⊂⊃イ 八 : :| 至極自然の成り行きでもあります。
. /: : / 八 > ~~~ .イ}{ : : : |
. /: : 〈 // ̄》 》≫=≪《 《V ∧: : : かくして、ヒトラーの目はソ連に向けられたのでした。
. / : : : : { 》《_》《_》《 〈 / 、: :丶
/: : : : : : } 《_/八_》 }: : : :\
/: : : : : : :/ ∨{><}{ {: : : : : : :\
/ : : : : : : /人,___人}><}人__人\ : : : : : :ヽ
《 : : : : : : // { ̄/∨`¨¨¨´∨\ ̄} \\ : : : : : \
《 : : : : :/ 《( } {_人 人_} { )》 \ : : : : :》
》: : :/ 》) 人人_)) ((_人ノ (《 \: : :《
《 :/ 《( \ / )》 \ 》
`\\ ≫x、 \__/ ,x≪ //
【補足終わり】
500 :
◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:18:38 ID:VmLCEHC60
1940年12月18日、ヒトラーは対ソ侵攻作戦の立案を命ずる「総統命令第21号」に署名。
┌──────────────┐
│ |
│ === |
│ |
│ ====== |
│ |
│ ========. |
│ ============ |
│ ============ |
│ ============ |
│ ============ |
│ ============ |
│ =====. |
│ ============ |
│ |
│ ============ |
│ =========. |
│ |
└──────────────┘
曰く、対英戦争終結を待たずして、対ソ撃滅を図る、というものであり、
具体的な軍事行動の開始は1941年5月15日と定められていた。
501 :
◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:18:50 ID:VmLCEHC60
-- 、 _ ..... _
/.:.:.:.:.:.:´ ̄ ̄ミ 、:.:.:.`ヽ
// .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\\:.:.:.:.:\
/〉':.:.:'.:.:.:/ .:.:.:.:.i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ ヽ:.:.:.:. \
〈/: :/ .:.:./ .:.:.:.:.: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ヘ、-―┐:.:
,: :./:.:.:.:メ、 :.:.:.:.:.._,厶:.:.:.:.:.:.:.:.:.:├… {_ :.:.: ソ連の領土欲はもはや疑いようもないわ!
┌l: /:.゙} : :┐`.:.:.:.:.i| | i.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.├─┤〉、.:
|イ/ .:/ゝ=-Ⅵヽ .~~ | | :、:.:.:.:.:.:.:.: i:|i ̄ミヌ 〉: どのみち戦うことになるんだから、
||i:: ′ 「 ゝ==-..゙\:.:.:. i:.: l:||\ノ\/:.:.: どうせなら敵が弱体化している
|:.:.:{ ' ' '... 、 :.: !|.:.:/!|!:.:|_彡:.:.:.: 今のうちに叩き潰しておくべきよ!
|:.:.゙| 「ヽ \八∧リi.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:
|.`i. |i:゙∧ }__} /:.:/:.:.:.:.:.:八:.:. : :|:.:. : i.: フィンランドとの戦争でも明らかなように、
| |. !|:.:i゙∧ __ ... --. :.:.:.:/:.:.:.:.:.:.: |:.:. : |:.i 今のソ連軍の練度は奈落の底にあるわ!
_{ {.. |: i :.:.|{:丁:f爪 /.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:. : :|:.:.:.!:|.:|
〈-、 ̄\. Ⅵ:.:.:|ヘ:.:.:.:.:. i} / :.:.:.:.:./i:.:.:.:.:.:.:.:. リ:.:.:j//} 今なら短期間で敵を一網打尽に出来る!
/.,,__ 丶 ; \::.:.:.。o≦:_} /...:.:. ,:./ :.:.'ヽ:.:.:.:.:/:.:// ′
{ ` } /i:i.: : : :./. /-‐厶イ.: :. .:.i:\ ..:.:/
{  ̄ ` | /.i:i:.: : :. :./\_/.: : : :. :. :. :./i// \
丶┐ | .'i:i:.: :. :. :./ /: : : : : : : : : :/i// \
502 :
◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:19:00 ID:VmLCEHC60
ヒトラーの対ソ主戦論はフランス戦終結も冷めやらぬ1940年7月頃には早くも口に出ていたが、
この節操のない戦線拡大案がこれほど早くも具体的な計画を整えることとなったのも、
軍内部にヒトラーにおもねる主戦論が広がっていた事実があった。
,.-:‐::: ̄ ̄`ヽ
、__:-‐::'"::::::::::::::::::::::::::::::::::\
7:::::::::::::/:::/:::::::::::::::::::::::::::ヽ ,.、
/,イ:::;:::::/::,/::::::::::::!:::::::l::::::::::::ハ. / /
" ,'::/::::/:/-!:::::::::〃:::,.イ::::::::::::::i ./ )/ / ソ連軍は装備の面でも
l∧::::!レィ=、::::/ノ::ノーノ::,l:::::::::::} / /¨.〈 練度の面でもどん底にあるから、
l Ⅶ、弋り∨"´イ心〈 ,'::::::i::,' / {二. ', 対ソ戦は最初の2週間で
,...-゙l ,. 弋り/⌒レレ { ゝ } 大勢が決するだろうね。
/ ゝ r - , ,__ソヽ. } ´ /
,〃 ヽ l \ゝ _,.ィ ./ \ / / つまり、14日間でドイツ軍の勝利が
// ! l ヽ ̄/ / \ ,' .l 証明されるだろうってこと。
く´ l ヽ.,イ¨¨ヽ. ./ l / ヽ/ .!
,У、 / l:::::::::l∨ 〃 ,' |
ギュンター・ブルーメントリット
最も楽観的なもので2週間程度、そうでなくとも10週間から2、3か月で
ケリがつくなどという論調が軍上層部で蔓延していたのである。
503 :
◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:19:10 ID:VmLCEHC60
・・・ドイツ軍にとっては幸いなことに、最高司令官であるヒトラーは彼らに比べて幾分現実的で、
少なくとも冬将軍の到来を気にせねばならないぐらいには時間が掛かるだろうと考えていた。
、
´ ̄  ̄ 、
ィ ´ ̄` \
// ヽ 東部国境線への軍集結に
/:.: ′ ';.:.、 少なく見て6週間・・・
厂,':.:.:.i i:.:.:V ̄l
厂i{:.:.:.:.| |:.:.:.゚,\!_ ソ連の国力と継戦能力の
.{__/|:.:.:./` ハ:.:.:.ヽ ノ 源泉を断つにはモスクワと
/|:.:人__ _ノ:.:.:.:.:「\ ウクライナ、それから北コーカサスを
_//:.:l:.:.:l:.:.:\ / /:.:.:.:.:.l:.:.:.:ト、 } 抑えなきゃならない・・・
/ /:.从:.: !:.:.:.:.:〕ト、 イ:.:.:.ィ:.:.:.:.|:.:.:.:l:∧_〉
〈_/:.イ:.:.:Ⅳ\:.:.i: :ノ {: !/ l:.:〕ド:.:.:.:.!:.:.| 馬鹿正直にやるなら半年はかかる・・・
/ハ: i:i: :ヾ:厶-──-ミ: : : : i!/: /ハ:∧:ノ
/ _}:.i:i: : : |ニニニニニ/: : :/i/: 厶‐┴ミ、 初動で敵の野戦軍を首尾よく撃滅しても
.厶-- >-ヽi: : : | ./: : :/i//____ \ 3か月から5か月はかかるわね・・・
/ :_:_:_:_:>- lト: : :!_ -====ミf´: : : : : : : : :ヽ}
}/ / ̄ ̄ ̄ ̄´ \:_:_:_:_:_:_: : : |
〈{ イ´  ̄ ̄ ̄ \ |`ヽ:|
| ´ l:_:_ノ
| ィ´===- . |
` ー──ォ一 ´ \: : ∨/:/〕ト .______ ノ
/ r=≦77オ≧ォ {
ヽ -=={//イバVドソ==ミ、 ノ
それでもかなり楽観的で、ヒトラーの見立てでは対ソ戦争はおよそ4か月でケリがつくものとされた。
だがこれなら春の泥濘期が終わる5月に開戦しても、秋の長雨が降る前に作戦は完了するはずなのだ。
504 :
◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:19:24 ID:VmLCEHC60
なにはともあれ、これで対ソ戦争は公式路線となり、ついにカウントダウンが始まった。
ヒトラーにとって残り短い独ソ関係の焦点は出来る限りソ連から経済協力を引き出すことに絞られた。
/:.:.:.:.:.:.//:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\{:.:.:.:.:.:、:.\
/:.:.:/:.:.:.:.:':.:.:.:.:.:.:.:.\:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:V:.:.:.:.「 ̄メ
/「 〉:.:.:.:./:.:{:.:. イ:.:.:.:.:.:.:、:.:.:.:.:.:.:.:.:i:.:.:.:.:.|\_ハ
. /У /:.:.:.:./:.:. |:./ {:.:.!、:.:.:.:.\:.:.:.:.:.:|:.:.:.:. { /:.:.:.\
':.{__/:.:.:.:.:.i:.:.:/:.:{ Ⅵ ヽ:.:.、:.: : : :. :.:!_:.:.:.:.∨ヽ:.:.:.:.:ヽ
i:.:刈:.:.:.:.:.:.!..L._八 ヽ \.: :. .:.ハ..:}:.:.:.:.:.:.| ∨:.:.:.:.゚, 目下の状況では、
l/ /{:.:.:.:.:.:.l. { {`ト\ ハ}_リ_}.:.::.:.:.:.:.:.!│ }:.:.:.:.:.:.:
《/ /:.:.:.:.:.:.{ヽ茫タヽ ¨二´:..:..:.:.:.:.:Ⅳイ:.:.:.:.i:.:.:i 原材料の備蓄は来年の夏には
/:.∨:l:.:.:.:.:..八 ¨¨¨ .イ茫歹ハ:i:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.::|:.:.:!
/:.:.:/|:从:.:.:.:....{`  ̄ |:.l:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:メ 枯渇し始めるわ。
. ,:.:.:./: l:.:.:.\ . 込.. ′ |..l:.:.:.:.:|:.:.:.:.:i:.:.:.|ハ
. ,:.:.:/:.:. !:.:.:.:.:.|:.:..: .:.\. __ イ゙:l:.:.:.:.从:.:.:.l:.:.:.|! } 開戦までに出来る限り
. i:./__..゙:.:.:.:. !:.:.i:.:゙/:. 〕iト、 _` <..゙:/:.:j:.:.:/:.:.:l:.:. l:.:.:.li .ノ
. |´ヾト: : :`く\__/:.:.:.l ':( ̄`'<ヽ. :/|:.:ノ!:.:./ ソ連から取引を引き出さないと。
/. ヾト : : : : : : Vハ_ノ 〈:.:.:.ヱ>、 `〈ー-、.:.《:イ
ノ. ヾト: : : : : :.Vハ_ 7ノ _ `ヾl ヽ
/ ヾト.: : : : :.VΛ ` ー/:.`´〕 .} .| |
もはや独ソ伊日四か国同盟などヒトラーの頭の片隅にもなかったが、
独ソ開戦まで、資源供給のつなぎとして独ソ経済協定を更改する必要性だけは認めていた。
殴りつけるその時まで、良い友達として振舞うこととしたのだ。
505 :
◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:19:37 ID:VmLCEHC60
だが、ドイツ軍による対ソ侵攻作戦・・・「バルバロッサの場合」の具体的情報は、
ドイツ政府上層部にもぐりこんだソ連スパイ「アリエッツ」によって
早くも12月28日にはモスクワに届けられた。
____
━━┓┃┃ /⌒ ⌒\
┃ ━━━━━━━━ ../(_) ( ̄ )\
┃ ┃┃┃ / :::⌒(__人__)⌒::::::\
┛ ゚ 。゚ 三 ≧ ゚'ゝ |
-== 三 ≦。 /
。 -=≦ ,ァ-
゚ ・ ゚。 三< 、,Jト
≦ ッ ッV´≧
・ 。 ゚ 。 ミ´ 、、 ハト・。゙i ゚。
506 :
◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:19:51 ID:VmLCEHC60
___
/ ノ ヽ_\
/(① ) (① )\ ドイツが我が国を攻撃だと!?
/ (__人__) \ 馬鹿々々しい!いくら何でも荒唐無稽だ!
| し | Y | 偽情報を掴まされたワケじゃあるまいな!?
\ `ー ' / こんなヨタ話にイチイチ構ってられんぞ!
と⌒ヽ `> 〈´
ヽ V´ ヽ
ヽ / 、
____
/ \
/ _,ノ ー \ し・・・しかし同志やる夫。
/ (●) (●) ヽ
| u. ' | 不吉にもルーマニアやスイスの機関員からも
\ - ― / 同様の報告が上がっております。
/ \
507 :
◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:20:07 ID:VmLCEHC60
____
/ \
/ _,ノ ⌒ \
. / (一) (ー) \
. | ´ ij | 曰く、ドイツ軍が東部国境地帯に
\ ⊂つ / 軍を漸次移動させており・・・
/ \
508 :
◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:20:18 ID:VmLCEHC60
____
/ \
/ \
/ \ / \ ・・・来年5月をメドに
| (●) (●) | 大規模な軍事行動を開始する予定だと・・・
\ ´ u /
/ ⌒ \
____
/ u \
/ _ノ ::::::: ゝ、\
/ し (①) (①) \ ・・・・・・
| ∪ (__人__) J |
\ u `⌒´ /
509 :
◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:20:30 ID:VmLCEHC60
∩_
〈〈〈 ヽ
____. 〈⊃ }
/ \ | |
/ ヽ、 _ノ \ ! !
/ (①) (①) \| l せ、赤軍最高幹部会議を招集しろ!!
| U (__人__) .| /
\ |i||||||i| // 全員を今すぐに呼び出せ!!!
/ __` ー' /
(___) /
510 :
◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:20:44 ID:VmLCEHC60
1940年1月2日、「バルバロッサ」の報せに接したやる夫は急ぎ赤軍最高幹部を招集。
今なお大粛清の傷跡から再編途上にある赤軍に対し、
対独戦を想定した具体的な戦略計画を改めて策定するよう指示を出した。
,=、
/ミ三、 ,ィ壬{
}ミ∧厶――――< 彡=}
/ \イ
| , - ニ´二二二二☆二、 ヽ /\___/ヽ
∨∠二[Cニニニニニニヘ, ! ./'''''' '''''':::::::\
_}/ィ彡' ,,≧==、_ _=≦、V . |(●), 、(●)、.:| +
/ ハ、三{ ゞ@_ノハ .〈@__ノハ_ .| ,,ノ(、_, )ヽ、,, .::::|
|イく ゙ \___三彡ノ、__.:〕三彡ト,} . | `-=ニ=- ' .:::::::| +
/ ̄\ニィ { ,ィノ川ハミ、 /}ノ \ `ニニ´ .:::::/ +
」ヽ (く { シ ,ィ=====、 } ̄/l\ ,,.....イ.ヽヽ、ニ__ ーーノ゙-、
'´ \ \,\ 、_,, 二二二、 / ヽ : | '; \_____ ノ.| ヽ i
\ ヽ \ L_ `ヽ、_____ィ´ \ | \/゙(__)\,| i |
、\ \ ヽ  ̄ヾ_ || _,. 、_/ / ハ > ヽ. ハ | ||
国防人民委員 セミョーン・ティモシェンコ 赤軍参謀総長 キリル・メレツコフ
/::::::::::::::::::::._;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;_::::::::::::::::::::|
::::::,, -''゙ ̄_ ,,. __ _x_ __ `'''::、::::::::i
゙Y゙ ィ '´_,,,;;::==--竺:-=::ミ、-.`ュノ
____ =:}''ッ〔c_゙::::::::::: ..:::::::::::::::::::..`‐ミ{
/ \ :Tヽ;:;;/`'ァ‐。x;;;,___,,,;;;;ィTi、__
/ \ , , /\ .{.iヽY (_ _ノ〉 K(´゚ )`l:/ }::::、゙ヽ、
/ ==⊂⊃=⊂⊃=\ ::ヾ,`| | ゙ー ,lイ /;;:;:ヾ、::.\
| ⌒(__人__)⌒ | ,w'゙Yl rV'〉 .,!ソ'' "ミ::jノ:::::::::::`ー
\ ` ⌒´ ,/ , .}ミi、 ` ' /ミリ ミ ミ::::::::::::/i::::..
. /⌒~" ̄, ̄ ̄〆⌒,ニつ .ミ,, ヾiミヽ, -=ニニニ= ,,ムジ ,,ミ'゙::;ィ゙:://:::::::.
| ,___゙___、rヾイソ⊃ :::ミi, l:;:;ゞiミx、_ _,,,イミジ 彡゙://::/./::::::::::::
| `l ̄ :::::::ミ、ヾ、:;゙ヾi}エケZ゙エヅ:/ ミ:;ィ゙ ,,イ::j'./:::::::;;;;_::
西部特別軍管区司令官 キエフ特別軍管区司令官
ドミトリー・パブロフ ゲオルギー・ジューコフ
これを受けて国防人民委員ティモシェンコを筆頭に参謀総長メレツコフ、
西部特別軍管区司令官パブロフ、キエフ特別軍管区司令官ジューコフなど
名だたる将星たちが本格的図上演習を執り行う次第となる。
511 :
◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:20:57 ID:VmLCEHC60
/  ̄  ̄ \
/ ::\:::/:: \ 我々が取るべき道は一つ!
/ =⊂⊃=⊂⊃= \
| (__人__) | 機動戦の神髄は攻撃によってのみ発揮される!
\ ` ⌒´ /
/,,― -ー 、 , -‐ 、 よって対独戦においては攻勢あるのみ!
( , -‐ '" )
`;ー" ` ー-ー -ー' これがスペイン内戦で辣腕を振るった私の結論である!
l l
/\___/ヽ
/ '''''' '''''' \
|:::::: (●), 、(●)| 具体的にはビヤリストク突出部を
|:::: ,,ノ(、_, )ヽ、,,..| 金床として敵の攻撃を水際で阻止し、
|:::: `-=ニ=-' | 一挙に逆襲。
\ `ニニ´ /
. __ __ ,.〈\ _ / 敵中央を突っ切りバルト海まで突破、
/: : < : : : : : : \ /゙i ゙i、 敵軍片翼を東プロイセンにて
, ' .: : : : : : : : : : :l: : : .∨',:::::ト|゙i \_ 包囲殲滅します。
. { : : : : : : : :゙i : : :」 : : ::', Y´゙i. |: : : : .\
|: : : : : : : : :\ : : :\ : ',|::::::i |: : : : ',: : `, 赤軍においては、攻撃こそが最大の防御であります!
', : : : : : : : : : | : : : : : : :.',:::::゙i|: : : : . ',: : }
512 :
◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:21:07 ID:VmLCEHC60
__
_,,,, -‐''''.´ ̄  ̄'''ー=x
/''::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`'=、
/::::::::::::::::::::._;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;_::::::::::::::::::::|
::::::,, -''゙ ̄_ ,,. __ _x_ __ `'''::、::::::::i
゙Y゙ ィ '´_,,,;;::==--竺:-=::ミ、-.`ュノ
=:}''ッ〔c_゙::::::::::: ..:::::::::::::::::::..`‐ミ{ ・・・小官はお二方の意見に反対します。
:Tヽ;:;;/`'ァ‐。x;;;,___,,,;;;;ィTi、__
.{.iヽY (_ _ノ〉 K(´゚ )`l:/ }::::、゙ヽ、 現下の状況ではドイツ軍相手に
::ヾ,`| | ゙ー ,lイ /;;:;:ヾ、::.\ 有効な攻勢を為し得る材料が
,w'゙Yl rV'〉 .,!ソ'' "ミ::jノ:::::::::::`ー 我が軍にはありません。
, .}ミi、 ` ' /ミリ ミ ミ::::::::::::/i::::..
ミ,, ヾiミヽ, -=ニニニ= ,,ムジ ,,ミ'゙::;ィ゙:://:::::::. ビヤリストク突出部は単なる重荷であり、
:::ミi, l:;:;ゞiミx、_ _,,,イミジ 彡゙://::/./:::::::::::: 逆に包囲される危険があります。
:::::::ミ、ヾ、:;゙ヾi}エケZ゙エヅ:/ ミ:;ィ゙ ,,イ::j'./:::::::;;;;_:: 我が軍は第一に防御に専念すべきです。
____
/ \
/ \ , , /\ 同志ジューコフ!
/ ==⊂⊃=⊂⊃=\ 自分が何を言っているのかわかってるのか!?
| u ⌒(__人__)⌒ | 機動攻勢は我が軍の原則教義だぞ!
\ ` ⌒´ ,/ これに則って、我々はこの十年間
. /⌒~" ̄, ̄ ̄〆⌒,ニつ 戦略を作り上げてきたのだ!
| ,___゙___、rヾイソ⊃ それをひっくり返せというのか!
| `l ̄
513 :
◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:21:18 ID:VmLCEHC60
/、 -‐===‐- ''''... _ ;;;;;;`;;'‐‐- ,_
/;;;''' ,,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ` ' ‐-..;; ̄( ) ,,
/;;;;'' ''';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; //゛' ,,,_ '''- ,,, チェスも戦争も、最初の布陣が最も堅牢です。
,r'‐‐―--‐―--- ..... _ ;;;;;;;;;;_ 、//,,:::::::::::::::'''- ,,_ '''' まず相手にこれを解かさせねばならない。
ゝ_-_―‐-,--,ーァ、,,,. , ___ 、//´゙'' ''''::,,:::::::::::::´ _ ` ,
l ジッ゙,`ナ・―---- `' '',,:::::;;´ ゙i ゙i そして相手に前進させる。
、` .zュ___-`‐- ̄ ̄´ ;::::;; > .i i 機械化された部隊はただ進軍するだけでも
゙i ` ;::'' 〉 イ ! その数割が脱落します。
゙i__ ! l.、 ー`/、
,, ` ,` ,ィ 、, `'゙ー、/: 戦闘損失も加えればなおのこと。
,,゛ 、У, ,r'、、  ̄ ,,''゛ 攻勢で力を使い果てたところで逆襲します。
,,'' i,.:.:.:, ゙i.チニニニニ二 ̄, ̄\゙i 、.ッ ,ッ゛゛,, 、
'',, |l.:.:.:゙i 'l _.  ̄`ーッ 、ミ==〒´:.:,,'' ,, ''゛ これには、せめて100キロは
'',, |i.:.::.:.:゙i ゙i ッ ̄〒===〒` 、.:`:.:.:.:,,'' ,, ''゛ 敵の進軍に任せる必要がある。
/\_____/ヽ
/ __,ノ 'ヽ、_\
|:::::: (●), 、(●)|
|:::: ,,ノ(、_, )ヽ、,,..|
|:::: U `-=ニ=-' | , ァァ┐ 君は我々の血がしみ込んだ領土を、
\ `ニニ´ /. ┌、 ///./ 7 無為にくれてやろうというのか!?
. \ _ /ヽ- 、___、 _ | l ///./' /
_ノ >-ー< ̄/ :/ :: : : : : .7 ノ / ヽ_/' / しかも、すぐ後ろにはウクライナの
__/ :}Λ:::√ У: : :/ : : : : : : / // / 丿 一大産業地帯が控えているんだぞ!?
,.-< : : : : :i /::::「 / :< : : : : : : : : / : | / /
r´ : : : : :「: i/::::::i / .: : : 〉 : : : : : : : : : ヘ { イ なんたる臆病な!
} : :, : : : i :./:::::::i/ .: : :/ : : : : : : : : : :「ム __厶┐ ハルヒンゴールの英雄の口から出た
f : :i : : : :i ,':::::::/ : : / : : : : : : : : :i : : |` ー一一'| 言葉とは思えん!!
/ : :i : : : :i i::::;::,' : :./ : : : : : : : : : : :V : :| : : : : : : : |
/: : : :i : : : :i i:::::,' : :/ : : : : : : : : : : : : :r : :|.: : : : : : : |
514 :
◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:21:30 ID:VmLCEHC60
, r,'`;;=;;‐,,-_-,,,, 、
ノ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;~;;;へ`ヽ、
ヘ;;;;;;;;;;;;_;;;_;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;へ、ヽ、
}ツ-―- ~ 、 ` ' ‐' 、;;;;;; ; ; ; ; ; ≧、 同志、ドイツ軍を東プロイセンで
,」"= = 、 、 ` 、 ` ヽ ; ; ; ; ; ;ヽ 大包囲するなどという
/三 三三≧フノ= o } ヽ 、 ヽ; ; ; ; ; ; } 巨大な冒険を楽しむほど
~''っ―i・'''フ~´ ミ:::;`≧ 、 ヽ 、ヽ、/;;/ 赤軍に余力はありません。
r'´ ..ヘ/ ミ:::::::::r'--、:ヽ、ヽ /´
'r_ 、 " ´{{{ } |:::::::V 重ねて言います。
`,`' " リ ノ::::::r' " ' ,,
, } r_‐- 、 , ,,,,_/__''':: ヽ '", 守りに徹する以外、
,, ' " ,イ  ̄ ` _.,;"_,, - ´,-,‐ノ ノ },ノ {_ 我々が勝つ望みは、まったくありません。
/} {、ヽ''-ノ ̄ノ ノ,,ニ" ' "" ''' "" ~ {ノ |ヽ、
{ ",' ヘ: : : : : : :/ , 〃 〃 彡,, ,, '" !、
} " ', へ /" , , ,"'' "" "'' "
/\___/\
/ヽ、 、__,ノ ::\
| (○), 、(○) ノL |
| ,,ノ(、_, )ヽ、, ⌒ :|
| / r=‐、 ヾ U ::|. __ 言葉に気を付けたまえジューコフ司令官!
| l| |,r- r-| |l :::| _r┘ `ヽ、
\. ヽ`ニニ´ノノ.::::/.ー-r'‐、'ヽ `、{ 赤軍に対する侮辱だぞ!
`ー‐--‐‐┬''´.: : : : { 、 ` |
_/ /\ / : : : : : : : :ヽ,」 |、
/:/|イ:::::/∨ : : l : : : : : : :/ :| |、{
r''/ : :| ./`Y / : : : 」 : : : : :: | /ゝ_,./ ノ:Y
ノ/ : : :| i::::::|/ : :/ : : : : : : : 、 : :.〈── ´: : |
/ |./: : : :|/:::::/ : : : : : : : : : : : : .ヽ : :l : : : : : : : |
ノ L____
⌒ \ / \
/=⊂⊃=⊂⊃=\
/ (__人__) \ 不可能かどうかはこれから
| |::::::| |
\ l;;;;;;l /l!| 図上演習ではっきりさせる!!
/ `ー' \ |i
/ ヽ !l ヽi 自分の発言には責任を持てよ!同志!
( 丶- 、 しE |そ ドンッ!!
`ー、_ノ ∑ l、E ノ <
レY^V^ヽl
515 :
◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:21:42 ID:VmLCEHC60
図上演習は攻勢論者のパブロフ、および防勢論者のジューコフがそれぞれ
独ソ両軍の作戦指揮官を担当し、2回に渡り実施された。
| _________ __ _____________________ ::. .: :. :..|: .: ..: .: .: . :..
l |「 ̄ ̄ ̄ ̄| ̄ ̄ ̄| ̄| l __ | |i゚ _ ___________|____ . | : . :. .: .:.:.:.: .:. :.
i |l 「 ̄ ̄ l ! .il `| |.こ'| |l |┌────────────┐| | |\:. :. ::..: .: .: .:.
/〉 . | |l L _ 」 .| |i . l | lil | |i |│~~~ OO→ノ⌒v´`ー‐ │| | | l\ :.: .: .. :. :.:.
. //.! .| |l | |\l |(:::)| |i。 |│~~~ .i' n__Ω_,←│| | | l | :. :. :. :.: .
〈//i| .| |l 「| l | ,.二、 . ̄|│「゚ ゚」同 .XX→ノ_ノ_,.-‐' ´ . │| | | l | : .: .:.:.:. :. .
li.!/l ! |l l_| | | |,ェョ'! .. |└────────────┘| |. .: .:\l | : .: . :.:.:. :. .:
il ゝ . |l | | | lli'tl:|  ̄ ̄「|  ̄ ̄ ̄ ̄  ̄  ̄ ̄「| ̄  ̄ .:..:.::|: .: . :.: .\| : ..: .: .:. . :.
l!v´ l ,、--、 | l | l,lLl.| |.|================|.| .: .:.:.:.:.::|. :. :. . :.: . :. |\: .: .:. :. .
く> |_l  ̄ l_ ___.|_ __ _\|  ̄ .|;| ... ..|;| :. :._:._.:.:_.:_|: .: .: .: .: : .: | l\ :.. .:
/ .! ,l ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄  ̄  ̄ ̄  ̄  ̄. ̄  ̄|.| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|.| ̄: .: : .:. : ..゙、 :. :. :.: .: .. | l |
<> /  ̄ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ゙̄、 ◎ :.: . :.゙、 :.: : :. :. .. | l |
. 〈> / / 〈〉 く<<> __ | 「 ̄」 ロ / .、,`; ゙ : :.゙、 .: .:. ..:.:: .: .. \l |
<l / /_、y'_____||l|l|i|l|||__________ 、 :..゙、 :. :. . :. :. :. :. .:\|
l> . / / i、,l ゚、,`,. <>> ||l|i|l|l||| 「「「「 」 ,.;`, [o]~ ゙ 、 ゙、 :. :. : .: .: .:. :. :. .
/ / /三三/ kl ,, _,,。| l ̄ ̄| / 、 ゙、 :. :. :.: . :. : .: . .: .:
. / / /三三/ \ リ ,iHi.| l_三l <> 「」 ゙、 ゙、 :. :.: . . .: .: .: .. .
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. / ||___l__l__||____|||____||__l__l____|| :.゙、 :. :.: .: .. :. .
/ . <>|| /. ||____|||____|| .、 || .:.: ゙、: : .:. . : ..
| l ||| ,===========|| ||| ||==============|| .: .: .:. ::゙、: .: .:. . .
1度目は1941年1月2日~6日に行われ、パブロフが己の論を証明する為ソ連軍を担当した。
2度目は同年同月7日~11日に行われ、代わってジューコフがソ連軍を担当、
特に2度目の演習は実際のバルバロッサにかなり近い戦力想定で実施されている。
516 : ◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:21:58 ID:VmLCEHC60
そしてその結果は・・・・
/´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : }}: : : : :`:ヽ、
ヘ||: : : : : : : , :r ,=_'_‐_´_ ` '‐= JL: : : : : : : : ヽ
|: ||:||, - , = r´': / ,-, フ ` '_r‐>-、= -、: : : : : : }
ヘ: >/竺ヽ}: : : r //:|´ r‐'´/ ヽ: : ヽ: : : /
ヽ{ !焦ンノ 二 } ノニノ .ノ 人 /_ノ \: :ヘ:/
{`'‐'-´ ‐::´:`´ノ人、 ヽ ヘ ´ノ 、 ヽ-‐,ヘ、
{/::´::::::::::::/{ ・ヽ, ノ、‐`/ `i / `\
/:::::::::::, r ' ´ ヘ ノ ヽ_,,、 !、 / ` 、
/,::: r'i´゚ノ ` | \_ ノ ヘ: :\
'´ | `r _ - 、 | / /: : : :
.| 'ヽ ワ ' | / /ク: : : :
| ` _ , -― ' ‐ 、 ヽ、 _ , - ‐ ': : : : : : : :
ヘ r '´ r`ヽ、<: : : : : : : : : : : : : :
ヽ ノ ヽ \: : : : : : : : : : : : : :
ヘ , ‐ ´´  ̄ ̄ >==≧: : : : : : : : : : : :
' - -, 、r = ´ _, - ‐_, '''''/: : : : : : : \: : : : : : : : :
/‐=`| r'´r―ツ ´ ~: : : : : : : :
{-‐i .|, -'―': : : : : ○: : : : : : :
rノ´=´ノ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
, r'r,´==´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
どちらの演習においても、ジューコフの勝利に終わった。
517 : ◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:22:13 ID:VmLCEHC60
一度目の演習では東プロイセンを包囲しようとするパブロフ指揮のソ連軍が
ジューコフ指揮のドイツ軍に逆包囲される事態に陥り、
2度目の演習では進撃するパブロフ指揮のドイツ軍が突出し、
縦深防御をとるジューコフのソ連軍に包囲され壊滅した。
/ \____/ ヽ
/ U \
/ _,,.ノ゙' ~\,_ U .ヽ ノ⌒⌒⌒\,,,,,
|U~ ~''' ::: ::::::| /+ ノ \ :::)
| 、_(O )_,: _(O )_, ::::::| / :::::ノ> z⊂⊃= \_
| ::< :: :::::| .| x ⌒(__人__) (::::: :::::)
ヽ /( [三] )ヽ U :::::::::| \ :::::) `|⌒´U x ::::ノ
ヽ :::;;;:::::::/ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ \
これではっきりしたのは、独ソ協定で手に入れた旧ポーランド領であるビヤストリク突出部が
策源地としていかに脆弱であるかという点であり、
パブロフやメレツコフが主張していた従来式の攻勢論の前提が崩れ去ってしまったことだった。
518 : ◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:22:26 ID:VmLCEHC60
1941年1月13日、やる夫は再び赤軍幹部を招集し、さきの図上演習の結果について問いただした。
____
/ \
/ ヽ、 _ノ \ ・・・で?
/ (①) (①) \ これは何だ、どういうことだ。
| (__人__) | なぜこうも見事に結果の明暗が分かれるのだ。
\ ` ⌒´ /ヽ 今までの前提は、馬鹿者の寝言だったということか。
/ \
( ヽγ⌒) ヘ \
 ̄ ̄ ̄\__/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
/\___/ヽ
/ ,,,,,,,ノiヽ,,,,,,:::i|li:\
. |(○), 、(○)、 :| +
| ⌒,,ノ(、_, )ヽ⌒ u.:::| いえ・・・同志・・・その・・・これは・・・
. |.u (^・^> 。.:::::::| +
\ ゚ ⌒´ u .::::/ +
,,.....イ.ヽヽ、ニ__ ーーノ゙-、
: | '; \_____ ノ.| ヽ i
| \/゙(__)\,| i |
> ヽ. ハ | ||
519 : ◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:22:39 ID:VmLCEHC60
___
r ´二ニ フ__/ヽ
_ / '´,. 二ノ '''''' \
___.-‐'´ `-i/ γ_)⌒), 、(⌒)|
_,.< ̄ ̄ : : : : : : : : l r/´.. ,,ノ(、_,)ヽ、,,..| こ、今回は攻勢側が敗北しましたが、
< : : : : : : : : : : : : :l l__ノ : `-=ニ=-' |
l,, : : : : : : : : : : : : : : :ノノ\ U `ニニ´ / 実際、攻勢には防御側より多くの戦力が必要で、
l; : : : : : : : : :-─<二二´ \. __ /
\ : : : : :'´ : : : : : l : :l : \` - ‐ヽト、_x- ヘヽ、 その・・・より多くの戦力を揃えられれば
\ : : : : : : : : : : : l : : :< : : :∨∧::〈ヽ: :、>>、
`‐,_ : : : : : : : :l : : : : :ヽ : : ∨ |:Λ | : :ヽ : : :ト-、 結果もまた違ったと思いますし、
`-, : : : : :l : : : : : : \ : :ヽ|:::::| l : : :/ : : : : : ,
\ : :ノ: : : : : : : : : \ : .、:::|,| : / : : : :l.: : { つまり・・・今回の演習だけで是非を判断するのは
V: : : : : : : : : : : : : :ヽ: ',::ll: / : : : : :l : ∧
V: : : : : : : : : : : : : : :ヽ:V : : : : : : :l : :.∧ ちょっとアレかな~~っと・・・思いまして・・・
____
/⌒ ⌒\
/=⊂⊃=⊂⊃=\ そ、そうそう!
/::::::⌒(__人__)⌒::::: \ それに所詮は図上演習!!
| mj |ー'´ U | 実際の戦場では往々にして何が起こるか分かりませんから、
\ u 〈__ノ / 机上の空論だけで語るわけにはいかんのですよ!
ノ ノ
520 : ◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:22:49 ID:VmLCEHC60
__
/..::::::::::::::..\
/..:::::::::::::::::::::::::.\
/..::::::①:::::::::::::::::::::::::.\ ・・・貴様らが負けた理由を教えてやる・・・
| :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |
\:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/
,. -‐'´..:::::::::::::::::::::...`丶、
ノ .:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::....ヽ
521 : ◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:23:08 ID:VmLCEHC60
/.: ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ \
/: : : \
/: : : : \ ∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧
/: : : : : : \ < >
: : ___ / \ < それは!!貴様らが!! >
: : : : : :\_____,ノノ ソ ((,,,/_ _ l < ドのつく低能だからだ!! >
: : : :;;((_(|)_))ノ::::ノヽ:::( (_(|)_) );;::: | < よくも私の前で腐った >
: : : : : ⌒ _ノ "''"´ ゙゙ l < 戯言を吐いてくれたな!! >
: : : : : : . . ( j ) _人_人_ < >
\: : : : : : :. {ー-‐'´`ー-‐/'′ /| ギ | VVVVVVVVVVVVVVVVVVV
ヽ: : : : : :{ソヘノ' ―ー_( : : : :ーイ< リ {
: ーイ : : : : : :  ̄ ̄ ̄”^ | ッ ゝ
:/\___/ヽ :
:/'''''' '''''':::::::\:
:.| (◯), 、(◯)、.::|:
:.| " ,,ノ(、_, )ヽ、,,"".:::|:
:.| .:::::|: ____
:.| ´,rェェェ、` .::::::::|: /:υ::─ニ三─ヾ
…\ |,r-r-| .:::::/… /:::::::: =⊂⊃=⊂⊃=\
:/ ! `":::::7 ヾ`ニニ´ /|:::::::"'ヽ: (:::::υ:::::::::: (__人__)::::: i|
: | | :::::::::::::ト\ ( . / /:::::::::::::| : \::::::::: |r┬-| ::::ノ
: ! | ::::::::::::::l::.ヽ //::::::::::::::::::| : リ:::::::: `ー'´ ::\
522 : ◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:23:21 ID:VmLCEHC60
・・・この席上、自説を否定されてしまったメレツコフとパブロフは二人そろって
かなり苦しい言い訳を開陳したが、どちらも激しいやる夫の怒りを買っただけだった。
____
/ノ ヽ、_\
/( ○)}liil{(○)\ ∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧
/ (__人__) \ < >
| ヽ |!!il|!|!l| / | < この無能をクビにしろ!! >
\ |ェェェェ| / < >
/ `ー' \ |i VVVVVVVVVVVVVVVVVV
/ ヽ !l ヽi
( 丶- 、 しE |そ
`ー、_ノ ∑ l、E ノ <
メレツコフに至っては参謀総長としての資質そのものを問題にされ、
その場で職位を剥奪されてしまう。
523 : ◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:23:32 ID:VmLCEHC60
そして、その後釜に座ったのは、他でもないジューコフだった。
翌日の1月14日、ジューコフはやる夫の執務室に呼び出されると、
政治局決定として後任の参謀総長に任命された旨を告げられたのだった。
,. r ´ ,. r ´三三:::::::::::三三:::::::::::::::三三:::::::::::\)}
r―――´ ,、r ´三三:::::::::::::::三:::::::三三:::::::::::三三三三::::\
__ヽ ○ _,.< ` 、三三三 三:::::::::::::::三三:::::::::::::::三三三三ノ≧
;;;;;;;;;;;;;;;`: : : : ,;;> 、 ` ー 、三::::::::::::::::::::::::::三:::::::::::::::三,.:::r' 二>´
ヽ;;;;;;;;;;;;;: : : : : : : : :/ ` 、 ` ー ---------- ― ´ ,. ィフ ´
};;;;;;;; : : : : : : : : :{ `。 ー -, ____ ,. - ィ - ‐。´ / {
} ;;;;;;; : : : : : : : : ∧ /: : : : : : : : : ' ' ' {;;; _ = = ,'
, ;;;;;; : : : : : : : : `====: :三: : : ' |!! ´ ,. ' ∧∧∧∧∧∧
ヽ ;;; : : : :ニ二二二 ̄ ≧〃 {`' , ' ' < >
;;;; u し´ ヽ, ; < はぁ!? >
/ | < >
,. ---,ノ | VVVVVVVVV
,. .,_ し {ニ- ,r/ -、 /j
r´T ` ^>ー ノ /`
く `ゝ、 ´_ ,.、ー´ /
∨ , `'ー ´ ̄`ー―=,‐´ー /
524 : ◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:23:57 ID:VmLCEHC60
ジューコフはこの時まだ45歳。将官としては年少である。
また師団長や軍団長など前線職を歴任しているが、軍中央の最高幹部ポストの経験は
キエフ特別軍管区司令官だけで、それも就任してから半年ほどしか経っていなかった。
/三三三三三三三三三三三三
|ヨ>‐‐‐‐‐‐‐‐N',‐‐‐‐‐‐--、三三
i-‐'"""""""/yヾ""''''‐‐‐-- 、_,
jィョョ三三三三三三>----- 、_
/三三三三三三ヨ(_ , -- 、, -‐
----- 、三三三三三三>-,'"ヽ ,.. し、しかし同志やる夫!
', i i___゚`ヽ、/:::i,:、--7-。、-‐'" ̄
',i: : : :  ̄: :.j: : : : :.ヽ--、ヽ-、-‐‐'" 小官は去年5月に軍管区司令官を
| ´¨,ノ _ヽ=- ..::::`‐‐- 拝命したばかりで、
_i iヘ- 、 , まだ残務が残っておりまして・・・
,...イ::::', 、- ヽ'" u
∠:::::::::::::', __〉>--、___ _____ y-- 何より僕のような若輩者の肩には
,..:<:、:::::::::::::::ヘ 二 ‐--、_ ,..._ヽ-' /::::::: 参謀総長の重責は過大では
/:::::::::::::\:::::::::::::ヘ ,.......<:::::::::::::: ありませんでしょうか!?
/:::::::::::::::::::::::::\:::::::::::>、____,.イ::::::::::::::::::::::::::::::
,....<::iヽ-----、:::::::::::\::::::::::::::---'"::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
歴代参謀総長のトゥハチェフスキー、エゴロフ、シャポシニコフ、メレツコフに比べて
明らかに実績不足という他なく、本人はこの任官を固辞した。
___
/\ / \
/(①) (①.) \ 駄目だ!!他にマトモな奴がおらんのだ!
/ (__人__) \
| |::::::| ノ( | これは政治局決定である!
\ l;;;;;;l ⌒ ,/
/ヽ `ー´ ィ⌒ヽ 君もボリシェヴィキであるなら
rー'ゝ 〆ヽ .)
ノヾ ,> ヾ_ノ,ヽ} 粛々と受諾したまえ!!
ヽ ヽ| ヽ_ノ
だが、ジューコフの才能に目をつけていたやる夫は辞退を許さず、
こうして参謀総長人事の電撃的な交替が行われたのだった。
525 : ◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:24:10 ID:VmLCEHC60
;ミ=、
ノミ三ミ:、 ,.ィ彡三'
;三バ"´'ヘ / 彡tミ
},.⊥-‐'''"¨´ ̄ ̄ ̄ ̄`¨''ーく ノミ
. / `ヾ!
. / __________ ',
| ,.-_ニ´‐'',二二二二二臾-、`ー、 |
Y// ,[_巨二二二ニニニニ三ミ、\|
,|∠ィ彡"´,ィ彡≧=:、_ `ヽ[_
. /~ハヾ三 '"丶(@__,ノハ ̄`テ≡≦寸 とりあえず昇進おめでとうだニャー。
|/¨〉 ミ ヽ{ ヾ三彳ノ ...::〈!@__)ヾ}f|
___,! 〈jん、 \.___ '"人..__,!ミ彡' ト、 とにかく、同志やる夫は一度見込んだ男に
/ \二.ィ ! ,.ィ/ノ川バミミ:、 _,,/!|
_」ヽ 〈く. { シ",ィ====、ヾ} ̄´/|人_ 期待を裏切られるのを何より憎むお方だニャー。
イ´ \ ヽ\\ ´` ̄ ̄ ̄ ` / \
\ ヽ\ \`¨\ ヽ‐'"´ ̄ ̄´ヾ _,/ 彡 \ ちゃんと信頼に応えるニャー。
\ \ ヽ \ L.__ `丶、______,/ ;;彡 ヽ
\ \ヽ 丶 ``'ー-、___ || _,.. 、__,/ /ハ
\ \ `ー--ミr全Y´ / / / ,>i
ゝ「-  ̄ ̄}/ヾ ̄ ̄ - _ ` <三三三
{r==三三三三≧=- _ ̄ ¬ _ ` <ニ
∠三三三三三三三三三 ≧=- ,_`丶 _
/三三三三三三三三三三三三三⊆} ヽ
 ̄ ̄}:::L_:ヽ ̄:::::ー======z-¬'´}::::>=、 任命されてしまったものは仕方ありません。
l:人_,゚ィ:!::::::::::::::i,ー- 。-ノ j:::/ ,r:ハ V
r、,| .:/ ヽ ー ' テ {ハ ,. /ミx 一介の将官に政治局決定を
, z ' :, {:....._ └ ,.イ,._ 覆せるワケもありませんし・・・
/斗 ∧ ヾ:r::: U √´
/ .仆 { {∧ ,...._ u j´ 職務に最善を尽くします、同志人民委員殿。
. 7', ム .| L_<:., `¨ヽ xチ´
r≦.〈,ハ } \ \ ¬= _ ___广 ,. -=ニ
. / (::::::\ `丶ゝ,z_ \ \{ { {「 | l≠ ,. -=ニ
526 : ◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:24:59 ID:VmLCEHC60
,=、
/ミ三 ,ィ壬{
,;=ニ三三二ニ'< 彡=}
, 'ヾニ三ニ彡'´ヾ;;三ミkイ 是非そうして欲しいニャー。
,' ,,,,,,┐┌,,,,,,,,,ヽ マミミヾl
/ /.ヾ (. ヽ マジヽl そんで、目下の懸案は対独ドクトリンをどうするかだニャー。
k ミ彡= ミ彡 ij ソノ,l
/ |` (_,,,) 丿 ''';;;| 図上演習であそこまでコテンパンにした以上、
. / 〃〃 ヾヾヾゞ ´i ソヽ
ゝ --─-- j ,,,ノ:;:;:;:;ヽ、_ 従前の攻勢ドクトリンを維持するのは道理に合わんニャー。
_ォ:;:;丶、 こ二_,,, ´ ソ´:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;ヽ、
':;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;||:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;ゝ、
:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:○:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄``丶、::::::::/
__________》``/
_________⊆二三三三〔: : 〔三三≧x{
,ニ二三三ニ/: : : : \::::::::::::::.\ \ :::::::::::::.
{ うヽ::::/ : : : : : ≧x、:::::::::〉: :〉:::::::::::::i
} 〃ハ }' : : : : : : :><: :〈::::::::::::::::| おっしゃる通りです。
V( ノ : : :/ 0/::....、:::::::::::::|
::ヽ { ^ヽ /: : : / ` ー-┘ 特に赤軍上層部にはビヤリストク突出部に
:::/ \' : : :.{ 固執する向きが一部にあるようですが、
/ \ 完全に逆効果と見るべきでしょう。
{ 〉
八 _r― -/ こちらの先制奇襲ならまだしも、
ミミミミミ 、、 ヽ / 準備の整った敵と相対するには
ミミミ 、、 __ , ′ あまりに危険すぎます。
\ ミミミ、´ _/
:::::.\ ミ、、 /
:::::::::::.\ ミxシ{
527 : ◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:25:13 ID:VmLCEHC60
,=、
/ミ三、 ,ィ壬{
}ミ∧厶――――< 彡=}
/ \イ
| , - ニ´二二二二☆二、 ヽ
∨∠二[Cニニニニニニヘ, !
_}/ィ彡' ,,≧==、_ _=≦、V ドイツ軍は機動戦の名手だニャ。
/ ハ、三{ ゞ@_ノハ .〈@__ノハ_
|イく ゙ \___三彡ノ、__.:〕三彡ト,} 俺も兵力を前方に集中させすぎるのは
/ ̄\ニィ { ,ィノ川ハミ、 /}ノ
」ヽ (く { シ ,ィ=====、 } ̄/l\ 危険だと考えているニャー。
'´ \ \,\ 、_,, 二二二、 / ヽ
\ ヽ \ L_ `ヽ、_____ィ´ \
、\ \ ヽ  ̄ヾ_ || _,. 、_/ / ハ
, <三三三三三三三三三三三三 } }≧ミ ` .
<三三三三三三三三三三三三三三/ /三三 i 、 `
` ‐-<三三三三三三三三三ミ /三 , i!三>、 `
i∧・<三三三三三ミ // /三三三三> ー-- 彼我の戦力差から言って、
} ミヽ }` { <三三/ /三三/ /三三三三><ニ○7
|  ̄/ ヾ、ヾ'''ア´T ・‐=ニ二_ー--------<;:;:>‐-' _ ドイツ軍の先制攻撃となった場合、
| _/` ∠_ ヽ_ フ''ヾシ ''´ ミ;:;:;:;:;:;:;:;;r‐‐‐-ミ;:;:;
| 「 ヾ  ̄¨ ≦ ミ;:;:;:;:;/ / ヽ V/ 敵軍は最初の1~2か月間で
', |_ ミ;:;:/ /‐-、 }/
i ヽ` 、 ¨' ヾ // ベラルーシを突破し
、ヾ゙゙ ', \} ヘ> 「 / /'''"`
≦ ヾ '. ´ レ ,イ 〃´ スモレンスクに達するでしょう。
「 ニ二 ∧ ,‐- _ ,、〃ヾ、, / 彡
,ィ≧ 三ニ .∧  ̄ ─-- 、 、 , イ'´ 〃 ''' `¨ ´ ´ ⌒''
/ ミ / ', ヾ / /''"
528 : ◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:25:28 ID:VmLCEHC60
,=、
/ミ三、 ,ィ壬{
}ミ∧厶――――< 彡=}
/ \イ
| , - ニ´二二二二☆二、 ヽ
∨∠二[Cニニニニニニヘ, !
_}/ィ彡' ,,≧==、_ _=≦、V
/ ハ、三{ ゞ@_ノハ .〈@__ノハ_
|イく ゙ \___三彡ノ、__.:〕三彡ト,} やはりスモレンスクにくるかニャ。
/ ̄\ニィ { ,ィノ川ハミ、 /}ノ
」ヽ (く { シ ,ィ=====、 } ̄/l\
'´ \ \,\ 、_,, 二二二、 / ヽ
\ ヽ \ L_ `ヽ、_____ィ´ \
、\ \ ヽ  ̄ヾ_ || _,. 、_/ / ハ
/;:;:;:;' ;:;:;:;:;:;:;;:;:r‐' _,-v、 ヽ;:;:;:;/
/;:;:;: ;:;:;:;:;:;:;:r'´ ゝ゚、z' _ ,,,, -- ,,, _ヘ;:/
. /:;:;: :;:;:;:;:r'´ _ ,,, --‐';:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;○}
./;:;:;:; :;:;:;:/´ _,r‐'´;:;:;:;''r‐'´ | };´',´!, モスクワからヨーロッパへの出口ですから、
;:;:;:;:;:;:;:;:;:/ ,,r´;:;:;:r'´ ノ ,| ノ ここを抑えておけばウクライナへの
;:;:;:;:;:;:;:;:;| /:;:;:r´ , , - ' ' ´,、/:; /| 連絡線に大きな迂回を強いることもできますし。
ヽ;:;:;:;:;:;ヘ /;:;:r,' , , ' ' _,,,-7'´・´~ } |//
`'''ヽ;:ヘ /ヽ○/` 丶 _ , , ; ' _/;:; /` ー ´ | /ヘヽ それにベラルーシの森林地帯は
ヽ_/: : : :":;:;ヽ、 _,,,r´;:;:;:; ` | 入 ドイツ軍左翼にとって都合よいバンカーに
/r' `ヽ: :; ; ; ;:;`;:ー;:´;:;:;:;:;:' ヽ .|; ヽ \ なるはずです。
"z ヘ ´ヽ : ; ; ; ' ' ' ' ' r / | ヘ ヽ
´7 ヘヽr ヽ ; ; ; ; ; ; ; ; ; -=ヽ, /; / | | ゞ 僕ならそのあと、ゆっくりウクライナを
/,、 `\_ヽ ' ; ; ; ; ; ; _ _/ ヽ| | ゝ 料理しますね。
´,ト " | `;:;`、ヽ ; ; ; , r '_´- ´ / ヽ ノ | /;:;:
/:;:| 〆 | ヽ| ヘ |` 、 ; ; ´ ´ ´ / 、ヽ / /|
_,,ノ;:;:;:´| |ヘ ヽ ヘ | ` = 、 _ _ ノ ヽ ヽ } / ´ /
529 : ◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:25:42 ID:VmLCEHC60
/´ ..,,:::::::::::::::::::...,ィ<三ニ\
/ , ....,..::::: "´ヾ,,,::<三三三三三三ニ\
......-‐'::::::::::ィ≦\ \三三三三三三三三ニゝ
/:::::::: ィ≦三三三ニ\ \三三三ニ-=´¨
, ‐<三三三三三三三\ \ニニィ´ だがドイツ軍とて無敵ではない。
/:::::::::::::ミ `<三三三三三三∧ __,, 、''/
/:::::::::::::::::i` 、 ,,,、ェキ"/''‐--_,, -i''´ } ' , ポーランド戦やフランス戦の経過を見るに、
、:::::::::::::::::::/ イ´´ ィ- ''"´ ・' \ 機械化部隊と言えど一度の突進では
\::::::::::/ `‐--='''" / } 如何に無理をしても500~600キロが
\ ハ::::/  ̄ / 攻勢の限界です。
| ',:: _...::/
〟 ∠≦{ 彼らの兵站能力から言って、
"ヽ〃、_ ノ ´ゝ スモレンスクに達した当たりで
ゞ|、 /} ミ 最初の限界に達するはずです。
ヽ', ゝ,r'|!,、 , i´ i´ 〃 、,χ
ミ ヽ x、π ‐" / { て
- 〈、 -=´ -‐''" |〉 斗
>、 ‐- ミ、 __,// ≦
¨ミχ ̄-- 、 仆-≦i¨|, }, i./: 、´
 ̄'ヽ, " "ゞ ゝ‐-</ ノ:.:. x´
,=、
/ミ三 ,ィ壬{
,;=ニ三三二ニ'< 彡=}
, 'ヾニ三ニ彡'´ヾ;;三ミkイ
,' ,,,,,,┐┌,,,,,,,,,ヽ マミミヾl ふーむ、反撃するとすれば
/ /.ヾ (. ヽ マジヽl
k ミ彡= ミ彡 ij ソノ,l 敵がもっとも疲弊している
/ |` (_,,,) 丿 ''';;;|
. / 〃〃 ヾヾヾゞ ´i ソヽ その時かニャー。
ゝ --─-- j ,,,ノ:;:;:;:;ヽ、_
_ォ:;:;丶、 こ二_,,, ´ ソ´:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;ヽ、
':;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;||:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;ゝ、
:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:○:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;
530 : ◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:25:55 ID:VmLCEHC60
,=、
/ミ三、 ,ィ壬{
}ミ∧厶――――< 彡=}
/ \イ
| , - ニ´二二二二☆二、 ヽ
∨∠二[Cニニニニニニヘ, !
_}/ィ彡' ,,≧==、_ _=≦、V
/ ハ、三{ ゞ@_ノハ .〈@__ノハ_ スモレンスク後の敵がとるであろう動きは?
|イく ゙ \___三彡ノ、__.:〕三彡ト,}
/ ̄\ニィ { ,ィノ川ハミ、 /}ノ
」ヽ (く { シ ,ィ=====、 } ̄/l\
'´ \ \,\ 、_,, 二二二、 / ヽ
\ ヽ \ L_ `ヽ、_____ィ´ \
、\ \ ヽ  ̄ヾ_ || _,. 、_/ / ハ
__
_,,,, -‐''''.´ ̄  ̄'''ー=x
/''::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`'=、
/::::::::::::::::::::._;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;_::::::::::::::::::::|
::::::,, -''゙ ̄_ ,,. __ _x_ __ `'''::、::::::::i
゙Y゙ ィ '´_,,,;;::==--竺:-=::ミ、-.`ュノ 南転するはずです。
=:}''ッ〔c_゙::::::::::: ..:::::::::::::::::::..`‐ミ{
:Tヽ;:;;/`'ァ‐。x;;;,___,,,;;;;ィTi、__ 敵の作戦根源地は旧ポーランド地域ですから、
.{.iヽY (_ _ノ〉 K(´゚ )`l:/ }::::、゙ヽ、 キエフを目指した方が兵站に無理を来さない。
::ヾ,`| | ゙ー ,lイ /;;:;:ヾ、::.\
,w'゙Yl rV'〉 .,!ソ'' "ミ::jノ:::::::::::`ー
, .}ミi、 ` ' /ミリ ミ ミ::::::::::::/i::::..
ミ,, ヾiミヽ, -=ニニニ= ,,ムジ ,,ミ'゙::;ィ゙:://:::::::.
:::ミi, l:;:;ゞiミx、_ _,,,イミジ 彡゙://::/./::::::::::::
:::::::ミ、ヾ、:;゙ヾi}エケZ゙エヅ:/ ミ:;ィ゙ ,,イ::j'./:::::::;;;;_::
531 : ◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:26:08 ID:VmLCEHC60
|i:::::}_,,,,,,,__ i´ ッ; 、 、.
ト::/,_::ェェ-.... ̄ゝソ、ノ "'' <:::::::::::::::::::::::::::
ャ∠三ニ=- 、,,::::::::::::....、 _ `ヽ ヽ、::::::::::::::::
/三三三三三三ニ=ョ、,::::::::::..... `ヽ ヽ、::::::::
へ二三三三三三三三三ミ _::::::::::::..... ナポレオンの前轍を踏みたくないし・・・
{:::i` 、三三三二ニニニ/ {三二ミi、::::::::...
、,、::: `{! ' ・ 气三三彡 i三三三圦、::::...、_ 〉 それに、ウクライナの広大な平原地帯は
≦ミ´ :i| 弋_ _,》i| `≧、_,,、ョ''ニニ三三ニミョュ、_ゝ
_/::::::::ミ |  ̄ノ/ { {!¨ ' ・ ‐-=、ニ二厶イ:::::\ 装甲部隊にとってまさに地の利を得たり
´:::::::::', | ノ ヽ、_ __,ノ′ i:::::::::::::,ゝ
:::::::::斗 i {  ̄ |:::::/, というところでしょう。
:::::::::ミ、 {∧ ヾ-‐、 /
::::::::::::::`, ミ::, 、 `:r‐ヽ r しかもこの時点で現地の我が軍は
:::::::::::::冫、 /∧ ` 、_ 、,_、vr
::::::::::::::::ミ |:::∧ ゝ、_"'' ‐‐‐-_,‐ャ'´ ., 'r´ '' モスクワと切り離され孤立している。
:::::::::::::::::::≧ |:::::∧  ̄ ̄ ノ v゛
::::::::::::::::::::从 ハ:::::::゙ゝ、 ...:::、,ミ´ 、 κ" 俎上の魚ですな
:::::::::::::::::::::::::ゝ ゝ::::::::::≧- -‐=ニ ´ 斗 、イ゛
,=、
/ミ三 ,ィ壬{
,;=ニ三三二ニ'< 彡=}
, 'ヾニ三ニ彡'´ヾ;;三ミkイ
,' ,,,,,,┐┌,,,,,,,,,ヽ マミミヾl そうなれば各個撃破、最悪の事態だニャー
/ /.ヾ (. ヽ マジヽl
k ミ彡= ミ彡 ij ソノ,l 逆に言えば、そこが反撃のタイムリミットかニャ。
/ |` (_,,,) 丿 ''';;;|
. / 〃〃 ヾヾヾゞ ´i ソヽ 何にせよここで何とかせニャならんようだニャー。
ゝ --─-- j ,,,ノ:;:;:;:;ヽ、_
_ォ:;:;丶、 こ二_,,, ´ ソ´:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;ヽ、
':;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;||:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;ゝ、
:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:○:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;
532 : ◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:26:22 ID:VmLCEHC60
ジューコフとティモシェンコを中心とする防勢論者の立てた予測は、実際のバルバロッサの経過をよく見通していた。
彼らはドイツ軍に乾坤一擲の反撃を加えるのは、国境から500~600キロ後方の地点だろうと考えていた。
/ _,,-‐''゛゛ ̄゛ '''' ‐- ,,,, \
/ / .、 -‐ ''''゛゛゛゛゛ ''‐-,,`\ ゙i
l .//´ ァo=ミ''フ ン ゛゛゛ ''''=Θ〆 l,
| // /:::::/ 、‐'゛゙,,=,,゛'‐- ,,_ ゛'';;) 〉
'く|i´/:::::::::::l ' i´ l`゛;ゝ'、ェ_ '〈
,,r'、ニ' ,:::::::::i `‐・ゝ, ` l,-゛,ト-`\ まさに。敵が一旦立ち止まるであろう
..l..{::`:::':::..''゙ '・ l l `´
、 -‐――- ::, テ、/ `i スモレンスク~キエフのラインが分岐点です。
、/ッ:´:::::::::::'' ,,''''';;;;;;;\ 、 -‐- .._ ´ l
//,,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,, ''''';;;;;;\ ``゛' ‐`、, / この方面に「切り札」を残しておく必要がある。
、.ッ;;;;;;'''',,,,,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;''';;;;;;;;,,,,''''';;;l. `' /
.゙i;;;;;,,,;;;;;;'''''''゛、 <;;;;''´\ : : : :゙i,|::::. / 国境付近の第一梯団と別に、
/;;;;;/ <;;;;;;,,,,,,,,,,,,'''''''';;;;;;l: : : : :| ゛::;::'' ‐-ノ;;;;;;;`ヽ
,,,,,,,,,, ゛''''''';;;;;;;;;;;;,,,,''(,: : : :|l::::: ;;;;i l;;;;;;;;;;; .:::::' 反撃の要となる第二梯団を配しておくのです。
; ; ; ;;;;;;;;;;;;;;;;,,,,,, '''''';;;;;;;;;;i : : :゙i;;;;;;;;;;リl;;;;;;;;;; ::. . :::..
; ; ; ; ; ; ;;;;;;;;'';;;;;;;;,, c ''';;;;゙i: : :|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ::::. .:: :: 彼らが戦争の勝敗を握るでしょう。
; ; ; ; ; ; ; ; ;;;;, ,,''';;;' ',' , '';;!、: :l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; _、 -‐l::....::::
; ; ; ; ; ; ; ; ; ;;;;;, '';;,,'';;'',,'' , c '';`'‐`'';;、-,;;;;;;;;;| l,,,,,,,,,,,,,
.; ; ; ; ; ; ; ; ; ;;;;;;゙i '';;;,';゙i゙i''‐- ,`'r;;;;;;;;'/;;;;;;;;;;;l |;;;;;;;;;;;;;;;;;\
この防衛計画の概略は、前方展開する水際の「第一梯団」が敵に消耗を強要しつつ順次後退し、
スモレンスク周辺に待ち構える「第二梯団」が疲弊し隊列の伸びきったドイツ軍に反撃を加え、
「マルヌ会戦」を再現するといったものだった。
533 : ◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:26:37 ID:VmLCEHC60
__
_,,,, -‐''''.´ ̄  ̄'''ー=x
/''::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`'=、
/::::::::::::::::::::._;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;_::::::::::::::::::::|
::::::,, -''゙ ̄_ ,,. __ _x_ __ `'''::、::::::::i ビヤリストク突出部に要塞線を
゙Y゙ ィ '´_,,,;;::==--竺:-=::ミ、-.`ュノ
=:}''ッ〔c_゙::::::::::: ..:::::::::::::::::::..`‐ミ{ 建設しようという計画もありますが、
:Tヽ;:;;/`'ァ‐。x;;;,___,,,;;;;ィTi、__
.{.iヽY (_ _ノ〉 K(´゚ )`l:/ }::::、゙ヽ、 どのみち放棄する場所に大金をかけて
::ヾ,`| | ゙ー ,lイ /;;:;:ヾ、::.\
,w'゙Yl rV'〉 .,!ソ'' "ミ::jノ:::::::::::`ー 要塞を築くなど無駄の極みですな。
, .}ミi、 ` ' /ミリ ミ ミ::::::::::::/i::::..
ミ,, ヾiミヽ, -=ニニニ= ,,ムジ ,,ミ'゙::;ィ゙:://:::::::.
:::ミi, l:;:;ゞiミx、_ _,,,イミジ 彡゙://::/./::::::::::::
:::::::ミ、ヾ、:;゙ヾi}エケZ゙エヅ:/ ミ:;ィ゙ ,,イ::j'./:::::::;;;;_::
,=、
/ミ三、 ,ィ壬{
}ミ∧厶――――< 彡=}
/ \イ
| , - ニ´二二二二☆二、 ヽ
∨∠二[Cニニニニニニヘ, ! しかしニャ。
_}/ィ彡' ,,≧==、_ _=≦、V
/ ハ、三{ ゞ@_ノハ .〈@__ノハ_ ようやく「解放」した人民の土地を
|イく ゙ \___三彡ノ、__.:〕三彡ト,}
/ ̄\ニィ { ,ィノ川ハミ、 /}ノ 見捨てるなど、政治的には難しいんだニャー。
」ヽ (く { シ ,ィ=====、 } ̄/l\
'´ \ \,\ 、_,, 二二二、 / ヽ
\ ヽ \ L_ `ヽ、_____ィ´ \
、\ \ ヽ  ̄ヾ_ || _,. 、_/ / ハ
534 : ◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:26:48 ID:VmLCEHC60
/ ,,,, -‐ '''' " ̄""''‐-,,_ \
/ /´,,-‐'' """""'''' ‐- 、. \ \
,l 〆Θ='''' """ ン フ''ミ=oァ `\ヽ l
〈 (;;''" _,, -‐'",,=,,゙"'‐、 ヽ::::\ ヽヽ |
〉' _ェ、'ゝ;"´l `i ' l:::::::::::\`i|ン' お言葉ですが重要性の問題です。
/´-イ,"-,l ` ,ゝ・‐´ i:::::::::, 'ニ、ヽ,
`´ l l ・' ゙''..:::':::`::}..l.. 平時の話ならまだしも、
i´ ヽ、テ ,:: -――‐- 、
l ` _.. -‐- 、 /;;;;;;;''''',, '':::::::::::`:ヾヽ、 愚考ながらドイツとの戦争は
`、 , ',´‐ '"´´ /;;;;;;''''' ,,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,,\\
`、. '´ .l;;;''''',,,,;;;;;;;;''';;;;;;;;;;;;;;;;;;,,,,,,'''';;;;;;ヾ.、 時間の問題と思っております。
ゝ .::::|,/: : : : /`'';;;;> 、"''''''';;;;;;,,,;;;;;/
,r'´;;;;;;;ヽ-‐ '':::" |: : : : :l;;;;;;'''''''',,,,,,,,,,,,;;;;;;> \;;ヽ 喫緊の問題であれば、
':::::. ;;;;;;;;;;;l i;;;; :::::l|: : : :ノ'',,,,;;;;;;;;;;;;'''''''" ,,,,,,,,,,
..::: . .:: ;;;;;;;;;;lリ;;;;;;;;;;/: : : i;;;;;;;;;;'''''' ,,,,,,;;;;;;;;;;;;;;;; ; ; ; 今のうちに計画を見直さねば・・・
:: ::. .:::: ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|: : :/;;;;''' c ,,;;;;;;;;'';;;;;;;; ; ; ; ; ; ;
::::....::l‐- 、_ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l: :ノ;;'' , ',' ';;;''',, ,;;;; ; ; ; ; ; ; ; ;
,,,,,,,,,,,,,l |;;;;;;;;;,-、;;''´‐'´;'' c , '',,'';;'',,;;'' ,;;;;; ; ; ; ; ; ; ; ; ;
/;;;;;;;;;;;;;;;;;| l;;;;;;;;;ヽ';;;;;;;;r'´, -‐''//;',;;;'' /;;;;;; ; ; ; ; ; ; ; ; ;
,=、
/ミ三 ,ィ壬{
,;=ニ三三二ニ'< 彡=}
, 'ヾニ三ニ彡'´ヾ;;三ミkイ いかんいかんいかん!
,' ,,,,,,┐┌,,,,,,,,,ヽ マミミヾl
/ /.ヾ (. ヽ マジヽl ジューコフ、戦争という言葉を使うニャ!
k ミ彡= ミ彡 ij ソノ,l
/ |` (_,,,) 丿 ''';;;| いま上層部でその言葉は禁句なんだニャ!
. / 〃〃 ヾヾヾゞ ´i U ソヽ
ゝ --─-- j ,,,ノ:;:;:;:;ヽ、_
_ォ:;:;丶、 こ二_,,, ´ ソ´:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;ヽ、
':;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;||:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;ゝ、
:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:○:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;
535 : ◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:27:03 ID:VmLCEHC60
三>‐''' ̄ ̄ ̄ ̄ ̄¨‐<三
_ -──────‐-ミ
_ -‐─────- ミ
/≦三才二三三∧ V三三
;:≦/ ゝ、ミゝ三三ヽ ヽ三三
:;:;∧彳´ ><ニ三/_ }三三
:;/ .∠ -‐・フ i }  ̄7
彡 ヽ -‐ ' / {、
二 ´ # ヾ
U -‐ __
/ / はぁ・・・?
`¨´ :;
∠二ニ≡=一- ./
ー-------- 、 /ィ
ヽ\ヽ { V }‐ \ 「´j i/
///≧ >ー- ト、ヽ ', ./ }./-
ヾヾ////≧、.\ Y:≦ヽイ/
ゝ<////>、}/ }//
ヾ `T </////;イ
,=、
/ミ三 ,ィ壬{
,;=ニ三三二ニ'< 彡=}
, 'ヾニ三ニ彡'´ヾ;;三ミkイ 同志やる夫はドイツとの戦争を回避するよう
,' ,,,,,,┐┌,,,,,,,,,ヽ マミミヾl
/ /.ヾ (. ヽ マジヽl お望みでいらっしゃるんだニャ。
k ミ彡= ミ彡 ij ソノ,l
/ |` (_,,,) 丿 ''';;;| 近々ソ独経済協力も締結されるようだし・・・
. / 〃〃 ヾヾヾゞ ´i U ソヽ
ゝ --─-- j ,,,ノ:;:;:;:;ヽ、_ くれぐれも水をさすようなことを言うニャ!
_ォ:;:;丶、 こ二_,,, ´ ソ´:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;ヽ、
':;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;||:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;ゝ、
:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:○:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;
536 : ◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:27:24 ID:VmLCEHC60
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/|;/ / ___|
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/;; _,..、-''" ``丶 _,..、-''" 〉
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ _,,..-‐'' 、 ノ __ /
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i _,..、-''" __ \ く-'''・ /|
::::::/""\:::::::::::::::::::::::i _..-'''""~・ | / i ノ .i
::::/ ._,,..- `、:::::::::::::::::i 八 ノ 、 `、-'" i それじゃあ、なぜあんな
| |::::::::ヽ ∧:::::::::::::i "'''- - - '" 〃 ___ ヽ i 図上演習をにわかにやらせたんです?
| ヽ〃∧ i::::::::::::i  ̄ ノ |
キ ' i;;;;;;i ;;;;;;;;;;;; / i そもそも目下の情勢で国防を語るのに、
∨ ( l し / ̄"ノ i 対独戦の可能性を言及しないわけには
∨ ヤ\\ U <__..-、/ / いきませんよ。
ヽ, ⌒ ノ '' /
___\ /-----....____ ___..- /
, -'" `゙''ー-、,_ <二二二二二,,..、-''" ,′
ヽ i
,=、
/ミ三、 ,ィ壬{
}ミ∧厶――――< 彡=}
/ \イ
| , - ニ´二二二二☆二、 ヽ
∨∠二[Cニニニニニニヘ, ! うるさいニャ!
_}/ィ彡' ,,≧==、_ _=≦、V
/ ハ、三{ ゞ@_ノハ .〈@__ノハ_ 同志やる夫の深謀遠慮は
|イく ゙ \___三彡ノ、__.:〕三彡ト,} 俺たちごとき一介の軍人には
/ ̄\ニィ { ,ィノ川ハミ、 /}ノ 量れないんだニャ!
」ヽ (く { u シ ,ィ=====、 } ̄/l\
'´ \ \,\ 、_,, 二二二、 / ヽ
\ ヽ \ L_ `ヽ、_____ィ´ \
、\ \ ヽ  ̄ヾ_ || _,. 、_/ / ハ
537 : ◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:27:34 ID:VmLCEHC60
;ミ=、
ノミ三ミ:、 ,.ィ彡三'
;三バ"´'ヘ / 彡tミ
},.⊥-‐'''"¨´ ̄ ̄ ̄ ̄`¨''ーく ノミ
. / `ヾ!
. / __________ ',
| ,.-_ニ´‐'',二二二二二臾-、`ー、 |
Y// ,[_巨二二二ニニニニ三ミ、\|
,|∠ィ彡"´,ィ彡≧=:、_ `ヽ[_ お前は中央勤めが短くて
. /~ハヾ三 '"丶(@__,ノハ ̄`テ≡≦寸´ 同志やる夫の恐ろしさを知らないんだニャ・・・
|/¨〉 ミ ヽ{ ヾ三彳ノ ...::〈!@__)ヾ}f|
___,! 〈jん、 \.___ '"人..__,!ミ彡' ト、 ひとつ忠告しておいてやるニャ!
/ \二.ィ U! ,.ィ/ノ川バミミ:、 _,,/!|
_」ヽ 〈く. { u シ",ィ====、ヾ} ̄´/|人_ とにかく、なにがあっても!
イ´ \ ヽ\\ ´` ̄ ̄ ̄ ` / \ 同志やる夫のご意見を否定するんじゃニャい!!
\ ヽ\ \`¨\ ヽ‐'"´ ̄ ̄´ヾ _,/ 彡 \
\ \ ヽ \ L.__ `丶、______,/ ;;彡 ヽ これがモスクワで生き残る鉄則だニャ!
\ \ヽ 丶 ``'ー-、___ || _,.. 、__,/ /ハ
\ \ `ー--ミr全Y´ / / / ,>i
_, -‐‐';;´;;;;;; _ ...'''' -‐===‐- 、ヽ
,, ( ) ̄;; .. -‐ ' ´ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,, ''';;;ヽ.
,,, -''' _,,, '"ヾヽ、 ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;''' '';;;;ヽ
'''' _,, -''':::::::::::::::,ヽ、 ヽ、 _ ;;;;;; _ ..... ---―‐--―‐‐ヽ
, ´ _ `:::::::::::::,,::'''' ''゙`ヽ、 ___ , .,,,、ァー,--,-‐―_-_ゝ
/ / `;;:::::,,'' '´ ----―・ナ´,゙〃シ l
i i. < ;;::::; ` ̄ ̄-‐´-___ュz. `、 (ソ独協力だと・・・?バカバカしい。
! ト 〈 ''::; ´ /
、ヽ`ー 、.l ! __/ ヒトラーを信用できるワケがない。
:ヽ、ー゙'´ ,、 ィ, ´, ´ ,,
"'',,  ̄ 、、ヽ ,У、 ",, まさか、同志やる夫が本気のはずがないだろうが・・・)
、 ,,""ッ, ヾ.、 // ̄, ̄二ニニニニチ./ ,:.:.:.,i '',,
"'' ,, '',,:.:`〒==ミ、 ヾー´ ̄ ._ l' /:.:.:.l| ,,''
"'' ,, '',,:.:.:.:`:.、 `〒===〒 ̄ヾ / /:.:.::.:.i| ,,''
538 : ◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:27:48 ID:VmLCEHC60
モスクワで図上演習が行われている最中の1941年1月10日、
場所を同じくして独ソ国境・通商条約が締結される。
_ -―
、_ _ -‐
_ >一ー―――- 、__ , ---―- 、 _ .. -‐
 ̄ } _ -‐ッ' `ー--、}
「 ̄ 「 ,.-、 ',
| } / \ 、
i jノ ノ `丶、 ヽ
| `゙´ ヽ }
/ ヽ |
: . . . /ヽ, -‐-、,r"ヽ 丶 .ィ´:、 . : : : :
: : : : : : : : : : / 〈 ⌒/ ゝ /⌒ヽ ヽ ∨ 、: 、. : : : :_ .. -‐  ̄
 ̄ ―- __: : : : / `´{ / ∠、 \ \__ノ \}_ .. -‐ "
 ̄ ―┘ `¨´、 /- /丶、 >‐'
`゙'、__/`--' ̄
これはさきのやる夫によるソ独同盟対案におけるソ連側の経済面での譲歩条項を
さきに具現化したようなものであった。
つまり、独ソ同盟実現の前段階の条約だったのである。
539 : ◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:27:59 ID:VmLCEHC60
・・・そう、ソ連にとっては、そうだった。
同条約の締結から一週間後の1月17日、
モロトフはドイツ大使のシュレンブルクと会談をもった。
,.⌒ヽ γ⌒ ヽ ))
((〈● ノ\ /\ ●〉
ヽ彡' ヽ / ヾ_ノ さて、前回めでたく
) Y ( ソ独国境・通商条約の締結あいなった
γ⌒γ⌒ ⌒ヽ⌒ヽ というところだが・・・
(( | | | .| これは付帯的なものにすぎない。
(( ヽ ヽ__人__ノ .ノ
\ . `ー'´ /
540 : ◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:28:16 ID:VmLCEHC60
,.⌒ヽ γ⌒ ヽ
〈● ノ\ /\ ⌒〉
ヽ彡' ヽ / ヾ_ノ 去年の11月に示した
) Y ( 我々の「提案」について、
/γ⌒ ⌒ヽ\ そろそろヒトラー総統閣下のお返事を
/ | | ヽ 聞かせていただきたいものだね、
| ヽ__人__ノ | シュレンブルク大使?
\ `ー'´ /
/ `
/ \
/ ヽ
/ .l | | | ', ',
|. l | | |_| ', ',
| | | | レ|/ .| ', | | ・・・・・・
| | | レ / ',=| | | | , |
| | レ f 〉 | | .| | ', | .
レレ ,.、"ゝ '" .| | .| | | | .|
〈_l |_|_|_| | | | | |
l _ | | | | | l |
゛ー _,. U | | | | | |___|
ヽ '´ |_|_|__|ーー
. l,,,,,,,,,,,,,,,,,,,;;/
:;_;:'''''''' ´
541 : ◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:28:30 ID:VmLCEHC60
,.⌒ヽ γ⌒ ヽ
〈 へ ノ,\ 人 へ 〉
ヽ彡' ヽ / ヾ_ノ 一か月以上も音沙汰ないとなると、
) Y ( 流石に不安になるというものだよ。
/γ⌒ ⌒ヽ\
/ | | ヽ 経済協定がなるこのタイミングで
| ヽ__人__ノ | 伝えるつもりだったのだろう?
\ 、`ー'´, /
/⌒ヽ ー‐ ィヽ もう一週間も過ぎた!時機としては十分ではないかな?
/ rー'ゝ 〆ヽ いい加減ドイツ政府の「賛同」を
/,ノヾ ,> ヾ_ノ,| 聞かせてくれたまえ!!
| ヽ〆 |´ |
/ l
,l゙ |
l! l ! ! .!
l l! l i ,'l | ! .|
``!ヽ、 l l / |,! l , l / :!
l ``i'゙ヽ、 | ;' l l | l!_l_,、-'゙! |
| |,! 、.`゙`''ヾ、;: / l | _,,.!-‐‐'"_,'_,,,,_ | |
| |、 -=、,,____ ヽ, / ___,,r==- , l |!
| !;r、 ,,r'':::::::::::::::ヾ__,、,_ir ':::::::::::::::::ヽ_/,l,'! l'! モロトフ閣下・・・その件なのですが・・・
| | l;l ゙ii::::::::::::::,; -メ‐、 ヽ::::::::::::::::::::ノ ,ir| |l!
! !::ヾ,, ヾ--./ / ./ヽ, `──‐‐´ ,r/l_::! |
| l:::::ヾヽ,_/ , ' / i u !;i li::l ,.!
_, - l l! l|ヽ jl´ ,, ' ./ / _,-` U j;トji:::l ,.!:ヽ_
_, - '´.:.:.:ヾ!l l|!r'" / ,i´ / ,i_''_, _ ,-、 ,_j;;i //::| , /.:.:.:.:.:.:.\_
_ , -─'´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. l、ヽ`:、::| / / / / _/ ,/,,,j';;/ `l/l:/::::::::::::.:.:.:.:.:.::.:ヽ-、_
-‐'´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::::ヾ::::::/ / / / フ´ /-'_;/ /:::::::::::::::::::::::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`ヽ,,_
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:::::::::::::::::/ / ,ト-/ /;;;;;;rl, イ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ /;/ /;;;;; i,,-´ |:::::::::::::::::::::::::::::::::/:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.::.:.:.:
542 : ◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:28:42 ID:VmLCEHC60
〃 ii !| i || | | │ │ | |
{i ii !| i || | | │ | | |
ii ii !| _」L -‐ ニ二 | i │ | | 本国政府には貴国の提案を
ii _」≧ニ二¨ミ ̄_{ ン匀アリ''<| ii i | | | まったく遅滞なく伝達いたしました。
` -ヘ { /杁う`7'⌒ { 、 ゞ-┘ ´ | ii i | | |
l { ゞ'┘′ ヽ、____ | ii i | | | しかし・・・それ以降・・・
| ` r‐… 7 | リ i | | |
| l. / | 〃 ノ リ | ! i| 本国から如何なる回答も、
| |ヘ ヽ ::...、 し 厶 -r…¬ ,,' i i| またその予定も受け取っておりません・・・
| | |:. ` | }} '' ii i|
| | i i:. マ二二二二ヾ u | リ / ii i|
. レ⌒| i i ハ ー─ j 〃≠-‐  ̄
| i i _,ム . ...::... . . ,.イ ///..::::::::::::::::::::::
| レ'.:::::::::ト:._:_:..:..:..:..:.:._;..'´''´ //..::::::::::::::::::::::::::::
/..:::::::::::::|::::|ト、 ̄ ̄ / /..::::::::::::::::::::::::::::::::::
/..:::::::::::::::::::|::::|| \/ /..::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
,.⌒ヽ γ⌒ ヽ
〈 ○ ノ\ /\ ○ 〉
ヽ彡' ヽ / ヾ_ノ
) Y (
γ⌒γ⌒ ⌒ヽ⌒ヽ
| | | .|
ヽ ヽ__人__ノ .ノ
\ . `ー'´ /
. / ∩ノ ⊃ ヽ
( \ / _ノ | |
..\ “ /__| |
\ /___ /
543 : ◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:29:04 ID:VmLCEHC60
γ⌒ヽ
γ⌒ー―ヽ 〉
/ ヾ○ノ
/ /´` ̄ ̄ ̄
/ /γ⌒\ γ⌒ヽ ・・・ヘル・シュレンブルク。
/ // U `~\ ○〉
/ u // /⌒ヽ、_ヾ ノ まだ如何なる回答もないと・・・
/ Y (
/ γ⌒ ⌒ヽ わ、我々の提案から、
/ | u | ヽ
| ヽ__人__ノ |. もう一か月半は経っているじゃないか。
\. u ∩ノ ⊃ /
( \ / _ノ | | こ、これは、外交的に異常な事態と言わざるを得ない!
.\ “ /__| |
\ /___ /
544 : ◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:29:17 ID:VmLCEHC60
/ `
/ \
/ ヽ
/ .l | | | ', ',
|. l | | |_| ', ',
| | | | レ|/ .| ', | | 直ちに本国へ再度照会します。
| | | レ / ',=| | | | , |
| | レ f 〉 | | .| | ', | . ただ、ソ連の枢軸加盟は我が国の独断では不可能です。
レレ ,.、"ゝ '" .| | .| | | | .|
〈_l |_|_|_| | | | | | イタリアや日本との調整もありますから、
l _ | | | | | l |
゛ー _,. U | | | | | |___| 多少時間が掛かるのは致し方のないものかと・・・
ヽ '´ |_|_|__|ーー
. l,,,,,,,,,,,,,,,,,,,;;/
:;_;:'''''''' ´
,.⌒ヽ γ⌒ ヽ
〈○ ノ\ /\ ○〉
ヽ彡' ヽ / ヾ_ノ
) Y (
/γ⌒ ⌒ヽ\
/ | | ヽ
| U ヽ__人__ノ | それにしたってかかりすぎだろう!!
\ `ー'´ /
/ `ー' \ |i.
/ ヽ !l ヽi
( 丶- 、 しE |.
`ー、_ノ ∑ l、E ノ >
545 : ◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:29:27 ID:VmLCEHC60
| γ⌒ ヽ
| /\ ◎〉
| / ヾ_ノ
|Y (
| ⌒ヽ\ これは重大な問題だ!
| | ヽ 速やかにドイツ政府の誠実な回答を得られるよう
|人__ノ U | 努力していただきたい!!
|⌒´ /
(⌒ー─' )
546 : ◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:29:43 ID:VmLCEHC60
この席でモロトフはソ連の枢軸加盟に係る処理が順調に進んでいるかをどうか尋ねたが、
シュレンブルクは本国政府から何らの回答も受け取っていないと答えた。
ドイツ本国で、ソ連の枢軸加入が完全に「無視」されている事態に、モロトフは驚愕せざるを得なかった。
____
/ u \
/ / \\
/ し (○) (○) \ む・・・無回答だと・・・?
| ∪ (__人__) J |
\ u `⌒´ /
,.⌒,ヽ γ⌒、ヽ
〈/◎ノ\ 人● ヽ〉
ヽ彡' ヽ / ヾ_ノ ま、まずいよやる夫・・・どうにも雲行きが変だ。
) Y ( ドイツ政府は僕たちの提案を歯牙にもかけていないようだ。
/γ⌒ ⌒ヽ\ ベ、ベルリン訪問のときはこんな感じじゃなかったのに・・・
/ | U | ヽ
| u ヽ__人__ノ |
\ `ー'´ /
547 : ◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:29:55 ID:VmLCEHC60
___
/ \
/ _ノ ~ー \ ドイツには手を組むつもりなど無いのでは・・・?
/ (〇) (〇) ヽ
| ' u | 同志モロトフ!貴方、ヒトラーに
\ ー- / 一杯食わされたんじゃありませんか!?
/⌒ヽ ィ ヽ
,.⌒ヽ γ⌒ ヽ
〈 ○ノ\ /\○ 〉
ヽ彡' ヽ / ヾ_ノ
) Y (
/γ⌒ ⌒ヽ\
/u | | uヽ
| ヽ__人__ノ .| ば、馬鹿なことを言うな!!
\ ||iiiiiiiiiiiiiiiii|| /
/´ ̄``゛'ーー'´ < 僕の責任だと言いたいのか!?
| ___) \
| \ 現に経済協定は上手くいったじゃないか!
|  ̄)
| | ̄ ̄ ̄
____
/ \
/ \
/ _ノ ::::::: ゝ、 \
| (①) (①) u | (おかしい・・・こんなはずでは・・・なぜ・・・・?)
\ (__人__) ,/
/ `⌒´ \
548 : ◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:30:07 ID:VmLCEHC60
____
/⌒ ⌒\
/( ①) (①)\ そ、そうだ!わかったぞ!これもヒトラーの揺さぶりだ!
/::::::⌒(__人__)⌒:::::\ 同盟締結前に出来るだけ優位になりたい思惑の現れなのだ!
| u |r┬-| | 馬鹿め!その手には乗らん!これ以上の譲歩はせんぞ!!
\ `ー'´ /
549 : ◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:30:17 ID:VmLCEHC60
_∩
/ 〉〉〉
{ ⊂〉 ____
| | /\ / \ ヒトラーに我々の牙が抜けていないことを
| | /(①) (① ) \ 見せつけてやる!
| |/:::⌒(__人__.)⌒::: \ そうすれば交渉のテーブルに戻ってくるはずだ!!
ヽ | |,┬‐ | U | ヴェーチャ!フィンランドとのペッツァモ鉱山交渉は
\.\ `ー ´ / どうなってる!?
\ __ ヽ
ヽ (____/
,.⌒ヽ γ⌒ ヽ
〈 ● ノ\ /\● 〉
ヽ彡' ヽ / ヾ_ノ
. ) Y (
/γ⌒ ⌒ヽ\ ニッケルの分配について
. / | | ヽ
. | U ヽ__人__ノ | まったく折り合いがつかないよ。
\ `ー'´ /
/⌒ヽ ー‐ ィヽ フィンランド側が頑強に抵抗して
/ ,⊆ニ_ヽ、 |
/ / r─--⊃、 | 埒があかない状況だ。
| ヽ,.イ `二ニニうヽ. |
550 : ◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:30:27 ID:VmLCEHC60
___
/ \
,---、 \, 三_ノ \―、
.l l (①) (①) \ | ならまずフィンランドで大鉈を振るってくれるわ!!
| | (__人__) | |
.| | |!!il|!|!l| / / いつまでも大人しくしていると思っていたら大間違いだぞ!
ゝ |ェェェェ| ノ
\ / 早いとこ我々を味方につけなければまずいことになると
/ |
/ | ヒトラーに理解させてやる!!
551 : ◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:30:51 ID:VmLCEHC60
フィンランドとソ連は、ペッツァモにあるフィンランド最大規模のニッケル鉱山の利権について
半年以上に渡り話し合いを持っていたが、ソ連の無茶な要求をフィンランドがはねのけ続けた為
この頃には完全に暗礁に乗り上げていた。
γ´⌒ヽ
.( ○ }γ⌒ヽ
ト _ _ノ.人 ○ 〉
l |/ ヾ_ノ ペッツァモの鉱山権利に関する両国間協議が
, -´ | {_
/ γ⌒ ヾ フィンランドの不誠実な態度によって
.| | l
.| ヽ______人___ノ| _ , -‐ 'フ ̄ ヽ 何ら進展し得ない状況に陥るに至って、
.\ `ーー'´/// / ヽ
, --,.─ヶ―‐,--‐'´ / /_ノ | 我がソ連としては両国関係の悪化に特別な懸念を示さざるを得ない!
/ フ´ /彡'´ /
/ / / \ 、 / 最悪の結末を回避する為に、数日内に「誠意ある回答」を要求する!!
| // \ー--=―┬‐'´
| | 丶 \/ | |
、.__... ='''""\ ̄ヽヽ:.:.l\ヽ:.:.:l. :.|.:.: .:! :|:.: .|:.:
',\「 _\ト、\:.:.!:.:.|:.:.: .:.:| :.!: l.:.:
:.! ヽ /:,:.! ヽヽ\:.:.!:.:.: ..:.:./:./: ./.:.:
ヽ. ゝ l:.// トゝ.ヽヽ:.:. ..:.:.:.:///l:rイ':´ ,:
ヽ 、ヘ ー' ヽヽ':.:.:.://イ'T, !:.: ..:./:
` -丶-_-- ――-_- ヽ',:/ /,リ ,イ/:.:.://
ヽ ` ̄  ̄` '′/' '' //:.://´:
ヽ:\ l`¬'イイl:.:./:.:.:
\ ヽヽ し ', ,'.: | !:/:.:.: (不誠実なのはお前らのほうだろが!!!)
:.:.. \``丶 u / /:.: .!/:.:.:
丶、:...ヽ、 ,. '´ , ':.:.: /:.: /
`丶、 ,ィニ二二.._‐ .._ /.: :.:./: //
〈 、 丁:.:ア´ ,. イ:.:.:.: /,. ィ"/
ヽ二...__‐..二!/ ,.ィ:´:.:!:.:!:.:-'‐:.´ l |
,...:.':´:.:.l:.:.:.:l:.:.!:.: : / /
フィンランド大統領 リスト・リュティ
モロトフがシュレンブルクと会談した翌日、ソ連は駐フィンランド大使を召還したうえ、フィンランド向けの穀物輸出を中断。
さらに1941年1月21日にはフィンランドに対し「最後通牒」をつきつけてきた。
552 : ◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:32:08 ID:VmLCEHC60
_rxvxvxvxャ―- 、
,ィf>^厂{爻}勹⌒^下ミ `ヽ、 :'
':rfフ::.::.::.:_`ー'^ー'::.::.::.::ノ レヽ>、ヽ
_fヲ::.::.rxtタ^⌒^⌒^X≧z:::⌒:.:::.:::圦ハ :'
': /r‐v':r彡 |l| l|l| l il li l l| !l| l|トミk::.::.::.:Vfハ
{〈 ィ/^ ,1l l|l !|l| |l|| |l | l | l |l| ! |ヽ>、::.:V! l| :' 信じられないわぁ!!
`7/ // ll )レ |l!| l| l | l | |l| ! |//^ヽ:/⌒》
': /丁7 l| l l| ⌒ | |l!| |l |l l|l | |l| | |トミ=彳|厂´| あいつら、講和条約から一年も経たずに
レ⌒l| l| | |l| !l| !l| |l | || |l |l| | l|! | |レ⌒ヽ|レ⌒!
/|l |l! |仆ミ」l l| l |、」 斗 ヒて {{ィ/77ハ\j :' 戦争を始めるつもりなの!?
': //lハト、ヽ f--tミ ::::::::::: f‐‐ア彡 '/// l |! | |
/// 7∧ヽハ .゙==' :::::::::::::::ゝ=‐' //ハ /! j l | | :'
〃 // ハ/小. 、. /〈// l|| | ! | :'
″{ { ,' // |l ヽ、 -‐-‐ /// ハ | | | ト、 , =彡
⌒ヾメ、/,'_川 |`丶、 , イ // ,'l lル' l| | ∨∠/三
:―::.::厂:.:.:/// |!| l|l /`fT!^ヽ ̄} ' / | |l \_!」 / 彡竺三
ー=彳:.:.:.///:`Yヽルヘ /」ト、/:/ /ハ/⌒7:´:.:.:.:`ヽ三三三
'⌒V:.:.:.:.{ l {:.:.:.:\ <ヽ:.:.jj:.:.:.:./ //ノ:.:.:.;':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\三三
_j:::::::::::::::::: / , ゙'、 ヾ:ト、:| |::::/、 ヽ
r::::::::::::::::::::/ / , i _ノ::::::| K_::::: | |
\:::::::::: / / , i l |_::::_:: | |:::::::ノ; |
):::: .' ,' l l i | ソ:::::::| l:::::L | 半年も交渉が進まなければ
( .:::::i , l | | l! i/´:::::::/ /:::::丿 | そろそろ諦めてくれるかと
.  ̄| i! | ト、! | ィ ヘ:::::::/ /::::∧ | 思っていたけれど・・・
| | ,j__l_ | |! _/_j_ / / j:::/ /::::/ | |
レヾ !ト、 ̄|`ヾ|! i l! ´/ ̄j/ ̄lメヽ(_::ノ_ /::::/. | | ここにきて最後通牒とは。
| \i、! ヽ,\l-=ミヾ\iヽ/ィ -=ミ レ' Y i7_ヽ:ノ .| |
| | 〉ゝj!弋 ノ ∨ 弋 ノ | i ;lヒ ノ | | これが脅しなのか本気なのかが
' | ,' ∧ `T´ _l_ `T´ ,,.ィ .| Y´ .| | 問題なのだわ。
i │ ! i. | \_|´ ̄ ̄ _ _  ̄ ゙̄l_/./ i | | | |
| | | |i |‐ ´、iヽ.. .. ィj´ヽ.! | | | | 国防軍最高司令官の
/i | | || | ヾ >_-.,< j / ト、_. | | ご意見を参考にしたいわね。
//| |ィ| || | {〈.Zjィji / ./ |/ヽ |. │
j/ .!/: | || | \ i、 ゞt;_ソ 〃 / /| │::::::::゙;、 │ .|
フィンランド通商大臣 ヴァイノ・ターナー
553 : ◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:32:18 ID:VmLCEHC60
/:/:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:l:.:.:.:l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.',:.:.:.:.:.:.ヽ
./:/:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:/:.:.:.::!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:',:.:.:.:.:.:.:.:',
':.:!:.:.:.:.:.:.:.:!:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:///,:.:./:.l:.:',:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:!:.:.:.:.:.:.:.:.l
:.:l:.:.:.:.:.:.:.:.!:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./// ,:.:/:./:.:.:.',:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:! 国防軍としては現時点での情勢について
/|:.|:.:.:.:.:.:.l:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::/イ/ /:/:./ト、:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:!|:、 格別の憂慮を抱いているですぅ。
:.:!:.!:.:.:.:.:.:.l:`l丶、:.:.:.:.:.://., ' ./:/:./ !l ヽ:.:.:.:ヽ:_..- ':.:!:.:l:.:.:.:.:.l:.!:.ヽ
:.:.!:.!:.:.:.:.',:.',:.!:.:.:.:.:>'<、/ //,:./ !l _><\:.:.:.l:./:.:.:.:.://:.:.:.: 少なくともレニングラード周辺でソ連軍の
:.:.:',:',:.:.:.:.ヽV`ヾ〒_==ミー7/// ーrィ== 〒ア、/:':.:.:.:..://:.:.:.:.: 一部動員が始まっているうえ、
-、,.ヘヽ:.:.:.:ヽヽ ヾ、_ー'_ノ /'´〃 弋_ー'.ノ ' /:.:.:.:.:.//、:.:r‐‐ 国境周辺での部隊集結の兆候をキャッチしているですぅ。
ヽ.-l \:.:.:\、 /´ ヽ /':.:.:.// ,.-J
./ .! ヽ、:.ヽヽ、 i ‐,.'ィ":./ !/ ` また、ムルマンスク周辺では
ヽ、 ,! l l`ヾ.=- _._ _._ -‐"‐/l ! l ) / 〉 ソ連の沿岸部隊が戦闘態勢を取りつつあります。
) .! へ! // `丶、 ... ,. '´ l ! !< , く
ヽ_ ̄l l ! `丶、 _.. '" !l ! / -,.、ノ: これは、明らかな戦争準備ですぅ!!
ヽ-、 ', ! !l /::,二 `"´二、:\ ,イl l ' /: : : :
: :!: :} l ! !l /::/ //:「ト、\ \::\ / l.! l 〉: : : :
フィンランド国防軍最高司令官 カール・グスタフ・エミール・マンネルヘイム
554 : ◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:32:46 ID:VmLCEHC60
/ 〃 / / l l \
/ jj / / ノ | li ヽ
/ -- 、 {{ ※/ ,' / / /j川
< ̄ ̄/\ {{ ′  ̄7 < / / 〃ハ |
` / \ {{ | 斗=≠へ/ / /∧l !
/ / {{ ※| ヾ了::::卞ミヾメ,. // 」l_ ;
./ ! {{ ヘ | しクj / ィ≦ハ ′
〈 | {{ ト ヾーく fネ〉 / /
「 ̄ ̄ ̄ ̄ ‐- _ {{ ※ }}ヽ { ヽ'/'/ / 国防に責任を負う者として、
ト ____ ‐< }} \ \ _ ' イ jノ
|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..... ` 、 ` \ /}/ イ ノ 直ちに部分動員を提案します!
ヘ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..... \ ー' / 〃
',:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::......\_, <,, 彳
',::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`</ /
〉::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`Y
.〈:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::_ -‐¬冖  ̄ ̄ ̄\
___,/ / /i | | i | 、\ X i//}
〈 ̄ニ/ .i / / .| | | l ト、 ヾ ヽr==c〈く/i
_又_,' / |`ト\ l ト| l | | ヽ ,| ゞ//ヾ\|
〈ト、 i .l i 卞"フ〒k,レヽ! |__,}.∠| }/人_ノハ \_
ゝニノ.ハ \ゞ上;ム 十≦テ==x行 |∨/\/
// /,'./ .i \ > ̄ ̄ 匕;_)_ノ ゞ|_| | トニニi 駄目よ!
{{ ノ/ .! ヽ ' ー=ラ , |\\_
// ハ \> , ´ `ヽ ,_ノ /i | l\/、 ソ連に開戦の口実をあたえることになるわぁ!
// / ,ヘ ゝ- l l / // 八 | 、
. // / : l ヘ ' / /一< ソ 、 国防軍は現在の平時体制を維持しなさい!
// / ; i ._} l> / / `ノ ヽ 、
/ / / ,' // ト 「>ー<7 ./. \ \
レ' / .〆 ./ // く<ハ//| / ヽ l \
/ //_, ノ // イ_,_,//| ト' ./| | \l_ ー-
. / i // {{__ノ_ ヽ/ .|_|∨ ,| .トi、 ヽ
/ l l l. / ̄ く_rー、_rー、 r' | ト-ヽ 一、/)イ
555 : ◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:33:01 ID:VmLCEHC60
_...-::´::::::::::ィ il i | :| | :| | :| .升 :イ | :i::::::\
ヾ:::::::::>/∧ハ i ト :ハ :| :| ./ :il :/ :| ィ' | :|ヘ:::::::
>イ::/ム/ i ', iヽ ilハ ,', il / i /i :/ | /i | :|::::ヾ:::
/:::/:::/ ̄| iハ ト | \ ハ :Vハ ハ :/ / //∠ -─/マ ノ |\:::::::
. /:::/:::/ / |リ i :|-ゞ─弋=-、V_ \ハ / //≦ -_ _ィ_イ / | ハ:::: 今開戦すれば確実に
.ノ::/::::/ / リ ハ :| ヽ___=-≧-'' ヽ:/ -=ィ弋...:::::ソ /il / :| /::/
ヽ/:::/::::/Y / ヽ ト、 ハ \ ゞ゙...:::::ノ>、ミ、 ''ミ、 ̄ ̄ ̄// / | ヾ/ ドイツが介入してくる・・・
:/V/::::/ノ / :| \ ∧ ミ- ̄ ̄ ̄ ヾ / / ィ i!
i:::::∧ :/ :∧ \ \ i: ─/ / i ハ そうなれば枢軸側に引きずりこまれるわ!
|:::::|ハ / / :| > 、 > l} /_イハ ノ :∧i
|:::::| :/ /i :| |ハ し _ _ ,,ィ  ̄ / i:/ /∧ ターナー!何とかソ連との交渉を
/  ̄ :/ /.::| :| | ヽ  ̄  ̄´ イ i/ ∧ ハ
:/イ /.:::: | ハ :i /i> 、 ー < | :/ :/ :V/ハ まとめて頂戴!
/ :/ / :/ ハ ', / li r-┴ ≧ ─ ≦ ̄イ-、ハ :/ :/ \
/ :/ / '::´:`:::、 :ハ ト ', :/ノ /:::::::/::::::i:::::::i:::::::\:::::i :V /
./ //:::´::::::::::::::::::ヽ、 ム ハ :V>/::::/:::::::::::∧::∧::::::::::\ハ/ /
つ:::::::::::::::::rー-'三三_ -―――‐-- 、)::::::::\ _
(:::::::::::::::::::::::) 三= '´/ 、 (_:::::::::::::丶<::::::`ー、
`ー,:::::::: __ノ / / / \ \ ム::::::::::: |企;:::::::::::}___
(_:::::: ヽ/ / / ヽ 、ヽ(__:::::::::::|三|:::::::::::⌒Yヽ
r’:::: / { |! | |! |!ハノ :::::::::|三|:::::::::::::::乂{
`ァ: :′ / / ! |! |! |! |! |`ー, : :::|三|:::::::::::::::} '.
ヽ.′ / / |! |! |! |! }! | Y:::::::::|三|:::::::::::::/ {
. | | |! |! |! i} } |! /_!_| ゝァ : :|三|::::::::_;ノ| '.
. | | |!| |!、 {! |! // /}//孑' /イ (_ : :r'--{:::::::) | | ペッツァモにおける主権を失わない範囲で?
. { | | { 卞ト、ハ!_ //ノノィ≦ケテ| (:::::〈ん)、) 〉´ | |
ヽト、 {ヘ、从ィ升=ミノ´/ ./ }| 〉 : ゝニン | | リュティ、貴方も相当無茶を言うわね・・・
ヽ乂ヘ!ゞく `} ', u ` ┬'´ | ∨// |
} |ヘ ^T´ _、__ | | {ノ´ | | 私達単独ではまず不可能よ。
川 | 丶.、! ̄ r‐、  ̄レ'ノ } ! | |
//} ! _≧-..、 `´ ,∠⌒<}/ 八ヘ | | ペッツァモではドイツも利権を持っているもの。
// j /':.:.:.:. .:.:.:/>=(:.:.:.:.:.:. / />ヽヽ | |
ノ ,' / /:.:.:.:.:.:....:.:__}イ夊)=-:.:.: / /:./::::::ヘ∧ | |
// / />ァー:. :.:.:.:`¨)´:.:.:.:.:./-ー=二二〕\ | |
〈≦__,/_/ーャ(:.:.:.:. :.: /\:.:.:.:《__∠⌒ー-、::::::::::::::ヽ | |
556 : ◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:33:11 ID:VmLCEHC60
ゝ _ _...L ヽ ヽ )
( __ ´ ` ) | | _イ:ヽ
「 / 「 __ | | (::、::. \
ゝ _ / / V´___) | | )ヾ\ ヽ
'/ .′ | ( _ | | イヾ::: ヽ:.ヽ |
// ! | 「.:.:.:..:)ヽ.._ _j レ' ( ハ: |: :| |
イ ! . ..:.:.:.( __ ,| _ | 、___ .) |::|::. |: :| |
∥| |: | / /. ィ :/ ) 、γ, -、Y _.) |::|::. |: :| |
i! | |: │ ,ィ 升j/_j/ | |ゝし { { fひj j √.:.: |::| | |: :| |
i! N. | 、 从ヾ/ j/ l .| | |ゝゝr_少':.: .:.:.:..:: |::| | |: :| | どのみちソ連を抑えるには、
ヽト ..._ ゝト-ゝゝ____ノ | | |:.:./ /:.:/::.:., 人| | ~~ |
/ | | | | / // / . ' │ ! ドイツの力は必要不可欠なのだわ。
/_ ___| ,. イ |' /-‐ァィ' / │ !
ヽ レ´ ̄/ | | / ,'イ___ | i
/ \ 、っ / | |,/ - ‐ ¨ / | i!
'/ | :\ i!__.| |´ _.. ー > | i!
i| |:::::::|>‐┤ | |\ . ´ \ | i!
i|_|::/ | │ ! \ . | i!
「 r| │ ! / /! \ i!
_rxvxvxvxャ―- 、
,ィf>^厂{爻}勹⌒^下ミ `ヽ、
rfフ::.::.::.:_`ー'^ー'::.::.::.::.::.::.::ヽ>、ヽ
_fヲ::.::.rxtタ^⌒^⌒^X≧z::::.::.::.::.:::圦ハ
/r‐v':r彡 |l| l|l| l il li l l| !l| l|トミk::.::.::.:Vfハ
{〈 ィ/^ ,1l l|l !|l| |l|| |l | l | l |l| ! |ヽ>、::.:V! l|
`7/ // ll| |l| |l!| |l!| l| l | l | |l| ! |//^ヽ:/⌒》
/丁7 l| l l|l |l| |l!| |l!| |l |l l|l | |l| | |トミ=彳|厂´|
レ⌒l| l| | |l| !l| !l| |l | || |l |l| | l|! | |レ⌒ヽ|レ⌒! 分かってるわぁ・・・
/|l |l! |仆ミ」l l| l |、」 斗 ヒて {{ィ/77ハ\j
. //lハト、ヽf予tぇミ xfぞ牙ァ '/// l |! | | だけど、それは最終手段よ。
/// 7∧ヽハ ゙ー'′ ゙ー' //ハ /! j l | |
〃 // ハ/小. 、. " /〈// l|| | ! |
″{ { ,' // |l ヽ、 - /// ハ | | | ト、 , =彡
⌒ヾメ、/,'_川 |`丶、 , イ // ,'l lル' l| | ∨∠/三
:―::.::厂:.:.:/// |!| l|l /`fT!^ヽ ̄} ' / | |l \_!」 / 彡竺三
ー=彳:.:.:.///:`Yヽルヘ /」ト、/:/ /ハ/⌒7:´:.:.:.:`ヽ三三三
'⌒V:.:.:.:.{ l {:.:.:.:\ <ヽ:.:.jj:.:.:.:./ //ノ:.:.:.;':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\三三
557 : ◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:33:30 ID:VmLCEHC60
だが、事態は悪化した。
2月に入るとムルマンスクにソ連軍の輸送船団が集結を完了し、戦争の可能性はますます現実味を帯び始める。
そして1940年2月10日、マンネルヘイムは政府の方針に反対して辞表を提出した。
/'.※/: : : : : : : : :.lヽ、 ※ \. ヘ
/ / .//: : : : : : : : l: : l: : :\ ヽ ヘ
/ l/: : /: :./: : : : : /l: :/ヽ: : : :ヽ 丶 \
/ /: : :.:l: :./: 、: : : /./:./. ヽ:/: :ヘ ※ l ,ゝ
'ー-l:/l: : :l: :/从\ノ /:/ __,.ィ'´ヽ、_:.:l l ,ィ'´ _
l!l.ヘ: /:/イ´ム示 // ,ィム示`' l:l .lー'| / .`ヽ,
ノ `/ヽト 弋ソ/´ は::::::i//:l .※ l: :! / ∧ これ以上、ソ連の脅威に手をこまねいていれば
. ri .,、 / .※ l:.l`'ー `´ , ゞ‐''/_:.l l:.l/ ',
..i`!l l l l`! ./ ヘ:ヽ ,、 ‐-、  ̄l: :.l l:,′ .l 意味のある防衛行動をとれなくなるですぅ!
..ヘ`' `' ,ィ'`ー、-/ /ヽヽ ,ィ'´ .i .ィ: :.:l .※. l! l
l {j / ※. /:::::ヽ!_`_.ヽ .ノ ィ'´/:/! l! .リ もう責任とれません!
,イ,.-{jィ'/ /::::::::::( i ゝ .iー-‐'´ ´ / / .,' /
. `´// .※. /::::::::::::::く ノ〈 l/ ./ ※ / ./ 辞表を提出するですぅ!!
<´/ / `'ー--j ̄/ ノ ,ィスハ / / ./
../ ※ / /:ゝ / .フ〃 ij!}ヾ,、 / // ./ヘ
/ /:.ノ / j´ .ij iji ij、 》 / ./ 、 .,.ィ.'´-、: :ヘ
※. / /:.〈 ./ 〈 .ゞ''"ij ij" / ハ'`.ノ `ー ./ l、: :ヘ
/ /: ノ. `'´` ,、‐ '  ̄`'ー- 、ィ'´ ヽ__ / '.ヽ、: ヘ
./ /: :  ̄`'´`ー、.( ヽ .// / .l`フ、:l!
/: : : : : : : : :ヘ三`ー--―‐ .' ‐、 / ,' / ノ、ゝ:l:.l
、.__... ='''""\ ̄ヽヽ:.:.l\ヽ:.:.:l. :.|.:.: .:! :|:.: .|:.:
',\「 _\ト、\:.:.!:.:.|:.:.: .:.:| :.!: l.:.:
:.! ヽ /:,:.! ヽヽ\:.:.!:.:.: ..:.:./:./: ./.:.:
ヽ. ゝ l:.// トゝ.ヽヽ:.:. ..:.:.:.:///l:rイ':´ ,:
ヽ 、ヘ ー' ヽヽ':.:.:.://イ'T, !:.: ..:./:
` -丶-_-- ――-_- ヽ',:/ /,リ ,イ/:.:.://
ヽ ` ̄  ̄` '′/' '' //:.://´: ∧∧∧∧∧∧∧∧
ヽ:\ l`¬'イイl:.:./:.:.: < >
\ ヽヽ し ', ,'.: | !:/:.:.: < ふざけんな! >
:.:.. \``丶 u / /:.: .!/:.:.: < >
丶、:...ヽ、 ,. '´ , ':.:.: /:.: / VVVVVVVVVVVV
`丶、 ,ィニ二二.._‐ .._ /.: :.:./: //
〈 、 丁:.:ア´ ,. イ:.:.:.: /,. ィ"/
ヽ二...__‐..二!/ ,.ィ:´:.:!:.:!:.:-'‐:.´ l |
,...:.':´:.:.l:.:.:.:l:.:.!:.: : / /
558 : ◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:33:45 ID:VmLCEHC60
_rxvxvxvxャ―- 、
,ィf>^厂{爻}勹⌒^下ミ `ヽ、 :'
':rfフ::.::.::.:_`ー'^ー'::.::.::.::ノ レヽ>、ヽ
_fヲ::.::.rxtタ^⌒^⌒^X≧z:::⌒:.:::.:::圦ハ :'
': /r‐v':r彡 |l| l|l| l il li l l| !l| l|トミk::.::.::.:Vfハ
{〈 ィ/^ ,1l l|l !|l| |l|| |l | l | l |l| ! |ヽ>、::.:V! l| :'
`7/ // ll )レ |l!| l| l | l | |l| ! |//^ヽ:/⌒》 アンタねぇ!!
': /丁7 l| l l| ⌒ | |l!| |l |l l|l | |l| | |トミ=彳|厂´|
レ⌒l| l| | |l| !l| !l| |l | || |l |l| | l|! | |レ⌒ヽ|レ⌒! その、すぐに辞表提出する癖なおしなさいよ!!!
/|l |l! |仆ミ」l l| l |、」 斗 ヒて {{ィ/77ハ\j :'
': //lハト、ヽ f--tミ ::::::::::: f‐‐ア彡 '/// l |! | | 国家の非常時に自分勝手なことしないでくれる!?
/// 7∧ヽハ .゙==' :::::::::::::::ゝ=‐' //ハ /! j l | | :'
〃 // ハ/小. 、. /〈// l|| | ! | :'
″{ { ,' // |l ヽ、 f⌒ヽ /// ハ | | | ト、 , =彡
⌒ヾメ、/,'_川 |`丶、 、___ノ , イ // ,'l lル' l| | ∨∠/三
:―::.::厂:.:.:/// |!| l|l /`fT!^ヽ ̄} ' / | |l \_!」 / 彡竺三
ー=彳:.:.:.///:`Yヽルヘ /」ト、/:/ /ハ/⌒7:´:.:.:.:`ヽ三三三
'⌒V:.:.:.:.{ l {:.:.:.:\ <ヽ:.:.jj:.:.:.:./ //ノ:.:.:.;':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\三三
_/ヽ ヽ ィー、_
. / ヽ(二`リ /ノ`ニ)ー、
. 〈 ヽ、ソ´ .ノ l `ー´ノ!
`i`´'r‐、lrヘ ┏┓┏┓ r十、_ノ`´ノ
r'`ー'ィ=`´ ゝ, ┏┛┃┃┗┓ .ノゝ=`'´`j
`ハ_,-、 rヘノ、 ┗━┛┗━┛ ィ'`ー、 ,-、〈
. l ´ l. ┏━┓┏━┓ヽ / `´ l`
l l-‐.'.┗┓┃┃┏┛*ヽ/ /
l l .,ィ-‐┗┛┗┛: ̄:`ー、ヽ /
. l l/: : :./__::/: /:./: :l:l: : : l:´', /
', l: : :./:/X///://ヽ;.-l: :.:l /
∨ l: : :.l'ャ'ィォュ\ // /,イ、ヽl: : l / 仕事をしたいのに仕事をさせない
/::ゝ,_,ィ':´!: : :l `辷ソ / 弋:リ' l:: :/ / お前が悪いですぅ!!
,':l:::::::::::::::::ト、: :ゝ、_ , -.、_ `´.//ノ
,':::l:::::::::::::::::l `´i\. /. l ィ'/ ̄ヽ 部分動員ぐらいさせろですぅ!!
,':::::l::::::::::::::::l * l \ ノ </ l:::::::::::ヘ
/ゝイ´::::::::::::::,' l ヽ`´ / .l::::::::::::::ヽ
. /: : \:::::::::::::/ l ,ィ=仝=ュ、. l *ヽ:::::::::::::::〉
../: : : : : \:::::::l .* l 〃 〃ミト、ヾ l ヽ:::::/
/: : : : : : : : `ー'l. l《__〃j .ij ヾ.`l *. l'´:.:ヽ
: : : : : : : : : : :./ .* l  ̄〃<>ij ゞl .l: : : :.ヽ
559 : ◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:34:03 ID:VmLCEHC60
/ /:::: |/ /ムナ-'゙´ / /::/ /::::.. :::|:::
// /::: ム- ニ/7゙/:::::... // //::::.. _ __:::|:::
///_,ィニ/ー '/メ./二´二´ ̄/:::: ̄ `:ヾ、/.:/::/ だからそんなことしたら
/─' / ./彡/'´::::/,::-、ヽ ::::::/.:/ / なし崩し的に戦争になるっつってるでしょーが!!
// ゙´ 弋、;;ノノ ゙ .:/ /
,. -ーミ、`::ー-- 、ー'゙__ /ミ='..:/ / だいたい、この前の戦争じゃ
ー-、 ::::::::::::::::::::::ー=彡'゙ .::/ //.:. 対ソ融和派の筆頭だったくせに
::::::::::::::::::: :/ //::: :::: いつの間に鞍替えしたのよ!?
// /:::: ::::
/ :::/: :::::
< ,.ィ´ _ -‐':´ ̄ ̄ ̄`ー-、_ ヽヽ
. \ / /: : : : : :/: : : :..:l; : : : `ヽ ヘヽ
/ /´: : : : : /: /: :./l: : l: : : : ヘ ', ',
,' /: : : : :/二-、_/ //ヽ: : : : ', l ! それはそれ!
/! l/: : : / 辷_ノ` ` / ー--ヽ: : : :l l l
. /:.l ト、: : l ` ほ示 l: : :.l lゝ' これはこれですぅ!
/:..:l l:\:! , ``'´ /: : /'´
. /: :..:l ※ !: : ` r‐‐、_ /: / 私は軍人としてしなきゃいけないことを
/: : : : ヽ ヽ: :|  ̄´ _,.ィ'///
/: : : rヘーヽ ヽ\`'ー- ‐ ' ´: : : '´l / してるだけですぅ!
/: : : :/ ̄:ゝ`ヽ※ヽ=示=ュ、`ー-、: : :l l
. /: : : :〈::::::::::::::〈 ヽ ヽijijヾ 》 〈 ゝ: :l !
560 : ◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:34:17 ID:VmLCEHC60
、 ,.、
∧i ヽ-‐'ヽ、
, 、, r'/ ∞ } fニ、i V⌒'|/
,,;゙::::::::ヾ ,,/!.:: ::/j_ `ー' j,:: ∞! , 、
フ:::::::::::::::::::ゞ':: :: !/ハ ヽ_, イ }}:\::レ´〃::`ヾ 出たよ!軍人どもの常套句!!
7::::::::::::::::::(:: :: :: :{l 薔 |}::ノヽ::ノ::::::::::::::::`ミ、
/〃::::::::::;,〃´ゝ、_:: ::゙=∞=″:: :: ::{:::::::::::::::::::::;ゝ、 先のことを考えずに目先と自分のことだけ
'″:::::;,.'' // /:: ::.介:: :: l`ー'´ `゙ヾ゙\゙ヾ、ヽ 正当化する無責任思考!!
/ 〃:::;ゞ / // /:: :: :}{:: :: ::l l| i \ ヾ\
,レ' / / /}:: :: ∧:: :: ::{ il l! \ アンタのそういう偏狭なとこが
,.:-‐イ´:\/`Xヽ/ヽ 大っ嫌いなのよ!!
,. -───‐ァ'´.:::/:: :: :: ::// 入:: :: \、_
./.:: ::. ::.::: :: :::/.: ::/:: :: /:: / \/ \:: ::.\`:.、
\::.:: :: ::, ‐'´.:: ://:: :: ×.:: ::/ /\ \:: 、:\::\
/ / ※ ※ ヽ. \
. 〈 | / ,. -'ー‐'ー‐'ー‐'ー- __ \ \
\ |/ | \ `ヽ| ソ
>' 川 `ヽ.※ }j イ
/ , / / /ハ ヽ ヽ l} |
;' / / / / // \ l| | }l !
| | / /―- // // __><亅 | l} | はーーー!?
| | | ムr‐</)< // ー '" __ | / }l !
ヽヽ |ヘ「 \_> / x "´ // / l} | それはこっちのセリフですぅ!
/\∧ `ー ' ∠ イ /※ }| ! !
. / ト 八 / イ l} i l 私もお前の銀行家っぽい理屈ったらしい
/ ハ | > ヽ = ニ⌒) ∠ < |{ }l i !
/ / {l トy/ > _,. < {l .※. l} i | 冷血なところに腸煮えくり返るですぅ!!
. / / l{ V/ l{ }ト i !
/ / {ハ | {l l}ヘ !
561 : ◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:34:29 ID:VmLCEHC60
/ ̄\ 〕 \
└┐ _ -―-\ ヽー、
┌┘ ,. / ヽ \ 了 ト ∠ム / ヽ
廴 / / ヽ`つ ∨Y  ̄〕マ7_
r┘ / | |└┐ | | rヘ´ \ j! _
`つ ./ | | | | 〔. ||<_ム__>  ̄__
〔_ .′ | | || |i `)|| 〔 ヘ\ <
ヽ| | : | | | | || レハ 弋 |r= 、r┘ | \ `
| | | ||| | 川ィチレ,_| ({ヘ參〉) ! \ 落ち着きなさい二人とも。
| | | |⊥从_| /j//ィi´ ヽl'| |广7_ハ ヽ
\\ヽ7 r‐ 、ヽ/ ゝ- ' | |∨/ \ \ ここで政府と軍部が対立しても
\| ヽ ゝ._ノ l __l | | ∨ \ \
| ∧__ト-- 、/-, レ‐'´.| ハヘ \ \ 仕方ないのだわ。
| l| >_ / j / ̄ヽ.マ_ \ \
/∧|/ __ア=ミく入`マ" ̄ ̄ / \ とにかくソ連との交渉内容を見直すから、
// ヘ /-ゞ參r' _≧ \ ̄/___〉 \
___/∠ ヽ_\イ `T1く, ―‐ ∨ ヘ,__ マンネルヘイム将軍も早まったことは
\ _...ニニニ> 」 K_,/ ̄ヽ 〉¬ \_
 ̄ _/ __〔 / | ゝィ厂ト Ⅴ | | 廴 厂 ヽ 控えて頂戴。
<二、≦二._ヽイ | 「 广ヽ.ノ |/ \ /
結局、フィンランド政府はソ連側との交渉で出来る限り譲歩を避け、軍事的主権を守ることを約束し
マンネルヘイムの辞職を慰留することに成功した。
562 : ◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:34:43 ID:VmLCEHC60
そしてソ連がフィンランド攻撃の姿勢を見せ始めたことは、当然のことながらフィンランド国内に
自国軍を進駐させているドイツを大いに刺激することとなる。
/::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. : : \
/:.:.:.:.:.:.:.:.:/ -──ヘ、 : :ヽ
,:':.:.:. /: : :...:/ --──‐\..: : :
/:.:.:.: │:.:.:.:/:.:/: :{: :、 : :ト :.:.:.:.ヽ:.:.:..゙ヽ
,':.:.:.:/.| i: : i|:/ ’,:.:ぃ: ヽ:ハ/:. : │:.:. :.:゚,
}:./ イ. ! i:.:.:i|′ ∨i \: :ハ \:.:|: :.i 〕:.ハ
. /:.{ /|:.:| i: : i「`¨ ー リ \:}x㍉ヾ! :.「{:.:.:.i 万が一、ソ連がフィンランドとの
':.:.:.∨/|:.:| i: : i|=元テミ /fi刈 //i: :.| 〉:.:.| 戦端を開いた場合、
i:.:.:.:〈/l |:.:| i: : i|弋zツ ゞ'″{:.i::. |V:.:.! 我が国がこれを黙認することはできないわ。
|:.:.:.:〈八|ぃ i: : i|  ̄ 、 ':.i:.: |/:.l:.|
lハ:.:.:.:.:.:.|:. ∨:..j|ι ┐ :′!/.|:.:.:!:′ 今度こそフィンランド全土が
|! ゚,:.:.从:.: ∨:j| \ /__ノ /│:.:′!:.:ノ ソ連に併合される恐れがあるもの。
| }:.:/}:.::.:.:. ∨|ィ:} > .,__,ィハ、:.:.:|:./:.:.:レ'
ハ:! 乂:.:.:.:.:リ:. ノ. ト、:.:.:: _j/¨x≪¨ヽ ノルウェー駐留軍に、
,x≪:--斗'. /: : : : :r/:/. \ 万全の準備を取らせない。
/i:i: : : : :∠ /: : : :/i/: / / i
. / :i:i : : :/ `ヽ./: : : :/i/: /. { ′. | もしもの場合はフィンランドへ派遣するわ。
/i : i:i: : /======ミ/: : : :/i/: / ∨ ‘,
. {/l : i:i: / ./: : : :/i/: /. | _ ∧
. / :l : i:i ' ./: : : : :/i/: イ. || / -- \ 、
. { :l : i:i{ .イ : : : : : イi/. |レ:./ \ヾ,
ヒトラーは、もしもの時はノルウェー駐留ドイツ軍を使ってフィンランドに軍事介入するよう
国防軍に方針を伝え、北欧はにわかに火薬庫と化し始めた。
563 : ◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:34:57 ID:VmLCEHC60
-─== ==ミ
/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:、:.:.:.:. \
,:':.:.:.:.:/ 二二二 \:.:.:.:.:.ヽ
r'7:.:.:.:./:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.l:.:.:.:.|`了
/〃:.:.:.:.:.:.:/ ヽ:.:.:.:.:.、:.:ハ:.:.:.:.:|\}
/廴!:.:.:.:.:.:N\ ハ:.:.:.l:.Χ从:.:.:.:|イ:|
| l:/|:.:.:.:l:.:.芹ミ、\:l ィ笊Υ:.:.|∧| (事と次第によっちゃ、
l //:.:.:从│匕リ 匕リ |:.:.:.| |ハ
〈//:.:.:.:i:.:ハ ′ ム:.:.:| |:V バルバロッサの計画を
V |:.:.:.:|:.:.:.:ヽ ´ ` イ:.|:.:.:从ハ!
八:.:.:ハ:.:.:.:.:.:≧= =≦{:.:/:.:イ:./ / 繰り上げなきゃいけないわね・・・)
V┬‐:=Vノ V≧x __
/ |:i:i: : : : |ー --/: : : : :./iト.
,r ’ |:i:i: : : : |=====ミ:' : : : : :/i// ヽ
/ |:i:i: : : : | / : : : : /i//
./ :!八: : : :| ./ : : : : /i// i
/ i ,ト、 ハ: : :| fハ ./ : : : : イ才 ___|__
.′ ゝ/ { \ヽ l /: : :ィi〔/r‐f{´ {
{ '⌒Y 、 ヽム .イ=彡 .イ ! 〉
564 : ◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:35:22 ID:VmLCEHC60
フィンランドは改めて部分的にソ連の要求を拒絶し、両国の交渉は2月18日には完全に破綻してしまった。
そして、フィンランド側が最後通牒にも関わらず頑なに抵抗したことは、
ソ連に予想外の動揺をもたらす。
,.⌒,ヽ γ⌒、ヽ
〈/●ノ\ 人● ヽ〉
ヽ彡' ヽ / ヾ_ノ やる夫・・・フィンランドは受け入れられないの
) Y ( 一点張りだ・・・
/γ⌒ ⌒ヽ\ まったく譲歩する様子がない。
/ | | ヽ
| u ヽ__人__ノ |
\ `ー'´ /
___
/ \
/ノ \ u. \ ま、まだ分らんのか、あの連中は・・・
/ (①) (①) \
| (__人__) u. | ドイツはどうした!?
\ u.` ⌒´ / ベルリンに変化はないのか!?
ノ \ 我々の対案への回答はまだ来ないのか!?
____
/ \
/ \ 同志、フィンランド国防軍参謀本部の高級将校が
/ \ / \ ベルリンを訪問しドイツ軍高官と接触したとの情報もあります。
| (●) (●) | 名目上は対仏戦での実戦経験の伝達交流らしいですが・・・
\ ´ u /
/ ⌒ \
565 : ◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:35:44 ID:VmLCEHC60
___
/ \
/ ノ ヽ\ ・・・その席上で、
/ u (●) (●)\ ドイツ側が、ドイツ軍の介入があった場合における
| U __´__ u | フィンランド軍の対ソ防衛戦略の説明を
\ `ー'´ / 要求したとのことで・・・
ヽ < ∩ノ ⊃
| ⌒ヽ i |/ _ノ
| ヽ \ / /
____
/ u \
/ / \\
/ し (○) (○) \
| ∪ (__人__) J | ・・・・・・
\ u `⌒´ /
566 : ◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:35:54 ID:VmLCEHC60
,.⌒ヽ γ⌒ ヽ
〈 ● ノ\ /\● 〉
ヽ彡' ヽ / ヾ_ノ
. ) Y (
/γ⌒ ⌒ヽ\
. / | | uヽ
. | u ヽ__人__ノ | ど、どうする・・・?
\ `ー'´ /
/⌒ヽ ー‐ ィヽ 本当にフィンランドを攻撃するのかい・・・?
/ ,⊆ニ_ヽ、 |
/ / r─--⊃、 |
| ヽ,.イ `二ニニうヽ. |
____
/ \
/ U u \
/ _ノ ::::::: ゝ、 \
| (○) (○) u | ・・・・・・・・・
\ u (__人__) ,/
/ `⌒´ \
567 : ◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:36:06 ID:VmLCEHC60
___
/⌒ ー、\
/( ①) (①)\ は・・・ははは!し、仕方がないな!
. /::::::⌒(__人__)⌒:u::\ ヘルシンキも十分ちびりあがっているようだし、
cー、 | U |r┬-/ ' u |⌒,一っ これくらいにしておいてやろうではないか!!
,へ λ \ `ー‐' / 入 へ、 ペッツァモなど所詮はささいな問題だ!
<<</ヽ /\>>> 我々は今、世界をどうするかの話をしてるんだからな!!
,.⌒ヽ γ⌒ ヽ
〈⌒ ノ\ /\ ⌒〉
ヽ彡' ヽ / ヾ_ノ
) Y (
/γ⌒ ⌒ヽ\ そ・・・そうだね!
/ | | Uヽ 新任の駐フィンランド大使を改めて派遣しよう!
| u ヽ__人__ノ | 隣国同士がいつまでもいがみ合っていては
\ `ー'´ / 国益を損ねるというものだ!ははは!
568 : ◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:36:16 ID:VmLCEHC60
フィンランドの強硬な態度に対して、ソ連は事実上手詰まりになってしまい、
最後通牒以降も実際に軍事行動に踏み切ることはなかった。
―‐ 、
/ .:ヽ
/ .:.:.:.:,
| .:.:.:.:.:.:.:}
\ .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ノ
/ .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
(_ .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
| i ! .:.:.:.:.:.!
(__ゝ ____,_ノ
:::::::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::
・・・やる夫は、ひたすら、ドイツからの返事を待ち続けていた。
何をやってもヒトラーからの反応はなく、次第にやる夫の手札はなくなっていき、
黙って待っていることしか出来なくなっていったのである。
569 : ◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:36:33 ID:VmLCEHC60
___
/ \
/ノ \ \
/(●) (●) u \
| u __´__ U | ちょっと・・・同志モロトフ。
\_ `ー'´ _/
⊂ ヽ∩ / \ 実際のところどうなんですか。
'、_ \| |
\ \ / /
,.⌒,ヽ γ⌒、ヽ
〈/●ノ\ 人● ヽ〉
ヽ彡' ヽ / ヾ_ノ
) Y (
/γ⌒ ⌒ヽ\ なにがだね?同志ベリヤ。
/ | | ヽ
| ヽ__人__ノ |
\ `ー'´ /
570 : ◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:36:44 ID:VmLCEHC60
___
/ \
/ノ \ u. \ 我が国の枢軸加入の可能性ですよ!
/ (●) (●) \ 待てど暮らせど返事が来ないじゃないですか!
| __´___ u. | 黙殺されてるんじゃないですか!?
\ u. `ー'´ /
ノ \
,.⌒ヽ γ⌒ ヽ
〈● ノ\ /\ ●〉
ヽ彡' ヽ / ヾ_ノ
) Y (
/γ⌒ ⌒ヽ\
/ | | ヽ
| ヽ__人__ノ | ・・・・・・
\ `ー'´ /
571 : ◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:36:55 ID:VmLCEHC60
____
/ \
/ _,ノ \ \ その代わり、私のところには
/ (●) (●) \ ドイツがソ連攻撃を計画してるという情報が
| u __'__ | 次から次へと舞い込んでいるんですよ!?
\ L::::ノ /
,.⌒ヽ γ⌒ ヽ
〈● ノ\ /\ ●〉
ヽ彡' ヽ / ヾ_ノ
) Y ( ・・・もし、ドイツにその気がないのだとしても・・・
/γ⌒ ⌒ヽ\
/ | | ヽ 対独戦は避けなければならない。
| ヽ__人__ノ |
\ `ー'´ / いま奴らと戦っても勝てない。
572 : ◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:37:09 ID:VmLCEHC60
,.⌒ヽ γ⌒ ヽ
〈 ● ノ\ /\● 〉
ヽ彡' ヽ / ヾ_ノ
. ) Y (
/γ⌒ ⌒ヽ\ ドイツを刺激するわけにはいかない。
. / | u | ヽ
. | U ヽ__人__ノ | ドイツに開戦の口実を与えてはならない。
\ `ー'´ /
/⌒ヽ ー‐ ィヽ 僕たちは、ドイツとの友好を演じるしかないんだ。
/ ,⊆ニ_ヽ、 |
/ / r─--⊃、 | 一秒でも長く!
| ヽ,.イ `二ニニうヽ. |
___
/ \
/ ノ ヽ\
/ u (●) (●)\
| U __´__ u | しょ、正気ですか?アナタ・・・・・・
\ `ー'´ /
ヽ < ∩ノ ⊃
| ⌒ヽ i |/ _ノ
| ヽ \ / /
573 : ◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:37:20 ID:VmLCEHC60
・・・すでに、対独協調の可能性が限りなく低くなっていたにも関わらず、
やる夫はドイツとの戦争を回避しようと思うばかりに、独ソ協力の幻想にしがみ続けた。
____
/ ∪ \
γ⌒) ノ三三三ゞ(⌒ヽ 返事は来る!
/ _ノ (>)三(<) \ `、 ヒトラーからの返事は必ず来る!
( <:::∪:::::(__人__):::::∪| ) 奴がこの提案を蹴るはずがないのだ!
\ ヽ ::∪::::` ⌒´∪:://
年が明けて以来、海外の諜報員からドイツ軍の「バルバロッサ」に係る
かなり具体的な情報が多数寄せられていたにも関わらず、やる夫は決して信じようとはしなかった。
574 : ◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:37:33 ID:VmLCEHC60
__
_,,,, -‐''''.´ ̄  ̄'''ー=x
/''::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`'=、
/::::::::::::::::::::._;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;_::::::::::::::::::::|
::::::,, -''゙ ̄_ ,,. __ _x_ __ `'''::、::::::::i
゙Y゙ ィ '´_,,,;;::==--竺:-=::ミ、-.`ュノ
=:}''ッ〔c_゙::::::::::: ..:::::::::::::::::::..`‐ミ{ 同志やる夫。
:Tヽ;:;;/`'ァ‐。x;;;,___,,,;;;;ィTi、__
.{.iヽY (_ _ノ〉 K(´゚ )`l:/ }::::、゙ヽ、 赤軍参謀総長として
::ヾ,`| | ゙ー ,lイ /;;:;:ヾ、::.\ 軍の部分動員を提案します。
,w'゙Yl rV'〉 .,!ソ'' "ミ::jノ:::::::::::`ー
, .}ミi、 ` ' /ミリ ミ ミ::::::::::::/i::::.. 目下の状況では「万が一」の事態に
ミ,, ヾiミヽ, -=ニニニ= ,,ムジ ,,ミ'゙::;ィ゙:://:::::::. 十分な措置を取れません。
:::ミi, l:;:;ゞiミx、_ _,,,イミジ 彡゙://::/./::::::::::::
:::::::ミ、ヾ、:;゙ヾi}エケZ゙エヅ:/ ミ:;ィ゙ ,,イ::j'./:::::::;;;;_::
____
/ノ ヽ、_\
/( ①)}liil{(①)\
/ (__人__) \ なに!?駄目だ駄目だ!
| ヽ |!!il|!|!l| / | そんなもん許可できん!
\ |ェェェェ| /
575 : ◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:37:47 ID:VmLCEHC60
/ ,,,, -‐ '''' " ̄""''‐-,,_ \
/ /´,,-‐'' """""'''' ‐- 、. \ \
,l 〆Θ='''' """ ン フ''ミ=oァ `\ヽ l
〈 (;;''" _,, -‐'",,=,,゙"'‐、 ヽ::::\ ヽヽ | しかし、ドイツ軍は明らかに
〉' _ェ、'ゝ;"´l `i ' l:::::::::::\`i|ン'
/´-イ,"-,l ` ,ゝ・‐´ i:::::::::, 'ニ、ヽ, 旧ポーランド地域への集結を開始しております。
`´ l l ・' ゙''..:::':::`::}..l..
i´ ヽ、テ ,:: -――‐- 、 我々は均衡を図らなければ
l ` _.. -‐- 、 /;;;;;;;''''',, '':::::::::::`:ヾヽ、
`、 , ',´‐ '"´´ /;;;;;;''''' ,,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,,\\ 国防の任務を十分に遂行できません。
`、. '´ .l;;;''''',,,,;;;;;;;;''';;;;;;;;;;;;;;;;;;,,,,,,'''';;;;;;ヾ.、
ゝ .::::|,/: : : : /`'';;;;> 、"''''''';;;;;;,,,;;;;;/ せめて西方軍管区だけでも部分動員を・・・
,r'´;;;;;;;ヽ-‐ '':::" |: : : : :l;;;;;;'''''''',,,,,,,,,,,,;;;;;;> \;;ヽ
':::::. ;;;;;;;;;;;l i;;;; :::::l|: : : :ノ'',,,,;;;;;;;;;;;;'''''''" ,,,,,,,,,,
..::: . .:: ;;;;;;;;;;lリ;;;;;;;;;;/: : : i;;;;;;;;;;'''''' ,,,,,,;;;;;;;;;;;;;;;; ; ; ;
___
/ヽ、 _ノ\
/ (①) (①)\ め、めったなことを言うな!
/ (___人__) ..\ 一体何の根拠があって戦争の可能性をあげつらう!
| u ノ ヽ, | 部分動員など、ドイツを刺激し
.\ (/⌒ノ´フ ./ あらぬ敵意を呼び起こすだけだ!!
. .> . ̄ ̄´ <.
576 : ◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:38:00 ID:VmLCEHC60
_, -‐‐';;´;;;;;; _ ...'''' -‐===‐- 、ヽ
,, ( ) ̄;; .. -‐ ' ´ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,, ''';;;ヽ.
,,, -''' _,,, '"ヾヽ、 ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;''' '';;;;ヽ
'''' _,, -''':::::::::::::::,ヽ、 ヽ、 _ ;;;;;; _ ..... ---―‐--―‐‐ヽ
, ´ _ `:::::::::::::,,::'''' ''゙`ヽ、 ___ , .,,,、ァー,--,-‐―_-_ゝ
/ / `;;:::::,,'' '´ ----―・ナ´,゙〃シ l
i i. < ;;::::; ` ̄ ̄-‐´-___ュz. `、
! ト 〈 ''::; ´ / 同志やる夫!!
、ヽ`ー 、.l ! __/
:ヽ、ー゙'´ ,、 ィ, ´, ´ ,, 我が国の国防を考えるうえで、
"'',,  ̄ 、、ヽ ,У、 ",, 対独戦の現実性は避けて通れません!!
、 ,,""ッ, ヾ.、 // ̄, ̄二ニニニニチ./ ,:.:.:.,i '',,
"'' ,, '',,:.:`〒==ミ、 ヾー´ ̄ ._ l' /:.:.:.l| ,,''
"'' ,, '',,:.:.:.:`:.、 `〒===〒 ̄ヾ / /:.:.::.:.i| ,,''
____
/ ∪ \
γ⌒) ノ三三三ゞ(⌒ヽ うるさい!黙れ!聞きたくない!
/ _ノ (>)三(<) \ `、 ドイツが対英戦も収まらぬうちに
( <:::∪:::::(__人__):::::∪| ) 戦争を仕掛けてくるはずがないだろう!!
\ ヽ ::∪::::` ⌒´∪:://
577 : ◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:38:27 ID:VmLCEHC60
____
/ \
/ \:::::::::::/ \ いいか!分かっていないようだから教えてやる!
/ (①):::::(①) \ かのビスマルクは二正面戦争は避けよと言った!
| (__人__) u | ドイツ帝国が負けたのは、皇帝がこの箴言を破ったからだ!
\ . |┬-r| / ヒトラーは同じ間違いを犯さない!犯すはずがない!
/ `ー´9mー )
`ーー‐'゙
∩_
〈〈〈 ヽ
____. 〈⊃ }
/ \ | | 故に!奴は我々と手を組む!
/ ヽ、 _ノ \ ! !
/ (①) (①) \| l 東部国境の静謐を護る為に!
| U (__人__) .| /
\ |i||||||i| // 少なくとも、イギリス降伏までは
/ __` ー' /
(___) / ソ独友好は継続可能なのだ!分かったか!!
,. r ´ ,. r ´三三:::::::::::三三:::::::::::::::三三:::::::::::\)}
r―――´ ,、r ´三三:::::::::::::::三:::::::三三:::::::::::三三三三::::\
__ヽ ○ _,.< ` 、三三三 三:::::::::::::::三三:::::::::::::::三三三三ノ≧
;;;;;;;;;;;;;;;`: : : : ,;;> 、 ` ー 、三::::::::::::::::::::::::::三:::::::::::::::三,.:::r' 二>´
ヽ;;;;;;;;;;;;;: : : : : : : : :/ ` 、 ` ー ---------- ― ´ ,. ィフ ´
};;;;;;;; : : : : : : : : :{ `。 ー -, ____ ,. - ィ - ‐。´ / {
} ;;;;;;; : : : : : : : : ∧ /: : : : : : : : : ' ' ' {;;; _ = = ,'
, ;;;;;; : : : : : : : : `====: :三: : : ' |!! ´ ,. '
ヽ ;;; : : : :ニ二二二 ̄ ≧〃 {`' , ' ' ・・・同志やる夫。
;;;; u し´ ヽ, ;
/ | 確かに政治的な理屈は通っているかもしれませんが、
,. ---,ノ |
,. .,_ し {ニ- ,r/ -、 /j 小官は軍事専門家としてあくまでも・・・
r´T ` ^>ー ノ /`
く `ゝ、 ´_ ,.、ー´ /
∨ , `'ー ´ ̄`ー―=,‐´ー /
578 : ◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:38:53 ID:VmLCEHC60
____
/ノ ヽ、_\
/( ①)}liil{(①)\
/ (__人__) U\
| u ヽ |!!il|!|!l| / | 黙れと言った!!!分からんかぁ!!!
\ |ェェェェ| /
/ `ー' \ |i
/ ヽ !l ヽi
( 丶- 、 しE |そ ドンッ!!
`ー、_ノ ∑ l、E ノ <
,=、
/ミ三 ,ィ壬{
,;=ニ三三二ニ'< 彡=}
, 'ヾニ三ニ彡'´ヾ;;三ミkイ
,' ,,,,,,┐┌,,,,,,,,,ヽ マミミヾl
/ /.ヾ (. ヽ マジヽl (もうやめろジューコフ・・・
k ミ彡= ミ彡 ij ソノ,l
/ |` (_,,,) 丿 ''';;;| わしの忠告を思い出せニャー)
. / 〃〃 ヾヾヾゞ ´i U ソヽ
ゝ --─-- j ,,,ノ:;:;:;:;ヽ、_
_ォ:;:;丶、 こ二_,,, ´ ソ´:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;ヽ、
':;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;||:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;ゝ、
:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:○:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;
゙i;:;:;:;:;:;:;:;i、/////////////:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:V/////////////////////∧
;:;:;:;:;:;:;:;’ミ≧ー--.>─‐<===ニニ==‐-‐>──<──‐t--‐‐''
, -‐-.V;:;:;:;:;:’ ヾ、 イ. ・ .V二=─=二/ ・ ∨ ,彡;:;:,’.-、
,':.:>-、 ヽヾ;:;{ ゝ‐''¨ ̄¨.彡’,イ 二=二;'::∧___ / ´';/''´ i
| i ハ V{ , - _.,, 三 ´== }、V_ - :` .;{ ,イ . i
i i > .{i ヾ 、 .`¨=''´ ゞ⌒ .ヾi `"⌒ ・ .}; / } .i
i ヾ { li ヾ ミ、 、 _ i} . 彡 i V / ,'
.V ヾ、 ヾ i. 、 ミヾ 、 /:.:.:.¨=彡、 ・;’ , i イ } .,' ・・・・・・
ヽ ヾゝ、 .i. ; ,. ゙ ∠:.:.へ:.:.:.,イ,ヘ:.:) , : i 、ュイ ./ヾ、
-‐‐…ゝ、 i; 〃 ' ゞ `ゝ-‐''¨´ 、 , : .i ィ彡彡ゝヽ、
´¨´:.: .:.:..{:>、_∧ / ,三'' ' ` ヾ、 .'-<:´:.:ミ 三ゞヾ
〉─-- >-. ´.> ´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ `ヽ ヾ //ハ:.:.:.ミ }
:.: .: Vヽ、 `''ー  ̄¨¨¨ ‐‐--、 { > 、 ヽ/ ィ/i.}ハ:.:.:ミ ,’
1940年2月、ジューコフは軍の部分動員をやる夫に進言したが、独ソ静謐に固執するやる夫はこれを受け入れなかった・・・
579 : ◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:39:17 ID:VmLCEHC60
____
/ \
/_ノ ヽ、_ \ どいつもこいつも、口を開けば戦争戦争と・・・
/(①)三(①)) .\
| (__人__) U | なにも分かっていない臆病者めが!!
\ ヽ|r┬-| / /
/ `ー'´ \
_-―――- 、._
,-"´ \
/ ヽ 大丈夫だ・・・ヒトラーは必ず我々と手を組む・・・
./ ::::::::::::::::::::::::ヽ
| U :::::::①:::::::::::::::::::ヽ 手を組むはずだ・・・
l :::::::::::::::::::::::::::::::::;l
` 、 u (__人_) .;/ ヒトラーの回答が遅れているのは・・・きっと理由がある・・・
`ー,、_ /
/ `''ー─‐─''"´\ 何か理由が・・・調整不足なのか・・・?どこが・・・
580 : ◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:39:37 ID:VmLCEHC60
____
/⌒ ⌒\
/( ①) (①)\ そ、そうか!分かったぞ!ブルガリアだ!
/::::::⌒(__人__)⌒:::::\ ブルガリアでのソ独の権利分配が問題だ!
| u |r┬-| | ヒトラーはブルガリアを諦めきれんのだ!!
\ `ー'´ /
___
/\:::::::::/\.
/:::<◎>:::<◎>:::\ そうかそうか!だから返事を寄越さないんだな!?
/::::::::⌒(__人__)⌒::::::\ よ、よし!それくらいなら譲歩してもいい!
| ` ー'´ u | ブルガリアへのドイツ軍駐留を認めてもいいだろう!
\ u ::::: / ソ連の権利を承認するだけで、こちらは満足だ!
/ ::::::::::::::::::: :巛 ̄ヽ
/ , :〈⊃ ̄( .}:
581 : ◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:39:47 ID:VmLCEHC60
____
/⌒ ⌒\
/( ①) (①)\
/::::::⌒(__人__)⌒::::: \ おいヴェーチャ!
| U |r┬-| |
\ `ー'´ u (⌒) この旨いますぐドイツ側に伝達しろ!
> ノ ~.レ-r┐、
/ ノ__ | .| | | 奴らすぐに食いついて・・・
| 〈 ̄ `-Lλ_レレ
|  ̄`ー┬--‐‐´
,.⌒,ヽ γ⌒、ヽ
〈/●ノ\ 人● ヽ〉
ヽ彡' ヽ / ヾ_ノ
) Y ( やる夫・・・その・・・ブルガリアの件なんだけど・・・
/γ⌒ ⌒ヽ\
/ | | ヽ
| U ヽ__人__ノ |
\ `ー'´ /
582 : ◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:40:09 ID:VmLCEHC60
., ´,⌒ ヽ γ⌒ 、ヽ
(/ο ) ( ο ヽ)
ゝ_ ノ\ 人 _丿
.Y ヽ / /
) ヽ/ (
./ u.ヽ、 ブルガリアが・・・ドイツと同盟を結んだ。
/ / ヽ i
{ u | } } 我々の断りなしに・・・
i ゝ___人__丿 /
ヽ ` ⌒ ´ ,'
/:::::::::|::\゙_>介 √!;::::::::\
./:::::::::::::::\:::ヽ };;{ |::/:::::::::::::::ヽ
./:::::::::::::::::::::::ヽ::ヾ::}〃::::::::::::::::::::i
/ ̄ ̄ ̄\
/ ─ ─ \
/ <○> <○> \
| (__人__) |
\ `⌒J´ /
/ \
583 : ◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:40:27 ID:VmLCEHC60
/ ̄ ̄ ̄\
/ ─ ─ \ ブルガリアが・・・枢軸国に・・・?
/ <①> <①> \
| (__人__) | ソ連の・・・我が国の枢軸加入は・・・?
\ `⌒J´ /
/ \ ドイツはなんと・・・?
,.⌒,ヽ γ⌒、ヽ
〈/●ノ\ 人● ヽ〉
ヽ彡' ヽ / ヾ_ノ
) Y ( ・・・まだ何の回答も・・・
/γ⌒ ⌒ヽ\
/ | | ヽ 何度問い合わせても・・・
| U ヽ__人__ノ |
\ `ー'´ /
584 : ◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:40:49 ID:VmLCEHC60
| |
:} 〉
′ {
:| |:
:/ |:
// |: ・・・ソ連を無視して、ブルガリアだけ・・・?
// |: そもそもブルガリアは、
:/ |i いつになったら我が国と相互援助条約を結ぶんだ・・・?
i,' ||
l|: |: ドイツもブルガリアも、公然と我々を無視して・・・
:|: ,::.. |:
:|: /::.:.:. |i いったい何なんだこれは・・・
i|: / ̄`ヽ::. || どういうことなんだ・・・
:|: | .::ノ:::. |:
:|: | :/ \ /: /: //:
:ヽ_人._____/:. /_/´
585 : ◆J7qCZtZxmc:2016/10/10(月) 20:41:45 ID:VmLCEHC60
――― 1941年3月1日、ドイツがソ連の提案を無視し続けるなか、ブルガリアが枢軸に加入。
50万規模のドイツ軍が同国に進駐する。
, ―――― - 、
, ; ' __ ヽ
/ _ノ ≦三三三≧_`ー ニ、_ \
/ ,/ r-、ヽ三三三三ニ7 l⌒ヽ il} ヽ
/ {li! 、_ノ ム三三三三ム ー' リ ' ∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧
,' >=─、彡⌒三三三ニ⌒ヾ´ ̄ ̄` ', < >
i { 三三 } i < 何故なんだ畜生ぉ!! >
| U \___ , ヘ __/ | < >
|. |:::::::::::::::::::::::::| し ,' VVVVVVVVVVVVVVVVV
',ュ !:::::::::::::::::::::::::! ./
\ u . |.エエエエエエエ.| /
>. └‐───‐┘  ̄\
,. ´ \
ソ連はブルガリア領内のソ連権益を尊重するようドイツ側に申し入れたが、それだけだった。
周辺地域がヒトラーによって切り崩されていくなか、もはやソ連には口先だけの抗議以外、とりえる手段がなくなっていたのである
もはや、主導権は完全にヒトラーに握られてしまっていた。
【第六十一話 カウント・ダウン 前編 終わり】
第六十二話 カウント・ダウン 後編 に続く・・・
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次回
『超高速独ソ戦』
お楽しみに!
続ききた!いよいよ独ソ開戦。
独ソ同盟……万が一にも実現してたら、現代社会の
姿が一変してたかも知れないと思うとぞっとする。
エターになってたかと心配していましたよ同志!
独ソ戦ってナチス・ドイツにとっては何の利益にもならないと現実主義者のスターリンは思っていたわけで、まあ実際そうなんだろうけど、誇大妄想的なヒトラーには通じなかったわけね
>>そ、そうそう!
>>それに所詮は図上演習!!
>>実際の戦場では往々にして何が起こるか分かりませんから、
>>机上の空論だけで語るわけにはいかんのですよ!
これに対してブチ切れてパブロフとメレンコフを解任してジューコフを参謀総長に任命するスターリンは有能だなあ
少なくとも総力戦研究所のシミュレーションで日本必敗の結果が出たら
「…これはあくまで机上の演習でありまして、…戦というものは、 計画通りにはいかない。…(この演習の結果は)意外裡の要素というものを考慮したものではないのであります」
「この机上演習の經緯を、諸君は輕はずみに口外してはならぬ」
とか言い出しちゃう東條英機よりはずっと
独ソの連携は日本がかなり当てにしており、対米関係の行き詰まり打開の切り札と期待して
日ソ中立条約の締結、敗戦直前のソ連参戦による不意打ち、そして北方領土問題と
現代まで連綿と続く事柄の遠因でもあるので笑えない。
続ききた!まってたよ!
日本側やドイツ側、そして米英側から見たWW2前後話はよく目につくけどソ連はなかなか見つけられない・・・
見つけても大抵ドイツのオマケで「畑から兵士~」「数のゴリ押し~」とかで
日本で言うなら「日本人は皆メガネ出っ歯のカメラ持ち」のような偏見と嘲笑ばっかりで誰も具体的な話をしない
そこにくるとこの作品はソ連の流れがとてもよく解りやすい上に面白い
見るのを楽しみにしています!
[ 88973 ]
ソ連軍は実際問題強いんですけど、どうしても心情的にそれを認められない人たちが多いのでね…
ttp://www.geocities.co.jp/SilkRoad/5870/RKKA.html
↑のHPにソ連軍側の戦記の翻訳が結構載ってるので、暇な時に読むのにおすすめですよ
やったねやる夫君!
基地外が来るよ♪
山越え谷越えてどこまでも
シベリア開発しといて良かったね
※88973
ある意味仕方ないわ
全てをヒトラーの責任に押しつけて、実際はヒトラーとどっこいどっこいの考えでソ連相手に完敗しながらも、戦後の再建のために
対ソ戦のエキスパートを自称し続けて、その存在価値を西側諸国に
認めさせなければならないドイツの敗将たち。
その将軍たちを自らの功名心として利用するため、彼らが"有能"でなければならないとした
イギリスのリデル・ハートのような輩がいる。
そして肝心かなめのソ連は敵が「ソ連は数だけの無能」だと、そう思い込んでくれたら好都合とばかりにそれを否定しなかった。
何もかも全部後手どころか的外れ・・・
まさかヒトラーがイギリスも屈服させていないのにソ連に侵攻して二正面作戦をするほど馬鹿じゃないだろう、という考えは至極真っ当なものに思えるが、相手を舐めきっているヒトラーには通じなかったと。
冬戦争での醜態が高くついたって事なのかねえ。
まあ日本にも二ヶ月もあれば対支作戦は終了するって見込んでいた某陸軍大臣もいるんだが。
相手をとことん見下してるのが共通点かな?
もちろん開戦当時の国民党軍も赤軍も日本軍やドイツ軍に比べればくっそ弱かったのも事実だが、総力戦はそんなに単純じゃないよねって話
>>88980
腐った納屋はドアを一蹴すれば倒壊するって思う…思わない?
>>88980 総力戦はそんなに単純じゃない
一言で言うなら、確かにそうとしか言いようがないな。総力戦は泥沼みたいなものだから、
「やっぱり大国、百万人タヒんでも大丈夫!」みたいなのが勝敗の決め手みたいな感じだもの。
>>88981
腐った納屋のドアを一蹴りしたら中から出てきたのは飢えた赤熊でしたの巻
>>88982
ちょっと話がずれるんですが、日本の戦死者って確か軍民合わせて300万人くらいらしいんですが、当時の日本って人口は8000万人とかなりいたので、敗戦間際になっても上層部はまだ大きな損耗じゃないと判断していたそうで。
1945年6月の御前会議で報告された『帝国国力の現状』では、物的国力の惨状は赤裸々に報告されている一方で、
「三、人的国力
人的国力は戦争による損耗も未だ大ならず。物的国力に比すればなお余裕あり。ただ、その使用概して効率的ならず。動員及び配置は生産の推移に即応せず」
と考えていました。
沖縄戦を除けば本格的な本土決戦をやっていなかった分、空襲による被害はあったとは言えまだ大きな損耗ではないと捉えられていたそうで。
>>88980
軍事的には2カ月で対支作戦が終了するとした見通しは間違ってないよ
事実逆襲して首都南京占領して講和交渉、それも蒋介石は受諾の意思を示していたんだからさ
ところが首相の近衛が暴走したから泥沼化した
>>88970
日本の場合面倒なんだよ
極度の縦割りだったから総合的に検討する機関がない。
海軍は基本戦略や真珠湾攻撃構想を陸軍にさえもらしてない
海軍から「アメリカの潜水艦は大したことない」と言われたら話は終わり
勿論総力戦研究所ごときにこういう情報は入らない。
国力からマクロ的検討は出来ても、軍部は用兵(作戦)があるからこのようにならない、となる
言ってみればソ連は舐めプしてたけど(凄まじい被害は出したが)最終的にはドイツに勝ったんだもんな
やソ神
>>88983
空襲って(実際に受けた民間人にとっては地獄だけれど)、すでに総力戦に突入済みの国家にとっては、戦争継続不可能レベルの決定的な打撃にはなりにくいらしいですね。
いや~、総力戦って全く想像を絶して恐ろしいのですね。
しかし、一般人を含めた国民が犠牲になる百万単位の無差別大量虐殺には耐えられるのに、石油というか、産業エネルギーがないのには耐えられないのか、そうなのか…
ソ連軍は強いというか、その、
おかしい。
※88991
近代文明は如何にエネルギー(石油石炭)を効率的に使うかで発展してきたので
それを妨げられるのは動脈を切られるようなもの。
戦車や船を動かすだけでなく化学肥料を合成したり製塩した産物を
全国津々浦々に届けるにも人力や牛馬では満足に行き渡らない。
戦災で100万の人間が死ぬけどエネルギーが無ければ数千万人が死んだかもしれないんだ…
初動が遅れたせいでいったいどれだけのソ連国民が無駄に命落とすはめになったやら
それでも勝てるんだから凄いっちゃ凄いが粛清しまくって
人材不足招いたり
スターリンって権力闘争には強くても戦争まるで駄目な点が
共産党仲間の毛沢東と微妙にダブるな
↑その理論さ、ヒトラーや東條やムッソリーニにも当てはめてみたら?
ヒャッハー続きだー!待ってたぞ!
次はいよいよカウント・ゼロか
[88997]
[88996]だけどやはり創作みたいにはいかないというか政治と軍事の才能は別物って事なのかね
アタチュルクやチトーみたいに軍や武闘派の出だが政治もやり手とか
そんな文武に優れた人物は希少なのかも
あと東條はこの顔ぶれの中じゃ小粒すぎるし権謀術数にも長けてたとは思えない…
>>88996
なんでや毛沢東は軍事の天才やったやろ!!
権力闘争でもとんでもなく強くて、戦略の天才で、人心掌握に優れて…やっぱ主席は最高や!
なお経済に対する理解
「天才は天才を知る」というが、狂人・ヒトラーの思考は同類のスターリンですら読みきれなかったか……
ヒトラー・スターリン共に傲慢ながら、「歴史からの学び」に対しては妙に真摯な敬意を持っている点は共通している。
「ナポレオンの愚」「ヴィルヘルム2世の愚」は、「歴史の徒」としてありえなさすぎるほどありえない選択で、
スターリンすら踏みとどまった一線を、ヒトラーは越えてしまったんだなあ……。
絶頂期のヒトラーは、「歴史に学ぶ」を卒業して、前例にとらわれず、
「自身が人類史を創る」気でいたのかもしれない。
スターリンは他人も他国も信じられなくってそこらじゅうにスパイ潜り込ませてたのにせっかくのそのスパイの報告を信じないことが結構あるから面白い
疑心暗鬼を拗らせすぎるとこうなるのか
動員に対するアレルギーや価値観は共通なんやな
第一次大戦が悲惨すぎたからねしょうがないね
なおこの後
外相辞任したはずの真紅がすぐに大臣に復帰してるとはちゃっかりしとるなフィンランドも
ソ連からクレーム来なかったのか
歴史を問うなら普仏戦争後のビスマルク体制はドイツにとってフランスが脅威だったからこそロシアと三帝同盟や同盟解消後に再保障条約を締結したのであって、フランス占領下に置いたドイツがロシアソ連と同盟結ぶとかないは、ロシアにとっては赤軍のだらしなさ故の安全保障上ドイツとの同盟が必要でもドイツにとってはロシアとの同盟結ぶ前提条件がなくなった。
フランスがいない今この瞬間だからこそドイツはロシアを叩き潰そうとした、ドイツの東西両面に敵をおくことを避ける為に。ソ連が親ソフランスやイギリスと秘密軍事条約をむすばさせない為に。
国土がでかいって事は、それだけで防御力が違う。
相手の攻撃を受け切って反撃する事もたやすい。
結局、基本に忠実で地の利を弁えているジューコフのような「わかっている」軍人がいれば・・・
ただまあ、相手が粘るとスターリングラード攻防戦のようになってしまうのが難点だけど。
あと寒いし。それと寒いし。それに寒いし。
あ^~ソ連の縦深が羨ましいんじゃ~
大体、損得だけで戦争が始まったり、終わったりするなら、英国はダンケルクの時点で「理性的に」ドイツとヒトラーの手を取って講和しとくのが最善手だったんだよ。バトルオブブリテン始まったその日に英中銀は国庫の破産を宣言したぐらい財政的にギリギリだった中、総力戦なんかした結果、海外利権はレンドリースの「かた」としてアメリカに二束三文で多くを持っていかれ、インドは独立し、56年のスエズ動乱で格下だったはずのアメリカに脅され引き下がり、威信は失墜、大英帝国は完全に崩壊。ヒトラーと手を組んどけば20世紀後半も帝国を保持できただろうに。
>>89030
「縦深」
島国日本にとっちゃ見果てぬロマンやの。
なお材料は数百、数千万人の自国民の人肉の模様。
なお中露からアメリカを攻めるにはNATOか日本を突破せねばならず海上とはいえ5000kmの縦深を確保している模様
カナダ経由があるじゃあないか
オストプロイセンの一見包囲しやすそうなでっぱりはいつもロシア人を惑わせるねぇ
WW1で1個軍殲滅されてもなお手を出したく成る辺りがその魔力
そうなるとビェルスクが包囲に必要な拠点に見えるのはまあ解るんだけど
でも包囲発起の要って大抵逆方位の的でもあるのよね
それを開戦前から予見していたジューコフって本当に有能なんだなぁ
もし独ソ日伊ユーラシア同盟が実現されていれば現在の地図はどうなっていただろうか
いずれ英国がバテて、ソ連の支援で太平洋戦争も起こらなかったり・・・妄想が捗るな
ドイツの対英戦も手詰まりだからねぇ…
英空軍と英海軍が健在である以上、これらを撃滅してブリテン島に上陸する能力は1941年のドイツには無いからねぇ…
ドイツが海軍と空軍を増強しようにも、イギリスも当然空海軍を増強するし…。
よしイギリスは放っておいてソ連を攻撃しよう(名案)
ヒトラー乙
スパイを張り巡らせて情報集めたところで
情報を受け取って判断する側が有効利用できなければ
宝の持ち腐れなんだよなぁ…
ここの経緯だけ見てるとよくソ連が勝利できたもんだなって思う。
ジューコフという天才を抜擢していたのが救いだけど。
>>[ 89031 ]
ヒトラーと手を組むとか正気か?
ミュンヘン会談の結果を見れば、ヒトラーと手を組むなんてありえないってことがはっきり分かっただろ
ヒトラーと講話することはアメリカのケツを舐めるよりも最悪の選択肢だったから、帝国の寿命を縮める覚悟で対独戦に最後まで付き合ったんだよ
ヒトラーと手を組んでいれば帝国を維持できるなんてのは妄想にすぎないし、対独講和したほうがよっぽど帝国の威信を傷つけてただろ
スターリンは楽観論だったけど、軍はかなり危機感もってたので、
かなり動いていたんだよね。
もっともそれがヒトラーに恐怖心を生ませたのも事実。
干渉国をソ連が次々に併合し、国境沿いソ連軍が増強されていたので、ソ連が攻めてくるのでは?と疑心暗鬼になった。
スターリンがもっと早く枢軸側で参戦していたら変わっていたんだろうな。
※89049
元々の国力・戦力がクソ巨大だし、ドクトリンに関しても
ソ連はドイツと比べても非常に先進的
機材の更新や粛清後の再編が済んだ1943頃なら
普通に正面からドイツと殴り合ってでも勝てただろうよ
ウクライナを失ってもウラルに移転した工場から軍需品が溢れてくるから
時間さえあれば負けない
予備戦力のプールとしてのシベリア軍や、莫大なレンドリースの助けがあったのも大きいが
ヒトラー「常識的に英国は講和するしかないでしょ」
チャーチル「は?ねーよ馬鹿」
ヒトラー「」
スターリン「常識からいえば小モルトケの失敗はしたくないだろ」
ヒトラー「ソ連滅亡スラブ滅殺生存圏確保」
スターリン「」
どうしててめーは狂人なのに相手は常識で行動すると思うのか
久しぶりにやる夫・スターリンが主役だったな今回
もし「日独伊ソ四カ国軍事同盟」が成立していたらどうなっていたろう。
松岡洋右も四国同盟構想を持っていたそうです。
↑日独伊ソのうち、資源を自活できるのがソ連しかない件について。
具体的には石油
日本「石油ちょうだい」
ドイツ「石油よこせゴラァ」
イタリア「石油ないと戦えないです」
ソ連「」
ってなるんじゃね
>88964
真冬のロシアをふんどしで駆け抜けるとか死ぬ気ですか
そういえば、砂漠のロンメルよろしく砂埃立てて宿場ぐるぐる回るエピソードあったね
※89063
日本は北樺太の油田から、油を売ってもらえればなんとかなったんじゃないの?
いちおうインドネシア(オランダ)もある程度の石油は売る予定だったんだし。
89068
史実でも日独伊三国軍事同盟で蘭印が石油を売らなくなって南進したんですが、それは…
※[ 89058 ]
国益のために冷徹かつ合理的かと思いきや、意外と感情的な行動に出るのが欧州なんだよね。
今のEUで共通通貨はユーロになっているけど、実は東西ドイツがまだ別れていた時期、
西ドイツマルクをEUの共通通貨にするプランがあった。
というか、当時の西側の欧州の中で西ドイツマルクが一番強かったし、信頼があったから。
でもフランスが強硬に反対したんで流れた。
ただ反対したとしか伝えられてないけど、理由は「敗戦国のクセに生意気だ!」
ってところだろうね。
今、株式会社欧州の中で一番の大株主になったドイツがあれだけめちゃくちゃ
やっているのも、意趣返しが多分に含まれていると思うのは気のせいだろうか。
あの辺はガリアvsゲルマンの時代から延々と因縁あるからね。
※89073
ユーロの導入後は
域内で工業国なら域内貿易に強く、農業国ならより信頼性の高い
通貨を得たことで域外への輸出に強くなるはずだった。
しかし農業国は特に自国の産業を強化することなく、域内工業国の
市場になるだけだった。
難民問題だって独・英・仏以外の国もEUの理念に従ってもっと受け入れに
積極的になったり、そもそも入国管理を徹底していれば今ほど深刻には
ならなかった。
で、どちらの問題でもEUの理念やルールに忠実な国の方が叩かれるという
本末転倒な事態が発生してる。
EUってほんと、理念や事前の決まり事の通りに進まない問題が多いね。
89039
いや常識的に北極圏が主戦地域になるから
自分の都合の良い現実だけに期待している奴らに
付き合わされた世界大戦て今更眺めると滑稽だけど
その時代の人にとっては気の毒すぎるな
古来から戦争って殆どそんなもんじゃないかな
※89071
日本「これから石油とか今までの5倍売れや」
蘭印「ファッ!?せめて3倍なら…」
日本「むむむ…あ、交渉中だけどあんたの本国滅ぼしたドイツと同盟したわ」
蘭印「ええ…(ドン引き)ドイツさんサイドへの転売はやめてクレメンス」
日本「は?ふざけんな決裂や」
松岡「蘭印ごときが大国日本にそんな要求してくるとか屈辱だわ反蘭感情起きるから覚悟しとけよ」
○日新聞「蘭印は石油を売らなかった!日本はABCDラインに包囲されている!」
蘭印「」
これ何とかならなかったのかね
この流れ見るに西部戦線で仏軍が崩壊することなく第一次世界大戦に匹敵する泥沼に陥ってたら日独伊ソ四国同盟が成立する可能性があったりしたんだろうか。
さすがにヒトラーだって、英国みたいに半ば孤立状態に追い込むまで西部戦線押してなければ、いくら東方生存圏を謳っていても本格的に殴りに行こうと思わなかっただろうし……
仮に成立してたら、ソ連から物資を得た日本が真珠湾攻撃をすることなく南進と満州国・中国の平定を推し進め、独伊もソの物量を得て西部戦線を優勢に戦って勝利。米国は連合国を支援しつつもきっかけを得られず大戦が終わるまで孤立主義から完全に抜け出さなかったっていう未来図が描けるな。
そして大戦後、枢軸国が連合国を支援してた(場合によっちゃ英国やポーランドとかの連合国系亡命政府も受け入れてるかもしれない)米国を悪の象徴として敵視する……。
うん。誰かこういうIFの小説書いてくれないかな。スッゲェ読みたいwwww
[ 89073 ]
統一通貨のデメリットくらい分かるだろ
しかも西ドイツマルクをそのままEUの共通通貨にするなんて正気の沙汰とも思えん
アホか
[89081]
日本人はこの大東亜戦争については戦前から現在に至るまでずっと病的なまでの被害妄想だからね、仕方ないね
敵国との同盟国にそれまでの三倍の石油を売ることに合意してくれたのに交渉決裂させる辺り救いようがないね
※[ 89083 ]
>統一通貨のデメリットくらい分かるだろ
>しかも西ドイツマルクをそのままEUの共通通貨にするなんて正気の沙汰とも思えん
>アホか
そんなアホな事がフランスさえ反対しなければ通っていたんだけど・・・
あと統一通貨なのか共通通貨なのかはっきりしてくれ。
わざとごちゃ混ぜにして本質とか責任とかそらすタイプ?
※[ 89083 ]
>統一通貨のデメリットくらい分かるだろ
EUが共通通貨を持とうとしたのは、1971年の金ドル交換停止(ニクソンショック)からだよ。
ベトナム戦争でアメリカも疲弊していたし、それでドルとヨーロッパ各国の通貨との相場が不安定だったの。
そこにニクソンショックがとどめを刺した形。
ドルに翻弄されない、独自通貨をEU代表として持とうとした時、当時の西ドイツマルクが
最強だったし、最もシンプルな解決方法だった。
ただどうしてもフランスが合意しないので、各国がバスケット(受け皿)を持ち、共通通貨単位ECUを
作ってから、今のユーロになった、という経緯がある。
こういうところ、結構欧州は複雑怪奇というかグダグダ感がある。
[ 89082 ]
ソ連が中国への軍事援助を止めて逆に日本に援助してくれたらすごいけど、逆に言えば冬戦争でのフィンランドへの援助を止めてソ連を支持するようなもんだし、ソ連占領下のリトアニアで発行されるはずの杉原致畝のビザもすごい問題視されるんだろうな……
その世界での観念右翼(反共)とか経済自由主義的な右翼とかってすごい肩身狭そう。
西尾議員の「スターリンのごとく!」演説も批難されなそうだから日本にアカ的な独裁指導政党が誕生しそうだ。
[ 89088 ]
ソ連が満州国を国家承認して、残りの中国はポーランドのように日ソで分割されるという流れもあるな。そして国民党が潰されて中華人民共和国と汪兆銘政権中華民国の分断国家時代に突入という感じで。
杉原致畝の一件に至っては最悪、NKVDがユダヤ系ドイツ難民を片端から逮捕してゲシュタポに引き渡してしまったりして、杉原のとこに難民が集まらない可能性すら……
この頃の日本ってすでに大政翼賛会できてるから、共産主義勢力が入り込む余地がないんじゃないだろうか。ソ連と手を組む以上、ある程度配慮する必要があるにしても、戦前日本で天皇大権を脅かすような主張は問答無用で弾圧対象になるだろうし、穏健な社会主義者・共産主義者の政治復帰を認めつつ、ボリシェビキ的な過激派は変わらず弾圧というとこに落ち着くんじゃあるまいか。
戦争が始まる半年前にジューコフを引き上げて権限を与える下りは流石だな やる夫スターリンは人の使い方が上手い
もし、ジューコフに権限を与えておかなかったら、独ソ戦最初の年でモスクワ陥落があったかもしれんw
※89139
ジューコフも粛正されれば良かったのに・・・。
追いかけているやる夫スレはこれを入れて3つ……
どれも5年以上続いている長寿作品で続いてくれるのは嬉しいが不安でもあるな
スターリンにはジューコフのような現実的な将軍が上層部にいたのに、ヒトラーには楽観的な将軍が上層部にいた・・・。
こいつらは既に部下から上がっていた補給や戦略目標のあいまいさ等の現実的な問題点を全部ヒトラーに知らせないで握りつぶしたからな・・・。
まともな冬季用装備がない状態でドイツ軍がタイフーン作戦をしているのをヒトラーが知ったのは12月というひどさ・・・。
(ヒトラーはロシア戦は冬季までに終わるが、軍は駐留しないといけないから、ちゃんと配布しろよと6月の段階で指示を出している。)
ヒトラーが将軍たちを信用しなくなったのは当然なんだよな・・・
※89082
むしろ第一次世界大戦並の泥沼になっていたら、英仏独で休戦が成立しただろう。
1942年までやる気を出さなかったドイツの総力戦体制同様に、英(仏の敗北とダンケルクで装備全てを失った危機感からのフル稼働)の総力戦体制も史実と違い鈍いだろうし、
あるいはドイツが電撃戦ではなく、正面から英仏軍と殴りあって勝利したら、イギリスも敗北を受け入れたと思われる。
※89081
蘭印攻撃は石油確保のために必要としよう
英攻撃はドイツからの要請があったし、奪った石油の運搬の為にはシンガポール必須だったとしよう
なんでそれでアメリカ攻撃したの?
フィリピン必須? パラオ、ベトナムが日本領なんだからいらないでしょ
事実フィリピンが陥落したのって英蘭が駆逐された後、ミッドウェーの直前じゃん。
いまだに戦う理由が理解できない。
確かにオランダに攻撃するとアメリカは宣戦布告と見做すって通告はしていた。
でも米国人がオランダ人のために、非難はするが死ぬわけがないって事はドイツのアムステルダム爆撃で証明されてるでしょ。
> 独ソ戦最初の年でモスクワ陥落があったかもしれん
Ifだとこういう話がよく出るけどモスクワ攻防戦の時はクビシェフに政府機能を移していたし、モスクワ陥落しても戦争は続いていたでしょう。
多くのゲームだと41年冬は守りを固め、42年春から再度侵攻を進めてソ連野戦軍を壊滅させるのが最善であることが多いです。
まあこれは冬将軍を知ってるがゆえの後だしジャンケンですけどw
>>89082,89165
ドイツ軍の弾薬備蓄量から考えると、
一次大戦並みの戦争してたらフランス国旗がベルリンに翻ってると思うぞw
>これは一種の外交言語なのだ。
>まずブルガリアは譲れない。
>このメッセージがヒトラーに届くはずだ。
この言い分に対して「ふざけんな!」と思う俺には、外交は無理だな。
でもやっぱり都合よく考えすぎだろう。
相手を怒らせてるんだぞっつー懸念が全く無い。
最終的に相手に良い条件を与えてやるんだから、交渉過程で相手の顔をどれだけ蹴っても良いって発想か?
総統がブレスト=リトフスク条約の履行ぐらいで、手を打っていればなあ・・・。
アメリカはすでに連合寄りだし歴史見れば難癖レベルでも参戦してくるのは時間の問題ってのが大方の見解だったんだろう
時間稼いでもソ連は落ちん イギリスは落ちんじゃ大勢は決してる
※89196
世の中には、
実質的な最後通告文を提出しているのに何ら相手に説明もせず、
相手側が普通の外交交渉として対案を出したら、
「こちら側の最後通告文を無視されて、逆に相手に最後通告文を出された! これは戦争だ!」
と戦争した国があるんやで
>>89196 ふざけんな!と思ってしまう~
相手がふざけているときこそ「やった!これなら付けこむ隙がありそうだ!」と喜ぶのが正しい外交のやり方らしいですからねえ。
※89203
それなんの関係があるの?
そもそもドイツ側というかヒトラーは別に勝つ気がなかった
フランスを手中に収めた以上ソ連と協調してイギリスと戦いながらヨーロッパを制圧していけば、後にくるアメリカイギリス連合と日独伊ソ同盟で戦う事もできたかもな
そうなればアメリカも手詰まりだった可能性もある
ヒトラーはヨーロッパ大陸の完全なドイツ化を優先するべきだった
そもそもヒトラーは戦争に勝つ気だったかどうかも怪しいけどな
戦争を引き起こすことだけが目的だった可能性もある
何の背景もない芸術家のなりそこないがあそこまでの成り上がりをするのはそもそも無茶があるわ
そもそもヒトラーは共産主義者であってわざとソ連に侵攻して敗北することでドイツと東欧を共産主義に染めたんだよ。
ヒトラーは元々ドイツ"労働者党"に入会してたし、君主船に反対してたし、ナチスの全体主義はソ連そっくりだし、労働者のために政治を行なった"左翼"だった。(国家社会主義ドイツ労働者党という名前が既に社会主義=左翼)
ちなみにヒトラーは実はユダヤ人だった。ロシア革命はユダヤ人が行なったという事実(プーチン大統領も証言)があるし、共産主義者=ユダヤ人というのは確定的。
ヒトラーがユダヤ人を迫害したように見せかけたのは戦後ユダヤ人の地位を持ち上げるため、戦後ナチスに対する調査が公に出来ないのはユダヤ資本=共産主義グループの圧力によるもの
ちなみに近衛文麿も共産主義者(ソ連の手先)であり、日本を敗戦革命させるためにシナ事変を泥沼化させたことはあまり知られていない
[ 89210 ][ 89211 ]
ちょっと意味がわからない。ヒトラーが戦争に勝つ気ないとかユダヤ人=共産主義者とかどこの陰謀論?
[ 89165 ]
独仏英で休戦条約がむすばれるとしたらどの辺が落としどころになるのかな?
ドイツ側は追い込まれない限り、なにがなんでもダンツィヒを手放さないだろうし、ポーランドにしたところで「第一次世界大戦の結果、ドイツ(とロシア)の領土を戦勝国が奪って作った国」って認識だから「ポーランドを元に戻せ」という英仏の主張なんか絶対入れないだろうし……
それに第一次大戦同様にドイツがそれなりに西部戦線で決定打を討てないにしても優勢に戦えているならアルザス=ロレーヌ地方をドイツは要求しだすだろうし……休戦とか英仏に出血が多すぎね?
※89213
「ダンケルクの敗走」直後に休戦が成立していればなあ。
※89213
ナチスは社会主義で左翼だった = 左翼もナチスと同類であるというのは最近の保守界隈では常識なんだが?
あのプーチン大統領がソ連成立当初の政府の8割がユダヤ人だったと証言しているのにそんなことも知らないのか?
※89025
相手側はこちらの外交意図を察するだろうと思い込んだ究極の結果として挙げたんだが・・・
national socialism と state socialism の違いも解らない上に共産主義=社会主義だと思ってるバカがいるw
ヒトラーは社会主義者だが共産主義者ではないよ。
ヒトラーが社会主義者なんて認識してるのも噴飯だけどな
やる夫フューラーでも読み返すといいよ
釣りか本物のバカか知らんがそんなの相手にするな
確実に釣りだな・・・
少しでも調べれば簡単に論破されるような陰謀論のオンパレード。
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