命を絶ってしまったナージャ。
唯一の妻に見捨てられた同志やる夫・・・
＿＿＿ ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
∨
,,,,,,,,,,, || || ,,,,,,,,,
[,,|,,,★,|,] || || [,|,★,,,|,] ／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
（ ´∀｀） 目 目 （・∀・ ） ＜ 悲しみの歯車はやがて
（ つ ）つ ⊂ NKVD,） ｜ 狂気の嵐を呼び起こす。
┃ﾚ ＿＿ |￣￣￣￣ | _＿＿,ノ┃ ｜ 立ち止まる暇などない。
┗━┳┳＼ |￣￣￣￣|,/━┳┳┛ ｜ 闘うのだ、最後の勝利のために。
┃┃ |＿_＿_＿,,| ┃┃ ｜ いま、新たな闘争が始まろうとしていた。
382 ：
◆J7qCZtZxmc ：2013/01/22(火) 21:19:54 ID:WaaSb7YE0
1932年11月9日、やる夫は妻ナージャを失う。
自殺という最大の裏切りであった。
／￣￣￣＼
／ ─ ─ ＼
／ <○> <○> ＼
| （__人__） |
＼ ｀⌒J´ ／
／ ＼
ボリシェヴィキ書記長
やる夫・スターリン
,,､- ''' -､やる夫の妻 ﾞ＼ "＼:::::::::ー'''''':::::￣::::::::;;;;;￣ナジェージダ・スターリナ ＼f⌒ヽ（ナージャ） ﾞ ゝ..:::j 383 ：
◆J7qCZtZxmc ：2013/01/22(火) 21:20:34 ID:WaaSb7YE0
これはやる夫に心身ともに大きなダメージを与えるが、
国内の緊張状態は最高潮に達しつつあり、傷心に浸る暇はなかった。
-―─- 、
／ ＼
/⌒' _ノ ＼ (⌒ヽ,
. / ′ （ ＞)}lil{(＜ ）o.＼ 丶 どうして自殺なんかするんだお！？
{ { 。ﾟ （__人__） ﾟ } ） なんで何も言わなかったんだお！？
. ＼ 、 |!lil|!|!l| ; ／ ／ なんでやる夫を見捨てたんだお！？
＼ ー |ｪｪｪｪ| ／
7 l
384 ：
◆J7qCZtZxmc ：2013/01/22(火) 21:21:47 ID:WaaSb7YE0
五ヵ年計画による混乱は依然として深刻な域にあった。
農業集団化と農民に対する仮借ない階級闘争は数百万に達する国内難民を生み、
ソ連全土で流動化した巨大人口が職と食糧を求めて農村部と都市部を蠢きまわっていた。
うゎぁぁ ''';;';';;'';;;,., うゎぁぁ
''';;';'';';''';;'';;;,., う ゎぁぁあああ
う ゎぁぁあああ ;;''';;';'';';';;;'';;'';;;
;;'';';';;'';;';'';';';;;'';;'';;;
ヽ vymyvwymyvymyvy う ゎぁぁあああ
つ ゎぁぁ MVvvMvyvMVvvMvyvMVvv、
Λ＿ﾍ＾－＾Λ＿ﾍ＾－＾Λ＿ﾍ＾Λ＿ﾍ
う ゎぁぁあああ ﾍ＿＿Λ ﾍ＿＿Λ ﾍ＿＿Λ ﾍ＿＿Λ ヽ
＿＿,/ヽ＿ /ヽ＿＿,.ヘ /ヽ＿＿,.ヘ ＿,.ヘ ,.ヘ つ ゎぁぁあああ
/＼＿＿_／ヽ /＼＿＿＿ /＼＿＿_／ヽ _／ヽ /＼＿＿_／ヽ
／ ::::::::::::::::＼／ ::::::／ ::::::::::::::::＼ ／ ::::::::::::::::＼
. | ,,-‐‐ ‐‐-､ .:::| ,,-‐‐ | ,,-‐‐ ‐‐-､ .:::|､（| ,,-‐‐ ‐‐-､ .:::|
| ､_(o)_,: _(o)_, ::: ､_(o)_,: | ､_(o)_,: _(o)_, :::|_, )| ､_(o)_,: _(o)_, :::||
. | ::< .::| ::< | ::< .::|ﾆ=| ::< .::||
＼ /( [三] )ヽ ::／＼ /( [三]＼ /( [三] )ヽ ::／ﾆ´＼ /( [三] )ヽ ::／
／｀ー‐--‐‐―´＼ ／｀ー‐- ／｀ー‐--‐‐―´＼-‐‐ ／｀ー‐--‐‐―´＼
1932年12月、ソ連政府は国内旅券制度（国内パスポート制）を導入することで
人口の固定化と国内難民の混乱の都市部波及を阻止しようした。
387 ：
名無しのやる夫だお ：2013/01/22(火) 21:24:01 ID:Bu6mVouw0
社会主義国は国外のみならず、国内の移動も制限するといいますが、この辺が端緒なんですかね。 432 ：
名無しのやる夫だお ：2013/01/22(火) 21:53:03 ID:gf9VbN4M0
>>387 385 ：
◆J7qCZtZxmc ：2013/01/22(火) 21:22:26 ID:WaaSb7YE0
さらにそれに前後して政府閣僚のエイスモントが反やる夫陰謀に加担していたとして逮捕され・・・
,,､‐‐r''''''‐ ､‐ ､
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/:::::::l|:|`ﾄ､! _,入l`､:::::::::::::::::::::::i
/::::::/ |l ＞ ＜` ヽ::::::::::::::::::::::l
,ｲ::::::l:| '' r '' `､::::::::ti:::::::::l
. l:::::::ﾄ! ,､_,､ U }:::ﾊ::ﾚl:::::::::l
i:::::::{ '' `' ﾉノ,ﾊ;|/::::::::::l
. l:::::::!ﾞ､ /‐|l:::::::::::::::l
l/:::::::ヽ ,r' /|ﾄ､::::::::::::|
,/;ｨ:::::／|`､ ‐'' /::::::ヽー､､::L＿
'"‐''":::::| ,,``‐‐:::::::::'' /:::::::::::>:::::::::::::::::''`,,､
:::::::::::::| /ヾ'‐`‐‐､',へ /:::::-ﾆ:::::::::::::::::::/::::::::ヽ
供給人民委員 ニコライ・ボリショビッチ・エイスモント
彼と懇意のグループにはスミルノフをはじめ党・政府の重要人物が多数関与していることが分かった。
＿,. － ､
. ‐ ' ´＿＿｀ヽヽ｀'ー－ ､
／_,:／ ／￣＼ヽ::::/￣＼ ＼
／／:::///:.､:｀ヽ､:::ヽ:Ｙ ! i:. ! ヽ
／:/ ／:/,'/:::::::｀ヽ:::｀ヽ:Ｖﾍ:ｌ: ｌ::.｜. i
. ｌ:::/../:::///｀゛｀｀｀゛｀ ｀ﾞ゛""'ｌ|:: !::: |:i::::. !
!/::/:::::!:l|! l|!::|:::: ｌ:!:::: !
}:::::::::/l::|! l|:::!::!::l:|:::: .. !
─ ､‐─'‐{{|{－ ､ _,,､-―一|::l|:l!::l|!::::::::j
‐ｒ /ｒ－_'i代モ㍉}!＿i{´ rそﾃスｊ::!|:!!:ｌｨﾍV/
（_,/ ｊ／ /N､_ ￣ｲ}l {入_ ￣´ノ|:l ｌ!リか }′
ノｰ ' ∧l! } |! ｊ! ｒ‐''丿
／ヽ ｀､ 〈{ ,r‐７
／ ヽ _＿_ / |;/
ヽ `＝ ｀ ／ !
＼ ／ |┐
ｒ－ ､＿_,. '´_, - '二´｜
|￣| | | 「￣´ |、
| | ト､＿_｣｜
古参党員・組織局員
アレクサンドル・ペトロシフ・スミルノフ
386 ：
◆J7qCZtZxmc ：2013/01/22(火) 21:23:41 ID:WaaSb7YE0
これら国内の緊張激化と「裏切り」の動きはやる夫にとって泣きっ面に蜂であった。
しかし、持ち前の非人道的頑固さ、そして異常な救世主思想からこの混乱を乗り越えようとしていた。
＿＿＿_
／ノ ヽ､_＼
／< ①>}liil{<①>＼ やる夫はイヴァン雷帝だ！
／ （__人__） ＼ ピョートル大帝だ！！
| ヽ |!!il|!|!l| / | ﾂｧｰﾘ
＼ |ｪｪｪｪ| ／ 歴史に導かれた皇帝だ！！
／ `ｰ' ＼ |i
／ ヽ !l ヽi 勝利するぞ！！
（ 丶- 、 しＥ |そ ドンッ！！ 邪魔をする奴は全員屠殺してやる！！
`ー､＿ﾉ ∑ l､Ｅ ﾉ < 背骨を粉砕してやるぞ！！
多くの人物が、ナージャの自殺前後のやる夫について証言を残している・・・
＿＿＿＿＿_
r' ,v^v^v^v^v^il
l / ─ ─ | ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━─────
i~^' （･） ・ |） ┃
ヽr ⊂⊃ ヽ 同志やる夫はナージャの自殺を
l U | |
__,.r-‐人 ３ ﾉ＿ きっかけに、変わってしまった。
ノ ! ! ﾞｰ‐------‐'"ハ ~^i ┃
ヽ ! ヽ､＿ ＿.ノ i ＼ ─────━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
ヾV / ! ／ .入
388 ：
◆J7qCZtZxmc ：2013/01/22(火) 21:24:25 ID:WaaSb7YE0
もともと歴史好きだったやる夫は、
この苦境を乗り越えるためにますます歴史上の偉大な皇帝に傾倒しはじめるようになった。
＿＿＿
／ ＼
／ .＼, .,､,／＼
／ <①>ヾ'<①>＼
.| （__人__） | ＿＿
＼ ｀ ⌒/￣￣⌒/⌒ /
（⌒ / / /
i＼ ＼ ,(つ / ⊂)
| ＼ y(つ＿＿./,＿＿⊆)
| ヽ＿ノ |
| |_
ヽ、___ ￣ ヽ ヽ
と_＿＿_＿＿＿ノ＿ノ
389 ：
◆J7qCZtZxmc ：2013/01/22(火) 21:25:24 ID:WaaSb7YE0
同時にこの頃、激化する農民階級との戦争を戦い抜く為に党はさらなる団結を必要としていた。
党の権威強化が図られ、それは最高権力者であるやる夫の個人崇拝を
ほとんど必然的に増長させることになった。
＿＿＿＿
,. -'"´ ｀¨ー ､
／ ヽ ヽ、
,,.-'" ,,.-'"｀ ヽ、
/ ､＿_,,.-='､':'" ヽ、
i へ＿__, " ﾞ.ﾞ（●）ﾉ ヽ
./ i （●）〉 ｀''''''" ヽ
/ . ﾞｰ-''" ヽ i
/ i 人 ノ l
,' ' ,_,,ノ `─-‐' ヽ l
i ｀､ _y──‐ l /
', ｉ_/ / ＿ ' ,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,, ／
ヽ、 ￣￣ ,..ィ,'ｒ'" '',
ヽ､_ ,..∠ｒ'" !
｀'､ _..イ/'" .,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,ﾞﾆi
_,,,',､ ._..-,'ﾉ/〃'',､ ,,,./ ｀'-､
i,'ﾌ .!.ｌ|＜-'ﾞ_ ;;|/',;;｀'i.ｌ.ｌ .,.;;,'"ﾞ`' !-、 ＼
,..;;i|l!ﾞ/ﾞ!" ...イﾞﾞ´.,..;;ｿ'゛ ﾞ'ﾆｯ;;ｿ'ﾞ_..;;,''" ﾞ''ﾐ-、 ｀'-､
┏━━━┓ ┏┓┏┓
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＼＼ ヽ(・∀ ・)ﾉ ヽ(・∀ ・)ﾉ ヽ(・∀ ・)ﾉ ヽ(・∀ ・)ﾉ ヽ(・∀ ・)ﾉ ヽ(・∀ ・)ﾉ ／／／／／／／
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ヽ(・∀ ・)ﾉ ヽ(・∀ ・)ﾉ ヽ(・∀ ・)ﾉ ヽ(・∀ ・)ﾉ ヽ(・∀ ・)ﾉ ヽ(・∀ ・)ﾉ ヽ(・∀ ・)ﾉ ／／／／
(( ノ( )ヽ ))(( ノ( )ヽ ))(( ノ( )ヽ ))(( ノ( )ヽ ))(( ノ( )ヽ ))(( ノ( )ヽ ))(( ノ( )ヽ )) ／／／
く > く > く > く > く > く > く > ／／
390 ：
◆J7qCZtZxmc ：2013/01/22(火) 21:25:50 ID:WaaSb7YE0
【補足】
,.:-=;1ー;1―;1―,=;:､
= ﾞﾐ
ﾐ ★ ﾞﾐ
ﾐ ﾞﾐ
ﾐ;＝＝＝＝＝＝＝ﾞﾐ
／ ,= ヽ やる夫の権威が強化されることは
/ ,=' _ ∧_ _,, やる夫のコネで高い地位にありついた人や、
/,,_ {i ,～ ～ /´ ﾊ＾､_ やる夫と同じ強硬思想を共有する人にとって
ヽi} / / / ヽ_/ ヽ__,,＼ 自らの地位や権力を守る為に好都合でした。
{ | _|__,,／ ／ ￣ ＼ヽ
ヽ | _|∠_／/ ┬―ｩ ヽ 足元の国内情勢が不安定であるほど、
|｀､ヽ.__ノ ヽ-‐' _/ 彼らは団結のための分かりやすい
| |{i t ＿ ／ | シンボルが欲しかったし、
| | i} > ､___ヽﾉ_ ,ｨ ﾘ| l| | 自分を庇護してくれる強力な権力機構を
// i} / ｝-‐斤ヒl､__| l| | 必要としていたのです。
r､ //,,i} /／}｝ l|》o《|! ｛{｀lヽ
__ゝ |i}＾V'' __/ }｝ ハ ｛{ |
ヽ ﾉ' ｀j }｝ /Ｘ | ｛{ |
391 ：
◆J7qCZtZxmc ：2013/01/22(火) 21:26:26 ID:WaaSb7YE0
＿）≫:::::::::::._ ''" ｀ 丶、:::::::::::::.（＿
＿_(::::::::::::::::::::::／ ＼::::::::::::::::├─x
./ r─.≧:::::::.／ ヽ:::::::::::≪ニ７》
に二三彡::::.∧ ﾊ:::::::::.|＼Y《
仁{＿/つ::::∧ :ハ:::::::) . ) )
. 廴__,.ｲて ,'.l j | | | }::ム辷彡'
.ﾊ ; （::::.| | { | | ﾊ V .l ｲ.∧ l | :!.|::::/. | |:|
.ﾊ ,: l| 辷| l .V.L | ハ.ヽ | / ,/7 .Ⅵ jl !.}:::｝ .| |:|
ﾊ:/ :!l .|!ﾄ{ .ﾍlV>＞zﾘ,,,. ﾊ l/./ィ-七７.l ∧ﾘﾉ|::lﾊ | |:| 敵と戦うためには
.ハ/ ::l| .|::|ﾍ＼ ｀＼V/7 .Ⅵ从ンj .|:| .l. |:|
/ !| |::ﾄ叮アﾄ､ｰ-一= 二_＿_,､ 7ｲ |ソ}l::| .l | より強力な指導者が必要だったということね。
,' | |::|. | .l∧ ￣´./ ! .|' 川 :l: i|
.′ :| 川 .l .|.｀ﾍ. ,-､ / /l .| |: i|
; :l / ﾘl. ＞､. / ﾉ .イ. |..|.. |:: | 簡単に言えばやる夫を担ぐことで
| ::| / .∧}.／´.::.:./）/ )/ /,ﾆ､.`ーzxﾉ八. |:: |
| ::| ./ /´::ﾏ.:.::.:.:,.ィ´二二) （__,.(_｝://::Vﾑ |:: | 自分達の身を守ろうとしたのだわ。
| | .／／＞､::ﾏ: _,j ／´￣二) ._ゝ=-､ヽ/::〈 .Vﾑ .|:: l
| ::l .《∠≪:::::::へ.ﾏ {. ／´二) ゝ─､｀ヽ|:::::::＼Vﾑ,!| |
,.:-=;1ー;1―;1―;1―;1―;1―;1―,=;:､
ﾐ ﾞﾐ
ﾐ ﾞﾐ
ﾐ ★ ﾞﾐ
ﾐ ﾞﾐ
ﾐ ﾞﾐ
ﾐ;＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝ﾞﾐ いままで直近の部下たちは
〃. : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .:ヽ ｋ やる夫ことを陰でハジャーイン（旦那様）と
. / . : : .:.:|: : : : : : : .:人: : : : : : : : :', ! :', 呼んでいましたが、
,'. : : : :.:.:.:.|: : :,':,'.: : / ＼＼_.:.:.:|.: : :.! ＊｜.:|
. ｜: : :.:.: :.:.:.|.:.://.:.// ￣ ＼＼ﾒ､.:.:.:! |.:.:| 今や中央委員会の一部のメンバーらは
. 人 ､ :. :.:イ//／/ ,.-≠ ﾐ.､!.:,' ,'.:. | やる夫に対して
＼＼:.:.:.:lYl⌒ヽ /| :::::::l! |/ ,': : :| 「ヴォーシチ（至高の統率者）」という
l＼＼八 フ:ﾉ ′ フ__ノ' ,' l.:.:.: :| 言葉を使用するほどに個人崇拝が肥大化していました。
|ﾊ ＊ﾐ ,,｀´ '' .ｲ ＊｜.:.:. |
. ﾉハ ＞.....＿_冖＿ ＜:八 い、ﾍ
r 彡.:.:.,' !:.|「≠介ﾄn,､ﾘ≠､.:＼ ＼＼＼
＜-=≠:/ ,'.:〈ﾁ_/小.ｼ〃ﾞ ト､У.:.ﾊ. ＼＜
／-＝／ /.:f癶＝キﾄ込､/:.:.:.〈〉ｰ-ﾊ ※ ∨＼
＞－´ ※ ／／xタﾐⅩ彡:::ﾑ|:.:.:.:.:.:〉.:.:.:.:.:', ∨.: ＼
￣|＞ｘ､._／-_j斗'"ﾊ:::ﾊ:::／|.:.|:.:.:.／＼ .:.:.:.|＿＿_／＼.:. /
392 ：
名無しのやる夫だお ：2013/01/22(火) 21:26:55 ID:Bu6mVouw0
いよいよスターリン帝国の完成ですか・・・ 393 ：
◆J7qCZtZxmc ：2013/01/22(火) 21:27:01 ID:WaaSb7YE0
,.:-=;1ー;1―;1―,=;:､
= ﾞﾐ
ﾐ ★ ﾞﾐ
ﾐ ﾞﾐ
, ﾐ;＝＝＝＝＝＝＝.:::ﾞﾐヽ
／ .／ ／ ヽ＼ ＼ 国家の統制下にある新聞以外にも、
＼__/ /l / ／ , /l'| ﾄ､l ',／ 他の党幹部らがこういった
| / ｌ/|７ニイ´/〃| -Ｌ.l ! やる夫の個人崇拝に積極的に加担していたのは、
| l |┬::cr ./ /┬::cr｣ ||
| l ! l:::::::j '. l::::::::j. !l それによって忠誠心を示し庇護を得ようとするため、
ﾊ ⊂⊃‐ ‐⊂⊃| あるいは自分の政治的・行政的過失を
l ＼ _ ,/ | 帳消しにするためでもありました。
/l .lY｀ ｰ‐┐ ｒ‐ イ| |
/｜ l::::::::::;ｨ´ {Ｘ}ik'::::::l. ! 洗脳されたわけでもなんでもなく、
l l__j::::::::/: i＿lil__|:i::::::! ! 自分の利益のために協力していたわけですね。
/ / ::::: ｉ: : :l:::::ﾋj::l｣ : l＿|!
つ:::::::::::::::::rー-'三三_ -―――‐-- ､)::::::::＼ ＿
(:::::::::::::::::::::::) 三= '´／ ､ (_:::::::::::::丶<::::::`ー､
`ｰ,:::::::: __ノ ／ / / ＼ ＼ ム::::::::::: |企;:::::::::::}___
(_:::::: ヽ／ / / ヽ ､ヽ(__:::::::::::|三|:::::::::::⌒Yヽ
r’:::: / { |! | |! |!ﾊノ :::::::::|三|:::::::::::::::乂{
｀ｧ: :′ / / ! |! |! |! |! |｀ｰ, : :::|三|:::::::::::::::} '.
ヽ.′ / / |! |! |! |! }! | Ｙ:::::::::|三|:::::::::::::/ {
. | | |! |! |! i} } |! /_!_| ゝｧ : :|三|::::::::_;ﾉ| '.
. | | |!| |!､ {! |! // /}//孑' /ｲ (_ : :r'--{:::::::) | ｜ たしかに、
. { | | { 卞ﾄ､ハ!_ //ノノィ≦ケテ| (:::::〈ん)､) 〉´ | | 担ぐ神輿は派手な方が
ヽﾄ､ {ﾍ､从ィ升=ﾐノ´ /弋じ:::}｜ 〉 : ゝﾆン | ｜ いいのかもしれないわ。
ヽ乂ﾍ!ゞ､rゝ':{｀ 宀'´ | ∨/／ |
} |ﾍ ^¨´ ､ | {ノ´ | | もっとも、その神輿が
川 | 丶 r‐､ ノ } ! | | 本当に自分達の利益に
//} ! ＿≧-..､ ｀´ ,∠⌒＜}/ 八ﾍ | | 適うものであれば、だけど・・・
// j /':.:.:.:. .:.:.:/>=(:.:.:.:.:.:. / /＞ヽヽ | |
ノ ,' / /:.:.:.:.:.:....:.:__}ｲ夊)=-:.:.: / /:./::::::ﾍ∧ | ｜
／／ / /＞ｧー:. :.:.:.:｀¨)´:.:.:.:.:.／-ー＝二二〕＼ | ｜
〈≦__,/_/ーｬ(:.:.:.:. :.: ／＼:.:.:.:《__∠⌒ー-､::::::::::::::ヽ | ｜
【補足おわり】
394 ：
◆J7qCZtZxmc ：2013/01/22(火) 21:27:58 ID:WaaSb7YE0
こういった周囲の環境は、歴史上の専制君主に対するやる夫の自己同一視をさらに深化させた。
===============
＿＿ ||＼ ||
／..::::::::::::::..＼ .|| ＼￣￣￣＼ .||
／..:::::::::::::::::::::::::.＼ ||＼ ＼ ..,､,／"＼||
／..::::::::::::::::::::::::::::::::::::.＼ ..|| ＼ ＼<①> ||
| :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: | || （_＼ ＼ ||
＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／ ||＼ ｀⌒＼ ＼ ||
,. -‐'´..:::::::::::::::::::::...｀丶､ || ＼ ||
ﾉ .:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::....ヽ .||＼ ＼ .||
ナージャの自殺後、やる夫は徹底的な禁欲生活に入ったが、
知人や側近には歴史通である自分の知識を披歴してこう言うのである。
＿＿__
／_ノ ヽ＼ ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━─────
／ （ ●） （●）、 ┃
／::::::::⌒（__人__）⌒＼ かつてこのような生活を送った
| |r┬-| | ロシアの偉人を知っているかね？
＼ `ー'´ ／
⊂⌒ヽ 〉 ＜´/⌒つ ニコライ一世だよ。
＼ ヽ / ヽ / ┃
＼_,,ノ |､＿ノ ─────━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
395 ：
◆J7qCZtZxmc ：2013/01/22(火) 21:28:34 ID:WaaSb7YE0
さらにやる夫はクレムリンの自宅アパートを引き払い、モスクワ郊外ズバロヴォにある別邸を子供たちに譲り、
自分は新たに郊外のクンツェヴォに建設させた巨大な平屋建ての別宅で暮らした。
┼ ┼
/⌒ヽ /⌒ヽ
(;!___!_) ／＼ (;!___!_)
（;;_i____i__）_____________________.／／＼＼ _____________________（;;i____i__）
!XXXXX| ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; :::／／三三＼＼; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;;;|XXXXX|
___________________[三三三] ; ; ; ; ; ; ; ; ; ／／:i |:::iﾆ|:::i |;＼＼; ; ; ; ; ; ; ; ; ;;;[三三三]___________________
／; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;!|;;;;;;;;;;;;;／_;_;_;_;_;_;_;_／／::::::i_|:::i__|:::i_|::::;;＼＼;_;_;_;_;_;_;_;;;;＼;;;;;;;;;;;;|; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ＼
／ ;_;_;_;_;_;_;_;_;_;_;_;_;_;_|;;:::::::::::::::!::::::::::::::::::;;|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::::::::;;i;;::::::::::::: i;_;_;_;_;_;_;_;_;_;_;_;_;_;_＼
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|::iﾆ|::iﾆ|::;::i ﾆ|::iﾆ|::|;;:::i__|::::::i::::: i_i_|::::::;;|::::i_i_|::i_i_|:::;::::;:::i_i_|::i_i_|::::!::::::i_i_|:::::::;;i;;::::!_,|:::: i::iﾆ|::iﾆ|::;::iﾆ|::iﾆ|::|
|::i__|::i__|::;::i__|::i__|::|;;:::::::::::::::!::::::i_i_|::::::;;|::::i_i_|::i_i_|:::;::::;:::i_i_|::i_i_|::::!::::::i_i_|:::::::;;i;;:::::::::::::::| i__|::i__|::;::i__|::i__|::|
|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; [三三三]三三三三[ 三三三三三三三三三]三三三三:[三三三];;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; |
'''''';'''''''';''''''''''''''''''''';'''''''''''''''';'''';'''''''''';;'''''''''''''''''';'''''''''';;'''''''''''''''''''''';''''''''''''''';;'''''''';'''''''''''''''''';'''''''''''''''';;''''''''';'''''''''''';''''''''';''''''''''''
この別宅は広大な敷地にいくつかの建物群が並んだものだが、周辺は二重のフェンスと迷彩が施された壁に囲まれ、
常時いくつもの検閲所が設けられて100人規模の警備隊が詰めていた。
396 ：
◆J7qCZtZxmc ：2013/01/22(火) 21:29:24 ID:WaaSb7YE0
やる夫の住む母屋には警備隊はおろか使用人さえ入ることが禁じられ、
文字通りやる夫はここでたった一人、家族さえ入れずに余暇をすごした。
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..... .
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／| | |￣ |￣ ：|： ￣| ￣| | |＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::...... .
───────────‐ ﾞ:::::::::|:||:| | ：|： | |:||:|:::::｀ ───────────‐
| | | || | | | | | | | | | | || | | | | |::|:::::::::| |[ｅ==ｅ==ｅ]|[ｅ==ｅ==ｅ]| |:::::::::|::| | || | | | | | | | | | | || | | | | |
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_ | |::|:::::::::| | |￣ |￣ ：|： ￣| ￣| | |:::::::::|::| | ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_
.. ..: : : : : : : : : : : : : : : : :／|三]|:::::::::| | | | ：|： | | | |:::::::::|[三|＼: : : : : : : : : : : : : : : : : : .
──────── ﾞ: : : :|:| | |:::::::::| | | | ：|： | | | |:::::::::| | |:|: : ｀ ─────────
: | | | || | | | || | | | | | |: : : :|:| | |:::::::::| |[二二二二|二二二二]| |:::::::::| | |:|: : : :| | | || | | | || | | | | || |::
＿＿＿＿＿＿_ | | | |: : : :|三]|:::::::::| | |￣ |￣ ：|： ￣| ￣| | |:::::::::|[三|: : : :| | | ＿＿＿＿＿＿_
: : : : : : : ／|三]|: : : :|:| | |:::::::::| | | | ：|： | | | |:::::::::| | |:|: : : :|[三|＼: : : : : : .
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三]| | | |[三
敷地内にはやる夫専用の巨大な書庫が設置されていたため、
やる夫は誰にも邪魔されずに歴史書物を読み漁り、国家と敵の殲滅について思索に耽ることができたのであった。
397 ：
◆J7qCZtZxmc ：2013/01/22(火) 21:30:18 ID:WaaSb7YE0
偉大な歴史書の中の、偉大な国家の建設者に、人格は無い。
自分を本の中のツァーリと同一視するのはある種危険な兆候であった。
―――――､=ｉ|| | | || ,―――――――――
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三三三三]| ,| .|| |_||_||_||_||_||_||_||_||_||_||_||_||_|| || |, |]三三三三三三三三
| ､.| || | | ｌ||ｉ.ﾞ | .|| |_＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿| || | ﾞ.ｉ||ｌ | | || |.､ |.| | | | | ||
|___|_||_|_|_||| |=|| |.ｰ―――――――――‐| || | |||_|_|_||_|___|.|_|_|_|_| ||
三三三三]| .| .|| | | || | ,|]三三三三三三三三
|.| | | |.､||| '' | .||/ ヽ|| | |||､,| | | |.| | | ||| | |
|.|_|_|＿|__||| |=' ..=| |||__|＿|_|_|.|_|_|_||| |_|
三三三三]|, | .| , |]三三三三三三三三
_| ||.| ||.l || . ,! ＿＿＿＿ !、 || l.|| |.|| | | | ||||.| |
_|＿||.|_||」.||,/ ／ ＼ ヽ||.「||_|.||＿|_|_|_||||.| |
========'′ ／ ＼ ｀'.===============
／ ＼ _／ ＼
| （①） （①） |
. ＼ （__人__） ／
／ ｀⌒ ´ ＼
彡三三ミY彡三三ミ＼--、 |
＼ ＼＼ ＼Ｅ | ﾉ
孤独で異常な環境は、やる夫自身を人格の介在しない国家（党）機関として
「再教育」するのに大きな役割を果たした。
もとよりボリシェヴィキは個人の人格を必要としていない。
やる夫はもっとも党に相応しい人物として自分を研ぎ澄ましていったのである。
398 ：
◆J7qCZtZxmc ：2013/01/22(火) 21:31:46 ID:WaaSb7YE0
ある日、息子のワシリーが自分に便宜を図る為スターリン一族の名を利用していることをやる夫は叱った。
その時、ワシリーは次のように反論した。
／￣￣＼
／ノ（ ＼
| ⌒ -‐' へ l
| u（○ ）（○ ) !
| ｜ u | でも、僕だって
| .U __´___ !
ヽ ! スターリン家の一員じゃないか！
ヽ ノ
/ く
/ ヽ
ワシリー・スターリン
399 ：
◆J7qCZtZxmc ：2013/01/22(火) 21:32:02 ID:WaaSb7YE0
この言葉に対してやる夫は激昂して怒鳴りつけたと養子アルチョムが記憶している。
／.:￣￣￣￣￣ ＼
／: : : ＼
／: : : : ＼
／: : : : : : ＼
: : ___ ／ ＼ 違う！
: : : : : :＼_____,ノﾉ ｿ (（,,,／_ _ l
: : : :;;（(_(|)_））ﾉ::::ﾉヽ:::（ (_(|)_) ）;;::: | お前は『スターリン』じゃない！
: : : : : ⌒ _ﾉ "''"´ ﾞﾞ l
: : : : : : . . （ j ） _人_人_
＼: : : : : : :. {ｰ-‐'´｀ｰ-‐/'′ ／| ｷﾞ |
ヽ: : : : : :{ｿﾍﾉ' ―ｰ_（ : : : :ｰイ＜ ﾘ {
: ーｲ : : : : : : ￣￣￣”^ | ｯ ゝ
へwへイ
400 ：
◆J7qCZtZxmc ：2013/01/22(火) 21:32:30 ID:WaaSb7YE0
ﾉ Ｌ＿＿＿_
⌒ ＼ ／ ＼
／ （○） （○）＼ やる夫だって『スターリン』じゃない！
／ （__人__） ＼
| |::::::| | 『スターリン』とはソヴィエト権力そのものだ！
＼ l;;;;;;l ／l!| !
／ `ｰ' ＼ |i ＿ _
／ ヽ !l ヽi | l [l] |￣| /l | |
（ 丶- 、 しＥ |そ | 二l ￣/ [][]∧.|_|
`ー､＿ﾉ ∑ l､Ｅ ﾉ < |__| |￣／ <_/ <>
＿＿＿
／＼:::::::::／＼.
／:::<①>:::<①>:::＼ 新聞に掲載された『スターリン』―――
／::::::::⌒（__人__）⌒::::::＼ 肖像画に描かれた『スターリン』―――
| ｀ ー'´ u |
＼ u ::::: ／ それこそが本物の『スターリン』なのだ！！
／ ::::::::::::::::::: ＼
／ ＼ 〈〈〈 ヽ
（〈⊃ } }
401 ：
◆J7qCZtZxmc ：2013/01/22(火) 21:32:56 ID:WaaSb7YE0
＿＿＿_
／＼, .,､,／＼
,. -- ､, ／<①>ヾ' <①>＼
,.―＜,__ ヽ:::::::::（__人__）::::::::: ＼
/ ヽ |r┬-| |
__| }. | | | | お前ややる夫のような個人が
/ ヽ, ／ { | | | |
{ Ｙ----‐┬´ 、. | | | | 『スターリン』なのではない！！
/'、 ヽ |ー´ ヽ, | | | |
{ ヽ ヽ ｌヽ_!´ ヽ`ー'ｫ ／
', ヽ ヽ ,／ }
ヽ ヽ 、,__./ ／
＼ ヽ__／,' ＿ ／
＼__.'! 〈 _, '
￣
／￣￣＼
／ -‐' ＼
| （ ◎）（◎）
. | Ｕ | |
| Ｕ. ____´__ﾉ
. | |r┬-|
. ヽ ´￣￣i
ヽ ノ _＿＿ｍm
/ ヽ_＿＿ つﾉ
/ /＼ /￣＼＿＿＿＿l⌒l
| | ＼ / ヽ ＼_＿＿＿＿|
Σ(⌒ノ ゝ ＼＿_）
402 ：
◆J7qCZtZxmc ：2013/01/22(火) 21:33:15 ID:WaaSb7YE0
『スターリン』とは、孤独なやる夫が作り出した全能の人格であった。
歴史書の中の皇帝を元に、
ボリシェヴィキ特有の非人道的規律が混ざり合った最強の「党機関」だった。
／￣￣￣＼
／ ＼, .,､,／ ＼
／ .<①>ヾ'<①> ＼
| （__人__） |
＼ ｀ ⌒´ ／
/,,― -ー ､ , -‐ ､
（ , -‐ '" ）
`;ー" ` ー-ー -ー'
l l
いまや、党そのものになろうとしているやる夫にとって、
もはや「肉親」などという血縁関係はさしたる意味合いを持たなかった。
だが、やる夫の親族らはその点について致命的な思い違いをしていたのである・・・
403 ：
◆J7qCZtZxmc ：2013/01/22(火) 21:34:25 ID:WaaSb7YE0
――― モスクワ
,__
l_<
_|_
＿ ,ｪ.＿.ｭ、
,,,,］|| ,,.-'"゛ ~''ヽ、
ﾆﾆﾆ,,!-ｚ,,,,,,メ--────--丶、 /_|ヽ ★
-､,,,,_ .~"'''ﾆ==ェ,,--'''''''-------ヽ.._ |iiii|ﾞ|. |
｀~"'―-,,,,,,|ﾆﾆﾆﾆﾆｴｴｴｪ,l,,,,|,,,,[ ]、 |;;;;;;|;;|. ,!!、
人 人 ｀ﾟﾞ'''―ｖ,,,,「 .|~ﾞ---->...ｭ,ｭ__.、 .,i;ﾛ;ﾛ|;;| iiiii
彡ミ 彡ミ 人 人ﾞ'''ｰ-...,,,,_| ｀ﾞ''''「ﾞﾞ'''''..|∩-|iil.,,, |||||
彡彡ミﾐ 彡ミﾐ 彡ミ 彡ミ 人 ｀ﾞ"人-i､,,_,,,l;;;;;;;;;;;/;;;/z,,,__. .| :| i
彡彡ミミ彡ミミ ;;彡ミミ.;彡ミミ ;彡ミ 彡ミ 人ﾞ'''┐'| .|''i--zz;;;;;,,,,,. |ＡＡ.| ∧
彡彡ミミﾐ彡ミミ 彡ミミ 彡ミミ .彡ミミ 彡ミミ彡ミミ:::| .| .l'''―ｖ,,,,,"'''i ＿＿___ .A lﾞ| | |.|.A. .|ｉｉ|
彡彡ミミﾐ彡ミミﾐ;;;;ミミﾐ彡ミミﾐ彡ミミﾐ彡ミミ彡ミミ:::| .! ,| ｀~"'ﾍ-i､|ﾛﾛﾛﾛi''i_|ii| |ll,,,,,,,||ii|_./ .ヽ
彡彡ミミミ;;;;ミミミ ミミミ ミミミ;;ミミミ;;ミミミ;ミミミ::::| | | 人人人 r‐┴── ┴┐ﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞll-----トL,
ニニﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝===== |..彡ミ .r‐―┴――─┴-┴─--iＬ,、:::::::|ﾞﾞﾞ|-----
ニニニニニニニニニニニニニニﾆﾆﾆﾆﾆﾆ＝＝＝===ｪｭyy,|jlll」―――---------u,,|_， !.| .!-ト |
ゝ-'|ゝ-'|ゝ-'|ゝ-'|ゝ-'|ゝ-'|ゝ-'|ゝ-'|ゝ-'|ゝ-'iゝ-'iゝ-'iゝ-'iゝ-'iゝ-'iゝ-'iゝ-'i ト- ＿ ..|.｢[l|__＿＿,,,..|...............
｀>／| ヽ、 ｀i
／ -| , ＼ /
/ ／ V ､ 、 ヽｉ i"
/ / ﾄ､ ヽ ｀ﾞﾞ─ー-ノ ,ｨ′
| ./ ﾞl.ヽ、 ＼ 'ｰ=ﾆ二 l─' .ヽ
| .| ﾞl ヾ､ ＞､─ - ￣,ソ |
| .|.,,,,--- ,,ヽ、 `'‐-,,,_'" ヾﾆ,,,,＿__,,,,.,.--''イ | | ﾓｽｸﾜ
ヽﾞl ｀ヽ ￣三三 - ミ::::_ | ! | こ こ に戻ってくるのも懐かしいわね。
ﾞ'､. ､ェ二ﾆ_ '''|､ _ノ'T''' ヽ'" ｀,lﾞ /. |
λ 'ﾞﾞ|ｰ'" ﾞl` l ｿ| ／ ﾚ .| それこそロシアの他の町に比べれば
|.､| ヾ,,_,,ｿ ｀‐-" |::: │ | 繁栄してにぎわっているけど、
ﾞl .| -─" , ￣￣ / i､ | それでも辛気臭くて息が詰まる町だわ。
|`'! ｀ ,,- ｲ::: | |
| i､ _ ./::::::::|::: | .| グルジアは良かったわ・・・
,! ﾞヽ、 ヽ冫 ....ｲ::::::::::|::::: .| | なんでも自由で、光が多くて、
/ :::lヽ、 ,,／::::::|:::::::::::|!::::: ﾞ， | ワインも美味しくて、美しい山々があって、
／ :::|::::::::>､,,,,_＿,,,,-ｰ'''' ::::::::::|:::::::::::|:|::::: ﾞl、| あちこち遊びまわって楽しかったわ。
.i´ i´ :::|::::::::|:::::/::::::::::| ,r‐ｰ､ _,亠､::::::|::|::: ヽ ヽ
l | :::/:::::::::|;:::l:::::<⌒ﾞ─' ｀ /:::::::|:::|::: ＼ ｀ヽ、
ﾞl l :::冫:::::::::::l::::::::::::| |:::::.::::|:::i::: `､ !
ナージャの姉 アンナ・アリルーエワ
404 ：
◆J7qCZtZxmc ：2013/01/22(火) 21:35:25 ID:WaaSb7YE0
| ::|:::::::::|::::. ::::|| ､ │ │
| ::|::::::::lﾞ::::: ::::::ﾞl|::: .i､ ﾞヽ、 | |
| :::|::::::|:::::::::: _＿_|､:: |:: ヽ ﾞ'-＿ | _,|
| ::::|::::|:::''''"ﾞ￣ :::::::::||:::: ﾘi､ｰ''"￣￣ぐ'―- .,/ |
| ::::ﾞl::|::::::: ﾞl:＼:: i:::ヾ､: .ヽ,＿,,─┬′ ﾞl
| :::::ﾞl:l:::::::::::::: ﾞl: :::ヾ、 ヽ:､::`''-､,,_ ﾞヽ､:::::::i´: i､ ・・・だっていうのに、
! ::::::::lﾞ:l､:::::::::ー―--,,ヾ ::ヽ､_=i-----｀ﾞﾞﾞ￣''ｱ::::|:: ヽ、
,/ :::::::|:::ヽ ―'l,'ｔ'━ﾆrヽ ヾ ,r't━,lﾆ--,,、 ／ | ヽ、 そんな私が、高い塀に囲まれた
,,i ::::::::::l:::ﾞ‐､:::::::`ﾆﾆﾆ" ｀ ﾞﾆﾆﾆ′ /::: ,i′ ヽ、 刑務所みたいなクレムリンで
／ ::::::::::::::::｀'-;;ﾞl::::::::::::::. /;;／ ＼ | 過ごすことになってしまったのは、
／ :::::::::::::::::::::::::::::::|､::::::: ::::::: .ｉ /|::: ヽ- 、 | いったい誰のせいなのかしら？
│ :::::::::::::::::::::::::::::::::|::＼::::::::::::::::::::__｀_ ／::|::: ﾞ'ﾐ -、 |
.| :::::::::::::::::::::::::::::::::::丿::::::ﾞ'ｭ､::::::::::::::.- ｀ _／:::::::::＼ ﾞl、ヽ .| なんだって私がこんな詰まらない街で
│ ::::::::::::::::::::::::::::::／::::::::::.|::ﾞ ヽ､ ;:::: , ‐'"i:::::::::::::::::::::::ヽ | | ／ 辛気臭い役人連中と一緒に暮らさなきゃ
l、::::::::::::::::::_;-'ｸ′:::::::::::::l :::l:::::::|.｀ﾞ―-‐'" ::::i､::::ﾞl､::::::::::::::::::＼ / ,/ │ いけないわけ？
| :::::::::／゛::;i´:::::::::::::::::丿:::|:::::::|:: :::|ヽ:::::ヽ::::::::::::::::::::::| /／ ｀-、
,､ '"´￣￣´"' ､
/:::::／ヽ:::::::::::::::::::ヽ
/:::::/u |ﾄ:l_､:::::::::::::ﾞ,
,':::::/ー´ ﾘｨ|_ヾ;:::::::::::|
!::::f ´･ / |･ ｀!::::::::::l
ｌ::::ｌ `ｰ′ `ｰ ' ｌ::::::::/
ヾﾄﾄ､ Д ,从jｙ' ご、ごめんよぉ・・・
｀'ーｒ::Ｔ´
ｒｆ「ｆレｸﾞヽ、
/|り:!／::::::::::ヽ.
/::止:::::::::::::::::::::::l
ｊ::::l|0l|:::::::::::::::::::::::l
/:::::::l|0l|:::::::::::::::::::::::l
ﾉ::::::::::::l|0l|:::::::::::::::::::::l
j::::::::::::::::l|0l|::::::::::::::::::::l
アンナの夫・秘密警察官 スタニスラス・レーデンス
405 ：
◆J7qCZtZxmc ：2013/01/22(火) 21:36:17 ID:WaaSb7YE0
スタニスラス・レーデンスはグルジアの秘密警察長官の座についていたが、
グルジア共産党の「長老たち」と同様、新興幹部のベリヤと激しく対立しており、
長老たちと組んでベリヤ追放の計画を練っていた。
ノ , -''"~￣￣￣￣￣｀ｰ､
丿 ／ ＼
) / ,-'" !、 ヽ
/ ／ ヾ ｜ ､ ヽ
/ ／へ | | |ヽ ヽ
/ / ,へ | lへ､ヽ、 |
| / /--‐' 丿 -|---､ | | ﾍﾟｶｰ
| | ・ ・ ヽ |
| | / !
| | `ー'´ ＼__／｜ /
| ', l /
ヽﾉﾉヽ._ ,へ、 / / //
＼ `--.` ___／
￣~厂￣ |
_,,-r | ／,へ、
∧,,∧ ∧,,∧ ∧,,∧ ∧,,∧
ミ,,ﾟДﾟ彡 ミ,,ﾟДﾟ彡 ミ,,ﾟДﾟ彡 ミ,,ﾟДﾟ彡
(ﾐ ﾐ) (ﾐ ﾐ) (ﾐ ﾐ) (ﾐ ﾐつ おら！こっちにはやる夫の親戚が
ﾐ ﾐ ﾐ ﾐ ﾐ ﾐ ﾐ ﾐ ついてんだ！てめえの好きにさせるか！
∪ ∪ ∪ ∪ ∪ ∪ ∪ ∪
【グルジアの長老たち】
＿＿＿_
／ ＼
屑どもが・・・ ／ ⌒ ⌒::::＼
俺の邪魔をしてタダですむと ／ （●）}ili{（●）::::::＼
思ってるんじゃねえだろうな？. | __´___ :::::::|
＼ `ー'´ ...:::::／
グルジアGPU副長官 ラヴレンチー・ベリヤ
406 ：
◆J7qCZtZxmc ：2013/01/22(火) 21:37:16 ID:WaaSb7YE0
だが、この政争は結局ベリヤの勝利に終わった。
長老側の追放計画は頓挫させられ、加担したレーデンスは最終的にグルジアGPU長官から解任される。
＿＿＿_
／ ＼
／ _ノ;::::::::⌒ ＼ いいですか？
／ ;;;（◯）::::::（◯）;;; ＼ これが日ごろの行いの賜物というものなのです。
| ,__´___ ⌒ |
＼ `ー'´ ／ お・わ・か・り？
／ ＼ ねえ今どんな気持ち？
レーデンスが去った後、グルジアGPU長官に就任したのは他でもない、
レーデンスの部下であったベリヤだった。
/ヽ､_.. -‐'' ´￣￣￣/
_ .. -‐‐ ''' `7,.ヘﾆ=＝ﾆ二￣ /
i ..-‐r''‐', ｀丶、 ム
l ／ ／l ＼.ｨ
＼ / ,/ ! ,ｨ' 」└ ヽi
とi ,! ∨! ┐「 ﾚ,l
l ,ｉ l ﾄ、 ／ 'ﾉl ごめんじゃないわよ！！
l、 !＼ !ｌ ＼ _... ∠. !
l ! l -‐-..丶_ `' ‐ .,ィ_´__.. ｨ_i´ l あんたがちゃんとやる夫に
i ＼ ! ______.. ｀ '"_ｪ==Ｆ､l'､ヽ i 話を通しておかないからでしょ！
丶 r'_!┬‐ 'て, ゝ ,, `ｼﾑノ !
'､ゝ_ｉ ゝ''...ノ ゛''''".ｲ ' ＼ なんで書記長の家族である
ノ ゝ. r ヽ、 ／! '、 ヽ 私たちがあんな男に
／ ,.ﾉ ｀ '' ‐-┴─т" __く _) ﾉ 追い出されなきゃいけないのよ！
/ {__....., _...ｨ´く ﾒ´"/-i く ／
`ー-‐, （/ ＞' ,ﾆr‐-く l /
/ r┘ ケ !,'、 ィ゛ L..._｀)
'-‐''´と..ﾍ !.__ノｌｉ｀-ィ 、,､ヾ '
ｉ `! i ハ ヽ l'`i "
ｉ i 'ﾍ' ∨'｀ l !
407 ：
◆J7qCZtZxmc ：2013/01/22(火) 21:38:00 ID:WaaSb7YE0
レーデンスはその後ウクライナGPU長官に異動するが、
またもや長官職を解任されモスクワに呼び戻されたのであった・・・
,､ '"´￣￣´"' ､
/:::::／ヽ:::::::::::::::::::ヽ
/:::::/u |ﾄ:l_､:::::::::::::ﾞ,
,':::::/ー´ ﾘｨ|_ヾ;:::::::::::|
!::::f ´･ / |･ ｀!::::::::::l
ｌ::::ｌ `ｰ′ `ｰ ' ｌ::::::::/
ヾﾄﾄ､ Д ,从jｙ' そんなこと言われてもなぁ・・・
｀'ーｒ::Ｔ´
ｒｆ「ｆレｸﾞヽ、
/|り:!／::::::::::ヽ.
/::止:::::::::::::::::::::::l
ｊ::::l|0l|:::::::::::::::::::::::l
/:::::::l|0l|:::::::::::::::::::::::l
ﾉ::::::::::::l|0l|:::::::::::::::::::::l
j::::::::::::::::l|0l|::::::::::::::::::::l
やる夫はレーデンスの個人的性格は気に入っていたらしいが、
どうにもその秘密警察官としての能力は買っていなかったようである。
408 ：
◆J7qCZtZxmc ：2013/01/22(火) 21:38:51 ID:WaaSb7YE0
_＿__
, :´: : : : : :｀ヽ
r‐'v‐=ｖ＝ｖ=-vﾍ
〈＞'"´ ￣ ｀: .＜〉
,. :´ : : .:ヽ
／ . : : : :.
/ 〈' / : .､. :ﾊ
, ' . :∧ : : ::,ﾊ . : }ﾉハ
／ . ::' ', : ::|.::i . : . : ﾉハ
／ . : : ｉ ', ヽ . ::|.::i . :} . : :. あら、
／ イ . : :-|‐- ､Vハ : :|从 . :/ i . :∧ なにか聞き知った声が聞こえると思えば、
| .: . :i从| ⌒ヽ｢ｊハ∧ﾉ . : : ::. アンナとレーデンスだわ。
|.::∧ . ::| ,=＝ミ ,=＝ミ | .:/. : ﾄ､:.
|:/ ∧.:::|、 | .::/i . : | ヽ ごきげんよう。
|′ ヽト. ' | .::/ｲ . :ﾉ モスクワで会うのも久しぶりね。
/ .:∧ 、 ＿ ﾉ|イ.:::|／
/ .::::介i:､ .イ::: : | :::| グルジア帰りかしら？
// .::::/.:::;| ＞ . _ . ＜/ .:|:.: : :| :::| ああ、今はウクライナだったかしらね？
// /::/／{ﾉ 〈ヘく: : : | :::|
// ..'イ´ | ヽ| ヽﾉ 从 ごめんなさい。
__ .. -≠" | | ヽ ﾉ | |｀ ｰ- .. ＿__ ポストがころころ変わるから分からないの。
/ ｜ |｀ ー ､ , 一' | | ハ 人気者の夫を持つと苦労されるわね、ご苦労様。
. / ｉ / ｜ | ', / |
マリア・スワニゼ
／ 、 l|;| || ￣Tｰ;;::::::::::::::|i::::|: ::::::::| ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l
.l r'| ! |＼ _＿_l_ .ﾞ`ヾ､::::||:::::|: :::::::|| ::::::|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l |
| |:::| ユ__ヽ＿|_ _``丶］ﾄ.､:|:: :::::|:| ::::::|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ ,i
＿| :::::| ./ヽ,___,,ノﾞ｀ﾞ､::||べ.ﾄ､: :::::|::| ::::::|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`'‐┴-‐';'
/ﾞ l, ::. _.|つ;（●）;;⊂i `'ﾄ.､:ヾヽﾕ::i:ヽ、::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/
l、 ::....｀`-､;;;_;;.／ .::l.:::::::::｀ヽ;:::i ::ヽ､::ヽ､:::::::::＼::::::::::::::::::::::::::::::::／"
ヽ ::::::::::::::::::::｀ﾞ::`:::::::::ヽ:::::::::::::`-`／ﾞi二ｺﾆ ―-､ヽ;;;_:::::_;;;;;;;;‐''" | l i 川 | l i川 | l i 川 | | l i川| l i 川／／
: ::lﾞlヽ､ :::::::::::::::::.. :::::::::::`:::::::::::::::::/ﾞTﾞ"'ｼｯ,ﾐﾆ､::::｀:::::::::ﾞﾞﾞ,ン' 三
:: ::::/::l ::l :::::::::::::::::::::::.... ::::::::::::::::::::::::::::::::i`（●）";;/ヾヽT――ｰ'" ちっ・・・嫌な女と鉢合わせしちまった 三
;;／::/ヾ､:| :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ::::::｀ﾞ-.､;;_;;／ .:／ 三 三
;;;;;;;/"''￣"￣ｰ -,,, :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |:::::::::::::::::::`:／ ／／川 | l i 川 | l i川 | l i 川 l i川 | l i 川 |＼＼
410 ：
◆J7qCZtZxmc ：2013/01/22(火) 21:40:09 ID:WaaSb7YE0
/::::::::::||:::::::::::::::::/:::::::: il|:: ＼ ﾞl
/::::::::::::ﾘ:::::::::::::ナ'''''- 、:|ﾄ_＼ ＼ ⊥-‐ｲ
,l::::::::::::::|::ﾞl |.,／ヽ,ﾆｴｔ‐ .::!|:ヽ:::ヽ.＿ ＼＿_ノ _,
,l ::::::::::::,ｲ-ﾞl|、:::'"i:::;Ｃ;lヽ ヽ:ヽｴ__ ＼ ￣／
,,／::::::::::::::::|::ヽ."丶 ヽ;ﾟ./ 7でﾄi_;;;;;-‐‐‐'"
,／::::::::::::::::::::::人::::l:::::::::::::´￣｀::::::::::::: |::ﾟｿ.:::/ｲ お久しぶりねマリア。
l:::::::,/::::::::::::::::/:::ヽ,_｀:::::::: ″ ｀ヾ /| |.
|:::i´::::: :::::::::/:::::::::|:ヽ;;:::: 、__ .i丿l そういう貴方はまた外国帰り？
|::lﾞ::::: ::://::::::::::::l::::ヽ:::::: - / |
___/:|::::: :l::lﾞ:::::::::::::l::::::|::::ヾ、 ／ ヽ、 もうソ連にいるより外国にいるほうが
;;;;／::::::: :l::|::::::::::/::::::|:::::::::::ヽ、__,, -‐'"´、 l 多いんじゃないかしら。
::|:::::::::: ::l::l:::::::/::::::::|::::::::::::::::::::|:::::|:::::::::ﾞl:: |
:::|::::::_＿__ :;」」;;;┴;::::ﾉ:::::::::::: |::::::|::::::::::::|:: / いっそ外国に定住なされてみては？
:::ﾞl;:/::::::::::::｀「lｰ‐ - 、:ヽ:::::::::: |:::::/::::::::::::,!:: ,/
,／:::::::::::::::::i:´ ヽヽ. ﾄ＼:::::::／:: /┤ いちいち自分の居場所を確かめるために
｀::: ::::::::::::::|:: ヽ! ,! ｀''､::ヽ__ .| │ 帰国する手間も省けてよ。
::: ::::::::::::|:::: ヽ / _,-‐''´￣ ｀ヽ| l、
! : : : :i:::,イ:|:: : : : : ': : : : : : : : : : : : : ::l: : : : : :: : : :/iヽ、/: : : : : : : :i
. !: /: : :|/ l::|ヽ:: : : : ',:: : : : : : : : : : : : :': : : : : :!: : / :ﾄ､/:::': : : : : : : :.i 今後の貴方との親戚関係のためにも
!:/; : : :!｀丶!| ＼:: : ﾍ､:: : : : : : : : : : ': : : : : :.|: // :.!:::::::::::' : : : : : : :i 羨望の言辞と解釈しておくわ。
. |,' {: : : | ｧﾐ、!ヽ ＼: :ヽ＝::::: : : : : /: : : : : : :!:./: : :!:::::::::::: ', : : : : : :i
|. ﾊ: : :Y {ｲヽ ´｀丶＼ヽ、 : : /: : : : : : : |/: : : '|::::::::::: : :',: :',: : : i それと私のアリョーシャ君は
. i:::::＼{'､_ﾏリ ァ'"て｀ヽヽ/ : : : : : : : !｀ヽ: ;' !:::::::::. : : :; : : : : :i 外国語が堪能だから、
. i:::::::l {::: しz:》 : : : : : : : : ' }/ !:::::::: : : : :i: : : : :.l 国外に活躍の場が多いの。
. l::::::::i ／ 丶｀ｰ‐'7: : : : /.: : : :,'. / !:::::: : : : : !ヽ: : : |
ｌ::::::λ ! /: : : : /|: : : :,'. ／ !:: : : : ! : : : ヽ: :.! 私もロシアの片田舎で
| ／|ﾊ ' : : : : '__! : : ,' ´ ヽ: : : i:i : : : : :ヽ| 落ち着いた生活をしてみたいのだけれど・・・
. !::ﾍ `ヽ , ': : : ／/ /! : :,' ヽ: : j:j: : : : : : ヽ
!::::|ヽ ｀ ／-― ' / j: :,' !: :/,': : : : : : : :ヽ
. !::l ﾊ _ - ´ / j.:/ ヽ. ／:,:': : : : : : !: : : ',
!| ｀¨ T ¨´ .l j:/ } ／:., ': : : : : : : : !: : : :',
i ___＿L__/_ ／: ／j: : : : : : : : : |、: : :i
| , =三三三ヽ、|. ／: ／ /: : i: : : : : : : | ', : : i
411 ：
◆J7qCZtZxmc ：2013/01/22(火) 21:41:38 ID:WaaSb7YE0
〃 : : : : : : : : : : : : : ＼: : : : : : : :ヽ
/:/: : : / : : : ＼: : : : : : : ヽ : : : : : : ‘，
/:/: : : : ト : ヽ : : ＼: : ヽ: : :‘，:‘，: : : ﾊ
/: :| : : : : | ＼: ＼: : :＼: :＼: :‘，:‘，: : : |
/: : 从: : :l :| ヽ: :＼＼: く厂＼{: : :l: ＼: ヽ
. /: : /|: :|: : l: 「￣｀ ヽ__ゝｰУ示ミト : |: : : ＼: ＼ それに、
/: : /: |: :| l :Ν´示ミﾄ 之ｚツ从:|）: : : : :＼: ＼ 私のアリョーシャ君はやる夫から
/: : /ムl : | l: : ｌ 之ﾂ ﾑ : |: : : ＿_ｌ ￣ 実の兄弟のように気に入られてるから
/: : / ﾉﾊＮ: : :ゝ l ﾉ＿へ ｰ､ ヽ いちいち呼び戻されるし
￣ /: :ﾊト-ト-ヽ ＿， /‐ｧ 〉 〉 / / 参ることも多いわ。
/: /: : :|: |: : :个 ｀¨´ ／´￣ /:ｌ
/: ム ￣￣ ヽム┴ｱ｀ヽ ┐´ ┘＿_ ｲ: : l 周りからは余計な
/／ / ／ ∧└ ― ＜ ´ﾊ: : :|＞ : l 嫉妬を買ってしまうしね？
／ / ／ { | У ヽｔ≧ ´ ￣￣ ヽ
/ / く | | ハ} / ‘，
／ / .＼ | ﾉ /| l! { }
＼ ｒ ＼ く ノ | l ﾉ /
.i､ ﾞヽ、 | |
|:: ヽ ﾞ'-＿ | _ ,|
ﾘi､ｰ''"￣￣ぐ'―- .,/ |
i:::ヾ､: .ヽ,＿,,─┬′ ﾞl
、 ヽ:､::`''-､,,_ ﾞヽ､:::::::i´: i､
::ヽ､_=i-----｀ﾞﾞﾞ￣''ｱ::::|:: ヽ、
,r't━,lﾆ--,,、 ／ | ヽ、
ﾞﾆﾆﾆ′ /::: ,i′ ヽ、 ・・・あら、そう。
ﾉL /;;／ ＼ |
.ｉ ⌒ /|::: ヽ- 、 | そりゃよかったわね。
__｀_ .／::|::: ﾞ'ﾐ -、 |
.- ｀ _／:::::::::＼ ﾞl、ヽ .| どうでもいいけど、いちいち自慢話を
, ‐'"i:::::::::::::::::::::ヽ | | ／ 混ぜないと会話できない性格、
.―-‐'" ::::i､::::ﾞl､::::::::::::::::＼ / ,/ │ 直した方がいいわよ。
:::|ヽ:::::ヽ::::::::::::::::::::| /／ ｀-、
.:::广ヽ;;;;ﾞl;;;__::::::::::::/ ﾘ゛
:::::｀'-,‐:::::::::::::::l::｀|─ヽ、 l
:::::::／:::::::::::::::ﾉ::″::::::::::｀''-l
412 ：
◆J7qCZtZxmc ：2013/01/22(火) 21:42:46 ID:WaaSb7YE0
／ 、 l|;| || ￣Tｰ;;::::::::::::::|i::::|: ::::::::| ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l
.l r'| ! |＼ _＿_l_ .ﾞ`ヾ､::::||:::::|: :::::::|| ::::::|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l |
| |:::| ユ__ヽ＿|_ _``丶］ﾄ.､:|:: :::::|:| ::::::|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ ,i
＿| :::::| ./ヽ,___,,ノﾞ｀ﾞ､::||べ.ﾄ､: :::::|::| ::::::|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`'‐┴-‐';'
/ﾞ l, ::. _.|つ;（●）;;⊂i `'ﾄ.､:ヾヽﾕ::i:ヽ、::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/
l、 ::....｀`-､;;;_;;.／ .::l.:::::::::｀ヽ;:::i ::ヽ､::ヽ､:::::::::＼::::::::::::::::::::::::::::::::／"
ヽ ::::::::::::::::::::｀ﾞ::`:::::::::ヽ:::::::::::::`-`／ﾞi二ｺﾆ―-､ヽ;;;_:::::_;;;;;;;;‐''"
: ::lﾞlヽ､ :::::::::::::::::.. :::::::::::`:::::::::::::::::/ﾞTﾞ"'ｼｯ,ﾐﾆ､::::｀:::::::::ﾞﾞﾞ,ン' （まぁいいわ・・・
:: ::::/::l ::l :::::::::::::::::::::::.... ::::::::::::::::::::::::::::::::i`（●）";;/ヾヽT――ｰ'" この女がデカイ顔してられるのも
;;／::/ヾ､:| :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ::::::｀ﾞ-.､;;_;;／ .:／ 時間の問題よ。なにせ、
;;;;;;;/"''￣"￣ｰ-,,, :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |:::::::::::::::::::`:／ ナージャはもうこの世にいないのだから・・・）
＼ヽ l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l /／
＼ ／
二 傷心に浸るやる夫の傍に寄り添う存在が必要！ 二
／/ ＼
// l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l ヽ＼
.:.:./:.:＼_{ | :.:.... ｜ / / .:/ } :} ／ V }
.:.:.:.:.:.:.:.:.:ゝ‐!:. : .:.. .. |: :/ .:/_ ﾉ | ; }.:. ｜}
{:.:.i:.:.:.:.:.:.:.ｰﾊ:. |:. | .:/ ...:/´ j/ ,ｘｨ小:. ∧{
}.:.:{:.:.:.:.:.:.:./i :.:.. :.. |:. | ..:/ .. :／ / ｆｔJ ﾊ:.:. /
{.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:| :.:.:.. :.. |:.. : } .:/ ...:.／ ,､_ ゞ'^ ﾉ ィヽ
.:.:.:.:.:.:.:.:.:ｉ.:.:| ､:.:.:.:.. :... ／⌒|:.. :i. ハ. .:/.:.:ｘィ＜⌒ ヽ {:.:.: （相変わらずの百面相ね。
:.:.:.:.:.:.:.:.:.|.:.:| 、:.:.:.:.:/ ⌒ヽ|:.:. {:. ∨ｨｆ:ｔ:Ｊﾉﾉ／ ｉ }:.: i
.:.:.:.:.:..:.:.:.|:.:.| ＼:.:.:{ ⌒｀!:... ::.. :.｀^冖^´ ′′:| 貴女の考えていることなど
.:.:..:.:.:.:.:.:.|.:.:| ＼V :.:... :､:.. ∨ヽ/ ヽ ､ /:.:.:.:| すべてお見通しなのよ。
:.:.:.:.:.:.:.:.:.|.:.:| ｀＼ !{:.:...:..:.:.:､:... :､ ／/:.:.:.:.ﾘ
:..:.:.:.:.:.:.:.:|.:.:| ｀ ｰ小.:.:.:.:.:.| ＼:... ＼ ′}⌒ ナージャのいなくなった
.:.:.:.:.:.:.:.:.:|.:.:l ﾊ:.:.:.:.:.:.ト ｀＾￣ ⌒ ｊ:.:.:. このチャンスを掴みたいの
:..:.:.:.:..:.:.:.|:.:.| r/ ､.:.:.:.:| ‐- ＿＿＿ .ノ|:.:/ でしょうけれど・・・）
.:.ｉ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.| ／!{ ､:.:.| /´＼＼::｀::..、!/
:.:|:..:..:.:.:.:i..:.:| ヘ-‐ ´ ､､ ヽ{ / ヽ ヽ::::::＼
.::l:.:.:.:.:.:.八.:|ｘ＜ ＼ ＼ 、 ∧ } }::::::::::ヽ
413 ：
◆J7qCZtZxmc ：2013/01/22(火) 21:43:22 ID:WaaSb7YE0
人::::::,／:::::::::::,//|:: `ヽ ヽ､
/::::ィ‐′:::::::::::/::::::|:: ＼__,lﾞ
/::::,〃::::::::::::::::/:::::::|:: / ヽ|
/:::::::l:|::::::::::::::::::/:::::::::|::i:: ﾞl
/::::::::::||:::::::::::::::::/:::::::: il|:: ＼ ﾞl
/::::::::::::ﾘ:::::::::::::ナ'''''- 、:|ﾄ_＼ ＼ ⊥-‐ｲ
,l::::::::::::::|::ﾞl |.,／ヽ,ﾆｴｔ‐ .::!|:ヽ:::ヽ.＿ ＼＿_ノ _,
,l ::::::::::::,ｲ-ﾞl|、:::'"i:::;Ｃ;lヽ ヽ:ヽｴ__ ＼ ￣／
,,／::::::::::::::::|::ヽ."丶 ヽ;ﾟ./ 7でﾄi_;;;;;-‐‐‐'"
,／::::::::::::::::::::::人::::l:::::::::::::´￣｀::::::::::::: |::ﾟｿ.:::/ｲ
l:::::::,/::::::::::::::::/:::ヽ,_｀:::::::: ″ ｀ヾ /| |. （その役をこなせるのは、
|:::i´::::: :::::::::/:::::::::|:ヽ;;:::: 、__ .i丿l
|::lﾞ::::: ::://::::::::::::l::::ヽ:::::: - / | 他でもないナージャ本人と
___/:|::::: :l::lﾞ:::::::::::::l::::::|::::ヾ、 ／ ヽ、
;;;;／::::::: :l::|::::::::::/::::::|:::::::::::ヽ、__,, -‐'"´、 l 同じ血を引く私だけ・・・ﾌﾌﾌ）
::|:::::::::: ::l::l:::::::/::::::::|::::::::::::::::::::|:::::|:::::::::ﾞl:: |
:::|::::::_＿__ :;」」;;;┴;::::ﾉ:::::::::::: |::::::|::::::::::::|:: /
:::ﾞl;:/::::::::::::｀「lｰ‐ - 、:ヽ:::::::::: |:::::/::::::::::::,!:: ,/
,／:::::::::::::::::i:´ ヽヽ. ﾄ＼:::::::／:: /┤
｀::: ::::::::::::::|:: ヽ! ,! ｀''､::ヽ__ .| │
, ′: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼
/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :＼
/: : : : : : : :ﾄ.:.: : : : : : : : : : : : : : : : : : : i.:.: : : : : i
/: : : : : : : .:.l ',.:.:.: : : : : : : : : : : : : : : : : l: : : : : : l
: : : : : : : : : | ',: : :.ﾄ: : : : : : .i }∨.:.: : : |: : : : : : |
. / : : : : : : : : : |― 、: | ',: : : : :ﾊ | ∨ﾄ: : }: : : : : : |
/.:.: : : : : : :ﾄ_仆廴 ＼| ＼: : ﾄ斗＝|/ﾘ从: : : :i: : .|
. /: : i.:.: : : : : |〃忙勿气::.! ￣〃忙勿气./: : : : |: : :|
/: :乂{: : : i : : | ,弋歹 弋歹 , /:.: : : :/:.: : | （残念ね。
. ／ | l:.: : :l : : | ´ ¨¨ ´ ¨¨ ./: : : :／.: : : :| 本当のヒロインをこなせるのは
l: :l.: : :l : : ﾄ i::. /: : :／ : : : : : :| 本当のプリマドンナだけ。
!: : !: : |: : 丶 ∨ /: :∠.:.: : : : : : : |
ﾘ: : 丶 ト ＿ ＼ /ィ"|: : : : : : : : : : | 貴女のような三流役者には
. /:.: : : : ヽ:.: : : : ゝ ´￣ ` ｲ|.:.: : : : : : : : : | 大役に過ぎるわ）
/:.:.:.: : : : : : : : : : : : ＞ イ.:.:.:|:.:.:.: : : : : : : : |
/:.: : : : : : : : : : : : : : :_| ヽ _ ＜ l:.: : :|.: : : : : : : : : : |
: : : : : : : : : : : : : : : :/ | l: : : :|.: : : : : : : : : : |
/.: : : : : : : : : : : : : ／ (/ |∧: : |:.:.:.: : : : : : : : |
414 ：
◆J7qCZtZxmc ：2013/01/22(火) 21:43:51 ID:WaaSb7YE0
/ へ ﾍ へ、 zノ /
./ ∧ ＼ ＼ ｀ ＿ ｲ
∧ / 厶 ＞ <¨￣＿＿＿＿_／ Y
| l 、 ゝー― ‐＝笊=气、 {i i
| ,' ＞ 、 爪!z:つノ |彡、 、
、 l '¨ 爪Y: : : : : : ー⌒ ¨ ./ : l ゝ
.＼l ﾊ茄ﾘ , ./ ＼
; ー' ., 。ｨ ｀＼
; ＿ ノ / l ヽ、
; | l ﾉ }
、 .| ; |
l ＼ , .| ; |
/ ; ＞ ＿.イ . |＿ √>、 ＼
l / | ＜¨＿＿＿＿＞、 、
l ; ; . | , ⌒' ＜ ヽ入
ﾍ ; l ｨ' ／ .:: :':: ∨
.l ｨ＜ ／':: :::; '::l
/ ‐、＿ _ > ／... :::::' ::: :::. |
＼＼ | l i 川 | l i川 | l i 川 | | l i川| l i 川 i 川 | | l ／／
三 三
三 「ナージャ」の地位を手に入れるのは私よ！！ 三
三 三
／／ | l i 川 | l i川 | l i 川 | | l i川| l i 川 i 川 | | l ＼＼
/ . :／ { ﾉ､ ｝ ヽ ヽ＼
′ . : { ハ/ ＼ {: . i 丶
i . :/ ﾄ(〃ｆ行ﾐﾒ､ 八: . }_」 ｝
| . :′ | ゞｌ以 ヽ _.ﾉﾉ} / ＼
| . :/ {: . | ｨ行ﾉイ ト ＿ ＞
|/ / ｲ ﾊ: . | ､ l以{: : . }
/ /／ }i / ヽ: . 〉 }: : }
/ 八 / ＼_ { .: : / .′
)/} 、 -‐ _, /: :./ /
/ . :′ 丶 . : : :/ / ′
/ . :/ . : : :′ 、 ィ: : : /ィ／
/ . :/ . : :_:.′ / {｀ヽ/
/ . :/ /Y/ /⌒: :ｰ. }
/ . :/ 〈/∧ /: : : : : : . :}
/ . :/ V/∧ /: : : : : : : . . :
-―――{: . V//; 、 /〉､: : : : : : : ′
. ／´ : . '////ヽ /∨∧: : : : : : ′
／ ヽ: . '//////＼ ∨∧: : : : : ′
415 ：
名無しのやる夫だお ：2013/01/22(火) 21:44:22 ID:2DMWSlfA0
明日のナージャですね 416 ：
◆J7qCZtZxmc ：2013/01/22(火) 21:44:30 ID:WaaSb7YE0
ナージャの死後、クレムリンにはレーデンス夫妻、スワニゼ夫妻が移り住んだ。
やる夫と親戚関係にあるこれら「やる夫ファミリー」の女たちは、
その特権的地位を弄んでやる夫に取り入る一種の「ヒロイン競争」を始めつつあった。
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
/:::::::::::::::::::::::∧:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
/::::::::::::::::::::::/ l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l
l:::::::::::::::::::::::/ ',::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l
l/l:::::::::::::::::/￣ ｀,:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l
',::::::::::::::/弋 テ ',:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,'
〉::::::::::l｀ - ´ ∨ヽ::::∧::::::lヽ:::::::::∧', ・・・レーデンス。
ノ::人::::::ヽ ヽl ヽ:::l ヽ::::ﾉ ﾉ_ヽ_
￣ /:::::::',｀ ｌ . ∨ l::/ノl お互い気苦労が絶えないな。
',::::ゝ ﾉ:::::::l
／ ∨lヽ ∠ニつ ノ:::::lヽl＼
／ l l´ ヽ ／ .｀l´ l ＼
／ l l ヽ _ l ﾉ l ＼
／ l ＼ ／ ｌ ＼
マリアの夫・やる夫の義弟 アレクサンドル（アリョーシャ）・スワニゼ
,､ '"´￣￣´"' ､
/:::::／ヽ:::::::::::::::::::ヽ
/:::::/u |ﾄ:l_､:::::::::::::ﾞ,
,':::::/ー´ ﾘｨ|_ヾ;:::::::::::|
!::::f ´･ / |･ ｀!::::::::::l
ｌ::::ｌ `ｰ′ `ｰ ' ｌ::::::::/
ヾﾄﾄ､ Д ,从jｙ' そうですね・・・
｀'ーｒ::Ｔ´
ｒｆ「ｆレｸﾞヽ、
/|り:!／::::::::::ヽ.
/::止:::::::::::::::::::::::l
ｊ::::l|0l|:::::::::::::::::::::::l
/:::::::l|0l|:::::::::::::::::::::::l
ﾉ::::::::::::l|0l|:::::::::::::::::::::l
j::::::::::::::::l|0l|::::::::::::::::::::l
417 ：
◆J7qCZtZxmc ：2013/01/22(火) 21:44:59 ID:WaaSb7YE0
騒がしい彼女たちは、女同士の争いに熱中するあまり、しばしば危険なサインを見過ごしていた。
: ｌ: : : : | :/|: : : :/ ＼ヽ 丶､: : : : : : : : : : .＼: : :|: : : :|
: ｌ: : : : |/ :|: : :/ ＼、 ｀ ｰ- : : : : : . ＼|: : : :|
:│: : : :′:l: : 厂ヽ￣￣￣￣｀ヽ _／ 厂￣￣ |: : : :|
:人 : : : : . ヽ人 ノ ／ ヽノ / : : : |
′ '; : : : : : . ヽ＞ 、＿＿ ／ ｀ ｰ ＜ｌ : : : /|
'; : : : : : : . ヽ | : : //|
、 '; : : : : : : : . ヽ ･ ･ |_／//l
.:＼ '; : . ＼: : : : : .＼ ＿ ///
: : . ＞丶: : : .＼／￣｀ |ﾍ ｀丶、 /l//
: : : : :厂 : : : : .', ｀ ｰ - ′ , |/
: : : : :| ヽ: : : : ',、 ／
: : : : :| ＼: : ',＞ _ ＿, イ
／ 、 l|;| || ￣Tｰ;;::::::::::::::|i::::|: ::::::::| ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l
.l r'| ! |＼ _＿_l_ .ﾞ`ヾ､::::||:::::|: :::::::|| ::::::|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l |
| |:::| ユ__ヽ＿|_ _``丶］ﾄ.､:|:: :::::|:| ::::::|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ ,i
＿| :::::| ./ヽ,___,,ノﾞ｀ﾞ､::||べ.ﾄ､: :::::|::| ::::::|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`'‐┴-‐';'
/ﾞ l, ::. _.|つ;（●）;;⊂i `'ﾄ.､:ヾヽﾕ::i:ヽ、::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/
l、 ::....｀`-､;;;_;;.／ .::l.:::::::::｀ヽ;:::i ::ヽ､::ヽ､:::::::::＼::::::::::::::::::::::::::::::::／"
ヽ ::::::::::::::::::::｀ﾞ::`:::::::::ヽ:::::::::::::`-`／ﾞi二ｺﾆ―-､ヽ;;;_:::::_;;;;;;;;‐''"
: ::lﾞlヽ､ :::::::::::::::::.. :::::::::::`:::::::::::::::::/ﾞTﾞ"'ｼｯ,ﾐﾆ､::::｀:::::::::ﾞﾞﾞ,ン'
:: ::::/::l ::l :::::::::::::::::::::::.... ::::::::::::::::::::::::::::::::i`（●）";;/ヾヽT――ｰ'"
;;／::/ヾ､:| :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ::::::｀ﾞ-.､;;_;;／ .:／
;;;;;;;/"''￣"￣ｰ-,,, :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |:::::::::::::::::::`:／
後にこれが、彼女たちの頭上に巨大な災難が降りかかる原因となるのだが・・・それはまだ先の話である。
418 ：
◆J7qCZtZxmc ：2013/01/22(火) 21:45:26 ID:WaaSb7YE0
―――1933年1月、ボリシェヴィキ党中央委員会総会開催。
l ヽ ＿, ｌ l /￣￣￣7｀＼ ｌ ｀￣￣￣ l|
ヽ＿＿, ---─'´ //＿, l l ￣￣´ ｀＼/ｌ l |
＿＿＿＿,-'´ヽ ｲ'´ 〉---─ 7 l _ |l l l ＿_ |
/´ ヽ l ＿ 〈 ＿＿__ / ｌ_ ヽヽ __l|l |l |l ｀ ─---─ '´￣ ｀l| |
/ 〉 l: ∧ |｀￣￣´l l l ￣ l| |l |l |l ＿＿ | |
/ ＿＿,-'´ l/ / |ｌ ｀ｌ / ／､ |ｌ -- l´l| | ＼ ||l |
/ ,-'´￣ ｌ 〈 | |/ ｲ V | l| ＿＿＿＿＿ | 、 ｀ | | |
/ / ＿_ ヽヽ ￣￣￣´ l ／ l| |/´￣￣￣￣￣ヽ| ｀‐-| | |
/ / | ／ヽ ＿＿ / 〉' /二/ /二/ ｌ| ∨ ｌ l| |_ | l| | |
/ / l'´ >/´￣￣/ / _ _ｌ| |l | | | |l | l| | |
/ / ＼ ／ 丶 / / ヽli､ _ _ ／イ | l| | | | l| | П Пl|｀‐-､l| | |
/ / 丶 丶_〈´〈 l | ｀i[､ ヽｌ ／／ l/ l| | | | l| |_￣￣￣￣￣ ｀ ‐-､l| | |
/ / ヽ ／ >､＼＼＿＿＿_／／ ／ l| | | | l| | ｌ | |l |
/ ＼ ／ ｀､────､´ ／ |、 ｌ| | | ｌ|l __________ l _____________l| l l
＼ / / ヽ＿＿＿＿ヽ／ |｀、 l/ ￣￣Ｙ､l|l｣ l | l l
＼ / /----‐─ ─‐ ∧ ヽ |l ｀､ l ＿/ ｌ| l | l l
/ / l ヽヽ ヽ |l ｀、〈￣´ｌ__ヽ､ | l |｜ |
/ / 」 ´､ヽ ＼ ヽ|ｌ ｀、 〉二_ ´､＼、 ＿＿＿＿＿＿_ｌ| l| |
/ / ／´,─､､ ｀､ ＼＿＿_ >、 ＿/l´ / |ｌ ＼l|ｌ ／ | | | |l|
/ ヽ￣￣￣￣/ ／/／// 〉 ｀/∧ |l 二､_ ｌ| / |l| l||／ | | l||l |
｀、 / / /___// / / / |l ┌ l|ｌ ￣ lL＿｣l| ／ｲl ｌ| _ _ l| | |
/｀、 _ 〈 〈 ヽ＿∨ ／／l l|､- - |＼、 ヽ--｀'／／ |ｌ ｌ| 冂 冂 _l| l| |
∧ ヽ_ヽヽヽ ＿＿_／／ l | ｌ ,-, ＼｀───´／ ｲ|ｌ| ／￣ ￣￣￣ ￣ｌ| | |
/ ｀､ / ￣ ｀───‐ < ／ >─､､ _ ＼l｢￣￣￣ | ／ l| l ／ | l| |
/ _∨ ＼＿＿＿ ／ ／| / ｌ|l､ ＼ ヽ───'l | l ｜ | |
∧ // ｀､ / 〉' | / | | l| |l l ﾚ | l| |
/ ｀、 / ｀､ |l ｌ l〉＿〈 ｌ| /| | ｌ l / | | |
/ ∨ ＿_ ｀､ヽ l ヽ二_∨ ／ｲ | l l / ＿＿ l| ｜
∧ // / ＿ヽ ｀､ヽ＼＿＿＿_／／ 〉' | ──‐ ´ ／ | ＿ | | l|
/ ｀、/ / /､ ヽ ､｀────‐< ／ ヽ l| ／ ／| | | |
419 ：
◆J7qCZtZxmc ：2013/01/22(火) 21:45:54 ID:WaaSb7YE0
∩＿
〈〈〈 ヽ
＿＿_＿ 〈⊃ }
／:::＼:::／::＼. | |
／ <●>::::::<●>＼ ! ! 五ヵ年計画は完全な成功を収めた！
／ :::::⌒（__人__）⌒:::::＼| l
| |!!il|!|!l| | ／ 農業集団化によって
＼ |ｪｪｪｪ| ／／ ソ連農業は飛躍的に成長し、
/ ＿＿ / 今やソ連は先進工業国の
(＿＿＿） / 一角となったのである！
やる夫はこの総会で1929年から始まった五ヵ年計画の勝利を宣言したが、
総会は「裏切り者」を吊し上げる弾劾裁判に利用された。
420 ：
◆J7qCZtZxmc ：2013/01/22(火) 21:46:27 ID:WaaSb7YE0
標的はエイスモント事件に関係する最大の大物・・・中央委員会組織局メンバー、スミルノフであった。
＿,. － ､
. ‐ ' ´＿＿｀ヽヽ｀'ー－ ､
／_,:／ ／￣＼ヽ::::/￣＼ ＼
／／:::///:.､:｀ヽ､:::ヽ:Ｙ ! i:. ! ヽ
／:/ ／:/,'/:::::::｀ヽ:::｀ヽ:Ｖﾍ:ｌ: ｌ::.｜. i
. ｌ:::/../:::///｀゛｀｀｀゛｀ ｀ﾞ゛""'ｌ|:: !::: |:i::::. !
!/::/:::::!:l|! l|!::|:::: ｌ:!:::: !
}:::::::::/l::|! l|:::!::!::l:|:::: .. !
─ ､‐─'‐{{|{－ ､ _,,､-―一|::l|:l!::l|!::::::::j
‐ｒ /ｒ－_'i代モ㍉}!＿i{´ rそﾃスｊ::!|:!!:ｌｨﾍV/
（_,/ ｊ／ /N､_ ￣ｲ}l {入_ ￣´ノ|:l ｌ!リか }′
ノｰ ' ∧l! } |! ｊ! ｒ‐''丿
／ヽ ｀､ 〈{ ,r‐７
／ ヽ _＿_ / |;/
ヽ `＝ ｀ ／ !
＼ ／ |┐
ｒ－ ､＿_,. '´_, - '二´｜
|￣| | | 「￣´ |、
| | ト､＿_｣｜
古参党員・組織局員
アレクサンドル・ペトロシフ・スミルノフ
彼がエイスモントの「反党的パーティー」に参加したことも、反党グループの一員であったこともない。
ただ、エイスモントと近しい存在であったということが、彼に疑いをもたらしたのである。
421 ：
◆J7qCZtZxmc ：2013/01/22(火) 21:47:10 ID:WaaSb7YE0
スミルノフは追及の場で反党グループとの関係をきっぱりと否定した。
＿,. － ､
. ‐ ' ´＿＿｀ヽヽ｀'ー－ ､
／_,:／ ／￣＼ヽ::::/￣＼ ＼
／／:::///:.､:｀ヽ､:::ヽ:Ｙ ! i:. ! ヽ
／:/ ／:/,'/:::::::｀ヽ:::｀ヽ:Ｖﾍ:ｌ: ｌ::.｜. i
. ｌ:::/../:::///｀゛｀｀｀゛｀ ｀ﾞ゛""'ｌ|:: !::: |:i::::. !
!/::/:::::!:l|! l|!::|:::: ｌ:!:::: !
}:::::::::/l::|! l|:::!::!::l:|:::: .. !
─ ､‐─'‐{{|{－ ､ _,,､-―一|::l|:l!::l|!::::::::j
‐ｒ /ｒ－_'i代モ㍉}!＿i{´ rそﾃスｊ::!|:!!:ｌｨﾍV/ 私が反党的グループに賛同したことも、
（_,/ ｊ／ /N､_ ￣ｲ}l {入_ ￣´ノ|:l ｌ!リか }′
ノｰ ' ∧l! } |! ｊ! ｒ‐''丿 ましてやその集会に加わったこともない。
／ヽ ｀､ 〈{ ,r‐７
／ ヽ _＿_ U / |;/ この容疑は事実無根だ！
ヽ `＝ ｀ ／ !
＼ ／ |┐
ｒ－ ､＿_,. '´_, - '二´｜
|￣| | | 「￣´ |、
| | ト､＿_｣｜
しかし、彼の弁明は、自らが置かれている政治的状況においてはまったくの的外れであった。
422 ：
◆J7qCZtZxmc ：2013/01/22(火) 21:47:39 ID:WaaSb7YE0
／￣￣￣＼
／ ＼ ほー？自分は無関係と言いたいのか？
／: /ヽ /ヽ ＼
|:: ） / | だがエイスモントはお前が度々自分のパーティーに
＼:: （／ ／ 出席していたと証言しているぞ？
／;;. ｀ヽ
/;:: γ ::ヽ、`､ なら、奴の反党的発言を耳にしていたのではないか？
/::: /;;:::... :::: l、｜ それに対して、無言の消極的支持を行っていたのでは？
（;:. （ :::::..... :::::: i i
人民委員会議副議長（副首相）・中央統制委員議長
ヤン・エルネストヴィチ・ルズターク
423 ：
◆J7qCZtZxmc ：2013/01/22(火) 21:48:15 ID:WaaSb7YE0
＿,. － ､
. ‐ ' ´＿＿｀ヽヽ｀'ー－ ､
／_,:／ ／￣＼ヽ::::/￣＼ ＼
／／:::///:.､:｀ヽ､:::ヽ:Ｙ ! i:. ! ヽ
／:/ ／:/,'/:::::::｀ヽ:::｀ヽ:Ｖﾍ:ｌ: ｌ::.｜. i
. ｌ:::/../:::///｀゛｀｀｀゛｀ ｀ﾞ゛""'ｌ|:: !::: |:i::::. !
!/::/:::::!:l|! l|!::|:::: ｌ:!:::: ! 私は件の発言（※）があった
}:::::::::/l::|! l|:::!::!::l:|:::: .. ! パーティーには参加していない！
─ ､‐─'‐{{|{－ ､ _,,､-―一|::l|:l!::l|!::::::::j
‐ｒ /ｒ－_'i代モ㍉}!＿i{´ rそﾃスｊ::!|:!!:ｌｨﾍV/ その私に対してこれほどの
（_,/ ｊ／ /N､_ ￣ｲ}l {入_ ￣´ノ|:l ｌ!リか }′ 重大な嫌疑がかけられているのは
ノｰ ' ∧l! } |! ｊ! ｒ‐''丿 大きな事実誤認だと思う。
／ヽ ｀､ 〈{ ,r‐７
／ ヽ _＿_ U / |;/ そもそも同志やる夫を解任しろなどと、
ヽ `＝ ｀ ／ ! 正気では無い、そんなことを言えるのは
＼ u ／ |┐ 重度の酔っぱらいだけだ！
ｒ－ ､＿_,. '´_, - '二´｜
|￣| | | 「￣´ |、
| | ト､＿_｣｜
※件の発言・・・エイスモントが酒に酔ってやる夫を解任しろと発言したこと。
,,,,,,,,,,
[|,,,★,,|,]∩ ／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
（ ´∀｀）/＜ 敵なら
＿ / / / ＼ シラフでも言えるぞ！
＼⊂ノ￣￣￣￣＼ ＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
||＼ ＼
||＼||￣￣￣￣￣||
|| ||￣￣￣￣￣||
.|| ||
424 ：
◆J7qCZtZxmc ：2013/01/22(火) 21:48:49 ID:WaaSb7YE0
／⌒ヽ
（ ＾ν＾） パーティーに参加した過去があるのは
／ ＼ 認めるんだな？
/ /＼ /￣＼
＿|￣￣ ＼ / ヽ ＼ スミルノフ、それはいよいよまずいことだぞ。
＼￣￣￣￣￣￣ ＼＿_） 同志やる夫を解任しろなどと叫ぶ連中と
||＼ ＼つるんでたとなるとな！
||＼||￣￣￣￣￣￣￣||￣
|| ||￣￣￣￣￣￣￣||
.|| ||
＿ ＿_
. -－￢,二￢ヽ ｖ‐ｋー 、
／::::: :::／- 、:::::ヽＹハ::ヽ::::ヽ
.／:. .::::／::｀ヽ:::｀ヽ::::j/:::::ｌ:::::',::､:゛､
/::／.:::://ヾヾヾ ﾞ ﾞ ﾞ ﾞ ″'‐､_!:::::i:::!､ ヽ
}//:/l:// ﾍ:::::!:::i.}:..:}
ﾉ/!::l/:! ! }ト::ヽ{::::{
.{::い::!::l ﾘ::::::::::::::! ・・・私は無実だ。
ヾ ヽ:::} ー= ､_ ､､_,x==≦、/ l:::,r‐ ､}
￣￣ }￣ )´Tマッ}!＿i{ ＜ヾタ}!一l/ 片! } だが、そういう疑いをもたれること
｀Y //＾7ﾄ ‐｀￣ｲ}ｌ {＞－－' /∨/ 事態が、私に何らかの落ち度が
ノｰ'ｒ' ﾊ ! 亅 u ⊆‐' あったことを物語っていると言える
／ ｀i {Ｌ. /|/
／ ｀、 _ _＿___ U / ! もし、私に落ち度があるならば、
／ ヽ ｀二二´ ／ | それは正したいと思う・・・
｀､ ／ |┐
ｒ－ ､＿__／__,,. - '二´ |
|￣| | | 「￣´ |、
| | ト､＿_｣｜
425 ：
◆J7qCZtZxmc ：2013/01/22(火) 21:49:31 ID:WaaSb7YE0
::::::::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l＜ 中央委員の同志諸君！
::::::::::,,ヅ彡ﾆミ;;,,::::::::::::::::::::F 私は真のボリシェヴィキ党員の義務を
::::ィ<" , ‐ ､ ﾞﾐ、:::::::::::::::l 次のように理解している！
Fﾐミ､, ゝ__ﾟ,ﾉ,, ｲ〃ﾉ::::::::::|=-＜
::::::::ﾞﾞ'ヾ三≡彡'":::::::::::::::::,'、 それはつまり、党の決定が一度なされれば、
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ ト それを実現するためにあらゆる力を尽くすことだ！
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,ｨ'
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,／＼＿ たとえ公的な場であろうと、
::::::::::::::::::::::::::::::::::,イ | 私的な茶会の場であろうと、党の方針を擁護し
::::::::::::::::::::_,, ┐' ト- 実現するために死力を尽くさねばならない！
||￣乃'ﾞ人 ∧
∴ ・ ∵
中央委員会統制委員
マトヴェイ・フェドロヴィチ・シキリャートフ
(<、,,> ":::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
～〈／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: 同志スミルノフは
〃::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: 自分は反対派ではないと言う！
~そ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
､_ ,, /::::::::::::::::::::::::、,ゝ=＝=く:::::::,:::::::::::::::::::::::::::::::: だが、「自分は真面目な党員です」
`V::::::::::::::::::::､_γ ｀ヾ,_ :::::::::::::::::::::::::::: などとは、どんな小役人でも言えることだ！
ｌ::::::::::::::::::::::く( r,J三;ヾ )>::::::::::::::::::::::::::::: いやしくも責任ある幹部党員の一員であるなら、
～v,ん:::::::::::::::´:::::::=; {三●;= } ,=ﾆ ｀::::::::::::::::::::::::: 党の方針実現のために尽くしたと言う
l:::::::::::::::::::::::::::::ゝ≡三＝イ ´::::ﾞ::::::::::::::::::::::::::::::: 事実を証明したまえ！
､m,.. ,ゞ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
´ " ~ ﾍ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
426 ：
◆J7qCZtZxmc ：2013/01/22(火) 21:50:00 ID:WaaSb7YE0
【補足】
,.:-=;1ー;1―;1―,=;:､
= ﾞﾐ
ﾐ ★ ﾞﾐ
ﾐ ﾞﾐ
ﾐ;＝＝＝＝＝＝＝ﾞﾐ この総会はボリシェヴィキの組織的人間不信が
／ ,= ヽ いよいよ悪化していることを如実に表していました。
/ ,=' _ ∧_ _,,
/,,_ {i ,～ ～ /´ ﾊ＾､_ シキリャートフはスミルノフに対して、
ヽi} / / / ヽ_/ ヽ__,,＼ 「自分が反対派ではないと言うのなら、
{ | _|__,,／ ／ ￣ ＼ヽ 反対派と闘った証拠を提示しろ！」
ヽ | _|∠_／/ ┬―ｩ ヽ と迫っていたのです。
|｀､ヽ.__ノ ヽ-‐' _/
| |{i t ＿ ／ | もはやボリシェヴィキ党内では、
| | i} > ､___ヽﾉ_ ,ｨ ﾘ| l| | 「反対しない人間」は味方ではありませんでした。
// i} / ｝-‐斤ヒl､__| l| | 「賛成し、積極的に闘う兵士」でなければ
r､ //,,i} /／}｝ l|》o《|! ｛{｀lヽ ならなかったのです。
__ゝ |i}＾V'' __/ }｝ ハ ｛{ |
ヽ ﾉ' ｀j }｝ /Ｘ | ｛{ |
／::::r‐､:ﾉ:::::::::::::::::::::::::::::::ﾉ
_ ,.ｨ'´:::::／!_‐- ､:::::::::::::::::::::::::（,､
/:::｀ヽ＿_,.ィ三/::::::::::::r‐､ﾉ ｀ヽ､:::::::::::::::::ノ
r‐'､::::::::::::::/圭ﾐ/:::::::::r､:_） l l ヽヽ:::::::::ゝ,
l:::::::｀:::::::::/圭/´::::::::::ゝ´ l l ヽ ヽ:r‐'´
ノ::::＿::::::/圭/:::::::::::r‐､ﾉl l l l l l l!
,ｨﾀ'l:::::::::::::::｀:l圭ﾐ!::::::／:ゝ､ l l l l ', l l l l
. lﾐ! /ヽ;::::::::::::::l圭ﾐ!::::::::::r‐‐'_ﾑ斗孑十弋､ l l! /
ゞ="〔＿:::::::::::l圭ﾐ!::::::::::｀)lヽl ィ示ｮ` ｀ｭ! l／ ますます余裕がなくなってきてるわね・・・
// l __）::::::::ヾr‐'ｰ､:（´ l `辷:ﾘ ｶ
.//! ﾄ､ゝ-､:::::::lﾉyヽ 〉:ﾉ. l ￣ ヽ 農業集団化で農民と絶滅戦争を
./ l l. ヽ ゝ'､:ゞｰ.'´::） l.l _´!
l l ＼ ゝ‐ヾ､圭.l l.l ´, ' 続けてきたせいかもしれないけど。
. l l ｀十-､__≧/ l ﾄ､ ／
l l l r‐‐'´.l l圭ミ＝==,ｨ＝x､
. l l l 〉:::::::/ /圭圭圭ﾐ/ヽ圭圭ゝ､
. ! ! l ／:::::::/ /圭圭圭ﾐ〈 ゞ〉圭圭/
.l l ／:::::::／ /:《圭圭圭圭!´圭＝彳
427 ：
◆J7qCZtZxmc ：2013/01/22(火) 21:50:41 ID:WaaSb7YE0
,.:-=;1―;1―;1―;1―;1,=;:､
ﾐ ﾞﾐ
ﾐ ★ ﾞﾐ ＼
／ ﾐ ﾞﾐ ＼
V／::ﾐ;＝＝＝＝＝＝＝＝＝ﾞﾐヽ ＼
//:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :', ｀､ヽ ム> 反対派の烙印が押された
. /:i:: :: /:: :: :: :: /:: :: :: :: :∧:: :: :: :: :::i } >/i´ スミルノフには、釈明など期待されていませんでした。
,'::i:: :: i:: :: :: :: /:: :: :: :: :/ ∨:: i:: :: ::l Ｖ/:: l
,':: l:: :: l:: _:: :: /:: :: :: :: :ム--+::-l―:: | |:: :: | 彼に言外に期待されていたのは、
. i:: ::l:: :: |:: :｀''ﾌ:: :: :: ,:: / ',:: |:: :: :| |:: :: | 自分の罪を認め、謝罪し、党を改めて支持し、
. l:: i:.|::..::|::_:: /:: :: : /／ v|:: :: :| |:: :: | 反対派を容赦なく批判することでした。
. |::.l::.|:: ::|::/ﾆ_;; ;／/ ＝＝＝=V:: ::,' |:: :: :|
|::∧:',:: ::V弋.:.:ﾃ ´ て:::::::o|:: ::,' .|:: :: ::| それこそが、彼に与えられた役割だったのです。
|::i ',:',:: :∧廴::ｿ こ .ン|::/,' i:: :: ::.|
',.i }::ﾄ:: : ヽ゛゛ ｀ _ ゜゜イ|/:,' ,':: :: :: |
',' .ﾊ::iヽ:: ::＞ｧ-------＜´<:: /:,' /:: :: :: ::|
∧ヾＶ>､:V/ | (ﾆxﾆ） |: :',:: /_ -'''´:: :: :: :: ::|
/:: L＿i VX|: :| ∧ |: : |:: :: :: :: :: :: :: :: :: ::ヽ
/:: :: :: :: :: :: :|: └ ┘└ ┘: :.|:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ::＼
__...ﾉ: : : : : : :,.ィ´ ／ ', ヽ ｀丶､: : : :ト.､ ,.ィ"ヽ
. |: : : : : : : :／ ./ / ', ', 「: : : : :|:.:.:ヽ: : : : : 〉ﾆﾆ､二
ヽ.ィ: : : :/ / ,' l ', ｀丶ﾄ､:|:.:.:.:.:.|: : : : :ート､､ヽ
r‐:':::::::/ ,' ,' ! l . i'"´:: |:.:.:.:.:.!: : : : :_:ハ ',ヽ
. ',_:､:::/ l ｌ |l ! ',: : : :.|.:.:.:.:.:|: : : : L_ｌ::', ',r
ﾉ:,' ,'l | l | l ! ! | ｀丶; |.:.:.:.:.::!: : : : : :ﾊ::ヽ
/:| | ,' | ! .!ｌ| ,'| ｌ ｌ | l ,' ,|. ｜!´: :.!.:.:.:.:.,': : : :r ' ｀￢
/:::,! | ..L.',_ﾄ. |',ﾄ / !./l/├ /￢ ￢､).:: /.:.:.:./: ::::::::| |: そう言えば・・・
/:::::ﾊ.ﾄ 、 ! ..l_ヽヽ＼/ l/"´ l/_∠ | {: : :/.:.:.:./:::::;::::ﾉ| !:
ヽ|l ',ヽ ＼!,イ´: :｀ヽ '′ ,ｲ´ : ｀lヽ ,ﾊr'＾,-ﾍ':::::::}::! ｜ .!: たしか以前にもこんなことがあったわね。
. | ト､.ト 弋:_:_:ﾉ 弋:__:ﾉ | ! |/j〈ィ'>》_ノ" !::l. ! |:
| l l.|. ', ,,,, ､ ,,,, l ! .|:.ヾ ﾆﾌ !::l ｜ |:
| / / | ﾄ、 ,.、 ｜ ｌ| |／ ヽ:| |l !
. | / / | |_.＞ 、 _..-.､ｌ l ! ! |.! |
!|_ノ' r":.:l l:.:.:.:.:.:.:.:ﾊィｭﾍ.:.:.:.:.:.:.:./ /:.:! !ヽ、 .| l |
_..'"ｨ´ ﾄ､:..! .l:.::／｀`ヾ.ﾆﾝリ.:.:.:.:.:./ ':.:.:.:| |:.:./、 .! ! !
428 ：
◆J7qCZtZxmc ：2013/01/22(火) 21:51:04 ID:WaaSb7YE0
,.:-=;1ー;1―;1―,=;:､
= ﾞﾐ
ﾐ ★ ﾞﾐ
ﾐ ﾞﾐ
, ﾐ;＝＝＝＝＝＝＝.:::ﾞﾐヽ
／ .／ ／ ヽ＼ ＼
＼__/ /l / ／ , /l'| ﾄ､l ',／
| / ｌ/|７ニイ´/〃| -Ｌ.l ! ええ、ありました。
| l |┬::cr ./ /┬::cr｣ || 1930年に行われた中央委員会総会ですね。
| l ! l:::::::j '. l::::::::j. !l
ﾊ ⊂⊃‐ ‐⊂⊃| 「第二十八話 農業集団化 弾劾総会 」を
l ＼ _ ,/ | ご参照ください。
/l .lY｀ ｰ‐┐ ｒ‐ イ| |
/｜ l::::::::::;ｨ´ {Ｘ}ik'::::::l. !
l l__j::::::::/: i＿lil__|:i::::::! !
/ / ::::: ｉ: : :l:::::ﾋj::l｣ : l＿|!
｜ ヽ/....三ｌ ｖ' ヽ./ |!
f l! .|三三l f ＼ ｊ
__ゝ,. ｌ. l.三三| ,'./ / Ｖ,.,_＿
.７ ゝｫ ゝ!三三| ﾗ/ /| l | l l ｀! ヾ三. /
攸. |三,ｒ ! Lｲ､ j. l ｨ l |.il:l l l ,l i 〕三 /
ｹヽ ヽ:::::::ヽ ﾉ 刈l lメ lv'l |il|l| / / |l l !/|＼ Ｌ
/ 〉'´ヽ 〉ｒｔ:ヾ| ﾚ!ヾｖｒｌ'ﾙヽｊi ﾘ / / !|: ! ﾚ' |ニﾄｖ'
'Y |i ヽヽ√ﾐfr@jY/, f´Ｙﾐ-ｧ｀ｌヾ'ﾚ' //__/ノ// rｲ｀!i
＼ヾ,/¨ヽ ヽﾍ`´〃l ﾍ ゝ-' 'r'::ﾒ j／/ /:::L_ｌ! たしかあの時は
ヾ!l! |-l＼'ﾍ::ｿ ﾊ! t_ｸ/ |/,_∧::| ブハーリンがスミルノフの
.__ ||､ |:! 'rゞ:|! | ヾ , /if | f ﾙﾍ 立場に立たされていたわね。
＼｀|| ヽ|:! ,f三::|! ﾄ___i| －､ ／ﾍ｀ヽ | /∧ ＼
| ﾚ ´`!､三.|! '＼.|! , r ´=ｰ､ｊ-,. ヽ// f'|｀ｰ,i
ヽ l Vゝﾐ＼ ＼-ｒ ',＝＝ ／ ヾ'∧ | l |
l l |八,ｊ- .＼ _ヽ＼く三= （ ｖ'/ ヽ_ﾉ l j
l l <´＿ ￣ ＼三 ＼ ﾚヽ＼ ＼ `
429 ：
◆J7qCZtZxmc ：2013/01/22(火) 21:51:49 ID:WaaSb7YE0
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━─────
┃
総会の出席者には二つの役割がありました。
ひとつは、弾劾する者。もうひとつは、弾劾され、改心する者。
これはまさしくひとつの「演劇」だったのです。
・・・そしてこの演劇の演者たちは、
その配役が弾劾する者であろうとされる者であろうと、
その役割を「演ずる」ことによって自分たちがボリシェヴィキ指導部の一員である、
という立場を再認識するのです。
――― 第二十八話より
┃
─────━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
430 ：
◆J7qCZtZxmc ：2013/01/22(火) 21:52:20 ID:WaaSb7YE0
' , '" ﾞヽ L
,′ ／ ＼ ﾉ
＿ l j// / 丶 ヽ /
___ (._ | ノ , ' , ' ' ヽ
___/r_- ' ￣ ｲ (__/ / / | i ､ V
r :::__:::: { /:! ヽ ,' │!. │ ! V ',
|:::| イ^て イ::::! ﾉ .! l. │! ﾊ ! l ! ﾊ ! 今回も同じことね。
L／ｲ 「 |:::::! (_ | l ﾊ | | |! l | | ﾉ| ! ! | |
. /! ﾊ____. |:::::! ヽVﾊ__ヽ__Nヽ|! l/ j ,.ｨl‐j 'T ﾘ イ ﾚ スミルノフには
/::! l ヽヽ:::ヽ ノﾍ´ ヽ==ゝl､ `ヾﾉ' j/ｨ´j::V ﾚイ| 「弾劾される者」の役割が
!:::! ! ( ヽ,=:Vﾊ ヽ イiナ:ﾊ ､'-ﾉ ' l | ヽ 与えられていた・・・
ゝ! ! ー-..{@jil!| ! ゝ‐ ' ﾊ ﾊ. |
| ! ´ゞｨ'!| | _′ / | | ヽ けど、本人は保身を気にするあまり
| ! `ナ'| ﾄ '-' ∠_.l ! ＼ 党の要求する役割を理解できなかったのね。
. ,| ::! /' l !_＞-_､, ―-､ ／⌒Y ,′ lヽ
/│ ::::! / l ! ' ´ : : : : : : .ヽ-＜: : : : :V ﾊ. | !
. /:/ :::::! / ,l !: : : : : : :＿_ {ゞﾝ}─ - ､:.| ! ﾉ ／ '
/ l ::::i / ／! i!: : : : ／: : : : . Y´: : : : : :L_.! ／ ／
,.:-=;1―;1―;1―;1―;1,=;:､
ﾐ ﾞﾐ
ﾐ ★ ﾞﾐ ＼
／ ﾐ ﾞﾐ ＼
V／::ﾐ;＝＝＝＝＝＝＝＝＝ﾞﾐヽ ＼
//:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :', ｀､ヽ ム> 「ナラティヴ」という言葉があります。
. /:i:: :: /:: :: :: :: /:: :: :: :: :∧:: :: :: :: :::i } >/i´
,'::i:: :: i:: :: :: :: /:: :: :: :: :/ ∨:: i:: :: ::l Ｖ/:: l 英語で物語、叙述などを意味する言葉ですが、
,':: l:: :: l:: _:: :: /:: :: :: :: :ム--+::-l―:: | |:: :: | 80年代ごろから心理学用語としても注目されました。
. i:: ::l:: :: |:: :｀''ﾌ:: :: :: ,:: / ',:: |:: :: :| |:: :: | ﾅﾗﾃｨｳﾞ
. l:: i:.|::..::|::_:: /:: :: : /／ v|:: :: :| |:: :: | 人間は物語を通して自己を認識し、世界に関わっていく・・・
. |::.l::.|:: ::|::/ﾆ_;; ;／/ ＝＝＝=V:: ::,' |:: :: :| ﾅﾗﾃｨｳﾞ
|::∧:',:: ::V弋.:.:ﾃ ´ て:::::::o|:: ::,' .|:: :: ::| 無秩序な世界に系統だった意味を与えられるのは物語である・・・
|::i ',:',:: :∧廴::ｿ こ .ン|::/,' i:: :: ::.| ﾅﾗﾃｨｳﾞ
',.i }::ﾄ:: : ヽ゛゛ ｀ _ ゜゜イ|/:,' ,':: :: :: | 物語こそが現実を構成し、世界を紡ぎたす因子である・・・
',' .ﾊ::iヽ:: ::＞ｧ-------＜´<:: /:,' /:: :: :: ::|
∧ヾＶ>､:V/ | (ﾆxﾆ） |: :',:: /_ -'''´:: :: :: :: ::|
/:: L＿i VX|: :| ∧ |: : |:: :: :: :: :: :: :: :: :: ::ヽ
/:: :: :: :: :: :: :|: └ ┘└ ┘: :.|:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ::＼
431 ：
◆J7qCZtZxmc ：2013/01/22(火) 21:52:54 ID:WaaSb7YE0
,.:-=;1―;1―;1―;1,=-;:､
ﾐ ﾞﾐ
. ﾐ ★ ﾞﾐ
／ﾐ ﾞﾐ ＼
《 ﾐ;＝＝＝＝＝＝＝＝ﾞﾐ ｝ 》
. 》/ ／ / :／ : : : : : : : : : ＼ ∨《 ボリシェヴィキは知ってか知らずか、
. /// : :/ :/ : : : ／:/ |: : : : : ∨＾:| これを効果的に実践していました。
l∨ : : l :/: : :／/ / :八 : : : l: l : :| ﾅﾗﾃｨｳﾞ
| :| : : :|/ :／ //:/ :/ ヽ: : | ﾊ: :| 人々は党が用意した「公式の物語」を通してでしか、
| :| : : :|≧ｘ､/ｲ/／,.ィ≦ﾊ ﾉ : l: :| 現実を覗き込むことを許されませんでした。
} :|八 :代ｕzﾉ 弋ｕzﾉ仏ｲﾉ: :| ﾅﾗﾃｨｳﾞ
. ′:｝ 仆⊂⊃ ⊂⊃ｲ 八 : :| 党は物語を通して人々の世界認識を統制していました。
. /: : / 八 ＞ ～～～ .イ｝｛ : : : | ﾅﾗﾃｨｳﾞ
. /: : 〈 //￣》 》≫=≪《 《V ∧: : : その物語は新聞紙上で、学校教育で、
. / : : : : ｛ 》《＿》《＿》《 〈 / 、: :丶 プロパガンダポスターで、そして集会で刷り込まれていきました。
/: : : : : : ｝ 《＿/八＿》 ｝: : : :＼ ﾅﾗﾃｨﾌﾞ
／: : : : : : :/ ∨{＞＜}｛ ｛: : : : : : :＼ そしてこの物語を受け入れられない人間は、
／ : : : : : : ／人,＿__人}＞＜}人＿＿人＼ : : : : : :ヽ 全員が排除されなければならなかったのです。
《 : : : : : : ／／ ｛￣／∨｀¨¨¨´∨＼￣｝ ＼＼ : : : : : ＼ ﾅﾗﾃｨﾌﾞ
《 : : : : :／ 《（ ｝ ｛＿人 人＿｝ ｛ ）》 ＼ : : : : :》 かくして、社会は公式の物語を共有した人々だけで
》: : :／ 》） 人人＿）) (（＿人ノ （《 ＼: : :《 構成されていきます・・・
《 :／ 《（ ＼ ／ ）》 ＼ 》
｀＼＼ ≫x､ ＼＿＿／ ,ｘ≪ ／／
`ｰ,:::::::: __ノ ／ / / ＼ ＼ ム::::::::::: |企;:::::::::::}___
(_:::::: ヽ／ / / ヽ ､ヽ(__:::::::::::|三|:::::::::::⌒Yヽ
r’:::: / { |! | |! |!ﾊノ :::::::::|三|:::::::::::::::乂{
｀ｧ: :′ / / ! |! |! |! |! |｀ｰ, : :::|三|:::::::::::::::} '.
ヽ.′ / / |! |! |! |! }! | Ｙ:::::::::|三|:::::::::::::/ {
. | | |! |! |! i} } |! /_!_| ゝｧ : :|三|::::::::_;ﾉ| '.
. | | |!| |!､ {! |! // /}//孑' /ｲ (_ : :r'--{:::::::) | ｜
. { | | { 卞ﾄ､ハ!_ //ノノィ≦ケテ| (:::::〈ん)､) 〉´ | |
ヽﾄ､ {ﾍ､从ィ升=ﾐノ´ /弋じ:::}｜ 〉 : ゝﾆン | ｜
ヽ乂ﾍ!ゞ､rゝ':{｀ 宀'´ | ∨/／ |
} |ﾍ ^¨´ ､ | {ノ´ | | 物語と儀礼化された演劇で支配される国、
川 | 丶 r‐､ ノ } ! | |
//} ! ＿≧-..､ ｀´ ,∠⌒＜}/ 八ﾍ | | 「劇場国家」、か・・・
// j /':.:.:.:. .:.:.:/>=(:.:.:.:.:.:. / /＞ヽヽ | |
ノ ,' / /:.:.:.:.:.:....:.:__}ｲ夊)=-:.:.: / /:./::::::ﾍ∧ | ｜
／／ / /＞ｧー:. :.:.:.:｀¨)´:.:.:.:.:.／-ー＝二二〕＼ | ｜
【補足終わり】
434 ：
名無しのやる夫だお ：2013/01/22(火) 21:54:49 ID:Bu6mVouw0
もはやディストピアの体現ですね。 438 ：
名無しのやる夫だお ：2013/01/22(火) 21:56:18 ID:2DMWSlfA0
>>434 435 ：
名無しのやる夫だお ：2013/01/22(火) 21:55:04 ID:2DMWSlfA0
大根役者は舞台から降ろされてクビにされるんですね 433 ：
◆J7qCZtZxmc ：2013/01/22(火) 21:53:59 ID:WaaSb7YE0
ﾅﾗﾃｨﾌﾞ
スミルノフに要求されていたのは「配役」どおりに完璧な謝罪儀礼を行い、党の用意した物語を真実と認めることだった。
「罪人役」である彼が「物語」を認めることで、それはただのカバーストーリーから公認された真実となるのである。
＿ ＿_
. -－￢,二￢ヽ ｖ‐ｋー 、
／::::: :::／- 、:::::ヽＹハ::ヽ::::ヽ
.／:. .::::／::｀ヽ:::｀ヽ::::j/:::::ｌ:::::',::､:゛､
/::／.:::://ヾヾヾ ﾞ ﾞ ﾞ ﾞ ″'‐､_!:::::i:::!､ ヽ
}//:/l:// ﾍ:::::!:::i.}:..:}
ﾉ/!::l/:! ! }ト::ヽ{::::{
.{::い::!::l ﾘ::::::::::::::! エイスモントと付き合いを持ち、
ヾ ヽ:::} ー= ､_ ､､_,x==≦、/ l:::,r‐ ､} 疑われるような事態になったのは
￣￣ }￣ )´Tマッ}!＿i{ ＜ヾタ}!一l/ 片! } たしかに私の過失だと認める。
｀Y //＾7ﾄ ‐｀￣ｲ}ｌ {＞－－' /∨/
ノｰ'ｒ' ﾊ ! 亅 u ⊆‐' だが、件のパーティーには参加していないし、
／ ｀i {Ｌ. /|/ 不穏な言動に賛成したこともない！
／ ｀、 _ _＿___ U / !
／ ヽ ｀二二´ ／ |
｀､ ／ |┐
ｒ－ ､＿__／__,,. - '二´ |
|￣| | | 「￣´ |、
| | ト､＿_｣｜
にもかかわらず、彼は「自分は件のパーティーに出席していないのだから責任はない」と言い訳し、
そのうえ「もしも自分に落ち度があるなら」と曖昧な表現をつかって遠まわしに「配役」を拒否したのだった。
436 ：
◆J7qCZtZxmc ：2013/01/22(火) 21:55:27 ID:WaaSb7YE0
スミルノフにとり重罪であったのは、パーティーに参加したことよりも
一度党が決定すれば絶対服従である公式の物語に賛意を示さなかったことであった。
(<、,,> ":::::::::::::::::::::::::::: ､
～〈／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::)
〃:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＜、 いささかでも中央委員会と
~そ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,） 意見の相違のある人間を
､_ ,, /::::::::::::::::::::::::、,ゝ=＝=く:::::::,:::::ヽ ここに認めることはできない！！
`V::::::::::::::::::::､_γ ｀ヾ,_ ＜
ｌ::::::::::::::::::::::く( ○ )> く,
～v,ん:::::::::::::::´:::::::=; ,=ﾆ ｀／l／!／⌒Y
l:::::::::::::::::::::::::::::::::ゝ=＝=イ ´::::ﾞ:::::::::::::::::::::::::::::::
､m,.. ,ゞ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
´ " ~ ﾍ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
それはつまり、党は嘘をついていると糾弾することと同義であり、
党の正当性に傷をつけ、ひいては党独裁体制崩壊のリスクを発生させる危険な行為と捉えられた。
437 ：
◆J7qCZtZxmc ：2013/01/22(火) 21:56:16 ID:WaaSb7YE0
ｽ ﾀ ｰ ﾘ ﾆ ｽ ﾄ
強硬なやる夫主義者であったシキリャートフが激昂していたのもそのためだった。
農民との絶滅戦争が激化する状況で、ほんの少しでも党の権威を損なう行為は許されなかったのである。
::::::::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l＜
::::::::::,,ヅ彡ﾆミ;;,,::::::::::::::::::::F 巷には反ソ分子による流言飛語が跋扈している！
::::ィ<" , ‐ ､ ﾞﾐ、:::::::::::::::l
Fﾐミ､, ゝ__ﾟ,ﾉ,, ｲ〃ﾉ::::::::::|=-＜ 党や国家を標識にしたジョークも
::::::::ﾞﾞ'ヾ三≡彡'":::::::::::::::::,'、 党を侮辱する反党アジテーションの一種だ！
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ ト
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,ｨ' 決して許すべきではない！
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,／＼＿
::::::::::::::::::::::::::::::::::,イ |
::::::::::::::::::::_,, ┐' ト-
||￣乃'ﾞ人 ∧
∴ ・ ∵
1930年の総会ではブハーリンのジョークに会場が笑う余裕があった。
だが、今ではジョークさえ政治的な命取りであった。
439 ：
◆J7qCZtZxmc ：2013/01/22(火) 21:56:54 ID:WaaSb7YE0
／￣￣￣＼
／ ＼
／: /ヽ /ヽ ＼ お前たちはいつもそうだ。
|:: ） / | 口先では「党に賛成している」と言う。
＼:: （／ ／
／;;. ｀ヽ だが、二言目には
/;:: γ ::ヽ、`､ 「おおむね賛成だが、個別の分野では異論がある」
/::: /;;:::... :::: l、｜ などと卑怯な言い回しで党の足を引っ張る。
（;:. （ :::::..... :::::: i i
.`､ `､:::... i i
440 ：
◆J7qCZtZxmc ：2013/01/22(火) 21:57:25 ID:WaaSb7YE0
＿＿＿
／ ＼
／ ＼ では聞くが、お前たちが賛成する部分とはどこなのだ？
／ : /ヽ /ヽ ＼ (⌒)
|:: ） / | ﾉ ~.ﾚ-r┐､ 常に我々の方針に反対し続けるお前らに、
＼::. （／ ／ ノ__ | .| | 俺達との共通点などどこにあるというのだ？
. , ⌒ ´ ＼ '" ´ ! 〈￣ ｀-Lλ_ﾚﾚ
/ __ ヽ | ￣｀ー‐---‐‐´ 共産党員という名称だけ、党員証だけではないか？
. 〃 ,. --ミ ヽ i |/ハ ／
(<、,,> ":::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
～〈／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: そのうえエイスモントどもはこう言うのだ！
〃:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
~そ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: 「我々は孤立していない。
､_ ,, /::::::::::::::::::::::::、,ゝ=＝=く:::::::,:::::::::::::::::::::::::::::::: やる夫に反対している人間は我々以外にも
`V::::::::::::::::::::､_γ ｀ヾ,_ :::::::::::::::::::::::::::: 中央委員会に大勢いる。
ｌ::::::::::::::::::::::く( r,J三;ヾ )>:::::::::::::::::::::::::::::
～v,ん:::::::::::::::´:::::::=; {三●;= } ,=ﾆ ｀::::::::::::::::::::::::: ただ、みんな権力が怖くて賛成票を投じているのだ」と！
l:::::::::::::::::::::::::::::ゝ≡三＝イ ´::::ﾞ:::::::::::::::::::::::::::::::
､m,.. ,ゞ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
´ " ~ ﾍ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
441 ：
◆J7qCZtZxmc ：2013/01/22(火) 21:58:29 ID:WaaSb7YE0
(<、,,> ":::::::::::::::::::::::::::: ､
～〈／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::)
〃:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＜、 ふざけるな！！！！許さんぞ！！！！
~そ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,） ・ ・ ・ ・ ・ .・ ・ .・ ・ ・ .・ .・ ・ .・ ・ .・ ・ ・
､_ ,, /::::::::::::::::::::::::、,ゝ=＝=く:::::::,:::::ヽ そんな人間が中央委員会にいてはならん！！
`V::::::::::::::::::::､_γ ｀ヾ,_ ＜
ｌ::::::::::::::::::::::く( ○ )> く,
～v,ん:::::::::::::::´:::::::=; ,=ﾆ ｀／l／!／⌒Y
l:::::::::::::::::::::::::::::::::ゝ=＝=イ ´::::ﾞ:::::::::::::::::::::::::::::::
､m,.. ,ゞ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
´ " ~ ﾍ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
＼＼ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ／／
[|,,,,★,|] [|,,,,★,|] [|,,,,★,|] [|,,,,★,|] [|,,,,★,|] [|,,,,★,|] [|,,,,★,|] [|,,,,★,|] [|,,,,★,|]
（ ；・∀・） .( ；´Д`) ( ；ﾟДﾟ) （；-@∀@） ( ；´∀`) (；ﾟーﾟ) （ ；＾ω＾） ( ；･３･) ミ；,ﾟДﾟ彡
/´~ Ｖ：Ｖ~ヽ/´~ Ｖ：Ｖ~ヽ/´~ Ｖ：Ｖ~ヽ/´~ Ｖ：Ｖ~ヽ/´~ Ｖ：Ｖ~ヽ/´~ Ｖ：Ｖ~ヽ/´~ Ｖ：Ｖ~ヽ/´~ Ｖ：Ｖ~ヽ/´~ Ｖ：Ｖ~ヽ
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
／￣￣￣＼
／ ＼
／: /ヽ /ヽ ＼
|:: ） / | ふざけた話だ。
＼:: （／ ／
／;;. ｀ヽ 奴らは同僚である党員を誹謗し、
/;:: γ ::ヽ、`､ 中央委員会を誹謗し、
/::: /;;:::... :::: l、｜
（;:. （ :::::..... :::::: i i そしてやる夫をも誹謗している！
.`､ `､:::... i i
443 ：
◆J7qCZtZxmc ：2013/01/22(火) 21:59:13 ID:WaaSb7YE0
＿＿＿
／ ＼
／ ＼ 我々がやる夫を支持するのは
／ : /ヽ /ヽ ＼ (⌒) 権力を恐れてのことではない！
|:: ） / | ﾉ ~.ﾚ-r┐､
＼::. （／ ／ ノ__ | .| | それはひとえに
. , ⌒ ´ ＼ '" ´ ! 〈￣ ｀-Lλ_ﾚﾚ や る 夫 が 我 々 の も の だからだ！
/ __ ヽ | ￣｀ー‐---‐‐´
. 〃 ,. --ミ ヽ i |/ハ ／
ji／ ￣｀ ヽ
┏━━━┓ ┏┓┏┓
┃┏━┓┃ ┃┃┃┃ ／／／／／／／／
＼ ┗┛ ┃┃┏━━━━━━━━━━━━━┓┏┳┓┏┓ ┃┃┃┃ ／／／／／
＼＼＼ ┏┛┃┗━━━━━━━━━━━━━┛┗┻┛┃┃ ┃┃┃┃ ／／／／／／
＼＼＼ ┏┛┏┛ .┏┛┃ ┣┫┣┫ ／／／／／／／
＼＼＼ ┗━┛ .┗━┛ ┗┛┗┛ ／／／／／／／
＼＼＼＼ ／／／／／／／／
＼＼＼ [|,,★,,|] [|,,★,,|] . [|,,★,,|] [|,,★,,|] [|,,★,,|] . [|,,★,,|] ／／／／／／
＼＼ ヽ(・∀ ・)ﾉ ヽ(・∀ ・)ﾉ ヽ(・∀ ・)ﾉ ヽ(・∀ ・)ﾉ ヽ(・∀ ・)ﾉ ヽ(・∀ ・)ﾉ ／／／／／／／
＼ [|,,★,,|] [|,,★,,|] [|,,★,,|] [|,,★,,|] [|,,★,,|] [|,,★,,|] [|,,★,,|] ／／／／
ヽ(・∀ ・)ﾉ ヽ(・∀ ・)ﾉ ヽ(・∀ ・)ﾉ ヽ(・∀ ・)ﾉ ヽ(・∀ ・)ﾉ ヽ(・∀ ・)ﾉ ヽ(・∀ ・)ﾉ ／／／／
(( ノ( )ヽ ))(( ノ( )ヽ ))(( ノ( )ヽ ))(( ノ( )ヽ ))(( ノ( )ヽ ))(( ノ( )ヽ ))(( ノ( )ヽ )) ／／／
く > く > く > く > く > く > く > ／／
,.．¨￣￣¨丶
/ ＼
/ ヽ、::::::::: ヽ,
. /（ ●）:::::::::::, -‐ i
i ::::: （ ●） | ・・・・・・
＼ (_,､ /
＼ ` ‐' ＿_／
/ ＼
444 ：
◆J7qCZtZxmc ：2013/01/22(火) 21:59:56 ID:WaaSb7YE0
【補足】
,.:-=;1ー;1―;1―,=;:､
= ﾞﾐ
ﾐ ★ ﾞﾐ
ﾐ ﾞﾐ
, ﾐ;＝＝＝＝＝＝＝.:::ﾞﾐヽ
／ .／ ／ ヽ＼ ＼
＼__/ /l / ／ , /l'| ﾄ､l ',／
| / ｌ/|７ニイ´/〃| -Ｌ.l ! ルズタークの言葉は
| l |┬::cr ./ /┬::cr｣ || やる夫と支配エリート（ノーメンクラトゥーラ）たちの
| l ! l:::::::j '. l::::::::j. !l 強い結びつきの本質を物語っていました。
ﾊ ⊂⊃‐ ‐⊂⊃|
l ＼ _ ,/ | つまりやる夫は支配者であると同時に、
/l .lY｀ ｰ‐┐ ｒ‐ イ| | 自分たち幹部の権力を庇護する
/｜ l::::::::::;ｨ´ {Ｘ}ik'::::::l. ! 保障機関であるということです。
l l__j::::::::/: i＿lil__|:i::::::! !
/ / ::::: ｉ: : :l:::::ﾋj::l｣ : l＿|!
ヽ.ィ: : : :/ / ,' l ', ｀丶ﾄ､:|:.:.:.:.:.|: : : : :ート､､ヽ
r‐:':::::::/ ,' ,' ! .l i'"´: : |:.:.:.:.:.:!: : : : :_:ハ ',ヽ
. ',_:､:::/ l ｌ |l ! ',: : : :.|:.:.:.:.:.:|: : : : L_ｌ::', ',r
ﾉ:,' ,'l | l | l ! ! | ｀丶; |:.:.:.:.:.::!: : : : : :ﾊ::ヽ
/:| | ,' | ! .!ｌ| ,'| ｌ ｌ | l ,' ,|. ｜!´: :.!:.:.:.:.:.,': : : :r ' ｀￢
/:::,! | ..L.',_ﾄ. |',ﾄ / !./l/├ /￢ ￢､).:: /:.:.:.:./: ::::::::| |:
/:::::ﾊ.ﾄ 、 ! ..l_ヽヽ＼､./ l/"´ l/_∠ | {: : :/:.:.:.:./::::::;:::ﾉ| !: やる夫を攻撃することは
ヽ|l ',ヽ ＼ !,イ ｀` ﾄ '′ ,ｲ"´ lヽ ,ﾊr'＾,-ﾍ':::::::::}::!｜ .!: 自分達を攻撃することと同義、
. | ト､ト.`弋..ン 弋..ン ' | .|/j〈ィ'>》_ノ"!::l ! |:
| l l.|. ', ､ l ! .|:.ヾ ﾆﾌ !::l. ｜ |: やる夫を排除することは
| / / | ﾄ、 ,.、 ｜ ｌ| |／ ヽ:| |l ! 自分達を排除することと同義だったのね。
. | / / | |_.＞ 、 _..-.､ｌ l ! ! |.! ｜
l| /,ｲ _..ｌ l:.:.:.:.:.:.:｀丶､ __..ィ´:.:.:.:.:.,' .,'::| | | ! !
!|_ノ' r":.:.l l:.:.:.:.:.:.:.:.:.ﾊィｭﾍ:.:.:.:.:.:.:./ /:.:::! !ヽ、 .| l |
_..'"ｨ´ ﾄ､:.:.! .l:.:.:.:／｀`ヾ.ﾆﾝリ:.:.:.:.:./ ':.:.:.:.:| |:.:.:/、 ! ! !
【補足終わり】
445 ：
◆J7qCZtZxmc ：2013/01/22(火) 22:00:39 ID:WaaSb7YE0
1930年のブハーリンを弾劾した中央総会とは違い、1933年の総会は全てにおいて状況が深刻化していた。
1930年の総会は知的ジョークと、紳士的駆け引きで構成されていたが、1933年はそうではなかった、
獰猛な威嚇と脅しがこれ見よがしに振りかざされたのだ。
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ●）（●） 信用ならない連中という話で言えば・・・
| （__人__）
| ｀ ⌒´ﾉ かつて右翼偏向の罪を犯したブハーリンだが、
| } 俺はあいつを信用している。
ヽ }
ヽ､.,＿＿ __ノ 権力を取り戻す野心もなく、一介の党員として
_, ､ -― ''"::l:::::::＼ｰ-..,ノ,､.ﾞ,i ､ もう何年も誠実に党の為に働いているからだ。
/;;;;;;::ﾞ:':､::::::::::::|＿:::;､>､_ l|||||ﾞ!:ﾞ､-､_
丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::／:::::::＼ﾞ'' ﾞ||i l＼>::::ﾞ'ｰ､
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::＼::::::::::＼ .||||i|::::ヽ::::::|:::!
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::＼:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::＼:::::ﾞ､|||:::/::::::::::|:::
軍事人民委員 クリメント・ヴォロシーロフ
／ ,_, ',
/ （ l ､ ',
l ,i､/ 〉ヽ!ヽ、ヽヾ ｀ヽi l
l i , ノ ﾊ( ､ ,-‐..'´｀ｿ'｀ヽ i ﾘ /
│ i、l=‐':´｀"ﾞ:::::::::::::. : ﾉノ/､ /
| i i |/::｀ :: ::::::::,i ヽ ;::::::.. .:: l l l ヽ
l ヽゝ l::: ::: :::/ | ｀' ､::: -'´j l' / ） ・・・・・・・
ヽ、ヽ ｀ ､､:::/ !､- ゝ,l ' /
ﾞ''- ､ﾐ ', _, - ‐- U /r, ､ ｀（ _
_ﾉヽ＼ - , '// ＼ ）
｀ｦ. ＼ ／ // ｀''‐'-,
, =＝l , l ｀ - ‐ ' // ,---､ /
, , ' '´ !li ｌＬ. , - ' 7/ |=000| ）
／/ ｀ﾞﾞﾞ_)| ｀' '´ l（ ﾞｰ ' ´く
ヽ.ヽ、 l ヽ > l
元右翼反対派 ニコライ・ブハーリン
446 ：
◆J7qCZtZxmc ：2013/01/22(火) 22:01:30 ID:WaaSb7YE0
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ 一）（●） 右翼偏向の前科がある
| （__人__） トムスキー、ルイコフ、ブハーリンのうち、
| ｀⌒´ﾉ
| ,.<))／´二⊃ そうだな、たしかにブハーリンはもう許してもいいと思う。
ヽ / ／ '‐､ﾆ⊃
ヽ､ｌ ´ヽ〉 ブハーリンは誠実かつ良心的だ。
''"::l:::::::/ __人〉
:::::::::|_/ヽ. /|||||ﾞ!:ﾞ､-､_ 口だけのルイコフ、トムスキーとは違う。
:::::::/´∨/`ｰ'〉ﾞ||i l＼>::::ﾞ'ｰ､
:::ｙ′.: ',ゝ､_/ヽ.||||i|::::ヽ::::::|:::!
／: :／/: : : :|:::ヽ|||||:::::/::::::::i::|
＞ ￣ ＜
／ ＼ ─ 、 ──
′ , ､ , ､ ', ／ ＼ヽヽ
′ / ＼ | ／ ヽ | / ヽ
l 〈 ｀ ´ 〉 |. ,' :::: ,ｲ/| ＼ ヽ '
| / ､ ﾞl l { ::::: _ﾑレヽﾄ ＿ } | |
r､ l ､_-ｯ ､ヽ〈 ,r ｯ-ｧ l r､ V|＼/⌒ ⌒ヽ｀ト ﾉ V {
ｌ.Ν ￣´'1 ｰ￣ ﾚ .ﾘ | | { ﾋj ﾋj } |:::: |
ヽ ﾊ | | ./ |::| ,, ,, u |:::: |
｀l ｌ ｀ｰ ' U /|´ ( ( |::{ |:::: ,'
| ､ ー一 /｜ ',::＼ , ノ|:::: /
f| ＼ , ′ﾄ, ヽ::::: ー┬─ ´ j::::: ／
|ﾐ≧､_ヽ ＿_／,ｨ#彡| ヽ''' ﾉ ﾑ／
_ イ ┌ﾞミﾐtzrｨ彡ラ'7 ト､ /´巧´ r-ﾉﾉ´⌒ヽ
アレクセイ・ルイコフ ミハイル・トムスキー
447 ：
◆J7qCZtZxmc ：2013/01/22(火) 22:02:16 ID:WaaSb7YE0
, r ' ⌒ ヽ､
. ／ ヽ,
/ ,，ヽ､_ヽ だが、それでも俺はブハーリンのことを心配している。
. | __,ノ 彡（○ ）
| （○ ） 彡 | なぜなら、ブハーリンは「思いやり」が過ぎるからだ。
. | 入,__） ブハーリンはある時は学者に、ある時は技術者に
|. ﾞ'ｰ'´ 「思いやり」を施している。
. | ﾞヽ､__ﾉ
ヽ､ ﾉ＼. はっきり言って、そんな慈悲や情けなど不要だ！
／::ヽ､＿ ／ﾉ:::::|
. /:::::::,::::＼ゝ､◇ノ::::i:::| 無意識のうちの同情が、党を窮地に追い込むからだ！
. |:::::::::|:::::::::＼¶/::::::::|:::|
. |:::::::::|::::::::::::::::|::::::::::|:::|
. |:::::::::|::::::::::::::::|::::::::::|:::|
ヴォロシーロフは個人的な思いやりや情けが「敵」に利用されると主張し、
個人関係や個人的善意さえも政治的目的のためには犠牲にされるべきだと喝破した。
448 ：
◆J7qCZtZxmc ：2013/01/22(火) 22:02:51 ID:WaaSb7YE0
いまや、友人との付き合い一つが政治的罪にされかねないほど、党内の緊張は深刻化していたのである。
＿＿
／ 丶
ヽ､ ､__,ノ ` 真の社会主義を建設する闘いにおいて、
(●）（●.） ノＬ｜
(_人＿） ⌒ ｜ やる夫以外の人物などありえないし、
|｝r┬‐| | __ 我々はやる夫以外を必要としない！
'､｀⌒ ´ , ﾄ、 _r┘ ｀ヽ、
｜ ､ ,ｲ//｀ｰ‐ｰ-r'‐、'ヽ `、{ 我々はやる夫と共に、やる夫の指導のもとで、
`ｫﾆﾆ二´／ｨ : : : : : : { ､ ｀ | 次々と新たな勝利を目指して前進するだろ！
_/ /＼ ／ : : : : : : : :ヽ,」 |、 ボリシェヴィキ的に考えて！
／:/|ｲ:::::/∨ : : l : : : : : : :/ :| |､{
r''/ : :| ./｀Y / : : : 」 : : : : :: | ／ゝ＿,.／ ノ:Y
ノ/ : : :| ｉ::::::|/ : :／ : : : : : : : ､ : :.〈── ´: : |
/ |./: : : :|/:::::/ : : : : : : : : : : : : .ヽ : :l : : : : : : : |
__/ :/.: : : : :|::::/ : : : : : : : : : : : : : : : ､ :.| : : : : : : : |
／: : : :| : : : : : |:/ : : : : : : : : : : : : : : : : :＼| : : : : : : : |
／: : : : : :| : : : : : / : : : : : : : : : : : : : : : : : : :/| : : : : : : : |
┏━━━┓ ┏┓┏┓
┃┏━┓┃ ┃┃┃┃ ／／／／／／／／
＼ ┗┛ ┃┃┏━━━━━━━━━━━━━┓┏┳┓┏┓ ┃┃┃┃ ／／／／／
＼＼＼ ┏┛┃┗━━━━━━━━━━━━━┛┗┻┛┃┃ ┃┃┃┃ ／／／／／／
＼＼＼ ┏┛┏┛ .┏┛┃ ┣┫┣┫ ／／／／／／／
＼＼＼ ┗━┛ .┗━┛ ┗┛┗┛ ／／／／／／／
＼＼＼＼ ／／／／／／／／
＼＼＼ [|,,★,,|] [|,,★,,|] . [|,,★,,|] [|,,★,,|] [|,,★,,|] . [|,,★,,|] ／／／／／／
＼＼ ヽ(・∀ ・)ﾉ ヽ(・∀ ・)ﾉ ヽ(・∀ ・)ﾉ ヽ(・∀ ・)ﾉ ヽ(・∀ ・)ﾉ ヽ(・∀ ・)ﾉ ／／／／／／／
＼ [|,,★,,|] [|,,★,,|] [|,,★,,|] [|,,★,,|] [|,,★,,|] [|,,★,,|] [|,,★,,|] ／／／／
ヽ(・∀ ・)ﾉ ヽ(・∀ ・)ﾉ ヽ(・∀ ・)ﾉ ヽ(・∀ ・)ﾉ ヽ(・∀ ・)ﾉ ヽ(・∀ ・)ﾉ ヽ(・∀ ・)ﾉ ／／／／
(( ノ( )ヽ ))(( ノ( )ヽ ))(( ノ( )ヽ ))(( ノ( )ヽ ))(( ノ( )ヽ ))(( ノ( )ヽ ))(( ノ( )ヽ )) ／／／
く > く > く > く > く > く > く > ／／
449 ：
◆J7qCZtZxmc ：2013/01/22(火) 22:03:35 ID:WaaSb7YE0
結局、エイスモントらには3年の強制労役所行きの決定がくだされたが・・・
,,､‐‐r''''''‐ ､‐ ､
,,...:'::::::::::::::::::::::::::::::::::::`:.､
,／:::::::::::/Yﾍ:::::::::::::::::::::::::::::ヽ
,/:::::::::::l:l'l:| `､::::::::::::::::::::::::::::ﾞ､
/:::::::l|:|`ﾄ､! _,入l`､:::::::::::::::::::::::i
/::::::/ |l ＞ ＜` ヽ::::::::::::::::::::::l
,ｲ::::::l:| '' r '' `､::::::::ti:::::::::l
. l:::::::ﾄ! ,､_,､ U }:::ﾊ::ﾚl:::::::::l
i:::::::{ '' `' ﾉノ,ﾊ;|/::::::::::l
. l:::::::!ﾞ､ /‐|l:::::::::::::::l
l/:::::::ヽ ,r' /|ﾄ､::::::::::::|
,/;ｨ:::::／|`､ ‐'' /::::::ヽー､､::L＿
'"‐''":::::| ,,``‐‐:::::::::'' /:::::::::::>:::::::::::::::::''`,,､
:::::::::::::| /ヾ'‐`‐‐､',へ /:::::-ﾆ:::::::::::::::::::/::::::::ヽ
スミルノフに対しては幹部党員としての役職をはく奪されはしたものの、
党籍の保持は認められ党からの追放はなされなかった。
＿,. － ､
. ‐ ' ´＿＿｀ヽヽ｀'ー－ ､
／_,:／ ／￣＼ヽ::::/￣＼ ＼
／／:::///:.､:｀ヽ､:::ヽ:Ｙ ! i:. ! ヽ
／:/ ／:/,'/:::::::｀ヽ:::｀ヽ:Ｖﾍ:ｌ: ｌ::.｜. i
. ｌ:::/../:::///｀゛｀｀｀゛｀ ｀ﾞ゛""'ｌ|:: !::: |:i::::. !
!/::/:::::!:l|! l|!::|:::: ｌ:!:::: !
}:::::::::/l::|! l|:::!::!::l:|:::: .. !
─ ､‐─'‐{{|{－ ､ _,,､-―一|::l|:l!::l|!::::::::j
‐ｒ /ｒ－_'i代モ㍉}!＿i{´ rそﾃスｊ::!|:!!:ｌｨﾍV/
（_,/ ｊ／ /N､_ ￣ｲ}l {入_ ￣´ノ|:l ｌ!リか }′
ノｰ ' ∧l! } |! ｊ! ｒ‐''丿
／ヽ ｀､ 〈{ ,r‐７
／ ヽ _＿_ U / |;/
ヽ `＝ ｀ ／ !
＼ ／ |┐
ｒ－ ､＿_,. '´_, - '二´｜
|￣| | | 「￣´ |、
| | ト､＿_｣｜
これが、この事件の落としどころとなったのだった。
450 ：
◆J7qCZtZxmc ：2013/01/22(火) 22:03:58 ID:WaaSb7YE0
o ° 。ﾟ o ｡ o ﾟ o 。ﾟ o ｡ 。 o o ° o 。ﾟ o ｡ 。 o o ° o o °
。ﾟ o ｡ 。ﾟ o ｡ 。ﾟ 。 o o ° 。ﾟ o ｡ 。ﾟ o ｡ 。 o o ° o 。ﾟ
。 ｡ 。 o ,__ 。ﾟ o ｡ o ﾟ o 。ﾟ o ｡ 。 o o ° o 。ﾟ o o ° o 。
。ﾟ o ｡ 。ﾟ o l_< o ﾟ o 。ﾟ o ｡ 。 o o ° o 。ﾟ o ｡ 。 o 。
。 ｡ 。 o _|_ o ｡ o ﾟ o 。ﾟ o ｡ 。 o o ° o 。ﾟ o o 。ﾟ o 。
＿ o ﾟ ,ｪ.＿.ｭ、 o ﾟ o 。ﾟ o ｡ 。 o o ° o 。ﾟ o ｡ 。 o 。ﾟ o
,,,,］|| ,,.-'"゛ ~''ヽ、 ｡ o ﾟ o 。. ! o ｡ o ﾟ o 。ﾟ o ｡ 。 o o ° o
ﾆﾆﾆ,,!-ｚ,,,,,,メ--────--丶、 ° o 。ﾟ /_|ヽ 。 o o ° o 。ﾟ o ★｡ 。 。ﾟ
-､,,,,_ .~"'''ﾆ==ェ,,--'''''''-------ヽ.._ 。 o 。|iiii|ﾞ|. o ｡ o ﾟ o 。ﾟ o .|｡ 。 o o ° o
｀~"'―-,,,,,,|ﾆﾆﾆﾆﾆｴｴｴｪ,l,,,,|,,,,[ ]、 |;;;;;;|;;|. o o ° o 。 ﾟ o ,!!、 。 。ﾟ
人 人 ｀ﾟﾞ'''―ｖ,,,,「 .|~ﾞ---->...ｭ,ｭ__.、 .,i;ﾛ;ﾛ|;;| ｡ o ﾟ o 。ﾟ o iiiii 。 o o ° o
彡ミ 彡ミ 人 人ﾞ'''ｰ-...,,,,_| ｀ﾞ''''「ﾞﾞ'''''..|∩-|iil.,,, o ° o 。 ﾟ o ||||| 。 o 。ﾟ
彡彡ミﾐ 彡ミﾐ 彡ミ 彡ミ 人 ｀ﾞ"人-i､,,_,,,l;;;;;;;;;;;/;;;/z,,,__. ｡ o ﾟ o | :|. 。 。 i °
彡彡ミミ彡ミミ ;;彡ミミ.;彡ミミ ;彡ミ 彡ミ 人ﾞ'''┐'| .|''i--zz;;;;;,,,,,. o 。 ﾟ |ＡＡ.| ∧ 。 o
彡彡ミミﾐ彡ミミ 彡ミミ 彡ミミ .彡ミミ 彡ミミ彡ミミ:::| .| .l'''―ｖ,,,,,"'''i ＿＿___ .A lﾞ| | |.|.A. .|ｉｉ| 。 o
彡彡ミミﾐ彡ミミﾐ;;;;ミミﾐ彡ミミﾐ彡ミミﾐ彡ミミ彡ミミ:::| .! ,| ｀~"'ﾍ-i､|ﾛﾛﾛﾛi''i_|ii| |ll,,,,,,,||ii|_./ .ヽ 。 o
彡彡ミミミ;;;;ミミミ ミミミ ミミミ;;ミミミ;;ミミミ;ミミミ::::| | | 人人人 r‐┴── ┴┐ﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞll-----トL, 。
ニニﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝===== |..彡ミ .r‐―┴――─┴-┴─--iＬ,、:::::::|ﾞﾞﾞ|-----
ニニニニニニニニニニニニニニﾆﾆﾆﾆﾆﾆ＝＝＝===ｪｭyy,|jlll」―――---------u,,|_， !.| .!-ト |
ゝ-'|ゝ-'|ゝ-'|ゝ-'|ゝ-'|ゝ-'|ゝ-'|ゝ-'|ゝ-'|ゝ-'iゝ-'iゝ-'iゝ-'iゝ-'iゝ-'iゝ-'iゝ-'i ト- ＿ ..|.｢[l|__＿＿,,,..|...............
━─―――――――――――─'''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''"￣￣￣￣
451 ：
◆J7qCZtZxmc ：2013/01/22(火) 22:04:27 ID:WaaSb7YE0
[二二二二二二二二二二二二二二二]
||. ,. - ､ :.. ﾟ ..:: :: . .. ||
|| { ..:: } .. . . ... ... .. .. .. .. . ||
|| .` ‐ 'ﾞ ... . ... .. +. ... ... ||
||::: ::::........ :::... .... ..:::::::....::::::....ﾟ.. . .:::...||
|| .. . .. . . . .. . . ... .. .. .. . ||
|| l;;;;| ／￣￣￣ ＼ ;;; ||
|| l;;;;| ／:::::::::::::::: ＼ ;;; ||
||;;;; l;;;;;|／::::::::::::::: ＼;;;;.;;;;; ||
||;;;;┌;;;|::::::::::::::::::::::: |;;;;;;;;;;;;||
||;;;; |;;;;;;＼:::::::::::::::: ／;;;;;;;;;;;;||
||;;;; |;;;;;;（⌒ ::::::::::::::: ⌒ヽ;;;;;;;;;;;;||
[ニ二二二| :::::::::::::: | ニニニニ]
.| :::::::::: |
＿＿＿＿＿_
r' ,v^v^v^v^v^il
l / ─ ─ |
i~^' （･） ・ |） よかったんですか？
ヽr ⊂⊃ ヽ
l | | 同志やる夫。
__,.r-‐人 ３ ﾉ＿
ノ ! ! ﾞｰ‐------‐'"ハ ~^i わざわざスミルノフの野郎を
ヽ ! ヽ､＿ ＿.ノ i ＼ 党内に留まらせておいて・・・
ヾV / ! ／ .入
やる夫の忠臣 ラーザリ・カガノーヴィチ
452 ：
◆J7qCZtZxmc ：2013/01/22(火) 22:05:38 ID:WaaSb7YE0
,.⌒ヽ γ⌒ ヽ
〈 ● ﾉ＼ ／＼● 〉
ヽ彡' ヽ / ヾ_ノ
. ） Y （ スミルノフは組織局の一員だ。
／γ⌒ ⌒ヽ＼
. / | | ヽ 党から追放するには大物すぎる。
. | ヽ＿＿人＿＿ノ |
＼ `ー'´ ／ 人民委員会議の一員だったエイスモントも合わせ、
/⌒ヽ ー‐ ｨヽ 一挙に幹部党員を弾劾すれば
/ ,⊆ニ_ヽ、 | 党の正当性に傷をつけかねない。
/ ／ r─--⊃、 |
| ヽ,.ｲ ｀二ﾆﾆうヽ. |
人民委員会議議長（首相）
ヴァチェスラフ・モロトフ
,. -ｰ冖'⌒'ｰ-､
,ノ ＼
/ ,r‐へへく⌒'￢､ ヽ
スミルノフを反党分子として追放すれば {ノ へ.._、 ,,／~` 〉 ｝ ,r=-､
彼の下で行われた党の政策も間違いとして ／プ￣`y'¨Y´￣ヽ―}j=く /,ミ=/
大衆に認識されてしまう。 ノ /レ'>-〈＿ｭ`ー‐' ﾘ,ｲ} 〃 /
/ _勺 ｲ;；∵r;==､､∴'∵; シ 〃 /
負の連鎖はやがてボリシェヴィキ体制 ,/ └' ノ ＼ こ¨｀ ノ{ー--､〃__/
そのものへの否定につながって 人＿_/ー┬ 个-､＿_,,.. ‐'´ 〃`ァーｧー＼
しまいますからね・・・ . / |／ |::::::|､ 〃 /:::::/ ヽ
/ ｜ |::::::|＼､_________／' /:::::/〃
やる夫の官房長官 アレクサンドル・ポスクリョーヴィシェフ
453 ：
◆J7qCZtZxmc ：2013/01/22(火) 22:06:28 ID:WaaSb7YE0
＿＿＿＿＿
,..-''"´ ｀''-,,
.／ ＼
./ ヽ
/ ＿＿＿ ＿＿＿＿ ',
,' ＿＿＿_ ＿＿＿_ ', （そう・・・そしてそれは
l l ● l .l ● l l ﾅﾗﾃｨﾌﾞ
l ヽ､＿ ノ ヽ､＿ ノ .l 公式の物 語を崩壊させてしまう。
', ,'
', （＿_人＿＿） / 党は絶対だお。党が間違いを犯すことなど、
ヽ、 └――┘ ／ あってはならないお・・・
._｀''-..,,_ ￣￣ _,,..-''"_ スミルノフを「党の誤り」として
,..-''"´ ｀"''-..、 取り除くことは、できない）
454 ：
◆J7qCZtZxmc ：2013/01/22(火) 22:06:49 ID:WaaSb7YE0
＿＿＿_
／ ＼
／ _ノ ヽ､_.＼ ・・・第一次五ヵ年計画も大成功を収めたお。
／ （●） （●） ＼ 国内の緊張は依然として看過できないけど、
| （__人__） | 当初の目的を達成したところで、
/ ∩ノ ⊃ ／ ある程度の政策修正が必要と考えるお。
( ＼ ／ ＿ノ | |
.＼ “ ／＿＿| |
＼ ／＿＿＿ ／
,.⌒ヽ γ⌒ ヽ
〈● ﾉ＼ ／＼ ●〉
ヽ彡' ヽ / ヾ_ノ
） Y （
／γ⌒ ⌒ヽ＼ ・・・・・・というと？
/ | | ヽ
| ヽ＿＿人＿＿ノ |
＼ `ー'´ ／
455 ：
◆J7qCZtZxmc ：2013/01/22(火) 22:07:15 ID:WaaSb7YE0
＿＿
／..::::::::::::::..＼
／..:::::::::::::::::::::::::.＼ 五ヵ年計画は大衆的熱狂を
／..::::::::::::::::::::::::::::::::::::.＼ 原動力に推進してきた
| :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: | 「強行突破」政策だったお。
＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／
,. -‐'´..:::::::::::::::::::::...｀丶､ だが、政策が達成された以上、
ﾉ .:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::....ヽ 政策手段も完結すべきだということだお。
＿＿＿＿＿_
r' ,v^v^v^v^v^il
l / ─ ─ |
i~^' （･） ・ |）
ヽr ⊂⊃ ヽ 熱狂を鎮めるってことですか？
l | |
__,.r-‐人 ３ ﾉ＿
ノ ! ! ﾞｰ‐------‐'"ハ ~^i
ヽ ! ヽ､＿ ＿.ノ i ＼
ヾV / ! ／ .入
456 ：
◆J7qCZtZxmc ：2013/01/22(火) 22:07:51 ID:WaaSb7YE0
【補足】
,.:-=;1―;1―;1―;1,=-;:､
ﾐ ﾞﾐ
. ﾐ ★ ﾞﾐ
／ﾐ ﾞﾐ ＼
《 ﾐ;＝＝＝＝＝＝＝＝ﾞﾐ ｝ 》
. 》/ ／ / :／ : : : : : : : : : ＼ ∨《 国民的支持基盤を持たないボリシェヴィキは
. /// : :/ :/ : : : ／:/ |: : : : : ∨＾:| 自身の革新的政策を遂行するのに
l∨ : : l :/: : :／/ / :八 : : : l: l : :| テロルと破滅を振りかざさねばなりませんでした。
| :| : : :|/ :／ //:/ :/ ヽ: : | ﾊ: :|
| :| : : :|≧ｘ､/ｲ/／,.ィ≦ﾊ ﾉ : l: :| しかし、五ヵ年計画本格始動から四年を経て、
} :|八 :代ｕzﾉ 弋ｕzﾉ仏ｲﾉ: :| そういった強硬手段が党と国家そのものに
. ′:｝ 仆⊂⊃ ⊂⊃ｲ 八 : :| 過度の負担をかけてしまっていることが
. /: : / 八 ＞ ～～～ .イ｝｛ : : : | 明白となってきました。
. /: : 〈 //￣》 》≫=≪《 《V ∧: : :
. / : : : : ｛ 》《＿》《＿》《 〈 / 、: :丶 ここに至ってボリシェヴィキは大きな政策変更にでます。
/: : : : : : ｝ 《＿/八＿》 ｝: : : :＼
／: : : : : : :/ ∨{＞＜}｛ ｛: : : : : : :＼
／ : : : : : : ／人,＿__人}＞＜}人＿＿人＼ : : : : : :ヽ
《 : : : : : : ／／ ｛￣／∨｀¨¨¨´∨＼￣｝ ＼＼ : : : : : ＼
《 : : : : :／ 《（ ｝ ｛＿人 人＿｝ ｛ ）》 ＼ : : : : :》
》: : :／ 》） 人人＿）) (（＿人ノ （《 ＼: : :《
《 :／ 《（ ＼ ／ ）》 ＼ 》
｀＼＼ ≫x､ ＼＿＿／ ,ｘ≪ ／／
【補足終わり】
457 ：
◆J7qCZtZxmc ：2013/01/22(火) 22:08:30 ID:WaaSb7YE0
1933年4月、ソ連国内で鉄道事業に参入していた英国の重工業会社「メトロ＝ヴィッカース」の
エンジニアとロシア人技術者が贈収賄と破壊工作、そしてスパイ活動の容疑で逮捕、裁判にかけられた。
これは後に「メトロ＝ヴィッカース見せしめ裁判」と呼ばれる。
─────┐ ,∧＿∧
∧＿∧ | ∩_∩ ∂ノノハ））)
（ ´∀｀） | （´ー`） |ハ｀∀´ノ
,丿~, ~ヽ│ 丿~, ~ヾ 丿~, ~.ヾ､
￣￣|￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣|
| |
|. Ａ＿Ａ. |
| （ ・ｗ・） |
| ノ~, iO)､ | ∧＿∧
| |￣￣|~.￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣.| （∀･ ； ,） ∧∧
∧|_∧ | ┌─┬┴⊂ 〇 ） ,,'⌒丶､ (ﾟДﾟ )
（ ｀） | │ │ │ | │_ゝ＠＝=>（〈ｙ〉 ｀つ
┏━┳┓￣￣￣￣￣|￣￣￣| │ │ （＿_）__,） （´∀｀ ）￣￣￣￣￣￣|￣￣
┃ ┃┗┓ | | │ │￣￣￣|￣~ｉ （ =|＝,~ ）,, |
┗━╋━┛ | | │ │￣￣￣|￣￣|⌒（⌒,,_,） |
┏┻┓_ │, │ │ │￣￣￣|￣￣￣|（＿_）￣￣￣|￣|､ │
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
∧＿∧ ∧＿∧ ∧＿∧ ∧＿∧ ∧＿∧ ∧＿∧ ∧＿∧ ∧＿∧ ∧＿∧
（ ）（ ）（, ）（,, ） ,,）（ ）（ ）（, ） (゜∀゜ ）
458 ：
◆J7qCZtZxmc ：2013/01/22(火) 22:09:55 ID:WaaSb7YE0
無論、判決は決まっていた。
r-､ , -──‐‐-､ r､＿＿＿＿＿＿__,.へ
_ﾉ ﾉ ,.へ ／ ,-─==-‐‐､＼ | r--､ r--､ r--､ r'′
lニニニ''' ムニニニﾆ---ゝ / ,,---､ ,,,---､ヽ | |＿_| |＿_| |＿_| |
フ ∠＿＿__,へ､ i ''"フ-ｧ'ハ ,ｒ‐＜ i し'─ r-z r-z ─‐-'
ノ ┌───l | | '`ｰﾟ 」 L`ﾟ‐'＾ | lﾆﾆﾆﾆニ | | ﾆﾆﾆﾆ'^ゝ
ノノ| L＿＿＿.| | __| ,,､--└Ｌi┘---､ |___ | | | |
_ノ-" | |ｰ──‐-､ | { ｔi／ ／＼ ＼iｧ } .lﾆﾆﾆニ | | ニニ'^ゝ
| Lﾆニニニ. | Ｙ .／´￣｀＼ Ｙ´ r-､__,. -''~ j. | |
| | | | ノ ∠＿_／＼＿ヾ､ ヽ ゝ､,. -''~ﾌノ | ニニニ'^ゝ
| | _| | ／ ／ ／ i ヽ ヽ ＼ ノ " | |
ｰ´ `ゝ､.ノ i / ,' i ヽ ヽ ! -''~ ー
| i i i i } }
,.､-‐‐┤ : ! ! } ! ﾉ ﾉ‐--､,_
,､-''" ヽ ヽ ヽ丶 ! ノ ノ ／ `‐-､,_
,､-'" ＼ ＼ ヽヽ ! ／ ／/ `'‐､,_
／ ＼ヽ､,,__ ヽ､,, i／ ／／ / ＼
/ ＼ ヽ `r-､, _／ / / ／ i
しかし、この裁判では今まで行われた見せしめ裁判とは決定的に違う光景も見られた。
459 ：
◆J7qCZtZxmc ：2013/01/22(火) 22:10:40 ID:WaaSb7YE0
, -──‐‐-､
／ ,-─==-‐‐､＼
/ ,,---､ ,,,---､ヽ
i ''"フ-ｧ'ハ ,ｒ‐＜ i
| '`ｰﾟ 」 L`ﾟ‐'＾ | ・・・しかし、
__| ,,､--└Ｌi┘---､ |___ 被告人らの破壊活動が局地的であり、
{ ｔi／ ／＼ ＼iｧ } かつ重大な結果を及ぼさなかった結果を鑑み、
Ｙ .／´￣｀＼ Ｙ´ 最高刑（死刑）の適用は認めない。
ノ ∠＿_／＼＿ヾ､ ヽ
／ ／ ／ i ヽ ヽ ＼ また、被告人のうち2人については
i / ,' i ヽ ヽ ! 証拠不十分により無罪とする。
| i i i i } }
,.､-‐‐┤ : ! ! } ! ﾉ ﾉ‐--､,_
,､-''" ヽ ヽ ヽ丶 ! ノ ノ ／ `‐-､,_
,､-'" ＼ ＼ ヽヽ ! ／ ／/ `'‐､,_
／ ＼ヽ､,,__ ヽ､,, i／ ／／ / ＼
/ ＼ ヽ `r-､, _／ / / ／ i
被告人らに下された判決は著しく軽いものであった。しかも数人は公判が始まる前に釈放されてまでいる。
これは今までの弾圧キャンペーン下ではみられなかったものである。
明らかに、流れが変わり始めていた。
460 ：
◆J7qCZtZxmc ：2013/01/22(火) 22:10:58 ID:WaaSb7YE0
さらにこの直後、やる夫とモロトフは地方組織の無軌道な弾圧を非難する。
,.⌒ヽ γ⌒ ヽ ）)
(（〈● ﾉ＼ ／＼ ●〉
ヽ彡' ヽ / ヾ_ノ 五ヵ年計画が成功を収め、
） Y （ 情勢は新たな段階へと入っている。
／γ⌒ ⌒ヽ ＼
(（ | | |. | にも関わらず、地方の党組織は
(（ ヽ ヽ＿＿人＿＿ノ ノ 乱暴な大量逮捕と大衆弾圧を行っており、
＼ `ー'´ ／ ソヴィエトの権威を傷つけているのだ！
__／ﾆﾍ ' ｢L__
＿_,,,,=＝ﾆﾆ三三ﾍ. ｜|三ﾆ==､__ 特に追放措置については
/三三三三三rｲ◯三ﾆ| ＼__,／ |三三三三ﾆ==､ 広範に適用するのではなく、
_|三三三ﾆ/ `ｰｲﾆ三;;| .／三＼ |三三三三三三;＼ 反ソ分子の「首魁」「首謀者」に限って
_|三三三=广 ＼. `i,j! ｝ﾆ;| ＼三/ :|三三三三三三三| 適用すべきである！
|三三三iく ＼ { ／三=| :|三| |三三○三三三三;|
__/三三三|| ＼＿}ｰ^三三三| |三;| |三三三三三三三;;|
／三三三三;|＼＿＿,ﾘ三三三ﾆ| :|三;;| :|三三三三三三三;;;|
|三三三三三| ／三三三ﾆ=;| |三ﾆ|:|三三三三三三三ﾆ;|
|三三三三三`==='三三三三三ﾆ| |三三||三三三三三三三三|
|三三三三三三三三三三三三三V三三三三三三三三三三三||
∩＿
〈〈〈 ヽ
＿＿_＿ 〈⊃ } 今までの闘争は絶対的に正しかった！
／:::＼:::／::＼. | | そして闘争はこれからも激化するだろう！
／ <●>::::::<●>＼ ! !
／ :::::⌒（__人__）⌒:::::＼| l しかし、それでも弾圧を緩和すべき時がきている！
| |!!il|!|!l| | ／
＼ |ｪｪｪｪ| ／／ 地方組織は直ちに死刑宣告の大量生産を中止せよ！
/ ＿＿ / 収監者の多くは釈放されるべきである！
(＿＿＿） / 方針に誤りは無かった！だが変更はある！
461 ：
◆J7qCZtZxmc ：2013/01/22(火) 22:11:44 ID:WaaSb7YE0
「今までの弾圧政策は間違いではなかったし、これからも必要ではある。だが、とりあえずは緩和せよ」
という矛盾にあふれた声明の発表は、ともすれば政策の過ちを地方党員になすりつけているようにしか見えない。
γ⌒) )
/ ⊃＿＿ 関係ないから 関係ないから ＿＿＿（⌒ヽ
〃/ / ⌒ ⌒＼ ／⌒ ⌒⊂_ ヽ
γ⌒)（ ⌒） （⌒） ＼ ∩⌒) 三 三 三 （⌒ヽ∩／（ ⌒） （⌒） |(⌒ヽ
／ _ノ :::⌒（__人__）⌒ 〃/ ノ ヽ ﾉ| :::⌒（__人__）⌒ ::| ⊂ `､
（ <| | |r┬（ / / ）） ≡≡ ≡ ＼ ＼ ）┬-| / /> ） ））
( ＼ ヽ ＼ ＿`ー‐' ／（ ⌒） =＝＝ ＝＝ (( （⌒ )､ ヽ＿ `ー‐' ,／／ ／
/ / ＼ ＼ / ／
ヽ＿ ノ （
しかし少数派の独裁権力であるボリシェヴィキは、政策を遂行する為に常に暴力に頼らなければならない。
政権維持の中核である暴力を否定せずに、現下の弾圧を弱めるためにはそう言うしかなかったのである。
462 ：
◆J7qCZtZxmc ：2013/01/22(火) 22:12:41 ID:WaaSb7YE0
【補足】
,.:-=;1ー;1―;1―,=;:､
= ﾞﾐ
ﾐ ★ ﾞﾐ
ﾐ ﾞﾐ
ﾐ;＝＝＝＝＝＝＝ﾞﾐ
／ ,= ヽ
/ ,=' _ ∧_ _,,
/,,_ {i ,～ ～ /´ ﾊ＾､_ この弾圧政策の大転換には
ヽi} / / / ヽ_/ ヽ__,,＼ 大きな裏の意味がありました。
{ | _|__,,／ ／ ￣ ＼ヽ
ヽ | _|∠_／/ ┬―ｩ ヽ 表向き政策が穏健な方向に
|｀､ヽ.__ノ ヽ-‐' _/ 修正されつつある、という印象がありますが、
| |{i t ＿ ／ | 実際にはやる夫指導部は
| | i} > ､___ヽﾉ_ ,ｨ ﾘ| l| | 新たな闘争の匂いを嗅ぎつけつつあったのです。
// i} / ｝-‐斤ヒl､__| l| |
r､ //,,i} /／}｝ l|》o《|! ｛{｀lヽ
__ゝ |i}＾V'' __/ }｝ ハ ｛{ |
ヽ ﾉ' ｀j }｝ /Ｘ | ｛{ |
' |:::::::::::::| （⌒' / ' / i! ＼ V::::.. ﾉ
（ _ |:::::::::::│ ) / i i ! i! ! ､ i:::::::...ノ
ｲ::｢ ) V.:: | 「 .' i i !/i ヾ | !ヽ |::::::..ﾉ
／ !::|(__ ヽ::.. r‐v7/ ∧ !|ト!､| |│ ＼! ! ! ′i |::::::::）
.' !::|ゝ==) rfぅjV ハ)/7从 ､|ヽ! | /:||＼ i ｲ / .′ !::::＼
丶 !::| ＼ ゝ-.． ゝ少ﾉ ,' | rzぇ::zrゝ 乂::ﾉ / 'ヽ / .' / ,人::::ゞ＼
〈 ＼:| ヽ ヽ ` ｰﾍ / │ 夊f_少' ／ﾚ')／ゝ/) ｲ / ｲ:| |:|⌒)::::）
ヽ ヾ: 、 〉、 ＼ V | ィzテ7/ ! .′/ ! | __ﾉ '／
＼ |:|＼ !:::| ヾ | ハ v夕 /ﾚ' ﾚｲイ | 「! (:／
ヽ. |:| |:::| r.. ―┤ | '. . j ∧i| |: |/ ! それはつまりどういうことかしら？
|:| |:::ﾄ<:. │ ト i! - ､ ｲ ヾ | |: ∧＼
|:| |:::| ＼ 人 ＼:ﾄ､ . ＜__j! ＼ | / '. ＼
|:| |:::| Y' ＼ ＼ ＞ -＜´:::::::::::: i!ー-, ＼ ! .' ! ）::）
ﾚ′Y::/ | ヽ. ＼ ＼tfうj} :::::::::::; / / / | /::/
│! ム-‐─‐-ゝ ):少 :::::::::; / /ヽ. , ' ） '/::/
463 ：
◆J7qCZtZxmc ：2013/01/22(火) 22:13:11 ID:WaaSb7YE0
,.:-=;1―;1―;1―;1,=-;:､
ﾐ ﾞﾐ
. ﾐ ★ ﾞﾐ
／ﾐ ﾞﾐ ＼
《 ﾐ;＝＝＝＝＝＝＝＝ﾞﾐ ｝ 》 ｽﾀｰﾘﾝ
. 》/ ／ / :／ : : : : : : : : : ＼ ∨《 対農民絶滅戦争に象徴されるやる夫革命は
. /// : :/ :/ : : : ／:/ |: : : : : ∨＾:| ひたすら熱狂を煽るテロ・キャンペーンでした。
l∨ : : l :/: : :／/ / :八 : : : l: l : :|
| :| : : :|/ :／ //:/ :/ ヽ: : | ﾊ: :| 警察だけでなくコルホーズ員、役人、下部党員でも誰でも
| :| : : :|≧ｘ､/ｲ/／,.ィ≦ﾊ ﾉ : l: :| 「富農」を見つければ逮捕・監禁・処刑・追放ができました。
} :|八 :代ｕzﾉ 弋ｕzﾉ仏ｲﾉ: :| 無統制無軌道無制限な集団暴力というテロをまき散らす
. ′:｝ 仆⊂⊃ ⊂⊃ｲ 八 : :| 「大量破壊政策」だったのです。
. /: : / 八 ＞ ～～～ .イ｝｛ : : : |
. /: : 〈 //￣》 》≫=≪《 《V ∧: : :
. / : : : : ｛ 》《＿》《＿》《 〈 / 、: :丶
/: : : : : : ｝ 《＿/八＿》 ｝: : : :＼
／: : : : : : :/ ∨{＞＜}｛ ｛: : : : : : :＼
／ : : : : : : ／人,＿__人}＞＜}人＿＿人＼ : : : : : :ヽ
《 : : : : : : ／／ ｛￣／∨｀¨¨¨´∨＼￣｝ ＼＼ : : : : : ＼
《 : : : : :／ 《（ ｝ ｛＿人 人＿｝ ｛ ）》 ＼ : : : : :》
》: : :／ 》） 人人＿）) (（＿人ノ （《 ＼: : :《
《 :／ 《（ ＼ ／ ）》 ＼ 》
｀＼＼ ≫x､ ＼＿＿／ ,ｘ≪ ／／
,.:-=;1―;1―;1―;1,=-;:､
ﾐ ﾞﾐ
ﾐ ★ ﾞﾐ
ﾐ ﾞﾐ
ﾐ;＝＝＝＝＝＝＝＝ﾞﾐ ＿／＼／＼／＼／＼／∨＼∧/＼|＼／＼∧|＼／＼
| ／,,彡ヘ､>,､_／─､ﾐ､. | ＿|＿ ＿＿ ＿/＿ヽヽ l lヽヽ / /
レｲ| -━-'|卅| -━'´| ミﾐ三 ＼/ 二 / | | ､／ / ＿ .￣|￣|￣ / /
／::::::|丶＿__丿'' ''ヽー‐''ﾊ::ミﾐ､ _／ヽ ＿／ _／ ヽ / ､＿ 丶＿ O O
ﾆ彡∥〈!|ヽ, r､ `^ｰ^' ・^〉 〉ミﾐヽ
/:::::::弋_ トｪｪｪｪｪｴｱ´ ∧:::ﾍ | ┼ ＿＿＿＿＿ | ┼ | ┼ | ┼
∥:::::::::::::'､ ．丶ｪｪｪ/ /::::::ﾊﾘ ￣ヽ ﾚ の. つ ﾚ の つ ﾚ の つ ﾚ の
|l!!:::::::::l|:::|丶 `ー‐‐'´ /:::::::}:::ﾄ､ /／ヽ/ヽ／＼／＼／∨＼∧/＼|＼ヘ|＼/＼|＼/＼/
ゞ∨:::::| ､,,, ,,,, ,,ノ/:::::::∥/`
-─f￣∥ﾉ `''''''''''ﾞ |∥::/─､-､
464 ：
◆J7qCZtZxmc ：2013/01/22(火) 22:14:12 ID:WaaSb7YE0
,.:-=;1ー;1―;1―;1―;1―;1―;1―,=;:､
ﾐ ﾞﾐ
ﾐ ﾞﾐ
ﾐ ★ ﾞﾐ
ﾐ ﾞﾐ
ﾐ ﾞﾐ
ﾐ;＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝ﾞﾐ
〃. : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .:ヽ ｋ しかし、こういったガサツな政策方針の隙をついて
. / . : : .:.:|: : : : : : : .:人: : : : : : : : :', ! :', 地方の党幹部らはテロ・キャンペーンを
,'. : : : :.:.:.:.|: : :,':,'.: : / ＼＼_.:.:.:|.: : :.! ＊｜.:| 自らの地盤固めに都合よく利用しました。
. ｜: : :.:.: :.:.:.|.:.://.:.// ￣ ＼＼ﾒ､.:.:.:! |.:.:|
. 人 ､ :. :.:イ//／/ ,.-≠ ﾐ.､!.:,' ,'.:. | 彼らは富農撲滅運動を政敵の追放に利用し、
＼＼:.:.:.:lYl⌒ヽ /| :::::::l! |/ ,': : :| 無制限にばら撒かれた警察権力を駆使して
l＼＼八 フ:ﾉ ′ フ__ノ' ,' l.:.:.: :| 自分達の王国を築き上げていったのです。
|ﾊ ＊ﾐ ,,｀´ '' .ｲ ＊｜.:.:. |
. ﾉハ ＞.....＿_冖＿ ＜:八 い、ﾍ
r 彡.:.:.,' !:.|「≠介ﾄn,､ﾘ≠､.:＼ ＼＼＼
＜-=≠:/ ,'.:〈ﾁ_/小.ｼ〃ﾞ ト､У.:.ﾊ. ＼＜
／-＝／ /.:f癶＝キﾄ込､/:.:.:.〈〉ｰ-ﾊ ※ ∨＼
＞－´ ※ ／／xタﾐⅩ彡:::ﾑ|:.:.:.:.:.:〉.:.:.:.:.:', ∨.: ＼
￣|＞ｘ､._／-_j斗'"ﾊ:::ﾊ:::／|.:.|:.:.:.／＼ .:.:.:.|＿＿_／＼.:. /
,,､ｰ '""~~~~~~~ ~'''-､
,-'".. /' ﾚ " //<< い あ 困 さ
な 大 .き ／ ::::: /ri'ﾉii " (~ヽr''') .う っ っ っ
ん 事 み. / ::::::: r"ﾂ人ﾝ ヽ,／ .と. た た. 続
だ な た / ,,,､､､､;;;;ij,//~ 彡,,､-- ､, い .ら こ け
労 ち r"r'"::､､､ '""ヽﾂ" ,,､ い と な
働 は. rﾆti ､,,,ｰ'''''ヽﾂ(,,--､ 'tr''ﾆ"ﾆ彡 な が さ
者 ﾘ, ' ￣~)::）r" ﾐ":::'" ん い
// ;;ｯ''"（,」⌒'',"~'' ,,:::::､､､, で
r'ii r"／,､ ヽ-z⌒",, ヽヽ'~ も
Ａ tii ｀/;;"ヽ｀'=zz三zz'7" 't;;|i
r"ヽ ,,､ /:::::| i |;i ii,,ゝ､＿,､-''" ,ii |;;i ii
. | ヽi;::ヽ /::::::::| t i;| ~'' ､,,""",､-''" jﾘ ii'-､
. t ヽ;:ヽ,,,,,,､､-'ｰz=-t､r"t i|, ~~~ ﾉ/ ﾉ ~' ､
ヽ､,, ~' ､ ::::''";;;／~''i", ヽ;;; j |ii ,,,iij| / ,､ ' ~'''''ｰ ､ｰ<￣~
ｰｰ ゝ､-― ~''ｰ"､,' | iii ヽ､;;; t､wwwwwwiij"" " '" ~'i::'i
,r ヽ､,,,､-' i| ヽi||;ii ~' ､iiiiii､､,,,､､jjiiiii}iiiiii从ii ,､-''" |:::|
465 ：
◆J7qCZtZxmc ：2013/01/22(火) 22:14:54 ID:WaaSb7YE0
,.:-=;1ー;1―;1―;1―;1―;1―;1―,=;:､
ﾐ ﾞﾐ
ﾐ ﾞﾐ
ﾐ ★ ﾞﾐ
ﾐ ﾞﾐ
ﾐ ﾞﾐ
ﾐ;＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝ﾞﾐ 彼らは当初、やる夫の「良き共犯者」として
〃. : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .:ヽ ｋ 絶滅戦争に協力していました。
. / . : : .:.:|: : : : : : : .:人: : : : : : : : :', ! :',
,'. : : : :.:.:.:.|: : :,':,'.: : / ＼＼_.:.:.:|.: : :.! ＊｜.:| しかし、集団化のピークが過ぎると
. ｜: : :.:.: :.:.:.|.:.://.:.// ￣ ＼＼ﾒ､.:.:.:! |.:.:| 次第に中央政府の方針に対立し始めます。
. 人 ､ :. :.:イ//／/ ,.-≠ ﾐ.､!.:,' ,'.:. |
＼＼:.:.:.:lYl⌒ヽ /| :::::::l! |/ ,': : :| 彼らは党の命令よりも
l＼＼八 フ:ﾉ ′ フ__ノ' ,' l.:.:.: :| 自分達の王国ゲームに熱中していました。
|ﾊ ＊ﾐ ,,｀´ '' .ｲ ＊｜.:.:. |
. ﾉハ ＞.....＿_冖＿ ＜:八 い、ﾍ
r 彡.:.:.,' !:.|「≠介ﾄn,､ﾘ≠､.:＼ ＼＼＼
＜-=≠:/ ,'.:〈ﾁ_/小.ｼ〃ﾞ ト､У.:.ﾊ. ＼＜
／-＝／ /.:f癶＝キﾄ込､/:.:.:.〈〉ｰ-ﾊ ※ ∨＼
＞－´ ※ ／／xタﾐⅩ彡:::ﾑ|:.:.:.:.:.:〉.:.:.:.:.:', ∨.: ＼
￣|＞ｘ､._／-_j斗'"ﾊ:::ﾊ:::／|.:.|:.:.:.／＼ .:.:.:.|＿＿_／＼.:. /
∩＿＿＿∩
【地方幹部】 | ノ ヽ （ ）
/ ● ● | （ ）
＿＿| ( _●_) ミ＿＿ ( ) 中央の命令？
(＿. 彡､ |∪| ､｀＿＿ ）─┛ めんどくせえクマ。
／ ／ ヽ ヽノ /_/:::::/ ほっとけクマ。
|::::::::::| / (￣￣￣ヽ |:::::::|￣ どうせ適当な報告あげとけば
|::::::::::| | ￣￣ヽ .ノ |:::::::| / ばれないクマ。
／￣￣旦￣￣￣￣￣￣￣／|/
／＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿／ | |
| |-------------------| |
466 ：
◆J7qCZtZxmc ：2013/01/22(火) 22:15:56 ID:WaaSb7YE0
【命令を無視する地方幹部のみなさん】
∩＿＿＿∩
(ヽ | ノ ヽ /)
(((i ) / ● ● | ( i))) 政治局決定なんて
／∠彡 ( _●_) |＿ゝ ＼ 馬鹿のために書かれた命令クマ！
( ＿＿＿､ |∪| ,＿＿ ） そんなもん無視しろクマー！
| ヽノ /´
| /
∫
∧,,∧ ∬
ミ,,゜Д゜ノ,っ━~ そういうこった。
＿と~,,, ~,,,ノ＿. ∀ あんなモンに馬鹿正直に従ってるのは
.ミ,,,/~), .| ┷┳━ 脳みその無い木偶の棒だけだ。
￣￣￣ .し'J￣￣|... ┃ 俺達には関係ねえことだぜ。
￣￣￣￣￣￣￣ .┻
467 ：
◆J7qCZtZxmc ：2013/01/22(火) 22:16:47 ID:WaaSb7YE0
,.:-=;1ー;1―;1―,=;:､
= ﾞﾐ
ﾐ ★ ﾞﾐ
ﾐ ﾞﾐ
ﾐ;＝＝＝＝＝＝＝ﾞﾐ
／ ,= ヽ
/ ,=' _ ∧_ _,,
/,,_ {i ,～ ～ /´ ﾊ＾､_ もちろん、このようなことは
ヽi} / / / ヽ_/ ヽ__,,＼ やる夫にとってまったく面白いことではありません。
{ | _|__,,／ ／ ￣ ＼ヽ
ヽ | _|∠_／/ ┬―ｩ ヽ こうして、地方の「赤い王侯」と
|｀､ヽ.__ノ ヽ-‐' _/ 中央の「赤い皇帝」は地方政治の
| |{i t ＿ ／ | 主導権を巡り水面下で静かな駆け引きを始めていました。
| | i} > ､___ヽﾉ_ ,ｨ ﾘ| l| |
// i} / ｝-‐斤ヒl､__| l| |
r､ //,,i} /／}｝ l|》o《|! ｛{｀lヽ
__ゝ |i}＾V'' __/ }｝ ハ ｛{ |
ヽ ﾉ' ｀j }｝ /Ｘ | ｛{ |
＿＿＿ _
. ／ ＞‐-､＼
. ／~ヾ, j| ｡ ｝ ＼ のぼせ上がりやがって・・・
/|_ ﾟ .,.〉 .ゞー≠ ...＼, まるで自分達のことを中世の封建領主と
./ ヾ≦'（_人__） .＼ 言わんばかりの所業だお！
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
＿）≫:::::::::::._ ''" ｀ 丶、:::::::::::::.（＿
＿_(::::::::::::::::::::::／ ＼::::::::::::::::├─x
./ r─.≧:::::::.／ ヽ:::::::::::≪ニ７》
に二三彡::::.∧ ﾊ:::::::::.|＼Y《
仁{＿/つ::::∧ :ハ:::::::) . ) )
. 廴__,.ｲて ,'.l j | | | }::ム辷彡'
.ﾊ ; （::::.| | { | | ﾊ V .l ｲ.∧ l | :!.|::::/. | |:|
.ﾊ ,: l| 辷| l .V.L | ハ.ヽ | / ,/7 .Ⅵ jl !.}:::｝ .| |:|
ﾊ:/ :!l .|!ﾄ{ .ﾍlV>＞zﾘ,,,. ﾊ l/./ィ-七７.l ∧ﾘﾉ|::lﾊ | |:|
.ハ/ ::l| .|::|ﾍ＼ ｀＼V/7 .Ⅵ从ンj .|:| .l. |:| なるほど・・・
/ !| |::ﾄ叮アﾄ､ｰ-一= 二_＿_,､ 7ｲ |ソ}l::| .l |
,' | |::|. | .l∧ ￣´./ ! .|' 川 :l: i| 弾圧の緩和は地方幹部の
.′ :| 川 .l .|.｀ﾍ. ,-､ / /l .| |: i| 権力濫用を非難する
; :l / ﾘl. ＞､. / ﾉ .イ. |..|.. |:: | 警告の意味合いもあったのね。
| ::| / .∧}.／´.::.:./）/ )/ /,ﾆ､.`ーzxﾉ八. |:: |
| ::| ./ /´::ﾏ.:.::.:.:,.ィ´二二) （__,.(_｝://::Vﾑ |:: |
| | .／／＞､::ﾏ: _,j ／´￣二) ._ゝ=-､ヽ/::〈 .Vﾑ .|:: l
| ::l .《∠≪:::::::へ.ﾏ {. ／´二) ゝ─､｀ヽ|:::::::＼Vﾑ,!| |
【補足終わり】
468 ：
◆J7qCZtZxmc ：2013/01/22(火) 22:17:20 ID:WaaSb7YE0
大量弾圧の緩和はむしろ、今まで無軌道に振る舞われた暴力を中央集権化する試みの第一歩であった。
／~｀ヽ
＝ﾃ≧=＝ァ'::::::::::::::::',
, _, ／:::::::::::::::::::::ヒﾆ＞､-― ､
jノ / /:::::::::::::::::::::::ヾﾘ／:::::l::::::::::::ヽ
/ /::::::::::::::::::::::::::::},ィi!:::::::l:::::::::::::::':,
_/ ,' ,'::::::::::::::::::::::::::::/^'ｰ!::::::l:::::::::::::::::::':,
' / /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:::::／ ,l:.:.:.ﾊ:::::::::::::::::::::',
/ ,/: : : : : : : :.:／ l:. / ',::::::::::::::::::::i
//: . . . . . : ／｀丶、 ,'::/ ',:::::::.::::.::::::l
;': : : : : : :::ｨ'zzミ､、ヽ,/::/ ':,:::.:.:.:.:.::::l
:.:.:.:.:.:.:.::::/´,ｨ=ﾐヾ'、 /:/ , -― l::.:.: :.: :::l
:.:.:.::::::::,〈 {lifjlﾘ 'ｿ ,':/ /::＿ l:: . . .::l
:::::::::::/ ﾞ`ミ竺ョ ,'/ lｯ'",ﾆヽ,j: : : : ::l
:::::::::/ /′ l ､,{ifjﾘ,ﾘ!:.:.:.:.:::l
::::／ / ',ヾ＝彳 l::.:::.:::l
''′ '、 ,! l l::::::::,' 巛彡彡ミミミミミ彡彡
､、 _,.:ノ / //!::::::,' 巛巛巛巛巛巛巛彡彡
ヾゝ､、 ` '´ / //,l:::::/ |::::::: i
｀' ､ ｀ ' ―-- ､＿, / // /:::/ |:::::::: ／' '＼ |
、 ｀丶､、＿_ヾツ,ｲ /ｲ /:::/ |::::: -･=- , (-･=-
::丶、 丶､,,＿_,｀ /」ﾑ' f/:::/ | (6 ⌒ ) ･ ･)( ^ヽ
::::::丶、 `"" / r／ /／ | | ┃ﾉﾖｮﾖｺｮｮi.┃ |
::::::::::::丶､ ＿＿_,ｨ' ▽ ∧ | ┃.ﾄ-r--､| ┃ |
::::::::「￣￣ / ／＼＼ヽ ┃ヽﾆﾆﾆｿ┃ ﾉ
、 :::::l ／ ＼ ＼ヽ. ┗━━┛/ ＼
`ー- L、 . r‐-‐-‐/⌒ヽ-ーｲ ｀､
｀丶、 ヽ､ |_,|_,|_,h(￣.ﾉヽ ﾋﾞｼｯ ヽ
｀丶、 ｀`てヽ、 ー-ヽノ| ｀~`".｀´ ´"⌒⌒) ヽ
O G P U OGPU副長官 ゲンリフ・ヤゴダ
統合国家政治局長官
ヴァチェスラフ・メンジンスキー
人民を弾圧する権利をＯＧＰＵとモスクワ中央に一本化する政策は、
将来の真の「大量破壊政策」において如何なくその真価を発揮することになる・・・
469 ：
◆J7qCZtZxmc ：2013/01/22(火) 22:17:54 ID:WaaSb7YE0
しかしそれでも、五ヵ年計画が完了しようとしていた1933年は、
いままでの地獄のような大闘争から活力と希望に溢れる新情勢への移り変わりを予感させた。
/￣ ー‐--- ＿ ＿ --‐ ￣ ‐- ＿
/ ､ ￣￣￣ //-----------------------------i～´|-------
/ ／ ヽ //wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww|～´wwwwww
/ ＼ | //wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
/ ／＼ ＿,× .//wwwwww. i～´| wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
/ ` .//wwwwwww |～´wwwwwwwwwwww.i～´| wwwwwwww
/ //WWWWWWWWWWWWWWWWWWW |～´ WWWWWWW
/ //WWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWW
/ //∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧
/ // ∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧
/ //∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧
/ //∧∧ ∧∧ ∧∧ ∧ ∧∧ ∧∧∧∧∧∧ ∧∧∧∧∧∧∧∧
￣ ー‐--- ＿ ＿ --‐ ￣ ‐- _//∧∧ ∧∧ ∧∧ ∧ ∧∧∧ ∧ ∧ ∧∧∧ ∧∧ ∧∧ ∧ ∧
￣￣￣ //（ﾟД┌───────┐・∀・;)(｀∀´) 世界革命万歳! ∀｀;)
∧ ∧∧ ∧∧ ∧∧ ∧ ∧∧ ∧∧∧∧ // ） （´| ● ● | ﾑﾈｶﾞｱﾂｸﾅﾙﾅ… ｺﾞﾙｧ! ∧＿∧
∧ ∧∧＿∧ ∧ ∧∩＿∩∧∧＿∧ //＼＼ ｜ ┌▽▽▽▽┐ ｜ ∩ _∩ ／￣￣￣￣＼＾×＾ ；）
ソヴィエト万歳！万歳！万歳！∀｀ ；// .＼＼| ｜ ｜ ｜ （;´ー`） /○.～,,○ 《 ＼ ＿∩
∧ ∧ ∩＿∩ ∧＿∧ ∧＿∧ // ウラー .└△△△△┘ ｜, ⌒⌒＼(▼＿＿_､､ Y Y|Д｀；）
（ﾟーﾟ*） （ ´m｀ ）（｀∀´ ；）（・∀・.；）// Λ＿Λ ｌ.ｌ__ｌｌ）)) ）∨w∨W ＼ヽ | ||∧ ﾐ
∧＿∧ ∧＿∧ ∧＿∧ /○ //(ハヽ∂ ∧ ∧ ((ロ-ロ ｌ） ∧M∧ｌ⌒ｌ)) ＼／|ﾟ；,）ｴ
∩（｀∀´ ；） ΛΛ∀｀ ；） （｀∀´ ；）○ !(｀∀´ハ| （ﾟДﾟ；,）ヽ(´ー｀)ノ ヽ∀ ノ .(-（￣￣ |∵|_ ∧ ∧ ﾅ
ヽ ）(´∀｀) ） （ ＿／ （∩ ∩ ）| ⊂ ⊂ ヽ（＿＿＿）( ） （∩￣￣|∴ﾉ (・Д・;) ｲ
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
470 ：
◆J7qCZtZxmc ：2013/01/22(火) 22:18:49 ID:WaaSb7YE0
この年のメーデーの日には、ソ連新生工業力を誇示するために
全長10ｍに及ぶ超巨大多砲塔戦車T-35が公開される。
＿＿＿
ヽ=★== /
（・∀・ ∩ ウラー！
_,,=-―''''''T^i^~~~^^i^'''T'''';;-
( ＼-'''''^^￣^^^~~~^^'''';;-,,,
ゝ| ll ★ （（）|.|二二I
｜_;_;;___.||_;;_;_;_;_i_i_:_:_:_: ,i''''''''''~
i￣| i | 「 Oヽ=-┐i | |i-┴ー-.i
| | | ,i | | i "''-l] | i,,| I : ; |]===
/＾l＾i~~Ll .|,,,|==-:-;-:-;-=+----==+-ーー---=,,,_
｜ i ＼,,,＼ ヽ ;; __ __ |==ゝ ＼ ,＿＼
| i i ＼ └-ー┘―ー<___><,,,,>=''''''''^~-,,±＼ゝ-=ゝ
,i i ｜ |=-=| | ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;';';';';'''''''' / i |-=-|
ヽ＼_,,」,,_ l-=- /^^^^__,,,,,,,.....-- ___ / //=-=/
ヽi i /=-=/ IUI^^^^^~~~~~￣!-!￣／／-=／
＼_ ／=;;=／^^^^^^^^~~~~~~~￣-=----''''^^
さらに新技術の象徴であった航空機産業にも大きく注力され、
大規模な航空機増産とパイロット育成が進められた。
_
r＝＝=:;i ｆ0:0=ヽ、 / l｀ヽ
|| _＿__Vヽ.___├/|(∀･|0|二'' ･ ..,,/ ★ '.
l! l"| . |ヾヽ.￣￣l二l￣ ==-- .}
く _|..| . | ＼ ★ Ⅴ! ,ノ
ｌi i .! :⊂!__,ヽ─ - ､＿ _ ,,..．-‐ "`-
|| ｀￣￣/./ ｀￣￣ BOOOOOON
γ" ` ヽ、
ゝ、 ;, -‐ '
_
|| ,.-─-:; ./ l｀ヽ
l! r‐:Vヽ=∠lΩlﾞﾞﾞﾞ''''‐- '__★ }
< ll | ＼ ★ Ⅴ,ノ
ｌi.l,.__,,c.., ─- ､ __,,..-‐'' "`-
|| //｀￣￣
( ＞
農業集団化の沈鬱な悲劇とは裏腹に、ソ連は躍動的な新時代の幕開けを迎えていた。
471 ：
◆J7qCZtZxmc ：2013/01/22(火) 22:20:13 ID:WaaSb7YE0
いまや工業地帯はウクライナからウラルを越えてシベリアにまで広く展開しており、
欧米先進工業国に追い抜けないまでも、追いつけるほどの位置にまで迫っているのは確かである。
::::::::::::::.:.:.: : ::: :.
. : :::::::::::::::::::: : : _ｒｚ
: :.::::::::::::::::.:.:: :. |:|
" :.:.::::::::::::::.:. ＿_ |:|
.::::::::::::::: ,...｣::::::F=┐
::::::::::::. |A|::::::ﾄ|:i7!
::::::::: ﾄz|::::::|｣:M
:::::.: ﾚ |::::::ﾄ|:l7!
.: :; ﾄz|::::::|｣:M
,7:ﾍ ﾚ |::::::ﾄ|:|┤
.T↑T ｢/|::::::k|:K|
||ｲ:|| i7ｌ|::::::iｊ::ﾄ┤
.ﾉ!ｊ|:|| .ﾄｚ|::::::|!::M!
.|:｢!「l|､..、 ,.ｲｰ|::::'－7､| i;;ii:i;;i￣|rニユ l |l i: i:二i,
,ｆ:=|=:|ヾ:::ヽ ／ｌ┼1::::ｒW｣>宀iｒｚ 二.ll.| . 二￣￣|=,ｨ'⌒ﾆﾆｴﾆﾆil］1lｰ-il］|_三rー
ｒﾄ-ﾄ､,}｡:::::::]:F-F-!､ゝ ｚｘｚｘｪｭ、 }:i!]ｺﾆ!:::：:::ｒ宀ﾄ､ト､:｣! .::;...;;.;;ii:i;;:; :;..; |l巫||､_,|斤il］il］|_三rーilil￣|─r‐
＿_ｲ-ｲ-ｲ!::ﾖ ｒ‐L_,L」不ﾚ':ﾖ::ﾖ::ﾖE::E!_,｡｣ﾆ!‐ｚ'":i:::iト､`Y､:＼＼ 韭| |:::.. .. |巫|il］il］|_三‐┬ lil「l￣|i､_ｒ lil「l韭
:::::::]:::::!ﾆlﾆｌ;ｲ_,ｆ!] ｒi! .|ﾖﾖ{￢:::::::ｒ!:::ｺ:::::ｊｺi F同同同ｺﾆ!=i==|┼韭| |l::;...;;.;.;ii:i韭lllll":;;;: : ;|韭韭|ﾆﾆｴﾆﾆｴﾆﾆｴ
::i=i:::::::::ｒ┘|::::ﾄ-ｲ .|| . |ﾖﾖト､:::::::ｆｆi=i`ｭ:::::::::｡_ｒ=i=l=l=ｌ=ｒｲﾄｪｪｪｭi7ﾟLｒｆﾆﾆﾆFｆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ7ｆﾆﾆ
党は勝利を掴み取ろうとしていた。
ソ連は新しい繁栄の時代を、掴み取るはずであった。
472 ：
◆J7qCZtZxmc ：2013/01/22(火) 22:20:35 ID:WaaSb7YE0
――― 1933年7月 アノーヒン号船上
::.;;'' ;;:;: :::'':: .;;'' ;;:;: :::''::.;;'' ;;:;: :::''''::: :;:;; '';;.: :: :;: ;;:,: :''::: :;: ;;:,' ';;.::; :; -‐''゛~｀
:;:;; '';;.:: : :; ;; '' ;;'' ;;:;: :::''::: ''::: :;:;; '';;.:: ''::: :;:;; '';;.::''::: :;::;; '_,､-ｰ''ﾞ´
::: :;:;; ''"''::::; .::,''::: :;:;; ::;:;; ''"''::::; .::,''::: :;:;;''::: :;:; '';;.::､ -'゛ - _ ﾆ -
":;. :.. ;'"'":;.;'" : :; ;;'' ;;'' ;;:;: :::''::: :..;:;'"＿＿_,,..． -‐ '''゛゛~ _ _
::.; '' ;;:;: :::''.;'":;. :.. ;'"'":;::.;;'' ;;:;_,,,..､ -‐''゛~｀ -= - _ __,,.. -‐'''
:'';.::' ;. :'';.::''､ -'゛ _ _,､-ｰ''ﾞ´.:. .:.' ::: :;:;;
;:;; ''"''::::; ::: ;.::''::::ッ ﾉ |_ ll__l---||＿ ´ _ _- - _ ‐ _ ,-': :;:;; '';;.:: : :; ;; '' ;
::''::: :;: ;; '';;.:,' rj「ｌ＿_｀ｰ' ヽｌーｊ L---┐ :::''.;'":;.:.. ;'"'":;::. ,.
:,::: :;;:;..,"': ::''゛,-'~ |―┴┴―｀ｰｒｭ-‐<￣.ｨｊ .__ｊｌ - -=-_ =- '' ;;'' ;;:;: :::''::'' ;;.::
:;'' :: :'':;' -'゛ - |[][][][][][] i """ _..,,ｒr=''´ l －＝ ＿=- ￣ ゛'-,''::: :;:;; '';;.::'':::':;:;; ''
:;;'' -″ ─＝ l￣￣￣￣/7-‐'´ ／ ＝― ゛., ″; '';;.:: ,,.
,.-‐''" ─=- _ f ｊL-､ ＿-‐' -‐´~~- ,,‐ "~''::: :;:;;:; '';;.
―≡－ － -= ヽ | ￣ ＿ｊ＿ -‐'~´~~ -＝― ,,‐'" '';;.::,''::: :;:;; '';;.::
ﾆ─ ｀ー～´~~~~ ＝― ＿ ,,''::: :;:;; ''"''::::; .::,''::: :;:;;
二 ― -ニ― ＿ ― ＿ﾆ-― ＿ ￣- ;;"';'';;.::''::: :;:;; '';;.::''::: :;:;; '';;.::
473 ：
◆J7qCZtZxmc ：2013/01/22(火) 22:21:32 ID:WaaSb7YE0
1931年12月に始まった白海・バルト運河（ベロモル運河）の工事は足掛け約2年、
17万人の囚人を「古代エジプト王朝式奴隷労働」に投入し、2万5千人の犠牲を出して完成された。
.｜ .／川＼ ｜
＼／┏┷┓＼／
。┃祝┃｡
ﾞ # ﾟ┃☆┃; ｡
; ｡ ･┃運┃･ #
｡ ;ﾞ #┃河┃# ｡
ﾞ･# : ┃開┃｡ ; ｡
.;:# ﾞ｡ﾟ┃通┃ﾟ ｡ #
; ｡;; ﾞ.:｡┗┯┛｡ # : #
. ﾊ,,ﾊ |
. （ ﾟωﾟ ) |
:/ つΦ
アノーヒン号の船上で行われた「社会主義的労働」の勝利を祝う運河開通式典には
運河計画の責任者キーロフと、奴隷労働のプロデューサーであるヤゴダの姿があった。
／
／'
／::/-――――‐-...ー―ｧ
,..--':::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼´
／‐ｧ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
⌒7:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!::::::::::::::::::::::.
.〃::::::::::::!:::::/:::::::|:::::|:::::::ﾄ::::::::ヽ:::::::::::.
/'|:::::::|::::-!::/_{:::::::{:::::ｉ＼::i-＼::::::!::::::!:::!
ｉ:::::::|ｌ:::::i/＿＼:::ヽ::::. _)'＿_‘::::|i:::::|l::| 巛彡彡ミミミミミ彡彡
{:::::::|ｌ:::::｢丐心 ＼i＼{ 丐刃 }i::ﾘ∨:!ﾘ 巛巛巛巛巛巛巛彡彡
ヽ:::|ｉ:::::i ﾋz少 ﾋz少 i/ }:::i′ .|::::::: ⌒ ⌒ i
)八从 , 厶イi::ﾘ |:::::::: __ __ |
`ﾍ ＿＿, ..ｲ:::::ﾘﾙ' |::::: ﾉ･-ゝ, (･-ゝ
)ト . .ィﾙﾘﾉﾚ | (6 "" )_・_・)(""ヽ
r―――}` ー‐ {i/---- ､ | ,,ｒ''" --｀--､ !
}: : : : : : :＼＿. -: : : : : : : :.＼ ∧ / ', ﾆニﾕ i
__人: : : : : : i i: : : : : : : : : : : --〈_ ／＼＼ ヽノ , ｰ＝'ﾉ
〃 ＼: : : : i i: : : : : : : ／ ｀ . ／ ＼ ／＼ _,,ｨ '"￣ ＼
/:i `介: リ:_:i´i:_:／ /⌒丶 ／ ｀ｰ/ -ー'´ ｀､
,: :.| // // i i| /: : : : : : -'" / ヽ ヽ
i: : :! // // .i i| /: : : : : : :i ノ^ / ヽ ､
レニングラードの支配者 セルゲイ・キーロフ
474 ：
◆J7qCZtZxmc ：2013/01/22(火) 22:22:10 ID:WaaSb7YE0
運河計画の成功はキーロフの名声をさらに高めることとなったが、
この頃には、彼はすでにやる夫から特別の信任を勝ち取ることに成功していた。
. /.:::::;::::イ/＿＿＿_.../....-‐/―‐-..｀.._ ､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾊ＼
/.／r' ／;!.,'::::::::::::::::;ｲ:::::::::;l::::::::::::::::::::::::::｀`:::....、::_::::::::::::::::::::::::',｀`
... 〈/ . ｜l:::::|.;::::::::::::::::/ |＿:/ ';:::::::::::::::::::::::ｌⅣ:::::::::::｀::...､`ｰ:､__:::::::',
｜|::: |;:::::::::::::::;￣l:::/¨¨`;::::::::::::::::::::::l|_∨.:::::::::::::::::::::::...、.｀∨,
|.ﾘ:::ｌ|ｌ::/|:::::::;'.,＞≧ﾐ_ ';::::::Ⅳ:::::::: l|=-';::::::;:::::::::::::::::::::::`ｰ.､.',
.ﾉ' ／ll:;::ﾊ:::::;:ｲ |ハ .＞∨:|!∨:::::::l|_＿';::::|.V::::::::::::::::::::::::::::::',
./／ ｌ|::ｌ|ハ::iハ .|ｌ:::｀´:!. Ⅵ. ∨:::::l|7{. Ⅵヽ';:::::::::::::::::::::::lﾄ ∧
′ ||从 Ⅵ ｀.ゞー'' ` ∨:::l|:::ゝイﾘ./`;:::::::::::::::::::::ｌ| ヽ〉
Ⅵハ .ｌ ／l ＼ト､:ノ ,ｲ::::::::::::::;::::::::|
Ⅵ }::; ヽノ /!.l:::/::::::/∨::::!
从:.､ ､ , / ソ::::/.::;′.∨:{
r―‐-..../､_.V:＼ ￣ .ｲ'::::::／}::/ ヽ〉
';::::::::::::::::::::::::::三≧=-...､ .イ::::;::〃 ,'/
.V::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀＞ｘ-＜::::__／ﾚ'_ 〃
,ｲ`:､:_::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::〃::::::::::::::::::::::::::::::＞,
.＿__く_:::::::::::::｀:ｰ--‐:::::::::::::::::::::::::::::〃::::::::::::::::::::::::::::::::::/
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//////////＞ﾐ､::::｀ｰ::::::::::::::::::〈_::::::::::::::::::::::::::::::く
＜/////////ヽ ＜:::::::::::::::::::::〉::::::::::::::::::::::::::_:::}
＼/////////＼ }} ＞-:/__:::;::r‐≦´￣ .＼
475 ：
◆J7qCZtZxmc ：2013/01/22(火) 22:23:39 ID:WaaSb7YE0
少年のように若々しく、勇敢有能で、裏表のないキーロフは
ナージャを失った傷心のやる夫のかけがえのない同志となっていた。
/./ |:.|:.:.:./:.:/:.∧:.:!:.:.:.:.:.:.ﾊ:.:.: ﾊ::.:.ヽ.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.::.:.ヽ.:..:ヽ、
|:.| |:.|:.:.:|:.,.ィＴｆヽ.:!:.:.:.:.:.:|_｣ ⊥⊥._.:|.:.:.:.:.:ヽ.:.:|:.::.:.:.:Ｎ.:.:.:.＼
ﾚ |ﾊ.:.∧| |,≠ミ|ﾊ,:.:.:.:.:| ヽ:| ヽ.:.`ﾄ､:.:.:.:.:!:.:|.:.:.:.:.:|.:.＼:.:.:.|
. |:.:Ｎ|:.ﾊ.ヽ {::::::ﾄヽ.:.:.:.| ≠テト､|:.ｉ:.:/.:.|:.:|.:.:.:.:.:|.:.:| ＼|
. |/ Ｖ:.| |Ｖｒ| ＼:| ﾄﾊ:::ｒ } 〉Ｖ:.:.:.|_.|:.:.:.:.:.:|.:.:| 同志やる夫。
Ｖ .ゝ‐' ∨こｿ !.:.:.:| ヽ:.:.:.:.:|.:.:|
| ｀｀｀ ’ ' ' '｀ |:.:/ 八:.:.:.:|ヽ| こちらの仕事も一通り終わり
. ', ､._ ＿ |/／.:.:.:/|.:.| もうすぐ休暇中のあなたのところへ
＼ Ｙ } __ //¨.:.:.:.:.:/ Ｖ お邪魔しにいけそうです。
＼ ｰ ', -＜ ´: : : ￣＞くﾘ_
_＞＜´ : : : : : : : : : : : : : : : : ＼
ｒ＜´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼
∨: : : : _,. - ――- ､--: ､: : : : : : : : : : |
＼／―‐ ､ ｀ ＜: :ヽ: : : : __/
／.: : : : : : : : ＼ ￣￣/´
／）
／／／）
／,.=ﾞ''"／
／ i f ,.r='"-‐'つ＿＿＿_ そうかお！
/ / _,.-‐'~／⌒ ⌒＼
／ ,i ,二ﾆ⊃（ ＞）. （＜）＼ キーリチ（キーロフの愛称）が
/ ﾉ ilﾞフ::::::⌒（__人__）⌒::::: ＼ 来るのを心待ちにしてるお！
,ｲ｢ﾄ､ ,!,!| |r┬-| |
/ iﾄヾヽ_/ｨ"＼ `ー'´ ／
ナージャの自殺の直後、やる夫に気軽に近づけるのはキーロフぐらいであったという。
やる夫にとりキーロフは「友人にして愛する弟」だった。
476 ：
◆J7qCZtZxmc ：2013/01/22(火) 22:24:38 ID:WaaSb7YE0
やる夫の親愛ぶりは半端なものではなく、
深夜であってもモスクワからレニングラードのキーロフへ電話をかけるほどであったという。
／￣￣￣＼
／ ⌒ ⌒ ＼
／ （ ⌒） （⌒） ＼
| ::::::⌒（__人__）⌒:::::: | キーリチから返信ｷﾀｺﾚｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ
＼ |r┬-| ／
／ |￣|´ ＼
く ｒｉ＿l ﾋﾟﾛﾘﾛﾘﾝヽ
＼ >!、_彡
＼ /
やる夫がこれほどまでにキーロフを気に入っていたのは、キーロフが筋金入りのボリシェヴィキだったこと以外に、
彼が天真爛漫で爽快明快・・・つまり時々現れる「誰からも好かれる人物」であったことにもよる。
/|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l:.:.:./ ';.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ﾍヽ:.:.:.:ヽ､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
. !:.:.:.l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ll:.:.:!-‐ '､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾍ¨ヽ:.:.:トヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
. ';.:.:.:!:.l:.:.:.:.:.:.:.:.l´';.:! ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾍ ＼! ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
|:.:/!∧:.:.:.:.:.:.:.| ';|.=＝＝ ＼:.ﾄ､:.:.:.:.:.:.:ﾍ―- ヾ､:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.
l:/ ﾊ:.:.';.:.:.:.:.:.:.', {:ｈ::: ﾄ ヾ､`ヽ､:.:.:.:.!三三ミ |:.:.:.:.:/､:.:.:.:.:. （ま、これも
/ ';.:.:ﾄ､:.:.:.:',ﾍ |Ｖ:::ｒ} ＼:.|ﾄﾊ:::ｒ } /:.:.:, '‐､ Y:.:/
. ';:.| ＼:.:',ヾ、 ゝ‐' ′ ヾ∨こｿ /:.:／} /:.:.{ 党員としての仕事のひとつさ。
ﾘ ヽヽﾍ ヽ｀｀｀ 丶 ' ' ' /／ ノ ,ｲ:ハ!
｀| ｀` ´ /ｰ- ':.:/ﾘ やる夫から好意を抱かれるのは
ヽ､ -―‐‐' ／:.:.〃:/
';.:i_丶､ _ ... ∠:.:.:_/i／ 得にはなっても損にはならないからな）
r '' ¨￣ ` ヽ:.:` t- ...__-,, -‐ ¨ ¨ヽ
l `ヽ ヽ-‐ ''て( {
しかし・・・キーロフに特段の好意と期待を寄せる人物は、やる夫だけではなかったのである。
477 ：
◆J7qCZtZxmc ：2013/01/22(火) 22:25:42 ID:WaaSb7YE0
∩＿＿＿∩ 【焦る地方幹部のみなさん】
| ノ＼ ヽ
/ ●゛ ● |
| ∪ ( _●_) ミ モスクワがクマーたちから
彡､ |∪| | 警察権を取り上げる姿勢クマー。
/ ∩ノ ⊃ ヽ 今まで農業集団化に協力してきたのに
( ＼ ／ ＿ノ | | 不要になったら切り捨てるつもりクマ！
.＼ “ ／＿＿| | 自分勝手クマ！
＼ ／＿＿＿ ／
[,,,★,,|,]
まったくだ！ ミﾟДﾟ ミ
もうやる夫の勝手には付き合いきれねえ！ ⊂ ⊂）
使い捨てにされてたまるか、 ﾐ ﾐ.
誰かやる夫を追い落とせねえのかよ！？ Ｕ Ｕ
478 ：
◆J7qCZtZxmc ：2013/01/22(火) 22:27:05 ID:WaaSb7YE0
＿＿
〈〈〈〈 ヽ
∩＿＿＿∩ 〈⊃ }
| ノ ヽ ! i 一人だけ心当たりがあるクマ！
/ ● ● | / 同志キーロフだクマ！
| ( _●_) ミ／
彡､ |∪| ／ 人格者で誰にも人気があるクマ！
/ ＿＿ ヽノ / 党内の人望も厚いから
(＿＿＿） / やる夫の最有力後継者と言われてるクマ！
∩[,,|,,,★,,|,]
ヾミ ﾟДﾟ彡 おお！同志キーロフと言えば
ヾ ⊂ ヾ グルジアの反集団化派に同情的だったと聞いたぞ！
Ｏ-､ ）～ 彼なら俺達の利益を代弁してくれるに違いない！
U
[,,,★,,|,]
そうと決まれば善は急げだ。 ミﾟДﾟ ミ
やる夫に排除される前に、 ⊂ ⊂）
同志キーロフと連絡をとりやる夫への ﾐ ﾐ.
対抗手段を確保するのだ！彼なら我々を助けてくれる！ Ｕ Ｕ
479 ：
◆J7qCZtZxmc ：2013/01/22(火) 22:28:31 ID:WaaSb7YE0
キーロフの預かり知らぬところで、にわかに事態が動きつつあった。
／::::::::::::／::::::::::::::::::::::::,:::::::::::::::/:::::::::::::l::::::､:::::ヽ
／::::::::::::／::::: ...../............／! ::::l::::::::ヽ::::
/: :::::::,／ .....:::::,:::::::::／:::::::::／ ,':::::::,:::::....l :::::ヽ､
':: ..:::l:.:::l:::::::::::::::/:::_,/-/‐‐／､ /::::::::/:::::::/:::l:::... ',
:/::::::::::l:::::l::::::::::::/"´/ /::／ ｀.'::::::::/:::::::/l:::::l:::::::::::
::::::::::::::|::::l::::::::::ｲ:::::/,...l≠ ､｀ヽ /::::::::/;::::::/-l､:::l::::::::::
::::::::::::::l,-',::::::::/!:::/ ',::＼ｲl /::::::／/:／､､ l::::l:::::::/
:::::::::::::/ ',:::::ハ/ ∨-イ! /_,／ ／ l:l, ! /::/!:／
::,.l::::::::{ ',::l `ｰ'" ´ l_/ ﾊ ／
:ハ:::::::::ヽ､ ､! ､ l
l l::::,::::::::::::ヽ-‐､ !
l::ハ:::::::::::::::::::l ､ _ ﾉ
/ l:::::::::::::::l ､! :::... ´ ,.ｲ
_,..l,::: -―'- ､ ::.... ／
-'"´: : : : : : : : : : : ｀'' - ､_ ,- ＿ ／
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :｀丶､
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ｀ヽ､
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :｀ヽ､
: : : : : : : : : : :,.... - ､: : : : : : : : : : : : : : : : :./
_,... - ― '"´ ｀ヽ､: : : : : : : : : : : /
そして、キーロフの運命の歯車が、徐々に狂い始める。
それはやがてソ連全土を巻き込む赤い嵐を引き起こすのだった・・・
【第三十二話 弾圧の緩和、憎しみの始まり 終わり】
第三十三話 我が友人、キーリチの裏切り に続く・・・
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>大量弾圧の緩和はむしろ、今まで無軌道に振る舞われた暴力を中央集権化する試みの第一歩であった。
農民の移動を制限するなんて、まるでボリツェヴィキ自身が嫌っているや中世封建制みたいだな
>>もとよりボリシェヴィキは個人の人格を必要としていない。
大きな栄光のためにはそれに応じた犠牲が必要ということか
かくてナンバー２は排除される、と。
現代中国での農村戸籍と都市戸籍との差別も、起源はここにあるんだよね。
シベリア抑留帰りの近所のじいさんは散々な目に合されてたけど、人種差別なく自国民も含めて「平等に」強制労働に処されてたんだな。閣下の出身地のグルジアが一番酷い目に合されていたという。
多砲戦車ｗ
＞スミルノフに要求されていたのは「配役」どおりに完璧な謝罪儀礼を行い、
スターリンは概念になってしまったのか
>農業集団化と農民に対する仮借ない階級闘争は数百万に達する国内難民を生み、
そういえば、後にやる夫の最大の強敵の一人となる伍長閣下も、党や政府・軍の重鎮に親族を据えるようなことはしてないな。
>>51258
※51259
※ 51214
※51273
俺達の1930年台はまだ始まったばかりだ！
そういえば私生活で禁欲生活といえば、ポルポトも有名だね
＞51243
※51307
※51259
>>51341
※51353
※51353
モロトフとヴぉロシーロフ前回は友人思いのいい奴に見えたけどやっぱりゲスかったわ
ザクセンは周囲をドイツ人の地方に囲まれてるし、独立は無理な気がする。
そう言えば総統閣下も関係のあった女性を数多く自殺(あるいは自殺未遂)に追い込んでるな。
>> 51376
※51430
だからエステルライヒはドイツだって・・・
そもそもプロイセン地域の住民もたいがいポーランドやバルト沿岸住民との混血著しい件
※51468
作中にもあったが、ソ連を風刺する「動物農場」の刊行は1945年8月17日（日本の玉音放送2日後）。
>>51444
※51500
＞大ドイツ主義とか知らないの？ドイツ連邦とかドイツ人の神聖ローマ帝国とか。
神聖ローマ帝国はブランデンブルク辺境伯領やオストライヒ辺境伯領留まりで、東プロイセンなど帝国外のドイツ語圏がかなりある。
ブルーノ・ガンツ氏はスイス人だっけ？
＞51317
※51559
※51214
>> 51540
スターリンはヒトラーに親近感を抱いていたという話を聞いたことがあるが、ふたりの共通点から鑑みるに納得できる。
パーペンといいユンカー長谷が高いから、ヒトラーがちびに見えてしまうのな
>>51827
※52098
もはやボリシェヴィキ党内では、「反対しない人間」は味方ではありませんでした。
極右も極左もやることは一緒ってか
料簡の狭い独善主義のご都合主義者に、右翼も左翼もありません。
こいつら面子の高さがカンストってレベルじゃねえ
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