※注意※

今回は、登場人物に原作とはちがう設定を演じさせております。
あくまでも伝奇作品ということをあらかじめお伝えしておきます。


また、作者は同性愛に対して、特別な偏見や愛情をもっておりません。

あと、作者は普通におっぱいが大好きなノーマルでございまする。







　　　　　　　　　　 _,r'´::::::::::::::::::::::::::｀'､.
　　　　　　　　　　{::::::::rr-‐-‐'^i::::::::::::::i.
　　　　　　　　　 　ﾞl'´ﾞ《　　 __,,,ゝ:::r､:::::l
　　　　　　　　　　　ﾄ=r;､ ﾞ"rｨｧ‐ﾘﾒ　}:::::} 　　　　　　　　　　　　　　　　『コミケは全員が参加者』、イイ男です。
　　　　　　　　　　　ﾞi`"l　　￣　 　 ｿ::::ヽ}ヽへ、
　　　　　　　　　　　 ﾞi. ゝ^ 　 ,　　/ 　､　}　　｀ ＼__ 　　　　　　　　　　このスレは、隆慶一郎『死ぬことと見つけたり』を
　　　　　　　　　 　 　ヽ　ﾞこ´　 /／　 ∨!　　　 ∨＾｝‐-　.._　 　 　 　 テキストに、『葉隠』を読み解いていく
　　　　　　　 　 　 ／/ﾉヽ､　 ／/　 ﾉ/　|　　　　　/　　　　 ＞､ 　　　やる夫スレだと思ってくれ。
　　　　　　 　 　 /　//　　〃{´＼　 /{　　|　　　 ｜}　　　／　　 ＼
.　　　　　　　 　/　/ 　　〃　ト､　∠厶　 }　　　　|/　　 /ハ
.　　　　　 　 　 ｝ /　　　{{ 　 |　`￢/／∨　　　　{　　 /{ 　 } 　　　　　原作リスペクトですすめていくが、内容や解釈が
　　　　　　 　 / /　　　 ハ　 |､{　 〃　 ｛　　　　ﾐ{ ｌ }/{ 　　　　　　　　異なる場合もある。
　　　 　 　 　 { ｛　　{　｛　 ヽ.|ﾊ}_//　／}　　　　　}ｊ ﾊ ヽ
　　　　　　　 ﾉ　〉　ｌ|　 ｊ　　 ｊ| ∨/／　 ｌ　ｌ　　 　 |{｛　　ヽ 　　　　　　作品の投下中は反応できないが、
　　 　 　 　 /ﾍ{ﾍ　l |　 !　　∥ﾊ/ |/´　ｌ　|　 　 　 !＼　　 ＼ 　　　　 突っこみはホイホイ大歓迎だ。
　　　　　　/^ { ヽ　} l 　{　　 l|　ｌ　ｌ{　　ｌ　|　　　　｜　ヽ、＼ ヽ
　 　 　 　 {　 ,ゝ‐ ┴‐ ､ﾍヽ ｊ|ヽ}　ｌ| 　 |　|　　　 　 ｌ＼＼＼ ヽ }
　 　 　 　 ｊア{　 ､＿　　〉}　 l|　{　 V　 l　| 　 i　　　|＿＞ﾐ、ヽﾊ 　　　では、いいかな？
.　　　 　 //,〈　 ､　　　 }Ｊ　 l| ハ　 V〈{__ｊ　　|　_＿｣=＝-￢　} }!
　 　 　 く/ { ｛＿ `￢ ´}ﾍ 　ｌ{ 　 ヽ　 　　ﾞ ￢!￣　　　　 　/　 ,小
　　　　　{　ヽ_ﾞァー-‐ｲ　 }　{{　　　', ヽ　　　 |　　　＿Ｏ／　 / ハ
　　 　 　 ＼　￣¨7T爪 ノ　ﾉﾊ　 　 }　l　　　 | ￣　　　　　／ /　 }









515 ：１[saga]：2009/12/30(水) 20:05:53.03 ID:Es8NLfAo






　　　　　,,　- ―-　、
　　,. '" _,,. -…;　　　ヽ
　 (i'"（(´　 __ 〈　　　　}
　　|__　r=_ﾆﾆ`ヽｆﾊ　　}　　　　　　　　　　衆道
　　ヾ|! 　 ┴'　　 }|ﾄi　 }
　 　 |! ,,_　　　　　 ｛'　 }　　　　　　　　　　この時代のたいていの武将なら嗜んでいたとされている。
　　　「´ｒ__ｧ　　　./　彡ﾊ､
　　　 ヽ　‐'　　／　　　"'ヽ　　　　　　　　いわばホモセックスのことでもあるが、
　　　　 ヽ__,.. ' ／　　　　　ヽ　　　　　　　 単純に性癖のことを言っても
　　　　 ／⌒` ￣ `　　　　ヽ＼_　　　　　　現代に生きる我々には理解が難しいかもしれない。
　　　 /　　　　　　　　　　　i ヽ　＼
　　　,'　　　　　　　 　 　 　 }　 i　　ヽ
　 　 {　　　　　　　　　　 　 ｊ 　 l 　　 }
　　　i　　　ヽ　　　　ｊ　　 ノ　　 | 　 } l
　　　ﾄ､　　　 }　　　/　　/　　　l　　| .|
　　　!　ヽ　　　　　 |　 ノ　　　 j　　'　|







＼＼ ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　r'::::::::::::::::::::;;:;;:;;:ｯ､:::::::::::
＼ レ''''jrTf"　　　　lﾐ::::::::　　　　　　　　葉隠にある逸話を紹介しよう。
　　 |　　　　　　　　〈ﾐ::::::::
＼　|､_　ｬー‐__二ゞ ヾ::、　　　　　　　　これは、鍋島直茂の遺言だけど、衆道の理解にもなるかもしれない。
｀`　ゞ:}　 ￣'互.ヾ　　}:j ん
　　　l/　　 """"´｀　 　 )ﾉ
=-- /　　 　 　 　 　 l　 (ノ
=＝ `弋"__,....._ 　 　 !　 !
　　　　 ﾞ､`ー‐'　　　　 ,'　　　　　　　＼
''"´　　　 ﾞ､￣　 　 ／ ,'　　　　　　　　 ＼
／　　　　 ヽ＿_／::;' ,'　ノ　　　　　　　｀ヽ
　 ／／　　　　　 ヾ_,'∠..,,__
／／　//　　　／´





516 ：１[saga]：2009/12/30(水) 20:07:26.19 ID:Es8NLfAo





∈∋∈∋∈∋∈∋∈∋∈∋∈∋∈∋∈∋∈∋∈∋∈∋∈∋∈∋∈∋∈∋∈∋∈∋∈∋∈∋∈∋∈∋∈∋∈∋






　　　　　　/ ／ ,'　 /.:./　 |　 !',　　',　　　 l　 :|..:.|.:|　 .:ﾄ、＼
　　　　　　∨／|　 :!.:/￣｀ト､:! ',　.:.:',　 , 斗‐┼┼|　 .:|､＼　〉
　　　　　　/＼_｣　.:ｌ:,'　 　 ! .:.|ヽ',　.:.l∨　.:| :l.:|.:.:|.:|　 .:| ＼У
　　　　　 ,'　 / ,| .:.:!{　　　 ヽ:{.　 ヽ、', ＼.:|:ﾉ/／l |　 .:|＿_〉|　　　　　（聞書４の５５）
　　　　　,　 / ,ハ .:.',　_,,.___,,二　 　 ｀｀二,,＿.,,_ノ.:|　 .:|　|､ヾ
　　　　　!: / // ,l＼ヽ ´¨¨´　　 ' 　 　 　 ｀¨¨｀ノ:,' .:.:.,'!　!:＼＼　　　 「国を治めるにはね、良い家来を持つことよ」
　　　　　|:.ｌ　ｌ l { !.:.:.＼、　 　 l二二二'､　　　　 / .:.:./:|　|.:l.:|ｌ　}
　　　　 ｜ﾄ､j｜`!.:.:.:Λ｀　　　',　　 　 /　　　　 ' .:.:./.: |　|.:l.:|| /
　　　　　|:.|　Ｎ.:ｌ:|:.:.:.ｌ:|.:＼　 　 ヽ.__／ 　 　 ,. / .:.:/ .:. レ': l.:|｀
　　　　　',:!　|.:l.:l:|:.:.:.ｌ:|:.:.l:个 ､　　 　 　 ,.ィ'´:/ .:.:/.:.:.: /.:.　j.:|
　　　　　 ヾ　',.',.!:', .:.l:|.:.:{: ｌ／|｀ ー‐ '´　卜/, .:./.:.:.:, '.:.:　/}.:!
　　　　　 　＼ヽヽ.＼:{＞'´ /ﾉ　 　 　 　_／/／.:.／.:.:.　/ 〃
　　　　　, ｰ厂￣´＼｀ヽ.　,' 　 　 　　　__／´/／＼:. ／／

　　　　　　　　　　　【佐賀藩祖　　鍋島直茂】







.　　　 　 　 /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l.:.:.:.:.:| :.;ﾊ.:.:∧ .::.|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼
　　　　 　 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ﾄ､ .:. |.:.l　| ﾘ　V .ﾄ､ .:.:.:.:.:.ﾄ､.:.: l
　　 　 　 ,′.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. V.:.Ⅳ　|/ 　 V.|　＼.:.:.:.|　＼|
.　　　　　l.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: r‐∨─── ' |/ ､__ ﾚﾍ:|
　　　　　从.:.:.:.:.:., ┐:.:.:.:.:.:. ｲ .:.|　 '￣じﾘ㍉　 　/＿｀,ﾊ/
　　 　 　 jｲ.:.:.:.:/ -ﾐ.:.l.:.:.:.:.:.:| .: |　　`ー‐'　　　 j{ じ /.:.|
　　　　　　|.:.:.:〈 　(ﾍ.:ﾄ､ :.:.: ﾄ､.:|　　　　　 　 　 〈￣ ﾚﾍl
　　　　　　∨.:.:.＼ ` ﾘ、', .:.:|　ﾘ 　 　 　 　 　 　 ＼ |
　　 　 　 　 Vﾍ.:.:.:ヽ __ ,ハ :|　　　　　　　　　　　 ノﾉ
　 　 　 　 　 　 Ⅵ.:.:.:. ∧　V　　　　　　　　　　 '´ ｲ　　　　　「では、良い家来がもてるように、神仏に願えばいいのですか？」
　　　　　　　　　ﾘ|.:.:.:.:.川＼　　　　　　/´￣　ｱ /ﾚ
　　　　　　　　 　 Ⅵ.:.:.:,ｲ　 ＼　 　 　 ｀￣二'"/
　　　　　　　　　　 ｲ＾V　 　 　 ｀:... 　 　 　 　 /
.　　　　　　　　 __r┴- .__　　　　 　 　 ‐ｧ-- '′
　　　　　　　／',､|　　　　 ￣ ￢‐- ､　├- ＿
　　 　 　 ／','､,',､＼　　　　　　　 ／L　| 　　

　　　　　　　　　　　　【佐賀藩主　　鍋島勝茂】






517 ：１[saga]：2009/12/30(水) 20:08:42.18 ID:Es8NLfAo






　/／７ヽ　イ : //:_/_.:／　|: :.:|: : ヽ:.:.. : : : : :.. |.　l　　:.:.:＼＜二ﾆ.┬ ´
/ｲ　／イ｀:/: :/:l: :/:./｀ヽ　l: : :ﾄ: : :.:ヽ:.:.:.. : : :.:.l:.:.:|:.:..　　 :.:ヽｰj　ﾉー 二
｀　/´: : : /: : l:. l /l:/　　 ＼ヽ:.| ヽ: : :.ト 、:.:. : :|ヽ_L:.:.:.:.|:...|　ドイ￣:.:|
　 L〉: : : l : : |:. |:| |′　　　 ヽヽ　 ＼:.{　 ＼: :イ´l:|:.:. :.:.|:.:.:!:.:.l:.:.:.:.:.:.:.:.l
　 |: : : : :! : : |:. :l{ 　 z三ミ ､､ ＼　　 ＼　／ヽj　 }l!:.:. :.:l:.:.:l!.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:l　　　　　　「バッカじゃないの！
　 {/: : :.:!: : .ﾊ:. :ﾄ　　´　　｀ヽ　　´　　{ｰ'r_z三ミ、 |:. :.:/:.:.:ﾊ:.:l:.:.:.:.:. :.:|:.:.!　　　　　 そんなんだからアンタはだめなのよ！
　/: /: :.:|: |: :..ヽ:ヽ　　　　　　　　　 i　　 ´　　　 ｀ j: : /: : /: }/ハ:.:.:. :.:!:.:.l
./ /: :.:小 :!: :.:.:.:ヽ:＼　　　／⌒ ｰ--､‐ ､　　　　/:／/:.ｲ:.:.:/:.:.:.:.!:.:.: : ﾄ:.:.l
':/!: ::. :.|:ﾊﾄ: :.:.:.:.:.:ﾄ.ｰ　　/　　 　 　 　 ＼i　　　/ｲ:.:/´:.:|:.:/:.:.:.:.:.:|:.:.: : | l:.:l
/ | : :.:.:.l:.:.:.:ヽ:.:.:.:.:.l:.:＼　{　　　　　　　　 j　　 /:/:./:.:.:.:.l:.:.:.:.:.:.:.:.:l|:.:. : l　!:.!
!　!: : :.:.:|!:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:l´ノ ＼ｰ-　　＿＿_ノ　 .イ:/:./}:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:./|:.:.: :l　j:ﾘ
| ,.ゝ---― ７´: ＼:.ヽ　　 ｀　、 ‐ _ ..　.＜_:.:.:./:/:.j:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:/　!:.:.:/ //
ｲ　 　 　 　 { : : {　 ＼ヽ　　 　 ￣/　ヽ:..:..ヽソ/:.:/:.:./:.:.:.:.:.:.:.:/　 j:.:/ /´
　　　　　　　ヽ: :＼ 　 ｀＼　　 　 {　　 〉:..／´ ｀7:／- :._:.:.／　　/´







　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ,　-―- ､　-― - 、
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／　　,_　-―‐-　_　　＼
　　　　　　　　　　　　　　／　 ,ｨ／_　-――-　_ヽ　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　/　,.-/ /´　/　 　 ＼ ＼｀ﾍ　ヽ. ',
　　　 　 　 　 　 　 　 / rｲ / 〃./::.{:.　 l:.　　ヽ:.ヽ:.ﾊ　fﾍﾊ
　　　　　　　　　　　 /　 〉i,'./:{{:..{:. ﾊ:..:. !:....　 !:ヽ..',::i|　|ヽ>',
　　　 　 　 　 　 　 /　 く/| l.::ij＞k{八::.:{＼:::..};ｨ匕}:ｉ|　|_∧ﾊ　　　　　　いい、人の力でできないことを神頼みするもので、
　　　　 　 　 　 　 ,'　　i:ヽ| l.::|ｨfﾁ必`＼ヽ　くfﾁ必ﾒ'!　L!Ｎハ　　　　　 人材を見ることは、自分の力でできることよ」
　　　　　　　　　　i !　.::ｌ.::{| ヽﾄ, r'_;;ｿ　　　　　r'_;;ｿ　l　|::　l:..i i
　　　　　　　　　　| ! !::::! ::i.:: ﾑ　´　　 ＿' ___　　｀　ﾊ :j::　j:: l |
　　　　　　　　　　| ! !::::!::∧:: {ﾍ　　　{　　　 }　　 ,ｲ,' /::: ,':::::i |
　　　　　　　　　　ヽ!ﾊ::::ヽ:::ヽ:.',::＞,､ ゝ._ _ノ , イ::/ / ::./:i!::::!:l
　　 　 　 　 　 　 　,‐＜ﾞヽ=､{ヾヽ　f,/＞ｰ＜{_1`/ / :::/_ﾉ}::ﾘ/
　　　　　　　　　　/　/⌒ﾝ＜ヽ ＼ ﾄ､_　　　_,, ﾚ／ {::/ }}ヽ〈'
　　 　 　 　 　 　/　/　 /　　| ｀!　　V‐=＝=-V　　　ヽ }} l　ヽ_
　　　　　　　　 〈_　'　　'　　 j　 !　　 V￣￣ V　　　　 / /　}　ﾍ≦＼
　　　　　　　　/　ヽ,､　　　　　/　　　 i!　　　i!　　　　/ /　/　　　 j　 ヽ
　　　　　　r‐ '― /　｀~　 　 ∧　　　　i!　　 i! 　 　 / /　/　　　／　　 }






519 ：１[saga]：2009/12/30(水) 20:10:04.24 ID:Es8NLfAo






　　　　　　 　 　 　 　 　 ／ : : ;＞'"´￣｀＼: :＼: : : : : :＼
　　　　　　　　　　 　 ／ : ,:ｨ ´ .　-―――-ヽ: : ヾﾕx―-､ヽ
　　　　　　　　　　　/ : ／:/／ : : : :＼: ＼ : : : ': : : :'，＼_ﾉ : :'，
.　　　　　 　 　 　 /: :/ : 〃 : : : ＼: : : ＼: ＼: : :ｉ: : : :'.　 〉､: : :!
　　　 　 　 　 　 / : 厂,:'ｆ: : : |:｜: : ＼ : : :／:|＼l: : : : |Ｖ{＼＼|
　　　　　　　　 /:／| /: :|:＿∧:|＼ : : | Ｘ,ｘ≠ミ､|: : : : !ヽiヽ.iヽ:ヽ　　　　　「物事はね、好きなものが集まるものなの。
　　　　　　　　ｆ: :＼|ｆ: : :|: : :|,≧ﾐ､ ＼:! 〃Ｙんｨ}》 : : : ト:||: :||: :ｉ :|
　　　　　　　 ｜: :/: !: : :N|:〃んｨ}　 　 　 弋ぅりj : }: : |j ||: :||: :| :|　　　　　たとえば花が好きだったら、
　　　　　　　　| :/:|:｜:i :|: ヽ!弋:り　 　 　 　 　 /: /: :厶ｲ|: :||: :| :|　　　　　いつの間にか色とりどりの花が集まってきて、
　　　　　　　　|:′|:｜:l :|: : :{　　　′　 _ノ 　 /: / : / : : !|: :ﾘ: :| :|　　　　　中には余にも珍しい花もみかけるの。
　　　　　　　　|l　 |:｜:|N : : |＼　　 ￣_　　 /: / : / : : く/: : : : ! :!
　　　　　　　　||　 !八 | : ＼:!: : ｀ : . .　__　/: / ; ｲ人 : : : : : /| | :|
　　　　　　　　ヾ、　　ヾ : : : ＼: : :i: : :人/ : ／　　　 ＼/: /　!;ﾊ:|　　　　　同じように人を好きになれば、
　　 　 　 　 　 　 ＼　　 ＼{＼:{＼|／／|／,．　´￣￣｀∨　.ﾉ　:i|　　　　　それだけで人物は出てくるものよ。
　　　　　　　　　　　　 　 ,．‐≦二.._/ 　 ／　/ 　 　 　 　 :,　 　 ﾉ
　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　/´￣,＞′ /　／ 　 　 　 　 　 }
　　　 　 　 　 　 　 　 /　 j,＞ ´　 　 /　 {　　　　　 ＼　　 :,
　　　　　 　 　 　 　 /　／　　　　 ／　 ＼　　　　　 　 ｀ ｰ┴ 、
　　 　 　 　 　 　 ／／　 .　-‐　´　　　　　＼　　 　 　 　 ー-､}
　　　　 　 　 　 / /　 ／　　　　　　　 　 {　　　　　　　 　 　 　 ヽ








　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　,　- ─- ､＿
　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　　　　　　　｀丶
　 　 　 　 　 　 　 　 rー‐<::／　ﾝ-―ー- ､ 　 、 ＼
　　　　　　　　　　　｛(こ 〆.:::／　 ＿＿__　＼　ヽ..::::ヽ
　　　　　　　　　　 __/'´/　 〃7了.:.:.:.:.:.:.:.:｀ヽ.j　::ヤ￢寸
　　　　　　　　　／,ｲ>/ .:::/,':::{:::::!:::::::::::::::::ヽ ::|:. ::::Vヽ_,ｲ
　　　　　　　　　ﾚ／,ｲ　::/ :{:ﾊ＼{ ::､::ヽ ::::::}::_|_: :::::l　>::|
　　　　　　　　　 {／::|　:!{.::ｨ'f坏ﾄ＼{ヽ ,>＜ﾑ:!:::::::: Ｋヽ:ﾄ､
　　　　　　　 　 　 |::::ヽ::ｉ:ヽi. r'_;ﾒ　 ヽ´ ｲ圷ﾊ|::::::::::|＼/ヽ>
　　　　　　　 　 　 |i:::::::ﾄl::ﾊ.　　 　 ,　 　 r';ﾝ´j::::::::: l: V
　　　　　　　 　 　 |i::::::::!:::: ﾍ　　{＞ーｧ　　 /:!::::::::/::/　　　　　結論！ただ人を好きになりなさい」
　　　　　　　 　 　 ｌN:ヽ:ヽ::',:::ヽ､ヽ _,ノ 　,.ィ::/::::::/ /
　 　 　 　 　 　 　 ヾ ／}::}八::::ヽ＞.-‐か／7::／∨
　　　　　　　　　　r＜¨ リ＼｀ヽ､＼__ { 　〉/イ l　 )}
　　　　　　　　　　f⌒ ＼ ＼ヽ 　）' ＼ﾆﾆ∧ | |!彡ﾍ
　　　　　　　　　　|　　　 ＼ ヽﾑ 　　　ヽ‐' .| | }ﾍ,__,ｲ
　　　　　　　　　r-ヽ　　　　￣ )＼ 　 　 Vrj／￣ヽ ヽ
　　　　　　　　　|　　＼　　 　 // /)ミ ｰ-∨　 　/￣ ヽ
　　　　　　　　　|　　　(＞―‐'/ /勺ヽ¨ア　 　 /　　　 }
　　　　　　　　　|　　　＼三三‐'ノ　＾ヽ/　　　/-―一 '






そう、直茂公はおっしゃられた。






∈∋∈∋∈∋∈∋∈∋∈∋∈∋∈∋∈∋∈∋∈∋∈∋∈∋∈∋∈∋∈∋∈∋∈∋∈∋∈∋∈∋∈∋∈∋∈∋







521 ：１[saga]：2009/12/30(水) 20:11:33.54 ID:Es8NLfAo







　　　　　　　　 　　, '´ ￣￣ ` ､
　　　　　　　　　　i　r-ｰ-┬-‐､i
　　　　　　　　　　|　|,,＿ 　 ＿,{|　　　　　　,..、　　　　　　ホモセクシャルが忌むべきものとされたのは、
　　　　　　　　　　Ｎ| "ﾟ'`　{"ﾟ｀lﾘi 　　　_,,r,'-ｭヽ　　　　　 明治時代のころからのようだ。
　ビ　リ　　　　　　ﾄ.i 　 ,__''_　 !l　　,イ彡く,-‐' ﾞi,
　 ＿＿,,, :-―, ／i/ l＼ ー .ｲ|､―　´￣｀ゝﾆ'ィ,〉　　　　 では、それ以前に、なぜ男色に嫌悪感がなかったのか、
,:f^三ｦ,ｒ一''^ﾆ´､、_｀ーｧ￣ﾍ＞'"　,,..,,、　 /lﾄｨﾍ　　　　　と考えるのはなかなか難しい。
ﾉ ﾆ､ﾞﾘ　　,..,,　　 ｀`''ヽ,,,　 ''"´　　 ﾞ''ヾﾐ,r/:.l:.:し′
,ｨﾃ'J´,,..::;;ﾞi,　　　　 ,;,, ;;; ,,;;　　　　　　 ,frｱ:.l:.:ヾ
ﾘ:.:.:.{'"　 ,ｨﾄ.　　　　 ';;;;;;;;;;;'　　　　　　,!;V:.:.ﾉ:.:.:.:
:.:l:.:.:.ヾ='":.:.:l　　　 　 ':;;;;;:'　　　 　 ,;;/;;:.:/:ﾉ:.j:.:.:.
:.:l:.ﾐ:.:.∨:.:.:.:ヽ、　　　　人＿＿,,,;;;;;ノ/N/:/:.ｨ:.:.:.
:.:ﾄ:.ﾄﾐ:.:ヽ:.:.:.:.:ト-―ﾃ" ⌒ `ヾj　::;;;;}/:.:.:.:/:/ ヽ:.:
:.:ト､:.:.:.:.:ヽ:.:.:.l　　　'　-:十:‐' ﾞl,　 〃:.:.:/:.リ　 ﾞi:.:
:.:l:.:ヽ:.:.:.:.:ヽ:.:.l　　　ｔ,,__,災＿,ﾉl　 f:.ﾘ:.:./:.j　,ｲ ヾ







　　　　　　　　　　　　　/ ／
''´´´￣￣￣｀　ｰ--、＿　 ￣
;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:.ヾ、
;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:ヾ
;:;;::ヾヽゞζ）ヾﾟ''心,ヾ;:;:、;:,,　'ﾞ
;:;:'　　　　　　　　　ﾊソ　　''!ヾ
;:;:.';　　　　　　　.ノ´）ﾉ　　　!
;;::;:/〃二二ｰｰｰ-t　　 fｰ-,,!
;;:/　　 r=＝f￣　´　　∧＜''　　　　作者が思うに、衆道を現代的な価値観を取り払ってみてみれば、
ﾘ　　　 、迅y. ´　　　K庁 !　　　　　ただ人が人を好きになる、純粋な情だけが見えてくる。
ｲ　　　　　　　　　 　 ヽ｀　!
　　　　　　　　　　　　 ヽ .!　　　　　詳しいことは、本編で星野了哲に語らせようと思う。
　　　　　　　　　　__　ノ　|
　　　　　　　　　　　´　　l
ヽ　　　 　 　 ｰ＝二ｱ　 ｊ　　　　　　それでは今日も……
　｀ 、　　　　　、____, 　 /
　　　　、　　　　　　　 /
　　、　　　、　　　 !　/
.　　'　　　　　｀,,ｰtｰ´
..　　｀.　　　　　　 !






522 ：１[saga]：2009/12/30(水) 20:13:12.67 ID:Es8NLfAo







　　　　　）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｨ─;;;-..-..--､〈
　　　　　）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,,...-=￣￣ ／::::::::::::::〈　　　や
　　あ　 ）　　　　　　　 　　　　　　　　　　／　　　　　　￣ヾ::::::::::/　　　ら
　　あ　（_ヽ:r‐'､　 ＿＿＿　　　　　　　/　　　　　　　　 　|::::::::::,'.　 　　な
　　あ　　/〉‐‐r '´　　　　　 `丶　　　 /　　　　 _　　　　　|::::::::::{.　　　　い
　　 っ　　（:::::::::::ヽ　　　　　　　　 ヽ　|_.. -'_"-'´ 　　 r'⌒ヽ::::::::{　　　　 か
　　 !!　　 )::::::::::::::::::ヽ　　　　　　　 '､　ﾞi`'''Tjフ　　　 }　ﾐトｰ:::::::}
　　　　　（:::::::::::::::::::::/　　’- 'ﾉﾉ 冫=} ,'　,.‐'"　　　　 {　{い) /::::::ﾉ_
Vヽハｊ⌒:::::::::::::::::/〃ｰ_''ニ　,､:: {ﾆ'”,'　　　　　　　　ゞﾞ ｆ ｸｧ ―`‐- 、.._,､-'´
　　　l.:::::::ｆ⌒ヽ::::ｌ ”´-'' "　　　 `､ ',〈.､,..　　　　　　　 ,.‐'´　　　　　　`' 、｀`丶､
　　　 i、::i ⌒>:::!　　　l!　　　ｒ, ﾉ　 l　 )__.. -ｧ　　　／
　　　　ｉ:::::＼（(::::!　　 ｌｊ　　, ‐--.ｨ. !　　 Y´_　 　./　　　＼　　　　＼＼
　　　　 `､:::: こ､:i.　 　 　 {　　　　ｊ. i ｊ　 ﾞiﾞ　　　{　　　　　＼　　　　＼＼
　　　　　 ヽ:::ﾘ　`'.　　　 ｀_'二． ,' /ﾉﾉ　　丶、,､イ　　　　　　 ＼　　　　＼＼
　　　　　　 V　　 　ヽ　　　　　　 /　　　　　　　　 {　　　　　　　　＼　　　　＼＼






523 ：１[saga]：2009/12/30(水) 20:14:06.10 ID:Es8NLfAo







第２３話







松平信綱は大河内久綱の長男として誕生したが、６歳の時に父の弟の松平正綱の養子となった。
信綱は慶長九年（１６０４年）、９歳の時に家光の小姓となっている。






　　　　　　　　　＿＿_
　　　　　 _, イ::::::::::::::::::::｀ヽ
　 　　／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　 l:::::::::::::::/:::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::l
　 l:::::l:::::::{:::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::l
　 l:::::::l::::::l:::::::/:::::::::::/l::::,ｲ:::::::::::::}
　/l::i:::::{::::l ｲ-ﾚ､::::/ //-┤:::::::::/
/　l::ﾊ:::::Vｨ‐tﾒ､V　ノｒｔﾃﾘ:::::::::/
　　ﾘハﾄ､ゝ弋ｿ　　 　ｔ少l::::/ﾘ
　　　　ﾍ:::::ヽ　　-ﾞ-　　,ｲ::/
　　　　　lﾊハ＞ｔ==ｫ＜ ﾙ
　　　　　　, ｲ＾０ﾟ￣ﾟ:.０｀ヽ,
　　　 　／: :ｨ: :li : : : : li l: :l
　　　 /: :／ l: :l| : : : : ll l: ::l
　　　{: : ヽ.　l: :ll : : : : ll :l: ::l
　　　 ',: : :: 〉|: :ll : : : : li :l: : l
　　　　ﾍ: :/)l二{}二二{}ﾆ!:: :l
　　　　　Vｔｲ: :li: : : : : : :└tﾅ

【家光小姓　長四郎（のちの松平信綱）】







525 ：１[saga]：2009/12/30(水) 20:15:49.74 ID:Es8NLfAo





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　　ヽ　　　　i::::|　　　l　　　　　　　|　　　　　　　　　　　v:::
　　　＼　　　ヽ¨´、　　＼_　　 　　|　　　　　　　　　　　:＼:::
　　　　}丶　　　丶　　　　　｀¨ -　_i　　　　　　　　　　　:::　ヽ、
　　　ノ　　　　　　iヽ　　　　　-、_　＼　　　　　　　　　:::　　　｀l
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〈　　　　　×　　　ﾆ=|　　　　　i　　　　　＼　　　　　::::::::　　　i
　＼　　　　　*　　|　|　　　　彡｀---　____　ヽ　　　::::::　　　　/
　　＼　　× 　ﾟへ{ /　　　　　´￣て¨)￣　　} ｘ　:::::　　　　/
　　　l　　　　/｀l　|〈　、　　　　　　　　ﾟ、__ノ　　×　　　　/　*　　　　　　グスッ……グスッ……
　　しイ l´｀v l　|　| l＼　　　　　　　Ｏ　¨¨´|　　::　　　／　 　/
／　　　|ヽ　V　|　トﾍ　ヽ=-　　　　　　　 　ヽ　:::　　　{　　　/
　　 　　|　 ｀l｀´レ　　|　　、　　　　　　　_...　 ＼::　　　Y　/×
　　　 　ト、　へ/ヽ_∠--,　＼_　-－　´＼　_　」　　　　V　　　ﾞ
　　　　r|　ヽ＼ ＼| 丶―i:::::::::::::::::::::::::::::/｀´　　|　／ 彡
　　　　|　| 　v ＼　ヽ　 ＼　,ヘ、_＿-ィ´/　＼／
　　　　|　l　　|/　 ＼　ゝ　｀l　ﾍ/　　/ /　／　　　　　　　　／
　　　〈 |　ヽ　ヽ　　　ヽ　　 |　/　　/　 ／

　　　　　　　【竹千代（後の徳川家光）】








　　　　　　/ｲ .:::/　 　 .::/. .:::/.::;.イ.::://.:ﾊ::::. ::::::!::. :.　::.:　 i
.　 　 　　/　j.:::/　:!　.:::/.:.::::/// /.:://.:/_,｣::::|::.:::|::. ::　:::.:.　|
　 　 　 /'　,:ﾞ:/.　 :l .:::/.::::::///V.::://イ斗-ヽﾄ､:::!: .::.　.:::.!.
　　　　i{　/.:ｲ.:: : .:|:,ｲ{::::::/7ム }:,:ﾞ/ /　 _＿　ヽヾ:.:::.　.::.:|::.|
　　　　 Vィ::::!:::.　::ﾘ/ﾊ::::l_｣｀　 |:i {.　ｰｧ'´二,｀㍉|::.::. .:::::ハ{
　　　 ／　!:,ｲ:::::. :::i/ｧｷ::{ﾆiﾐ、 |:|　　〃んii::::}　 }!::::.::::::/.::::!
　　　　 　 |:! !.:::::ﾄ､{ i{　{r':ii:_}　 ﾘ::::::.　､ﾞ竺タ_,ノｲ.::::::::/.::::::ﾄ､　　　　　「もう泣き止んでよ、困ったなぁ」
　　　　 　 |:! !.:::::|:::ﾍ. ､_ﾞ竺シ′j 　　　 ｀^￣´ 〃: ィ´}::::::::|　ヽ
　　　　　　ｌ{ ﾘ.::::|::::::ﾄ､￣´ 　　 ｀　　　　　　　/／ノ /.:::::i::ﾄﾞ､
　　　　　　　 |.::::|!::::{ヽ＼　　　 ｒｧ=＝ﾍ　　／　 /_ノ|:::ｉ:::|::| 　＼
　　　　　　　ｲ:::/ ﾄ､:ヽ,_、　　　 }L..　-‐′　　／i::::::::|:::|::Ⅳ
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526 ：１[saga]：2009/12/30(水) 20:16:58.30 ID:Es8NLfAo






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　 　 　 　 　 　 |:　　l　 　/　　 　　 ハ　　l　　l
　 　 　 　 　 　 |: 　 l 　 ﾑ　　lｒ　 ./|　l　　l　 │　　　　　「また、お江の方に声をかけてもらえなかったのかい？
　 　 　 　 　 　 |:　　!ハl　l　/|　　ﾚi　 l 　.l　　|
　 　 　 　 　 　 ,ly　.|孑―∨ ヽノ孑ニ|i　 |│ l　　　　　 ちっくしょう、実の母親なのにひどいなぁ」
　 　 　 　 　 　 ﾘ! 刈弋ｳゞk 　　ｲ弋ノｱハ/ :/
　　　　　 　　 　 ﾘハ|　ゝ‐'' 、 　 ｀ー''l|∧.∧|
　　　　 　 　 　 　 ﾞﾚ'ヽ、　　、ーｧ　 　il::/＼:!!
　　　　　　　　 　_,《《《_　｀≧ｔ==ｫ＜ ﾙ





527 ：１[saga]：2009/12/30(水) 20:18:35.23 ID:Es8NLfAo







　　　 　 ＼　　　 ｨ' /　 　,　-─- ､}／　　　 　｀ヽ|　　　　丶　　　　　　 ＼　　　ヽ.
　　　 　 ／｀７¨´ |/　 　 ,レ'⌒^｀｀′　　　 　 ＿_j　　、　　　＼ 　 　 　 　 ヽ　　　}
　　　 , '　 ／ ,　 /　　　 ｌ{　　　　　　　,　'"´￣　　}i　　＼　　 　 丶、 　 　 　 ',　 /
.　　 /　 /　 /　 ′/　　:|′ ＿_　　　　　　　 ＿_/ﾑ　　ヽ丶 　 　 　ヽ　　　　 }　{
　　 { 　 { ／ ／　 ′ 　 ﾚ'´　 　｀　 　 　 　 '} 　 { |　＼　 }　　　　　　 ', 　 　 /　‘ー 、
　　 ,ゝ,　　 /　　 {　　　 {　　.　--､　　　　　 　 _,ﾑL..__ ｀V　 }　　　　　 }　 ／ 丶.　 　}
　　{／　　 {　　{　.　 　　 ､　{　　　｀　　　　 　 ' yキ＝‐ｧ′/ 　 　 /　/　/　、　 ｀い/
　 /　　　　 . 　 、 ､　　 　 ｀ヽ 　　　 　 　 　 　 　　_／ｲ〃　　 ／　/　 {｛　}i　　ノ)′
.　{　　　　　丶　ヽ 丶　、　 }　}ｙ__.=≠´　 　 　 　 ｀７ /／/　　 / 、　}　 ,ハVﾑ∠_,
　 ぃ.　　 　 　 >─＼_）'}　/ ,ハ　　　　　{　 　　　　{,〃／　/　{　 } ,小V/⌒ﾞｰ=ﾆ´
　　ヽ丶　　／　　　 / /／∨ ,ハ　 　 　　　　 　　l｛/　{　{　ハ ﾉ厶ｊﾑ(
　　　}　}　/ 　 　 ／　'´ 　 { /　 ヽ .._　 　ヽつ,､ 丶ゝﾝ､ﾑハAノ'´　　　｀丶　　　　「お願い、お母様のことは悪くいわないで」
　　　 ノ　{　　　/{　 {｛ 　 　 ＞─-、　,二}／　丶.｀く>'´｀V /　　　　 　 　 ',
.　　/ 　 八　　 い　 ぃハ／　　　　｀ﾏ　 {/^ｰ‐-　丶} ｀V /　　　　_　　　　}
　　{　　｛ ハ　/乂 _ノ'　/　　 　 　 　 }　〈r─一　 　 |　//　 　,　'´ 　　　　|
　　丶__彡'^ヽ{　　´ 　 ,' 　 　 　 　 ∨　/} >､　　　　 V ハ/／　　　 　 　 ∧
　　 　 　 　 　 　 　 　 {　 　 　 　| 　|　 {‘ー}　 　 　 / {　/′　　 　 　 　 　 '、
　　　　　　　　　　 　 /| 　 ヘ、　{丶{　ハ　个　　 ／　 V　　　　　　　　　　　}








　　　　　　　　　　 /.::.::.::.:/.:::.::.::.::.:./.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::l.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:.|
　　　　　　　　　　/ｲ:.,.::./.::.::.::.::.::./.::.::.::.:／.:,:.:.::,:..::.::.l.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::l.::.::.::|
　　　　　　　　　,/.:,/./.:l.::.::.::.::.::.:/.::.::.::./.::.:./.:.ｲ.::.::.:/.::.∧.::.::.::.::.:､.::.::.::|.::.::.::|､
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　　　　 　 /　/　　 l.::.::.:l.::l.::lﾘl.::.≠//､__ i:i　/.:/ _/:/__,,,,-弋ヽ.::.:l.::.::.:ﾘ.:::.::.:lヾ　 ﾍ
　　　　 ／　　　　　ﾘ.:i.::l.:l.:::.l.:|:./了_,)ヽﾐ/''/.:/　// _,ｨ-',::ヽ､ﾊ,.::.l.::.::/i.::.::ﾄ:ヽ ヽ　ﾍ
　　　／　　　　　 ,/ l.::.::.i:l.::.::l.:l.ヽ弋:::::ﾉ' 〉／　/'　ｲ弋"-'::ﾉ 〉/.::.::./lﾉ.::.::| ヽヽ　　ﾍ　　　　「……竹千代、僕に任せてくれ」
　　/　　　　　　 /　｀-:.､:ﾊ.::.::.:ﾄ　｀ｰ--"/´　 , 　　　ヽｰ＝''"/ｲ.:/ﾘ.::.::.､::l　 ｀ヽ　　ﾍ
.　/　　　　　　　　　　　 ｀､ヽ.::.:lヾ､　　　　　　i　　　　　　　／ﾘ:/:./.::.::.:ﾄ.:l　　　　　　ﾍ
. /　　　　　　　　　　　　　 ヽヽ､ ゞ､　　　　　_＿　　　　　　 イ/ ,' ￣｀´　｀　　　　　　ﾍ
　￣￣￣ﾞﾞ-- 、　　　　　　　　　 l. .ヽ 　 　 'ｰ--`　　　　ｲ /. l　　　　　　　　　　　　／
　　　　　　　　 ｀-､　　　　　　　　ｌ: : :.ﾄ ＞　 ｀´　　, ＜, l. : : :l　　　　　　　　　 　 ／
　　　　　　　 ﾘ　　 ｀-､　　　　　　l: : :.l ､ヽ　｀--' "　 ／l: : : :l　　　　　　　　　 ／　l






528 ：１[saga]：2009/12/30(水) 20:20:00.88 ID:Es8NLfAo






　　 　 　 　 　 , -─{　＼　ヽ　　　 ヽ　 ￣ ｰ-､　 yrｧzx-＿
　　　 　 　 ／　　＼|　{ﾆヽ　|　 ＼ヽ　　　　　　≧　　　　　 /　 ／ .／ >'¨￣ヽ{　　　＼＼　　　Zﾆykｱ￣‐‐､　　 ヽ
　　　　　,'　:/　 /　/ 　 　 　 ',　　　　ヽ ＼　r=tfﾀ=､¨ヽ､　 ヽ　 〈
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　 　　　ヽ ヽ.　∨|　　 ,'　｀　　ヽ　}　　',　　V　/:!　 　 　 .| |　| 　 　 |
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　　　　　　 ）__. ノ　　 ＾￣¨ヽ　　 }ﾉ　 ﾉ　 ノ-<´| 　 　 　 | .//　　|　|
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　　　　ヽ. ＼ ∧ ｀ 　　　　{　{　　　Y （"',／／.' ﾚ' ／,　/　 　 　 :|　!
　　 　 　 ＼ ＼ﾍ　　　　__ ヽ.ヽ　　 {ヽ{rf／∠ノ／／　｛ 　 　 　 ﾉノ
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　　　　ヽ::::::::lﾘkじ/ l/ ' }じｿ l:::/.:/::ﾄ､|
　　　　　 ＼ﾊ｀¨´　、　　　　|/.::/::::|　　　　　「僕が必ず、君が安心して暮らせる世界を創ってみせる……」
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529 ：１[saga]：2009/12/30(水) 20:21:02.67 ID:Es8NLfAo






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　　　　　　　　　　　　|: : : :|',　ヽ--´ 　 　／ l:／／　 |γ::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.: : : : : :
　　　　　　　　　　　　|: : : :|ヽミ≡彡　／　／／　|!　 |: : /::.::.:.::.::.::.: : : : : : : : : : :
　　　　　　　　＿r─┘ ＿|∧　　　／　／／ヽ‐ノ 　 |: :/: :／::.: : : : : : : : : /: :
　　　　　　　　|: : : : : : : : : ||∧　∠__／／　ノi ¨　／{ /:／:::.: : : : : : : : : : /: :
　　　　　　　　|: : _______／ || ∧　ヽ__／‐‐´／ ／: : :|／ : : : : : : : : : : : : /: : : :
　　　　　 r─┘: : : : : : : : ||　∧＼｀ー‐‐´　／: : : :: | : : : : : : : : : : : : ／: : : : |
　　　　　/: : : : : : : : : : : : :||　ヽ　／｝ ＿_／:: : : : : : | : : : : : : : : : : ／: : : : : : |

　　　　　　　　　　　　　　【老中　　松平伊豆守信綱】






530 ：１[saga]：2009/12/30(水) 20:22:01.10 ID:Es8NLfAo






　　 　 　 　 　 　 ／　　　..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼:::::＼_＿
　　　　　　　　／ 　 　 ..:.:.:.:.::.::r､.:.:.:.:.:.:.:.::ヽ::::ヽ:::::ヽ
.　　　　　 　 / 　　.::/.:.:.::/.:.:.:/　 Y.:.::ヽ.:.:.::|:::::::l:::::::|
　　　 　 　 / .:. .:.:::/.:.:.:.:,′.:,′　 ! ﾊ.:.:l.:.| |::::,ｲ:::::::|
　 　 　 　 ,' / .:.:/ |.:.:.:./|.:.:.├‐‐/ム|.:/.:/.:ﾚ ::ﾘ:::::::|
.　　 　 　 | ,!.:.:.::|.:.:! ∠ .ゝ.:.ﾄ､　んぅﾐ ｲ.:.:.::ﾄ:::::|:::::::|
.　　 　 　 | i!.:.:.::|.::ｲ たぅ　｀ヽ　弋戎　|.:.::::| }:::|:::::::|
.　　 　 　 | i!.:.:.::|.:.:.:代歹　　　　　　　 |.:.:.:.|′:|:::::::|　　　　　　「あ、起こしてしまいましたか」
.　 　 　 　Ⅵヽ.:.|　小､_　　、　　　　　ｲ.:.:.:.|::::::|:::::::|
.　 　 　 　 　 　＼ヽ≦⌒ 　 r_.，　　/ !.:.:.:.|::::::|:::::::|
　 　 　 　 　 　 　 ｀ ||　|＞ . ｰ　 .イ　 |.:.:.:.|::::::|:::::::|
　　　　　　　　 　 　 || .:|.::::::::::T ´ 　 _┤.:.:.|::::::|:::::::|
　　　　　　 　 　 　　||.:.:!.:::;'￣|二二--|.:.:.:.ﾄ､:::!:::::::|
　　　　　　　　 　 　 |ヽ V　!.ノ 　 　 / |.:.:.::|　 ヽ＿|
　　　　　　　　 　 　 |_..ィ　 !‐､ 　 'ﾌ　 |.:.:.｜　//　　￣　ヽ
　　　　　　 　 ／￣　 /　　| 　 ／／ヽ|.:.:.::|　//　　 　　　 ﾊ
　　　　　 　 / 　　　 / ／ヽ!／／　 　.!.:.:.:.| //　 /　　　　　|
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.　　　　 　 ﾄ､　 　 //　 　 |　|　　　 /.:.:./ /〈 　,'　　　 　 　 |
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　　　　　　　　　　　　　/.::/.:::::::.::::::::/. .:::!:::::::::::. : :. :::.:::::ﾍ
　　　　　　 　 　 　 　 i′:′.: .:.::::::/.::::.:::l、:､:::::::.　::. l::::::::ﾊ
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　　　　　　 　 　 　 　 |:::::l: :. ::::l:/|::!::/}:/ ,rｧ≠fﾄ､::::::|/.::::ﾄ|
　　　　　　 　 　 　 　 |:::::|::::::::::|ｋl::|:{ /　 ｨ代fiﾂ:::::::::{::::::::ﾄ|　　　　　「いや、ついウトウトとしてしまったようだ。
　　　　　　 　 　 　 　 l:i{::ﾄ､::ゝ㌘f沁′ 　　￣ |:::/:/ l::::i:|
　　　　　　 　 　 　 　 爪:l::::ヽ::::＼¨´ } 　 　 　 |/l/　 }:::ﾄ!　　　　　　ありがとう」
　　　　　　　　 　 　 ノ　ヘ.::.::ﾄxヘ、　｀ t一ｧ　 /　 .ｲ|从
　　　　　　　　　　　　　　　 メ、 ─‐`┐. _ 　／,r',仆､l、 ﾞー‐-　　 .._
　　　　　　　　　 　 　 　 ／　 　 　 ｀二丁{､｢￣ヽﾞﾏヽ ｆ 　 　 　 　 　 ＞‐‐､
　　　 　 　 　 　 　 　 ／　　　 　 .ｲ｣ /} }／〉､　　ヽﾏk｣`　　　　　 ／ 　　　i
　　　　　　　　　　 ｒ'´ 　　　　∠　 -‐〈/　 {/iﾊ　　 ﾒ}　 　 i 　 　 .′　 　 　l
　　　　　　　　　　 {　　　`rｲ　　　 　 　 　 　 } }　　| |　　　i　　 /　 　 　 　 l
　　　　　　　　　　 l＿_,／,小、　　　　　　　　| |　　| |　　　',　 /　 /　 　 　 |
　　　　　　　　　／{ ／／ ｜ ヽ　　　　　　　 | |　　{ ＞ニニＶ　 /　　　　/ j
　　　　　　　　/__／／　　 ｊ 　 　　　ｒ‐─ 二ソ　 　 　 　 ｢」 }　.′　 　 / /{
　　　　　　　　{-- ´　　 　 ﾄ､　　　　{ ｢｣´　　　　　　　　　　| |/ 　 　 ／ /　}
　　　　　 　 　 ',　　　　　　|} 丶、 　 ﾄ､ヽ　 　 　 　 　 　 ＼|/　　 ／　 　 .ｲ







532 ：１[saga]：2009/12/30(水) 20:23:30.09 ID:Es8NLfAo







　　　　　　　　 ／:/: : : : :.／: /: : :/:/　　　|: :| : : : ヽ: :',: : : : ﾉ:{:
　 　 　 　 　　/: :/: : : : :/: : : {: : :/:/　　　 j: ハ: : : : }: :.j: :／:ﾉﾊ
　 　 　 　 　 /: :/: : : : :/ : ／|: :/:/´￣￣./７ ‐!: : :/: : :|:': ／/:/
　　　　　　　j: : j: : : : : |:∠-ﾍ!: {:.|　　　z'.ニミ､l:／: : :.:.j: ':／:/: :
　　　　　　　|: : | : : : : ｲ　, -.ﾐヽN　　　 んｯ:: } 〉|: : : : :.| ': : ｲ: : :
　　　　　　　|: : |: : : : :小〈 ん::} 　　　　弋z ノ　 j: : : ::.:.|-く: :!: : :
　　　　　　　|: : |､: : : : :lﾊ 弋り ,　　　　 　 　 　 |: : : :.:.:| 5 }:.!: : :
　　　　　　　|: : | ヽ: : : ヽ!　　 〈 　 　 　 　 　 　 |: : : :.:.:|　/: |: : :　　　　　「だいぶお疲れのようだけど、大丈夫なの？」
　　　　　　　ヽ: l　　＼: : :＼ 　 　＿_.　　 　 　　|: : : :.:.:|イ: :.|: : :
　　　　　　　　ヽ　　　 丁¨＼　　 ﾏ＿) 　 　 　　!: : : : :.| i: : :|: : :
　　　　　　　　　　　　　|: : : : ＼　　ｰ　　　　 .. イ: : :.:.:.:| i: : :|: : :
　　　　　　　　　　　　　|: : : : : ::.:ヽ、_ ..　 ＜　　j: : : : :/ｫ!: : l: : :
　　　　　　　　　　　　　| : : : : : : : : : : ヽ　　　　 |: : : :/ 　ﾏヽ: : :
　　　　　　　　　　　　　|: : : : : : : : : : :.rj　　　／l : : /　 ／　 ＼:
　　　　　　　　　　　　　|: : : : : : : : :., ｲ ゝ＜. 　/: :/ .／ 　 　　/〉
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　　　　　　　　　 l/|: : :l./十r､l/　!: :/:// 　,. -‐弋Tl/: :}: :.l:.|: :|
　　　　　　　　　/ .}:.i: {: :ナトｧミ ト/l/　ィ'´_,ィrァ=ト从:|: :/ }:l:.!
　　　　　　　　　　 |:.{: lV{ヽ弋_ツl/　　　　 ‐弋'ンノ　〉: /｝//!l
　　　　　　　　　　 l∧:!: :､......... 　 　 　　　　　　........./:.∧.ｲ∧|
　 　 　 　 　 　 　 　 l/l: :ﾊ..........　　 }　　　　　　....../,ｲ: ∧l　　　　　「ああ、今日はかたずけて休むことにするよ」
　　 　 　 　 　 　 　 　 |/　|＼....　 ､_`＿____ノ　.....///|/
　　　　　　 　 　 　 　 　 　|:./l＼ 　 `‐--‐´　 　 ｲ//ﾘ＿
　　　　　　 　 　 　 　 　 　|/_l/´:lヽ、　ｰ 　 ／　 |＿_: : : ｀ヽ
　　　　　　　　　　／￣￣: : : :.／!　 ｀ ｰ　　　 　 ト-､｀ヽ: : : :l＼
　　　　　　　　 ／: : : : : : : :.／ 　'.　　　　　 　 　 | 　 }　|: : : :| : :ヽ
　　　　　　　 ｛{: : : : : : : : :./　 　 ﾑ　　　　　　　　｀ y'　 !: : : l :: : : ＼
　　　　　　　　}｝: : : : : : ／ イ　/　}　　　　　　　　 /　ﾍ ト､:./: : : : : : ヽ






533 ：１[saga]：2009/12/30(水) 20:24:42.87 ID:Es8NLfAo






松平信綱と鍋島家の関係は、葉隠でもなかなか興味深いものが記されてある。







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　　 |　　　　　 ｊ /　l　∧ l　　 　 ｉ　　　　｀}ﾄヽＶｊ　 /　 '/　 '　　　　　　　　,' :./ ,'/ .:.:./.:.:.| .l:.:.:./l //ノ¨|ﾌ:}／//.:./:.:.:.:./:./〉//:.:!.:.:
　　 |　　　　　 i,'　 ‘､{　Ⅵ　　　 |　　　 ヽｿ　/ｌハ/　ノ'　　　　　　　　　　 |:,'　/ l :.:./_＿,|:.l／,イ/´　 ／´　//:./:.:.:.:./:./_ イ:.:./.:.:.
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　　　　　 l∧＿　 斗…‐‐　､　　 　 　 ‘¨¨ﾝ　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 /　　　く￣￣￣／￣))_.. イ　　　　　　　　　 |ヽ|
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　　　Lイ 　 　　 〈 　 　 　 　　＼　 !ー-廴_　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　　　 ／　　　　　l : : : | |,-､ 〈〉 ,- ､: : : : : :
　　／　!　　 　 　 ＼ 　 　 ､　　　　「｀丶￢ `l　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　 _ ' ´　　　　　　　|: : : :| |⌒)）||（(⌒: : : : : : :
　 ｆ　　　､　　　　　　ヽ　 　 ｀　　　 |　　l　 l　ト､　　　 　 　 　 　 　 　 　 |　　　　 |￣　　　＿＿＿＿／|: : : | |: : :》||《: : : -─＝￣

　　　　　　　【佐賀藩主　　鍋島勝茂】







元々勝茂の息子である直澄と信綱の娘の間には、婚姻の約束があった。
ところが、嫡男である忠直が亡くなると、その縁談も取りやめとなってしまった。






534 ：１[saga]：2009/12/30(水) 20:25:42.32 ID:Es8NLfAo






勝茂が忠直の正室を直澄に嫁がせたからだった。






　　　　　　, ､　　　 ,.、　 　　　 ,. ‐,　,､‐､
　 　 　 　 l　｀ ￣ ´ .j　　　／｀´ ´｀´　ヽﾊ
　　　　　/,　　 　　　|　　 / l　| l^^l　l. |　}=!　　　 ,y
　　　　, ' | 　 　 　　 |　　 'l | λl_ ,ﾘL斗.ﾉｲ|　　 ,y
　 　 , ' 　 !.　　　　　 〉　　 ｀ﾞﾊ‐-　-rjl´ﾚ　|　 ,y　
.n　/　　　ヽ､＿＿ ノ　　　　 |ゝ-♀‐ｲ ,ﾊ　| ,y　
(´.,' , -‐ |　　　 ,　l　　　　　　l　l| l　,/ ,ﾊ ', l '
.ヽl 　　　',　 | ,ｲ　l　　　　　　 ｀r'| }zl‐'/z|ﾍ ',
　 ゝ､,　 〈',　|く|__,'　　　　　　　J,'=ｹ='< ヾ_ﾍヽ、
　　　 ￣´ ｀´　　　　　　　　　　 ｀ｰ'ｰ‐' ｀´　￣
　【松平忠秋の娘】







　　　　　　　　　　　　／.:.:.:. :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
　　　 　 　 　 　　　 /: .:.:.:./ ..:.:.:.:.:./:.:.:.:.: .i:. :.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　　　　　　　　':.: .:.:./　.:./.:.:/:.:.: .:.l .:.l:.: .:',:.:.:.:.:.:.:.l
　　　　　　　　　 　,'.:.| :.:.l. :.:.//:/:.:.,':.: .:|:.:.:!:.:. .|:..:.:.:.:.:.:|
　 　 　　　　　 　 /:.: l:.:.:.|:.:.//:/:.:./.:.:. //∧'.:. !:.:.:.:.:.|:.l
　　　　　　　　　/ｲ.: .|:.:.:.l://l//:./.:.:.:.///　_ヽ:l:.:.|:.:.:|'.!　　　　　おのれ、信濃守（勝茂）め。
　　　 　 　　　 / /:.:.:.r':.:.|ド㍉､'/}.:.:.///_,∠zﾐ.|:.:l.:.!:{ ヽ
　　　　　　　　　/´|:.,:.ヽﾊゞｆｪ'ｲﾄ.|:.//廾ゝｭ'ｲﾌ:./ }:.lヽ､　　　　　老中の縁談を反故にしやがって。
　　　　　　　　　　 |:.{ヽヽ:ヽ ￣i!´ﾘ　,' 　　￣ //ｲ:.l'.!
　　　　　　　　　　 ヽ! ヽ:.l:ヽ.　　　　i!　　　　/':.:.ﾊ:.| ヽ
　 　 　 　 　 　　　　　　l:.|:.:.＼　　!ニニ!　／l:.:.|　',{
　　　　　　　　　　　　　 ﾘ.ｿ}Fr＞､｀＝´イ／ｦ.:.{　 ｀
　　　　　　　　　　　　　　　ﾉl｀＝r ≧≦ｦ／ｆ |｀ヽ　　　 　　　　　_　-‐　'￣}
　　　　　　　　　　　　　　 ／ 艸 | |: : : : | | 圸｀ｰ---‐´￣￣￣: : : : : : : /: :￣¨}＿＿＿＿＿
　　　　　　　　_　-‐ー‐ ´: : : 丱 | |: : : : | |: :卉: : : : -─＝ : : : : : : : : : /: :/／: : : : : : : : : : : :
　　r──'￣: : : : : : ＼: : : : : : : } }: : : : { { : : ／: : : : : : : : : : : : : : : : :/: : /´: : : : : : : : : : : : : :
　　',: : ヽ: : : : : : : : : : : ｀ｰ- : : | |: : : : : :.| |: : : : : : : : : : : : : : : : : : :／: ／ : : : : : : ／: : : : : : :
　　 ∨: :', : : : : : : : : : : : : : : : : | | : : : : : | |: : : : : : : : : : : : : : : : ／: ／: : : : : : : ／: : : : : : : : :
　　　∨ : ヽ : : : : : : : : : : : : : __| | : : : : : |└──二二才: : : : :/／: : : : : : : _／＿--───
　　　 ∨: : ', : : : : : r───´＿_l : : : : : ￣￣￣__ : : | | : : : : /: : : : : : : : イ
　　　　∨: : ヽ: : : : | |￣￣￣: : : : : : : : : : : : : : （　）: :| |: : : : : : : : _ -‐´
　　　　 | : : : : : l: : :| | ｛　）: : : : : : : : : : : : : : : : : / : : | |: : : /: :／







この一方的なとりやめで、信綱との間に溝ができてしまった、とあるから（聞書４の４８）
この二人の対決は宿命的なものすら感じる。






535 ：１[saga]：2009/12/30(水) 20:26:45.22 ID:Es8NLfAo






信綱が嫡子である鍋島光茂に近づいたのも、本心では鍋島家の内情を探るためであった。
光茂の好きな和歌で関心をえて、悩み事の相談相手などの話し相手となった。






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　　　　　　　　　　　　　　　 ＿＿ __　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i──────┐　ヽ
　　　　　　　　　　　　　,　':.:.:..:.:.:.:.:.:.:.｀¨:.':.‐　- ､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | ⌒ヽ　⌒ヽ＼　|　　 |
　　　　　　　　　　　.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀:.、　　　　　　　　　　なーるほど！　　　　　　　　　　|　 ＞|・　　 |─-|＿ /
　　　　　　　　　 ／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ . :. .ヽ　　　　　　　　　　さーすが、伊豆守だね。 　 　 j ーｃ　─　′　　　 ヽ
　　　　　　　　 ./ :.: .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.!:..:. :. }:.:.',ヽ.:.',　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ⊂＿＿＿_ ／!　　 _ﾉ
　　　　　　　　/. : 　.:.!:.:.:.:.:.:.i:.:.:/:././ :./,':..:.: .,'|:.|:.ヽヽヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿(＼　＼ ＼ ＿＿／　／
　　　　　　　　l:. :!:.: .:.|:.:.: :.:.:.|:./:/./ :.///:.:. /:.|:.lヽ.:ヽヽヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 （─　　 ヽ､　` ─_──イ- ､
　　　　　　　　',:.:.|:.:.:.:.| :. .:.: .l/./:/ :.///7:.:/:./|/__l:.',:.|l|:.{　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ二＿ノ　＼／|/＼ ／　　 ＼
　　　　　　　　 }.:.l:.:.:.:.l:　.: .:.:.l/:.//∠__//./:./ｬﾃﾐ.:.:l.:.|||｀､__　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　 l.:.|:.:.:.l｀l:.l:.: .|:.|/７=ｒｚｪﾐ/:／/k斗ｨ:.{|:.l |
　　　　　　　　 |l:.ﾊ.:.ヽヽ',:.:.ヽヽﾋｴ才‐ヽ　　',　　l:.:.||.|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【勝茂の嫡孫　　鍋島光茂】
　　　　　　　　 |l:{ }:.:.|.ヽ_:.ﾄ.:.ヽヽ　　　　　　. >　ﾉ.:.l l|　
　　　　　　　　/ |l ヽ.||:ヽ:.|ヽ:.:.ヽ＼　　､ ..-‐'／ヽ:.|　｀　　申しておきますが、このことは
　　　　　　　　　 ヽ　}|:.:.:.',ヽ｀ヽ:.', ､　　　'¨, 'ヽ.{　ヽ　　　　ご家中には秘密ですぞ。
　　　　　　　　　　　´ l:.|:ﾉヾ､___.ヽ　 ＞‐-':.|　 ヽ
　　　　　　　　　　　 /|:lﾘ〈〉‐‐‐|.ﾆニﾆ彳ヽ{
　　　　　　　　　　　　 ﾘ,＾}{,-､: :| |: : : :||}　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ヽ　＿＿
　　　　　　　　　　　／ 《〈〉{{＾: :| |: : : :||｀‐ ､　　　　　　　　　　　　　　　､＝＝'＝＝＝＝｀＝
　　　　　　　　　／　((_）Ｙr'´: : | |: : : :|| j乢 ｀r ^ ‐‐- ､_　　　　　　　　　ヽ　　　　　　　　　/
　　　　_　, -‐ ´ : : : : : （ﾉ｀=´: :} }--‐‐} } 丱: : : : : : : : : ￣l¨}　　　　　　　',　　　　　　　　,'ﾍ
　_ - ': : : : : : : : : : : : : : : : : : : | |: : : : : | |: : : : : : : : : : : : : |: :l　　　　　　 　ヽ､＿＿＿_ノ　〈
r' : ヽ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :| | : : : : : | |: : : : : : : : : : : : ,': /　　　　　　　　ヽ｀ヽ── '´イ
|: : : : ヽ : : : : : : : : : : : : : : : : : | |: : : : : : | |: : : : : : : : : : : :l: :|　　　　　　　　rF＼（　￣¨ ／
',: : : : : ヽ : : : : : : : : : ._ , ----' 」 : : : : : ヽﾆﾆニニニｦ: : :|:/　　　　　　　 /＼＼＼_　イ､
.∨ : : : : ヽ: : : : : : : F-‐_'￣￣￣: : : : : : : : : : : : (_) | |: : .l: .＼ 　　　　　/: : : :＼＼￣￣/







このおだてに弱く、ものを深く考えない若者は、信綱の口車にホイホイと乗ってしまい、知らずに家の秘密を暴露していた。






536 ：１[saga]：2009/12/30(水) 20:27:36.56 ID:Es8NLfAo






＜江戸　　鍋島上屋敷＞








￣ﾞ''ー-､..＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿,,-―'"￣
　　　　　　　||￣ﾞ''ー-､＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿,,-―'"￣
二.二二二二i＝＝＝||＿＿＿＿____,| |　 　 　 　 　 　 　 | |
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　 　 ||　　　　||;;　|　 | |　　　|　 |: 　　| |￣￣￣￣￣￣￣| | 　|　 ＼
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勝茂は参勤交代によって佐賀へ帰っていた。
今この屋敷の主は、光茂である。






537 ：１[saga]：2009/12/30(水) 20:28:48.12 ID:Es8NLfAo






この日、光茂は、あらたに将軍家剣術指南役となった柳生宗冬の来客をうけていた。







　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿ _ ､　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,. -─'"｀ー-::,ヽ,}l　_,.-
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,ィ´":.,:.-:.─:.:.:-:.:.:.:.:!:.:｀⌒≦､
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｲ:./:.‐---':.:./:./:./:./:.:.:/ !:.lノ:!ヽ:::ヽ:＼:.ヽア
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾌ:{:.:/ﾉ:.フ:.7:./:.:/:.{:.:.:./!:.lノノ::l:ヽﾍ::::!:::::}:ヽ}
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 /:/:/:/:.:./:.:l:.:{:.:.{:.:.:l:.ー‐rイl:::::ﾊ:::l::l::::l::::::l:::}:j
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ﾉ:.l_,ソ!:.:.l:.:.j!:/!:.:l:.:. l:.:.:.:.:.j:.:/l::/:::::}!:j!:.}::::::l}::!l
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 卞:イ､ヽ:lVチ=l:.lzl::lヽ.:.:.:.ﾊj/:/ﾉ::ﾉ斗r:::l:::/j
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ!ヽ:ヽ:.! r千ｫzﾐヽﾍヽ:.:l !/i≦ﾁ,rﾍﾉノノ'´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ﾍr≦ヽ}丐fェ!､:::ヽﾞ{_　イrf月}ノｲ彳〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ,l　￣￣´　.::l　｀　 ￣￣´ j_ﾉN
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　 　 ::|　　　　　　 /_,. -──‐,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,. -､ノ:.＼　　　__'＿_ 　 　／ .|　r───l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　匸ﾞ'.r-´ヽ　 jヽ、´ ー-｀' ／r､__,|　|:: :: :: .:::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l:::| |:::.::::.:::.lニz､｀ ､__,／z=〆 : :|　|:: :: .: ::::::|_　　　 _,. -──- 、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | :| |::.::::.:::: l:::::::｀ヾ'/:::::::::::::｀:::了|　ヽ::.:::::::／,＞ '":: .::::: .:: :: :: :: ﾞ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:/..|:.::::.::／j::r-,:::j' }::: ｨ-ﾍ:::::/　|　/.:::,.-‐'":: :: :: ..::::::: . :: :: :: :: :: l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |ヽ |:::／　/:{!^l }::lｲ::l /⌒!}:/　,.ﾞ /.::/:: :: :: :: .:::::: .:: :: :: :: ..::::::::::::.j
　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿__,.ﾉ}::| |´ 　 /::::::/j::/ !::{ l::::::::/　 ﾉ l:: :: :: :: :: .:::ｨ, :: ::_.:::::::::::::::::::::_,.ﾉ- ─- 、
　　　　　　　　　　　　 r-─'´￣:: :: :: ::j: :| |　　/:::::::ヽ!::V::/ﾉ::::::/.,_　j　l:: :: :: :: ::／/,／:::::_,.-ﾆZ-''"ﾉ:: :: ..:: :: ::.ヽ
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　【将軍家剣術指南役　　柳生主膳宗冬】






538 ：１[saga]：2009/12/30(水) 20:29:40.04 ID:Es8NLfAo






宗冬は光茂の剣の師匠でもあった。






　　　　　　　　 ＿＿＿＿
　　　　 　 ／´　　　　　　　｀＼ﾚ
　　　　　/＿＿＿＿＿＿＿　 ヽ
　　　　　 |ノ─ ､　─ ＼　　|　　ヽ
　　 　 　 |　　　ｖ|・ 　 　 ｌ＿|　 　 !
　　　　　,|　　 　 |　　　　| Ul´⌒Y　　　　（なんか、今日の師匠はえらく不機嫌だなぁ）
　　　 　 l/`ー ﾍ ` ─　 ′　 （　|
　　　　　ｌ__　　　　　　　 　 　 _ ノ- ､
　　　　　(＿／⌒ヽ_／⌒　／/　 　 ｌ
　　　　　　　` ─┬─┬ /ヽ/　 　 /|
　　　　　　　　　　|＿__| `　 /＼　/　|








:.:.:.:／イ:.:/:.:.:l:.:.:.:.:.:.:l!:.:.:.:.:.:/:.:./:.:.:／　:.l:.:.:l:.:.l:.:.:.:.:ｉ:.:.:.:.:.:.:.| ヽ:.:.l
:.:./ /:.:.ｉ:.:ｉ:.:.:.:!:.:.:.:.:.:.lｉ:.:.:.:.:/:.:.ｨ￣ﾒ　　 :.!:.:.l:.:.l:.:.:.:.:l:.:.:ｉ:.:.:.: !　ヽ:.l
:.:.{　ｉ:.:.:.!:!:.:.:.ｲ:.:.:.:.:.:l:.l:.:.:.:.l:.:/.l:.:/ 　 ＼:l:.:.:l:.:ｉ!:.:.:.:.l:.:.:.l:.:.:.:.|　　 :|
:.:.:ヽヽ ﾉ!:.:./:.!:.:.:.:.:.:l:.:!:.:.:.:!:'　l:/ ‐‐ト､　l‐､!:l:l:.:.:.:.:l:.:.:.!:.:.:.:.l　 　 !
:.:.:.:冫 =l:.:.ｉ:.:.l:.:.:.:.:.:l:/l:.:.:/　 .l' 　ヽﾑｼヽ! ｉ:ｉl:.l:.:.:.:.ﾊ:.:.l､:.:.:.:l　　/
:.／:/ー:.:.:ll:.:.:!:.:.:.:.:ｉ'　l:.:l　　 ｌ　　　　　 l::l:.:!:.l:.:.:./ l:.:.'　､:.:.l
／l:'　　ｉl:.:l !:.:.!:.:.:.:! 　 !l　 　 !　　　　　 l:!:.:ｲ:!:.:/　l/　　 ＼!
　/　 　 !l:l　!:.:.l:.:.:l　　 !　　　　　　　 　 ',://'.:.:'　./　　　　 丶__
　{./　　　!:.　!:.:.!:.!　　　　　　　　　　　　　､／　 '
　/　　 　 :.:.:､l:.:!:!　　 　 　 　 _　__, ‐‐　 ´　　　（さて、主膳どのの突然の来賓、なにかありましたか）
./　　　　 :.:.:,.‐l:.!　 　 　 　 　 _冫'
　　　　.-‐ ' 　 ll ＼ 　 　 　 /:.:./
　 ／　 　 　 　 ! 　 `　 _　ノ !:/

【江戸留守居役　　土山五郎兵衛】






539 ：１[saga]：2009/12/30(水) 20:30:37.68 ID:Es8NLfAo







　　　 /　/／　　　／　 　 　 ／ ／ ／　 ／/　　　　 ＼　 ＼__　__彡'/
　 ､__｣_ノ´　 　 ／　　 ／_／ ／ ／　 ／　 {　　　　　　､ヽ.　　 ヽ.一'′
　 　 i'´ 　　､_/_/__ ／／｣{_/　 /　 ／_/　 ハ 、　　 　 い､＼_ _jハ
　 　 {　　 i { ｀７￢ｧイ_／ゝ 二二彡'７.イ　　 ヽ＼　　　i i　｀丁丁！
　　　ゝ／乂_/__／⌒v´　/　　 　 ／{≧{　　 　 ﾄ､　､_　! ! 　 i　 }　}
　　､_く／_／ー个 _} ﾍ　 {　 　 i /r=≠ﾐﾍ　　　 }　ﾞァ一} }　 ！　! ,′
　　 {　｀7 /i　　 {　＼　＼ヽ 　 ﾄl 　 　r爿ﾄ､　.ノ　ｲ/　// 　 /' 〃
　　　>‐{/￢…‐ヘ. _＿__ ヽﾄ､！ i{　　し'^　〉､／_｣i二ィ７　/　/
　　　}_,r─………‐-　_　｀ヽ､｀ 　`ー‐ ´／´≧十ﾉ 〃 {／ ／
　　 /　 ､__　　 _rｭ_　 　 ヽ 　 }　　　　　 　 　 　 {_／/ 八{'´
.　 /　　　＼_ｰ' Qｰ─ｧ' /　 /　　　　　　　　　　 ', ⌒´　 ｀
　/ 　 　 　 　 〕//'⌒´ /　 / 　 　 　 　 　 　 　_　〉
　 　 　 　 　 ///　 　 /　 ,ﾍ　　　　 _＿＿__　_∠_　　　　　　　「本日、ご内意を得た」
. 　 　 　 　 {7／　　 /　 /　 ＼　 ´　──ｧ'´｀ヽ.　〕
　　　　　 　 ´　　 厂　 /｀ヽ、　＼　 　 ／　　／／
　　　　 　 ＼　　 {　　〔_　 　〉､ 厂`ｰ ´　　／∠..　 -‐………‐ ､
　　　　　＼　＼ 　＼_　 〕 /_/　＼ 　　_／／　　　　　　　　 　 　 ',
　　　　　　 ヽ　 ヽ　　} ∧ {_｣　　　 V´_／　　　　　　　　　　　　　 }
　　　 　 　 　 ヽ　 ＼｣_{　＼ ＼　　 { ん'７二 ｰ＝ニ二 　　　　　,｣
　　　　　　　　　 `ー'´　　　 ヽ　ヽ　L __/　　　　　　　　　　　　 / |








　 　 　 　.　/: : : : : : : :/ : : /: : : :| ｉ: :ヽ: : : ト、: :ﾞヽ、
　 　 　 　　|: : : : : : : :/ : : / ,:ィ￢ ｉ : : ﾍ: : : :ﾍ: : : : ヽ
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　　　　　　|: : : :,彳ｉ: : : : | ト⊥_ . |:ｉﾍ: : ハ : : ｉ: : : : ｉヽ!
　　　　　 ル: : ::i　　　　 '". |: : : :ﾍ"ｉ : : ハ　￣　　 ﾞ､ .孑七ｉ: :ｉﾍ: : :ｉ
　　　 　 　 ｀ｌ: : : :¶ｉ: : ｉ　　　 　 　 　 ｉ .｀丁 ::/i ﾊ: :i
　　　　　　　|: : : :ﾉ i : i　　　　　　　　i!　ﾉ: :/. i:! .i:;'
　　　 　 　./'/l: :/.　i :i　　 　 , ､___ 　´./: /　　　 ~
　　　　, --ィ .i/　　 i:i ＼ 　　｀ ﾆ ´, へi:/　　　　　（ご内意！とすると、将軍のご意思ということですか）
　　　 /　　　　 ｀ヽ、i;　　＼_　　／ i　　~
　　 く、　　　　　　 ｀ヽ、　i 　￣ 　'"
　　 /. ｀ニ＝-　、　　　二






540 ：１[saga]：2009/12/30(水) 20:32:14.16 ID:Es8NLfAo






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│　　　　　　　 ヽ::l　　 ヽ-ィ　　　　　 ,.. !-l:::ﾚ-::::ヽ::｀ヽ　　 　 │
│　　　　　　　　　ヽ　　　　i　　,.r ' ´ r ''' .|::::::|'‐ｭ::::｀ヽ:　　　...│
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│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　【小城藩主　　鍋島元茂】　　　　　　　　　　　.....│　　　　/／: :/: : :／: : : ／:／: : : : :｀`;ｰｯ-
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │　　　∠/ : /: : /:/:ー＝二, : | : |: : : 卞´
└───────────────────────┘　　　. /|: /イ:/|/|: :｀了://:/个､|: : :＼:ヾ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .ｌ| |: |{ |ｲ:kzf: :/=|/_'≠弌: : : iｎ: : ﾄ-ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽﾄ､|:ｲ'弌/ 　'_ｆ不:}ﾐ | : : ﾉ j: :/
　　　　　　　　　「小城の元茂どのを寺社奉行の職に任命したい、　　　　 ｀|　/ 　 　 ￣¨／:／∠イ
　　　　　　　　　とのご意向が、大猷院（家光）さまに　　　　　　　　　　　　　 ヽ｀､＿　　　´ >' 7: ル
　　　　　　　　　おありであったとうけたまわっている」　　　　　　　　.　　　　 　 ＼ ‐ ｀ _　 ´ ,ｨ戈f
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , ‐ｧ‐=＝￢｀≦┬ｒ=彡' : : ﾄ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /: /: : : : : : : ∨: : | ﾚﾍム ／: : 丶、
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541 ：１[saga]：2009/12/30(水) 20:33:32.03 ID:Es8NLfAo






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　　　　　　　　　　 /ｲ::::::ハ!:::!:::,ｲ/｀¨'ｰ-､!:::l::::::!_」.::::::::!::::| ヾ!
　　　　　　　　　　 !∧::〈（｀!!:!::,'|/　.r'ヒｱ｀!:ﾊ::::ﾋｱ!::::::::ﾄ､::|
　　　　　　　　　　　　!:::ヽ､_!:::::!　　　　　　ﾘ　ヾ!　l:::::::::! リ
　　　　　　　　　　　 ﾉ,::i::i::i::ﾊ::.!　　　　　　　 _>　ﾉ::/!:/
　　　　　　　　　　　 ,.ハ|::,ﾊ| ヾ!､.　 　 r‐-‐ｧ .／::/ |/　　　　　「なんと！」
　　　　　　　　　　／!　 ﾚ'＼.　　 ＼ 　 ｀ﾆ´／|∧!
　　　　　　　　 ／　　ヽ　　　ヽ､_.　 ｀i'ｰ-＜｀ヽ
　　　　　 　 ／　　　　　＼　　 ,ﾍ}　〈　 ,'　/　　!
.　　　 　 ／　　　　　　　　 ＼/　 |ー!　.／　 　 !　








　　　　/.:／.:／.:.::,／.::.:{::.::.::.::.::.::.:i::.::.::.::ヽ::.::.::廴_::.::.:Vノ
　ー=彡'.:{::/.::.:: ./.::/.:ノﾊ::.::＼::.::.:}::.::.:. ::.::.',::.::.::.i:: ｢ . ',
　　 /.::.::/:ﾒ､:.::./ｰｧｰ７ィ.:〉､_::.｀:ーｧ: :i::.::.::.:i::. : .}::.ﾄ､　}
　　 {.::.:/./　 V.::.:/. ./ /./.:{ l:斗｢:.:{::.::.l:: :: .::}. :/.::.!ﾄ､:V
　　　V.::.i　　 {::./.::.厶{/≧ﾐ｣::.:iﾊ::.ﾄ､::.}:: .//.,ｲ.::.::ﾘ::.::.ﾄ､_,　　　　　　「大猷院さまはわが父宗矩に剣を学ばれ、
　　_ノ.::.::!　　 Vﾄ､::{　　{rf行㍉{､V　}/.::/厶{/.::.::.:}::l::.}　　　　　　　　元茂どのは兄弟子として打太刀を勤められました。
　　　{::i::｣､　　 ﾒ、く　 ､竺x′ ｀^`ノｌ::.代ﾉ/.::.::.::./.:ﾊﾉ
　　　,}/　｣､　/ 　 vﾊ　　　　 　 　 ノｲ竺ｲｲ::.:／}ノ　　　　　　　　　　 こたびはその心尽くしとでもいえましょうか」
-‐　´{＞ｲ{、{　　　} ,}　　　　　　　　 {　/ /／　´
　　　　 ヽ ヽヽ.　　ヽヽ　　　　　　　／/ 〈′
　　　 　 　ヽ ヽ＼ 　 ヽヽ￣ 二 ｰ .ィ´L　　　　 ＿＿_
　　　　 ﾄ､rfLヽ ヽ＼　 ヽヽ 　 ／　 l　l　￣￣　　　　　i｀丶、
　　　　 L } r､}　 vﾊ/＞　.　`く　　　}　}　　　　　　　　　}　　i｀ﾄ､
　　　　　/ ､＼. / //／　　}￣　 ／／　　　　　　　　　　　　| ∟ヽ.






543 ：１[saga]：2009/12/30(水) 20:35:00.51 ID:Es8NLfAo







　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:::::::,､!:::::::::!::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／/:::::::/::｀!:::i:::::!:::::ヽ:::::::::ヽ:::::::ヽ::::::::::::::::::!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／::/::/:::/::::,､,!:::!::::ヽ:::::ヽ:::::::::::ヽ:::::ヽ::::::::::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／,.イ::::/::::!::::/　.!::ﾄ､:::::ﾄ､::::ヽ::::::::::ヽ:::::ヽ:::i::::::::::｀､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:::,ｲ::::!:::/__　 !::!ヾ､::!_,>-‐ト､,_::::ヽ:::::!::::!::::::::ﾄ､ゝ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !::::ハ:::!ｲ´　｀ .k !　ヾ:! 　＼! ヾ｀::::lヽ::!::::!::::::::!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !::/　!:::::::! -‐- ヾ､　 ヾ-―-　ヽ:::::!::ヾ!:ﾊ::::::::!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヾ!　 !:::::::!　 　 ﾉ　　　　　　　　 〉､!::::/ヽ|:::/ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 !::::::! 　 く 　 　 　 　 　 　!::::::::/‐,ソ:/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 !:::∧　　｀　　　　　　 　 !::::,.ｲ‐'/!/
　　　　　　　　　　　　（ああ……、それはなんとも、めでたい。　　　 !,/　ヽ　ー―--　　　　,.!::/ ﾄ､ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　￣　　　 , -'´!/　,ハ
　　　　　　　　　　　　　　鍋島にとっても、柳生にとっても） 　 　 　 　 　 　 　 >┬―''"´　　　／　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,,..-‐'´!　ヽ､　　　　／　　　 ,ｲ｀`丶､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,,..-‐''´　　　 /!　　 ,>-＜´　　　　 / .!　　　　 `'ｰ-､_







土山は宗冬の険しい顔の意味がようやく理解できた。
宗冬は内心、非常に喜んでいたのだ。
この知らせを口に出せば飛び上がらんばかりに喜び狂いたかったのだが、弟子の手前、我慢していたからだ。






544 ：１[saga]：2009/12/30(水) 20:36:18.78 ID:Es8NLfAo






　　　　　　　　　　　　l､　　　　　　, -‐─ー-､　､
　　　　　　　　　　　　ヽ`ｰー---´───--　＼ヽ
　　　　　　　　　 ,..:.':.:.､:.:.:.:.:.:.:.:.:.／￣:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ）
　　　　　　　　／／／ヽ｀ー-‐´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.）:.:.ニ＝-､
　　　　　　　　{! ／:.:.／:.:.了￣／ :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.＼
　　　　　＿＿_ノ:.,..':.:　.:.／.:／:／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼ヽ　　　　　　「寺社奉行は全国の寺社関係の管理をつかさどり、
　　　　　｀`ｰ-／:.:./:.　/.: ./.:./ :./.:.:.:./　.:.:.:. :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽヽ　　　　　百姓の行政の長となる重責。
　　　　　　 ／/:.:./:.: ./.:. ,':.:./ .:/:./:./ :.:.:.:.:. :.／.:.:. :. :.:.:.:.:.:.:.:.ヽ`
　　　　　　´ /:.:./:.:.:./:.:.:.:.|:/i:.:/:/:./:.: .:.:. :.／:. .:.:./ :.:.:. :.:.:.:.:.:.:i:.|　　　　 勘定・町奉行が譜代大名が就任するのにたいして、
　　　　　　　l:.:/}:.∠＿／厶|/|:.|:.,':.:.:.:.:.‐=ニ二ノl.:.i:.:.:. :./:.:.:.:.|l:|　　　　 小禄の外様大名が就任するのがならわし。
　　　　　　　|/ |.:.|l:.l 才ﾃｆ-≧l:.|:..!.:.:.:／/／}:.:.ノ|:.:.{:.:.:./:. |.:.:.i ﾘ
　　　　　　　｀　ヽ|l|:.|ゝﾄ-ｲ`ﾐヽヽ:l:.:（=＝ノ≦≠l:.|:.',:.（:.:.:.i.:.:{　　　　　　いうなれば、外様大名の頂点となるものでしょう」
　　　　　　　　　 ﾉノ|　｀￣￢´　｀ヽゝィｆ戈テ于ﾐ|ﾉ|::..:.ヽ:.|:i:.ヽ＿
　　　　　　　　　´　｀l　　　　　　,'　　　-K二‐ } 》/　ノ〉:.//ヽ--´
　　　　　　　　　　 ﾉ.!　　　　　/　　　　　 ￣ｰ=ー'／.-‐'
　　　　　　　　　　´ri＼　　 　}　　　　　　　　 ノr'´:/
　　　　　　　　　　　}ヽ ヽ　 t￣｀ヽ　　　　,　':./ヽ:（
　　　　　　　　　　 / ヽヽ ＼　￣｀　 , イ:ノ）ｲ　　 ｀
　　　　　　　　 ／: : : : ヽヽ､｀‐ ' ´　r‐´イ､
　　, - ‐＝ ' ´: : : : : : : : ヽ//＝＝//¨ : : : ＼
￣: : : : : : : : : : : : 〈〉 : : : //: : : : //〈〉: : : : : : ｀: : ､








　　　　　　　 ( ,ゞ ─┴"─"､) _
　　　　　　､ゞ"　　　　　　 　 　 ＼=
　　 　 ヾ／ 　 ＿＿＿＿＿＿＿_ヾ
　　　｀ﾞ/　　　|　　　 ヽ､_（_)ノ　　　|｀
　 　 ヾｌ　　　 |　 ／´⌒ ヽ／ ⌒ ヽｌ
　　　 =| 　 　 |　 |　　　　　| 　　 　 |
　　　 ｰＹ⌒ヽｌ─ｌ　 　 　　ｌ､　　　　ｌ､
　　　　 |　） 　 　 ｀ｰ─‐,／ﾍ､ー‐〈 ﾉ
　　 　　ヽ_　　　　 　 　 "　 　 ｀ 　 ｌ
　　　 　 　 >､ 　 　 ,－───､ヽﾉ
　　 　 　, ヘ　｀(_∠ ､───-､ソ
　　 　 / ＼　＼／＼ﾉヽ
　　　 ｌ　　 ヽ　　　　　| ｌ
　　　 |　　　|.　　　　　| |








545 ：１[saga]：2009/12/30(水) 20:37:23.40 ID:Es8NLfAo







::|　　　　　　　i-ｰ'ｰヽ　　ﾍ::..　　 ＼　　　 　 i::.　 i:.　ヽ ￣｀ヽ＝､
::|　　 　 　 　 !　 　 　ヽ.　 ヽ:::..　　 ヽ　 　 　 '::.　 l::.　 ヽ
::|　 　 　 : 　 l　　　　　ヽ:.　 ヽ､::..　　ヽ:..　　　':::.　 !::.　 i
::l　 :　　 .: 　 !　　u　 　 ヽ:.　ヽヽ､::..　ヽ::／　 ':::.　 !､:.　|
:::i　::　　:l: 　 l　 　 　 　 　 ＼　ヽ　＼／ヽ:::. 　 ':. 　| ヽ:. !
r┤:::　　:l::　 | ￣￣｀｀`ー-　＼ ヽ ,r‐ｧｫﾔ､::.　 i:::　| 　ヽ|
.ト| ::::　　:l:::　| ,r≠T〒ト　　　　＼ヽ-┴'´ |､:::.　!::: |
.i' i :::::..　:ﾍ::. l　｀ー┴ｰ'　　　　　　＼､　 　!::l:::. |::::::|
ヽヾ, :､:.　::ヽ::.!　　　　　　　　　　　　､ ＼. |:::ﾊ:::ﾊ:::::|
::::＼!:::l::.::::::lヽﾍ 　 　 　 　 　 　 　 　 ヽ　 i::/ }:;' ',::::|
::::ヽ:.::::ﾍ:::::::!　ヽ　u　　　　　　 　　 ／　/::/　|'　 ',::|
ﾍ:::}ヽ::､::',:::::!　　　　　　　　　　　　　　 /!::{　　 　　ヾ　　　　（若君！？）
　'::|　!::Xlヽ:::',､　　　　　　　-―‐‐' 　ｨ　l::i
　 '.i　';'　ﾄ ヽ:! ヽ､　　　　　　　-　　/　! ヽ!ヽ_
　　,/　　|　 ヽ　　 ｀　､　　　　　　/　　l　　　 ､｀ｰ､
.／/　 　 !　　＼　　　　 ｀ ー-r-'　　　l　　　　!　　　｀ ヽ ､
　/　　 　 ! 　 　 ＼　　　　 ／ 　 　 　 l　 　 　 !　　　　　　








　　　　　　　　　　／. : : ／. ／. :｀ァ一:r一!:{: : : : : : ヽ
　　　　　　　　　/ . : : :/: : :/. : : :/. : : : }: : ﾄ､＼: : : : : }
　　　　　　　 　 { /.　: !: : /. : : :/. / . :/./. :}: : ﾄl: : : : : l､
　　　　　　　　　〉: l: : :l:ﾄ､ﾄ､ : : l L: イ:/7ｲハ: l: : : i : : ﾄl､
　　　　　　　 ーｲ: {: : :ﾄl ,>ミ､: :ﾄl　ノｨ=ｧくヽ｣: !: : : }: : :}
　　　　　　　　　{: :ﾄ､ : V {㍉ハ!　　´{rfk｣}　}/}: : :ﾊ : /
　　　　　　　　　 ヽﾄlゝ､ﾄ､少' }　　″｀¨¨¨´ ノ-イ /:ノ
　　　　　　　　　　　　ノﾊ　　 '、　　　　　　　　/.イ: {　　　　　　「いかがなされた？」
　　　　　　　　　　　　　　'、　　,＿　　　　 　 / }: :l: L､
　　　　　　　　　 　 　　 　 ＼　 ‐｀ 　 　 　∠.ノ:斗　イ
　　　　　　　　　　　　　　　rfハ、_ . -‐r 二 rｋ￢ ´　l
　　　　　　　　　　　　　　　ﾄ} }　ｌｰrー┤i　rfYﾄ!　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　k| |　}　|　　| |､__｣ ﾚ ｧ　 {､
　　　　　　　　　　　　　　　}ｲ !イ、ｌ　　| |＼h f'´　 /　｀　ｰ- 　､_
　　　 ,　-‐─一 ､､ー‐‐　´ } }.｣　7ﾞ¨¨} }　　l l 　 /
　　　｛　／ﾉﾍ、 　 V　　 　 ﾉ |　 {　　 { {　　| |






546 ：１[saga]：2009/12/30(水) 20:38:17.14 ID:Es8NLfAo







　　　　　　　　　　　 　 _,:'" : : : : : : : : : : : : :: : : :: :ﾞ'::､
　　　 　 　 　 　 　 　 ,:' : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : `､
　　 　 　 　 　 　 　 ,' : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ﾞ:　　　　　　「当主が不在なので即答できません。
　　　　　　　　　　 /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :i
　　　　　　　 　 　 i: : : : : : : : : : : : : : : : : :: : : : : : : : : : : |　　　　　 相談の上でご返答申し上げます。
　　　　　　　 　 　 l: : : : : : ,-´^´´￣´´´｀｀￣｀｀-､; : : : :|
　　　　　　　 　 　 i: : : : :r´　　　　　　　　　　　　　 ヾ: : :i　　　　　 ご存知の通り、わが藩は複雑な事情がありますので、
　　　　　　　 　 　 |:､: : r　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ヽ､ﾞi : l　　　　　 小城藩だけが格別な待遇をとられるのは、
　　　　　　　　　　/ヾ::/ｿ　 ‐‐--､ ,　　,　　,_ノ^＼ヽ l::l"ﾞヽ　　　　 なにかと支障をきたす場合が考えられます」
　　　　　　　　　　'､ (ヾ,,　　 r‐‐--､_`il,iﾞ__-‐‐==､　　|lヽ l
　　　　　　　 　 　 ヽ､`| ＼（゜　　c/;;i＝i　　　　c ）ﾞ／|l'ﾉ/
　 　 　 　 　 　 　 　 ヽ|　　弋_／⌒⌒）. ヾ__＿_ノ´ /l.,/
　　　　　　　　　　__,∠| ､　.／ ／ ／　）　　　　 　 /　入─､､,,_
　　　　　　 _,.-´'"　 |.r- |./ﾞ ,／ ／ 　/_!／`　　 / .l　/./　　　 ~＼
　　_,､-‐´'"　　　　　|.|　/　/　 / 　 /　　 　／ヽ　/ / ./ 　 　 　 　 `:,,､_
‐'"　　　　　　　　　　|.| ﾉ　/　.ﾉ　　/ ￣￣｀　.ﾉ　/ / /　　　　　　　　　 ﾞ''｀,,､_
.　　　　　　　　　　　 ﾉ/ ノ　 /　　/　.／　.／　 ／ _/　　　　　　　　　　 　　　　`
　　　　　　　　　　　/　　　　/　　/.／　／　_／ ／
　　　　　　　　　　ﾉ　　　,　　　 `ﾞ　　／―''' ／
　　　　　　　　　　|　　 　 　 　 　 　 ﾉ￣￣







548 ：１[saga]：2009/12/30(水) 20:39:12.18 ID:Es8NLfAo






宗冬は意外そうな顔で光茂の返答を聞いた。






　｀¨７. :/. : : : :/. :i: : :/.ﾄ､ヽ、: :＼: : : ヽ: : ヽ: : : : : ヽ､: : l
　　 { : {: : : : :/ . : }: / : i: : : ﾄ､: : : :ヽ: : :}: : : :}:l: : : :ヽ: ＼{
　　 l: : l: : : /. : : /:厶 : l: : : ﾄ､: :l､: : :i: : l、: /: l: : : : : ﾄ､: :ヽ､_,
　　 ヽｲ : : i: : : :イ　_｣: :L､: :{　乂i: : :l: : l｣:/く:八: : : : }: :l: ｢´
　　　　} : : l: : : :i:i7´ ,ｨ行ﾄ㍉! 　ﾘ: :/}:,ｨ行ﾄ､㍉ ﾄ､: :ｲ: ﾊ/
. 　 　 ﾉ : : ﾄ､: : |:k　 {rk必}′　　}ノ　代k必} ′}:,i/ l/
　ｰ､´ . : ノ{　＼ﾄl､ーﾞ＝‐´　 　　i　 　 ｀＝'一 ノｲ}
　　 ｀￣}ハﾄ､　L　　　　　　　　　|　　　　　　　 } /
　　　　　　 ヽ: ヽ､}　　　　　　　　 }　　　　 　　 ﾊl
　　　　　　 　 ｀ ｰﾄ､　　　　　　　 ′　　　　　/
　　　　　　　　　　}: :ﾄ､　　　　,i二二) 　 　 .ｲ{
　　　　　　 　　 ノｲハ:l 丶、 　 -‐　 　 ／{: ﾄl､
　　　　　　　　　　　 ゝ}　　 ｀　 . 　　／ 　 ﾄ;l
　　　　　　　　　　　 {二二,｢ 二二二¨¨｢.二｣
　　　　　　　　　　　 |　 ,ｲ |　|　　　　|　|ﾄ､　l









　　l::::::::::::｣::::::::::l:::::::ﾄ.:::|:::::::::::ヾ::l.::＼:::::lヾ:::::::| ヾ､:.、
　　 〉:::::::l::|:::::::::::ｌ:::::|:.ヾ!:.:.:.:.:.:.:.:.｀:.ヽ.＼ｌ:.|::､:::|　　 ｀
.　　' |:､:::|:::',::::::::::ヾ::|: : ｀: : : : : : : : ノ: : : l::l.∨
　　　1 l:;:ヾ､ヾ:::::::::Ｎ　　　　　　　 　 　 /::!
　　　　 ﾘ ヾ:::｀ト.､:::|　　 　 　 -----' ,ｲ|::|　　　　　　（若君はこの話を握り潰すつもりですね）
　　　　　　　∨ﾘ　ヾﾄ､　　　　　　 ´ ./l| ｀　
　 　 　 　 　 /ｰ ､._ ｀　｀ - ､_　　　_/　ギリ
　　　　　　 r､ 　 　 ｀　 ‐ ､.._　7ﾆ´
　　　　 　 /:.:.:｀ヽ 、　　　　　｀7 ﾄ､
　　　　　,<:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀ヽ 、　　/'´: :ヽ‐､.._
　　　　 ':.:.:｀ヽ､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀ヽﾍ: : : : :ヽ:.:.:.:ヽ








551 ：１[saga]：2009/12/30(水) 20:40:16.62 ID:Es8NLfAo







　　j::j　　　 　_l:::::::l!.|　　ヽ_::ﾄ､::ｫ'´:::::ﾄﾍ
　 /ｲ::::::::::::::ﾉ }:::::::ﾊ.!, ''´,_〉､! ﾞ処ﾆ:::::::| ヽ.
　′ﾘ:::::::::::/ .ﾊ:::::::l ヽ <ゞ'　｀ヽ､Y､:::l
　　 ﾍ::::|// .ﾑ-,..,.j　 `　´　　　 ノﾍ:/
　　ﾉｲ.ヽ!　'　'　! ヽ 　　　　, ィ'|
　 　|ﾌ入　　　　　l　 　 ｰ'ィ'ﾍl　　　　　　　　（若君がこれほどまで態度を硬化させる要因はひとつ）
　　 ,ヘ　ﾍ　 　 　 ト　､ ＿ﾉ､　｀
　／ 　 ヽ ',　　　　jｧ /　/ !　ヽ









　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　 　　．-‐　'''""~　　　　　｀ﾞ''ｰ-､　　　キョド
　　　　　　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　＼V
　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　/　__,,.. ．-‐　'''""~;;;;;へ｀ﾞ''ｰ-､,　　　　　　 |
　　　　´. |;;;;;;;_＼し ﾉ（;;;;;／---;;;;;;;;;;;;;;;|　　　　　　|
　　　　　 ;;;;／　　 ヽi;;;;;/´　　　　 ＼;;;;;|　　　　　 /　　））　　　　　　　　　　　 ＼il i !l ll i ll l i ll l il i !l ll ! ll l ! l! l il il i !!l l／
　　　　 __|/ 　　　┰ V　　（ ・ ）.　.　|;;;;;ヽ　／￣ヽ　　　　　　　　　　　　　　　三　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 三
　　　 / 　| .　　　　　 i　　　　　　.　 |￣￣´　　　　|　　　　　　　　　　　　　　　三　　　　　　 嫉妬、ですね。 　 　 　 　 .三
　　　 ヽ　ヽ　　　　　∧　　　　　.　 /　し 　　　６　|　　　　　　　　　　　　　　　三　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 三
　　　　 ＼/ ＼_＿ /　 ＼ ＿＿ ／　　 　　　　　丿　　　　　　　　　　　　　　 ／il i !l ll i ll l i ll l il i !l ll ! ll l ! ll l il il i ! l l＼
　　　　　　| 　　　 （⌒　　｀ﾞ''ｰ-、　　　　　　 ／´＿＿
　　　　　　ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　/　 |　　／ ヽ
　　　　　ヽ　＼;⌒　　_,,..-‐ｰ-､_　　　　　 /　　| ／　　　|
　　　　　　　　　ー―´＿＿＿　 　　＿／　　 //　　　　 ヽ
　　キョド　　　　　　　　　　ヽ＼ 　　/＼　　　/ヽ　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　|　 ＼/　　 ＼／　　＼　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　|　　　　　　　　　＼　　　　　　|







自分に反抗する三支藩が将軍に認められるというのが気に食わない。
光茂は態度にありありと表していた。







554 ：１[saga]：2009/12/30(水) 20:42:04.62 ID:Es8NLfAo






　　　　　　　 /:.:.:.:.:.',:.:.:.:.:.:..ヾ＼:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.:.l:.:.:ｉ:.:.:.:.:ヽ:.:.:l:.:.:.',
　 　 　 　 　 ':.:.:.:.:.:.ハ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ ､:.:.:.:.:.ヽ＼:.l:.:.:l:.:.:.:.:.:.:ｉ:. ':.:.:.:.l
　　　　　　 /:.:.:.:':.:.l:.:.:ﾄ､:.ヽ:.:.:.:.:.:._',-‐　､:.:.',:.:.ヾﾊ:l:.:.ｉ:.:.:.:.l/:.!:.:.:.:.!
　　　　　／ィ:.:.:l:ｉ:.:l:.:.:l　 ､:.＼:.:.´:.:.',　,xfｒっヽ メ:ﾘ:.:.l:.:.:.:/:.:.:!:.:.:.:.＼　　　　　　　「宗冬様、ありがとうございます。
　　　 ／　　l:ｉ:.:l:.:',:!:.:.l￣｀＼:',＼:.:.: ','　｀ー'　 ヽヽ:.:!:.:.:.:,ヽ:.:ｉ:.:.:.:l｀ ー ‐
　　　　　　　l!:.:':.:.:ヽ从 ィ弋メ＼ ＼:.', 　 　 　 　 l:.:!:.:.:./, }:.:.!:.:.ｉ:l　　　　　　　　 この度の話、元茂さまだけでなく、
　　　　　　　l:.ﾊ:.:.:..:.:.:.:ヽ　　 丿 ＼　ヽ　 　 　 　 l/:.:.://./:.:.l:.:.l:!　　　　　　　　 鍋島藩にとっても大変名誉なことでございます」
　　　　　　 /:'　l:.:.:.ｉ:.:..ｉ:.:.ｉ　 〈　　　　　　　　　　 /l:.:.:/ｰ:':.:.:.:l:.:ﾊ
　　　　　／´　 ヽ:.:l､:.:.:!从　　　　　　　　　　　 /　!:/:l:ｉ:.:.:.:.:!:/
　　　　　　　　　 ヾl　:.:.:.:.:.ヽ　　ィ　　 フ　　　 　 /!'.:/l:l:.:.:.:!/
　　　　　　　　　　 }　ヽ:.:.:.lヾﾄ､　｀ ´　　　　　 ／//'　lﾊ:.:.!ﾊ
　　　　　　　　　　　 　 ＼.:! }　 ヽ　　　　　 イ　　　　/　Ⅵ
　　　　　　　　　　　　　　 ＼　 　 ヽ　 ＜　　　　　　_ .-‐ヽｰ. -. .､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　 　 　 . : ´: : : : : : : : : : : : :.ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ＿__ ｉ　　／: : : : : : : : : : : : : : : : : : 〉
　　　　　　　　　　　　　　　_＿_ ノ:.:.:.:／} ／: : : : : : :　　´ ￣￣　｀　メ._
　　　　　　　　　　　　　/:.,: : : :./:.:.／　／: : : : : : ／　　　　　　　　　　　｀ヽ､
　　　　　　　　　　　_. 人:.ヽ: :.ｲ ´　 ／: : : : : : ／　　　　　　　　　　 　 　 　 ヽ








　　　　　　 ﾄ､　､＿_ 　-‐……‐≦ﾐ､
　　　　　　 {　`ー　　　 　-‐-　、　　}､
　　　　　　　>　,　 　 /　　　　　 ヽ、 　ヽ
　　　　　　ノ　/　　 〈　　、　　 ､⌒´　 ､ ﾞア
　　　　 ー‐ｧ'　/　　　ﾄ､　ヽ　　 }　　 　 ﾄ|
　　　　　　 {　/　斗ﾄ､ﾄ､ｈ　}　 厶　 　 l }
　　　　　　 Ⅵ ！ ix≠ﾐ　|ﾉ|ィ≠ﾐ.}　 /{ﾉ
　　　　　　　 从ﾄ小t少　　　{rt少|／} 廴　　　　　（若者というのは口の利き方を知らないか）
　　　　　　　　　 ({　　　､　　　　　,rfく_≦
　　　　　　　　　　 ヽ、　Vア 　 .ィ//´
　　　うむ！　 　 　 _ノ≧r=≦::{爪{_
　　　　　　　　　　 r一__::｣:::::L::::`ー ､_
　　　　　　　　　　 }::::｢0:::::::::::::0]:::::::〈　ｈ








557 ：１[saga]：2009/12/30(水) 20:44:01.76 ID:Es8NLfAo






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　　　　　　　　　　 　　　　　　 !.:.:|.:.:i　,,,__` !| `､:.|´＼.:.:.:.`,.:.:.i'.:.:､ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　 i.:.:.f.:r;.! ｲ升!　!　`､!-f升､.:.:.!.:.:.|i.:.lヽﾞ､
　　　　　　　　　　　　　　　　 |:./ i!l.:.l　￣　 /　　　￣´ 7:.､!.:.:lﾉ.:l　　　　　「うわー、なにをなさるのですかー（棒）」
　　　　　　　　　　　　 　 　 　ﾚ　　!:.:.l　　　/　　　　　　 !.:.:ｿ.:./|:l
　　　　　　　　　　　　　　 　　 　　 !:::.ﾄ　　.`＿___　　 　i..:.i!.::/. ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 !..:! ＼ ヽ＿／　 ／!.f/|/
　　　r- ､　　　　　　　 ,-‐　‐- ､＿,,!i-'"i`i､　 ‐ 　／_,,ﾘ|ﾍ､　　　　＿ . -‐ ､
　　　ヽ､　＼_＿ 　　/:::::::::::::::::::::::::／::;;;;| ﾍ､ ー',, ／　i;;;;;ヽ｀'￣:::::::::::::::::::::　ﾍ　　　 　　__
{ヽ､!ﾞ`､.ゝr､　　l｀Y＼:::::::::::::::::::::／:::::::::;i　 rゝ"､　　　 !;;::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::i　 ,.､r-ｨ'ヽ　}ｨヽ
.|　 |　 ll　 Y´　l　 !　 ヽ-､　 ::::::＼:::_／! , '!::::::::入 　 /::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::,., ｨ´f 　i　 l　 i´ i　l
.ヽ､ﾞ､　ﾞi　 ﾍ　 |　 i　　　　 ヽ::::r-‐'´:::::|/ l };:::::/　k. /i:､:::::::::_r':::::::::::::::, -‐ f　|　}　 }´ l 　! ,!　i
　　｀ﾞ､. ﾍ 　 `"ﾍ　`l_　 　 　 !､_r ､::::::::l　 Y:::::::l 　 V/　､／::::::::::::::::r´ 　　 !　!　! 　| ｿ　 .|'　/
　　　　 `ー'‐―､_　 　!　　 　 //´:` ､i 　/:::::::::|　　/:::::::｀` ､::::::::::rr|::::.....r'ﾞ　 |'´　 /´　／／







宗冬が屋敷を出た後、土山は光茂の家臣によって軟禁されてしまった。







558 ：１[saga]：2009/12/30(水) 20:45:00.58 ID:Es8NLfAo








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　　　　　　　　　　 .／|::::::　|　　　　　／　　 ＼　　　　　　　|　|:二二二二:|
　　　　　　　　　.／／|::::::　|　　　　　|二二二 |　　 　 　 　 |　|:::::::::::|:::::::::::|
　　　　　　　 .／／.　.|::::::　|　　　　　|ｌ|　見　|l|　　 　 　 　 |　|:::::::::::|:::::::::::|
　　　　　　.／／　　　|::::::　|　　　　　|ｌ|　敵　|l|　　 　 　 　 |　|:::::::::::|:::::::::::|
　　　　 ／|／　　　　 |::::::　|　　　　　|ｌ|　必　|l|　　 　 　 　 |　|:::::::::::|:::::::::::|
　　　／／|　　　　 　 |::::::　|　　　　　|ｌ|　殺　|l|　　 　 　 　 |　|:::::::ll::|::ll:::::::|
　 ／／.　.|　　　　 　 |::::::　|　　　　　|二二二 |　　 　 　 　 |　|:::::::::::|:::::::::::|
／／　　　|丿　　　　 |::::::　|　　　　　0　　　　0　　　　　 　 |　|:::::::::::|:::::::::::|
／　　　　 |て　ﾋﾟｼｬ　|::::::　|　　　　　　　　　　　　　　 　 　 |　|:::::::::::|:::::::::::|
　　　　 　 |Ｙヽ　　 　 |::::::　|＿＿＿＿ ＿ ＿＿＿＿＿＿ |　|:::::::::::|:::::::::::|
　　　　 　 |　　　 艸 ::|::::::／　　　　　__）''（ ＿　　　　　　　 |　|:二二二二:|
　　　　 　 | 0: :::: 艸 ::|／　　　　　／_（~~~）_／　　　　　　 :|　|　　。|。　　|
　　　　 :0 |::::艸::::　::: |￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣|　|　　　|　　　|
　　　　 　 |　:::::　::::／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
　　 :: 艸 ::|::艸:: ／
:::::艸::::　　|　 ／　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＿_
　 :: 艸 ::　|／　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／￣￣￣:.:.:.├‐、
:艸:::　　／　　　　　　　　　 　 　 　 　 ノ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.::.l
　　　／　　　　　　　　　. 　 　 　 　 ／:.:.:.:.:.:.:.:.:／|:.:.:.:.,ﾍ:.:.:.:l
　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　 〈:.:.:./:.:.:.／一 |:.:./ーＶ.:}:.＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Ｖ__,ィ´ 　 　 ﾚ'　　　〉/￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 Y_|:.|　　'⌒ヽ　 ⌒ l:.|
　　　　　　　　　　　　　.　 　 　 　 　 ヽ_|:.|　　 　 　 〉 　 }:|　　　　「やれやれ、困ったものです」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　j::::|:.ﾄ、 ┌─ｧ 　ﾉ:.:!　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /／VT＼丶ノ ／　ヽ!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /::＼　 ーｲヽ_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 r一'￣ﾍ:::::::::＞-〈::::|　￣｀i-､
　　　　　　　　　　　　　　 二￣＼　｀ヽ　 ヽ:::/ |::o:|ヽ|　　　j　 )　 ／⌒二つ
　　　　　　　　　　　　　　/　　　　)､　　'　　V　 ￣　　　　 ﾑ　{　/{　　　｀ー
　　　　　　　　　　　　　　　,　,　 / 弋ミﾐ}　　 　 　 　 　 　 |彡 V　＼
　　　　　　　　　　　　　　 / / ／ 　 ﾍ 7　 　 　 　 　 　 　 !＿/　　　厂
　　　　　　　　　　　　　　 _/^´|　　　 V　　　　　　　　　　 {　/






559 ：１[saga]：2009/12/30(水) 20:45:59.66 ID:Es8NLfAo







いずれ佐賀にいる殿にも寺社奉行の話は耳に入ることでしょう。
しかし、江戸の若君からはその知らせが届かない。

当然、どういうことか、と詰問するでしょう。







　　　　　　,r..:'"￣::`::.､
　　　　　/:::::::::;:::;i::;l::::::ヽ
　　　　 .lｨ::l:iv､l:/l:/j,ﾚ:::::!
　　　　　'f.l::l zﾃｫ'.ｨ'ｪl:l:ﾄ!　　　　　そこんとこ、どーなんてるんだ！？
　　 ,..-';`ﾐ,i:l　　　k　l:l:ﾚ'^ヽ､_
　 ./::"::::ｰ､`l、f＝ｧ .,ﾍ';:/'ﾞﾍﾞｭ)
　/::i::::::::::::"'弋'!ｰ',イ>|'_ノ´｀ｰ -,,＿ _
. }:::ﾞ|::::::::::::::::::::~ﾞ:_戈;f"　 、　　　 ｲ/ `i　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／＼
/:::::::!;:::::::::::::::::::/',r.ﾃ　　　 ＼xｰ.ｫ､__ノ　　　　　　　　　　, -─､　　／ ＼　 ＼　　　　　あー、はいはい。
::::::::::::ヾ!:::::::::::::l .l r'　　 `　､_冫y"　　　　　　　　　　 ／　／（ _＼ ＼　　ｍ／　　,- ､　　きのせい、きのせい。
:::::::::::::::::＼o:::::l .ﾄ、　 ヽ,＿ﾉ"ｰ'　　　　　 　 　 　 　 |　／（　l＼ノoヽ `/__ﾉ　　　 | 　|
:::::::::::::::::{::::{＼代 l>ｰ､,_ノ　　　　　　　　　　　　　　　|　＼/＼ノ ／| l /　/ /￣|￣__ノ
::::::::::::::::::}::::|　| iｰへ::::::＼　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 /＼(＾　　　(~ｍ)＼/ /　./⌒ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |　　 ` ` ─ i＾─| 　 /＼/　|─|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ＿＿＿／＼ノ　 /　　 ∨|　 |__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(⌒)(⌒)(⌒)　　　` ┴─－' (.＿＿)
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼二二二／|￣|







そこで若君は知らぬ存ぜぬをきめこみ、この話をもみ消すつもりですね。






560 ：１[saga]：2009/12/30(水) 20:47:30.15 ID:Es8NLfAo






:.:.:.:／イ:.:/:.:.:l:.:.:.:.:.:.:l!:.:.:.:.:.:/:.:./:.:.:／　:.l:.:.:l:.:.l:.:.:.:.:ｉ:.:.:.:.:.:.:.| ヽ:.:.l
:.:./ /:.:.ｉ:.:ｉ:.:.:.:!:.:.:.:.:.:.lｉ:.:.:.:.:/:.:.ｨ￣ﾒ　　 :.!:.:.l:.:.l:.:.:.:.:l:.:.:ｉ:.:.:.: !　ヽ:.l
:.:.{　ｉ:.:.:.!:!:.:.:.ｲ:.:.:.:.:.:l:.l:.:.:.:.l:.:/.l:.:/ 　 ＼:l:.:.:l:.:ｉ!:.:.:.:.l:.:.:.l:.:.:.:.|　　 :|
:.:.:ヽヽ ﾉ!:.:./:.!:.:.:.:.:.:l:.:!:.:.:.:!:'　l:/ ‐‐ト､　l‐､!:l:l:.:.:.:.:l:.:.:.!:.:.:.:.l　 　 !
:.:.:.:冫 =l:.:.ｉ:.:.l:.:.:.:.:.:l:/l:.:.:/　 .l' 　ヽﾑｼヽ! ｉ:ｉl:.l:.:.:.:.ﾊ:.:.l､:.:.:.:l　　/　　　　しかし、元茂さまへの嫉妬に眼がくらんで、
:.／:/ー:.:.:ll:.:.:!:.:.:.:.:ｉ'　l:.:l　　 ｌ　　　　　 l::l:.:!:.l:.:.:./ l:.:.'　､:.:.l　　　　　　 将軍のご内意をもみ消すことが
／l:'　　ｉl:.:l !:.:.!:.:.:.:! 　 !l　 　 !　　　　　 l:!:.:ｲ:!:.:/　l/　　 ＼!　　　　　　どれほど危険なことかわかっていない。
　/　 　 !l:l　!:.:.l:.:.:l　　 !　　　　　　　 　 ',://'.:.:'　./　　　　 丶__
　{./　　　!:.　!:.:.!:.!　　　　　　　　　　　　　､／　 '
　/　　 　 :.:.:､l:.:!:!　　 　 　 　 _　__, ‐‐　 ´
./　　　　 :.:.:,.‐l:.!　 　 　 　 　 _冫'
　　　　.-‐ ' 　 ll ＼ 　 　 　 /:.:./
　 ／　 　 　 　 ! 　 `　 _　ノ !:/







宗冬様の後ろには、間違いなく老中伊豆守がいるはず。






　　　　　　　.':.:.:.:.:.:.|:　.:.:/:.: .:./:. .:.:.／i:.:.: .:. ./:.:.:.:.:.:.ヽ､ ヽ:.:.:.:.:.
　　　　　 　 l.:.:.:.:.:.:.l :. .:.l:.:.:.:./ :.:.／//l:.:. :. /:.:.:.:.／:.:.:.∧　＼:.:.
　　 　 　 　 |.:.:.:.l.:.:.|:.:. .:.|.:.:./:.:.∠_//_.|:.:.:./.:.:.／ /:.／ヽ:.ヽ　｝:.:
　　　　　　 ,':l:.:.l＾l:.:.l:.|.:　l:/ｲ＜ヽ､/‐､|:.:.:.レ'´／:／l　 |.:.:.|　 |:.:
　　　　　　/:.|:.:.}｝|.:.|:.|.:.:.|､｛ｒｆ夊仏＼|:.:./rフ´／＿.|　 {:.::.|　 |/
.　　　　　/:./|:.:.|　l.:.l:.|.ﾄ:.'.￣￢‐┴ヽ',:./／‐´ ＼_/　　ヽ_l
　　　　 /／ }:.l:ヽrヽl:.l:.ヽ:ヽ　　　　　 ヽ,　,}＼　　　　　 　ヽ
　　　／´　 .':.ﾊ.:.{=l:.'.:.ヽ:.',-＼　　　　 ｛_￣￣￣ヽ　　　　　　',
　 　 　 　 /:/　}:.:|ＦT〕､:.＼　　　　　　　 ヽ￣ヽ　　　　　　　　l
　 　 　 　//　/|:.:l|{≡}|ヽ-､＼ ､＿_ _　 / .| 　| ',
　 　 　　/´　　 l:.|}:|f i:|. ＼　　　　___　¨ヽ { 　l　',
　 　 　 　　　　/´l:ﾊヽヽ､　＼　　　　¨ 　　｀才:.ﾊ
　　　　　　　　　 ﾉ _}:.:|＼＼　＼　　　,　' ´/:.:./ /,ヽ
　　　　　　　　　　 }二二匁≡⊃＞＜ｦ‐≠ｫ{! ./´　 ＼
　　　　　　　　　　/:∧: : / /: : ￣７ /￣￣l ヽ 　 　　＿〉_＿＿
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＿＿＿＿＿ ／ 《〈〉》 l　{ : : : : {　{＾}} }{}ヽ＿　 　|＿＿＿＿＿
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鍋島屋敷では知らぬ存ぜぬで通る。
しかし、老中の命で派遣された宗冬様をどうなさるおつもりか。







562 ：１[saga]：2009/12/30(水) 20:49:24.15 ID:Es8NLfAo






　　　　　　　　　　　　　　 　　／: : : : : : :　,.-. . . .､::::::::::::::::::::::::. - ´
　　　　　　　　　　　　 　　／: : : : . : . : : ./: : : : : : : ` ､:::::::::<´
　　　　　　　　　　　　　／: : : : :.:::::::::::::::::| : : : ... : : : : : :`､:::::::::､
　　　　 　　 　　　　　/: : : : : : : : : :/: :＼} : : : : :::.. : 　 　 :l:::_::::::｀､
　　　　　　　　　 　　/: : : : : : : : : /: : : : |.::､: : : : : :::`､ . : ::l::､`､:::::l
　　　　　　　　　　　|: : : : : : : : : : |.: : : ::::::ｒ:ヽ :::..　 ::::::.ヽ: : :l:ヽ . ､:|
　　　　　　　　　 　/::ｨ: : : : : : : : :| : : : |: ::|.　 ヽ.:ヾ.: :::::::::::`､::ﾄ:l　 l|　　　　宗冬様が勝茂と接触なされば、
　　　　　　 　 　　／|: : : : : : : : : |: : : ::| ::|　　, -､:::ヽ:::::::::::::|:::::|゜　　　　　 すべての目論見が破綻するでしょう。
　　　　　　　　　　　|/|: : : : : : : : :|: : :::ヽ､::l'´ 　 .＼:l `_､::::::|::::|
　　　　　　　 　　 　|　{:.: : : : : :: : |: : :::::| |::{ ,ｨ｡升　`　{::,'`､|::::|　　　　　　 そして、自分は預かり知らぬところでおこった、
　　　　　　　　　　　　.冫: : :, -`､.::| : ::::| ヽ:|.｀ ´ '　 　 `ヽ　i:亅　　　　　　 と釈明する。
　　　　　　　　 　　　　'ｵ.:::::{ 舍k ＼: ::|　 `　　　　　　,'l´　|/
　　　　　　　　　　　／|,':::､.:`､_少　`、::|.　　 　　 __ . ｨ`|　　　　　　　　　　あわれ責任者である僕は、
　.　　　　　 　 　　.|　 　／::::_::::::::,l＼`l:|　　 　￣-ｬｨ'　　　　　　　　　　　　若君より切腹を申し付けられる……
　　　　　　 　　／　i　 　￣` ､ `:/ 　`.l:ﾄ.､ 　　　　/
　 　　 　　　／ 　　 ヽ　　　　 `　、　 .:l|::/,ゝr-－'









　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ..- ､ , ...―――､
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／::::::::::｀:::::::::::::::::::::::｀ー､
　　　　　　　　　　　　　..≦≧{｀ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　 　 　 　 　 　 　 　 /´　/::::::|:::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　 　 j:::::::::::ｉ:::::::::::｀ヽ:::::::::::::::ﾊ::::::::::::::::::::::::::..､
　　　　　　 　 　 　 　 　 ' : / ﾄ:ｌ::::::::::::::::::＼:::::::::: :ｌ::::::::ｉ::::::::::ﾍ::::ﾄヽ
　　　　　　　　　　　 　 / /:ｌ:::| ﾊ:ヽ:＼:::::::::::ヽ::::::: :l:::::::|:::ｉ::::: :ﾊ::ｌ
　　　 　 　 　 　 　 　 /::::l:::|ｉ |　 ヽ!＼斗≦＝-:::::::ｌ::::::ｌr‐､::ヽ::Ｎ
　　　　　　　　　　　　|: 小::|:lﾊ‐匕ヽ 　 　 x=ミy::: :ｌ:::::ｌくヽ} ハ!
　　　　　　　　　　　　|′ﾊ ! ｌ::ヽｧ=ﾐﾊ　 ´　　 　 ヽ:!::::;r '/::ｉ
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |ﾊ:|ﾍ:ハ.　 }　　　　　 　 |: /ｧ<:ﾊ{　　　　　　「それもいいかもしれませんね」
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |! ﾊ 込　ゝ 　 　 　 　 |//　 ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 |! 　 >‐､‐　 ´　 　 　 ／　〉､
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 _rﾆﾆ､ヽ_ヽ.._　.イ　.イ　　/:.| ヽ
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 r' ―‐､ } } }　 />‐〈.　 　 ／:.:.':.:.:.｀:...､_
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｌ　　 〉」」‐'7／{':::::∧　／:.:. :/:.:.:.:.:.:.:.:.―丶
　　　　　　　　　　　　　　　　ｌ　 　 }　　 ﾊ:/ 〉 ｲ　∨:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
　　　　　　　　　　　 　 　 　 j　 　 　 _ノ:./ /: ｉ 　 ∧:.:.:.:/:.:.:. :/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾍ
　　　　　　　　 　 　 　 　 ｧ/　 ー‐ /ヽ / /::::ｌ　 /:.:.ヾ‐':.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:',
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563 ：１[saga]：2009/12/30(水) 20:51:14.87 ID:Es8NLfAo






ふふふ、まるで賽の河原の石積みですよ。
せっかく積み上げても、何度も本人の振り回しによって崩されてしまう。
それに、長年の財政対策のための倹約や奮闘も疲れてきました。






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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ／　　　　 __ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　 　 　 　 | 
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i　　　　　　 |-||
　　　　　　　　　　　　　　自覚がない→　　　　　　ヽ　 　 　 （||　|　/＾ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼∧／ 　 ノ /ヽノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　, ─/￣￣`─ ´　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　 /　　　　 ,-─
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 （￣ﾉ/　　　　 /　 　 －､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ￣ |─── |─┬┘　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/// 　　ヽ＿_＿ﾉ─┴ ､__ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　///　　　-､＿/　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 /　　　|　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 （__ノ￣￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　///　　　　　///
　　　　　　　　　　　　 　 /|　ヽ　　l　　/　　　　　　///
　　　　　　　　　　　　　 /__|　　＿　　　　　／
　　　　　　　　　　　　　//Ｏ/ｌ_ｌ＿ヾ二ヽ ＿_
　　　　　　　　　　　￣|ｌ二 ｌ∠/◯/ｌ二l/＿/l ＿
　　　　　　　　　　　　 | /(__) く (_ )ヽ/（__ﾉ/ｌ/○/
　　　　　　　　　　　　 |ｌ二二ｌヽヽ／l二二l/　￣　　ガラガラ……
　　　　　　　　　　　　 ´
　　　　　　　　　　　　　　　/　　　ｌ　　　ヽ
　　　 　 /ヽ　　,
　　　 /´　　｀´ |　　　　　　/ヽ_____／l
　　　 '､ 　 　 　,l　　　　　 /　　　　　'､
　　/￣　　,_,..ノ　 　 　 　 l　　　　　　l
　 /　　　　'､　　　　　　　_,ゝ　　　 _,.ﾉ
　/　　　　,　ヽ　　　　　ｌ´　　　　　 `ヽ
　|　　　 /`ヽ､`'‐‐-､　_|　　　　　　　　|
　ｌ　　　'｀　　 `￣_,.'　ヽｌ　ｉ　　　　　/ ｌ, 、
　 ヽ､＿_,.　-‐ '' ´ 　 .ヽ`' |　　　　 ｌ.,_,! /
　　　　　　　　　　　　　 ヽ '　　　　　　/
　　　　　　　　　　　　　　 `､.,____　　,. ′






564 ：１[saga]：2009/12/30(水) 20:53:19.98 ID:Es8NLfAo







　　　　　　　/:::::::::::::::| : :! : : : ﾄ : : : : | : : : : :｀､ : : ! : : :`､
　　　　　　　}:::::::::::// | : ﾍ : : ｉ ヾ : : ヽ : : : : : | : : | : : : :ヽ
　　　　 　　/:::::::::l::/　| :{ ヽ : :ｌ　 ＼ : ヽ、: : : :| : : | : : : : :ヽ
　　　　　　/::/:::/:/　　|:|　_ヽ : !＿__＼ :ヾ : : : :! : | : | : : : :|
　 　　　　/::ﾙ:/|::ｉ＿,.イ:| 　` ヽ氏刀ﾌ ＼|:＼: ! : | : :| : : : : |
　　 　 　// |:::||/:l弋勹! |　 　　ヽl￣　　 i : : :ヽ:!:|二ヽ : : : : |
　 　　　/　 }::/|:::::| ￣ﾉ　　　　　　　 　 　| : : : ヽ:| ソ/ : : |ヽ:|　　　　　「いっそ、腹を切った方がどれほど楽になるか」
　　　 　　　|:|　|:::::l　 ヽ､　　　　　　 　　 /| : : : |ヽ// : : :|:|　ヾ
　　　　　 　|　　|:::ヽ　　＿_＿ 　 　　 　ﾉ ,l : : : ｒ´/| : : :/}:l
　　　　　　 　　　!::::ヽ　 ￣￣´　　　　　.ｫ : :,/ |`:´| : :/　|
　　　　　　　　 　|:::i:::ヽ　　´`　　　　.／　| :/ 　| :/|:/
　　　　　　　　　　|ﾍ::} ヽ.　　　　.／　　　|:/　　|/,､{
　　　　　　　　　　i 　} 　 `ー イ　　　　 　　_.／´　入
　　　　　　　　　　　　　　　 　,ﾍ　　 　 _.／　　　 /　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　,/ 　|　 .／　　　　　/　　　|ヽ､.








　　　`､丶: : : : ;;;;;;i　 　 　　 丶: : : : : : : : : ;;;;;;;;;., : : : : : : :
..i`.､ 　ヽ丶: : : :;;;;;;;i　　　　　 丶: : : : : : : : : ;;;;;;;;;;,, : : : : : :
...l b:`:.､i. 丶: : : :;;;;;;i　　　 　　　丶: : : : : : : : : ;;;;;;;;;;;;;,, : : : :
　l.t:::ty:l　丶: : : :;;;;,,i_, - ‐＝＝=====ｯｭｒ｡＿:_ ;;;;;;;;;;;;;;;,, : : : :
　 ``ｫ;;;j| 　丶: : : ::;;;i　:　:　:ｪｫ=-　:＼ : : : : ￣:￣;;;;;;;;;;､;;;;;;,, : :
.　　　　;l 　　丶: : : :;;i:　:　:":　:　　　　＼: : : : : : : : ;;;;;;;;l:＼;;;;;;,, :　　　　　　「だが、自分が死ねば、
＼　 　/　　　.∧: : : ;;i:　_ｨｪｪ､_　　　 　　＼: : : : : : : :;;;;;ヽ: :＼;;;;;　　　　　 必ず後任の留守居が同じ無念をいだくことになる。
　 .＼/　　　/ : :ヽ: : :;;i　:-`´｀≡ｮ､_　 　　　＼: : : : : : :;;;;ヽ:　: :＼
　　　＼　 /:　: 　:ヽ: : ヽ :　｀､　　|;;o｀k‐y-r,,,,_`__､: : : : ::;;;丶:　:　: :　　　　なんとか、この負の連鎖を自分で止めなくては」
　　.　　`<:　:　: 　: ヽ: :ヽ　 　 ヾ､.ヽ;;;ヽ`' ﾉ;;;;'-'''''':＼;;;; : : ;;;丶:　:　:
　　　　　ヽ　:　: 　:　丶::ヽ　　　　｀ ` ｰ｀´."　:　:　:　: ＼; ; ;;;;丶:　:　:
` ､.　 　 　ヽ:　:　: 　　丶ヽ　　　　　　:　:　:　:　:　:　:　:　: ＼;;;;;;;丶:　: :
.　`､:.　 　　ヽ:　:　:　　　丶､　　　　　　　　.　:　:　:　:　:　:　:　＼;;;丶:　:
:　: ヽ:.　 　　ヽ:　:　:　　　 丶､　　　　　.　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　丶`､: :
:　:　ヽ::.　　 　ヽ:　:　　　　 　＼　.　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　 `: :






565 ：１[saga]：2009/12/30(水) 20:54:17.89 ID:Es8NLfAo





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿　＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　　,.　－'´::/::::｀ヽ:::::｀丶、
　　　　　　　　　　　　　　　 ／:::::::_::::::/::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　,.'::::::::／::::ヽ:!:::::::::::::ヽ::::::::::::::::::＼
.　　　　　　　　　　　　　/::::::::/:::::::/::_::::::::::::::::::::',:::::::::＼:::::::｀::....．._
　　　　　　　　　　　　, ':::::::::/:::::::::::::ハ厶:::::!::::::::'.::::::::::::ヽ::::ヽ￣
　　　　　　　　　　 ∠イ::::::/:::::::::|::::厂　　',::ﾄ､::::::ﾄ､::::::::::::',:::::ﾊ
　　　　　　　　　　　　 |::::/:::/:::::_L::l._　　　';l　';::::l　ヽ:::i::::::',:::::::.
　　　　　　　　　　 　 厶'-:';.r|::::::|∨　｀丶　'　 '斗-‐';┼:::::|::|:::|
　　　　 　 　 　 　 　 ￣|::::{　|::::::|　'Ｔﾂト　　 　 ';}ゥＴ'';|.::::::|∧:|　　　やはり、こんなとき頼りになるのはやらない夫でしょうか。
　　　　 　 　 　 　 　 　 l∧ヽ|::::::|　 ｀¨´　　　i　　￣　ハ::::|　 :|
　　　　　　　　　　　　　　　ﾍ:',::Ｎ　　 　 　 　 }　　　　|:::ﾊ: !
　　　　　　　　　　　　　　 _,.ｲヽ!ﾍ 　 　 　 　 ′　　 /l/　l;′
　　　　　 　 　 　 _,.．-　´　 !　|　',＼　　──‐　 , 'ヽ､
　　　　　　　,.　'´　　　　　　|.　|　 ヽ ＼　　　　／　|　 ｀　　._
　　　　　 ／　　　　　　　　｜　!　　 ＼ ｀　-イ　.|.　|　　　　　｀ヽ.
.　　　　 /　　　　　　　　 　 l.　 |　　　　＼ ／ 　 |　｜　　　　　　ﾍ








　　　　 l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ､:.:.:.:.:.｀ヽ:.:.:＼:.!ヾ!:.:.､:ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
　　　　∧:.:､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼､:.:.:.:.:.＼:.､ヽ:.:.:ヽ:.',ヾ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:._ヽ. ＿
　　 　 l:. ',:.:.ヽ:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:.:＼:.:.､:.:.:.ヽ:.ヾ､:.:.:ヽ!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ￣
　　　　|:.:.:',:.:.:ヾ ､:.:.:.:＼＞:.:＼:.｀:.:.ﾐ:､:.'r‐､:.:.!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: ﾄ:!
　　　　l:.ｉ:.:.',､:.:.ヽ ヽ／:.＼:.:､:.:ヾ:.:､:.:.ヽヽヽヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l }
　　 　 ':.,l:.:.:.',ヽ:.:.:V　｀.ィ ､ヽ､:.ヾ:.､:｀ｉ:.:.ﾐヽ} }:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l　　　　　「さて、届くかどうかわからない
　　　 ':/ l:.ヽ:.＼ヽ:.:ヾｆy　　ヾ､ｰ､:.ヽ:l:.:.ｉ >メ:ｉ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: l　　　　　　やらない夫への文でも、書いてみましょうか」
　　　'/　 !:.:.lヽ:.:.ヽ:.:.ｉヽ　　 　 ヽ ｉヽ:.ｉ:├ ':.:.l:.:.:.:.ｉ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l
　　ノ'　　 :.:.:l　 ヽ _:/　　 　 　 　 !:.:!':.:l　　!:ｉ:.:.:.:.l:.:.:.ｉ:.:.:.:.:.:.:!
　　　　　　ヽ:!　　 ノ 　 　 　 　 　 !:.:.:.:!　　l:!ヽ:.:.:!､:.:!､:.:ｉ:.:.:.ヽ
　　　　　　　 ＼ 　 ｀ .┐,　ﾌ 　 　 !:.:.:!　　 ! 　 ＼ ＼ヾヾ:.:.!｀ヽ
　　　　　 　 　 　 　 　 　 t _　　 　 !:.:!　　　　. .　＜　 ∧ ｀ヽ _
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ヽ　　.ィ∧ . . ´／　　　　_　.>._
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ´ ｉ:.ｉ／ : ／　　　才´　　　 ｀ヽ
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／l ｉヽ／　　 ／　　　　匕´　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　_..イ ζo:ハ　　 / 　 ／　　　　　　　 ＼
　　　　　　　　 　 　 ,　 ‐ ´< 〃:j: ,　　ヽ￣ 　 / 　 　 　 　 　 　 　 ヽ
　　 　 　 　 　 　 　 l　　　イ / : /　　　 '　 才　　　　　　　　　　　 　 ｉ






567 ：１[saga]：2009/12/30(水) 20:56:12.00 ID:Es8NLfAo






＜江戸　　鍋島中屋敷＞






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568 ：１[saga]：2009/12/30(水) 20:59:08.49 ID:Es8NLfAo






鍋島元茂は、この当時、剣号を月堂と名乗っていた。







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　　　　　　　 ／ク/　　　　　|l　　　 'i|ミ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;;ﾐ
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　　　　i　　　 i:!　｀l　 / 　 　 |l　　　　:; l| 　 ルﾉ /;;;;ヾj　　　　　「うん……、うん……」
　　　　l　　　 i:!　　!, ′　　　|l　 　 　:;　i!　r､ _ノ;;;;;;;;;;|
　　　  　 　|: 　 く､、_,　　 |!　　　 :;　 ;' ﾍ;;;;;;;;;;;;;;ﾉ
　 　 　 　 　 　　 ',　 ､_ _...!＿　　:;　　! ;'　　!;;;;;;;;;ﾘ′
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　　　　　　　　　　 　　', 　 　 　 　 :; ／　　　 !ﾘ八
　　　　　　　　　　　　　', 　 　　 　／　　　　 _,,,.､ゝr=ニﾕ
　　　　　　　　　　　　　 '､_＿_ ／ｒ=＝＝'''"´::::::::::::::::::::::|
　　　　　　　 　ｒ====＝＝＝i　　｀i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::__:i＿

　　　　　　　　【小城藩家老　　村川伝右衛門】







569 ：１[saga]：2009/12/30(水) 21:00:26.06 ID:Es8NLfAo






　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _＿__
　　　　　　　　､ 　　　 　　´ 　　｀´￣ ‐-｀丶、
　 　　　　　　 （(≧ｰｧ´　／　　　　　　　　　｀丶、
　　　　　　　　　＞'　 ／　　　　　　　 　 　 ｀丶、丶.
　　　　 　 　 　/　／/ ／　ー=≠ｧァ´　{、　 ､　 ヽ　ヽ、__ノ
　　　　　　　　ﾚ/ ﾚ' / / 　 ／　/ /　　ハヽ　 ﾄ､　 ＼ァく´
　　　　　　　　 〈　ﾘ / /　 /__ ノ {// //{　{＼V　 l　 i ﾄヽ ヽ、
　　　　　　 　　 ヽ{〈丁７7iTく　 //V斗ﾍ.ムｲ} 　 }　 l l 　 ⌒´
　 　 　 　 　 　 _ノ　ヽ〈 {｛ !　ヽX{ ｰｧｆｧァﾄﾉﾒ、 /　//{
　　　　　　 　 ｀≧ィ′　 ﾄﾄ＼__{ ｀　{:{fｯ' i{乂イ イ´ _ﾉ
　　　　　　　 　　　{　// /{⌒i　　　　｀~｀ 　 ハﾄ､(_　　　　「月堂殿、これは鍋島家だけではありません。
　　　　　　　　 　 ,､Vハ(メ、 {、　　　　　　　{ ´
　　　　　　　　　/　 丶、i 　 　 ＼　　--‐ｧ '´　　　　　　　わが柳生家にとっても、めでたきことでございます」
　 　　　　　　　/ヽ/ 　　｀}}ー―r‐{ﾄ､_　 ´
　　　　　　　　/ヽ/ /ヽ、 ｣j 　　/ /ハー -- 　､
　 　　　　　　/　 　 ′　/ /｀¨¨~７ﾊ　　　　　　 ヽ
　 　 　 　　. ´　　　　　 ｀７7¨¨7¨{廴　｀ ー- ､ 　 ﾄ､
　 　　　／　　　　　　　 //　 く　　｀丁 i{ﾞ~｀ヽ　Vノ　＼
　　　 /＿＿＿__ 　 　 //　　 〈　 　 仁i{　　 }}　 ﾒ、　　丶、
　　　{, -‐‐‐‐-- 、⌒´ｲ　　　　}　　 仁i{　　 lレ'　 ＼　 ﾉ ﾉヽ、








　　　　　　　　　　 ';::::;' ,-'´ ＞ ､::::::::::::::::::::;;;､－' ´ヾ、　　/::::
.　　　　　　　　　　 ,,-"　,,‐"　　 ヽ､;:-1''´　　　　　　ヽ　/::::::
　　　　　　　　　,,-" i　,,"　　　　　　　l 　　 ,　　　 　　`､ゝ､::::
.　　　　　　　,,-"　. /,,''　　　　　　　　l　／　　　　　　　 ヾ　 `
.　　　　　　,,-　　　ヽ''__　　::ヽ　　　　l,/　　　　　　　　　　'､
　 　　　　,." 　　　 ,,ﾞヽ, ﾐ､、:::}　　　　l　　　　　_,,----ミ　 '､
　 　　　,.'　　　　　,'　 i ヽミ'.､、　　 /.l　　_,,,､-;=;;==‐,z　　 '、
　　　　,′　　　　,'　　l　 ヽ`='ゞ、ヽｰ'ｲ''~ヽｰ`='--イ　　　　'
.　　　 '　　　　　 l!　　 l　　　／/　　　 l! ヽ、　　　　　　　　 .'　　　　「誠に」
　　　,′　　　　 l!　　　',　　　 /　　　　ﾞi　　 ヽ､　　　　　　　'
.　　 ;　　　　　　l!　 　　'､　　/　　　　 　ﾞi　　　　　　　　　/:. i
.　　 ;　　　　　 .l!　　　　 '、 /　　　　　 　ﾞi　　　　　　　 /:::　l
.　　 i.　　　　　 l!　　　　　'ｙ　　　　　　　　ﾞi　　　　　　/:::　 i
　 　 ',　　　　　 ',　　　 　く __ ＿　　　　　　ﾞi　　　　　i:::.　 iﾞ
　　 　'､　　　　　',　　　 　　ヽ　　　　　　　　ﾞi　　　　 i:::　/
.　　　　　　　　 　',　　　　　　'､ ヽ-‐‐‐‐---一
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部屋にいる三人の胸中には、ある思いをうかばせていた。






570 ：１[saga]：2009/12/30(水) 21:01:20.24 ID:Es8NLfAo






○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・






柳生宗矩の次男である柳生友矩。
早くから将来を嘱望され、寛永４年から家光の小姓を務めるようになった。






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　　 　,　　 　 ／　　　　　　 __　　　　　　`ー '´/　　,
　　　l ヽ、__'　　__　 　 ,-''´　 ｀　　　　　　ー''-‐ニ l
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　　　 　 ,!:::　lヽ ﾍﾆ､ 　´ 〃ゞ='''|:::. |l'ノ　　__ﾆ-'´
　　　　ノ !::　|::::ﾍ. ﾞ=' 　 　 　 　　|::: || i､lヾ-
　　　ｰ=-'|::　!:::| ﾊ　　､　 　 　 　 |:: l| | '__
　　　　　　l::. |:::l'_='` , 、ｰ-　　 ／|: |!,」' ,,｀
　　　　　　 l:: |::| 　 -'='''｀＞=,.´-' l: l=''"　|
　　　　　 　 l:::l::!　 　__　(__,,,.-''''"/,'　　　 {
　　　　　　 　';:::l　, ´　／`}　　　/'　　　　｀ -
　　　　　　　　ヾV　 /　 ／⌒ヽ、　　　　　〃"`ｰ ､
　　　　　　　 　 lヽ ,!-='ｰ- ..,,,,_　',　　　　〃　　　　 ヽ
　　　　　　 　 _,,l／=-　..,,__　　 ｀ﾞﾞ'‐､_　 |l　　　　　　 i
　　　　　,.-''´　　　 ,　'´　　 ｀ﾞﾞ'''-., ,=､ﾞ, |l　　　　　　 l
　　　　i:.　　　　　, '.:.　 　 　　 　　 ﾞ､=''　|l | 　 　 　 ,'
　　 　 l:::... 　　..::l..:::::::.....　 　 　 　 　'　　ヾl　　　 　,'
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　　　　 ｀ ､_:::::::::::ヾ::::::::::::::::::::::::::::.....ﾉ　　 iｰ-‐_''´- ',!
　　　　　　　/7´￣｀ ｰ　 　＿_ , 　'　　　 |￣　　　 /
　　　　　　 //　　　　　/　　　 　 　 　 ／l 　 ヽ 　 l

　　　　　　【家光の小姓　　柳生左門友矩】







友矩の母親はお藤といって、百姓の娘であったが肌が透けるような白さを持った、たいそうな美人だった。
友矩は、その母親によく似た美しい武士であった。






571 ：１[saga]：2009/12/30(水) 21:03:02.52 ID:Es8NLfAo






家光が友矩を寵臣としたのは、その透きとおる肌をもっていたからではない。






　　　　　　　　　　　　　　 ,　 -‐　､　 ＿
　　　　　　　　　　　　,ｨ'". : : :.:-‐-､｀: : : `ﾄ､
　　　　　　　　　　　/: : : : : : : : : : : ヽ: :;-ー､ヽ､
　　　　　　　　　　./ : : ,ｲ: : : :.:〆ﾐヽ、i:: : : : :..｀lﾍ
　　　　　　 　 　 ./: :／i: : : : /'¨¨''''ｰ-ｚ''"ﾞ1: : : :l.ヽ､__)）
　　　　　ー-‐=彡〆ｰl: : : :/‐-　_　　　 ｀'‐|: : :.:.i::ヾー'
　　　　 ヽ､　　 ,ノノｒ^i:.: : /ﾗｆn､　 ｀''‐ ､_　,|: : :.:.|: :.:',
　　 　 　 `ミﾆ彡'ﾞ: :!{,|: : ;'7::::ﾟiﾍ　　 ,ｨ'ﾆ二ﾞ|: : : .!: : ::ミ=-ｧ'
　　　　　　ヾt二彡' ｀!: : i｀￢"　　　 ｲ:::ﾟ} 〉|: : : :l: : ::ミ彡'
　　　　　　　 `ｰ=ﾆz_|: : i　""　　 l　 ｀`'" /!: : :.:j: :ﾐフ´
　　　　　　 　 　 ﾐ三ﾑ:: ﾄ､　　 __ ' 　 "" / l: : :.;ﾊ＾ヾ､_,
　　　　 　 　 　 　 ｀Ｚﾊ ;|　ヽ　　｀._,　 イミ.j: : /ゞﾐ､_
　　　　　　　　　　　r=ﾍＴ¨¨¨¨¨`´'ｰ=_ﾐ､ .l: :/｀¨¨''´
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　　 .,　-一ー―-ii┘ｰ -ﾍ　-,:､ -一l_,,_ ﾉ'ﾞー￢ｋ
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　　',　　 　 　 　 |!　 ＿ ∠　 ー一｀-　　__ヽ　,　　 i
　　 ',　　　　 ､　|!(O　　-　―::;::::::::一::;:-:.ﾟOヾ,　　｜
　　　',　　　　 ヽ|／ . . 　 　 . . :ヽ:::::; ':　　 . . .｀ヽ　,|
　　　 ',　　　　 f′ . . . . . . . . . :.:..｀´..:.: . . . . . . .:.ヽ|-､
　　　マ￢ー- ,!::. :. . . . . . . . . . :::: .:. :. : : : . . . .:.:.:.::} /
　　　　ヽ￢ｰ-ﾑ:.:.:.:.:.:.:.:.: .:.:.:.:.:.:.:.:.;'ﾞ':;.:.:.:.:.:.:.:. .:.:.:.:::ﾑ′
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　　　　　　　　',　　　 ﾍ　(O　　 _＿＿__　　 O)!｜
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　　　　　　　 　 }ﾐ､',,　j　 _」| :::::::::::::::::::::::::::::::」l､!｜
　　　　　　　　 l　　　/　（Ο二二二二二二Ο）｜
　　　　　　 　 l　 　 /　　/ﾌ￣￣￣￣￣￣丁ﾍ｜
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　　　　　　　 l　 ,ノ　　Ｚ　 　 　 　 {!　　 　 　 Ⅶヽ
　　　　　　　l,／　　 Ｚ　　　　　　　｀　　　　　 Ⅶハ
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　 　 ./^　､　_　〃､ ヽ　　　　　　　　　　　/　＿ｲ|　j､
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　　ﾊ　　　/ /　　　￣｀　ー7´r――一1「 |f´　　| |　|
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　　 ',　　　　||　　　　　　　　｀ｰ―一''´　　, '　 l|　/







両親から疎まれ、肉親に裏切られた家光にとって、友矩は心を許せる数少ない味方の一人であった。







573 ：１[saga]：2009/12/30(水) 21:04:37.13 ID:Es8NLfAo






　　　　　　　　　　　　　　　ヽ::ヾ.､::::::::::::::/: : : : : : : : : .:/三三ﾐ､ : : !: :／彡三三ミ:､:､ : : : : : : : : |: : : : : :ヾ､:::,. ィ'"
　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ:::::`::::::::/: : : : : : : : :.::/二二¨ﾞﾞ≧､_∠彡メ斗"メミミヾ.: : : : : : : : :|: : : : : : : : ヽ.
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　　 ,.イ¨ﾞヽ､.:::::/:::::/　　 ,|: :,ﾚ-─‐､./::::::::::|　　　　　_メ_.. イ >､　　　　　　　　/: : : ::／／ミ､::::::::＼
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　 ´ ﾞヽ､::＿__:::::... 　ν ...::::::::／//´　　　 r＝=､ 　　　　　　 i:::V :::::¨"´　メ: : ／／ 7　 　 ﾞﾞ ヽ
　.:::::::.... 　ﾞヾｫ:::::::　/ .::::::::;イ' / /......　　 　!　〇 ゝ--.､__＿,/::::::7　rｰ‐７: : ／／　 /　　　　　　　　　　　　　　／ﾞ'.,
　､_:::::::::::::::....　 ﾞi: /::::::／:::/ / /:::::::　　　 　＼/:::r'"´　　 ::/::::::/ /:::::::/: ／／　　 /　　　　　　　　　　　　　／ .／ .',
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　:ヽ.＿＿___/:::::／:::::::::/ / /:::::::::::'"|::::r──'　 　 　 　 　 V:::::::::::::::::...＿___,　　　　'.,　　　　　　　 ／　／ ／ 　 　 　 ',
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大和国柳生家の歴史書『玉栄拾遺』には友矩について、

「性質無双文才に富み、又新陰の兵法をよくあつかった」、

「後に必ず股肱の臣となったであろう」

とまで評されている。






574 ：１[saga]：2009/12/30(水) 21:06:13.05 ID:Es8NLfAo






寛永１１年（１６３３年）家光は３万の軍勢とともに京へ上洛する。
　　　　　　　　　　かちがしら
友矩は、家光の　徒歩頭　　の任についていた。







　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ ,. ＿ ＿　　 /　_,. -ｰ　　　　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　 .／／　 ,　　　｀`　 ／-'´￣｀　､　　､ 丶
　　　　　　　　　　　　　　　　/ /　　 λ＝- ､_　　　,,. -=ﾆ::ｰｲ　　 l,　 l,
　　　　　　　　　　　　　　　 / .i'　　/:::::::::::::::::::ヽ､,イ:::;-=::､_:::::| 　 　|　 l,
　　　　　　　　　　　　　　　/　l　　 |彡 ' ￣｀｀｀`゛´´　　　　゛ﾌ　　　|　　l
　　　　　　　　　　　　　　　|　:|　　 {　　　　　　　　　　　　　 / /　　.|　　{
　　　　　　　　　　　　　　 /／l　i　 'l　　　　　　　　　　　　　ハ　　　|　　 ＼
　　　　　　　　　　　　　.／　　　l　　ﾊ, - '￣　　　　　￣゛`'7　{,　 　ﾋ､　　　 ＼
　　　　　　　　　　　 ／　　　　/　　　|　_,. -、　　　　 ,--　､＼ l,　ヽ ` ＼
　　　　　　　　　　　_l　　　　／　　 ノ ´　　　　　　　　　＿ 　 人　 | ﾉ　　l
　　　　　　　　　 ／ ゝ、 .::/　　　 .ｲ　,,=＝ニ　　　　 'ﾆ＝= 、 | |　ν　 ./
　　　　　　　　／　　r-‐‐う__,∠´lﾑ_´ 　 　　　　;　　　　　　　ｿﾉイ　..／
　　　　　　 ／　　　 |　T／　l　 | | ｛:`i 　　　　　'　　　　　 ゝ､ｲ::::;::／l
　　　　　　l　　　　　l　 | _ｲ　l,　|/　l;:人　　　　 ‐_ｰ　　　　／|::://´ /　　　|
　　　　　　|　　..::::::/　´ヽ:::ヽ_ゝﾄ-　|､＼ヽ. _　　　　　 ,. イ|::|::`f_'__, |:.　　　|
　　　　　　ヽ ::::::::::ﾍ　　 ヽ､　 `´::　ﾄ-ﾉ:ﾊ:::::::|＞ ､ r '´ |:::::|::ヽ::::.　　|::　　　|:..
　　　　　　　＞ ‐ ´ﾊ　　　 ｀i　　　/`ヽ､＿:ノ 　 　 　 　|_::::l::::::＼:..　ヽ..:|　　l:::
　　　　,.-‐ ´　　　　 l:　　　　l　　/　　　＼　　　　　　　　`ー‐, ､_ヽ;.　ヽ|　　 ＼
　　 ／　　　,　　 ＿λ:...　　　　人　　　　 `､‐-- ､　　　 ,,...../　　`‐i:: :　＼
　　l　　 ...:／　/´　（(ｿ:::::.　　 /　 ＼　　　　 ＼　 ｀　　´　／　　　 ﾉ:::::　　 l

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【３代将軍　　徳川家光】







576 ：１[saga]：2009/12/30(水) 21:07:04.01 ID:Es8NLfAo






＜駿河国　　久能山＞






そしてその帰途、久能山





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　　癶.:
i;:.f　　　･｡･｡･ ﾟ･｡･｡･｡･ ﾟ･｡　　　　　　　　　 　 　 （}}≡{{）.: .
i;:.l　　ノ　･ﾟ･｡･ｿﾟ･ﾟ･｡･ ﾟ･｡･ﾟ　　　　　　 　　　　.:.／／＼＼:: .　　　　　　　　　　　･｡･｡･｡･｡･ ﾟ･｡･｡･ﾟ･
i;:.i ･ﾟ･｡･,,/⌒´　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　: :／／|:::;;:::|＼＼:: .　　　　　　　　　　･｡･｡･｡･｡･ ･.　･ﾟ･｡･｡ﾟﾟ･｡･｡･ﾟ･
i;:.vﾉf／　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ..／／ﾛﾛ.`-'´ﾛﾛ＼＼:: .　　　　　｡･ﾟ･｡･･.ﾟ･-｡･｡ﾉ･ﾟ･ソゝﾟ･｡･｡･ﾟ･
i;:.rｿ''　　　　　　　　　　　　　 　 　 　: .:;,／／..ﾛﾛﾛﾛﾛﾛﾛﾛﾛﾛ.＼＼:: .｡･ﾟ･｡･_ｿ`⌒´⌒　　　 　＼iiﾟ･｡･･｡･｡
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i;:.ﾉ　　　　　　　　　　　 　: :;_,,-'":　｡ﾟ｡｡･=====================ｿ .｀ﾞ''-､_:: :.　:　　　　･｡･｡･｡･　ﾟ･｡･｡ﾟi;: i;: i;: ･ﾟ･｡･｡
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　　　　　　　　　 　::_,r'": ｡･ﾟﾟ･ Y｡･ﾟﾟﾟ･ﾟ,,r-ゝ､,,_,｡･｡:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ﾞ ''　ｿ　: :.　　　　　　　　＼r'¨･ﾟ･｡･
　　　　　　,､_,,-'',´´　'¨｀｡･ﾟﾟ･,〆''）･ﾟ｡･ﾟ丿::::::::::::ヽ､｡;;､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾞ '''ｰ､,,,､_.　　　　　　)i;:･ﾟ･｡･
ヽ､　　　　＼ｿiiiiii'¨｀｡･｡人..(___ノ´･｡／iiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiヽ､｡ﾟ｡｡ iiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiﾌ.／　　　　　　（i;: i;: ･ﾟ･
i;`ヽ　　　　　＼[ﾛﾟ･ﾟ･ｿ･｡･-ﾟ･__･ノ´ﾛ=ﾛ=ﾛ=ﾛ=ﾛ=ﾛ=ﾛヽﾍ_..｡ﾛ=ﾛ=ﾛ=ﾛ=ﾛ=ﾛ=ﾛ=ﾛ=ﾛ=･ﾟ･｡･｡ﾟ･･｡･　　　　　　　ヽ､i;:
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579 ：１[saga]：2009/12/30(水) 21:08:37.51 ID:Es8NLfAo






　　　　　　　　　　　　/　　　　　　　 　 　 `ヽ
　　 　 　 　 　 　 　 /　 X,r'ミﾐヽ,.:r==ｭ､　　　',
　　　　　　　 　 　 /　 X彡'"´ヾ''"´ﾞﾞﾞﾞ`ヽ　　　',
　　　　　　　　　　i　 W/　　　 　 　 　 　 ',　.:!　!
　　　　　　　　　　|　 .:l ｰ--- 　 ｀ｰ==-‐ l .:l:|　|
　　　　　　　　　　|　 ::l! ,r==:､　　 r＝=ｭ l ::l:|　|
　　　　　　　　　　|　|::ll 〈 ﾋｯﾉ 　　l_ﾋｯ_ﾉ l .:l:|　l
　　　　　　　　　　|.l.:l::l', 　￣　.:i　　　　　|　l:|　!　　　　　　「本日の殿居（不寝番）は、私が勤めさせていただきます」
　　　　　　　　　　|:|::l::l ! ' ' ' '　 　　' ' ' ' ! .:ﾘ.:::l
　　　　　　　　　　|:|::l::小､　　「 ￣ )　 ,.ｲ.:::/.:/!
　　　　　　　　　　|:l::l::l:|:::l::>.､　￣ , イ:::l.::/:/ﾊ!
　　　　　　　　　　ﾘハl:l::::lﾉﾊ､｀ﾆ´　 |::/:/::/
　　　　　　,r…─-‐ｧヽ::::ﾄ､　 ｀7Xく l/´ l/ｰrr──‐ｧ-､
　　　　　 ハ　　　 //　　|　＼ ハ::::ﾊ ／ !　 l| 　 　 ,′ .l
　　 　 　,′i 　 　//　　 |　　　 /::::l　　　l　　l|　　 /　　 |
　　　　 ﾉ　 l　　 //　 　 l　 　 /.:::::|　　 /.　　l|　 / 　 　 l
　 　 　 l　　l　　//　_＿」.　　/.:::::::| 　 /　　　l|　′ 　 ｀`!
　 　 　 |　　',　/,.ﾍ　　「「￣7.::::::::::|　,//⌒ヽ」|/　　　 　 l







　　　　　　　　　　　//　　　　／　　　｀ヽ､,　-－ヘ、　＼　　 i
　　　　　　　　　　/　l　　　　V´¨　　｀　 ｀´－―ヾ=ヽ　　i　　i
　　　　　　　　　/　　l　/　　l　　　　　　　　　　　　　ﾍ　　l　 　i
　　　　　　　　　i　 　V　　　i　＿ ___　　　　　　　 　　i　　ｙ　　ll
　　　　　　 　　/　／　 　/　l´　　 　｀　　　　´｀ ヽ､, /　　ヾ　　l
　　　　　　　　l　/　/ 　/　　j　_--┐　　　　　　　　7　　i　＼　ヽ
　　　　　　　/　i 　l　　/　／　　　　　　　　　/´｀ /　　　ヽ　ヽ　ヽ　　　　　　「ええ、おねがいします。徒歩頭どの」
　　　　 　／　∧　ヽ　i　∧ヾ==＝-　　　　　__　 　ゝ　　　｀i　　〉　l
　　　　／　／　＼ ＼ヽゝﾑ　　　　　　　　　｀ヾ=＝、〉　　　l　人　∧ヽ、
　 　／　/´　　　　J　ヽ｀ヽｔ　　　　　　i　　　　　　　/　l　　／　 ＼　＼　＼
　／　／　　　　　｀-┘i　i　＼　　 　､‐‐-,　　　 　ムイ　　l　　i　　ヽ　ヽ 　ヽ
/　　/　　　　　　 /７　ll //::::::::丶、　 ￣　　 　∠､_∠　　i_,　 ヽ　　l　　l　　　ヽ
　　/　　　　　　/　入、l iv:::::::::::卜＼ __.._　＜:::l　　　l　彡　　 　＼i　　/＼　　i
　/／　　　　　/／　　/ヽ=:::::::::::l　::::::::::::::::::i:::::l　　　iて　i　l　　　　＼/　　l　 　l







580 ：１[saga]：2009/12/30(水) 21:09:31.65 ID:Es8NLfAo








　　　　　　　　　　　　　　　,'
　　　　　　　　　　　　　　 (:'
　　　　　　 　 　 　 　 ',　　)）
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　　　　　　　 　 　 ,'　ﾉし': :ヽ
　　　　　　　　　 （(,ｲ: :　　:: :V）
　　　　　　　　　 ､ゝ: :　　　: :(ﾉ}　　ジリ
　　　　　　　　　　ヽ: :: :i　 : :: :/
　　　　　　 　 　 　 ゝ;:; !:;从;ノ　ジジジ…
　　 　 　 　 　 　 　 |￣￣￣|
　　 　 　 　 　 　 ι|　 　 　 |
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　　 　 　 　 　 　 　 |　 　 　 j
　　 　 　 　 　 　 　 |　 　 　 |
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581 ：１[saga]：2009/12/30(水) 21:10:37.07 ID:Es8NLfAo







　　　　 　 ＼　. : : : : : : : : : : : : : : : :´ ￣￣ ｀ヽ｀丶､
　　　　　　　 ＼. : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : |￣ ｀ヽ: ..ｨイ
　　　　　　　 ／. : : : : : :1: : : : : : : :, -‐‐- ､: : :.!: : : : : ﾄ､イ
　　､ _ ＿ ∠: : :r=＝＝1: : :!: :.!: :./三三ミﾐヽ､:!: : : : : :!: :ヽ､
　 　 ＼. : : : : : :L__＿ _」: : :!: :.l: / ￣￣¨¨`ヽﾐﾚ'彡1.:.:!. :.:.:.:.:.:.:ﾌ
　　　 　 ｀＞. .: l .: : : : l:!: : :!: : l/￣￣｀¨¨ー-- ､｀`1.:.:L. .: .:／
　　　　／　. : : : ／:, :ｲ:!: : :!: : l｀二二ﾆ￣｀`　　 `ヽ!.:.:|　￣
　　 ／ 　. : : :／.:.:.:ﾊ l:.|: : :l: : l云ﾃtrく　　　　∠ﾆ' .:!.: ﾄ､
　∠ _ ＿, ィ´.:.:.:.:./.ﾊ.l.:|: : :l :/辷ﾝﾉﾉ 　　　 ,rﾃﾃ.:.:. !.:.:l.:.:.>
　　　 ￣／.:.:.:.:.:.////l:.|: : :l |´￣　　　　 　 じｼﾞ.:.:.:. !.:.:l'´　　チラ
　　　　　￣￣フノﾉ/l l:.|: : :l |　　　　　　　,:　 ,ﾊ.:.:.:.: !.:.:!
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583 ：１[saga]：2009/12/30(水) 21:11:37.86 ID:Es8NLfAo








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　 　 　 |:ハ::|:::::|:. :|: |: |: : :l|: | ヽ. 　 　ー‐　∠_ﾙi:|¨７::|:: : :|:::. : |　　　　　　　　　　　　　 /　i!::::::::::::::::: ﾘ　　　　　/////　彡:::::::::::
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　／　/　　|/　ﾊ:　|: |: |::. :|　j 　　,.¨=.､_ R､　,ｨ'　　 | ::|:. : :|:. : ∧ ヽ.　　　　　　　　　　　 i,　　　　　ヽ:// i　　　　　　　　　　/::λ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ﾞ------､..｀:::ヽく__ _　　　　　　　i, i |　　
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　...__..ﾉ　::::》:::::::::::｀－--....,イ　 ｝´　　







585 ：１[saga]：2009/12/30(水) 21:12:48.24 ID:Es8NLfAo






　　　　　　　　　//　　/ /´--ミヽ. ／ｨ三ヽ　　 ヽヽ
　　　　　　　　// |　　l /´￣　｀｀ ￣´´ ￣ ヽ.　　l　!
　　　　　　　 i　! :|　　|l　　　　　　　　　　＿　i　　 ! |
　　　　　 　 ｜|| :|! l! l!　 ＿＿_ﾉ/　{／´￣ ｀ l | | | |
　　　　　　　｜|!:l:l/l! |´ 二_￣´ 　 　 _ z=ﾐ、　!| l!l! !
　　　 　 　 　 l l!:|:lﾊ! !7´ ,rcヽ 　 　 ７=c、 ﾄ、|lﾊ!| |
　　　　　　 　 | . |: 　 ﾄ.　 ヒﾂ 　 　 　 ヒﾂ　ﾉ´,|　 l |
　　　　　　　　| : |: 　 | ｀ ｰ ´　 　 l　 ｀ ー'　 /|　 l !
　　 　 　 　 　 ! :.|:.　: ! u　　 　 　 !　　　 　 /.l:　::l!|　　　「しっ失礼しました！
　　 　 　 　 　 | ::l::　: |ﾄ､　　　＿＿＿_,　 .ｲ´!:　:l!:|
　　　 ／´￣‐ミヽ|:　:: |:_.ﾐi..　ﾞー―‐ '´／/:/l:　:lﾊ|　　　　う、上様、どうぞ！！」
　　 /　　　　　　ヽl:　|: ! ヽ＼＞　_,. イ:::/:/:::l: :/!
　　{ ＿＿＿　　　 l: :|!: !　ヽ ｀ -　＿ﾄく/jｲ/.://
{￣＿　　--―　　　ﾄ:{ﾊ.l　　ヽ　　 ,r‐.､{ヽ/:/
´-‐　　　￣￣￣　 バ　ﾄヽ 　 ヽ /ヽ:::.:l!//､ｰv--――-　、
　＿＿　　　　　　　　 |　| i＼　　{- ､ Y:ヽヽ ヽ､＼　　　　　ヽ








　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ /　　 λ＝- ､_　　　,,. -=ﾆ::ｰｲ　　 l,　 l,
　　　　　　　　　　　　　　　　　 / .i'　　/:::::::::::::::::::ヽ､,イ:::;-=::､_:::::| 　 　|　 l,
　　　　　　　　　　　　　　　　　/　l　　 |彡 ' ￣｀｀｀`゛´´　　　　゛ﾌ　　　|　　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　|　:|　　 {　　　　　　　　　　　　　 / /　　.|　　{
　　　　　　　　　　　　　　　　 /／l　i　 'l　　　　　　　　　　　　　ハ　　　|　　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　.／　　　l　　ﾊ, - '￣　　　　　￣゛`'7　{,　 　ﾋ､　　　 ＼
　　　　　　　　　　　　　 ／　　　　/　　　|　_,. -、　　　　 ,--　､＼ l,　ヽ ` ＼
　　　　　　　　　　　　　_l　　　　／　　 ノ ´　　　　　　　　　＿ 　 人　 | ﾉ　　l
　　　　　　　　　　　 ／ ゝ、 .::/　　　 .ｲ　,,=＝ニ　　　　 'ﾆ＝= 、 | |　ν　 ./
　　　　　　　　　　／　　r-‐‐う__,∠´lﾑ_´ //// 　　;　　 /////　ｿﾉイ　..／　　　　　「は、はい！
　　　　　　　　 ／　　　 |　T／　l　 | | ｛:`i 　　　　　'　　　　　 ゝ､ｲ::::;::／l
　　　　　　　　l　　　　　l　 | _ｲ　l,　|/　l;:人　　　　 ( ヽ　　　　 ／|::://´ /　　　|　　　　でも徒歩頭どのからどうぞ」
　　　　　　　　|　　..::::::/　´ヽ:::ヽ_ゝﾄ-　|､＼ヽ. _　　 υ 　 ,. イ|::|::`f_'__, |:.　　　|
　　　　　　　　ヽ ::::::::::ﾍ　　 ヽ､　 `´::　ﾄ-ﾉ:ﾊ:::::::|＞ ､ r '´ |:::::|::ヽ::::.　　|::　　　|:..
　　　　　　　　　＞ ‐ ´ﾊ　　　 ｀i　　　/`ヽ､＿:ノ 　 　 　 　|_::::l::::::＼:..　ヽ..:|　　l:::







587 ：１[saga]：2009/12/30(水) 21:13:09.68 ID:Es8NLfAo







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.　　　 /　|　Ｌ ｧ─＜| |, -`‐── ､ }ｊ:::./ｲ　　　　　／　　　　　　　　　　　{:.:.://.:.∧ 　 }　　　　 ノ小:.:.{:.:.:.:.:.:.:.:}＞､:.:.:.:.:.＼
　　　 { 　 l　l　-─一| |と二二｀ヽ、 l:::〃 !　　　　/　　　i　　　　　　　　　　ヽ{:{:.:.:{:.:.i＞　　t_ァ_,r‐〈}:.}/.:.:.:.:.:.:./　　 ',:.:.:.:.:.:.:.ヽ
.　　　 l　　l　弋¨¨¨¨｣ {と二二｀ヽ　/:/' { {　　　 /　　 　 !　　　　　　　　　 /.ハ、厂i{　　 {Y´} ｜　|Y:.:.:.:.:.:.:./　　　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
. 　 　　l 　 ｌ　/ﾊ｀¨ゝ＿＿＿ノヽ ,ｨ|/　　l l　　 / 　 　,　 !　　　 .　　　　　/:/:／.:{￣ト､　 }　　　　 ﾊ廴:.:.:., '　　　　 |:.:.:.:.｀ヽ、:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {:.{:.:{:i:.:ハ　ヽ ヽ｣　　　 /:.:.:.:.:.／　,　 　 　 }:.:.:.:.:.:.:.:.＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　rﾍ ヽ:.从{:.:.:}　　∨ {　　　{:.:.:.:.:/　 i/　　　　,小、.:.:.:.:.:.:.:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　うふふふふっ！　　　ヽ ヽ_ノ.:.:ヽｲ　　 |//ﾄ､　 ﾉー＜.　/　　 　 //:.:.:.:ヽ、:.:.:.:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／.:ヽ ヽ／　|　　 { { {__／　　　　V　　　　//:.:.:.:.:.:.:.:}＼:.:.







589 ：１[saga]：2009/12/30(水) 21:14:29.38 ID:Es8NLfAo







　　　 　 ＼　　　 ｨ' /　 　,　-─- ､}／　　　 　｀ヽ|　　　　丶　　　　　　 ＼　　　ヽ.
　　　 　 ／｀７¨´ |/　 　 ,レ'⌒^｀｀′　　　 　 ＿_j　　、　　　＼ 　 　 　 　 ヽ　　　}
　　　 , '　 ／ ,　 /　　　 ｌ{　　　　　　　,　'"´￣　　}i　　＼　　 　 丶、 　 　 　 ',　 /
.　　 /　 /　 /　 ′/　　:|′ ＿_　　　　　　　 ＿_/ﾑ　　ヽ丶 　 　 　ヽ　　　　 }　{
　　 { 　 { ／ ／　 ′ 　 ﾚ'´　 　｀　 　 　 　 '} 　 { |　＼　 }　　　　　　 ', 　 　 /　‘ー 、
　　 ,ゝ,　　 /　　 {　　　 {　　.　--､　　　　　 　 _,ﾑL..__ ｀V　 }　　　　　 }　 ／ 丶.　 　}
　　{／　　 {　　{　.　 　　 ､　{　　　｀　　　　 　 ' yキ＝‐ｧ′/ 　 　 /　/　/　、　 ｀い/
　 /　　　　 . 　 、 ､　　 　 ｀ヽ 　 _..二、　 　 　 　 ヽ_／ｲ〃　　 ／　/　 {｛　}i　　ノ)′
.　{　　　　　丶　ヽ 丶　、　 }　}ｙ'"´　 　 　 　 　 ｀７ /／/　　 / 、　}　 ,ハVﾑ∠_,　　　　「私達ったら、
　 ぃ.　　 　 　 >─＼_）'}　/ ,ハ　　　　　{　 ＿　　{,〃／　/　{　 } ,小V/⌒ﾞｰ=ﾆ´　　　　　　なにをしてるんでしょうね」
　　ヽ丶　　／　　　 / /／∨ ,ハ　 　 　 　 V_ﾑ　 l｛/　{　{　ハ ﾉ厶ｊﾑ(
　　　}　}　/ 　 　 ／　'´ 　 { /　 ヽ .._　 　／ ,､ 丶ゝﾝ､ﾑハAノ'´　　　｀丶
　　　 ノ　{　　　/{　 {｛ 　 　 ＞─-、　,二}／　丶.｀く>'´｀V /　　　　 　 　 ',
.　　/ 　 八　　 い　 ぃハ／　　　　｀ﾏ　 {/^ｰ‐-　丶} ｀V /　　　　_　　　　}
　　{　　｛ ハ　/乂 _ノ'　/　　 　 　 　 }　〈r─一　 　 |　//　 　,　'´ 　　　　|








　　　　　　　　　　　 ／::::::::::::::::::::::￣`ヽ::/::::::::::::::´￣`ヽ、
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　　　　　　　　　　|::|::|::|::|:::|:::ﾄ　　　　　　　i;　　　　　,'::|::::|:::i!:::i::!:ﾍ::',
　　　　　　　　　　ﾘ:|::|::|::|:::|:::|ﾍ 　　　__＿_´___　　　/:::!::::!:::i!:::i::iﾄ､ﾍ;',
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590 ：１[saga]：2009/12/30(水) 21:16:27.85 ID:Es8NLfAo







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　　　 | ::l　:::l::l　　｀　‐-　　　　 　　 |::　:::::|:: |l:: l　　　　　上様、どうかお心のままになさってください」
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　　　 |::ﾊ　::l:::l:::::ヽ、 　　 , - '´ / :::|::　.:::l::　| l:|
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　　　　　　　　　　　 ／　　　　/　　　|　_,. -、　　　　 ,--　､＼ l,　ヽ ` ＼
　　　　　　　　　　　_l　　　　／　　 ノ ´　　　　　　　　　＿ 　 人　 | ﾉ　　l
　　　　　　　　　 ／ ゝ、 .::/　　　 .ｲ　,,=＝ニ　　　　 'ﾆ＝= 、 | |　ν　 ./　　　　　「左門？」
　　　　　　　　／　　r-‐‐う__,∠´lﾑ_´ 　 　　　　;　　　　　　　ｿﾉイ　..／
　　　　　　 ／　　　 |　T／　l　 | | ｛:`i 　　　　　'　　　　　 ゝ､ｲ::::;::／l
　　　　　　l　　　　　l　 | _ｲ　l,　|/　l;:人　　　　 ‐_ｰ　　　　／|::://´ /　　　|
　　　　　　|　　..::::::/　´ヽ:::ヽ_ゝﾄ-　|､＼ヽ. _　　　　　 ,. イ|::|::`f_'__, |:.　　　|
　　　　　　ヽ ::::::::::ﾍ　　 ヽ､　 `´::　ﾄ-ﾉ:ﾊ:::::::|＞ ､ r '´ |:::::|::ヽ::::.　　|::　　　|:..
　　　　　　　＞ ‐ ´ﾊ　　　 ｀i　　　/`ヽ､＿:ノ 　 　 　 　|_::::l::::::＼:..　ヽ..:|　　l:::
　　　　,.-‐ ´　　　　 l:　　　　l　　/　　　＼　　　　　　　　`ー‐, ､_ヽ;.　ヽ|　　 ＼
　　 ／　　　,　　 ＿λ:...　　　　人　　　　 `､‐-- ､　　　 ,,...../　　`‐i:: :　＼






591 ：１[saga]：2009/12/30(水) 21:17:18.47 ID:Es8NLfAo






　　　　　　 　 　 　 /:::::／:::::::::::::::::::::::::::::i:::::::::::::::::::::::::::::::::',
　 　 　 　 　 　 　 ,':::::/:::::::::::::::::,ｰ-､､;;_::::::::::_,､-=ﾍ:::::::::::::::',
　 　 　　 　 　 　 ,'::::::i:::::::::::::::::/彡≡ミヾ､／彡三ﾐ!:::::::::::::::i
　　 　 　 　 　 　 i:::::::!:::::::::::::::;'　 　 　 　 　 　　　　 !::::::::::::::!
　　 　 　 　 　 　 !::::::!:::::::::::::::!　 　　　　　　　　　　　!:::::::::::::!
　 　 　 　 　 　 　|::::::|::::::::::::::|_,､‐=＝=　　　　/'''"ﾞ¨`!:i::::|:::::|i、
　　　　　 　 　 　 |::::::|::::::::::::::|_,-ｰ-<　　　　　''ﾌ'ｰ--!::l::::l::::l:lﾍ　　　　　「上様の第一の家臣と自負しておりますこの左門は、
　　　　　　　 　 　|::|::|::|:::::::::::|__,,,,､､_　　　　　 ,r=＝ｭ|::|::::|:::|::i!ﾍ　
　　　　　　　　　　|::|::|::|::|:::|:::|弌心ゝ　　　i　 ,rf近グ:l::|::::|:::|::!i::!ﾍ　　　　はばかりながら、あなた様のお心うちを
　　　　　　　　　　|::|::|::|::|:::|:::|ゞ＝-′　　 | 　 ´￣"´|::|::::|:::!::!i::ﾄ;:ﾍ　　　察してしまいました」
　　　　　　　　　　|::|::|::|::|:::|:::ﾄ　　　　　　　i;　　　　　,'::|::::|:::i!:::i::!:ﾍ::',
　　　　　　　　　　ﾘ:|::|::|::|:::|:::|ﾍ　　　　　　′ 　 　　/:::!::::!:::i!:::i::iﾄ､ﾍ;',
　　　　　　 　 　 /ﾘ:!::|::!::!:::!:::!::ﾍ　　　 ＜二ゝ 　 ／|:/!::::!::::!:::i!::i!::＼i｝
　　　　　　　　 /ｲi!::!::!::!::!:::!::::!::ト＞　　　｀´ 　／| |://!:::!::::!:i:!:!::ﾄ､i＼!
　　　　　　　　_/__ﾘ_!::!::!:::!:::!::::i!:ﾍヽ　 ＞　_／iﾄく! i:/ﾘ:/!::::!::!:!:リﾍゝ !
　　　　　 ／´: : : : : :ﾘﾊ!:::!:::!::::i!ﾍ＼＼ 　 　 / :! :〉/7:/ |:::!:ヽi:!ﾍ/








　　　　　　　　　　 ／: : : : : : : : : :ヾﾚ : : : : : : : : : ＼
　　　　　 　 　 　 /: : : : : : : ,:　- : ､: : : : _,. - ‐ ､: : : :＼
　　　　　　　 　 /: : : : : : ／三ミヾヾ;ヽ/ｼ彡三:三ヽ: : : :ヽ
　　 　 　 　 　 ,': :/: : : :（ 彡 ﾐ ^^`´　　｀ ^'^'`ヽミ:ﾐ:',: : : : ',
　　　　　　　 ,': :/ : : : : : ',／　　　　　　　　 　 　 ヾヽ! : : :l:l
　　 　 　 　 ,': :,': : : : : : : :ヽ _,. - ｰ　　　　 ｰ- .,_　ヽ,': : : | !
　　　　　　/:!: !: : : : : : : : : :ヽ　　　　　　　　　　　｀ l: : : : ! |
　　　　　 ,':.ﾉ: :l: : : : : : : : : : ﾉ_.ィ　 　 　 　 T 'ｰ- _ !: : :l ,': ',
.　　　　　l/: : : l: : .::l: : : : : /　　 ヽ　　 　 　 '　..,,_　', : : ',:ヾ:ヽ　　　　　……。
　　　　／: : : /ヽ .::,': : : : / 　 _,,,...　　 　 　 ヾ＝=ミlヽ: : :ヾ: .:::＼
　　 ／: : : : :,':/::.〉: : : : .,'　彡=＝'"　　　　　　　　　l/}: : : : l:l : .:::丶、
　 /: : : : : : :l/.::/: : .:::l: :!　　　　　　 　 　 l〉　 　 ､ __!/: : : :,'.::!: : :::. : ':,
　,': : ,': : : .:::| :（: : : .:::ヽ::ヽ､_.,　　 　 　 __ _　　　ゝ- : : ／/ .:::',: : : ::. : ',
　!: : l: : : : .:::l : :ヽ: : :人::::::::く.　 　 　 　 ｰ　　 ／/: : :/: / : .::::! : : : :::. : !
　l: : :ヽ: : : .:::ヽ: :/ノ:::::::）:::::::::}｀ﾄ　、　　　 .イ:l::/: l .::,'ヽ!: : : .::::!: : : :l::. : l
　ヽ: : ::',: : : .::::l : .::/::::/:::::::::/::::l　　　｀ ´ 　 !::!{: :! .:::!:. : : : : .::,' : : : l::. : :}






592 ：１[saga]：2009/12/30(水) 21:18:14.13 ID:Es8NLfAo






　　i　　 　　l::::::l　　　　　　　　　　/　　　　　　　　　　ヽ::::　　
　　ヽ　　　　i::::|　　　l　　　　　　　|　　　　　　　　　　　v:::　　
　　　＼　　　ヽ¨´、　　＼_　　 　　|　　　　　　　　　　　:＼:::　
　　　　}丶　　　丶　　　　　｀¨ -　_i　　　　　　　　　　　:::　ヽ
　　　ノ　　　　　　iヽ　　　　　-、_　＼　　　　　　　　　:::　　　
　／　　 　　　　　|　i　　　　 　|　 ｀ヽ ＼　　ボロ　　:::::::　　
〈　　　　　×　　　ﾆ=|　　　　　i　　　　　＼　　ボロ::::::::　　　
　＼　　　　　*　　|　|　　　　彡｀---　____　ヽ　　　::::::　　　　
　　＼　　× 　ﾟへ{ /　　　　　´￣て¨)￣　　} ｘ　:::::　　　　/
　　　l　　　　/｀l　|〈　、　　　　　　　　ﾟ、__ノ　　×　　　　/　
　　しイ l´｀v l　|　| l＼　　　　　　　Ｏ　¨¨´|　　::　　　／　 　
／　　　|ヽ　V　|　トﾍ　ヽ=-　　　　　　　 　ヽ　:::　　　{　　　/
　　 　　|　 ｀l｀´レ　　|　　、　　　　　　　_...　 ＼::　　　Y　/×
　　　 　ト、　へ/ヽ_∠--,　＼_　-－　´＼　_　」　　　　V　　
　　　　r|　ヽ＼ ＼| 丶―i:::::::::::::::::::::::::::::/｀´　　|　／ 彡　　　
　　　　|　| 　v ＼　ヽ　 ＼　,ヘ、_＿-ィ´/　＼／　　　　　　
　　　　|　l　　|/　 ＼　ゝ　｀l　ﾍ/　　/ /　／　　　　　　　　／
　　　〈 |　ヽ　ヽ　　　ヽ　　 |　/　　/　 ／　　　　　　　　　∧








　-＝'ー―---　　 ‐　　　 １　　´‐ ､　　　丶　　　　　　　 　　　　　　　　　　　 __
　　　｀ｰ ､.._　　　|　 _-､　 1　　 　 冫､　　　' 、　　　　 ｀、　 　　 ＝-－‐ ''゛￣
　　　　　 '''' ｀'''''' ｌ ‐　｀ ､ ｛　 ン' " 　 ` ､　　1　　　　　　 ｀、 _､　　　＼
　　　　　　　　　│ ′ 　 ` ヽ 　　　　　　 ＼　'、　　 ヽ　　, ' ..- ' ､､ 　｀' -....、
　　　　　　　　　 ｌ　′　　 '、　　　　,,.‐'´´冫'' ､１　　　1　　ｉ '´　ﾉ　! 　　 　 　`―-、_..　 　　　,
　　　　　　　　　│ ｌ　　　 ヽ 　 ,.‐'" 　.. ''ン'''^ ､１　　　l 　.ｉ 　 l’　/　　 　　　　　　　　｀ー ,ソ
　　　　　　　　　│ ｌ　　　　 ゝ'´､ _..‐´／,..ﾍ"'''ヽ l　 　 l　　l　 ﾉ　/ｌ、　　　　　 , - -‐=‐ー ´
　　　　　　　　　 |　l　　　　　丶_ -　 ｿ.　l:::ゝ}　､ l　　　l　　|　　,,/　 ＼ー―--ミ、
　　　　　　　　　 l　ｌ 　 　　　　ｨヽ、.　 　 |:;::;;〉-' |　　│　 |`''''′　　　 ｀ ､--=--ヾ= ^''''''''''‐　　　　「……お辛ろうございましたね。
　　　　　　　　　　ｌ l　　 　　　　|　}　　　　　　　　|　　│　│　　　　　　　 冫　 丿　│ﾞ ､
　　　　　　　　　　| l 　　　　 　 l ﾉ　　 　 　 　 　 ｌ　　 l　　.l　　　 　　　 ／　 ／ _／.:.:_..-゛‐‐‐　　　　忠長さまのこと。
　 　 　 　 　 　 　 ｌ !　　　　　　/　　　　　　　　　|　　 | 　 」　　　　　.／丶.／ ／.:.:..‐'´　　　　　　　　秀忠公のこと。
　　　　　　　　　 　ｌ |　　　　　 l＞..、　　　　　 　 ｌ　　1　　1　　　 ／ 　.／ ／.:.／　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　 ｌヽ　　　　 ｛ 　　｀ ､ー―　 　 ｌ　　,'　　/＼ .／ ﾞン''　／.:.:.:/　　　　　　　　　　　　そして、お江さまのこと」
　　　　　　　　　　 l ｉ 　　　　 /　　　/ 冫 ､　　　ｌ　　ﾉ　,/　´'< _.. ／ ／.:.:.:.:/
　　　　　　　　　　 ∨　　　　,′　 ,彡'′　 ゝ、ﾉ 　　　 ﾉ　　 　.!'´ ／.:.:.:.:.:.:/
　　　　　　　　　　　! 　　　 　ｌ　　 　 　　／　　 ）　　　/ 　　／ ／.:.::.:.:.:.:.:/







594 ：１[saga]：2009/12/30(水) 21:20:15.09 ID:Es8NLfAo






　　　　　　　 ..´　　　　　　　　iﾞ　ｒ－´｀ヽ..　　　　　　　　｀..　　 　　ﾞ}
　　　　　　　|　　　　　../｀－...　i　　　　__}　　　　　　　　　|__...,　　　i
　　　　　　　i　　　　　{_____......_γ--－　　i　　　＼　　　　丶　　｀´--´｀〉
　　　　　　　|　　　　::i　｀..　　　　　　　　　　ゝ＼　＼　　　 i:::::::::λ_ζ´
　　　　　　 〈　　　;:::::{　＼　　　　　　　　　　｀-...≧　 ｀..　　　　｀－´　｀..
　　　　　　　丶:::::::::::/　　}　　　　　､... －- - -…...,ヽ;:::ヽ　　｀ﾍ　　　　　i　　　「しょ、将軍家なんかに生まれたくなかった！
　　　　　　　　y::::／　　　j_...-´｀..　　　　 ´i￣｀｀ 　　}:::::｝　　　　｀ﾞ...;.;.:　ヽ　　　　
　　　　　　　 /:::/　　　 ィ　_...ィ　　　　　　 ｀ ...____..,　,i:::::i　　　::::〉:::;　　　｀..　　　将軍にふさわしくないことなんか
　　　　　　　/　|　::::: /ヽ　　　 ｀　　　　　　｀＝＝=。}::::|　::::::／j:::::;;　　　 ヽ　　　自分が一番よくわかってる！
　　　　　　 {　;::i:::::《　へ｀ i __.=≠:;´　　　　　　　　　ﾉ:::::/::::::::／:|::::::|::::. 　　 ＼
　　　　　　 i ::::::〉...　ｋ┤　ﾞ...　　　:;　 i　　　　　　∠:::κ::::{::::ﾐi::::::::::i:::.:.:　　　 ヽ　　　わ、私のせいで、多くの犠牲者を出してしまった」
　　　　　　　＼/　i〆｀￣｀つ, 　 ;:　　!　　　　　　　/::::::i::::::::{　ヽ::::入:::::::.:::　　　｀
　　　　　　　　/＼___/｀￣´i__＼..　　　 _-っ　　　／λ::ｌ::::|:::《　 Ψ　 i::::::::::::::.　　　＼
　　　　　　　 { （｀ヽ_｀ﾞ―-(...__　　へ..._　¨　　..／　|::::::::|:::{´｀ヾ　 ＼　＼:::::::::::::;　　　＼
　　　　　　　/　ゝ...　ヾ＝-...　｀ﾞヽ...__＼　─´/´　|::::::::ヽ《　　　　　￣￣｀-..:::::::::;..　　　＼
　　　　　　/　//ヽ..｀ﾟ-...__　　　　　　　 ＼〉　　　　i::::::::::ヽ::::｀　　　　　　　　｀:::::::::::;　　　　＼








　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　 κ´　 l　　　　　　　___......　　　　　　 　|
　　　　　　　　　　　　／　　　　　　 |　　 /　　　　i　／´:::::::::::::｀v´::::｀ヽ　 i
　　　　　　　　　　　/　　　　　　:　　|　　/　　　　　Ｙ‐¨¨´´｀｀｀｀´ﾞﾞ¨　┤　|
　　　　　　　　　　/　　　　　　　::　:::|　/　　　　　 {　　　　　　　　　　 ｉ　　 |..
　　　　　　　　　 /　　　　　　　:::　:::::Ｋ´　　　　　　｀.　　　　　　　　　 |　　　|、
　　　　　　　　　/　　　　　　　:::::::::/　　　　　 　　　},......-¨´　　　　｀ヽｉ　　　ｉ ｀ヽ
　　　　　　　　 /　　　　　　　::::::／　　　　　 :::　　 /　　　　　　　i　　 |　　　　　｀..
　　　　　　　　/　　　　　　　i　::/;;;　　　 　　:::::　_ノ_...┐　　 　　|.. ´} |＼　　　　　　「こ、こ、こんな私なんか……
　　　　　　　 λ　　　　　　 ｉ　::く::::　　　　　:::::／ ´　　|　　　　　|　 i |::::丶　　　　 　数多の人々の命を食いつぶして
　　　　　　　/ |　　　　　　 ::::＼::::::　 　　　{　 　__...-　　　　　　,==|::::::::|　　__..　　い、生きながらえている私なんか……
　　　　 　／ ｉ　　　　　　　/　::::::::ζ:::::　　 　ヽ－＝=≠　 　　 ヽ.　 |:::::::::::/´
　　　　／　　i　　　　　　　i　ﾞ;:;:;:;::;:＼::::::::::　 　｀-...__,　;:　　　　　/　}::::λ_ゝ　　　　　誰からも、あ、愛される資格なんか……」
　　 ／　　　　　　　　　/:::::::::::::::::::::}:::::::::::ヽ　ゞ´　　;:　　　...-ァ　/..ﾍヽ_
　／　　　　　　　　　　　/ ;;::::::::::::::::ノ_λ::::::::|　ｉ　　　;:　　　{　 / /:::::|　j｀´
/　　／/　　　　　　　　/:::::::::::::::::::}´ /　|::::::::　ﾉ　　　;:　　　｀ﾞ´ /λ j
　／／　　　　　　　　/::::::::::::::::::::/　个 ｉ彳 λｉ　　　－-- ....__,/ / 》ノ
´　/　　　　　　　　　/:::::::::::::::::::<´ 　　＼ミゝ ﾞ　　　　>´　　　　　ｉ






595 ：１[saga]：2009/12/30(水) 21:21:05.80 ID:Es8NLfAo








　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 r――' 二ニニェ‐=ニニニニ＝――､
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 >――㌧＿＿＿_＞―――――---く
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 >― '／　　f⌒ヽ　　　_＿＿＿＿＿_ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞'　　　 　 ＼____＞'　　　ﾉ　　＼　　　　　　　　　　 　　　／￣￣￣￣￣￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／　　　　　　￣　　　　　 ＜　 　 　　 ＼　　　　　　　　　　 ／ ⌒ヽ
￣￣￣￣￣ ㌢￣ヽ_＿＿＿_／　　　　　　　 　 　　 ,.＜　　　　　　　　　　`ー―――――――――＼
　　　　　　　　ヽ 　　 ＼　　　　　　　　　　 　 　 　 ／　　＼ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ＼
　　　　　　　　　',　 　　 ヽ　　　　　　 　 　 　 　 ／　　 　 　＼ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ＼
　　　　　　　　　 }　　　　 |　　　　　　　　　　 ／　　　　　 　 　.＼ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ＼
　　　　　　　　　 |　　　　 |＿＿,. ------- ´　　　ぎゅ　　　　　　｀　ー---一 冖　ー――――――t―t―――＼
　　　　　　　　　/＿＿＿j　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼ ＼
　　　　　 　 　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ＼ ＼
　　　 　 　 　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼ ＼









　　　　　/´　/::::　　　　　　　　　　　　　　　　　＼::
　　　　/　::::!i　　_________　　　　　　　;;;::::.　　　　　i::::::::
　　　..-´　　{　イ:::::::::::::::::｀ヽ..._　　　　　:::::::::::　　 λ:::::::
　　/　　　　　＼ヽ::::::::::::::--－´、　　　　　　::::::::::　ヾ:::::::::
　　|　　　　----｀－´　　　　　　}　　　　　　　　　-..入.:::::::::
　　i　　　　ヾ:::::::/　　　 ,_　　　　i　　　　　　　　　　　　｀｀＼_
　　i　　　　 ｀..::::i　　　　　｀－-...λ_　　　　　　::::::::　　　　　｀ヽ
　　ヽ　　　　 ＼{　,　　　　　　　　　｀－-...　　　　　::::::::::::::::　　　}
　　　｀弋　　　　i　|　　　　　　　　　　　　　｀＼　　　:::::::::::::::::::　/
　　　　　｀へ　　 ｀i　　　　　　,｀＝==---‐┐　｀}:::::::　::::::::::::::/-..　　　　「左門……」
　　　　　　　｀ヾ i::::::＼　, 　 　 弋ﾉ::::::}　　亅　　i:::::::::::::::::::::/　　｝
　　　　　　　　i　|:::::::::::ヽλ　　　 ＼_丿　 ..　　 j:::::::::::::::::::/ く　 i
　　　　　　　 / /:::::::::::::´ｼi!　　　　　---ィ´　　丿::::::::::::::::::i　ζ/
　　　　　　　/　i!::::::::::::::::: ﾘ　　　　　/////　彡:::::::::::　_λ::ヽ∠__,
　　　　　　　i　　ヽ　:::::::::::::j ´　　　　　　　´--－´　 ::|　｀-::::::::::/
　　　　　　　i,　　　　　ヽ:// i　　　　　　　　　　/::λ　:i　　i:::::::::/
　　　　　　　｀ﾞ------､..｀:::ヽく__ _　　　　　　　i, i |　　::i　/:::::::::i
　　　　　　　　　　　　　j　i:::::｀-..｀´,_　　　　　,／ ...ヘ　 ｀《:::::::::::i
　　　　　　　　　　...__..ﾉ　::::》:::::::::::｀－--....,イ　 ｝´　　ゝ__彡:: :::::::::







597 ：１[saga]：2009/12/30(水) 21:22:12.09 ID:Es8NLfAo







　　　　　　　　　　　　　　　　_＿＿__ _,--─-..､.,,_
　　　　　　　　　　　　　　／::::::::::::::::::ヽ´:::::::::::::::::::::｀ヽ、
　　　　　　　　　　　　 ／:::::::::::::::::,::--::､ﾍ::::／::::::::::::＼}､
　　　　　　　　 　　　/::::::::::／:::::::::::::::::::::ヾ/:::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　 　 　 　 /::::::;::':::::::::::::::::::::::::::::::::::';:::::／彡ﾍ:::::::::::',
　　　　　　　 　 　 ,'::,':::i::::::l::::::::,'::/彡三ミ≧::/彡≡ヾi:::::::::::i
　　　　 　 　 　 　 |::|::::i:::::::l:::|:::|〃　　　　　　　　　　　i:::::::::::i
　　　　 　 　 　 　 |::|::::|:::::::!:::!:::|/ 　 　 　 　　　　　　　l::::::i:::l
　　　　　　　　　　 !::l::::l:::::::|:::::::|!＿＿＿　　　　 ,､=＝┤:::l:::l
　　　 　 　 　 　 　 !::l::::l:::::::|::::::|!￣二二ミ 　 　〃彡ミfi:::::|:::|
　　　　　　　　 　 　|::l::::l:::::::|:::::|!≦三ミｔｒ、　　　辻;;ゝ}.,|::::|:::|
　　　　　　　　　　　|::|::::|:::::::|:::::|弋::;;ゝ｝　 　 　　ゞ＝''"|::::|:::|　　　　　上様、左門はあなたを愛しております。
　　　　　　　　　　　|::|::::|::::（:!:::::|　ミゞ"｀　　　　i　　　　|::::|:::|
　　　　　　　　　　　|::|::::|:::::|::|:::::ﾄ、　 　 　 　 　 〉 　　/i:::::i:::!
　　　　　　　　　　　|::|::::|:::::|::|:::::|:::＼ 　 　 ー ニ'´ ／/:::/!:::!
　　　　　　　　　　 /ﾘ!::/::::::!::!:::::i:::::::::!＞　　　　　ｲ::ノ:::ﾉ:::!::ﾍ
　　　　　　　　　　　/!/!::!:::::!::!::i::i:::::::|ﾞ´＼　 ＞勹＼／;/::|::ﾘﾍ、
　　　　　　　　　　　 i:! !::!ﾊﾘ;::!::!::!::::ri,　 　｀＜　　i　ク//!::!ハ:::＼
　　　　　　　　　　　/　!::i!ﾒﾙ;::!::!::!ソft､ 　　　 ＞,i／!/:ルﾘ￣￣ ￣ `ヽ
　　　　　　　　 　 　 　 ∨メﾘﾍ:メﾍ　　ft､　 ／//Oヾﾒ メﾉ＼ノ　　　　　ヽ_＿,,,へ
　　　　　　　　　　　　　 _,､-''ﾞヽ!ヾ!　　! ft/ /　∧!ﾍヽ＼＼ノ）　　　　 　　'.,ミヾ､ トへ、
　　　　　　　　 　 _＿／　　　　｀￣￣ !. .くｿ　/ ∧　ﾄ ＼＼くヽ　　i　　 　　∨　!:.:.:.:.:ハ
　　　　　　　　　/:.:.:/　　 　 　 　 　 　!／ｸｰ/ /::∧ ∨　.＼＼:＼`ヽ　　　　 ∨!:.:.:./:.:.:｝
　　　　　　　　/:.:.:i/　 　 　 　 　　　　!ﾍﾄ､__∨:::/　 'O､＼（ヽ∧ｿ ＼' ,　　　　 i!:.:.:.:／〈
　　　　　　 ／|.:.:.:i'　　　　　　 ヽ.　　 !. . `⌒ｰ⌒. . . ヽ.ヽ . . . =＝＝=＼　　　ノノ;:;:;:;:;/ﾍ
　　　　　　 ∨:.:.:.:i　　　　　　　 　＼ ! . . . . . . . . . . . . ヽ.ヽ . . . . . . . . . . ＼ノﾉ/;:;:;:;:;/;:;:;:;!







599 ：１[saga]：2009/12/30(水) 21:23:04.48 ID:Es8NLfAo






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　　..::　　　. .. .　.. 　　　｀`侖侖''"　　　　　　　　　　　　　　　. .. .
　　　　　　　　　　 　　 -‐'"韭 ﾞ''‐-　. ...　...　　　　..::　　　.
ﾞ''､,,_,,,,-‐'゛｀`''､,　　　 ｀`侖侖侖''"
;'' ;~'',;'''',;'';'' ;~'',;''ﾟ ;~'',;;-‐'"韭韭 ﾞ''‐-
,;'',;''ﾟ ;~,;":;;;:　: ;: ;: ;::::::｀｀ﾞ''ｰ-侖侖''"::;.-‐'゛~ﾞ｀ﾞ''-、.,,,::　　　　. ...　...
::;.:".:;.:'"ﾞ:.:ﾞ,:;、,"'.:.:;,`:;,':,:;.,:;.:::;.:"ﾞ''､,;.:'"ﾞ:.:ﾞ,:;、,"'.:.:`;'' ;｀`'‐.､;;;;;;;.,.,.,.,..,.,.,.,.
:;,':,:;.,:;'' ;~'',;''ﾟ ;~'',;;~'',;';~.:.:;,`:;,':,:;.ﾞ:.:ﾞ,:;、,"'.:.:;,`:;,':,:;.ﾞ:.:ﾞ :: :;":;; ~ﾞ"'ｰ-;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;...









　　　　　　ヽ　　　l:l:||: : : : lイ : : : : /: : : //: /
　　 　 　 　 l　　　ﾘ||l: : : : l l: : : : :/: : : //: /
　　　　　　　 ￣￣ ｌ|!l : : / l: : : : ,: : : ://: /
　　　　　　　 　 　 ﾉ'l:ｌ l /　l: : : : l: : :, :,: :/
　　　　　　　　　_/__从:l:| / !: :! : ｌ: : ｌ: l /
　　　　　 ,.　　´　　 ヽ`ﾘ'　 !| l: : ｌ: : ｌ :l:l
.　　　,.　´　　　　､ 丶 ヽl　ﾉ'!:l: : ｌ: : l: l:l
　,.　´　.:;: ｨ ￣ ＼＼ヽ l'　　N､: ｊ: : ﾊ:ﾄl、
´　.:::::／::/　　　　丶ｊ､l_!　　　 l/lｨ/　ﾘ　',
.:::::／::::::/　　　　　　　　　　 　 ,　′　 　 ',
／.::::::::::'　　　　　 .:} 　 　 　 　 l.　l:　　　..:}
　＿_ ィ　　　　.:::／　　　　　　 ;:　l:　 　 ::;'
´ _／/　　　 .::::/　　　　　　　./:　l::　　 :/
ｆｿ　/ 　 　 .:::::/::　　　 　 　 :/::　ﾉ:　 :::/
'{:. / 　 　 .:::::/::　　　　　　 .:::　 /:::..::::/







家光と友矩は久能山ではじめて結ばれた。






○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・






600 ：１[saga]：2009/12/30(水) 21:24:15.76 ID:Es8NLfAo






━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━






　　　　　　　　　../::::::::::::::::::::::::、::::::::::::::::::::::::::::::
い　　武　　衆　ヽ:::::::::::::::::::::::::ヽ､,:::::::::::::::::::::::::
ま　　将 　 道　　　〉∧i iﾞi .|l, ､ヽ斗ｌ' ヽ::::::::::::::
せ　　な　　が　　/｀トl､{.ヽ.ｌ!､　ｲ℃)ヽ，i::::::::::::　　　　　（聞書１の１８１）
ん 　 ん 　 嫌　　>! (℃｝｀ヽ　ヽ!"´´ ヽ ｌ,:::::::::::
!!!!　　か　 い　　 ｌ 、 "/// 　//////　u　|:::::::::　　　　 『式部に意見あり。
　　　　　　 な　　i　 ///　ヽ　 ._....-- ､.　　!::::::::
　　　　　　　　v-"!､u　. .r‐''''"゛　 　 　ｌ　.il:::::::::　　　　　「若い時は衆道で一生の恥になることがままあります。
.､.,.. 　　.、 ,,/ヽl::::::::`-..、'!、　　　　　 /・/ l::::::::
　 　 ! ./ `'".!::::::::::::::::::::｀''!-ii＝--;;'''".ノ 　|:::::::::　　　　　心得がないと危ないから、私が大意で述べてみましょう。
　　　″　　 !:::::::::::::::::::::::::::::::::｀"''ｧ'"゛'., ｰ''│:::::
　　　　　　 ,!::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/]、,／　 　l::::::::
　　　　　　/:::::::::::::::::::::::::::::::::,,イ ,l'"　　　　,!::::::::
　 iヽ,∧/i,7::::::::::::::::::::::::::::／ / ,ｌ'l　　　　 ,,i'!:::::::
┌, ‐''''ヽr‐┐:::::::::::::::／ __ /ノ　|, ＼,　 ./　|::::::
. ／　 、　 ﾞッ.ｌ:::::::::,i'"／./゛.--ｨ＿.ゝ/i"＼ |::::::
.|　　.''"　　 .l /::::::/／○iﾗ"､.フ゛　i'　.ｌ′　'l::::::
.|　　 ...'''　　ｌ::::./　　 ﾞﾞノ,ljＺr"''''''ﾞﾞ".､/　　./:::::
.,!　　 　　　 〈::./　　.ｒ'"'!ｯ'"._ l'"´ =''ﾞ/　　　!::::::
.:!. u　　-'"　ﾘﾞ　.,iヘ,ﾌ" ,, - ,,,7_,レ ,!　　　/::::::::
: .ｌ'ヽ　　　 ./ 　.|,,./′.,ﾉ＿./ 　　　ｌ　　　 !::::::::::
.ﾞ'､ヽ＿,,,..i''|′.l　./　./ ''''ｰ′　　　l　　 /::::::::::::　　　※式部が誰であるのか不明
::::::.｀'ｰ--'ﾞ/　./ .│　.|　　/　""''''""l 　.!::::::::::::::

　　　　　【佐賀衆道の祖　　星野了哲】







　 /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ､.ヽ
　l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ.)
　ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l:::::::::::::::::::ヽ
　　 y:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i l.l::::::l ヽ:::::::::::::::ヽ　　　　　　貞女両夫にまみえず、と心得るべきです。
　　.i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾉ l.l::::::l　uヽ::::::::::::::!
　　l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:/:/　ｌ.l:::::l、 .／､:::::::::､ヽ　　　　　情人は一生にひとりとしなさい。
　　l:::::::::::::::::::::::::::::::::::/／/＿_,,l::::ll ,r= iヽi:::::ｌ::､::i
／ー―'''''"＾ー-ｔ:::::::l ,r/　iヾ　 l::l.l　ー'　ﾞi:::::l::l丶　　　　でなければ、陰間や売女にひとしい。
　　　　　　　　　　l:::::lゞー.''　　 ﾉ　!　　//ﾉ:::::lヽ
　　　　　　　　　　l::::::!　　///　　　 ､　//" l:::l　　　　　　これは武士の恥でしょう。
　　　　　　　　　　l:::::丶u 　　 ＿＿,.. ｒ　　ﾉ:::::l
　　 　 　 　 　 　 l:::::lヾ　　/´　　　 ./　／::::::::l
　　 　 　 　 　 　 l::::::l、　 ゝ､　,,,,,／／　l::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　l::::::ヽﾞ　ｰ-, .＿／ l　　l:l､::::::::ヽ
　　　　　　　　　　l:::::::::ヽ　,r'l　　　　ll　　 llヽ::::::::ヽ
　　　　　　　　　　l:::l､:::::ヽl　l!　　　 l!　　　lレ､:::::lヾ　　　※陰間……少年を相手にした男娼風俗店
　　　　　　　　　　l::::l i::ヽ:ヽ !　　　 l　　 リ.ll .ヽ:::::い
　　　　　　　　　　l:::::l li::::lヾ、　　 /　　 l'　 l　 l:::::::i　!







603 ：１[saga]：2009/12/30(水) 21:26:15.84 ID:Es8NLfAo






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::::::::::::::::::ｉl _|::::=L_l:!　 '､::l::::::::l:::l　l::::ｌ.ｌ:::::| l:::::::　　　　　　「念友なき前髪　縁夫ももたぬ女のごとし」
::::::::::::::i::ｌk'ﾋ::::::::'-ｊ'l>　 ヾl;:::::::!:| ,⊥｣_i::::|　!:::::　　　　　　（約束した相手のいない男児は、男縁のない女のようだ）
:::::::::::::ｌ::l 　|:;「￣　|!　　　 ヾ::::ｌl '_{::::::::::::ｆｫ.l:::::
::::::::::::l::l| 　!/　　　l　　　　　｀ｌ|!　「` ｰi::;ソ.|::::　　　　　　と、井原西鶴もこういっています。
:::::::::::l!　　　　　　　　　　　　　|　　　　 l:|ｰ'.!::::
::::::::::ｌ|　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 l|　 ﾘ!::　　　　　　情のつながりがなければ、
:::::::::::'!　　　　　　　　ヽ　　　　　　　　　　　 l:::　　　　　　人からなぶられ、からかわれたりするものです。
:::::::::::::' ,　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l::::
:::::::::::::::::＼　　　　　ヽｰ-　、　　　　　　　　l:::::
:::::::::::::::::::::::｀ .、　　　 ｀ ー '　　 　 　 　 　.l::::::
:::::::::::::::::::::::::::::_ゝ、　　　　　・ 　 　 　 _,､. 'l::::::
:::::::::::::::::::,-＜ ‐' |ヽ、　　　　　　_,､　'　　 .!::::::
:::::::::::::::::;l ｀　 ｀ｰ'- ､｀ ｰ--― '　＿＿＿,,|:::::::








　　　 　 ／　　 　 　 _, 　 ――　　､　　　　　 ＼
　　 　 〃　　　　,.　'　　　　　　　　　 `　、　　　∧
　　　/ .ｌ　　　／..: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: : ..＼　　l.∧
.　　 l| /　　 /.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.`、 `<|　　　　　　相手は５年ほど観察してから頼んだほうがいいでしょう。
　 　 V 　　ｉ'.::::::::::::::::::::::::::ｊ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i 　 ,ｌ　　　　　
　　　ｌ|　　ｌ::::::::::::::::::::;:::::;:/!:::i::::::::::::::::::::::::::::::::::::l　 iｊ　　　　　 浮気者は相手にしちゃ駄目。
. 　　 ヾ、,l::::::::::::::,:,ｒi'i::// l::;l!:::::::i ,ｉ'l::::!l:::::::::::::::::ｌ彳　　　　　 心底から情がまじあわないので、長続きしません。
.　　　|::..`':::::::::::::,ｉ,l`!l_'/､_l::li::::ｌ:ｊ'!;ﾘ,L.ﾋ|i.!､::::::::::::::|
.　 　 l:::::::::::::::::::::ik"（㌍!`l::il::ｊ;ﾘ l/'（㌍ｊ,|>li::::::::::::::|
　　　l::::::::::::::::::::iﾘ　|!√　l;ｉ';j'/　' 　l√ '! ｌ|!ｌ::::::::::::|　　　　　　衆道はお互いに命を捨てあう間柄です。
. 　　|::::::::::::::::::ｌil'　 '　　　'l/"　 　 　 　 　 ｌ|i l::::::::::|
　　 |::::::::::::::::,i::|l　　　　 　 　 ,　　　　　 　 |!ｌ.i::::::::::|　　　　　 余人から関係を求められても、きっぱりとことわりを告げること。
　　|::::::::::::::i,ｌ.l::|!　　　　　　 　 　 　 　 　 ﾉ|'i,iｌ,:::::::::|
. 　|::::::::::::::::iｌ:|::|.ヽ　 　 /￣￣￣ 〉 　 ／ ::!::::l:i:|::::::|　　　　　 それでもしつこく食い下がってきたら、斬り捨ててしまいなさい。
.　l::::::::::::::::::::::'::|:::::ｌ＼　` ､ ＿ , ' ．／ .:::::::l:::::::::l::::::|
　l::::::::::::::::::|:::::::l:::::! 　` 、 ＿_ 　イ :::::::::::::::|:::::::::l::::::|
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　　 　 ＼:::|::::::::!￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣l::::::::::|
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　　　 、 ｒ |:::::::::|　゛''ｰ- ､,,,,ー ､,,.-　`　　_,.|::::::::::|







604 ：１[saga]：2009/12/30(水) 21:27:39.74 ID:Es8NLfAo







　　　　/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l
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　 　 //!:::::::::::::::::::::i:::l|:::::!::l::::::::i::::l'l::::::l!:::::::::::::::::::::::::::::l
　　 i'/ !:::::::::::::::::l:::ｌ::ﾄl::::l !:l!:::::::!;::l_l:::::r|:::::l,::::::::::::::::::::::l
　　 !i. l:::::::::::::::i::l:: l_L|_:ﾄ l:ｌ',::::::l.!:ｌ_.L」_.!::::l|::::::::::::::::::::::l　　　　　浮気はしてはいけない。
.　　　 !::::::::::::::ｌﾘ ( 弋ン` l| ヾ:::l.l:|弋lフ`::::!l::i:::::::::::::::::::l
　　　 l::::::::::::::l ! 　 　 ﾘ　　　 ヽl:l:l　 l!　ヽ;| l:!:::::::::::::::::::l　　　　　武道を励むべし。
.　　　l::::::::::::::l､l　　////　　 　 ヾ!　////　 l:::::::::::::::::::::l
　 　_L,::::::::::::l ﾍ、　 　 　 　 ヽ　　　　 ｕ 　ﾉ|::::::::::::::::lｰ-　　　　そうすれば、男色も武士道となるでしょう』
. ／　 l::::::::::::!　　i ､　　　iｰ――‐ｧ　 　 , ' /l::::::::::::::::l　ﾉ
/､　　l::::::::::::l　　｜ lヽ、 丶 ＿_ノ ． ／/./　!::::::::i::::::l
　ヽ　ｊ:::┌―――――――――――――‐┐:::l::::::l
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　 ./::::::: |　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |:::::::l::::::'､
　/ :::::::: |　　　　　　結論： 　　　 　 　 　 　 　 |::::::::l::::::::
./.:::::::::::｜　　　　　　情愛こそ最高！　 　 　 |､:::::::!::::::
'::::::::::::::/|　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |, -‐ ､::::
:::::::::ｒ' ￣`ｰ ､　　　　　　　　　　　　　　　　　／　._　 ヽ
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606 ：１[saga]：2009/12/30(水) 21:28:28.94 ID:Es8NLfAo






○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・






家光は友矩に１３万石のお墨付きをおくった（一説には４万石）







　 　 　 　 　 　 　|::::::|::::::::::::::|_,､‐=＝''"　　　｀`'''ｰ-､!:i::::|:::::|i、
　　　　　 　 　 　 |::::::|::::::::::::::|_,-ｰ-<　　　　　''ﾌ'ｰ--!::l::::l::::l:lﾍ
　　　　　　　 　 　|::|::|::|:::::::::::|__,,,,､､_　　　　　 ,r=＝ｭ|::|::::|:::|::i!ﾍ
　　　　　　　　　　|::|::|::|::|:::|:::|弌心ゝ　　　i　 ,rf近グ:l::|::::|:::|::!i::!ﾍ
　　　　　　　　　　|::|::|::|::|:::|:::|ゞ＝-′　　 | 　 ´￣"´|::|::::|:::!::!i::ﾄ;:ﾍ
　　　　　　　　　　|::|::|::|::|:::|:::ﾄ　　　　　　　i;　　　　　,'::|::::|:::i!:::i::!:ﾍ::',　　　大名か……。
　　　　　　　　　　ﾘ:|::|::|::|:::|:::|ﾍ　　　　　　′ 　 　　/:::!::::!:::i!:::i::iﾄ､ﾍ;',
　　　　　　 　 　 /ﾘ:!::|::!::!:::!:::!::ﾍ. 　　　ｰ- ー' 　 ／|:/!::::!::::!:::i!::i!::＼i　　　父上、怒るだろうな……。
　　　　　　　　 /ｲi!::!::!::!::!:::!::::!::ト＞　　 　 　　／| |://!:::!::::!:i:!:!::ﾄ､i＼!
　　　　　　　　_/__ﾘ_!::!::!:::!:::!::::i!:ﾍヽ　 ＞　_／iﾄく! i:/ﾘ:/!::::!::!:!:リﾍゝ !
　　　　　 ／´: : : : : :ﾘﾊ!:::!:::!::::i!ﾍ＼＼ 　 　 / :! :〉/7:/ |:::!:ヽi:!ﾍ/
.　　　　 ,'.: : : :'.,: : : : : : :'i::!:::!::::!ﾍ＼ ＼　　ノ　 |!ノ:〉/: :i:::!: : i:!ﾄ、
　　　　 i.: : : : : :',: : : : : : :||i!ﾍ＼::!　 ヽ　>く 　 　!: / :||:/:/: : :ｿ: :｝
　　　　 i.: : : : : : :',: : : : : :ii:.i!ﾍ∧＼　 ｲ;;;;;;∧ 　,! : : : 〉/: : : :/: ::}
　　　　 !: : : : : : : :ヽ: : :i: ||: : : :ﾄ　　/ 　';;;'　ﾍ　/!: : :/,ﾍ : : /: : ,'
　　　 　',: : : : : : : : : i: :l: i:i : : : !＼/　 　,;;;,　 ∨ !: : : : :,ﾍ:ノ: : /
　　　　　',: : : : : : : : :i: :l:.i:| : : : :|.　　 　 ,;;;;;, 　 　 !: : : : :.∨: :/







こののちに、友矩は病と称して柳生庄に隠棲してしまう。







608 ：１[saga]：2009/12/30(水) 21:29:06.35 ID:Es8NLfAo






友矩は家光の情人となったころから周り中が敵だらけだった。
家光の夫人たちのいる大奥、同僚の小姓たち、譜代・旗本、あげくには父親と兄弟。








　　　　　　　　　　∧＿∧　　　　「槍でかせいだ功名も、尻一つにおよばんとは」
　　　 ∧＿∧ 　（´<_｀ 　）
　　　（　´_ゝ`）　/　　 ⌒i　さすがだな兄者
　　 ／　　　＼　 　　　|　|
　　/　　 　/￣￣￣￣/　|
＿_(__ﾆつ/　 徳川　 / .| .|＿＿＿＿
　　　 ＼/＿＿＿＿/　（u　⊃








いずれも将軍の寵愛を喉から手が出るほど欲しがっている者たちである。
だが、ライバルは剣の達人でもあり、めったな抵抗はできなかった。
それゆえに、嫉妬は陰湿になっていった。







610 ：１[saga]：2009/12/30(水) 21:29:57.38 ID:Es8NLfAo






とくに父親である宗矩の怒りはすさまじかった。







　　　　　　　　　　　　　　　　　＿　,;--、_　,　、-;: 、　　　　　　　ヽ、
　　　　　　　　|　　　　　 ＿／ ,-'::;:/:::lj:::::::<;::::::::::ヾ;ヽ,、　　　　　　|　　十　尻
　　＿|＿　　　{　　　　 ノ　_,-'´_,-‐''＜ｊ::/;;'/ｌ:::ｌ::、:ヽ、;;:、ﾐ-‐　　　|　　三　ひ
　　　 |　　　　|　　, -'´／/:::／;ｲ:::l:::,:::::ゝ;::::ヽ、::ヽ;::::、ｊ:::ｌ:::::iヘ,___ .|　　万　と
　　＿＿　　　| ./ ／　／:::::k::l::|l::::|::|::::::k;:::-:、ヾ;::::::、:::ｌ::|:,;;:ｌ　ヾ; { |　　石　つ
　　──　　　 |/ ./ ／::/::／i::|::l::|l:::l::|::::l::ヾ;:::::Y::ｰ;:::ゝ::l;;l:::;ﾘ ｌｊ ,/´｀>　だ　で
　　￣￣　　　.|　　/:/:i::/::l::l'、<;:::l::|l:::i::::|::::ゞ;::::|l:::、;:ヾ;:!ﾘi/ヽl /　 /　　と
　　┬‐─　　 ｌーr'/:/l;|:::ｌ::l:|::ヽ;;;、;lヾ;::、ｌ::,::::::ﾉ:ｌ|,:::!,|:::::}ヽ、　j'　 /l　　 ぉ
　　丿￣|　　　 |　ｊ:/:l|::l::!::|::ｌ::::i|:::l:、'ﾊ;、:ヾ;:_＼_'ｊヽ;:ｌ::iﾐ::ﾘｊヾ、　 /{´
　　＿＿　　　 ｌ　/|:li::|l::l::|l:::}:::|l:::}ｌ:ゞ;::ヾ;;ﾄ、;;:ゝ:ﾄ;;;;ゝｌｊ,;::ヾ、　　　/Tヽ、
　　　/　　　　|　　ﾚi:|:|;lヾl/i:、:ゞ;ヽ;:＼:_;ゞ;,ミｌ;ｊ王ﾄｌｊ:ｌ:ｌ/!」ｊ＼　　　j　　ヽ､
　　/|￣|　　　 |　　　|:ｌ|:ｌ::|::!:|;::i,_ !＼//r(:_)_X /-ゞ>‐‐‐'ｱ＼　　 ./　　　　ヽ、_／＼
　　　￣　　　　 !　　 ﾚ'i_ｌ,|ｌﾚ'（(:)_,ゞ=｀ '-='"´　u /　 ／　　　＼_/
　　|　　|　　　　〉　　 |::::::ヾ;ｌi|l｀｀'ｆ　　,　　　　　 / ／　 __　　　　＼
　　・　 ・　　 　/　　　ｌ:::::::::｀ヽi、 !___-　　 _｀ヽ ｌ/　　／ /　　　　　 ＼
　　　　　　　　 |　　　/⌒ヾ、ル'＼ｰt-‐_´二ヽ,/　／ ／　　　　　　／
　　　　　　　　|　　　i　　＼ヾ、_　 ＼ヾ:_,..!ノｼ' ／ ／　　　　　　／
　　　　　　　　.|　　　|_　　　ヾ:、＼ヽ.｀ヾ、 /／　 /　　　　　　　/
　 　　　　　　　l　　　ｌ ｀ヽ、　 ｌ|　ｌ　ヘ、 _ソ/　／　　　　　／ /
　　　　　　　　 |　　　|　ｌ　　　/　,＞　　/　/／　　　　　　　　/
　　　　　　　　 L,　　 |　　　　／ゝ--ｔｒ'´ ./　　　　　　　　／/
　　　　 ,-- 、__/　　/ヾ、 :／ ´　　　/　　　　.　　　　　 /　/ヾ
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　　　＼　　　　　　　 ／　　　　　 ./　　　　　　　　.／　 ./　　 .／
　　　　 ＼　　　　　/　　　　　　 ./　　　　　　　 ／　　　ｌｊ　 ／ ／

　　　　　　　　　　　　　【大目付　　柳生但馬守宗矩】







秀忠につかえ、隠密としての陰働きを続けてようやく手に入れたのが、１万２５００石である。






611 ：１[saga]：2009/12/30(水) 21:31:01.23 ID:Es8NLfAo






さらに友矩の存在は、柳生家を危機に陥しいれていた。
宗矩が激怒したように、幕府の禄を食む全ての武士が、怒り猛るはずだった。
そして、その矛先が、柳生家にむかうことを宗矩は怖れた。








　　　　　　　　　　　　　　　　　／ イ: :/. :/. : : : : : :/// : : : : : : /. : : :}
　　　　　　　　　　　　　　　　/／ /. :/. :/ : : / : : /厶ﾐ､: : : : : /|: : , ┴‐-　_
　　　　　　　　　　　 　 　 　 ´ ／ : //. i : : / : ／/・__｣ }: : : :厶]: /　　 　 　 ｀ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　 ／イ／/. : { : / ／|:/二　￢: :／､．|:{　　 　 　 　 　 `、
　　　　　　　　　　　　　　　　 /ｲ/^i: : / :/l/　　　　　／イ_　 〉｀|个　　　　　 　 　 ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　 l{　{!:/ !:/　　　　　　　　　　 （　　 }ﾍ　　 　 　 　 　 }　　　　　「十兵衛ッ！！」
　　　　　　　　　　　　　　　　　 |ﾍ､|′|′　　　　　　∠二ユ}　　/　 ヽ、　　 　 　 ,′
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 |７/}　　　　　_／⌒ヽ_::/′ /　　　_}`　　　　ィ′
　　　　　　　 _　 -‐- 　_　　　　 　 |:// ヽ､　 　 ｀ヽヽ＿_}^}　 / 　 ／ 　 　 　 　 }　　　　　　　　＿
　　　　　 ／　　　　｀ヽ、｀ヽ￢､⌒ヽ^ヽ　　｀　、 　｀￣￣´　/　_ノ　　　　　　　 ﾉ　　　 　 .　'"´ 　 }
.　 　 　 /　　　　　　 　 ＼　 　 ヽ　　＼｀ヽ、　 ヽ　　　　　ノ／　　　　　　　 　 }　　　 ／ 　　 　 , ′
　　　　,′　　　　　　　　　ヽ　　　ヽ　　 ＼　ヽ、　｀ ーァ´_/　　　　　 ｀丶、　 ∧ 　 /　 　 　 ／
.　　　/　　　　　　　　 　 _　 ヽ　　　ヽ　　　＼　 ＞ 　´ ／{　　　　　　　　　＼　 ｀¨´ 　　　／
　　　{　　_ ..　-‐…　　´ _　 -‐`……｀ｰｧ‐ 　´　　　　/　/　　　　＼　　　　　 ヽ.　　 　 , '´
　　　 〉´　　,　　　 　 ／　　　　　　　 ／　　　　　 　 /　/　　　　　　 ｀ー-　､ 　 }　　　/
　　　{　　／　　　 ／　　　　　　　　　　　　　 　 　　 {　 {　　　　　　　　　　　 ｀V　 　 /
　　 　､_/　　 　 /　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 l 　 ',　　 　 　 　 　 　 　 / / ／
　 　 　 、　　　/　　　　　 　 ／　　　　　　　　　　　　l　　′　　￣￣｀`ー一r′i/＼
　　　　 {　 　 /　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　l　 { 　 　 　 　 　 　 　 }　 }　　 ヽ、
　　　 　 ヽ、/　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　 　 |　 ＼　　　　＿＿___ノ　ノ　 }　　 ヽ






　　　　　　　　　　　　　　　－､＿
　　　　　　　　　　,　 /／_,,..,,_ ヽ　　＞_ ￢、
　　　　　　　　 ／　//／三三＼〉/ ﾍ　|　 |ヽ
　 　 　 　 　 /　/ /〃　　　　 ｀ ┴--} :ｊ　.' ハ
　　　　　　 /　∧::∨≧ｘ.,,、　　　　 / ｲ::/｜　〉
　　　 　 　 | // /）::）モｔｯミﾒド　/ 仏(_l::{ l |／
　　　　　　 |'/／::／ 　 ￣"｀＾　|伝}ｊ≧::'､V
　　　　　　 〈人:::{　　　　　　　　l　彳　__):::〉
　　　　　　　|､|(＞､　　　　 　 '/　　　`ｰ''´
　　 　 　 　 川'＾ヽ 〉　 ,,.　‐ー- ､　　 /　　　　　　「承知」
　　　　＿／ (_〉　｛＼ 　 　 ￣ ヽ　　;'|
　　 , ´／ イ:::::| ＼｀　＼__／:::|　 　 ハ
　　 ∨:::::/:::::::/　ｌ　 丶､ ＼::::::ヽ_／小 ＼
　　 _|::::厶ィ7二二二二＞┘::::::/ /::::い、 }
　ｆ´:::／　//.:.:.:.:.:.:.:_:_:_.:.:.:.ヽ￣r-ミヽ:::ヽ Ｖ
一ｧ/　　{ノ.:.:.:.:.:∠--､ ＼:.:}　{:.:.:＞| ＼　}
／/　　├-　_:.:.:.:.::.:.:.:.）　|〈　 〉/　┤ヽ ＼
　′ 　 ﾊ:.:.:.:.::.｀ ー-く　 ﾉ:ﾉ　{:{　{:.:ﾄ､__ﾍ　＼
/　　　/ ト　:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼ヽヽ/::> >:.:.:.:.:.:.:ヽ　 ＼

　　　　　　【御書院役　　柳生十兵衛三厳】






612 ：１[saga]：2009/12/30(水) 21:32:11.24 ID:Es8NLfAo






友矩は寛永１６年（１６３９年）６月１５日に病で亡くなったと伝えられた。
享年２７歳。






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　 　　　　　　　　　　　　　　／ 　 　　::l 　 ｌ::　 　 　 {　　 /二 ニ _丶、::＼／:´｀ヽ.　　　　　 i
　 　 　　　　　　　　　　　／　　　　 　::!..　|:.:.　 　 　ｌ　　/　　　　　＝-、￣ヽ、.: .: .ヽ　　　　|
　 　 　 　　　　　　　　／ 　 　　　　/::」.　|:: 　　　　ｌ　 /＿ ＿＿ _ _ 　 ¨ﾞ‐-_ヽ.: .: .: .: 　　　|
　 　　　　　　　　　／　 ／　　　　 ﾚ´.:|　l::. 　　　　ｌ. /_ - ‐ ― － 、｀　　、. ヽ}.: .: .: .　　　|
　　　　　　　　　ノ ,.:.:／　　　　　 {　..:.:ｌ l:::.:. 　 　　l./　 ニ ,.:.:.:.:.　　　　　　 ヽ、l.: .: .: 　　　ｌー--,
　　　　=＝ﾆニ　　　　　　　　　　{　　.::|l.: .:　　　　ｌ¨ﾞ ｆⅧ（冫ヽ::.　　　　/´ヽ、.ｌ.: .: .: 　　　ｌ　　ノ
｀＝ー―　´　　　　　　　　　　　　ﾚ´｀ﾊ|.:.:.:　　　　ｌ　弋 =ソ　　　　　　_,二、　ｌ.: .: .: 　　　ｌ￣
　　 ヽ _ ＿　　　　　　　　　.: .: .:.:{ 　 ヽ|.:.:.:　　　　l ー　ニ ' ´　　　　　ｲZ（）ﾊ!.: .: .:.　　　ｌ
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615 ：１[saga]：2009/12/30(水) 21:33:15.86 ID:Es8NLfAo






友矩の訃報を聞いた家光には、すべてのからくりを理解していた。







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　,.　 ''"´　 　 　 ,.　　 ''"´l__ /l　 　 　 　 l:::::::::　　　　　　　　　　::::::::/　　　　　l-､_,l､｀　-　､_　　　　 ｀　-　､_
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616 ：１[saga]：2009/12/30(水) 21:34:29.87 ID:Es8NLfAo






＜江戸城　　家光の書斎＞






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　　　　／: : : /ヽ .::,': : : : / 　 _,,,...　　 　 　 ヾ＝=ミlヽ: : :ヾ: .:::＼
　　 ／: : : : :,':/::.〉: : : : .,'　彡=＝'"　　　　　　　　　l/}: : : : l:l : .:::丶、
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　,': : ,': : : .:::| :（: : : .:::ヽ::ヽ､_.,　　 　 　 __ _　　　ゝ- : : ／/ .:::',: : : ::. : ',
　!: : l: : : : .:::l : :ヽ: : :人::::::::く.　 　 　 　 ｰ　　 ／/: : :/: / : .::::! : : : :::. : !
　l: : :ヽ: : : .:::ヽ: :/ノ:::::::）:::::::::}｀ﾄ　、　　　 .イ:l::/: l .::,'ヽ!: : : .::::!: : : :l::. : l
　ヽ: : ::',: : : .::::l : .::/::::/:::::::::/::::l　　　｀ ´ 　 !::!{: :! .:::!:. : : : : .::,' : : : l::. : :}
.　　＼:::!: : .:::/ .:::,'::::/ノ::::::::_／i　　 　 　 　 l::!;ヽl.::,:' : : : :_ - ': : : : :!:::. ,'
　　 　 ',!: : :/: .::::l . - ´＼´　　　　　　　　　 ｀／j/: : : ／::::::l::. : : : :l:::/
　　　 /: ／: .:::_〈　　　　　＼ー ､　 , ─　 ／ : : : : ／ ｀ヽ_:::!::. : : : ':,!






617 ：１[saga]：2009/12/30(水) 21:35:35.25 ID:Es8NLfAo






　　　 　 　 i　｜　　／. ／. : :／. : : : : : :､: : : : ｀ヽ、　　　　　　 }　　}
　　　 　 　 i　！ ／. ／. : : :/. : : : : : : : : :}: : : : : : : ヽ　　　　　/　 /
　　　　　＿廴｣斗＜: : : :_:ノ. : ／. : : : : :ノ. ﾉ. : : : : : : `､　　／　, '
　 　 　 ｀ ー‐ｧ. : : : : :ー=≠彡 : : : : ≦=彳. : : : : : : : : :',／　／
　　　　　 　 /. :,ィ. : : : : : :i{: : : i: :!: : : :/. :,|: : : : : !: : : : : } 　 {
　　　　　　 {: :/ ,'. : : :_:_:ノ从 : :!: i : : ｲ: / |: : :/.ｉ |: : : : : 廴　',
　　　　　 　 V /. : : :｀Tf: :i≠メﾄ､!: : N厶孑≠メ小､ : ｀ミ=くハ
　　　　　　　　{: :!: : :{: i:ﾄxf≠ミﾄ､ヽ: {＿,ィ≠ミく ｈ: :＞: : ノ 　 ',
.　 　 　 　 　 ∧:|ゝ､:ﾄ从汽比ﾀ.::::::}｀¨´　近刋}冫ﾉ厶ィﾞ´　　 　',　　　　「主膳（宗冬）でございます」
　　　　　 　 /　 ｀　 ∧ﾍ､::::::::::::::／|　　　　￣｀^｀7　ハ.　　　 　 ',
.　 　 　 　 /　　 　 /　ゝﾍ｀二¨´ 　}　　　　 ‐-　厶く 　} 　 　 　　',
　　　　　 〈　　 　 〈　　　 iヽ -‐　 ＿＿_　｀ヽ／. : ノ　ﾉ　　　　　　;
　　　　　　 丶、　　丶、ノｲ:i丶、　　　　　 イ: : i厂 ／　　　　　　　}
　　　　　　　　 ｀丶、 　ヽ Ⅵ从i丶、_ .　´　|从ﾉ／　　　　　　　　/
　　　　　　　　　　　 }ヽ　 ｀丶、| 　 　 　 　 L／　　 　 　 　 　 ／
　　　　　 　 　 　 ／ 　 ｀丶、 ｀丶_ ..　-‐　¨´ 　　　　_ ..　-‐く
　　　　　　　,　-〈　　　　　　｀ ー　　　　　_ ..　-‐　¨´ 　 　 　 }
　　　　　 ／　　　ヽ、　　　　　_ ..　-‐　¨´　　　　　　　　_ ..　┴-
　　 　 ／　　　　　　｀丶、　　　　　　　　　　_ ..　-‐　¨´
.　　 /　　　　　 　　 　 　 ｀ ー─…─一　´
　　/








　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ /　　 λ＝- ､_　　　,,. -=ﾆ::ｰｲ　　 l,　 l,
　　　　　　　　　　　　　　　　　 / .i'　　/:::::::::::::::::::ヽ､,イ:::;-=::､_:::::| 　 　|　 l,
　　　　　　　　　　　　　　　　　/　l　　 |彡 ' ￣｀｀｀`゛´´　　　　゛ﾌ　　　|　　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　|　:|　　 {　　　　　　　　　　　　　 / /　　.|　　{
　　　　　　　　　　　　　　　　 /／l　i　 'l　　　　　　　　　　　　　ハ　　　|　　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　.／　　　l　　ﾊ, - '￣　　　　　￣゛`'7　{,　 　ﾋ､　　　 ＼
　　　　　　　　　　　　　 ／　　　　/　　　|　_,. -、　　　　 ,--　､＼ l,　ヽ ` ＼
　　　　　　　　　　　　　_l　　　　／　　 ノ ´　　　　　　　　　＿ 　 人　 | ﾉ　　l
　　　　　　　　　　　 ／ ゝ、 .::/　　　 .ｲ　,,=＝ニ　　　　 'ﾆ＝= 、 | |　ν　 ./　　　　　「む、宗冬、その姿はどうしたのです？」
　　　　　　　　　　／　　r-‐‐う__,∠´lﾑ_´ //// 　　;　　 /////　ｿﾉイ　..／
　　　　　　　　 ／　　　 |　T／　l　 | | ｛:`i 　　　　　'　　　　　 ゝ､ｲ::::;::／l
　　　　　　　　l　　　　　l　 | _ｲ　l,　|/　l;:人　　　　 ( ヽ　　　　 ／|::://´ /　　　|
　　　　　　　　|　　..::::::/　´ヽ:::ヽ_ゝﾄ-　|､＼ヽ. _　　 υ 　 ,. イ|::|::`f_'__, |:.　　　|
　　　　　　　　ヽ ::::::::::ﾍ　　 ヽ､　 `´::　ﾄ-ﾉ:ﾊ:::::::|＞ ､ r '´ |:::::|::ヽ::::.　　|::　　　|:..
　　　　　　　　　＞ ‐ ´ﾊ　　　 ｀i　　　/`ヽ､＿:ノ 　 　 　 　|_::::l::::::＼:..　ヽ..:|　　l:::






618 ：１[saga]：2009/12/30(水) 21:37:19.18 ID:Es8NLfAo






　　i: l: /: : : : : :､_;_;_;_;_; : -‐: : : : :｀ヽ ＼: : : ハ : ﾄ､: : }､　　　　　　 　　　l
　　l: :/. :/. : : ー､──: :､´: : : ｀ヽ、: 丶 ヽ: l: :}ヽ}　ヽ|　}　　　　　　　 　 l
　　|: |: /. : : : : : : ヽ、: : : :＼: : : : : :ヽ: i　 从リ ､　　　　{、　　　　　　　　l
　　|: l/. : : : : : ､ : : : ＼: : : : :ヽ: : : : l l }　　　　　＼　　 ハ　　　　　　 　 l　　　　　「上様、どうかお心をとり戻してください。
　　}: |: : : : : :i : : ヽ、: : {ヽ､ : l: :ﾄ､: : | ﾄl　　　　 | 　 　 　 {　',　　　　　　　 l
ー: : :ｌ: : : : : :ｌ: i: : : :＼: ヽ、ﾞxﾄ､!　ヽﾊ|　　ヽ､　 |　/　 　 ｌ　 ',　　　　　　　}　　　　 それがしも、あなた様と同じように、
､:_:_ノ}: : : : : :|: l: : : : ヽ:ヽ､メ{、 　 ＼､　 　 　ヽ | /　　 　l　　'.　　　　 　 ,′　　　 愛する兄弟を失って悲しんでおります。
　＿,ﾉ: : : : : :|: l : : : : : ',: :ﾄVゝ弐互ぅ}冫 　　　　　　　　 l　　 . 　 　 　 ,′
　　 ノ. : : : : :Ⅳ. : : : : : :V｀ ｀ ｰ＝‐ 　　　　　,ｨ 　 　　　｜ 　 l　　　　,′
　 ´ ７. :!: : : :|: : : : : : : : :＼￣￣｀丶. 　　　　{｣ 　,.-‐─┘　　l　　　/
　　 {: : :ﾄ､: : :ﾄ､: : : : : : : :ヽ、: : : : : : :ヽ　 , --'⌒′　　　 　 　l　　/
　　 ヽ: :|　ヽ {　ゝ、: : }: : : : :＼‐‐ﾍ: : :ﾄ｀´　　　　　　　　 　 　 l　　　／
　　　　｀ 　　｀ 　　}: :/. :l､: :ﾄ､: :丶、ヽ:}　　　　　　　 　 　 　 　 l　　/
　　　　　　　　　 ノイ. : / l: j　｀￣´　 ｀　　　　　　　　　　　　　 l　/
　　　　　　　　　　 ﾉ:／　 }/　　　　　　　　　　　　　　 　 　　 　 l/








　 　 　 　 　 / ／ ／. ／. : : :/:/: :/ : /: : !: : :!: :!: : : : : : : : : : : : : : : :
　　　　　　　 |/ ／. ／. : : : :/ / : ,′/: : : !: : :!: :!: : : ＼ : : : : : : : : : : :
　　　　　　　　/. : /. : : : : : :{: :!: :｜:｜: : ｜ : }: :l i: : ﾄ､ ヽ: : : : : : : : : :
　　　 　 　 　 { : : i: : : /:{: : :|: :!: : |: : |: : : :|: :厶孑!:ﾒj: :ヽ: :ヽ、L: : |: : :
　　　　　　　　',: :｜: /: ∧: :ﾄ､|: :｜: :|: : : :!:/　,心l∧!: : /: :|:ーｒ─:r一　　　　　「左門は……、
　　　　　　　　 ヽ八/: /: : ゝ≠ﾒ､:ﾄ､: ﾄ､: : !代じ歹　,j: / } : }: :rﾍ: : }: :　　　　　 おそらく誰も手に入れることができないものを
　　　　　　　 ､＿ ノ. ｲ: : :i:fi 之小|　ヾ　ヽ|ミ=≠=彡ｲ^７: /: /＾ヽV. : :　　　　　成し遂げていきました。
　　　　　　　　 ｀¨¨{ ｜: : ﾄl代歹ノ　　 　 　 Y⌒´｀ヾf.厶/／）　 /. : : :
　　　　　　　　　 　 ヽﾄ､: : ､_うfハ　　　　　　i!　　　　i!　´　（　 ノ. : : :（　　　　　だから、だから……、
　　　　　　　　　　　　　 1: :|　　_ .　-‐‐-､i!、　　　i!＿__ .∠ :_:_:_:_:_:_ヽ　　　　もう一人で悲しみを、抱えることなく……」
　　　　　　　　　　　　 _ノ-小、i!　 Vﾙ'´￣｀ヾ、ヾ.　/　 ＿＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　 厶ﾉo｀ヾ ヽ::::/⌒⌒ヽ　i! |　/　 ＿＿＿＿＿
　　　　　　　＿＿＿　　　　{/i! (ヽ、 }:::{　　　 _j|! i! |　{　 {
ｒ‐ｆ^i⌒'⌒＞､　　　　 ￣￣￣｀oﾟ　ヽV^二二.ノi! i!∧ ∨∧
ゝ`ｰ`ーく　. ⌒ヽ　　　　　　　　　∨∧｀⌒｀　 ／/　 ', ∨∧
　　　　　 ｀ゝく⌒ﾊ　 　 　 　 ﾟ 　 　∨∧ﾟｏ=≦ , '　 　 '. ∨
　　　　　　　　i‐┼}､　　　　 　 　 　 ∨∧　ﾄo､{　　　　i　　






619 ：１[saga]：2009/12/30(水) 21:38:13.72 ID:Es8NLfAo






　　　　　　　　　　　　　　　　 　 , - ､　__,- 、
　　　　　　　　　　　　　　, ｰ ､ /、　丁　 ,.ノ_
　　　　　　　　　　　 , ｰ､f　　 ｀l l　　|_,ｨ'´　 ﾉ
　　　　　　　　　　　|ヽ　｀〈l　　 ﾄﾞ､　l　　_／_
　　　　　　 , -、　 ／ ｀ 、 ゝ 　 !　｀´rｩ- '´　j
　　　　 __/ ｀ｭ >_/　　　 1_,/｀‐'　 ''" 　 _...／　　スッ……
　　　　　　　　|　　　　　　　　　　　　r' ´
　　　　　 　 　 l　　　　　　＿, -‐ '´厶_
　　　　　　　　 ト-‐ｩ-‐' ＼　　　ィ´　 ｀t┼
　　　　　　　　 ｀ゝ_| !　　　」　　　ヽ　　 / １
　　　　　　　　　__＿」　　 |∧　　　　／　勺
　　　　　　　　"　　　　　　!ヽﾍ　 _／　ﾞ;`








　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 -=ﾆ､￣ヽγ￣￣｀ヽヽY￣｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞: .:.:￣￣｀ヽ:.:.:.:｀:.:.:.:.:.:.:.:.＼　 　､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／:. ,-ー:.　:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..＼　|}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/:.／／￣:.:.:.:.-=＝二:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.ヽ|:.}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　///:./:.:.:.:.／:／l:.|:.　:.:./:.＼　:.:.:.:.:.:.:.）.:.:./
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|! |:.:.|:.:.:./:.≦∠:ﾉ:. :／|:.:.:.:.| :.: .:.:.:.:.:.｀:.:.:.＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |l/:.:.//　,r=イ／/:.:.ﾉ:.:.:.:l .:.:.| :.:.:.}:.:. :.:.:.:.:ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　´__ヽノ　/rﾉ 〉 '´‐ ´.:.:.／､.:.:.}: .:.:.l:.:. :. :.:.ヽj
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l　　　　¨´;:　　／:._:.- ´ﾍ }:.:.|:.ゝ:.|:.　.:. :.:./
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ＿_　　 ;:　-‐ｰ´　　　 ノ:.:.:.|:.:.｀.ヽ :.:.∧{
_r‐､r‐､l⌒l　　　　　　　　　　　　　　　 r二ヽ　;:　　　　　 r'´|:.:.:.ﾉ.:.:.|.:.:.:ノﾘ ｀ヽ　　　　　「うえさま……」
..|　||　| |　|r､　　　　　　　　　　　　　　 「｀　　 ;:　　　　／　　 |:./|.:.ノ:.:.:.:.ヽ､
_l､ﾉヽﾉ ｀´{　|　　　　　　　　　　　　　　 |　　...　　 ‐　'´　　　　l´ｲﾚ´ﾘソ‐-ー｀
-‐─-_-‐ヽ ヽ　　　　　　　　　　　　　　｀￣￣｀ヽ　　　　／／: : : : ヽ
　　/´　　 　/　　　　　　　　　　　　　 ,＿＿＿＿rニニﾆヽ<:._:n _: : : : ﾍ
　　l　　　_／　　　　　　　　　　　　 ／: : : : : : : : : |} : : : ヽヽ,ﾍ}{ﾍ}: : : : : : ￣＝──
　　 -＝彳　　　　　　　　　　　　／ : : : : : : : : : : : 〉〉 : : :ヽヽ圸f: : : : : : : : : : : : : : : :
二二二ﾆヲ　　　　　　　　　　　/: : : |: : : : : : : : : : |l : : : : : | |: : : : : : : : : : : : : : : : : :
: : : : : : : :|　　　　　　　　　　　「: : : : |: : : : : : : : : : ||: : : : : :| |: : : : : : : : : : : : : : : : : :






620 ：１[saga]：2009/12/30(水) 21:39:45.13 ID:Es8NLfAo






　　　　　　　　　　　　//　　　　　∠　　 　V´　　　　＼　　＼
　　　　　　　　　　　//　　　　／　　　｀ヽ､,　-－ヘ、　＼　　 i
　　　　　　　　　　/　l　　　　V´¨　　｀　 ｀´－―ヾ=ヽ　　i　　i
　　　　　　　　　/　　l　/　　l　　　　　　　　　　　　　ﾍ　　l　 　i
　　　　　　　　　i　 　V　　　i　＿ ___　　　　　　　 　　i　　ｙ　　ll
　　　　　　 　　/　／　 　/　l´　　 　｀　　　　´｀ ヽ､, /　　ヾ　　l
　　　　　　　　l　/　/ 　/　　j　_--┐　　　　　　　　7　　i　＼　ヽ　　　　　　　　「ふふふ、子供みたいで恥ずかしいですよ。
　　　　　　　/　i 　l　　/　／　　　　　　　　　/´｀ /　　　ヽ　ヽ　ヽ　　　　　　　 主膳どの」
　　　　 　／　∧　ヽ　i　∧ヾ==＝-　　　　　__　 　ゝ　　　｀i　　〉　l
　　　　／　／　＼ ＼ヽゝﾑ　　　　　　　　　｀ヾ=＝、〉　　　l　人　∧ヽ、
　 　／　/´　　　　J　ヽ｀ヽｔ　　　　　　i　　　　　　　/　l　　／　 ＼　＼　＼
　／　／　　　　　｀-┘i　i　＼　　 　､‐‐-,　　　 　ムイ　　l　　i　　ヽ　ヽ 　ヽ
/　　/　　　　　　 /７　ll //::::::::丶、　 ￣　　 　∠､_∠　　i_,　 ヽ　　l　　l　　　ヽ
　　/　　　　　　/　入、l iv:::::::::::卜＼ __.._　＜:::l　　　l　彡　　 　＼i　　/＼　　i
　/／　　　　　/／　　/ヽ=:::::::::::l　::::::::::::::::::i:::::l　　　iて　i　l　　　　＼/　　l　 　l
y　　　　　　／　　　/　 ヘ::::::::ノ　　　::::::::　ヽ::l　　　l　　ヽ　＼　　　く　　　l　 　l
　　　　　／　　_∠／　　く´　　　　　　 　　　∨　　　ll　 　ヽ　ヽ　　　　＼ l　　　ｌ
　　　　/　　/｀　i　　　　　＼　　　　　　　　　　ヽ　　　＼　　l　　＼　　　　＼　　|
　　　/　　 /　　∧　　　　　　＼　　　　　　　　／ヽ　　　ヽ　　ゝ　 ヽ　　 　　＼　|








　　　　　　　　/. : /. : : : : : :{: :!: :｜:｜: : ｜ : }: :l i: : ﾄ､ ヽ: : : : : : : : : :
　　　 　 　 　 { : : i: : : /:{: : :|: :!: : |: : |: : : :|: :厶孑!:ﾒj: :ヽ: :ヽ、L: : |: : :
　　　　　　　　',: :｜: /: ∧: :ﾄ､|: :｜: :|: : : :!:/　,心l∧!: : /: :|:ーｒ─:r一
　　　　　　　　 ヽ八/: /: : ゝ≠ﾒ､:ﾄ､: ﾄ､: : !代じ歹　,j: / } : }: :rﾍ: : }: :　　　　　「ははは、うえさま、笑顔が……。
　　　　　　　 ､＿ ノ. ｲ: : :i:fi 之小|　ヾ　ヽ|ミ=≠=彡ｲ^７: /: /＾ヽV. : :
　　　　　　　　 ｀¨¨{ ｜: : ﾄl代歹ノ　　 　 　 Y⌒´｀ヾf.厶/／）　 /. : : :　　　　　 はい、はい！ええ、お恥ずかしい……」
　　　　　　　　　 　 ヽﾄ､: : ､_うfハ　　　　　　i!　　　　i!　´　（　 ノ. : : :（
　　　　　　　　　　　　　 1: :|　　_ .　-‐‐-─-〆li　i!＿__ .∠ :_:_:_:_:_:_ヽ
　　　　　　　　　　　　 _ノ-小、i!　 Vﾙ'´￣￣￣｀/ /　 ＿＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　 厶ﾉo｀ヾ ヽ::::/⌒⌒ヽ/i! |　/　 ＿＿＿＿＿
　　　　　　　＿＿＿　　　　{/i! (ヽ、 }:::{　　　 _j|! i! |　{　 {
ｒ‐ｆ^i⌒'⌒＞､　　　　 ￣￣￣｀oﾟ　ヽV^二二.ノi! i!∧ ∨∧
ゝ`ｰ`ーく　. ⌒ヽ　　　　　　　　　∨∧｀⌒｀　 ／/　 ', ∨∧
　　　　　 ｀ゝく⌒ﾊ　 　 　 　 ﾟ 　 　∨∧ﾟｏ=≦ , '　 　 '. ∨
　　　　　　　　i‐┼}､　　　　 　 　 　 ∨∧　ﾄo､{　　　　i　　







友矩がいなくなって、家光の心の穴を埋めたのは、宗冬だった。
宗冬は舞や能といった風流にも詳しく、そこが家光と話があった。

柳生家は宗冬のおかげで家光の癇癪からなんとかしのぎきった――





621 ：１[saga]：2009/12/30(水) 21:41:01.80 ID:Es8NLfAo






――かにみえた。






;;;|　.|;;｝ |;;;;;｝ .!;;.!　　!;;;;|　.|;;;/: : /: : :'´ : : : ／≡=ミヽ :/彡=≡＼: : : : : :ヽ : ヽ;;".!;;.! !;;;;.! ｌ;;;;;;;;;l |;;./ ;;;;;;;;|
;;;!　|";| |;;;;;;.! |;;;;!　 .|;;;;;|　 l/: : ,': : : : : : : :/　"´´´´´｀´｀｀｀｀ ｀ ｀ ｝ : : : : : !_: : ',;! !;;;! |;;;;;｝/.i|;;;;| .!;,ll;､;;_;;;;｝
;;;.!　l;;;;l.!;;;;;;;! |;;;|　 .ﾄ;;;;;.!　∧_ノ| : : : : : : （三三三三三三三三三,' : : : : : : ';勹∧!;;,! .!;;;;|lﾞ/l;;;;,! :!;.!Ｔ｀ !;;;.!
;;;;.!　!;;;||;;;;;;;| ,!;;l　　l;;;;;;;〃（:／!: : :| : : : : ヽ三三三三三三三三/: : : : : : ｉ: :∨} ﾉ｀゛ .l;;;;;;/ .!;;;;! .|;;{　　.!;;;;|
;;;､|　l;;;〔;;;;;;;! |;;,!　　|;;;;;;;|〉／: :ﾉ: : ﾉ: : : : : : ）三三三三三三三（: : : : : : : :､ : V∧　　!;;;;;|　l;;;;,! .|;;.!　 .lﾞ;;;;|
;;;;ﾞ;|　!;;;;;;;;;;;! .!;;l　　.!;;;;;;j/: : : : : : ': : : : : : /二三三三三三三三ヽ: : { : : : :ヽ: ＼:ヽ　 .|;;;;;;l　!;;;｝ .|;;｝　 |;;;;;l
､;;;;;| :!;;;;;;;;;;;l .|;;.ｌ　　ヽ〃: : : : ／ : : : : :.;ィ三三三三三三三三三㍉ : : : : : : : : : ヽ:ﾄ､|;;;;;;;| .ゞゞ |;;;l　 .|;;;;;|
l;;;;;/　ｌ､;;;;;;;;｝.!;;.!　　ノ{: : : : :/: : : : :　;ｲ三三三三三三三三三三三ヾ:ヽ : : : : '; : : :!ハ;;;;.!　　　l;;;,!　 .!;;;;;!
.ﾞ‐'　　ｌ､;;;;;|゛.|;;;.!／: 人 : : /: : : : :./:ﾊ{ 三三三三三三三三三三三ﾘ }ﾊj: : : : : : : : :} : ヽ、　 /;;;,!　　ﾞｰ'ﾞ
.　　　　 　 　 ／ : ノ: :ハ: :{: : : : : {:小.三三三三三三三三三三三 /ﾉ}:.: : : :i |: : 人: : : ＼　 ,!;;;;l
　　　　 .ﾞ'i;／; : :´: : /: :ﾊ; :ヽ : : : ヽ:∧三三三三三三,三三三三三'´/':.: : : :j/: 〃: :丶: : : ＼;;;;,!
　　　　 ／／: : :／/: :/: :｝ : } : : : : :` =-三三三三三i:三三三ｰ='イ/: : : : :/: :八: : : : ＼: : : :ヽ、
　　　 /:／ : :／: :/: :/ : :ﾉ: :ﾉ:/: : : /: :ヽ:ゝ、三三三三三三三三_ｲ∨: : : : :,' : （_;_ﾍノ: : : : ＼: : : :＼
.　　　{/: : ／ : : /: :/ヽﾆ:イ:./: : : /: : : :ﾊ:ｉ: |>､三三三三三三个:j:/: : : { : {: : : :ヽ:∧ : : : : : : ヽ : : : :、
　　　/:,／ : : /:/: :/:!: :-彳:ハ: : ;': : '.:/: :ﾘ:〈＼l＞ _三三三'´|: /〉八: : : :}: : ヽ: : :リ ∧＼: : : : : : ヽ: : :｝
.　　（ ;' : : : :/'´: /':│: :.:.|: i: :'; : !: :｛/: : : ;/|＼⌒ヽ＞＜／⌒／|ヽ:{＼ 人: : :∨ノ / ∧: :＼: : : : : ｝: /
　　∧|: : : 〃:／;': : |: : : :ヽ{ ∧: {＼{: : : /:/: :弋(⌒ヽ}{/⌒) /: : |: : ∨ﾉ: :ﾉ:iｰｿ: : : :./ /ヽ: : : : : : : j:八
.　/ハ|: : :/{:/: : | : i:|: : : : : :/: :＼: : : ／）'_: : /ミ≧=｛,｝=≦ﾑ: : :i:（＼ヽ: : : i: : : : : / /: :/ヽ: : i : : :从: :＼
／/: }i : /∨: : : ｌ: :八: : : : /: : : : : ／／∠／） ／(ノ八ヽ.)＼｀ヽ_（＼ ＼: :.:|: : : : ,'.:/: : : : ∧:ﾉ: : ∧: 丶: :＼
　' : い: ｛:/: : : : ヽ{ _;ゝ'"´￣￣￣　´￣　 ／ ﾉo厂　　 ￣{,oゝ（　￣　　 ￣￣￣｀ヽ、 : :/ 人: : :{:人: : :＼: :＼







家光の復讐は、宗矩の死後に牙をむいた。







625 ：１[saga]：2009/12/30(水) 21:42:04.68 ID:Es8NLfAo






　　　　　　　　　　／ 　 　 ミ＼　l|　/　／　　＼
　　　　　　　　 ／　 ｒ≦三≧ｘ ヽ| ／⌒ヽ　　　 ヽ
　　　 　 　 　 ' 　 /　＞一ー--ヽ厶ﾍ　　 ﾄ　　　　}
　　　　　 　 { 　 /イ　　 　 　 　 　 　 |　　j｜　 ／
　　　　　　　 ＼ { {l　　u　 　 　 　 　 |　 / ﾉ　,ｲ
　　　　　　　　|∧ヽ ー＝==ミﾒ､　 ｊ ｲ∠={　弋|
　　　　　　　　| ノ ﾉ 弋Itｯ≧｀ヾ　f´くｰ､++ヽ 　〉
　　　　　 　 ／ / | 　 ￣ ´　　　　| 　 } |- ´ﾉ .ｲ　　　　　　　「宗矩の所領のうち、長男の十兵衛には８０００石を」
　　 　 　 　 {　 { .人　u　　　　　　|　ノノ　ーｲ }〉
　　　　　　　`ー勺ｌヽ　　 　 　 　 {　　　u　/| /
　　　 ＿　 　 |ーﾍ|　}　　　　 ,,.＿_,、 　 　 l l人
　 ／ ,ｨ　|　 丿 }　}ｌ　　　‐'´　---- ｀ヽ　　 ｊ　 ヽ 　 ｢｀ヽ
　{_／｜ |／　ノ　ﾉ|ヽ､　　　　 /＾､　　　　 ｲ|ｌ ＼＼┤｢`l
　 |　　|　| ／　／/| 　 ＼＿_ノ　　＼__／　| い、ヽ }|｜ |
　 |　　|　|´ ／　//|　　　 ヽ　　 　 　 /　　 |　ヽ.＼ノ| |　|
　 |　　|　|'´　／/「￣￣`ｰ-､￣￣￣／￣￣］　＼ヽ| |　|







　　　　　　　　　　 __,ｲ≦三ミx、
　　　　　 　 　,　'´　｀′　｀丶、｀ｰｧ,
　　　　　 　 ｲ　,/ 　　　　　　　', ≦_
　　 　 　 　斗 ,′i　 ,′　i 　　 }　ﾏ´
　　　　　　 i{　i{ _ﾉ　{ 　i　} , iﾊく i！
　　 　 　 　 〉、ｰ个ﾄl＼}/l/|ﾑ::} iﾄﾘ
　　　　　　　　ﾍ ｉ{if斗i::::::!::f斗:以′　　　　　　　　「三男の主膳には４０００石を」
　　　　 　 　 　 l从 　　　{　 　,ﾊ
　　　_.. 　 -‐‐ : {: :ヽ､｀ ﾆ´／: : ｰ-　.._
　 ／. : : : : : : : : : ｋf||｀:rイk: : : : : : : : : ヽ
　ｉ. : : : : : : : : : : : : : ||: :|| : : : : : : : : : : : : i
　{: : : : : : : : : : : : : : ||: :|| : : : : : : : : : : : : }
　 、 : : : : : r＝＝＝┘└＝＝=i : : : : : :,′
　　',: : :}: : : }}%: : : : : : : : : : : : %}}: :/. : :/
　　 }: :！: : ||: : : : : : : : : : : : : : ||: { : : :{






630 ：１[saga]：2009/12/30(水) 21:43:35.45 ID:Es8NLfAo







　 　 　 　 　 　 ／　 ｉ　　　　ヽ|　＼
　　　　　　 　 // /　|│ 　 　 ||　 　＼
　 　 　 　 　 //　|　 ヽ!　　|　 ||＼
　　　　　　　| |　│　ｌ!　 |　l　 |l　 |
　　　　 　　 ﾄﾊi､仆､{_＼ヽ {_, ﾘ　 !
.　　　　　　 小lｊ」″ i ｡　ﾞTヽ|　　 |　　　　　　　「末弟の義仙には、宗矩の菩提を弔うために、
　　 　 　 　 || {ﾉ　 　 ｰ一'　 |　　卜　　　　　　　 ５００石をそれぞれ継がせる」
　　 　 　 　 || ト＿_ _　 　 　 |　　,′
　　　　　 　 |ヽヾ ┬ﾍ、　 　 |　 /
　　　　　 　 ﾞ､ ヽ∨L__ゝ　　 | |/ i
　　　　　　　　＼」ﾄ--- '　　 | |／
　　　　　　　　　　/｀ｰ‐┬＜j/r一'
　　　　　　　　 　 | 　 　 |　　＼
　　　　　　　　 　 |　　　 ＼　　 ＼

　　　　　【芳徳寺住職　　柳生烈堂】







一万石以上が大名の格式である。
家光は家禄をばらばらに分けることで、柳生家を旗本に格下げてしまう。






631 ：１[saga]：2009/12/30(水) 21:44:31.75 ID:Es8NLfAo






さらに、１６５０年に十兵衛も亡くなると、宗冬が継いだ替わりに、４０００石を接収されてしまった。







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　､ ／　,. ''´／／.//:/ ヽ::l　l:l:::l::::::ヽ:ﾊ 　 　 　 　 　 　 |　　　　　　　　/ノ /:/　 /l////l::ヽ ヽ ､　　 ヽ､＿＿,,.　／
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./ /　 ／　 　 //::/　　/::/:///:::l::/:,:::::l:l::＼　　 　 　 ´￣`　　　　　ｲl::://:/l　/::/:::::l､:ヽ=ヽ:::ヽ　　　ヽ::::ヽ ヽ .l
l /　 /　 /　//::::/l_,. '´ /://:/::://::l::::::l:l:l:::ll::＼　　　　　　　　　／::.l::.l//:::l l/:::::l:l::::::ヽヽ　 l､::::::ヽ　　　 ヽ:ヽ l l　　/
〉　 /　 /　//:::::/ll　_,. '´/:/l:l:::/:l::::l:::::/::ll:::l:l:､､| ＼　　　　　,　l::::/l.l::::l::l::l::,:l l:::l:::l:l::::::::ll l　 l ll::::::::::::＼　　 l::l l .l　/
l　/　 /　/::::::／l ll　　 /l::l:::::l::l:::l:::::l::/:::/::/:l::ヽ oヽ `o--,o´-‐ o/:l:::::ヽl:ヽl:l ll:ヽヽヽ//　 / .l.ヽヽ:::::::::::ヽ　l:ll　 l/
l　l　/l //::::/　 l ll　　/::::l:l:::::l:l:::l:ヽ:l:l::::::::/::l::::::ヽl｀ヽ､ V/／ ) ./::::l:::::::::l:::::l/:::l:l--::l:::::l　/　 l　ヽ:ヽ:::::::::::ヽl:l､ /
.l .l./:l.//:::/　　l　ll　./:::::::｀::::l:::ヽ::::::｀:::／.)::::::::/丶 ＿ l .l＿,. ''´l:::::::l::::(＼〈::::::/:l:::::':::::::l /　 / 　 l:::::l:::::::::::::l:ll.ヽ
/l.l::::l/:l::/　 　 ll ll.lV:::::::::::::::l::::::::::,.　''´／フ.／　 ／　 /｀l　 ＼　＼ .､-＼ ＼::::::::l::::::::::::::/ /::l　　l l:::::l:::::::::::l:ヽヽヽ､
::::l:l:::l:::/　　 　 l:ll::l:l::_,,,,....　-''"´　 .／,.‐''"´ ノ ﾉo＿ノ　 ヽ 　oヽ　(　｀丶､ ､ ｀丶､＿:::://::::/　 / l ヽl::::::::::lヽ::::ヽ､:::
:/:::l:::l/ 　 　 　 l:l／　　　　　　　　　　　　／　//　　　　　　｀丶 ､ヽ＼　　　　　　　　　￣｀丶､:/ /l　ヽ::::::::l　 ヽ::::::｀







大名になるために一生をかけてきた男に対して、墓の前で嘲笑ったかもしれない。







633 ：１[saga]：2009/12/30(水) 21:46:02.57 ID:Es8NLfAo






　　　　　　　　　　　　　　　　　　／: : : : : :　　　　　 ＼　　､＼
　 　　　　　　　　　　　　 　 -=彡:　 　 , {:　　 . 　 　 　 ヽ　 ＼丶
　　　　　　　　　　　　　　　　/:／:　 . ﾉ !l､＼　: .　　　　　､＿,ヽi
　　　　　　　　　　　 　 　 　 ｌｲ: : . ／　ﾉ'､丶ニ＝‐ .　　ヽ‐ ´　｀.ﾆ＝‐
　　　　 ,　　￣　丶、 　 　 　 l: ／_ イ/l'!ハ: l: .ヽ:　! !: . 　!:l　　 ヽヽ
　　　／ﾆﾆ. ､　　　 ＞ ._　 -≠: :ｌ : ｌ|:l ｒ|＝l∧ : },| | ﾄ､: | l l: .　　lヽi
. 　 /　　　彡'　　／l　　 ヽﾆ.lﾑ: :l | ｌlﾘ ､ (;)ﾍ l//ｿ:l|/=l: l//:l　ゝ ',
　 ∧, ,.　´　　. ｲ　 l　 　 | |　　 ﾄﾄトl｀　 三´彡'ノノｔ;￢!//: :l　 ﾊ`＼
.　ﾊ／.　-‐　 ィ　　|　 　 | |　　 |ヽヽ〉　　 　 ￣「{ ﾐ、彡': :/:l l/
　{､／ 三三イ: ￢ l　　　| |　　 |ﾚ 〉ｽ　,. ､＿　ﾉ　　ムﾙｌ/:/lム　　　　　上様は、柳生家を潰そうとなさっている……
　三三　／ /　: /人　　//　　 |／ヘ.ヽ`__一'_ 、＜　′￣ ´　 ヽ
　＿＿_l:　:/:　:└　 _　//　　 / 〉 /｀＞ヽ＜ ／　　 　 　 ＿_ 　 ﾊ
　　　, /　/:　:　:　:　: ｀`''‐-､/ /_/／:::::l ﾚ／,.　ﾆニニニ ￢ |　｛ﾑ
　 　 l/　/:　:　:　:　:　:　:　:　: ∧i´::::::::::ｆ <／／:::::::::::::::::::::::::| l　 ヽ}
　　ｒ/　/:　:／￣:　:　:　:　l:　/　l::::::::::::::＼／::::::::::::::／:::::::::::ゝ＼_ム
　　l'　/:　:/:　:　:　:　:　:　:￣ l　 ､:::::::::::::::::::::::::::::::∠ﾆﾆニ二::`ー､__}_
　　| /:　: l:　:　:　:　:　:　:　:　:l　　ゝ二.＼＿＿／￣＼――――---:L._
　 └―‐ |:　:　:　:　:　:　:　:　|::...　　　, 7ーァ'´　　　　 丶､::::::::;;;:::::::::::::::::＼
　　　　　 |:　:　:　:　:　:　:　:　|　　 ,ｒ彡'　／　　　　　　　　 ｀ヽ､:::::::::::::::::::::::::｀丶､
　　 　 　 |:　:　:　:　:　:　:　:　|　　//　／　　　　　　　　 　 　 　 ヽ､::::::::::::::::::::::::::::＼
　　 ＿_ /:　:　:　:　:　:　:　:　| 　//ｧ'´　　　　　　　　　　　　　　　　丶､::::::::::::::::::::::::::＼__







柳生関係者は、あらためて家光の怨念の深さを思い知ってしまった。






○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・






634 ：１[saga]：2009/12/30(水) 21:47:07.76 ID:Es8NLfAo






＜江戸　　鍋島藩屋敷＞







￣ﾞ''ー-､..＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿,,-―'"￣
　　　　　　　||￣ﾞ''ー-､＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿,,-―'"￣
二.二二二二i＝＝＝||＿＿＿＿____,| |　 　 　 　 　 　 　 | |
　 　 ||　　　　||;;　|　 | |￣￣__i__￣￣| |―┬―┬―┬―| | 　|＼
　 　 ||　　　　||;;　|　 | |　　　|　 |: 　　| |￣￣￣￣￣￣￣| | 　|　 ＼
　 　 ||　　　　||;;　| 　| |　　　|　 |:　　 | |.　 i i　　　　　　　 | | 　|　　　|
　 　 ||　　　　||;;　|＿| |　　　|＿|:　　 | |　（_;;）.　　　　　　 | | 　|　 　 |
　 　 ||　　　　||／ ／| |　　　　　　 　 | |￣￣￣|￣''''――| | 　| 　　 |
　 　 ||　　　　||／　 ／三.三.三.三三|_|―――|ﾟ＿＿＿_,|_| 　 ＼　 |
　 　 ||　　　　||　／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼　　＼|
　 　 ||　　　　||'　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＼
／／||　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＼
／／||　／
／／
／






635 ：１[saga]：2009/12/30(水) 21:48:51.29 ID:Es8NLfAo






　　　　　　　　　　　　.,､r;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ｭ､,,._
　　　　　　　　　　 ／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ
　　　　　　　 　 .,ｲ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;'､
　　　　　　　　/;;;;;;;;;;;;;;ヾ;;ヽ;;;ﾍ;;/;;;/／;;;;;;;;;;',　　　　　「しかし、こたびの寺社奉行の知らせ、
　　　　　　　　{;;;;;;;;;ﾐ７/ヾ;;/;;;;;;;;;;;;;;;シﾍ彡;;;;;!　　　　 　これは柳生と鍋島家それぞれが救われる思いがあります」
　　　　　　　　';;;;;;;;;ﾐ;/　　:!|｀`''"´i|　　 '|彡;;i
　　　　　　　　 ';;;;;/ |　　　!! 　　　;! 　 　il;;;;;;!
　　　　　　　 r‐ﾍ;! ├-､,,_|!　 　　;|_,､-ｰ|l;;;;'r､
　　　　　　　 {こﾍｊ　|弋ｬｫ|k 　 ,.rf|ｬｵｱ´!|ﾚﾍ｝ 　　　. . . . : : : :.:.:.:.:.:.:.: . . . . .
　　　　　　　 ∨ゝl ;.|　　　| 　 !:　 |　　　ｲ|.ﾉ/ 　　　　　. . . . . : : : : : : :.:.:.:. . . . . . .
　　　　　　 　 ヾトｊ　|　　　| 　 !: 　|　　/ ;!|;/ 　　　　　　　. . . . : . : . : . : .:.:.:.:.:.:.:.:. . . .
　　　　　　　　　|;;;;､,!:　 　 !　_|;;　 !　/　/l| 　　　　　. . . : : : : : :.:.:.:.:.:.:. . . . .
　　　　　　　　　ﾘ!|;;;|　　　 !,r‐ー十‐ｭ_,'l|ﾘ 　　　. . . . . :.:.:.:.:.:.:.:.:.:. . . . .
　　　　　　　　　 ﾘ|;;|!ﾍ/ソ´ _,rオ≡＝＝＝＝:.:.:.:.:.: : : : :
　　　　　　　　.,､rｭ;;|!//　／／.,／ .,／ｊ;;|ｭ、
　　　　　　　　｝;;;;;;;;| /　ﾉソ .／ .,／ﾉ＞;|;;;;|
　　　　　__,,,,,,ﾉ;;;;;;;;;!　/　/　　 .,/　/! :|;;;;!;;;;レ＝x､_,,,､_＿
　 ／｀;;´;;;;;;;;;;;＼;;;;l. /　/　/　　　/ i　|;;;;／;∨;;;/;;;;;／;;;;;;;;｀
　;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l./　/　/　　／　 ／;;;;;;;;;;i/／＼;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
　;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ｿヽ　　 ′／　　　|;;;;;;;;;;;;;;!';;;;;;;;;;;;｀＼;;;;;;;;;;;;;








　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／/
　 　 　 　 　 　 _　 -―-（　 (＿＿_
　 　 　 　　／　 　 　 　 　 　 　 　 -｀―-､
　 　 　 ／　　 ／ヽ　 　 　 　 　 　　―--　ゝ
　　　 /　/ ／　 　 　 　 　 　 　　´ヽ　＼
　　　/ / /　　 /　/　/ |　 |　 　 　　ヽ　 ＼
　 　 // /　　 /　/　/ | | | || |　|　＼　ヽ＼ ＼　　　　　「ああ、柳生殿は、ようやく将軍家からお許しをもらうことになる。
　 　 / /　 　 / //ノ　 V | |　||　|　 |　　|　| ヽヽ
　 　 |/　　 / /_二三ヽ|| /三二_|　 .|　　|　|　　゛　　　　そして、われらにとっても渡りに船とはこのことでござる」
　 　 /　　/ノ|　｀ ｀´　 l　　 ｀´´/|　|　　|　|
　　 /　 / ||　|　 　 　　|〉　 メ /ﾉ.| ||　　|ﾚ
　 /_／　　 |　|＼　　 --　　／v V　|　/
　 　 　　／ ヽｌ |　＼_　 _／W＼　　 V　　　　　　 へ
　 　　 /　　.ﾍﾍ|　 　 　 　 ト7 >ヽ、　　　　　　／ ＼ >
　 　 　 ＜　 ＼＼　 　 　　/ /　 / ＼　　　／|二|／
　 　 　 　　＼　＼＼ 　 ／／ ／　　　　／|二|／







636 ：１[saga]：2009/12/30(水) 21:49:53.65 ID:Es8NLfAo







　　　　　　, '
　　　　　,.'　 ,'　　 / , ' .,' .,' ,'　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ::::..　ﾞ,::　　,
　　　　 /　 /　　,.' /　/ /:./.::;' . .: .:　 :. ',:　',　　: ',　!　!　';:::::::. ';:. 　',
　　　　,':.　,' 　　;　,'　/:.:;::;'!i.::i|.::.:::::: :　:. :i:.　! i　i: i　;　i:.　i::';:::.. ';::.　!
　　　 ,'::::..:: .:　 ; .::;　;'.;:/i:i !i::ii::ii.:i::::. : .:i: i::. i:::il ;'!ii /!::,'!:.i i::::!::::. ':::. ;　　　　　「寺社奉行就任を機に、
　　　 i:::::::: .: : .: ::::i .;-H'_i;;;;_i''ﾄ!i､!:::::.: ::;:.i十ﾘ;ｚ;;;i/;_ﾒ'､i: i i::::i::::::. !:::;'　　　　　それがしは国替えを申し出てみるでござる。
　　　 i::::::::.:: : .:::::/!::i　'"i':;;;;::ﾑﾞヽ!i､:::::::;::! iｌ:'"i':;;;;;;:ｿﾞ'ゞ!::!.i::::i::::::::i::/
　　　 ':::::::::::.:: :::::i　!i　　　　　　　ﾞ､ヽ::/ｿ ﾉ　　　　　　ｲ::'::i::::i::::::::i/　　　　　　そうすれば、もう、
　　　 .'､:::::ﾞ、::. :::ﾄ、!',　　　　　　　 : ｿ ' 　　　　　　 ,' i/i::/!::ｉ:::::;':l　　　　　　 家臣たちの家族に貧しい思いをさせずとも……」
　　　　 ヽ::.ﾞ、:::.:::!:lヽ', 　　　　　　 ,'　　　　　　　　 /　ノ'　ｊ::li:::;':::|
　　　　　 ヽ! 、::::ﾄ.i　 ﾞ 、　　　　　ヽ丶　　　　　　/　 ./''''!::ｉi:/:::::l
　　　　　　　 ヽ::::i ヽ､　` ､　　　　 ､‐:::‐ｧ　　　 , '　　ｲ:::::i:;'ﾉ':::::::|
　　　　　　　　　ﾞ､'、　　 　ﾞ ､ 　　　　　 　　　／　／.:|:::::ﾉ'ｉ:::::::::::i
　　　　　　　　　　ヾ　　　　　 ! ､　　　　　　　,　 '　.::::l:::::::::il:::::l:::::i
　　　　　　　　　　　　　　　　ｲ 　ﾞ　､....､ - '　　　/.:::::ﾄ､::::::il:::::l:::::!
　　　　　　　　　　　　　　 / /|　　　　　　　　　 /.:::::::::い::::i:::::::i::::i







639 ：１[saga]：2009/12/30(水) 21:51:02.92 ID:Es8NLfAo






「鍋島元茂に寺社奉行就任の動きあり」
この便りをすぐに鹿島の直朝、蓮池の直澄、佐賀にいる勝茂に知らせた。






　　　　　　　　　　　 　 ／ .`!
　　　　　　　／ ＼　 /　　＿L__　 ＿
　　　　　　/　　　　＞´/　　　　｀´ 　 ＼
　　　　　　〉　　　/　　　　　l　ﾊ.　　　 　ヽ
　　　　 　/|　 　l 　 　i　　 !|　l | ,ﾍ　 l　　|
　　　　　|　＼　|　　　|＿_|ﾆ|_|､|ﾉ,.ﾅ_|,_|ﾚ'
　　 　 　 !　　ハ!　 l´1 .!.'´ピI`　　ﾋ!`f
　　　 　　l　/ 　'ヽ;:＼| .|　　　 　､ 　 !
　　　　 　 | |　 l　　＼l　|　　 ｰ‐　／　　　「これがきっかけで……」
　　　　　　| |＿L 　 」|l　ト　＿, イ
　　　　 　 |.　　l |￣　| l　|　| 　 | |
　　　　　　! 　 |l l ヱ￣ l　|＼　 | |
　　　　 　 | 　 i | |　　 　 l　i.　＼_|

　　　　　　【鹿島藩主　　鍋島直朝】







　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ,.-､　 ,...、
　　　　　　　 　 　 　 .. ‐ ,二ﾌ..::..:∀:..:..＼
　　　　　　　　　　r/:..:_ノ:..:..:..:..:..:..:.|:..:..:..:..:｀ヽ.、
　　　　　　　 　 j´:..:./__ -　/_:/_/:∨ヽ:.､_ィ:＼:＼
　　　　　　　　_l!{:.∨:..:./::..:|::.:l|:.トﾐﾑｨ'「.:|::..}:ヽ:ヽ､}
　　　　　　 ／..:{:..:.!:..:.||:l..:|_:斗ト!、　z土ト:/:..:.ﾄ:.} |
　　　　　　j:.:.::.ハ::|::.:..!l:K≦弐ﾐ｢　　_ﾁ=K}::.::ﾘ }′
　 　 　 _ムイ:..:..l:.ヽ::.:...K{|::::ｨ｢｀　 　 h::ﾘ7:イ´
　 　 ／..:.::.::.:..:.:.:!::.ﾊ:::..:{　ﾋzﾂ 　 　 _,ｰ'´ﾊ:ﾘ　　　　「私たちにも陽の目が当たれば……」
　　/:.:.::.:.:.:.:.::.::.._:l::.｀ヽ::ﾄ､　 　 {'￣ ﾘ′/:〃‐､
.　 {.:.:.:.:.:.::.:／´::.:_ヽ{:.:..＼＞　._`ー'..イ>ｲつ　 }
　　V/::.／了⌒(_,ﾄ.ヽ::...:l:| Yニ|丁::.:/　 ヽミｧ'′
　　{/:/　　 ﾄ､___,小ヽ}::.:.ﾘ､ Y´j/|::./ﾄ､_ ／´
　　 |:{　　　ヽ`＝'　 ハｨト､ミV／!'_ﾉ
　　 ヾ、　　　 ヽ＿人　　　＞t‐ﾁ、

　　　　　　　　【蓮池藩主　　鍋島直澄】







641 ：１[saga]：2009/12/30(水) 21:52:15.98 ID:Es8NLfAo






もちろん、勝茂も飛び上がらんばかりに喜ぶ。







　いな
　いん　　　, ' ＾￣｀丶 　　鍋　寺
　言と　　　.',　ﾄ从Ｖｖ〉　　島　社
　葉聞　　　 ﾘ ´∀｀§ 　 元　奉
　かこ　　　　.(つとﾉ 　 　 茂　行
　｜え.　　　 ├┼┤
　｜の　　　　|__ｊ___|
　! !








　　 　 ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i
　　　/::/::::./::::/:::::.|:::::ｽ:::::ﾄ､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i
　　　!/:::::::|::::ﾊ::::./|:::::| i　 i　＼::.ﾄ､:::::::::::::::::::::::::::::i
　　　|:::::|::::|::::| ∨　＼| .＼|　　.ｿ　ヽ::::::::::::::::::::::::::i
　　　|::./|::::|ヾ──'　 | '───､　　i::::::::::::::::::::::::::i
　　　|/ .|::::::i　ｨ匕>　　　 K辷!> 　　.i:::::::::/⌒i:::::::i
.　　　 　ヽ::::ｌ.i　　 　i　　　　　　　　. i'i::::/ ソ i:::::::i
　　　　　　 lﾊi　　　ﾉ　　　　　　　　 　i::ﾉ－ /:::::::i　　　　「ん？江戸の光茂はなぜ何も知らせてくれないんだ」
　　　　　　　　i　　　｀　　　　　　　　　ｿ､_／:::::::ii'
　　　　　　　　ヽ　　　　　　　　　　　 / .i:.:ﾉｨ l::::i'
　　　　　　　　　＼　´￣￣｀ 　　　／　 ｿ .|人ｿ
　　　　　　　　　　 ＼　　　　　　／　 ＿,,-ｰ'￣￣丶
　　　　　　　　　　　　＼＿＿／／:;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;
　　　　　　　　　　　＿-──ｿ──:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;
　　　　　　　　　 ／:;＿:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;
　　　　　　　　＜¨￣:;:;￣¨ﾞﾞヽ､:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;
　　　　　　　/:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;＼:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;







643 ：１[saga]：2009/12/30(水) 21:53:08.05 ID:Es8NLfAo







　　　　　　　　　　　_,.. -‐ ､､,.-― ::..､、T ￣ﾞi
　　　　　　　　 ,.-''"::::::::::;;;:'';:;;ヽ::::::::::::､:｀ヽ..'' {
　　　　　　　／::::::::::::::::::::::;::::::::::::::::､::::::ヽ:::::ﾞ!;ハ
　　　　　 .,:'/::::::::;:::;::::::/::;ｲ:|:::::､::::::::ヽ::::::::ヾ::ﾞ!ド､
　　　　　/ｲ:;':::::/::ｲ::::/ｲ| |:!|:::::ﾞ!:::::::::::ヽ､::::::ﾞ!::!:. .ヽ、
　　　　　　i::!::::;'::::|!:::;'|! |! |l !:::::ﾞﾄ､:::::::::､::､::::;ｿ!｀ヽ ./　　　　江戸にいる直朝からの手紙
　　　　　　ﾞ!|:!::|!::::L::! i! ! ヾ ヾ_;:ヾヽ:::::::ヾ!;ｲ/!:.. .、ヽ、　　　「上屋敷の光茂は、寺社奉行の話をしても、
　　　　　　　｀` ヾﾞ! ﾆ=｡､　　 =ニ｡ ､ヾr''､'ﾞ:::::!:.　:.:.　 ﾞ!　　　　そんな話は聞いていない、といってましたわ」
　　　　　　　　　　 ﾞ! ー　　　　ー- ' ,'::|6 !:::;.'::::l .　,.-'ﾞ､
　　　　　　　　　　 |:!　　' 　 　 　　　|:::!,ノ,:''::.:,ｨ- '::､::ヽ:ヽ
　　　　　　　　　　 i::ヽ、 －　　　　,ｲ:::|'" !r''"::::ﾞ､::::ﾞ､::::ヾ:＼
　　　　　　　　　　 !:::|_ ヽ､、_,,..-　 !|::::|_　!::::ﾞ､:::､::､::::ﾞ､::ヽ::ヾ ､
　　　　　　　　　 r,!::/!｀i　 _,!　 ,.-''|i|::::|:.｀ヾ、:::::::ヾ::;､:::::::::ﾞ!'::::;'
　　　　　　　　 r' .i:;'ﾆﾞ､|‐'' ,!／　　! ﾞi::|__;.:i ヽ､::::::::ヽ､::::::､::ﾞ!/
　　　　　　　　,.!　|:!.r ハ ／　　.::. .,.-l:|::. ..ヽ　｀ヽ､::::::､::::::ﾞ､!'
　　　　　　　/.∧ |i ﾞY　.i 　 　 .;.. '　 :|i　　　 ＼　 ﾞヽ:::ﾞ::::ﾞ!::ヽ
　　　　　　./　　〉.|!　　/　　 ／　　　/'　　　　　ヽ　 ﾞ!::|!::::::iﾞ､ﾞ!
　　　　　_,.}　!_/　　　/　 ／　　　　　!:.　 ,!　　　:. i　 |::i:::::::!' ﾞ|i







勝茂は柳生宗冬に問い質しの手紙を送った。







645 ：１[saga]：2009/12/30(水) 21:54:40.67 ID:Es8NLfAo






＜江戸　柳生藩屋敷＞






　　　　|ｌ　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　　|　|　　　　　　　　　　　|　　|
　　　　|ｌ　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　　|　|＿_＿＿＿＿＿＿_|　　|
　　　　|ｌ　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　　|　|. 　 　 　 　 　　|　 |　 　 |
　　　　|ｌ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿|　|. 　 　 　 　 　　|　 |　 　 |
　　　　　|　　|　　　　／　　　　＼ 　 　 　　　 |　　|. 　 　 　　　　　|　 |　 　 |
　　　　　|　　|　　　　|.二二二二.|:　 　 　 　　|　　|　　_＿＿.　　　|　 |　 　 |
　　　　　|　　|　　　　|ｌ| 　香　　|ｌ|:　 　　　　　|　　|　　|＿|＿| . 　 |　 |　 　 |
　　　　　|　　|　　　　|ｌ| 　取　　|ｌ|:　 　　　　　|　　|　　|＿|＿| . 　 |　 |　 　 |
　　　　　|　　|　　　　|ｌ|　 大　　|ｌ|:　 　　　　　|　　|　ﾙﾘ 　 　　　　|　 |　 　 |
　　　　　|　　|　　　　|ｌ|　 明　　|ｌ|:　 　　　　　|　　| .ﾂ|lﾐ _＿＿＿_|＿|　 　 |
　　　　　|　　|　　　　|ｌ| 　神　　|ｌ|:　 　　　　　|　　|　 |.|. |　..　.＿__＿.|　 　 |
　　　　　|　　|　　　　|.二二二二.|:　 　 　 　　|　　|　（_） ￣|　|　}二{ .|　 　 |
　　　　　|　　|　　　　0　　　　　 0 　 　 　 　　|　　|￣￣￣.　..|（　　 ）|　 　 |
　　　　　|　　| 　 　 　 　 　 　　　　　　　　　　|　　| ￣￣￣|　| ）＿（..|　 　 |
　　　　　|　　|_______＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿|　　|￣￣￣￣￣￣￣:|　 　 |
　　　　　|＿_|＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ |　 　 　 　 　　　　|　 　 |








　　　　　　　　/.::.::.::.::.::７,斗‐.::ｧ .:７.:://{::{::.::.::.::｢:.｢::.::.:ﾄ､: :.:.}:.:.:i　i::. ヽ:.ヽ:}
　　　　　　　　{.::.::.::.::.:/ {::/.::.:/ .::/.:/{lｧ≠㍉::.::.{::.l: ::.:::!: : :!::l:. :.} :}::}.: ::.ﾄ､j､___ノ
　　　　　　　　l::.::.::.,::/　l::.!::./ .:./.〃′,rff㍉ヽ､ﾄ､}､::.::|: .::.}::} ,ｲ.::,:ｲ: :. :.V¨¨¨´
　　　　　　　　{::.::.//　　{::l::.!: ./V　　　{{ｨfﾄｲV㍉､, }::.::}::.://厶}ノ.::}::.::}::.｢´
　　　　　　　メァｲ/　 　 Vﾍﾄ､{　 　 ､__ﾞf竺ｼ_,　 '_ノ_:./.:厶广/.::.::/.::/.::/
　　　　　 ／{　{/.:{　__ 　 ヽ. ヽ.　　　　　￣￣｀　　 ノイL} ﾞV.::.::.ｲ::./／
.　　　 ／　　 Vﾊ／　 }　 / ＼ ヽ　　　　　　　　　　　 ﾏf｣ /.:／{::V´　　　　　　　　「鍋島屋敷が知らせを受けていないとは、
.　 _／　　　　 ,ｲ弋／、　{　　 }　}　　　　 ＿　　　　　　V7〉'　　ヽ}、　　　　　　　　　どういうことか！？」
´ /　　　　　 弋. く ヽ. ＼!　　 {　{､　　／ｰー`､_､_　／ ,/
　{　　　　　　　　　 ヽ ヽ. 丶、　ヽ. ＼{　　 　 l:::／　.イ/ 　 ＿＿＿
　　　　　　　　ﾄ､　__ _ヽ ヽ.　 丶、 ヽ. ＼　 　}/ ／ﾞ{ {⌒`´　　　　　　｀ヽ
　　　　　　　　|　}_} }ﾑ　ヽ. ヽ　　 丶､ヽ　＼´／ 　 | | 　　　　　　　　i　　ﾄ、
　　　　　　　 └;　〈 ﾚ′　〉　〉　　　　＞ｰ　}　　　 ｣ |　　　　　　　　,′　} ﾄ､
　　　　　　　 ／,ｲ_ ＼　／／　　　／　　{　/　　 ／/　　　　　　　 /　 　 | | }、
　　　 　　 _ィ／　 　 ／／　　　／　　 　 i/ 　 ／／　　　　　　　　　　　　ヽヽ







646 ：１[saga]：2009/12/30(水) 21:56:02.27 ID:Es8NLfAo






　　　　　　　　　　　　l､　　　　　　, -‐─ー-､　､
　　　　　　　　　　　　ヽ`ｰー---´───--　＼ヽ
　　　　　　　　　 ,..:.':.:.､:.:.:.:.:.:.:.:.:.／￣:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ）
　　　　　　　　／／／ヽ｀ー-‐´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.）:.:.ニ＝-､
　　　　　　　　{! ／:.:.／:.:.了￣／ :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.＼
　　　　　＿＿_ノ:.,..':.:　.:.／.:／:／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼ヽ
　　　　　｀`ｰ-／:.:./:.　/.: ./.:./ :./.:.:.:./　.:.:.:. :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽヽ
　　　　　　 ／/:.:./:.: ./.:. ,':.:./ .:/:./:./ :.:.:.:.:. :.／.:.:. :. :.:.:.:.:.:.:.:.ヽ`
　　　　　　´ /:.:./:.:.:./:.:.:.:.|:/i:.:/:/:./:.: .:.:. :.／:. .:.:./ :.:.:. :.:.:.:.:.:.:i:.|　　　　　　「仮にも老中からの使者である自分が、
　　　　　　　l:.:/}:.∠＿／厶|/|:.|:.,':.:.:.:.:.‐=ニ二ノl.:.i:.:.:. :./:.:.:.:.|l:|　　　　　　まるで子供の使いもできていないようなもの
　　　　　　　|/ |.:.|l:.l 才ﾃｆ-≧l:.|:..!.:.:.:／/／}:.:.ノ|:.:.{:.:.:./:. |.:.:.i ﾘ　　　　　　と言いたいのか」
　　　　　　　｀　ヽ|l|:.|ゝﾄ-ｲ`ﾐヽヽ:l:.:（=＝ノ≦≠l:.|:.',:.（:.:.:.i.:.:{
　　　　　　　　　 ﾉノ|　｀￣￢´　｀ヽゝィｆ戈テ于ﾐ|ﾉ|::..:.ヽ:.|:i:.ヽ＿
　　　　　　　　　´　｀l　　　　　　,'　　　-K二‐ } 》/　ノ〉:.//ヽ--´
　　　　　　　　　　 ﾉ.!　　　　　/　　　　　 ￣ｰ=ー'／.-‐'
　　　　　　　　　　´ri＼　　 　}　　　　　　　　 ノr'´:/
　　　　　　　　　　　}ヽ ヽ　 t￣｀ヽ　　　　,　':./ヽ:（
　　　　　　　　　　 / ヽヽ ＼　￣｀　 , イ:ノ）ｲ　　 ｀
　　　　　　　　 ／: : : : ヽヽ､｀‐ ' ´　r‐´イ､
　　, - ‐＝ ' ´: : : : : : : : ヽ//＝＝//¨ : : : ＼








:..:..:..:../:..:..:.､.:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:.
:..:..:../:..:..:i.i:.!ヽ､:..:..:..:..:..:.ヽ.、..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..ヽ.:..:..:..:.、.:..:..:..:..:..:..
:..:..:/..:..:..i.:.i:.',　`'‐ ､.:..:..:..:..:ヽ､､ヽ.:..:..:..:..:..:..:..:..:ヽ.:..:..:.';..:..:..:..:..:..
:..:.,'.:..:..:..i:..:i.:.',　 　　／`ヽ､.:...`､`､` ､:..:..:..:..:..:..:..:.',､..:..',`''ｰ‐''
:..:,'.:..:..:..i..:.:.i:.､'、　 /　 ／!　ヽ､.`､`､ ヽ､..:..:..:..:..:..:..','､.:.i　
:..:i..:..:..:..i.:..:.',　`ヽ､l!　/ ﾍ,!　　 `.､ﾞ､ ヽ　ヽ..:..:..:..:..:..:.', ､:l　　　　　　　「も、申し訳ござらん。
:..:l:..:..:..:.i.:..:..ヽ　　 l!./<、 l　　　　`､､‐`;ﾞ´` ､:..:..:..:..:..l. ll　　　　　　　 どうやら手前どもの、連絡の行き違いがあった模様……。
:..:l:..:..:..:..i.:..:..:.`.､　ﾉ.l!`ﾞ''ヽ!　 ,..-''´　ﾞ､　'　　 ',:..:..:..:..:l. ﾘ
:..:l:..:..:..:..:ﾄ､:..:.､.､`.‐､　　,..‐''´　　　　 '､ 　　　',:..:..:..:.l. 　　　　　　　　ひらに、平にご容赦を……」
:.. l:..:..:..:..:.i `.､:..:､`ｰ-`、　　　　　　　　ﾞ,　　　 ',:..:..:..l
i　ﾞl:..:..:..:..:',　 ` ､`､.　　l　　　　　　　 　 ',　　　i:..:..:.、
i　 ',:..:..:..:..:',　　　 `ヽ.　i　　　　　　,　　　',　　 i:..:.
.',　 ',:..:..:.i.:.',　　　　　　i _.-''´`-‐'ヽ- ､　　　 .i:..
. ',　 ';..:..:i､ :',　　　　　 ´　　　　　　　 　`‐､,_ i






647 ：１[saga]：2009/12/30(水) 21:57:02.64 ID:Es8NLfAo







　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 (二二二ﾆ/二二ﾆ/二｜二二ヽ二ヽ二ニニ)
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //＿/__//＿/__//＿/| |ヽ＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　//＿/__//＿/__//＿/_| |__ヽ＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //＿/__//＿/__//＿/__| |＿ヽ＿ヽヽ＿_ヽヽ＿ヽヽ
　　　二二二ﾆ/二二ﾆ/二二二//＿/__//＿/__//＿/＿| |＿_ヽ＿ヽヽ＿_ヽヽ＿ヽヽヽ二二ヽ二二ヽ二二ヽ二二ヽ
　　 //＿/__//＿/__//＿/__///＿/＿//＿/__//＿/＿ | |＿_＿ヽ＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ
　　//＿/__//＿/__//＿/__//○====○====○======.○=====○===○===○===○ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ
　 //＿/__//＿/__//＿/__//＿|　　　|┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬|＿＿|＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ＿ヽヽ
　○====○====○====○===.|　　　|││││││││││││││││||　　.||===○===○===○===○===○
　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　|││││││││││││││││||　　.||
　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　|┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴|| 柳 ||
　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　|┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬|| 生 ||
　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿|　　　|││││││││││││││││|| 　　||＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
　　＼／＼／＼／＼／＼／＼|　　　|││││││││││││││││||　　 ||＼／＼／＼／＼／＼／＼／
　　／＼／＼／＼／＼／＼／|　　　|││││││││││││││││|￣￣|／＼／＼／＼／＼／＼／＼
　　"""￣￣￣'''''''''''''''"""""￣"""￣￣''''''''''""






648 ：１[saga]：2009/12/30(水) 21:57:57.95 ID:Es8NLfAo






　　　　　　　　　　　　 　　　　　　_,,,_、　　
　　　　　　　　　　　　　　_,,.=ﾆ''":;r‐､ﾆ'':ヽ、　
　　　　　　　　　　　 　　 '´ ／: : /: :│::ﾞi､: ヽ　　　ふー
　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ: :,;{/／,/: : ::|i: i }　
　　　　　　　　　　　　 _,,,ｭｉﾆﾞ‐'゛:／: : :.,/j:,ﾉﾘ
　　　　　　　　　　　r二ﾆ---‐'"ﾞ',j,,,,ﾆl,_'" 'ﾞ　
　　　　　　　　　　　´　　　　,,,,-'";;;;;;;;;;;;;;＼　　
　　　　　　　　　　　　　　／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;｀'、
　　　　　　　　　　　　 ,／;;;;;;;;;;,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ
　　　　　　　　　　　,／;;;;;;;;;;;;;;;lﾞ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;、ﾞi､　　
　　　　　　　,--'''";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,!;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,lﾞ;;;;;ヽ　
　　　::,,／″;;;;;,..、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,lﾞ;;;;;;;;;;ヽ
　　　〔;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾞ‐';;;;;;;;;;;;;;;;;;;,lﾞ;;;;,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,/;;;;;;;;;;;;;;;ﾞl
　　　　`-,,_;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,lﾞＺヱ,,-----／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ
　　　　　｀ﾞ''t-､,,、;;;;;;;;;;;;;/;lﾞ:::::::::::::::::,、:|;;;;;;;;;;;;;;;,,、;;;;;;;ﾞ!
　　　.、　　 ｀'ヽ,ﾞ"ｧ､,.;;,lﾞ;;ト::::::::::::::::lﾞ|::::ヽ;;;;;;;;,/,,ﾐ,i､;;;;,l
　　　　'　　　　　　`'lﾞ;;;;;ﾞ彡′:::::::::::::,lﾞ|::::::::＼;;lﾞ::ﾞl;;|::};;;/
　　　　　　 ,，　　 /;;;;,/′:::::::::::::::::::lﾞ::|::::::::::::‘く,:］;;|:ﾚ'








　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,,,.--､｀ヽ|::::／‐'""ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 -=ｯ―''''''''ヽ::ヽ''""'-ﾞ､ヽ､=- ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀'-､::ヽ ヽ、
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::＼
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ,ｲ:/:::::::/:: :::::::::::::::::::::::::::::::::ｌ::::l:::::::::ヽ:::::ヽ
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 〃/:::/::/ ::/:〃l:::: :::::::::::ﾞl:::::ﾞi､ ﾞl、ﾞl　.ヽ ﾞl|i､
　 　_,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,_　　　　　　//:/ :/ ::! ::/!::l:: l: :: :|:: |: :! ﾞl、::ﾞl:: :ﾞi､::ﾞl:::ﾞi:: :::ﾞl
､i´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀'-､_　　 |! |::l:::::l :::l :::ﾄ!::l!:::|:: ::.l ::l| :l:: :l :: ﾞl:: ::ﾞl:: i､::ﾞl､:: ﾞlﾞl、
　`'-､'''''''‐＜￣｀ヽ.:.:.:.:.＼　　|::l:::::| :::l::::ﾄ|ﾐ|i:::|!:: :|!::|!|::l!:::! :: ::|:: ::l:: :l::::::ﾞl::::::ﾞ!ﾞl:l、
　　　｀'-､:::::::::`'-､ ヽ.:.:.:.:.:.`'ｰ|::!:::::l:::::l::::ﾄ`='刈!::::l|;;|ｷH‐l| :: ::|:: ::l: ::|!::::::ﾞl:::::| ﾞl:ﾞl、　　　「……この足で光茂のところへむかうぞ」
.､　　　　 ｀'-､:::::::::::'､.:.:.:.:.:.:.:.:.:N::::::l!:::ﾄ::::l　　ﾘ ﾞi;:!ﾄ`='不::l:: :: :l:: ::l:::::l!:::::::ﾞl:::,!　|::ﾞi、
.l｀'-､　　　 　｀'-､:::::::::ﾞl.:.:.:.:.:.:.:.:.l::::::l!::| ヽ! 　 /　ﾘ　　　|/|::: :::l::::::|!:::|l::::::::l!::i　 l:::::l
.'､::::::｀'-､ 　　　 ｀'-､::::::',.:.:.:.:.:.:.:.ﾞl::::l',:|ﾞ､　 ,,,_ﾞ　　　 ,,-"厶!:::::l::::::/|::lﾞ|::::::/::|!　 |::/
..|ヽ:::::::::::｀'-､　　　　｀'-､|.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:| 'ｉ 丶　 ‐｀'' ,.-' ｨ":::/|:::/!:::/ .!/ l::::/:|::ｌ:l,　l/
│|`､::::::::::::::::`-、　　　　ヽ､.:.:.:.:.:.:.ヽ　ヽ ＼___,.､ィ"!:ｲ::∧l/ l:::/ 〃 ,':/!:::|∧! 〃
.:.l l　 ヽ,､:::::::::::::｀'-､　　 　 ﾞヽ.:.:.:.:.:|ﾄ､　ﾞl　　／　ノ' 〃.:.〃 〃ノ'　///:::lﾞ　 ∨
:.:.:ヾ､　{_,.＞~ﾞ"'''''''''＼　　　　 ヽ:.:.||　ヽ　 ./　　 ,ll.:.:.:,i:./:.∨　　／' /:::::|　／|
:.:.:.::.:.`'ﾆﾆ=､,,,___　　　 ＼　　　　`-lﾞ　　　￣ﾞ''''',iﾞlﾞ.:.:,'.:.:.:.:/ヽ,／　 /:::::::|'"　 l!






649 ：１[saga]：2009/12/30(水) 21:59:01.01 ID:Es8NLfAo






　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ,.ｲ 　 ／!
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 / ／::/ ／::::/　,ｲ
　　 　 　 　 　 　 　 ＼::.､、　ヽ,/ﾚ′ｲイ:::::::/／:/　 __＿__
　　　　　　　　 　 　 　 ＼::::｀ヽj::::::::::::::::::::::::::::::::::＜:::::::::／
　　 　 　 　 　 　 　 _..＞.､ゝ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∠...__
　　　　　　　　　＜::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::二ニ＝-
　　　　　　　　　　__..＞:::::::;イこム:::::::::::::::::::::::::::/∠::::::::::::::／
　　　　　　　　　　　＼::／>'У:/ソ::::::::::::::::::::/｀ヽVヽヾ:::::≦
　　　　　　　　 　 　 ／／:: /::/:::::::::::γこ八jrｭ､_jⅥﾄヾく´￣
.　　　　　　　　　 ／／ｲ::::/::/::::::::::::ハ､,｛　　`'′ﾊⅥ!|ﾄ､＼
.　　　 　 　 　 ／／　 /::ｲ::/::::::::::::::::::/Ⅴ 　 　 　 ヽⅥﾄ､＼ヽ
　　　　　　 ／／ 　 ノイ/:/:::::::::::;ｲ::/!　　　　 ト_､r´ハj　ヽ ヾ　　　　　「御意だぜ！！」
...　　　　／／　　　 　 /:/::::/ｲ::/ |/　　､　　　　/
.　 　 ／／　 　 　 　 /:/ｲ:/　|/　 　 　 /｀　 ー′
..　／／　 　 　 　 　 ! :l'"´￣′￣￣::::::＞... ___
　 ／　　　　　　　 ,.ｲ .:l::::::::::＞''''"~´　　 　 　 　 ｀ヽ
., ′　　　　　　_／_」 .:l"´/　　　　　　　　　　　 　 　 ＼
　　　　　　, イ´　　:l .::l　 !　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ.
　 　 　 ／　　　　　l .::!　l　　 　l　　　　　　　　　　　 　 　 ﾍ
　 　 , :′ 　 　 　 ｜.:l　l　　 　 l　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ﾍ.
. 　 /　　　 　 　 　 | .::! l　　　 ノヽ 　;　　 　 　 　 　 　 　 　 ハ
.　　　　　　　ヾ:､二| .::lニ二￣::::ノ　 ; 　 　 　 　 :　　　　:　　 ハ
.　　　　　　 　 ､＿_| .::|　|::└'⌒i :l　 ;　　　　　　.:　　 　 :　　 　 ',
　　　　　 　 　 }::┌| .::|　｀ｰ‐ｊ:::::| .:l　 ;　　　　　　.:　　　 :　　 ＿.:',
.　　　 　 　 　 j:::└| .::| ト--＜:::j　:l　 ',　　　:!　　.:　　　.:.　/　 　 l
.　　　 　 　 　 ｀ー┤:::!┘└‐＜>　:!　 '、　　ｌ　　.:　　　.:_/　　　　l
　　　　　　 　 ヾ:二|:::::|´￣￣ ヽ｀ヽ　　 ヽ 　 !　　.:　 　/:.　　　　　l
　　　　　　 　 _ノハ!:::::|、)＞ }ﾍムﾉ　　　 ヽ　l　　 :.　 / .:　　　　　 l
　　　　　　　 ヽ/　 |::::::!:::::::::::::::::〉　 　 　 　 ヽl　 　 : /　.:　　　　 　 l
　　　 　 　 　 　 　 |:::::::!｀ ｰ―''′

　　　　　　　　　　　【小城藩士　　角蔵】







元茂の供回りは少数だったが、全員が柳生新影流の目録をえる実力をそなえていた。







652 ：１[saga]：2009/12/30(水) 22:01:40.14 ID:Es8NLfAo






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　　　　　　　　　　　　_　　-───-　　 _
　　　 　 　 　 　 , 　'´　　　　　　　　　　　｀ヽ
　　　 　 　 　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼
　　　　　 　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ
　　　　　　/　__, ィ_,-ｧ__,,　,,､　　, ､,,__ -ｧ-=彡ﾍ　 ヽ
　　　　 　 '　「　　　　　　´　{ハi′　　 　　 　 　 }　 l　　　　　前にも書いたが、鍋島元茂は藩祖鍋島直茂に愛され、
　　　　　 |　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　 |　　　　　隠居領を相続したものである。
　　 　 　 |　 !　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 |　 |
　　　　　 | │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈 　 !　　　　 そのさいに、直茂自身が選別して
　　　　　 |　|/ノ二__‐──ｧ　　 ヽﾆニ二二二ヾ } ,'⌒ヽ　　　元茂の家来とした八十三士がいた。
　　　　 /⌒!|　 =彳ｏ｡ﾄ￣ヽ　　　　　'´ !o_ｼ｀ヾ　| i/ ヽ !
　　　　 ! ハ!|　　ー─　'　　i　　!　 　 `' 　 '' " 　 ||ヽ　l |
　　　　| | /ヽ!　　　　　　　　|　　　　　　　　　　　 |ヽ i　!　　　小城家臣たちのすさまじい話が伝わっている。
　　　　ヽ { 　|　　 　 　 　 　 !　　　　　　　　　　　|ﾉ　 /
　　　　　ヽ　 |　　　　　　　 _ 　 ,､　 　 　 　 　 　 !　, ′
　　　　　　＼ !　　 　 　 　 '-ﾞ　‐ ﾞ　　　　　　　　レ'
　　　　　　　 ｀!　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 /
　　　　　　　　ヽ　　　　　ﾞ　￣　 ￣ ｀　　　　 / |
　 　 　 　 　 　 |＼　　　 　 ー ─‐ 　 　 　 , ′ !
　　　　 　 　 　 |　 ＼　　　　　　 　 　 　 ／　　 |
　　　　　　_ -‐┤ ﾞ､　＼ 　 　 　 　 　 ／　 ! l　 |`ｰr─-　 _
　_　-‐ '"　　 / |　 ﾞ､　　 ヽ　＿___　 '´　　 '│　 !　 |　







654 ：１[saga]：2009/12/30(水) 22:03:17.29 ID:Es8NLfAo






　 /.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:______.:.:.:.:.:.:.:|
　|.:.:.:.::.:.:／"""'''''''''''''''""""￣　　 ヽ.:.:.:.:.:|
　|.:.:.::.;:/　　　　　　　　　　　　　　　 |.:.:.:.:.:.|
　|.:.:.:.:::|__　　　　　　　　　　　　　　 /.:.:.:.:.:|___　　　　　　（聞書５の４６）
_-|.:.:.:.:／　　　　　　　　　　　　　__　＼.:.:/　 ￣
　 |.:.:.:| ''"""＝==;;　　　　;;==＝""'''　 |.:.:〆　　　　　　 「小城のご家中は、直茂公のご信頼が深い方々で、
...l"''| .| -<''''{ u}'';,."'',,、 .,,;;''l"{ u}｀'>´　|/ソ|　　　　　　　直茂公に殉死し、その後も元茂公に殉じたりと、
.丶(ヽ.|　.:.:￣￣　　"'|.:.:''.:.:.:.:￣￣　 　/　/　　　　　　　昔の衆はわずか半分くらいになってしまった。
　＼(ヾ　.:　　　 　　　|.:.:.:.::.:.:.:　　　　　///
.　/丶｀'、　　　　　　.:'　　　　　　　 　/,;'/丶
　|　 ｀-丶　　　　　'丶　-　　　　　　/-''　 |　　　　　　　だが、その半分のものにさえも、
　　　　　＼　　　　＿　_　＿　　　／　　　　　　　　　　　佐賀の家来全員が束になってかかっても、とてもかなうまい」
　　　　　　 |＼　　　　--　　　 ／ |
　　　　　 ,-|　　＼.　　　　　／　　|-.
　　　　　ﾉ、ヽ　　　`'---''"　　　//丶

　　　【佐賀藩士　　山本神右衛門重澄】







　　　　 , '´ ￣￣￣` ､
　　　　i .r-ｰ-┬--‐､ i
　　　　| |,,＿ 　　 ＿,{ |
　　　　N|（　・） ｛（・ ）|ﾘ
　　　　 ﾄ、　 ,__"_ 　 /　　　　　元茂の家臣たちは、現役の佐賀藩士から
　　　　,-/＼＿____／ヽ-､　　　それほどまでに見られていたんだ。
　　　 .|　ゝ　.|　 　/ ＜　|
　　.　/　 ＼ .| 　./　／　|
　　 /_ ./|　 . ヽ /／　||__|
　　（_）" |　　　 |/　　 |（_）
　　　 　 .|　　　 |　　　|
　　 　 　.|　　　 |　　　|
　 　 　 ,-"￣￣||￣￣ﾞｰ、






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655 ：１[saga]：2009/12/30(水) 22:04:27.35 ID:Es8NLfAo







　　＼＼　　　　　　 　 　 　 |　| |　　　　　　 /　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　,,､ -''／
.　　＼＼＼　　　　 　 　 　 .|　| |　 　 　 　 /　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　 イ　　／,r ''了 ／ 了
　　 　 ＼＼　　　　　　　 　 |　|　　　　 　 /'!　　　　 ／　　　　　　　　　　　　　　　/　　/,/　　/／ ,／,r､-　 _,,,､ -ｰ ―
　　 　 　 ＼＼..　　　　　 　 |　|　　　 　 ./　!　 　 ／／　　　　　　　　　　　　　　 / 　 /:/　　//　_/'. /ﾚ '' "　 ,､　　 ／
　　　　　 　 ＼　　　　 |＼　　 |　　　　 //| |＿＿＿　　　　　　　　　　　　　　　ｲ　　/ /　__/: l／　/　　 z- "/　　／
　　　　　　　　 ＼　 　 |　 ＼　|　　　 .// .l＿　　 ／　　　　　　　　　　　　　　　|.　 / /／＿_,　　　/,､-''" 　/　　/
　　　　　　　＿＿＿＿|　|＼＼／＼//　　／ ／　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |　　レ '''"　　/　　　 　　,,､-'　　/
　　　　　 　 ＼　　＿＿__|　 ＼／＼/　／ ／　 ＿＿＿＿＿.　　　　　　 　 　 |　　　 ,､-ｰｰ'　　 ,､-'' "　　　,,､z
　　　　　　　　 ＼ ＼　 　 　 　 　 　 ／　　￣￣　 ＿＿　　　　　／　　　　　　|　　r'　　　　　　 l"　　　,､- '
　　　　　　　　　　＼ ＼　　__lV ､＿　￣￣￣￣￣―　""　　 ／　―――　　 |　　|　　　　　　 /　,､ ''"
　　　　　　　　　　 /　 /　,　>　 へ´　　｀ ､￣￣ 　 　 　 　 ／　――　　　　　 |　　|　 　 　 　 /／
　　 　 　 　 　 　 /　 /／/　 Y　l＼　　　　＼　　 　 　 　 く　―――――― /　　|　　 　 　 /√
　　　　　　　　　/　　／./　　　　!　 ＼　 |￣　　　　　　　　 ＼　　　　　　　　 |　 ／
　　 　 　 　 　 /　／ //　　／! .! l＼　＼l　　 !￣￣￣￣￣￣　　　　　　　　|／
　　　　　　　 /／　..//　／　...! l l　　＼ 　 　 | 　 　 　 ＼
　　 　 　 　 /　　　//／／ |　.l l ｌ　　　 ＼ 　 | 　 　 　 　 ＼
　　　　 /　/　　　/　／　　 ｌ　∥ｌ　　　　　＼ | 　 　 　 　 ＼＼
　　　 ./　/　 　 /／　　　　 l　　.i　　　　　　 ｀　　　　　　　　＼＼









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モクモク::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;;;;;;;;;;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
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（⌒;;;;;⌒;ソ⌒;;):::::::::::::::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::;;;;;::(⌒;;⌒ヽ;;　｀)⌒;;,,.⌒
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⌒;ソ⌒;;;;'''）ヽ）;;;;;;;,,,,,,）ソ''⌒;;）⌒;ソ⌒;;;;!"'''）ヽ）;;;;;ｿ;;,,,,,,）ソ''⌒モクモク
⌒;;;;!"'''）ヽ）;;;;;ｿ;;,,,,,,）ソ;ソ⌒)(⌒;;ヽ;;;;;'''）ヽ）;;;;;;;,,,,,,）ソ'';｀)⌒;;;;'''）ヽ）;;;;;;;







657 ：１[saga]：2009/12/30(水) 22:05:36.67 ID:Es8NLfAo






　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ヽ､ 、　　　　　　　　　　　 ,.イ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼::＞.、　　　　　　　／:::/
　　　　　　　　　　　　　 　 ヽ､ 、　 　 　 ∨:::::ヽ ヽ　　　／:::::::/
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＼::＞...､＼ ∨:::::::＼ﾄ､　/::::::::::/　　　　 __＿
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ＼:::::::＼∨:::::::::::::::::::::′::::::/／,..＜´::／
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　　　　　　　　　　　　　ｰ=ニ;:::::::::|::|::::::!: : : :.／: :./!:|l: |: : : : :.:!::::!:::|:::::::::::::::＞
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｀ヽ;::|::ﾄﾍ::ﾄ;,:／;_;_;.:/,;!;|l;_|;_;_;_;,;,;j:::ﾘ::ハ::::::／
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　ヽ＼! ／､｀丐ﾞ/　| |ｋi!`丐イﾊ!/::ハ／
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /;';､Ｘ　 　 ｰ /　 .|::!| |｀ｰ ´ 　/ﾉｲ〈
　　　　　　　　　　　　　　　　　 /／/|:::ﾍ　 　 | 　　!: !　 　 　 /イ/: :',
　　　　　　　　　　　　　　　　／´　 ! ﾘ::ハ 　 　 ､＿＿,　　 ,ｲ::::ﾘ !: : i　　　　「門を開けたぜ」
　　　　　　　　　　　 　 　 ／　　　　　∨ﾍ:＼　　　　　　　ｲ::/!/　|: : :!
　　　　　 　 　 　 　 　 ／　　.　-―- 　.くi:!!:| :＼　　　 ／ :l/＼へ|: : :|
.　　　　　　 　 　 　 ／　 ,. '´　　　　　　｀''ー-　 ､｀ ｰ ´ 　 ﾊi:i:i:i:i:,ﾍ｀　‐　、
　　　　　　　　　 ／,.-‐'´　　　　　　　　　　　　　　ヽ、　　!　:i:i:i:i:i:. ':　　 　 ｀ 　､、
　　　 　 　 　 ／,.:´　　　　　Y　　　　　　　　　　　　　ヽ、 　 i:i:i:i:i:.　':　　　　　　　｀ヽ
.　　　　　　 /;';/　　 　 　 　 i　　　　　　　　　　　　　 　 ＼ i:i:i:i:i:i　 ':　　　　　　　　　＼
.　　　　 　 　 .′　　　　　　 |　　 　 　 　 　 ∨　　　 　 　 . i:i:i:i:i:i:. 　':.　　　　　 　 　 　 ＼
.　　　 　 /,.イ　　　　　 　 　 !　　　　 　 　　　'､　　　　　　　　ヽ:i:i:i　　　　　　　　　 　 　 　 ＼
.　　　 　 .′　　　'.　　　　　 '.　　　　　　　　　 '. 　 /　 　 　 　 !:i:i:i　:　　　　　 　 / :.　　　　　 ＼
. 　 　 / i 　 　 　 ﾍ　　　　　ﾍ　　　　　　　　 　'.　ｆ　 　 　　　 }:i:i:i:i　:.　　　　 　 /　:　l:　　　　　　＼
.　　 　 　|　 　　　　ヽ　　　　　ヽ 　 　 　 　 　 　∨　 　 　 　 /｀:i:i:i　:　　 　 　 /　.:　 l　　　　　　 　 ＼
. 　 　　 .′　 　 　 　 ヽ　　　　　＼　　　　　 　　ｊ 　 　 　　. ′i:i:i:i.　:　 　 　 / 　:　　l:　　　 　 　 　 　 ＼
　 　 　 {　　 ＼　　　　　ヽ　　　　　＼　　　 　 ノ　　　　　/::i:i:i:i:i:i:i:　: 　　　/ 　.:　　 l　　　　　 　 　 　 　 ＼
.　　　　 '.　　　 ＼　　　　　 ヽ 　　　　｀ ー‐ｧ'´　　 　 　 /--:i:i:i:i:i:i:i:　: 　　/　　.:　　 :l　　　　　　　　　　　　　＼
. 　 　 　 ヽ　　　　 ヽ 　　 　 　丶　　　 　／　　　　　 .:,.ｲ─::i:i:i:i:i:i:i:　: 　/　　.:　 　 .:l　　　　　　　　　　 　 　 　 ＼
　　　　　　 ＼　　　　丶 　　　　　` ｰ‐ｧ'´　　　　 　 ／
　　　　　　　　＼　　　　 丶　　　　 ,.イ 　 　,..　-‐　´
　　　　　　　　　 ` ‐- 　 .,＿,.＞‐''´　`ｰ一'







659 ：１[saga]：2009/12/30(水) 22:07:18.00 ID:Es8NLfAo







　　　　　　 ,　-──-　､
　　　　　／＿＿＿＿＿　ヽ＜
　　　　 |/⌒ヽ　⌒＼　| 　ヽ
　　　　 |　　．| ． 　 |＿|　　 !
　　　＿|　　　|　　　 !　　⌒V
　　　ヽ　`ーﾍ　ー　′ 　 _ﾉ
　　　　 ￣￣ヽ￣￣ ヽ　ﾉ　　　　　「な、なにごと……」
　　　　　　＿＿|(二)ノ／
　　　　　　`ー─┬_イ
　　　　　　 　　 /|/＼/ヽ
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　　　　　　　　　　　　　　＿＞⌒ヽ∠＜　　　　　　　　　 ,..:::'´::::::::／
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　　　　　　　　　　　　|!::/:::{￣ ^/r'凭ｹ:::// :::::／ 　／
　　　　　　　　　　　＿|:ﾄ::::ﾄ､ 　__!　メ／/:::::: 　　／　　　　　「土山五郎兵衛を救い出せ！
　　　　　　　　／/:::::,∠⌒＼＼ _／彡/:::::::/ 　 /
　　　　　　／／:::／^⌒＼⌒＼ヒL/::::|::::::/ 　 /　　　　　　　　邪魔するものは遠慮なく斬れ！」
　　　　 ／／;::／／⌒ヽ　 |　　＼ イ＾|::::::| 　 /
　　　／／:::／ 　　...:::　|　 | ::; 　 ＼}〕|::::::|　　j
　　 　/／⌒ヽ＿_. 　　 |::: .| 　 　 　＼|::::::|　　|
　　　/ ／＿＿:::::...＼;:: |　 | ::.::::::. 　 | |::::::|　　|
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　/...:::::　　　　　＿＿＿　＼＿ノ:::::::: ＼＼/ヽ　 |!:::}ｒ ﾆ⊇┐
　|　　, -　´￣　　　　　　`――――⌒/　|＼ゝ┘ノノ斤＝}
　{／i　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､＿＞-‐イ`＜ヽ}ノ
　〒三二＞＿＿＿　＿　――――――､＿ノ＿」┴┘＾
　ノ　⌒‘　　　　　:::::::::::::::＼⌒/　⌒/　/｝ノ＾〕ヾ






660 ：１[saga]：2009/12/30(水) 22:08:40.38 ID:Es8NLfAo






　　　　 (　⌒　）
　　　　（　＼＼　　　　　　 /
　　　 　 　 　 , ───　､　　／
　　　 　 ゝ／＿＿＿＿＿＼　＿
　　　　　/　 |　 / ⌒＼/⌒ ｌ
　　　 　 l　　|─|　 　 ・|∠　|
　　　　　Y⌒　　` ー　 ﾍー ヽ　　　　　　「さ、さ、三家の分際で……」
　　　　　ヽ_ 　 /⌒ヽ＿＿＿つ
　　　　　 　 ｌ　|　　　　/　　　　_
　　　　 　 　 >､ 二二二)　　　|　）
　　　（（　／　 ＼／＼|──/　　二)
　　　　／ 　ｌ　　 　 　 |＿＿|､ （_ﾉ
　　/⌒ヽ／|　　　　　 |








　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 〈〈〈〈　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　ｌ⌒ｌ　　 　〈⊃　　}
　　　　　　　　　 ／￣￣￣￣￣ヽ　　 　|　　 |　 　 | ､､￣|､､
　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　＼　 　|　　|　　　|ヽ ＿|　　　＿＿＿
　 　　　　　　 |　　　　　　　　　　　　|　 　|　　|　　　　　　　　／＿＿＿＿ヽ
　　　　　　　　|　 |ヽ|ヽ|ヽ|ヽ/|/|/||　|　 　|　　|　　　　　　　 .|　| --‐'　､,.-､ｌ
　　　　　　　　|　 | (◎)　 　(◎) |　|）|　　　／　　　　、　　　| _| _;_;::;ノ |<　||
　　　　　　　　|　 | 　　　＿　 ノ |　|/　　／　　　　　　，,･_　 .(6　 　ｰ っ-´.}
　　　　　　　 　ヽト､__＿＿＿_ノ|／|　／　　　　　, ’,∴ ･　 ¨　＼. ノ_ ￣￣ﾉﾉ＿
　　　　　　　　　　/ 　ヽ V ／　　　／　　　　　　､･∵ ’　　　／ （_ ∧￣ /　､　　＼
　　　　　　　　　 /　　　ヽ/　　　／　　　　 　 　 　 　 　 　 ／　　　　 ￣　 .／＼ ＿＼
　　　　　　　　　 |　|　　/　　　　|　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　 /　　　（t 　）





661 ：１[saga]：2009/12/30(水) 22:09:54.05 ID:Es8NLfAo






::l:::lﾞヽl::::::::::::::::::::::::::::ﾊ:::::::::::::::::::::ヽヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i
::l:::l:::::!::::::::::::::il::::::::/　.l::::/i::lﾞl:::::::::::ヽヽ::::::、,:::::::::::::::::::::::::l
::l:::ﾄ､:|::::::::::::::lﾞｌ::::十‐-|/..,|:| ﾞl::::::::::::::ヽヽ::|i::ﾄ、:::::::::::::::i:::l
:::l:::l;/ﾞl:::::::::ｌ::l l::::::l┬-=ﾐ､|ト､l:::::::::::::::::ヽヽｉ:l..l|::::::::::::::::l:::l
::::l:::l　|:::::::::l::l. l:::::l ﾞﾞ'‐-┴`ﾞ. ﾞl:::::l:::::::l::/ｨ､ヽﾗ|;ｲ:::::::::::l::.l
::::l::::', l:::|:::::l::l　l:::l.　　　　　 　ﾞｌ/ﾞl:::/ﾚﾞ ｀''ヽヽ' |:::::::::::l::lﾞ　　　　　「土山を消していたら、家のためにお主を斬る」
:::::l::::ヽl::l:::::|l:!　l::l　　　　　 　 'ﾞ　ﾚﾞ　　　　 .ヽ.ヽ:::::::::l/ﾞ
::::::l::::::::l::l::::ﾄl!　 !l　　　　　　　　　 lﾞ　　　　　/ヽヽ:::/
::::::l:::::::::l:ﾞl:::| .ヽ. l!　　　　　　　'' ｰ'　　　　 ./::::::ヽ.ヽ　　　チャキ
:::::::l::::::::|　ﾞl:l 　 ＼　　　　 -=ﾆｧ　　　　 ,.ｲ:::::::／ﾞヽへ　　　_.......
::::::::l:::::::|　 |l!、　　 ヽ、 　 　 　 　 　 .／/ﾞ|::／　　　`､ ＼'"、､　｀ヽ､.._
::::::::|:::,-―┤　　　　　丶､_　　　_,.-'"l::/　ﾚﾞ　　　 ／ﾞi､　ﾞ,! ﾞ'′　 ,ト､ ﾞヽ
::::::::ﾚlﾞ､,,ｰ‐!、 　　　　　　 ｀ﾞ''''"/　　l/ 　 　　 ､イ　|＼｀ﾞ″　　／　 ヽ ヽ
::::::.lﾞ;;;;;;;;;~''‐､` ､　　 　 　 　 　 lヽ、 'ﾞ　　　 ／　l、　ﾞﾞﾞ　　 _..-"　　　,〈　ヽ
:::::/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼.＼ 　 　 　 　 .l　 ヽ　 　　/----ﾆﾆ―'''''"　　　　　/　ﾞl_,,ﾉ
:‐";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼＼　　　　　l＼__|＼,,,_ │　　　　 ｀ヽ,,,,,,,,,,y---'" ／ﾞヽ
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ ＼　　　 |　　/;;;;;;;,;,Ｖ　　　　　　　 ﾞ'ぐ゛　　.,,／　　 ,}







　　　　　　　　　Ｌ
　　　　／ ￣￣　ヽ
　　　/　　＿＿　　|､　　　　　「……なにが寺社奉行だ」
　　　(|／　　　 ￣ ヽ､
　　／　 i／￣￣￣＼＼
三＼／ |　　　　　　　> /⌒∋
　(/U　　ヽ/⌒`|ヽ／　＼)￣
　　　　　　i/￣ヽ　 ＼　　|￣/i⌒､
　　　　 　 |￣￣|　　　 ` ┴┤|─ |
　　　 　 　 ヽ__丿　　　　　　 ! |　丿
　　　　　　　　　　　　　　　　　￣








　　　　　／ ⌒｀ ─ Ｌ
　　　　/　　　　　　　 ＼
　　 　 |　　　　　　　 　 ヽ
　　　　|　　　　　　　　　 |　　　「叔父上はそんなに幕臣になりたいのですか？」
　　　　（＼　 , -── ､/ﾉ
　　　　　｀ /⌒ヽ￣￣｀ヽ、
　　　　　　|　　|　　　　 　 i
　　　　 　 |　　|　　　　　　 |
　　　　 　 |　　|　　　　　 　 |
　 　 　 　 |＿_|, ──── ､)
　　　 　 ／＿ﾉ　　　　　　　 |
　　　　 /´　__|_,－ ､＿＿_ ノ、
　 　 　 ヽ､＿|＿_　　　 ）＿.ノ






662 ：１[saga]：2009/12/30(水) 22:11:31.65 ID:Es8NLfAo






　 　　 ／:,,r''":::::::::::;;;;;/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼:::::::;;;;;ヽ;;;;;;;;;;;;;;:::::::::|
　　 ／／:::::::::::,r''":::;;i:::::::::::::::;;:::::::::::::::＼::::::::::::;;;;;;;;;;;;;ヽ;;;;;;;;;;;;:::::::|
　,／,/":::::::;／:::::::::::::::::::::::::::;;::::::::::::;;:::::::::'i::;;;;;;;;ヽ、;;;;;;;;;;|;;;;;;;;;;;::::/
／ ,/::::::::::;/::::::,r::::;;:::::::,,:::::,/|:::/i::::::::|::::::::::|;;;;;;;;;;;;ヽ;;;;;;;;;;;|;;;;;;;;;:::/
　 /:/:::::::,/::::;/::::,r'::::::/|:::/ ,,|:::|-|;::::::|:::::::::::|;;;;;;;;;;;;;;!;;;;;;;;;;;|;;;;;;;:/
　i,/|:::::::::;i::::/:::::/|:::::::i　|::i"_i;;i__ ,,i::::|i;;:::::::::i;;;;;|;;;;;;;;;|;;;;;;;;;;|;;;;;/　　　　　　「拙者は鼠だ。
　 | |::i|:::::|::::i:::;,/__|、::| "|:i'"_r'_;;;;ﾊ|:i　|;:::::||;;;;;|;;;;;;;;;|ヽ;;;;;|;;;/
　　 i;::::::||::::i:::i　ｒ';;}ヽ:i　 i|" ´　　　!!　 i;:::ｊｊ;;;;;;|;;;;;;;;;| |;;;;/;/　　　　　　　 沈む船にはさっさと逃げることにしている。
,__,-‐i;:::::||::::|::| ´ 　　ヽ　 　 　　　 ::::i　i;:/ ｊ;;;;;|;;;;;;;;| |;;;/;/
;; _'''' i;::::::i:i:::::::|　 /　　　　　　　 　 :::i　/　:i|;;;|;;;;;;;;|ﾉ;;/　　　　　　　　　 鹿島・蓮池ともにしかり」
-‐‐--|:::::|;:::::::ﾍ ヽ、　　　　　　　 :::/　 ::::::::|;;;||;;;;||ﾍヾ
;;;;;;;;;;;;;;゛|:::|::::::::|:ヽ、　 ＿＿　　 ::::/　 :::::::::::|;;| |;;|:::|
:::::::::::::::::::{:|i:::::::||;;:::＼´ ｰ　 ｀　 ::/　 :::::::／ ||　i|::::::i
::::::::::::::::::::| ゛i::::|! i;;::: i＼　　　　　　 ::;／´::::::ｊ:::::!::::::::i
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;゛i:|;;; ＼:i::::＼ 　　,,, ,‐''"::::::::::::::::::::::　　 'i,
_,,-‐ー'''￣　　 　　''' ﾌ＼;　￣　　ヽ:::::::::::::::::　　　 ,,,-‐―‐--,,,
　　　　　　　　　 ,,''";;／"　　　　　 丶::::::::::　　　,／　__,,,＿　　 "7
　　　　　　 ,,, ‐",,-"　　　　　　　　 　 |゛　　　,／,,-''"　　　゛゛'''''‐-ｪ
‐-ー‐=''"-‐''"　　 　　　　　　　　　　 !　 ,,-''／　　　　　　　　　　 "/








　　　　　　　　＿＿＿＿＿
　　 　 　 ／´　　 　 　 　 　 ｀＼
　　　ゝ/　　_＿＿＿＿＿＿＿_ヽ
　　　/　 　 | 　　　ヘ､　 　 ノ⌒　|
　　　|　　　|　 ／　￣｀ヽ / ￣｀ヽｌ
　　　l　 　 |　 ｌ　　　　 ｌｊ |　lｊ　 　 l
　　　ヽ　　|＿|　 　 　 　 |　　　　 |
　　　/⌒`　　ヽ　　 　 　 ｌ　　 　 ﾉ､　　　　　　（ぼ、僕が藩を継いだら、取り潰されるって言いたいのか）
　　　|　)　　 　 ｀ ー─ ´　っー ´　ｌ
　　　ヽ__　　　／⌒＼＿＿＿_つ ﾉ
　　 　 　 ＼ （ _＿＿＿＿_ ノ　／
　　　　　　　>ー───､─　´
　 　 　 　 /　＼　／ ＼/ ＼
　　　　　 ｌ　　 l　　　　　 |／＼
　　　 　 ├─┤　　　 　 |､






663 ：１[saga]：2009/12/30(水) 22:12:25.60 ID:Es8NLfAo







　 .、ヽM从,ﾉ
　く〃ﾉ〓〓ゝ
　 ゝｄ´゜д゜｀
　⊂√!≡i￣|つ　　　　「土山どのー！生きているかー！」
　 　 / ´__￣）
　　/ 　/ （＿）
　 （_＿）









　　　　　|┃　　　/::/:::::/厂|ｈ{ 三≧＞ｌ:::::::::::冂::::二ﾆ－＞
　　　　　|┃　 　 ｌ:/::::::/三 |{ ヘ　ﾚｒ' ，弌廾::|::ｌ:::::::::∠,-‐ ､＿rー-ｔ
　　　　　|┃三　 |/;:::::/＞‐〒ヽＹ　=≠　乂リうV,-‐イ　　::::::/ ..::::／:
　　　　　|┃　　　:ｌ:::::ハ「__’ｲ　ﾉ!＼　 　　 _　h;ﾉ　　 /＿＿ﾉ-､:＿
　　　　　|┃三　 ﾊ::::小 ￣　', ヾＬ　＼　　=　ﾚ∠‐ 个　　/　/　　ﾉ
　　　　　|┃三　 ―ｌ:;代_　　 ヽ ,､=＝、　 Ξ,/　　　'　　/　　　／..::　　　　　「土山どのー！！」
　　　　　|┃三　　　|::ﾄ､ぃ、　　Ｙ::::::::::＼　=,/　　　　＿＿＿　　..::::::
　　　　　|┃　　　　　ｌ　 `^＼ 　 V⌒ ⌒|　/|,､'｀￣　　　　　 ｀ヽ、:::
　　　　　|┃　　　　　ヽ　 /: :/i;h .V＿_ノ /:ﾉ＿＿＿＿　　.:::::::::::＼
　ｶﾞﾗｯ.　|┃　　　　　　 ／: : :{:::ﾊ`ヽ, ― ﾉ　　　　　　 　 ＼‐ ､::::::::::
　　　　　|┃　 　　　　 /: :: :/ |::::|:＼:`' T　　　　　　　　.:::::::＼:::::L
　　　　　|┃三　　　　 |:::／/ |:::::|: : ＼: L＿＿　　 ..::::::::::::::::::::|::::|⌒








665 ：１[saga]：2009/12/30(水) 22:13:19.91 ID:Es8NLfAo








　　　 　　　　 　 ／⌒´￣￣｀ヽ
　 ｒ―--　、　 /:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼
　 |　　　　　｀Y:.:.ｌ.:.:/.:.:.ﾊ:.ｌ:.|:ｌ.;.';.:.|.ト.ゝ--一　 ー- ､
　 |　　 ＼ ｀　|:.:.ｊ:/:.:.;ｲｰ|:ﾄ:|:ﾄl:.l.:.|:|:|.　　　　　　 　 /
. 　! 　 　　ヽｰ!://:.;ｲ:.:死ﾘ ﾊ|'ｒﾃ||.ﾄ|､＿_／　　　 /
. 　 ',. 　 　　`､'/ｲ:ﾍ|:.|　　　　〉 ﾊﾄ|　 ／　 　 　 /
　 　 '､　 ヽ 　 V ﾚﾘl:.!､　ｰ＝‐/ヽﾘ_/　　/　　 /
　　 　`､ 　　　　｀Y| ｀　` ｰ ｒ'__／´′　 ′ ／
　　 　　`､　　　　　　　ヽ 　 ′／　 　 　/ /
　　 　　　ヽ　＼　　` ー 　 　 ′　　 　 ' /
.　　 　　　　＼　　　　　　　　　,　　　　　{
　　　 　　　　　i　　　　￣｀　 ′　　　　　!
　　　 　　 　 　 ',　　　　　　　,　 　　　　　i
　　　 　　　　　　ヽ　　　 　　 } 　　 　　　 ﾊ.
　　　 　　　　　　　 ＼　　 　 ′`　　　　　　＼
　　　 　　　　　　　　　＼　　　　 ､　　　　　′ `ー-　、
　　　 　　　　　　　　　 　 ヽ､　　　!　　　　　　　　　　　ヽ
　　　 　　　　　　　　　　　 　 ＼　　　ヽ　　 　 　 　 　 　 ',.
　　　 　　　　　　　　　　 　 　 　 >、　　　　　　 /　　　　　|
　　　 　　　　　　　　　　　　　　ﾉ　　､ｒー―-‐‐┐　　　　 |
　　　 　　　　　　　　　　　　　/　　　 .| 禁 　 則 !　　　　　|
　　　 　　　　　　 　 　 　 　 /　　 　 ｜ 　　　　｜ 　 　 　 !
　　　 　　　　　　　　 　 　 /　 　 　　 |_事＿_項」　 　 　　.l
　　　 　　　 　 　 　　　　./　　　　　　　　/　 |　　　　　　 ｜







671 ：１[saga]：2009/12/30(水) 22:15:08.81 ID:Es8NLfAo








　　　　　　　　　|;;;;;|;;;;;;|
　　　　　　　　　|;;;;;|;;;;;;|　ピシャ
　　　 　 　 ,､人,､／l;;;;;|,､
　　＿ﾉ＼ﾉ:::::::::::::::::::::::::｀ー'フ
　　＼:::::::::::＿_ノ＼,､＿:::::::::≧
　　　ミ三::::::＼:::::||ll:::ゝ::て:::::::彡　　　　　　　　　　　 _,,､;;;￢;;;,､
　　 　 ＼ハ二二川二二ハ／　　　　　　　　　　　／;;;;:;:;:;:;:;:;;;;;;;ヽ
　 　 ／ﾉﾘ<●>ハ<●>ﾙ' ＼　　　　　　　　　 __　/;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;;;ﾍ
　 　 |　u　　（__人__）　　u　　|　　　　　　　 ／/´7;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;;i
　 　　＼　　　 ｀ ⌒´　 　　／　　　　　　　/ /　ﾉ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!
　 　 ／　　　　　　　　　　 ＼　　　　　　　　/　〈ﾍ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i!　　∨;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/ヽ｝
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　!|;;;;i!;;;;;;;;;;;;;;;;;;;i;;;レ′　　　　「どうした？なにかあったか？」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾘ∨|!;;;i!;;;;;;;i;;;;|;;;!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _＿/__|_|!i!;;iﾄ;ﾄ;;;|;;;|!ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/7´;;;;;;;;;;;;;;;｀"￢ｰ､i!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_//___＿＿＿_ｒ--ｰ‐┴―,,､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,､-;"´;;;;;;;｀;;;7;;;;´;;;´''''''''''''''''＝=,,;;;;｀;ヽ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　r"´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;i;;;;;;;;;;;!;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;｀`-;;;;;;;;;＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　7;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l;;;;;;;;;;;i!;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;／´￣K
　　　　　　　　　　　　　　　　 ∧;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!;;;;;;;;;;;;i!;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;!;;i
　　　　　　　　　　　　　　　　/;;|!;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!;;;;;;;;;;;;;;i|i;i;l;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;/;;;;;;;;;;;;;!;;;!







675 ：１[saga]：2009/12/30(水) 22:16:41.76 ID:Es8NLfAo






　　　　　　　　　　　　 __　,.-￢-　､._
　　　　　　 　 　 　 ／　'´,　 ､　　 、 ｀ヽ､
　　　　　　　　　 ｒ´　 　 /　l　ヽ　　＼　､ヽ
　　　　 　 　 　 /　　/ /l.　 l、　＼　　ヽ ', lヽ
　　　　　　　　/,　l. / /´ヽ　lヽ 　 ヽ. !　ヽ. ト ヽ､
　　　　　　　 '´|　 V　'＿_ヽ. ﾄ＼､＿',| 　 ',｜
　　　　　　　　 | l. ,|　|　__　＼ﾞ､ヽ.__ヽl.　　ﾄ.|　　　　　「やぁ、意外と早かったですね」
　　　　 　 　 　 lﾊｌﾍ｜´　｀ 　 ヽ´　｀｀〉,^! | !
　　　　　　　　 　 l＼ｌ|　　　　|　　　　//ｨ N
　　　　　　　　　　| ﾊ ヽ　　＿＿ 　 /ﾊ/ ｀　　　　 　 _
　　　　　　　　　　'′lﾊn＼ ｀ニ´／! !　　　　　　　 ,ｲ |
　　　　　　　　　　 _,.-' /ヽ ｀ - ´ ,ﾊ＼　　　　　　　| |ヽ
　　　　　　 _,　- ' / 　 |　　ヽｪ､ ' 　 |　ヽｰ､　 　 _　| ﾄ. ヽ
　　,.､-‐　´　 　 /　　｜　 /　　〉 　 | 　 ヽ　｀⌒.l ヽ',ヽヽヽ
　 / ヽ　　　　　〈　　,.-|ヽ/ ヽ-/ ヽ/|､　　,〉 　 　 |　l_! ヽ　ﾞl







「どこも怪我はないか？」

「ええ、おかげさまで、助かりました」







　　　　　　　　　　, ､
　　　　　　＿ノL/:::::＼,､/＼ﾉ｀L,,､
　　　　 　_ゝ:::::ノ::::::::::ハ:::::::::::::::::::::ん､　　　　　＼ヽ l｜l｜l｜l l｜l｜l｜l l｜l｜l｜l /／
　 　 　 　＼::::::::::::::::::::::::ゝ:::::／::::::::三て　　　　＼　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／
　　　　 　 ノ::::::/∧,､,､ノハ人／:::::三彡　　　　二　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 二
　　　　　　＼:::ハ//＿＿＿_彡_:::::::／　　　　　―　　あれは幻だったのか……？　―
　　　　　　　ミ川|ﾉ＿＿__彡/:::::::::::て　　　　　 二　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 二
　　 　 　 ／´fト{ﾙ{　,ィ'ｅﾗ　, ﾀ三≧　　　　　　／/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　 /' 　 ヾ|宀| {´,)⌒`/ |<ヽﾄiゝ　　　　　　　// l｜l｜l｜l l｜l｜l｜l l｜l｜l｜l ヽ＼
　　　　,ﾞ　 ／ )ヽ iLﾚ 　u' |　| ヾｌﾄﾊ〉
　　 　 |／_／　 ﾊ !ニ⊇　'／:} V　　ト、
　　　 /／ 二二二7'T'' ／u'/:::/　　 　｀ヽ
　　　/'´r　-―一ｧ‐ﾞＴ´ 　/::::/ 　　　 　　＼
　　 / // 　 广¨´|::::/　　/::::/ 　／￣｀ヽ⌒ヽ
　　ﾉ ' /　 ノ　 　.|::::| 　 /:::/ 　/　 　 　 　　　}
_／｀丶　/　　 　 |::::|　　!::::l 　/　　　　 　　　ハ







677 ：１[saga]：2009/12/30(水) 22:18:27.04 ID:Es8NLfAo






　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ､―
　 　 　 　 　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／/
　 　 　 　　　　　　　 　 　 _　 -―-（　 (＿＿_
　 　 　 　　　　　　　／　 　 　 　 　 　 　 　 -｀―-､
　 　　　　　　　 　 ／　　 ／ヽ　 　 　 　 　 　　―--　ゝ
　　　　　　　　　 /　/ ／　 　 　 　 　 　 　　´ヽ　＼
　　　　　　　　　/ / /　　 /　/　/ |　 |　 　 　　ヽ　 ＼
　　　　　　　 　 // /　　 /　/　/ | | | || |　|　＼　ヽ＼ ＼
　　　　　　　 　 / /　 　 / //ノ　 V | |　||　|　 |　　|　| ヽヽ
　　　　　,ｍｎ∩|/　　 / /_二三ヽ|| /三二_|　 .|　　|　|　　゛
　〃┬-μUU /　　　/ノ|　｀ ｀´　 l　　 ｀´´/|　|　　|　|=================================
　ヾ┴┴┴┴/　　 / ||　|　 　 　　|〉　 メ /ﾉ.| ||　　|ﾚ―――――――――――――――――
　　　　〈　　ソ/_／　　 |　|＼　　 --　　／v V　|　/
　 　 　 |　　ｲ.　　　　　 ヽｌ |　＼_　 _／W＼　　 V　　　　「その首がつながったこと、土山に感謝するんだな」
　 　　　 |　　Л＼　　　　.ﾍﾍ|　 　 　 　 ト7 >
　　　　 .|　//　　＼　／　//　　　　／　／　＼
　　　　 .|//　　　　 ｙ　　//^　　／　／　　　　　＼
　　　　//　　　　　/　　//　.／ .／　　　　　　　　　ヽ








　 __,冖__　,､　 __冖__　　 /　／/
　`,-.　-､'ヽ' └ｧ --'､　〔／　/　　､-―――- ,
　ヽ_'_ﾉ)_ﾉ　 　 `r＝_ﾉ　　　 /　/ 　 ＿＿＿＿　丶
　 __,冖__　,､　　　,へ　　　 　 ,ｨ:　　|／ ＿ 　___Τ
　`,-.　-､'ヽ' 　 く <´　　　7_／/　　| /　　Ｖ 　丶|
　ヽ_'_ﾉ)_ﾉ　　　　＼>　　 　　/ 　 　|-|　　(:)|(:)　||
　　　n　　　　　「 |　　　　 　/丶_ (6　｀_―´っ-,' .｝ 　　　　　　＿＿＿
　　　ｌｌ　　　　　|｜ .,ﾍ 　　/　　　ヽ　/ ￣￣Τ／　　＿＿/ 　　 　＿)
.　ｎ.　ｎ.　ｎ　　ヽ二ノ__　 ｛　　　`（　　￣￣￣ |￣￣ 　 　|　　､し 　)
　 |!　 |! 　|!　　　 　 _| ﾞっ　￣／ _ ＼_／⌒＼_| 　＿＿＿| ＿丶＿/
　 o　 o 　o　　　　 (,･_,ﾞ> 　／|　　　　　　　　　　/







土山五郎兵衛を連れて帰る元茂を、光茂は震えながら見送るしかなかった。






678 ：１[saga]：2009/12/30(水) 22:19:18.98 ID:Es8NLfAo






＜佐賀　佐賀城＞






　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ㍗_＿＿＿＿_㍉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ﾊiti!i!i!i!i!ゝi!i!i!i!iti!
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 /ゞ≠＝''⌒⌒ヾ=㍍孑
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 匕ｲ' |　匸匸公匸{　 ﾚ′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　v､⊥-‐￢イィ仝`ヽ冖ヽ､____,、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,. f戒オ＾ハ^^^^^^^^^^^^^ﾊ^T７′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 jﾐｰェァ〆仝＼LL____Lレ'ｨ仝､ヽ､_ｬ_,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｌi 〃`!宀宀宀宀宀宀宀宀宀宀十イ
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 _,、ｆtー‐‐‐f_　　　　t|ﾊヽt廴山＿Lゝ' ,二二.`ｰ､__山__!.い､__,、　ゞ;'
　　　　　　　　　　　　 ,_イr'冫Ｔ宀宀宀7　　　rjﾚｸゝ～～～￢'´幵幵幵!`iｰ～～～i‐／,.､ゞﾈ,
　　　　　　　　　　　〆√￣;ゞﾐ;ゞ;ﾐゞﾐ;｢ﾑ__　_厶tiヽＬ山___山_|!_!_!_!_!_!_!_!_!!山___山_,L ,.ゞぃｿゞ;
　　　　　　　　 _　,,. ﾊゞ;ﾐ爻ゞ;ﾐ父爻;ゞゞﾚ' _／ミY^^i^^i^^i^^i^^i^^i^^i^^i^^i^^i^^i^ゞ;ﾐゞ;斗ゞミゞ
　　　　　　　　ゞ父ゞ父ゞﾐ;ゞ;爻爻ゞﾐ;ゞﾐ沒辷二v_____山___山___山___山___山__山,.ゞ;ゞﾐゞ:杉ゞﾐ
　　　　　　　ゞ;ﾐ爻爻ゞ;ミゞ;ﾐゞ;ゞ沙ゞﾐ;ゞ父ゞＬ,人＾＾^^冖宀t､光ﾈ比疋光比疋ゞ;ﾐゞ;t,､､,ゞ爻ゞ
　　　　_　　'癶/乏ゞﾐ爻ゞ泛幺〃ゞ父ﾐ;ゞ沙〆__,,.ゝtゞゞゞゞゞ`ヽ込戈予疋光ゞﾐﾈ片┤ゞ父ゞﾐ
ュ.-‐フt辷弍仏孑￢冖丁〆_へ池幺孑宀'丁 山　｜,ィぇ､　　　|苡ゞ;ミゞﾐゞ;ゞミﾐ父;ゞ;ﾐゞ;ゞ爻
孑フ∠.ヽィ,_,_,_,_,. -‐宀冖Tフ´_,_,._　-‐宀冖!　　_,_,_レ'´＾ヽゝ.　 !ゞ;ﾐゞ;ゞ父ゞ;ﾐゞ;爻ゞ;ミﾐゞ;ゞミ
_片7丁__￣　_　　 nn|__|　丁＾_山,､-t宀冖iT丁叩|　|!|{{{{!{{{!|,.､,.xゞﾐゞ;ゞ;ミﾐ;ゞ父爻ゞ;爻ゞ;ﾐゞ;ゞ
ゞ;7___!‐┘　　　_,､_,ゝ;､_-丁￣ ｎn　ｍ Ｌ..!! 　 　 _二.L‐-,ィゞ爻ﾐヾ;ﾐミゞ父ゞ;父ゞ;ミﾐゞ;ゞ;;ﾐヾミ
ﾐゞf‐tヵュォたゞ爻;ﾐゞ;父ゞミゞﾐﾈ､ｨ-ヵャヤセ乏光[子㍗ゞ;ﾐ爻ゞ;爻父ゞ;ミゞ;爻ゞ;ﾐゞ;ゞヾﾐ;ゞﾐ;
爻沙予疋ゞ爻ゞ;ﾐ爻ゞ;ゞﾐ爻ﾐゞ;ミﾐ片予;ゞ;ﾐゞ;疋市[子ゞﾐ爻ゞ;ﾐゞ;爻ゞ;ﾐ父;ヾ;ﾐゞ;父ゞ;;ミゞ;ミﾐゞ
ゞﾐ;,ゞﾐゞ;ﾐゞ斗ゞ戈ゞ;豕;ﾐゞ;爻ゞ;父ゞミﾐ;ゞ戈ゞﾐ;ゞ杉ゞ父ゞミ爻ゞ;ヾ爻ゞ;ﾐゞ;父ミ;ゞ;ゞﾐ爻;;ゞ;ミﾐ
爻ゞミゞ父ゞ;;ミゞ父ゞ爻ゞ;;彡ゞ;ﾐゞ爻;;ゞ爻父ゞミゞ爻ゞゞ;;ミﾐ;ゞ父ヾ;ゞ父;ゞ;ゞ;ミゞ;爻ゞ;ﾐ爻ゞ;ﾐゞ






679 ：１[saga]：2009/12/30(水) 22:20:27.20 ID:Es8NLfAo






　　　　　　　　　　 /:i:.:.:.:.:|:.:.:.i:.:.:.|　　　　}:.:!:.:.:l ｌ:.:.:.|:.:.:.:.|:.:.:i:.:.:ハ
　　　　　　　 　 　 |:.:!:.:|:.:.|__:,|;.V:!　　　　i:.:l:.:.::ｌ斗:十:.:.:.|:.:.ｌ|:.:.:.:.:}
　　　　　　　 　 　 |:.:!:.:|:.:.ﾄ:.:｀!＞!､　 　 ム匕千ﾐｘﾉｲ:.:.:!:.:.ﾘ:.:.:.:/!　　　　　「この度の光茂は断固として糾弾すべきです！
　　　　　　　　　　 ヾﾄ;:∨∨Vjィ云　 　 　 ｲに心ヾゝ:ノｰ:.':ト;/:.:|
　　　　　　 　 　 　 　 ∨Vﾍ ｲに::ﾊ　 　 　 弋::;;ｿ 　|:.:.:.:.:.:.:|/:.:.:.|　　　　　　あの子のおかげで、私たちは
　　　　 　 　 　 　 　 　 ＼!:.ﾍ 弋::ｿ　,　　　 　 　 　 |:.:.:.:.:.j:.l :.:.:.:ﾄ、　　　　　とてつもない被害をこうむっているわ」
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |:.:..ﾍ　　　 ` ___　　　　　 ハ:.:.:./:.!.:.:.:.:|:ﾍ
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |:.:|:ハ　 　 ∨　ヽ　　　 ｲ:./:.:./:./:.:.:.:.:i:.:∧
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |!:.!:.:.:.:.:..､　　ー ′　／ﾉｲ :./:./.:.:.:.:.: ﾄ;.:.∧
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |リ!､:.:.:.:.i!:.:.＞.. _ .イ　　　!:/:./:.:.:.:.:.:.:.i: ヾ:.∧
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ﾊ:::::ｒｰi:::::::i.ｿ ´￣￣￣ 　 　　ｰ--､ｿﾍ|ﾊ/|
　i::::i ﾍi:::::::i　　工 丁　　　　　エエ　i､ ヽ
　iｲ i　 i:::::i　　　　　　　　 i　　　　　i::::!　ゝ
　 ／iヽ.i::::.i　　　　　　　　 i　　　　 i::./　/
／.;.;|　!::i::::i　　　　　　 　 丿　　　 ir´　! |　　　「……」
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681 ：１[saga]：2009/12/30(水) 22:21:29.24 ID:Es8NLfAo






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　　　　　　　　　　　　　lﾍ／ヘﾊ､:|≦斤乍　　　　 /廴ﾚﾘﾉ//:ﾊリ
　　　　　　　　　　　　 ,'i:.ﾍ（|:.:.:.:.:.:| `弋少　　　　 升仆ﾍ/:/.:ﾉ
　　　　　　　　　　　　,':i:.:.:.:ｌ|:|:.:.:.:.:|　　　　　　　　 ゞ少 /ソノ　　　　　「聞いているのですか！父上！？」
　　　　　　　　　　　 ,':.:|:.:.:.:l!:l:.:.:.:.:.l　　　　　 　__′ 　/:.l: !
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　　 　 　 　 　 ｌ:.:.!:. !:.:.: ', ｌヽ:! ヾ　ヽ/　!/　 !'　 !イ:.:.:/:ｌ: ⌒
　　　　　 　 　 !.:ハ:ヽ:.:ハ!｀― ､ , 　 ､　, ´￣｀　ｌ:イ:. ｌ
　　　　　　　　ﾉ'　 ｉ,､:.:.ｉ　弋赱メ　 　 　弋赱メ　ｌ:.人:.!　　　　　「あ、ああ……。
　　　　　　　　　　 ! ヽ:.!　　　　　　 　 　 　 　 　 !:.:Ⅳ
　　　 　 　 　 　 　 ゝ.从　　　 　 　 ｉ:.　 　 　 　 ':./　　　　　　　　お前たちの言いたいことはわかる。
　　　　　　　　　　　　ｉ:.:ﾊ.　　　　　､!:　　　 　 /:./
　　　　　　　　　　　　!ハ:.:..　　 ,　―　っ　　 'Ⅳ
　　　　　　　　　 　 　 　 ヾ ＼　　 ￣　　／ｉ､
　　　　　　　　　　　　　,.ィ　ヽ　 ､　　 ／　ﾉ 丶
　　　　　　　　　　　 ／ /　　冫､.　　´　,.〈.　　 ',｀:..､






682 ：１[saga]：2009/12/30(水) 22:22:38.21 ID:Es8NLfAo






　　　　　　　　/ｲ:.:.:/:.: :ｉ:.:./l:/　!'　 ヾ:! ヾ!ヽ:.!ヽ:.:.: ::',:.:.:.:.:',
　　　　 　 　 /'/:.:.:.':.:.:.:ﾊ/. !'_＿,,..-' ヾ ゝ､__ﾞ:!　ヽ:.: :l:.:.:.:.:.l
　　　　　　　　l:.:.:.:.ｉ:.:.:.:ｉ'´￣　　　　　　　　　　￣｀ｉ: :l:.:.:.:.:.l
　　　　　　 　 l:.:.:.:.:ヽ: :l　　　＿_　　 　 　 ＿　　　l:.:.!: :ｉ:.:.:l　　　　　元茂の寺社奉行就任はたしかにめでたい。
　　　　　　　　l:.ﾊ:',:.:.ヽ!　-――-　　　　-――-　}ｲ:.:.:l:.:ﾊ!
　　　　　　　　!'　Ⅵ: :',｀　 　 　 　 　 ｉ　　　　 　 　 ｉ:.:.:ﾊ,'　!　　　　 しかし、もしも知行を増やすとしたらどうする？
　　　　　　　　　　{ ﾐ,:.:',　　　　　　　.:|　　　　　　　,':.:/ .}
　　　　　　　　　　 ､ヽ,:.',　　　　　 　 :!　　　　　　 ,':./ , ′　　　　　 今の佐賀では分けることはできんぞ。
　　　　　　　　　　　＼ゝ',　　　　　　　　　　　　　,':/メ
　　　　　　　　　　　　　ヾ:.､　　　ー ――　　　 ｲｲ/
　　　　　　　　　　　　　　ヾ:ｉ ､ 　 　 ￣　　　 ｲ:/ .'
　　　　　　　　　　　　 　 　 :l　ヽ　　　 　 ／　l:'
　　　　　　　　　　　　　　,-┤　　｀ー－'　　 ├-､








　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 _＿＿＿,r─ ´￣ ｀ヽ、
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ＞-:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 f/::　..::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 !l:　　:::::::::::::::::::::::r′:::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　 　 |:!..:l...　 |　　　:::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ﾊ
　　　　　　　　　　　 　 　 　 |ｨ::::!:::::::l:::::::::......................................l...::.i　　　　　他の場所に転封となったら、
　　　　　　　　　　　　　　 　 ' ﾄ､ｌ:::::::!::::::::::::.::::::::::::::::::::::::::::.:::::l::::::}　　　　　小城にはどこの馬の骨ともわからぬ輩が
　　　　　　　　　　　　　　　　　!トｌ､::::!ゝ!:l::::l::::::::::::::::::::::::::::l:::::l:::i/　　　　　入るやもしれん。
　　　　　　　　　　　　　　　　　｀　!`i:ﾍ ヽ!:::l:ヽ::ﾄ::::i:::::::ﾊ::ﾊ:ｲ:/
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ! ∨:l ,ﾊ:::l::::ヽヽﾊ:::/::ﾚ:::::/　　　　　　　光茂はそうなることを防ぐために、
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ヽ ヽ!'　ヽﾄ､:::::::::::::::::::::::::,'　　　　　　　　知らせを送るのを躊躇したんだと……」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 丶　　　　　ヽﾄ､::::,_ -┴‐ ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 丶＿ ..､　_　- ´　　　　　ゝ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　_　- ´　　｀ - ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |　　_　- ‐ ´　　　　　　　　 ヽ
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 l ／　　　　　　　　　　　　　　 ',
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　 !
. 　 fY´l__　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 l
　　l　!//ﾉ__ r ;　　 　 　 　 　 　 ／　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ｲ
　　ﾄ､ ヽf´ﾉl　i 　 　 　 　 　 　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 / |
.　　ヾ　　｀ ′|　　　　　　　　 /　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／　 !
.　　 ﾍ　　　　 }　　　　　 　 　 !　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／　　　l






683 ：１[saga]：2009/12/30(水) 22:23:40.43 ID:Es8NLfAo






　　 　 }　　　　 ∧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /　 .′
　 　　:′　 　 　 ‘ .　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ： / 　 {
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　:／　 　 　 　 　 　 ‘ .　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 .　-―‐-　 .　　　　　　　　　　　　　　　： /　　　　'，
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　　　 　 　 　 　 　 　 　 ヽ　　 　 　 　 　 　 　: ／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:’,:　　 　 　 　 　 　 　 　 .′　　 　 　 ヾ
　　　　　　　　　 　 　 　　 ヽｰ 、　　 　 　 　: /.;′ :.:.:.:.:.:.:.:.i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:,:　　　　　　　　　　　_/　　 　 　 　 　 ｀ ｰ
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ヽ、 　 　 　: .'i.:{ .: .:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.小.:　　　　　　　　　ｒ' :′
｀　.　　　　　　　　　　　　　　　 　 ヽ￣｀＞､{ i:.|:.:.:.:.:.:.:.__:.:.:.|.:.:_.:.:.:.:.:.:. i:} i ;　　　　　 _. ィ'　:′　　　　　　　　　／
　　｀ 　 .　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 l 以--‐:':´:.:ヽ:.／:.` ｰ=::_j洲　　　.ィﾆニ¨ /　　　 　 　 　 　 　 ／
　　　 　 ｀　　.　　　　　　　　　　　　　　　 　}:′.:.:.:.:.:.:.:. /:V:.}:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:ﾘ´￣￣　　　　　　　　　　　　　.才´
　　　　　　 　 ｀　ｰ-　.　　　　　　　 　 　 　 ;′. !:.:.:.:.:.: ﾊ : /|:.:.:. i:.:.:.:.:.';′　　　　　　　　　　　　　.≫''´
　　　　　　　　　　　　 ｀　　 .　 　 　 　 　 　{:i:.:.i:|:.:.|:.:.|:′V:.:|:.:.:. |:.:.i.:. }}　　　　　　　　　　　　.才´
　　　　　　　　　　　　　　　　`　 .　､ 　 　　 ';ｌ.:.l!|:.:.l:.: l!i｀`"´|.:ｌ :!l.: ｌ!.: ﾘ 　 　 　 　 　 .　-‐ ''´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `;'冬、　　/｀:ｰト､ﾄ､j:｣: : : :ﾙ;_ﾉj_ﾙ':从　　　　 . ｒ　´
　　　　　　　 　 　 　 　 わな　 ／／　ヽ／/;’:.:.:/＞.､ ｰ’‐　.イ　∨:ﾊ '，　才´　'，：　　　　　　　「ぎっぎっぎっぎっぎ……」
　　　 　 　 　 　 　 　わな 　／／:.:.:.:.／:.:/7:.:.ﾙ′ .|ｒ≧≦ ､ }　　 }}:.:.:.:.:Ｘ:.:.:.:ヾ:.:丶　：
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／／:　 : .ｲ/:. /´{ :/{{　　 {-‐≠‐- ′　 lﾊ:.:.:.:.ヾ＼:.:.:ヾ.:.:ヽ　：
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　　　　　　　　'´　　　　　∪　　｀'　|::/:::::/|::::l::::′
　　　　　　　　　　　ー‐---一'　　 |/::::/　}:∧:|　　　　　（強弁、だよな……。俺だってそう思う）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,′:/　/ﾘ　｀
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ﾊ　,:::::/　/
　　　　　　　　　　　　　　　　 ∪/:::/　 ′
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　　　l|　　　　　　　　　 　 　 　 厂7
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685 ：１[saga]：2009/12/30(水) 22:24:49.99 ID:Es8NLfAo






直澄の話を強引に振り切って、勝茂は馬を飛ばした。







　　　　　　　 　 ,.－,､＿_
　　　 　 ,.ィ7lス{_,ィﾌト,､ ｀ヽ、
＿＿　,〈(ｭ}lﾊ. ｀ミｂJﾆ7__／ヽ　　　　　　　_＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_
＿　／ ＼x≠＝'"ヾｰ'ｊヽ＿_ノ-─r ' ￣｀丶、　__＿＿＿＿＿＿＿＿
＿　ヾゲ´　｀ヽ.　 　 ｀ヾトｨヽ｢|｢三|　　　　　 ト､　　_＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿＿　 Ｙ､ 丶　 ヽ{'´|｣Lﾆ｣ ,　,ノ　　/^ヾﾐヽ、　　　_＿＿＿＿_
　 　 　 　 　 　　い.　　 　 |l l厂￣ｊ｛′ __／　　　｀ヾミ三≧=‐
i蕊i・i蕊i・ 　 __< `ｰ‐ '　|l｣ﾚ－'7ﾍ　 {　　i・i蕊i・iｘ　　 　ｘi・i蕊i・i
i埜i埜i埜i埜、/ｒ‐一'ﾌ'´ノ´ 　 　 j　,ﾊ　〉 ,xi埜i埜i埜i埜i埜i埜i埜i埜i埜i
､ , ､ , ､ , ､ ,　| | 、 /／　、 、 ／／´／　､ , ､ , ､ , ､ , ､ , ､ , ､ , ､ , ､ , ､
,｀､',｀､',｀､',｀､ ヽヽ　ヽニﾆ>ヲ'／ｆ,ィ´　，‘　,｀､',｀､',｀､',｀､',｀､',｀､',｀､',｀､',｀
,｀､',｀､',｀､',｀､',　ヽ] 　，　 ´￣　 ﾋﾉ　 ，'　,｀､',｀､',｀､',｀､',｀､',｀､',｀､',｀､',｀､'
,｀､',｀､',｀､',｀､',｀､',　’　,｀､',｀､',｀､', 、'‘　,｀､',｀､',｀､',｀､',｀､',｀､',｀､',｀､',｀､',｀､
',｀､',｀､',｀､',｀､',｀､',｀､',｀､',｀､',｀､',｀､',｀､',｀､',｀､',｀､',｀､',｀､',｀､',｀､',｀､',｀､',｀､',









. /:.,:.:.／:.:／:.:.:.:.:.: ／:.:.:.:.:.:l:.:.:.:.:.:.: ',:.:.:.l:.:.:.:.:.',:.:.:.:.:',:.:.:.:.:',:.:.:.ヽ
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´ .l:/:.:.:./:.:./:.:.:.:./:.:.:／ |:'.l:.:/.l:.:.::.:/ l:.:.'　ヽ:.:.:.l ヽ:.:.!､:.:.:.:.ｉ:.:.:.
　 |':.ｨ:.:':.:./:.:.:.:ｨ:.:／　　　l:/　l:.:.:./　|/　　 ヽ:.:l　 ヽl　:.:.:.:.!､:.:
―|ﾊ:. l:.ｲ:.:.:.ｲ l:/｀ｰ､　　|' 　 !:.:/　 '　　　　 !:'　 _ .－〉:.:.:l‐ヽ
　 '　ヽ!' l:.:./:l　' ィ＝≧ｪ.､　 |: '　　　　　　 _ｪ≦＝､/:.:',:.'
　　　 {　l:./:.:l　　　 __ヒラ_ ＞- '　 ゝ -＜_ヒラ_　　.':.:.:.:' ! 　　　おのれ……おのれ……おのれ……
　　　 !ヽl':.:.:.:!　　　　　　　　　　　,　　　　　　　　　':.:.:./ '
　　　 !　 !:.:.:ﾊ 　 　 　 　 　 　 　 ｉ:　　 　 　 　 　 ':.:.:.ｨ
　　　.! 　 l:.:.lｰ:. !j　 　 　 　 　 　 l.:.　　　　　 　 /ｉ:. / l
　　　l　 　 !:lヽﾊ　　　　　　 　 　 l.:.:.　 　 　 　 / .!:/　 !
　 　 !　　　l:l 　 ヽ　　　 　 　 　 /:.:　　　　　／　 !'　　 !







687 ：１[saga]：2009/12/30(水) 22:26:11.35 ID:Es8NLfAo





＜佐賀　　斎藤家＞






爻　　 _,,-‐ｔ‐''⌒ﾊ、　　　　　　　_,,,　-‐''三]
ｋ;;:､　(,,　ﾒ μ ,,´｀, -―一''''""~　_,, -‐／::::＼　　　　　　　 ／
､,＼;;:: 人人ｷ,,　 /　--一'''"~￣　　,／:::::['i']::::＼へ、　　／
ﾆヾ ＼ Y,／　　　　　　　　　／ii[]:::[_,!_]::[];､＼　Yy,,..
-‐''`　 `.、:,:／　　　　　　　　　／ii;[ i ]~~[_!_]~[l];:ヽ ＼＿
＿,,､＿,,,,／　　　　　　　　　,／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ　>￣ヽ
ﾊﾊ从 ／-―====r-===三''　､-―――――――‐＜　木ﾎYyy
(⌒)ｲﾄ爻------(　tｲ-‐'´::::::::,＼＿＿,,,....､_＿＿,,,_____`」￥　Y
　T,::爻Ooﾄ[iiii]<,,. ､ ｷ[]　 i::::::::::::::::[]::::::::::::::[]=======|爻爻三三
ー-　　''ー＾　二,,　ー---┴, -‐へ-O-ー-～～-―へ`~~　　　　]、
　　　　　　　　　━
　〓　　　　　　　　　　　━〓　　　ー　----　､---―








　 　　 　　　　 ＿＿＿_　　　　　　　　　　　　　 ,　--― ,==＝＝= ､
　　　　　　　／ ノ　　＼＼　　　　　　　　　　 ／　 　 ／　,　-―‐-､｀ヽ、
　　　　　 ／　（─）　(─）＼　　　　　　　　く　　　 /　／　　　　,ｨ　ｌ｀ヽ 〉
　　　　／　∪　 （__人__）　　＼　　　　　　　　｀7ヽ/　/ ／　 ／/ }　|l 　 ｀ヽ
　　　　|　　 　　　｀ ⌒´　　　　|　　　　　　　　/　/ ∠-‐,..二｀X /／ l　 l　 |
　　　　 ＼　/⌒)⌒)⌒)　　 ／/⌒)⌒)⌒)　 !　ｌ　｜ {〈::.:::.::.:ﾊ 　 -‐ﾍ l|　 }
　　　　ノ　　|　/　/　/　　　(⌒) ./　/　/　　| ｜　ﾄ､ﾍヽ::_::/　　 /::下Y　/
　 ／´　　　 |　:::::::::::(⌒)　　ゝ　　::::::::::/　　　!　|　 |＼_〉　 , --､ ヽ::/_/ /
　|　　　　ｌ　 |　　　　　ノ　　/　　）　　/　　 /　 ｢|斗-ﾍヽ 〈　　/　　フ ∧　　　　　「ちょ、ちょっと！？
　ヽ　　　 ヽ_ヽ　　　 /' 　　/　　　 ／　　　 ﾚ‐┘し┐ :|| ＞ ニ-＜彡１　＼　　　　　押すんじゃねーです」
　　ヽ ＿＿　　 　 ／　　 /　　 ／　　　　　∧＿｝ノ´V |l　r个〈:＼　　 ﾄ､_／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　＼:.:｢＼l〉:ｰ-YT‐|: : }　　 |
　　　　【浪人　　牛島やる夫】　　　　 /　 /　ヽ}／:.｀ヽ､乂:人: :ヽ、　ヽ
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　 /　　 / :＼: : : : : : :.:/ヽ: :}＼　＼

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【杢之助の妻　　お勇】






688 ：１[saga]：2009/12/30(水) 22:27:40.58 ID:Es8NLfAo






　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿､‐-､, -‐ｚ._　　　　　　　　 　 　 |┃┃
　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞　` " "　′.＜　　　　　　　　　　|┃┃
　　　　　　　　　　　　　　　　　／ " " " " ﾞ ﾞ ﾞ ﾞ ＼　　　 　 　 　 　 |┃┃
　　　　　　　　　　　　　　　　　7 " " ",.",ｨ ﾊﾞ ,ﾞ ﾞ ヾ　　　　　　　　　|┃┃
　　　　　　　　　　　　　　　　　! " " /-Ｋl/　Vｌﾊﾞ.N　　 　 　 　 三　|┃┃
　　　　　　　　　　　　　　　　　| "ｎ l =｡== _ ,≦ﾊ!　　　　　　　　 　 |┃┃
「殿も老いぼられた」　　　　 |.."しｌ|　￣　,._ ∨　　 　 　 　 　 　 　 |┃┃
　　　　　　　　　　　　　　　　　| " ﾞハ　 ー--7′　　　　　　　　　　 |┃┃
　　　　　　　　　　　　　　　　 r'ﾆﾆヽ._＼.　¨/　　 　 　 　 　 　 三　|┃┃
　　　　　　　　　　　　　　　 r':ﾆニ:_`ｰ三`:く._　　　　　 　 　 　 　 　 |┃┃　ﾋﾟｼｬｯ!
　　　　　　　　　　　　　　／: : : : : : :｀,ニ､: :_:_;＞　　　 　 ／,ｨつ　　|┃┃て
　　　　　　　　　　　. 　 /: : : : : : : : / : : : ヽ＼　　　　 ,∠∠Z'_つ　 |┃┃ て
　　　　　　　　　　　　　| : :.:.:.:.:.: . :/: : : : : : l : ヽ.　　 / .r─-'-っ三 |┃┃
　　　　　　　　　　　. 　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.,' ''"￣: : :l: : : :l 　 /　 ）:::厂 ´　　 |┃┃
　　　　　　　　　　　　　 |:.:.:.:.::.:.:.:ｌ -─-: : /:_:_:_:_l　/￣｀Y´　　　　　|┃┃
　　　　　　　　　　　.　　 |:.:.::.:.::.::l._＿: : : :/::: : : : :l/⌒ヽ.:;;:〉　　 　 　|┃┃

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　もくのすけ
　　　　　　　　　　　　　　【浪人　　斎藤杢之助】








　　　　　　　　　　　　　 _,　-‐--....､
　　　　　　　　　　　／..:::::::::::::::::::::::::::.ヽ
　 　 　 　 　 　 　 / .:.::::::::::::::::::::::::::::::::::::.ヽ
　　　　　　　　 　/..:.:.:.:.::::/:::;i:::::,|:::::l:::::;::::::.ヽ
　　　　　　　　　 l::::::l::::::/l::/ |::/{::/|::;/l::}:;::;::i
　　　　　　　　　 l/i::l:::N`|ﾒ､_|ﾑ|/.,j／ﾚ|::|::ト!
　　　　　　　　　　f＾i:::ｌ　''ZＴｰ 　 ｨ'Zト.|::|::ﾚ'＾ヽ､
　　　　　,...-',,⌒ゞﾐ､l::|.　　　 　　ｌ　　　l::!Y::::::::::::::.ヽ､
　　　　/::／..::::::::::::..ヽl_　　　 　　〉 　 /ｖ':::::::::::ﾉ::_;;:::::j,ト､　　　　「貴様ぁ！」
　　　/:::::::::::::::::::..`ｰ-､:l､ 　f＝==r 　,ﾍ:::::;::::::/￣　ﾞ''ﾍｭ_ﾉ
　　 /:::::::::::::::::::::::::::::::;;_ヾ;:､L＿,,ﾘ ／:>:l/:::／
　 ./:::i|:::::::::::::::::::::::::::::::..｀''ヾ､ｰ_-イ, 〉<.|／　_ノ⌒ｰ-､
　 }:::::::l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..ﾞヾ!､!;::|:|,r‐'ﾞ　　　　 　 ＼
　「::::ヾ|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;ヽf　　　　 ヽ　 　 　 ＼　　 ┏┓┏┳┓
../::::::::::l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,,-''',ﾆ,-'"　　　　　　＼　　　　ヽ┏┛┗┻╋┛
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689 ：１[saga]：2009/12/30(水) 22:29:56.77 ID:Es8NLfAo






杢之助は勝茂の拳をただ黙って受けた。
それでも、杢之助はびくともしない。







,-‐', '´　ll　　　lll　　　lll　　/|　ll　 　 ll　　　 ll　　　ll　 |
.／l , -‐'´　ll　　　lll　／ll/.　|　.iﾍ　　　lll　　　ll　　　ll
.ll／ ／ 　 　l　 /ll.／/l/　 　 |ll|　| llヽ、　lll　　　ll 　　|
　　/ ll.／ ll.∠/／　.l/　　　 , |.|-‐|.|￣ヽ、　ll. 　 　lll |
　./l／/l ／　/ `ヽ、|　　 ／　　|　　|　　::＼　　ll　　ll|
..／　/／.|.＝＝===､　　__ =====＝＝＝::::| .l⌒ヽ　.|
　　.／　　| ｀ ‐--ﾟ‐/,:::　'''' ` ‐-ﾟ--‐ ' ´　 ::|ll|⌒ｌ |　|
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　　　 　 　 _, -/l、　　￣￣　　　 :::::／:：　　　 |　|:::::::::::::::::|
　　　 _, -':::::::/::::::!.　　　　　 　 ::::／::：　　　　　|.|:::::::::::::::::::|
　 　 ::::::::::::::/::::::::::ヽ、　　 　 :::／:：：　　　　　　 |:::::::::::::::::::::|
　　　:::::::::::/::::::::::::::l::ヽ、　 ::／：：：　　　　　　　/l:::::::::::::::::::::|








　　　 ｀7　　　　　　　,　 ,　　　　 ､　　ヽ　　ヽ　　　ヽ
　　 　/　　　　　 /　/　/　　 ｌ　　|　　　l　　 l　　　　 ＼__,
　　　l　　　　　　 l　l　　|　　/|　 ﾉｌ　　 ハ　∧　 ､　 |ｰ､‐'
　 　 | 　　 　 l　　|　|　/ | /　| /　l　 /　 l/　 l 　 l 　|ｰヽ
　､ノ　　 　|　|　　 V V~"十-l/_　　l/　　　 __,,,l　l　 |
　　7　 |　_|　|　　　l　　工二ｪヽ~　 　　∠~_　/|/|　|
　　| / /~､|　ﾄ　　 |　　　　　‐'　 　　　/┴-「 l　/|/
　　l/|. | （ l/ |　　|　　　　 　 　 　　 　l　 　　 l　l
　　　|　ヽヽ_ ヽ　|　ι　　　　　　　　　ヽ　　　| |
　　　ヽ l ヽ＿ ヽl　　　　　　　　　　　　/　　　| |
　　　　V|　　λ 　 　 　 　 　 　__　　　　　　 l l
　　　　　ヽ　 | ヽ 　 　 　 　 ／　 ￣ 7　　 /V
　　　 　　 | ,┤ ヽ　　　　　（＿＿＿/　　/
　　　　 __ / く　　ヽ､　　　　　　＿ 　 　/
　　　／ <　　ヽ　　　＼　　　　　　　 /
　 _,┤　 ヽ　　 ＼　　　　ヽ ､＿＿_/







自分への憐れみのまなざしをうけた勝茂は――






690 ：１[saga]：2009/12/30(水) 22:31:00.60 ID:Es8NLfAo






わっと泣き崩れてしまった。







　　　　　 （　　　　　 　 　 ri　　　　　　 ri_　　　　　　ri　　　　　　　　　　　　　　Z
　　r──'　 　 　 　 r‐-‐'　｀＞　＜二　 二ヽ　iー‐' L__　　　　　　　　　　　　　 ｀ー､
　ノ　　　　　　　　　 ー‐ｧ　 ｢　　　　 / ,! !　　　 ￣ﾌ j￣ 　 ､ ｣L__　　　　 て￣￣｀ー'
と_　　　　　　　　　　　 /r'l　!　　　　 ゝ'ｌ |　　　　〃l ,! 　 　 〃!l￣ ｏ.｡　　 （
　/丿￣ヽ-、 　 　 　 〃 .ヽj　　　　　　｀　　　　 　 ﾚ　　　　　,lj　　　　ﾟ､-‐'
　　　　　　 j　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 r--‐'
　　　　　／r─-､r─‐-'⌒ー'⌒ー'⌒!　　　r‐､＿　　 r'⌒ゝ-'ヽ＿三
　　　　 7ノ　　　　　　　　　　　　　　　ヽノ￣　　　 ヽ （
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〉ノ
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　　　　　　　　　　　　　 ./　‐-_ヽ!:...__>;::;;;;;;;::::::::...._　　　＼
　　　　　　　　　　　　　/　　 /　 ＼!´　　　＼::::::::!￣ ヽ、 ヽ,
　　　　　　　　　　　　　`‐rt-'....,,,___｣　　　　　＼::!　　　 .ｿ_,ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　 !:.＼::::..　 ヽ　　　　　　>、:.、../_,、!、
　　　　　, --v‐- 、 _　　　ヽ::.ヽ::::..　 `、　　　　/　　ﾆ,:',.':::::::(´
　　 , - ';;／::ﾉ.:::／/ l￣`―`-:;;＼::..　 ヽ　　　/　　 /jヽ:::::::::::)-‐'ﾁ、
　／／.:::;ィ'":;∠;_/.:::!::::::.............　 トr-;;_ `、　/　,.-=';`-- -‐ii'　　 ﾐ!ﾕ、
..:ヽ-'⌒/::;;-‐'´ └‐┴‐-----=;;:.ヽ;:::::..:;ﾉ::.::.ヽ;:::::::....... .. .oo!!_,,..-"-┘.....







692 ：１[saga]：2009/12/30(水) 22:31:39.36 ID:Es8NLfAo






　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |＾l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /'''',,,," 彡
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ｀ﾞ＾ _,| │
　　　　　　　　＿,. -‐―‐-､)ヽ　　　　　.,／,_　| 　 　 　 　 ;‐i
　　　　　　　'´,＞ 〃　　　ノ　｀⌒ｰz ＿ ..'" | .|　　　　　lﾆ　ﾆl　　　　 ;‐i　　　　 ;‐i
　 　 　 　 　／ 〃 　　　　　　　　　　ゝ 　　 {_,lﾞ　　　　 .〈/!_|　　　　 lﾆ　ﾆl　　 lﾆ　ﾆl　 　 　;‐i
　 　 　 　 〃,／, 〃　　　　　 　_　　　ﾍ　　　　　　　　　　　　　　　　〈/!_|　　　〈/!_|　　　　lﾆ　ﾆl
　　　　 　 |〃/ ,〃 〃 ,､,､ ､　,　　　ヾ'|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 〈/!_|
　　 　　 　　/ /,〃 ,.ヘヽ_,ゝﾍ{ ヾ　ヾ　|
　 　 　 　 　l/ / ,.く　 /　　　　ヽ'ト､ヾ' i　　　　　（武士の情けか……）
　 　 　　 　 　 |/　　>ヾ￣´　　 |'ト||ヾ |
　　　　　　　 　　 ／　　 　 　 　 |l〃 ヾ|
　　　　　　 　　∠-‐フ 　　　 　/ ヽ.ヾ'｣
　　 　　　　　　　 　 ｀￣匚｀　/　　　>'＾ヽ._
　　　　　　　　　　　　　　/　 /　　 ／　　 　|
　　 　　　　　 　 　 　 　 '―ﾍ　 ／　　　 　人
　　　　　 　　　　　　　　　／冫′　　　 ／ミﾐ＼
　 　　 　　　　　　　　　　/|　|＼　　　.／ミミミミ
　　　　　 　　　　　　　／|,ヽﾉ! 　＼／







杢之助も背中をむき、勝茂が落ち着くまで見ない振りをした。







697 ：１[saga]：2009/12/30(水) 22:32:43.92 ID:Es8NLfAo






　　　　　　　 ,　　 　_..　-‐…‐- 　 ＿
.　　　　　　 （ 　,　'´ ,　-―　　　　　、｀ヽ、
　　　　 　 　 ×　_∠ﾆ　-―‐　　、　＼　 ＼
　　　 　 　 く ／. : : : : :; : : : ; : : : :＼ 　 ヽ、 ＼
　　　　 　 ／: : : :／／ : : :;ｲ: : : : : : :丶　　＼　＼
.　　　　 ,: : /: ::, '::;ｲ /: ／ /:::/ﾊ : : : : : ヽ　　{　　 ＼
　　　　/: :/: ::/／／／　 /: /　 !|: : : : : : :.　　ヽ　　　＼
　　 　 {: /: : ,'´／／ 　／ , ′　!| i: : : : : :}　┼ }　ｊ　_,ノ
　　 　 ｊ/{: : :ｌ:/／ ￣　 ／　 ヽ､|ｌ ﾄ､ : : : ハ 　 |　厂
　 　 　 八: : {/　ｘ‐‐ ､　　　　　｣≧ｰｉ: ::,′{　　レ{
　 　 　 　 〉. :ヽ/｛:::::ﾘ 　 　 　´{::::::ｊヽｊ::/:}　｛十｛ : !　　　　　「ね、ねぇ、部屋の中はどうなってるですか？」
　　　　　 ハヽ: {xx~´ 　 .　　 　 ー' ノｲ:/（　｝　 } : ｌ
. 　 　 　 　 从八 　 　 　 　 　 　 Xx //: : ）{Ⅹﾉl : ｌ
　 　 　 　 / /{ヽ ＼　 　っ 　　　　／/: : /ｆ′ ｊ ｌ :∥
. 　 　 　 / /ハ Ｘヽ ＞　.. __ 　 イ: メ､: ｛{ ｊ×ﾉ l : l !
　　　　 / // ハ ／ 　 ,ｨ个ｘ､　　　 　 ＼｝ｊ　｛: l : l :!
.　　　 / //ノ ／　　 〃 ∧　 ＼　　　　　ヽ＋} ｌ : l :ｌ








　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:::::::::::::::: 　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／::::::::::::::::　　　　　　 ＼　　　「入っちゃいけないお」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:::::::::::::::::::::::: 　 　 　　 　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼:::::::::::::::: 　 　 　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　:::::::::::::::　　　 |　iﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　 :::::::::::::　　　 ゝ__/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　::::::::::　　　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（＿＿（＿＿　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　 ,＿/　 ＿＿＿ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `ー'　　`ー'








699 ：１[saga]：2009/12/30(水) 22:33:57.64 ID:Es8NLfAo






　　　　　　　 ＿＿
　　　　 　／　　　　＼
　　　　／　　　　　 　 .＼　　　　　　　　　　　　　　「勝茂公は人前では殿様らしく
　　 ／　　　　　　　　　　 ＼　　　　　　　　　　　　 ふるまわなくちゃいけないんだお。
　　 |:::::::::　　　　　　　　　:::::|
　　 ＼:::::::　　　　　　:::::::::／　　　　　　∩　　　　　でも、殿様だって大声で
　　,. -‐'´:::::::　　　　::::｀⌒￣￣,￣￣〆´　）　　　 泣き喚きたいことだってあるお。
　 ﾉ :::::::::::::::　　　　　　:::::::.,＿_゛＿__､r　　ｿ








　[二二二二二二二二二二二二二二二]
　 ||.　,. - ､　:..　　　　ﾟ　..::　::　 　. 　 ..　 ||
　 ||　{　 ..:: } .. .　　. ...　...　.. .. .. .. 　　　. ||
　 ||　.` ‐ 'ﾞ　...　　. ...　...　　　　+. ...　...　||
　 ||::: ::::........　:::... .... ..:::::::....::::::....ﾟ..　.　.:::...||
　 ||　　..　. .. 　　. . . .. .　　. ...　　.. .. .. .　||　　　　　　城では胸の内を吐き出せないから、
　 ||　 l;;;;|　　 　／￣￣￣ ＼　　 　　 ;;; ||　　　　　　わざわざここまでやってきているんだお」
　 ||　 l;;;;|　　／:::::::::::::::: 　　　＼　 　　;;; ||
　 ||;;;; l;;;;;|／::::::::::::::::　　　　　　 ＼;;;;.;;;;; ||
　 ||;;;;┌;;;|:::::::::::::::::::::::: 　 　 　　 　|;;;;;;;;;;;;||
　 ||;;;; |;;;;;;＼:::::::::::::::: 　 　 　　　／;;;;;;;;;;;;||
　 ||;;;; |;;;;;;（⌒　::::::::::::::::　　　 ⌒ヽ;;;;;;;;;;;;||
　[ニ二二二|　 ::::::::::::::　　 　 |ニニニニ]
　　　　　　　|　　::::::::::　　　 　|







700 ：１[saga]：2009/12/30(水) 22:35:17.49 ID:Es8NLfAo






　　　　　　　　　　　　　　　　　　, -‐-､
　　　　　　　　　　　　　＿, - '´￣｀ヽ､_ヽ
　　　　　　　　　　 r‐ '´≠￢⌒⌒`￢≠ `ｰ､_
　　　　　　　 　 　 |:.: 〆＊　 米　　 ＊　ヽ、:.:|
　　　　　　　　　　 y'´≠￢⌒￣`￢≠､　ヽ} ∧
　　　　　　　　　　〈〆　/　　　 　 ヽ　 ヽヾ:*}ﾊ:.ヽ　　　　　「うん……、そう考えると、なんだか悲しい人なんですね」
　　　　　　　　　　/ / /　　ﾉ ｲi　 八　　}.:.:{:}.:!:l:..ﾊ
　　　　　　　　　　l i!　{-ｫ/∠j l ﾇ--ヽ､/:.;{:}ﾍ!:.!:. ﾊ
　　　　　　　　 　 ｀ヽｲﾍ rt;ｧ/〃'tｫｪｧ/ ｲ:}〃ヾ､:　ﾊ
　　　　　　　　　　　　_}､:.ゝ 　'_　　　フ7: :}´:.:.:.:f}:.　 ﾊｰ-､　　 ＿＿＿_
　　　　 　 　 　 　 　 f :.:{:　:＞ｰ ＜´:.:.{: :} /　 :.f:}:.　　ヽ::._Y´ーヽ─ ｰヽヽ
　　　　　　　　　厄￣! ;.:{:＊:}《_介､_》 {:*}/:.　　:!｢::::...　　ヽ...:::::::ヽヽ￣ヽ ヽ＼
　　　　　　　　〃´／　ゝ{; -┴ ､j__ヽ彳ィ′　 :.!ﾊヽ､:::::...　＼二｀ヽ:＼　ヽ ヽ ＼
　　　　　　　/〈　 {_ 〃ﾑ_)）、 :.:.　　.:.く´ﾊ:.:.:.. :〈:.人:::::ヽ､ー- ＞ｰ　!　ﾊヽ ヽ:＼.:l
　　　　　　 〈.:.:ヾ:.{ﾐ｀￣ｷｰ/⌒￣¨フ／ヽヽ:.:.　〉´/｀ヽ::::::｀ー､＿.::/　　l　/ j ..:::〉!
　　　　　　　＼r‐ﾊ ー‐ﾈ_{　＿／／　　 《ﾉー'´＼_:.:.:.:ヽ:::::::::::::::::/...:　/ .......::::://
　　　　　　　厂7´　ヽ | |｀ヽ|┌‐'´　 　 ,ｨ也.:.:.:.:.:.:.:.:.｀iヽｰヽ::::_／:::::／ ::::::::ﾉ:::〃








　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　 ／ 　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　／ 　　-一'　　 　　ﾞー-　　 ＼
　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／　　／´　 ｀ヽ　　　/´　 ｀ヽ　　＼
　　　　　　　　　　　　／ 　 　（　　　● l 　 　l ●　　　） 　 　＼
　　　　　　　　　　　　|　　　　 ヽ_　　 _ノ　　　ヽ_　　_ノ　　　　　|　　　　　殿様って商売も、つらいもんだお。
　　　　　　　　　　　　|　　　 ''"⌒'（　　　　i　　　　）'⌒"'　 　 　|
　　　　　　　　　　　　 ＼　 　 　 　｀ー ─'＾ー 一'　　　　 　 ／
　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　 　 　ー一　 　 　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ
　　　　　　　　　　　 　 |　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　|　 　 i　　　　　　 　 　 　 　 　 　 i　 　 |
　 　 　 　 　 　 　 　 　 | 　　 i　　　　　　　　　　　　　　　i 　 　|
　　　　　　　　　 　, -‐┴-､__,i　　　　　 　 　 　 　　 　 　ゝ､ｰ┴‐--、
　　　　￣￣￣￣く / /　ｧ- ,ﾉ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ （, -r　ヽヽ 〉￣￣
　　　　　　　　　　 `ｰ' ｰ´￣　　　　　　　　　 　 　　　　　 　￣｀ｰ 'ｰ´






やらない夫も杢之助も、そしてやる夫も泣き叫ぶ勝茂が見たいわけじゃない。
勝茂に人を引き付けるものを感じ取って、ここまで尽くしてきたのだった。
だからこそ、今の勝茂の姿にはなんともやるせなかった。








703 ：１[saga]：2009/12/30(水) 22:36:12.45 ID:Es8NLfAo






　　　　　　　　　　／::::::::::::::::::::::::::::::＼　　 __ 　　　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　　 ／"::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ／::::ヽ　　　　　　__, -´￢≠‐ ､　｀ 丶、
　　　　　　　／":::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／::::::::::::_j　　　 ／フ￣`～ ､　※　ヾ､　　ヽ
　　　　　　　ヽ :::::::::::::::::::::::::::::::::::::／::::::::::: ／｀ヽ　〃／,　‐＿　　＞､_ ※ ､ヽ　　ゝ‐､
　　　　　　　　 ＼ ::::::::::::::::::::::: ／::::::::::::／__｀ヽ　Y /　/／...::::／　/　｛l　 　 l｝ ::　　 　＼
　　　　　　　　　　＼::::::::::::: ／:::::::::::／::.........ヽﾊ　　 〃 ≠'´::::::／／ ｛l　 　 l｝:::　　　 ／
　　　　　　　　　／::::＞ｰ' ´ :::::::;:イlヽ､＞ーﾃﾍj　　　ﾊ_彡ﾍ／ ｲ::　　｛l ※ .l｝::　　／
.　　　　　　　　 ゝ､.'´ ::::::::::; イ:ﾍ:..ﾚ∠_｀ﾞー`ゞj 　　　 {ｿ　 ‐"≧ｪj:::/　｛l　l　l｝__／　!
　　　　　　　　　　 ＼_ ィ'´　 ;:.　ヽｬ:::ﾟ）`　　　ヽ　　　 r　 　 ´（ﾟ:::}!/::/ ｛l ※l｝:::　 　 l
　　　　　　　　　　　　　ヽ::..　l::... . 弋''´　　　 ｨ　　　　 ､　　　 ｀フ::／/｛l　 l｝ :::::　　　l
　　　　　　　　　　　　　　 ）j 八＼:::..ヽ､　 　 　　　 ヾ　　　　　 彡 ／〃/ ｲ　 ::::　　　 l
　　　　　　　　　　　　　　〔"￣''フ=---､≧='　　_　l l　　`ｧ‐=≠∠二／:::::|　　:::.　　　 l　　　やる夫が葉隠武士になるようです
　　　　　　　　　　　　　 /￣　〃´ .::::::::::∧　 ／圧＞!Y〃ゝ'´￣￣ヾ |::::::::|:::　　:　　 　 l
　　　　　 　 　 　 　 　 /　　〆 .::::::::::::::::　∧ .ド/7ﾍ<'|〃/　.:::::　　　ヾ|:::::::::l::::　　　　　　l
　　　　　　　　　　　 r/　〆::: .::::::::::::::::::::　::∧j ｀´:;:::｀|∨　 ::::　　.:　　 |:::::::::l:::.　　　　　　 l
　　　　　　　　　　　7≠":::: :::::::::::::::::::::::: .:::::∧ﾍ_::;r～f|　　::　..::　　 　 l:::::::::',::..　　　　　　 l、
　　　　　　　　　／/:::::::::: ..::::::::::::::::::::::::::::::::::　|ヾｯ:l:..／ヽ ..:::::／　　　　l:::::::::::',:::.　　　　　　 lヽ
　　　　　　　 ／:::/::::::::::/ ::::::::::::::::::::::::::::::::::::　|＼:∨:: 　 〉／　　　　　.::::::::::::::::ヽ:..　　　　　　',　＼
　　　　　　 く::::::/::::::::／ ::::::::::::::::::::::::/":::::::::　|　　 |:::　 /ハ::::.　　　..::::::::::::::::::::::::ヽ:.　　　　　 ヽ::　＼
　　　　　　　　＼`ー─､::::::::::::::::::::::/::::::::::::::/7　　/::::../l　　l::::::....::::::/::::::::::::::::::::::::::::＼　　　　　 ＼:::. ＼
　　　　　　　　　 `ー─ﾍ⌒Y::::::::::/:::::::::::::ノ ハ／::::::::::/　　;＼＿／.::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼　　　　　 ＼:::::＼
　　　　　　　　　　　　　　＞!::::￣`ーt‐‐´:::　　|::::::::::::/　　　::::::::.....::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼　　　　　 ＼:::::＼
　　　　　　　　　　　　　〃〆:::::::::::::::::|　.::　　／::::::::::::　　　　 :::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::＼　　　　　＼::::::＼







705 ：１[saga]：2009/12/30(水) 22:37:54.27 ID:Es8NLfAo






　　　　l: : : : : : : : : : : 彡　　　　　　　　　　　　　　　 　　ヽ
　　 　 |: :ﾐ: : : : : : : : : : : 　　　　　　　　　　　　ヽ　 　　 　 l
　　 　 |: : 彡: : : : : : : : : : : : : : : : :ﾉ　 /　 ハ: .　l:､ ヽ　 l　|
　　　　|: : : : : : 彡: : : : : : : : : : : : : : ./　/:::::::l: 　|: ',　|　 |ﾘ
　　　　|: : : : : : : : : : : : : 彡: ／: :／/／::::::::::::l:　l／ｊ/ヽﾉ
　　　　|: : ｿ: : : : : : : : ;. ''´::￣ ~" メ､::::::::::::　 ﾚｲ　f
　　　　|: : : : 彡_:_: i:!:|:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ::::::::..,,ﾑ 'ﾌ/
　　　　:l: : : : / r‐|: : :| "､´￣(ｯ￣~"ﾌｼ　 く'ﾞ′ /
　　　　 l: : : :.|　i: :lN: |:::: ::::::::::::￣::::　 .::::::::::', .　/
　　　　　!: : i.!ヽ :､ヽ､:|::::　　　　　　 .::::::::::::::::', ./　　　　　「そもそも、この問題は若君と三支藩のあらそいじゃぁない」
　　　　　|N: : : :＼_ノﾍ::::::::.　　　 .::::::::::::::::::::::::', .
　　　　 /|:!: : : : : ／::::ヽ::::::::....:::::::::::::＿::`:-ｧ.､_'､
　　 ／　 |l: : : ／::::::::::::::ヽ::::::::::::::::'＾::ー ´　/
　　三三;;;;＼´::::::::::::::::､::::::＼::::::::::::::::-‐:: /
　　三三三;;;;;:丶､::::::::　ヽ:::::::丶､:::::::: 　 /
　　三三三三;;;;;:::::｀::-:､　ヽ::　/;;｀丶､_/
　　　三三三三三;;;;;:::::::::｀:.‐-'､::::_く








.　　　　　　　　/ .／ﾌ 7　 , -‐ x 　 l 　 i　i　i　 ',
　　　　　　　 / ,/ /　/ ／　／ i i　 ｊ　　　 　 　 |
　　　　 　 　 ﾚ/ /　 ／　〆ｰ‐‐く. /　/　　　i 　|
　　 　 　 　 r/　′ ′ '´　.ィ´厂l/! / } 　/　|　}|　　ﾊｧｰ…
　　 　 　 　 !′　　　　 ｒ__ ､ｊ/｀￣厂ヽ! /j!　ｊ /}!
.　　　　　　 !　　 　 　 /　　.}　　` ー‐''/〃 ハ ﾉ　　　　「……そうだ。
　　　　　　 ｊ　　　　　/　　 ﾉ　 　 　 　 /　/イ
　 　 　 ｒ‐‐'―- ､ ／!　 　 ___　 　 　 /　/　　　　　　　　 言うなれば、老中松平と鍋島のいくさだ。
　　　厂￣￣｀ヽ　ﾞ> l＼　ゞ二)　　／ｊイヽ.
　　 ,′　　　　　Ｘ.　 l　 ヽ. ___ . イ　 / .|　 ＼
.　 /　 　 　 　 n / 　 !　 /ｰ ､ ｒ‐‐／　｜　∨＼
　/　　　　 　 n /　　 l　/、c | |ｰ l｀ヽ. ｜ 　.∨　＼






706 ：１[saga]：2009/12/30(水) 22:39:05.18 ID:Es8NLfAo






家光公の意思をわざわざ宗冬どのを使って元茂に伝えたことが、伊豆守の存在を明らかにしている。

光茂と三支藩の対立を知った上でとった策略であることは明白だ。






　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　 　 　 　 　 / /　　　 .: .::::/　　.::／.::／/::/　 {::.:|:.　　　.::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ /　 /　 .: .:::/　 .:／.::／ ,.:ﾞ::/=＝ﾍ::ﾄ､.　/.::::::::::::::::::::::::::.
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／ ｲ　.::/　 .:::::|/l.::/｀X/iﾚ'／〃_辷ｚり＿_, //.:　　.::::/.:::::::::::::::::::!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　:ｲ　 .::/.::{,ｨ７弌ﾒ､/´　｀￣￣￣￣´７/.:　　.::::/.:::::/.:/.::::::::}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|./ il　.:/ .::::ﾄ､｣ｆ斗'′ 　 　 　 　 　 　//.:　 .::::::/.:::::/.:/.::::::::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:! :i:{　::i::| 　　 ヽ 　 ＿＿__,｀ヽ,　/ｲ.:::: .:::／.:::, くY:::::::::::,ﾞ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|{　 | :ﾘ　::{::|　　　 ､ニ, -‐─‐‐ｧ′ /.:::::／/.::／〉　l::::::::::::{
　　　　　　　　　　　　　　　　　「いいぞ……　　　　　　　　　|　!　 :!ﾊ　　　　V 　 　 　 / 　 /.::／／／　　_ノ.::::::::i::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　もっともっといがみ合え」　　l 小　:! .:ヽ、　　 }　　　 .ノ　　/／／'"　ﾉ｀7.:::::::::::i::::|::!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_ﾉ　| ﾄ. !.::::/ ＼　└-‐ ´ 　 　 ´　　　　　　/.:::::::::::::|:::{ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾘ}　{:::/　　}:ﾄ､　｀￣　 　　　　.　 ´　　/.:/::::::::!:::ﾄ､|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ.: メ、　/.::i::.ヽ　　_　 -‐　´　　　　 /:,ｲ:::|:::::ﾄ､|≧-‐　´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　'⌒´　　ノ　イ::/ 二二二｀仁二二二/二|:::ハ＞ ´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|ハ {　　　　} | 　_〈 〉- ､　-'‐　´






　　　　　　　　 　 ﾄ ,イ＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　_＿＿＿
　　　　　三三　　>'´　　 ヽ　　　　　　　　　　　＼　　 ／＿＿_　　　ヽ,,
　　　三三三　 ./ k ノﾉﾊ)）〉　　　　　　　　　 ─ 　　　|－､ヽ |　　　　ヽ
　　　　　　　 　 |　ﾊ♯ﾟ 0ﾟﾉ!　　　　　　　　　／　　　 　|＜ |─|_　　　　|
　　 　 ━━━[]⊂li 　 ｿ i}⊃　　　　　　　　　　　 ,-､ q－ # 　6）　　 /　∩
　　　　三三三 　 (/ﾞニ,ﾊJ　　　　　　　　　　.　 （　 ヽ､￣￣）　＼／　/　 ）
　　　　　三三　　/ / i )）⊃　　　　　　　　　　　 .　 ＼　＼二＿___|　／ ／
　　　　　　　　　　し'　　　/ ⌒'⌒ヽ　　　　　　 .　.（（ ＼/｀ヽ──|ヽ／　））
　　　　　 , #⌒⌒ヽ、　　i│iiiMiii 》　　　　　　　 （⌒￣|￣　　　　 |￣|￣⌒⊃
　　　　 ∩ ﾊ/lﾊﾉｉ ∩　　|| |ﾟ ヮﾟﾉ||　　　　　　,－､￣￣￣|＿＿＿|￣￣￣
　　　　／ヽ|｀∀´ﾙ'┐　 ||/ﾞ}京iつ=「二ゝ　　l　　￣|￣|￣　　　　|
　　　　 `､_i 　Ｖ 　レ'　　　U､/_li〉　　　　　　 ヽ__, ───-､_＿__|
　　　　　　 |＿＿_|　　　　　し'ﾉ　　　　　　　　　　　＼＼ 　 |　　|
　　　　　　 |￣￣ |







本来なら、鍋島は一丸となって立ち向かわねばならん。
だが、三支藩は、光茂にしか目を向かず、自分の足元の危うさに誰も気づいていない。







709 ：１[saga]：2009/12/30(水) 22:40:17.70 ID:Es8NLfAo







　　　　　/.:イｉ:.ｉ:.:.:.!:. ｉ:.::.:.ｉ:.:.:.:.:.:.ｉ:.:.:ヽ:.:.:.:.:.:.:ヽ ､:.:.:.:ｉ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　　!' /:.:!:.!:.:.ハ:|､:.:.:|＼:.:.: |:.:.:.:.ｉ:.:.:.:.:.:.:. ｌ 丶:.:.!:.:.:.:.:. ﾊ:.:.:.:.:.:.:.:ｌ
　　　　　　|:.:ﾊﾍ:.:ｌ　 :! ＼! _ ヽ: ｌ:.:.:.: ｌ:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.ヽﾊ:.:.:.:./:.:ｌ:.:.:ｉ:.:.:.:.|
　　　　　　|/　|:ヾ!　　　　´ 　 ｀:!ヽ:.: ｌ:.:.:.ｉ:. ｉ: !⌒ ､:.:.V:./:.:.:ｌ:.:/ｌ:.:.:. |
　　 　 　 　 　 Ⅵ　 ／　 _　　　 　 Ⅵ:.:.:.|:. Ⅳ⌒ヾ､:.:!/:.:.:.:.!:':. |:.:.:.:ｌ 　　　　いまや佐賀藩は御家騒動で燃え上がっている……
　　　　　　　　　 ﾍ´,イヽ /　　　　　!ハ:.:ｌ:.:.|　ヽソ .}:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.!∧:!
　　　　　　　 　 　 !　 ゞ '　　　　 　 '　 Ⅵ: ｌ )　!　./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: /　}' 　　　　 すぐに取り潰しの上使がやってくるだろう。
.　　　　　　 　 　 /　　　　　　　 　 　 　 !:./　´　, ':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: ｌ
.　　　　　　 　 ／　　　　　　　　　　　　 !:' ┌┐:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧! 　　　　　　 風前の灯だ……
　　　 　 　 　 丶　　　　　　　　　　　　　　./ : |:.:.:!:.:.:.:. ｉ:.:.:.:.ｌ
　 　 　 　 　 　 　 ヽ　 　 _　　　 　 　 　 . :: :　ｌ:.:ハ:.:.:.:|:.:.:. ｌ
　　　 　 　 　 　 　 ｀┐´　　　　 　 　 . : : : :　 V　 ＼:.!ヽ:.:!
　　　　　　　　　　　　 ヽ´　　　 　 . : : : : : :　 　 　 　 ｀__Ⅵ＝､
　　　　　　　　　　　　　 ｉ　　　 ＜ﾍ : : : : :　　　　. . :´ : : : : : : ｌ
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