239 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/27 22:00:03 ID:MJO/ghSI
1331年（元弘元年）、倒幕の兵を挙げた後醍醐天皇と楠木正成に対し京の六波羅探題は諸国の軍勢を
畿内に集結させた。
＿＿＿＿
／ ＼
/ / ＼ ヽ 後醍醐帝に河内の楠木正成め・・・
| /＼ | 幕府に刃向うとは・・・
ヽ /￣＼ /
,,.....イ.＼ /
: | '; ＼_____ ノ.| ヽ ､
| ＼/ﾞ（__)＼,| i |
＞ ヽ. ハ | |｜
六波羅探題北方・北条仲時
/ﾆＹﾆヽ
(ヽ /（ ﾟ )( ﾟ ）ヽ /) 近畿の軍勢を集めて、
(((i )／ ::::⌒｀´⌒::::＼ ( i))) 笠置と赤坂を包囲させろｗｗｗｗｗｗ
／∠_| ,-）＿＿＿（-，|＿ゝ ＼
( ＿＿＿､ |-┬-| ,＿＿ ）
| `ー'´ /´
| /
六波羅探題南方・北条時益
240 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/27 22:01:27 ID:MJO/ghSI
幕府軍七万五千はまず天皇の籠る笠置山を包囲した。しかし天然の要塞である笠置山に幕府軍は苦戦し、
官軍三千を相手に攻めあぐねていた。
＿＿＿＿＿
. ／ /⌒＼/⌒ヽ
/ , －| ・|・ |､＼
/ ／ ` ー ●ｰ ′ヽヽ 幕府軍を迎え撃つんだ！！
/ / 二二 | 二 ￣ﾉ
l / /⌒＼ ── | ─ ／
| | / ￣￣￣￣/￣
ｌ | | / /⌒ヽ
ｌ | ヽ /⌒ヽ⌒ヽ |／ヽ__ ノ
ヽヽ `ｰ───┴─７ /
>━━━━━Ｏ━━ /
後醍醐天皇
_,,....ヽ|/...._
.r''" ｀ヽ
/ , '⌒ v ⌒ヽ ﾍ
,' | | ! ﾊ
| |. ●|● | ! この日のために武芸を磨いてきたんだ。
| ,r┴‐‐ '⌒ ─┴､ | 公家だからって馬鹿にするなよ！！
|（ ── ---── ）!
/ ｀ー-------一 ´ ﾍ
/／| |＼､
千種忠顕
241 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/27 22:02:58 ID:MJO/ghSI
官軍の思わぬ健闘に焦った六波羅探題は鎌倉に援軍を要請した。
／￣￣￣￣￣＼
| / ＼ ヽ
| ／＼. | うーむ、笠置山はまだ落ちぬか。
| ／ ￣ヽ | 鎌倉に援軍を頼むんだ。
＼ ／
. /⌒～"￣,￣￣〆⌒,ﾆつ
| ,＿_＿ﾞ＿__､rヾｲｿ⊃
| ｀l￣
. | |
242 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/27 22:04:27 ID:MJO/ghSI
その頃、父・貞氏を亡くしたやる夫は足利荘にて父を供養するため喪に服していた。
＿＿＿_
／― ― ＼
／（―） （―） ＼ ・・・・・・・・・父上。
／ （__人__） ＼
| ｀ ⌒´ |
＼ ／
／ ＼
| ・ ・ ）
. | | / /
| | / / |
| | / / |
(YYYヾ Y (YYYヽ |
（_＿＿ノ-'-（'＿＿_）_ﾉ
243 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/27 22:05:57 ID:MJO/ghSI
／￣￣＼
／ ＼ ＼
.（●）（● ） u. | やる夫様、大変だ！
（__人__） u |
.(｀⌒ ´ |
{ |
{ u. /
＼ /
ノ ＼
／´ ヽ
／￣￣￣＼
／ ─ ─ ＼ どうしたお、右馬介？
／ （●） （●） ＼ やる夫は今父上の冥福を祈ってたお。
| （__人__） |
＼ ｀ ⌒´. ／
／ ＼
244 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/27 22:07:27 ID:MJO/ghSI
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ●）（●） 今、鎌倉からの使者がきて
. | （__人__） やる夫様に・・・足利家に上洛して
| ｀ ⌒´ﾉ 官軍と戦えとの命が出たぞ！！
. | }
. ヽ }
ヽ ノ ＼
/ く ＼ ＼
| ＼ ＼ ＼
| |ヽ、二⌒)､ ＼
＿＿＿_
／ ＼ （ ;;;;(
／ ＿ノ ヽ__＼) ;;;;) ・・・それは無理だお。
／ （─） （─ /;;／ やる夫はこの間父上を亡くしたばっかで、
| （__人__） l;;,´ 足利家を継いだばっかだお。
./ ∩ ノ)━・'／ 葬式もまだだし、家臣団の引き継ぎもまだ。
( ＼ ／ ＿ノ´.| | いくら幕府の命だからと言って出兵は断るお。
.＼ " ／＿＿| |
＼ ／＿＿＿ ／
245 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/27 22:08:58 ID:MJO/ghSI
／￣￣＼
／ _ノ＼ ・・・そりゃそうだろな。
| （●） やる夫様だけじゃなく足利家中は
. | （___ﾉ） 今全員喪に服してるしな。
| ´ﾉ
. | }
. ヽ }
ヽ ノ
＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ─＼ まあ、使者に言っても多分駄目だお。
／ （●） （●） ＼ やる夫が直接鎌倉に行って断ってくるお。
| （__人__） |
＼ ｀ ⌒´ ／
,,.....イ.ヽヽ、___ ーーノﾞ-､.
: | '; ＼_____ ノ.| ヽ i
| ＼/ﾞ（__)＼,| i |
＞ ヽ. ハ | |｜
246 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/27 22:10:28 ID:MJO/ghSI
～鎌倉～
/＼＿＿_／ヽ
／'''''' '''''':::::::＼
. |（●）, ､（●）､.:|
| ,,ﾉ(､_, )ヽ､,, .::::| どうした、高氏？
. | ｀-=ﾆ=- ' .:::::::|
＼ ｀ﾆﾆ´ .:::::／
／｀ー‐--‐‐―´＼
十四代執権・北条高時
＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ─ ＼ 高時様、出兵の件ですがやる夫は父を亡くしたばっかで
／ （●） （●） ＼ まだ喪に服しており、葬儀もまだあげておりません。
| （__人__） | それに私もまだ足利家を継いだばかりで家臣団の引き継ぎも
＼ ｀ ⌒´ ,／ まだ終わっておりません。
/⌒ヽ ー‐ ｨヽ 誠に申し訳ないのですが、今回の出兵は断らさせてください。
/ ,⊆ニ_ヽ、 |
/ ／ r─--⊃、 |
| ヽ,.ｲ ｀二ﾆﾆうヽ. |
247 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/27 22:11:59 ID:MJO/ghSI
/＼＿＿_／ヽ
／ -‐' 'ｰ- ＼
. | （●）,(､_,)､（●） ::| ならん！
| /,.ｰ-‐､i :::::| これは幕命だ！
| //⌒ヽヽ .::| 幕府に逆らう奴らを生かしてはおけぬ！
| ヽｰ-‐ノ :::::|
＼ ￣ ...::／
／｀ー‐--‐‐―´＼
＿＿＿
／ ＼
／ _ノ '' 'ー ＼ ・・・・・・・・・し、しかし・・・
／ （●） （●） ＼
| （__人__） |
＼ ｀ ⌒´ ／
248 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/27 22:13:30 ID:MJO/ghSI
∩＿＿＿∩ /)
| ノ ヽ ( i )))
/ ● ● | / / 高時様、私に考えがありますクマー！
| ( _●_) |ﾉ /
彡､ |∪| /
／ ヽノ /´
内管領・長崎高資
/＼＿＿_／＼
／ ::＼
| ─ ─ |
| （●）, ､ （●）､ | ・・・・・・高資。
| ,,ノ(､_, )ヽ､,, .::::|
＼ ｒ‐=‐､ .:::／
／｀ー ｀ﾆﾆ´一''´ ＼
＿＿＿
／ ＼
／ _ノ '' 'ー ＼ （あ、あれは長崎高資・・・）
／ （●） （●） ＼
| （__人__） |
＼ ｀ ⌒´ ／
249 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/27 22:14:59 ID:MJO/ghSI
∩＿
〈〈〈 ヽ
〈⊃ }
∩＿＿＿∩ | |
| ノ ヽ ! ! 高氏の妻、登子と嫡子の千寿王を人質に取るクマー！！
/ ● ● | / これなら高氏も幕命に逆らえないクマー！！
| ( _●_) ミ／
彡､ |∪| ／
/ ＿＿ ヽノ /
(＿＿＿） /
＿＿＿
／ ＼
／ノ ＼ u. ＼ ・・・・・・・・・！！？？
／ （●） （●） ＼
| （__人__） u. |
＼ u.｀ ⌒´ ／
ノ ＼
250 名前：名無しのやる夫さん ：09/05/27 22:16:18 ID:ummQ09Ci
ムチャクチャだなぁ・・・
251 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/27 22:16:30 ID:MJO/ghSI
／｀ｰ──一'＼
,ｒ（●）(､_, )､（●）＼
.| '"トﾆニﾆ┤'｀ .::| うむ、それは名案だ！！
|. | .:::| .:::::| 高氏、妻の登子と嫡子・千寿王を人質に差し出せ！！
.| ヽ .::::ﾉ .:::::::| そして上洛して官軍と戦え、幕命だ！！
＼ ｀ﾆﾆ´ ..::::::／
,,.....イ.ヽヽ、ﾆ__ーーノﾞ-､.
: | '; ＼_____ ノ.| ヽ i
| ＼/ﾞ（__)＼,| i |
＿＿＿_
／ u ＼
／ ＼ ／＼ ・・・・・・・・・そ、そんな・・・！？
／ し （○） （○） ＼
| ∪ （__人__） J |
＼ u ｀⌒´ ／
252 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/27 22:17:58 ID:MJO/ghSI
,ヘ ,:ﾍ.
/: : ＼ ／:: !
/::::..... ＼--―‐'.:.:::... !
/:::::: ',
,':::: i
.i:::: ''''''' ''''''' !
!:::. （● ）, ､（● ）､ ! ＋ もう一度言う、高氏。
|::::.. . ,,ﾉ(､_, )ヽ､,, l これは幕命だ・・・
i;::::.. ﾉ ､ ゝ ! それともお前も幕府に逆らう逆賊なのか・・・？
':;::::... ー‐ ==イ /. +
.＼:::::..... ヽ--‐' ／ +
｀ゝ:::::........ ......／
,ﾚ─── ､ /
_j＿￣￣＼＼ ＼ /
l ￣ -- ､＿ー ､ ＞
/ ＼ ヽ､ ＼
＿＿＿_
／ u ＼
／ ／ ＼＼ ・・・・・・・・・は、はい。
／ し （○） （○） ＼ 分かりましたお。
| ∪ （__人__） J |
＼ u ｀⌒´ ／
253 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/27 22:19:29 ID:MJO/ghSI
そして、やる夫は登子と千寿王を鎌倉に人質に差し出し、上洛して官軍と戦うこととなった。
＿＿＿_
／ ＼
／ ＼ ／ ＼ クッ・・・汚い、
／ （●） （●） ＼ これが幕府の、北条のやり方なのか！？
| __´___ |
＼ 'ー一` ／
／ ＼
足利直義
／￣￣＼
／ ＼ ノ
| （ ●）（●） 出兵を強要する上に
. | ノ（ （__人__） 奥方様と千寿王様を人質に出せだと・・・！？
| ⌒ ｀ ⌒´ﾉ なんて傲慢な！！
. | }
. ヽ }
ヽ ノ ＼
l/ く ＼ ＼
| ＼ ＼ ＼
| |ヽ、二⌒).､ ＼
254 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/27 22:20:59 ID:MJO/ghSI
/::::::::::::/::::::::::::/:::::::::::::::::::::i::::::::::::::::::::::',:::',
/:::::::::::/:::::::::::::/::::::::::::::::::::::::i:::::::::::::::::::::::!::::i
,'::::::::::::/:::::::::::::/::::::::::／::::::::::::|:::::::::::::i:::::::::i::::l
l:::::::::::/:::i::＿::/:::::::／|::::::::|::::::::|:::::::::::::l:::::::::l::::l
i:::::::::/:::/::::::/＞､/ i:::::::::l:::::∠⌒:::::::::|!:::::::|'ﾘ やる夫様、
_ノ::::┌i:::/::::::/斤心ヘ i:::::::::i::::ﾒ≦i::::::::::::i:!::::::! こんな要求飲む必要はありませんよ。
＞:::::｛ ﾚ' |:::::7ﾚ升::｝ /:::／|:/辻:｝l::::::::::ハ:::::! そもそも足利家は北条にへつらうような
_,＞::::::::i ヘ|:::/ ゞ‐" /／ ′ゞ‐' l:::l:::/ ∨ 家柄ではありません。
￣｀￣｀＼:|:/ ′ ､ ∧!/
＼|＼ ＿ / ′
_{i ´ ｀ ／
// ｀＼ ＞ _ イ
_,､-;'´;;;i `ｰ ､, _ﾉ iヽ、
_,､-;;"´;;;;;;;;/;;;;;l ／ﾍ l;;;;;ﾍｰ,,､
_,､-;ｰ'´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;ヽ ／::::::::∨;;;;;;;;ﾍ;;;;;｀';;;;;;;､_
足利家執事・高師直
,- "" ー- ､,､
/ ヽヽ､
/ l ヽ
/ | / | l
. i. | | ,| | | l l .| |
| .| | | ./| | | l| || l | | | 長崎高資め・・・
| | | Tヽ､| /| || .|/| |ヽ |ヽ. | | | 人質策で足利家を手玉に取ろうという気だな。
. |/| | |ﾚrﾃﾗｫ､jヽ |､_jｪrｧｺﾖ､|| l .l､| | 許せない・・・
| | | | || l ;;;｡l ヽ| "l ;;; l´l|/ / || |
| || |､|､l ┴-' 辷ｿ | /| |
ヽ,|ヽ| l .l , /|/ |
∠| ,ヽ､ r---､ / lヽ |
ﾚ' |/､＞､ ヽ -' ／／|/ヽ|＼| ヽ
, -ｨ'´| ヽ丶 - .ﾉ Y ､_
＿ -- '´ / | ＼ ／ | ､ ゛ｰ- ､
／| / | __,,,ゝ､<_ lヽ - ､
. / | / L - ' ⊿ｴヽヽ､ | ヽ ヽ
l | / , l ／//ヽ＼ |￣ ヽ | .l
足利家執事・高師泰
255 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/27 22:22:28 ID:MJO/ghSI
＿＿＿_
／ ＼
／ ＼ ／＼
／ （●） （●） ＼ 兄上、ここはいっそ帝に呼応して・・・
| ´ |
＼ ⌒ ／
／￣￣ヽ ＼
（｢ ｀rﾉ ＼
ヽ ノ ＼
| | ｢＼ ＼
_-─―─- ､._
,-"´ ＼
/ ヽ
/ ＿／::::::＼_ヽ いや・・・いい直義！！
| :::::::::::::: ヽ ここは長崎高資の言うとおり、
l u （ ●)::::::::::( ●) ・・・登子と千寿王を鎌倉に人質に出すお・・・
` ､ （__人_） /
`ｰ,､_ ／
／ `''ｰ─‐─''"´＼
256 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/27 22:23:58 ID:MJO/ghSI
＿＿＿
／ ＼
／ ＼ ／＼ ・・・・・・・・・！？
／ （●） （●） ＼ あ、兄上！！
| __',_, |
＼ /__/ ／
_-─―─- ､._
,-"´ ＼
/ ヽ
/ ＿／::::::＼_ヽ 師直、師泰・・・山城に出兵するお。
| :::::::::::::: ヽ 兵馬の支度を頼むお・・・
l u （ ●)::::::::::( ●)
` ､ （__人_） /
`ｰ,､_ ／
／ `''ｰ─‐─''"´＼
257 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/27 22:25:27 ID:MJO/ghSI
/::::::::::::/::::::::::::/:::::::::::::::::::::i::::::::::::::::::::::',:::',
/:::::::::::/:::::::::::::/::::::::::::::::::::::::i:::::::::::::::::::::::!::::i
,'::::::::::::/:::::::::::::/::::::::::／::::::::::::|:::::::::::::i:::::::::i::::l
l:::::::::::/:::i:::::::::/＿::／|::::::::|::::::::|:::::::::::::l:::::::::l::::l
i:::::::::/:::/::::::丁:::／￣i::::::::l:::ｰ∧一:::::::|!:::::::|'ﾘ
_ノ::::┌i:::/::::::/斤心ヘ i:::::::::i::::ﾒ≧i::::::::::::i:!::::::!
＞:::::｛ ﾚ' |:::::7ﾚ升::｝ /:::／|:/辻:｝l::::::::::ハ:::::!
_,＞::::::::i ヘ|:::/ ゞ‐" /／ ′ゞ‐' l:::l:::/ ∨
￣｀￣｀＼:|:/ ′ ､ ∧!/ ・・・・・・・・・やる夫様・・・・・・
＼|＼ ＿ / ′
_{i ´ ／
// ｀＼ ＞ _ イ
_,､-;'´;;;i `ｰ ､, _ﾉ iヽ、
_,､-;;"´;;;;;;;;/;;;;;l ／ﾍ l;;;;;ﾍｰ,,､
/ // / / / l | | l
. / / // / / / l | | | | | |
/ / ノ／ | /／-'/＿/ ,ﾉ| |ゝ- / | |
/／ / ／| |,ｲｰっｧ─' ゝ十L/ / |
／/ ｲ/／ r|､ |. |:ﾈy |::ﾈy' l| |/ |､ |
. /／/ ／ ヽj ､i ｰ-' ｰ-' ﾚ|/ / ヽ|
/ ／| / ｰ､ヽ , /7' ./ ・・・・・・・・・かしこまりました。
／ ∠ｲノ | ヽ､ ＿ ／ //
//／|／| ヽ､ __ ／ ﾉ／/
r--l |ヽ'
,,／ ヽ / ヽ--､
＿ -- '' r＝─i､__＼ ／＿_ ／＼ ＼
／ ヽ､二二二==ｧｩ' /_ > ー､
/ヽ _ゝｰ--',／| ./ ー-_' ヽ
258 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/27 22:26:58 ID:MJO/ghSI
／￣￣＼
／ _ノ ,ヽ＼
| （ ●）（●） やる夫様・・・
. ＼ | （__人__） 本当にそれでいいのか・・・？
.＼ .| ｀ ⌒ﾉ
. ＼ ヽ }
.＼_,ゝ ノ
／, r､ く
./ 〈 ＼ i
. ヽ､ .ヽ ＼ i..｜
.て_） ＼ﾉ
＼
_-─―─- ､._
,-"´ ゝ ＼
/ ヽ ・・・いいわけないお。
/ ::::／::::::::＼::ヽ でも今幕府に逆らっても一族郎党皆殺されるだけだお。
| / ヽ ｀::::´ /｀ヽ 登子と千寿王には人質として鎌倉に行ってもらうお・・・
l （ ○ﾉ::::::::::ヽ○.;l 二人にはつらいかもしれないけど・・・仕方ないお。
` ､ （__人_） .;/
`ｰ,､_ ／ﾟ
／ `''ｰ─‐─''"´＼o
259 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/27 22:28:29 ID:MJO/ghSI
／ . / :./ :/:/: : : : : : : : : : : : : : :.｀ヽ､
/ . :/: :/: /:/: : : : : : : : /「こN: : : : : : :ヽ
/ . : /: :/ :/:./: : :.i: : :.l: l/// /lN: : : : :l: : :.l
/ . :.:.l: :.:l: ::i: :l: l: : {: : :.l: l ￣｀ヽ|: : : : :l: : :.l
| . : : :| :l l:.⊥⊥l:.:.:.|: :.l:L:L＿ _ |: : : :.:l: : : |
| : : : :|: l l´l:{⊥:l .: :|: :.N ﾘ __ ｀1: : : .:l: : : | 私なら心配いらないわよ、やる夫様。
| : : : :| :l.彳ﾌ〒ﾒ､: |: :.l 〒 ==ﾐヽj: : : : l: : : |
|ﾊ.: : :| :ﾊ V ﾊ｡lヽ| V r小 } Vl: /: :.:l: : : :|
V:.: :.:ハ ヽ りﾉ じ｡ｿノ l/: : :.ﾊ: :.:.:|
V.:.: i..ﾊ ､ /l: : : lﾉ: : : |
ヽ＼ :.:ﾊ /: : : :l: : : : :|
1: : i＼ rっ , ｲ: : : :/: : : :.:.|
l: : :l : :＞ ､ __ , イ: :/:/ : /: : : : ::.:|
_＿ _」: : l/:::::〈 /V: /// : : : i: : : |
／ ＼ |::::::::.ヽ l:::::V//: : : :i: |: : : |
/-- ､ ＼::::::::::.L ＼/丶、: l :|: : : |
/ ヽ ヽ:::::::::.＼二二ヽ:::::.、｀丶、: |
/ ＼ ＼::::::::::.＼ ＼::＼ ＼
赤橋登子
＿＿＿_
／ u ＼
／ ／ ＼＼ ・・・・・・登子。
／ し （○） （○） ＼
| ∪ （__人__） J |
＼ u ｀⌒´ ／
260 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/27 22:29:59 ID:MJO/ghSI
/: : : : : : : : : / :/: : :/: :/ :/く＼､ : : : : : : : : : : ヽ
. /: /: : : :/ :/ /: ;'!: : /: :/ :/≪:＼.|: : : : : :| : : : : : :
| /: : : :/ :/ / :/ | :/ : / :/ "≪|: : : : : :| : : : : : :|
|:ｌ: : : : | /｀ﾒ､/ | :| : :|.:│ |: : : : : :| : : : : : :|
|:ｌ: : : : l/ :/∨＼| :| : :|.:│ |: : : : : :| : : : : : :|
N: : : : |:./|{＾ｱ㍉| :| : :|.:┼ー─- |: : : : : :|: : : : : : あら、忘れたの？
'; : :| ﾚ;小 ﾄ:ｨ|ヽ|＼|ヽ| │: : : : ∧: : : : : j 私鎌倉生まれの鎌倉育ちよ、つらいわけないじゃない。
＼{∨:│ Ｖﾘ ｘ=＝ミ, /: : : : :/ }: : : :∨ 鎌倉には執権の兄上もいるしそう易々と殺されないわよ。
|: : ! ´ ｀/: : : : :/ ﾉﾉ: : : : :| 千寿王も一緒だから寂しくないしね。
|:.:人 ′ /: : : : :/_／ : : : : : |
|: : :/＼ ｖー┐ /: : : : :/: : : : : : : : : :|
|: : :|: : : >､ ､_ノ /: : : : :/|: : : : : : : : : :│
/{: : :|: : /.: :＞‐┬／: : : :／_｣: : : : : : : : : : :|
/∧: :.| :/: :∠二二ﾆ=ｰ＜＿__| : : : : : : : : : : |
/:/: : : :|/／ ＼ ＼八: : : : : : : : : : :|
. /./l: : :ヽ|/ ＼ ヽ: : : : : : : : : :|
/:/ :|: : : ノ 丶 ＼: : : : : : :│
261 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/27 22:31:28 ID:MJO/ghSI
, -‐ ￣￣￣｀ ､
, ´:. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. : ＼
／:. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :.:＼＼ヽ
. /:. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :ヽ卅ゝ;:ヽ:ヽ:ヽ:ヽ
/:. :. :. :. :. :. :. : ｌ:. :. :. :. :', ヽ:ヽ:.ヽ:ヽ:ヽ
,':. :. :. :. :. :. ｌ:. :. |: : i:. :. :l | ',:.:l:ｌ:. i: :lV
ｌ:. : |:. :. :i:. :.|:. :. |: : l:. :. :l |´￣｀l::j:|: :|: :|
',:. :.|:.l:. :.l: : ﾄ __i_l: :.|:.:ｌ: |ﾘ ＿リj:.:ﾊ:.j それに私はもしあなたが険しい道を選んだとしてもどこまでも付いていきますわ。
',: :ﾍl:. :. l／ｌヽ;|ﾘヽlV'V ,'"￣゛ l/:.V その時は千寿王と二人で鎌倉を抜けてあなたの元へ駆けつけます、やる夫様。
',:. :ヽ:.:/:ﾄ､| ,,===､ ､､､､ |:. :|',
',:. :.h::､:. ﾊv' 、 j:.:. l:.',
',: :ヽl::＼ﾍ ｀｀｀｀｀ ｲl:. :.|ヽ'、
',: : :l:. :.:.:|:.＼ ‐ ´ ／j:ll:.:. |:. :ヾ、
}: : |:. :. :|: |:ｌ ｀ ｰn---y´::::{7||:.:.:j:. :. :. ＼
|: : ﾍ:. :.:|:.jj ／ヽ￣￣:::::: / .||:.:,'￣｀/7ｰ ヽ
| :. :. |ヽ:.ヽ´ |ｒ'￣￣ / .lｊ:/ / / /./｀ヽ
| :. :. | ﾊ: :ヽ |￣￣ 7 ﾚ' ／／,ｲ./ ',
| :. :. |:| l ＼ｌ. | / ／／／/ | ',
| :. :. |:| l､＼＼ | / ／／／ / l ヽ
＿＿＿_
／ ＼
／ _ノ ヽ､_ ＼ の、登子・・・苦労かけるお・・・
／ oﾟ(（●）) (（●）)ﾟo ＼
| （__人__）' |
＼ ｀⌒´ ／
262 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/27 22:32:58 ID:MJO/ghSI
こうして登子と千寿王は人質として鎌倉に送られた。
そしてやる夫たち足利軍も官軍と戦うため上洛を目指すのであった。
＿＿＿_
／ ＼
／ _ノ ヽ､_ ＼
／ （○） （○） ＼
| （__人__）' | （しかし、これが幕府のやり方・・・
＼ /;:|`ー' 、 ﾉ:;| こんな幕府に味方してホントにいいのかお・・・）
＞ {;:;::乂_,,ｯ､､_／.:;:;｝
／ ゞ彡彡ニミミｯ;;/
（ ＿б 彡〃.:.:.:.:.:.:.:ﾞヾミ、
ゞ ''"/ : :.,;"´ﾞ,;.:.:.ヾゝ
∥ ﾞi .:ﾄ'',.´;, ',;:.:"〈
ヾ :: 〈● :ﾞ;, ,;"::;●夂
八 `ヾ,|｀: : : ;, ,;:.::::｀";l 乂
/ ／,!;;;ゝ,ﾘ|; : : :; ;::.:.:;::i）! : .彡
,/ヽ／／: :,ヾ〉,;.;､:'':::.:.;::;!:::| : . |
／/ : : //ｲ::,.:..; :.｛､; ﾞ;:ﾞ;;.:"';｝:::!､_!
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/: : / =､/,.!::: ; :,' :' : :.:.:ヾ;∞;ｿ::::::::.:,:.}!
263 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/27 22:34:30 ID:MJO/ghSI
援軍には大仏貞直、金沢貞冬などの北条一門も加わっており、
そしてこの援軍の中にはあの新田義貞もいた。
,, -‐''"￣￣｀ﾞ ヽ、
／ ＼
/ i
ノ ＿＿＿ﾉ
（＿＿＿_,,--‐‐'''"⌒:::::l.川 まあ、楽勝だろう。
. |（●）, ､（●）､.:|川
| ,,ﾉ(､_, )ヽ､,, .::::|ﾘﾘ ﾎｼﾞﾎｼﾞ
. | ｍj |＝‐ｧ' .::::|(((
彡＼,〈＿_ﾉﾆﾆ´ .:::／ミミ
／ノ ﾉ -‐‐一´＼
大仏貞直
／￣￣￣￣￣￣ ＼
/⌒ヽ / '''''' '''''' ヽ
| / | （●）, ､（●） |
| | | ,,ﾉ(､_, )ヽ､,, | ぶっちゃけ援軍こんないらんだろ。
| | | ｀-=ﾆ=- ' |
| ｜ ! ｀ﾆﾆ´ .!
| / ＼ ＿＿＿_＿＿＿ ／
| | ///／Ｗ＼ヽヽヽヽ＼
| | ////ＷＷＷヽヽヽヽヽヽヽ
| | ////ＷＷＷＷヽヽヽヽヽヽヽ
Ｅ⊂////ＷＷＷＷＷヽヽヽヽヽヽヽ
金沢貞冬
／ .,※,...-―:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:::ｰ-.､ ＼
／ /,.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:＼※ヽ
＼ ／:.:.:.::/:.:.:.::.:.:.:.:.:.:!:.!:.:.:.:.:.＼::.:.:.:..:ヽ ',
/:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:../.;ｲ.:ﾄ､.:.:.:.:.:.:ヽ.:.:.:.:.:ヽ
,':.:.:.:.:.:.:!.:.:.:.:.:.:.,:ｲ:/ ;:/ ヽ.:..:.:.:.:.!:.:.:.:.:.:.'※.
!:.:.:.:.:.:.:|.:.:.:.:／.// // ＼:.:.:.:.|:.:.:.:..:.:i
|:.!:.:.:.:.:.|;∠..－'" 〃゛` ―--＼:.!:.:..:.:.::,' } 源氏一門として北条に従うのは
!ﾊ:.:.:.:.:.! _,, / ､_ /:.:.:./:/∧ 本当はいけすかねえですぅ。
i! ＼:.:.:＼`＝''" `ー＝''ｲ/:.ｨ／/:.:.
}ヾ､_＼ ' ／／´ /:.:.:.
ﾄ､※,.＞-―…―--＜7´※ /:.:.:.:.
!:.r(´.._'' ¨´￣￣｀¨r-┴ ､ /ユｭ_:.:.
/:.{ 〉ーｭ__...::::::::::.r―_`ヽ〈 /／ {ｊ:.:.
. /:.:/{Y´,.-<:::::::::::::::`ー､` ﾉｭ!_ｊ⌒ｰﾘ:.:.
/:.:.:! >｀ ー'､..＿＿＞-､_.ﾉｽ ,' |:.:.
/:.:.:.| {~`＾ｰｾ┘!｝{} !㍉x-イ } ,' ｜:.
. /:.:.::.,' ! ! | ｝{} ! i! ﾄ、 ｜:.
新田義貞
この援軍は総勢二十万七六〇〇余騎と「太平記」に記されているが、
これは誇張の可能性が高く、実際の総兵力は二、三万と思われている。
が、それでも大軍であったのには変わりはない。
264 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/27 22:35:59 ID:MJO/ghSI
しかし、鎌倉の援軍は大軍であったため行軍が遅れていた。
その頃、笠置山を囲む幕府軍の中に夜討ちをかけようとする者が現れた。
,.ｨ , - ､.＿ 、
. ,ｲ/ l/ ￣￣｀ヽ!__
ﾄ/ |' { ｀ヽ. ,ﾍ
Ｎ│ ヽ. ` ヽ /ヽ / ∨
N.ヽ.ヽ、 , } l＼/ `′
. ヽヽ.＼ ,.ｨｲﾊ | ＿|
ヾニｰ __ _ -=_彡ｿﾉ u_＼ヽ、 | ＼ 関東の軍勢がもう近江まで来ている！！
. ￣ﾞr=<‐ﾓﾐ､ﾆr;＝=ｪ;ｭ＜_ゞ-=7´ヽ > このままじゃ坂東武者に全て功を持っていかれちまう。
. l ￣ﾘーh ｀ ｰ‐‐' l‐''´冫)'./ ∠__ 俺達で夜討ちをかけて笠置山を攻め落とそう！！
ﾞiｰ- ｲ'__ ヽ､..＿__ノ ﾄr‐' /
l `＿__,.、 u ./│ /＿
. ヽ. }z‐r--| ／ ﾄ, | ,、
>､`ｰ-- ' .／ ／ |ヽ l／ ヽ ,ﾍ
_,.／| ヽ`ｰ--‐ _´.. ‐''´ ./ ＼､ ＼/ ヽ/
-‐ '''" ￣ / :| ,ゝ=＜ / | `'''‐- ､.._
/ !.／l;';';';';';';＼ ./ │ ＿
_,＞ '´|l. ﾐ:ゝ､;';';_/,´＼ ./|._ , --､ | i´!⌒!l r:,＝i
. | |:.l. /';';';';';|= ヽ/:.| .|l⌒ｌ ｌﾆ._ | ﾞｰ=':| |. L._｣ ））
l. |:.:.l./';';';';';';'! /:.:.| i´|.ｰ‐' | / | |. ! l
. l. |:.:.:.!';';';';';';';'| /:.:.:.:!.|"'|. l' │-==:|. ! ==l ,. -‐;
l |:.:.:.:l;';';';';';';';| /:.:.:.:.:| i＝!ｰ=;: l | l. | | / //
l |:.:.:.:.:l;';';';';';';'|/:.:.:.:.:.:.!│ l l、 :| | } ＿|,.{:: 7 ））
陶山義高
,. -─- ､._
,. ‐'´ `‐､
／ ヽ､_／)ﾉ
/ ／￣~`'''‐- ､.._ ノ
i. ／ ￣l 7
,!ヘ. / ‐- ､._ u |/
. |〃､!ﾐ: -─ゝ、 ＿_ .l
!_ﾋ; Ｌ(.:)＿ `ｰ'"〈:)_,` / な、なんだってーーー！！？？
/｀ﾞi u ´ ヽ !
_／:::::::! ,,..ゝ!
_,,. -‐ﾍ::::::::::::::ヽ、 r'´~｀''‐､ ／
! ＼::::::::::::::ヽ `ｰ─ ' ／
i､ ＼:::::::::::::::..､ ~" ／
.! ＼ `‐､. `ｰ;--'´
ヽ ＼ ＼ /
小見山次郎
265 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/27 22:37:28 ID:MJO/ghSI
九月二十八日、夜の風雨に紛れた陶山、小見山らの軍勢は笠置山に放火。
この作戦が成功し官軍は総崩れとなり、一ヶ月間戦い抜いた笠置山はあっけなく落城した。
． ’、′‘ ・． ’、′‘ ・． ’、从へ从へ人へ从从へ从へ人 ・． ’、′‘ ・． ’、′‘ ・
・． ’、′・． ’、′‘ ‘从へ从へ人へ从 人 从へ从へ人へ从・、′‘ ・． ’、′‘
′‘ ‘ ・． ’、′‘ ・Σ（ （（ ⌒ ⌒ ） ） ）ζ′‘: ； ゜+°′。．・”； ’、．・”
‘ ・． ’、′Σ（ （ （ ） ）） ）ζ Σ（ （ （ ） ）） ）ζ へγ． ’・．・”； ’、
． ’・．． ’・．从人 ‘ ・． ’、′‘ ・． ’、 人人 ’、人人 ’、′‘ ・．ζ ．・”； ’、
＼ γ γへ从 ⌒从へへ从・． ’、） ・． ’、′）） ⌒ ） ） ”； ’、
ヽ γ (( 人 ）） λ λ ） （（ （ （ （（ ））Ｍ
ヽ Σ（ （（ ⌒ ⌒ ） _）＼_)＼ 人 从 （ ｿ从へへ从／ ゴ オ オ オ オ オ オ オ ・・・・・・
＼ Σ（ ⌒（ ⌒ ） ﾉつ> ） ）从_）从 ） ））从へ从へγ ／
＼ヽｿ ）ゝヾ （ 人 γヽ从_） 从_） （（ （ ⌒ ））ζ ） ／
＼ Σ⌒：：） :）ζ;;从 ⌒ ） _￣ ,ﾉ 丿人（ （（ ）） ／
＼ ：；从へ从へへ从_~￣ 从へ 从へ从へへ从γ ／
＼（ ⌒ ⌒ ⌒（__｀__)~＾（ ⌒（ ⌒（ ⌒ ） ζ／
266 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/27 22:38:58 ID:MJO/ghSI
笠置落城から翌日、後醍醐天皇や千種忠顕、北畠具行などの公卿、高僧や武士の多くが捕らえられた。
☆ _＿＿＿_
☆ ／, = ､ －､ ｀＼
./-/ +/◎ ﾉ､=「ｌ=ヽ
/ `=●ー ´ ヽ｀ ヽ
l =「|=ﾞ | ～～ ｌ | クソッ・・・まさか火攻めでくるなんて。
| ～＾ | ～~＾ | ｌ
ヽ /⌒ー⌒ｰ⌒ヽｌ ﾉ
>━━o━━━━ｲ
／ / ＿＿＿ |. |
/⌒ヽｌ ヽ.＿＿ノ ﾉ | _ |
ヽ＿ | ` ー─ /⌒ヽ(＿)
´￣￣￣｀| |／
`ー ´
/
| , -―-‐‐
| ／
,. -‐ ￣三 ‐- レ'_, -―- ､_
／ 三 三ヾ、 ￣
／ 三三＼
/ /⌒ヽ / ⌒ヽ 三三. ヽ
ｌ l _｜ ｜ _ | 三三 | 陛下、私がついております・・・
| | ‘’| | ‘’｜ 三三 ｜
| ヽ.＿ﾉ ヽ＿ノ 三三 !
v -――---―‐‐--､ 三三 |
ゝ __,......._____..........＿ ｀ｌ 三三｜
ヽ、 ....................,ﾉ 三三. !
丁￣ ￣￣￣￣ 三三. |
,ｨz‐,ﾑ`=''‐-,__
_､-!`´:::::::::::::::::::::::::::::'‐-,
_}::::::::::::::::::,､__､-､-､::::::::::::｀7
ﾏ`:::::::::::,vﾍ!, -‐‐ }:::::::::::::::7_
∠::::::::､/`{_ /ｨ´o¨_>, ヽ::::v‐､<
,ﾑ,::::/入_`'__ ￣し′ Vﾊﾍ V､ まだ諦めては駄目ですぞ、陛下！！
ム|´/｡ﾄ/ Vﾊ 〉ｨ′
'｀ヽ!ノ | _ ､ ヽ}‐くﾍ
{ ヽ _.. --=ﾐ、 ミ| ヾﾍ
ヽ. | r',ｨ ',二Z´} ､ ﾐ!､ ',-､ _... -――- ..._
ヽ｀ヽ:/_.. -‐'´ ′`/ ﾊ , ィ´ 〉、.,-､／: : : : : : : : : : : : `
. ．． ヽ.Y, -‐''´ ／- ''´ ／／: : : : : : : : : : : : : : : :
：, -､ ： ． { _ ノ〈 ｀ヽ、 / , ' : : : : : : : : : : : : : : : : : :
：/ ヽ‐-､… `ー＜、 ∨ ヽ､__/ /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
. …, ｲ ヽ ￣｀`＜´ iヽ ∨ ／ ∧: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
：／ | | ヽ、 , ヽ：| 〉 /: : : i: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
北畠具行
267 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/27 22:40:29 ID:MJO/ghSI
一方、鎌倉からの援軍は近江路にて笠置陥落の報を聞いた。
,, -‐''"￣￣｀ﾞ ヽ、
／ ＼
/ i
ノ ＿＿＿ﾉ
（＿＿＿_,,--‐‐'''''"''':::::l.川 なんだよ、もう落ちたのかよ。
. |（●）, ､（●）､.:|川 骨折り損じゃねえか。
| ,,ﾉ(､_, )ヽ､,, .::::|ﾘﾘ
. | ｀-=ﾆ=- ' .:::::::|(((
彡＼ ｀ﾆﾆ´ .:::::／ミミ
／｀ー‐--‐‐―´＼
／￣￣￣￣￣￣ ＼
/⌒ヽ / '''''' '''''' ヽ
| / | （●）, ､（●） |
| | | ,,ﾉ(､_, )ヽ､,, | な、こんなにいらなかっただろ？
| | | ｀-=ﾆ=- ' | このまま帰るのもあれだし、
| ｜ ! ｀ﾆﾆ´ .! 河内に籠城してる楠木正成とやらを攻めるか。
| / ＼ ＿＿＿_＿＿＿ ／
| | ///／Ｗ＼ヽヽヽヽ＼
| | ////ＷＷＷヽヽヽヽヽヽヽ
| | ////ＷＷＷＷヽヽヽヽヽヽヽ
Ｅ⊂////ＷＷＷＷＷヽヽヽヽヽヽヽ
Ｅ／///WWWWWWWWヽヽヽヽヽヽヽ
268 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/27 22:41:58 ID:MJO/ghSI
鎌倉軍は進路を変更し、河内に向かい赤坂城に籠城する楠木正成を攻めることにした。
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.:::::::,, . ., :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.,,,.､,,, ::::::_,,_ .,,,,,:,,,,,.
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,,,,-‐'゛.:;.:'"ﾞ:.:ﾞ,:;、,"'.:.:;,`:;,':,:;.,:;.:'"ﾞ:.:ﾞ,:;、~ﾞ"'ｰ -,"'.:;ﾞ,`:;"､"｀｀｀: ~ﾞ"'ｰ- ';';';';';';';';';';,,,,-‐'゛:.:.:;,`:;,:,
,｀｀:'ﾞ":.:,:;`~'::;.:".:;.:'"ﾞ:.:ﾞ,:;、,"'.:.:;,`:;,':,:;.,:;.:'"ﾞ:.:ﾞ,::.:,:;`~'::;.:".:;.:'"ﾞ:.:ﾞ,:;、,"'.:.:;,`:;,':,~ﾞ"'ｰ - ゛:ﾞ,:;、,"'.:.:;,`:;,':,~ﾞ"'
":.:,:;`~'::;.:".:;.:'"ﾞ:.:ﾞ,:;、,"'.:.:;,`:;,':,,,、;.:".:;.:'"ﾞ:.:ﾞ,:;、,"'.:.:;,`:;,':,:;.,:;.:'"ﾞ:.:ﾞ,:;'.:.:;,`:;,':,:;.、,"'.:;ﾞ,`:;"｀ﾞ ''ｰ-、､
,ﾞ":.:,:;`~'::;.:".:;.:'"ﾞ:.:ﾞ,:;、,"'.:.:;,`:;,':,:;.,:;.:'"ﾞ:.:ﾞ,::.:,:;`~'::;.:".:;.:'"ﾞ:.:ﾞ,:;、,"'.:.:;,`:;,':,:;.,:;.:'"ﾞ:.:ﾞ,:;、,"'.:;ﾞ
''""ﾞ"｀､｀`、､:、 '::;.:".:;.:'"ﾞ:.:ﾞ,:;、,"'.:.:;,`:;,':,:;.,:;.:'"ﾞ:.:ﾞ,:;、,"'.:;ﾞ,`:;,.:ﾞ,:;、,"'.:.:;,`:;,':,:;.,:;.:'"ﾞ:.:ﾞ,:;、,"'.:;ﾞ
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269 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/27 22:43:29 ID:MJO/ghSI
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_,.．-'''" ｀`丶､._ _,,..-‐''~""''' ‐- ．..,,__
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~""''' ‐- ．..,,__
,, -‐''"￣￣｀ﾞ ヽ、
／ ＼
/ i
ノ ＿＿＿ﾉ
（＿＿＿_,,--‐‐'''"⌒:::::l.川 あれが赤坂城か。
. |（●）, ､（●）､.:|川 ちっちぇえ城だなあ。
| ,,ﾉ(､_, )ヽ､,, .::::|ﾘﾘ ﾎｼﾞﾎｼﾞ
. | ｍj |＝‐ｧ' .::::|(((
彡＼,〈＿_ﾉﾆﾆ´ .:::／ミミ
／ノ ﾉ -‐‐一´＼
／￣￣￣￣￣￣ ＼
/⌒ヽ / '''''' '''''' ヽ
| / | （●）, ､（●） |
| | | ,,ﾉ(､_, )ヽ､,, | あんな城、すぐ落ちるだろ。
| | | ｀-=ﾆ=- ' | そら、さっさと攻めるぞ。
| ｜ ! ｀ﾆﾆ´ .!
| / ＼ ＿＿＿_＿＿＿ ／
| | ///／Ｗ＼ヽヽヽヽ＼
| | ////ＷＷＷヽヽヽヽヽヽヽ
| | ////ＷＷＷＷヽヽヽヽヽヽヽ
Ｅ⊂////ＷＷＷＷＷヽヽヽヽヽヽヽ
Ｅ／///WWWWWWWWヽヽヽヽヽヽヽ
270 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/27 22:44:59 ID:MJO/ghSI
鎌倉軍は赤坂城を囲むと、統制もなく武功を挙げようとわれ先にと赤坂城に攻め入ったのであった。
赤坂城のあまりの小ささに楠木正成を完全に見くびっていたのである。
''';;';';;'';;;,., ザッ
''';;';'';';''';;'';;;,., ザッ
ザッ ;;''';;';'';';';;;'';;'';;;
;;'';';';;'';;';'';';';;;'';;'';;;
vymyvwymyvymyvy ザッ
ザッ MVvvMvyvMVvvMvyvMVvv、
Λ＿ﾍ＾－＾Λ＿ﾍ＾－＾Λ＿ﾍ＾Λ＿ﾍ
ザッ ﾍ＿＿Λ ﾍ＿＿Λ ﾍ＿＿Λ ﾍ＿＿Λ
＿＿,/ヽ＿ /ヽ＿＿,.ヘ /ヽ＿＿,.ヘ ＿,.ヘ ,.ヘ ザッ
/＼＿＿_／ヽ /＼＿＿＿ /＼＿＿_／ヽ _／ヽ /＼＿＿_／ヽ
／'''''' '''''':::::::＼／'''''' '''／'''''' '''''':::::::＼ ／'''''' '''''':::::::＼
. |（●）, ､（●）､.:|（●）, |（●）, ､（●）､.:|､（ |（●）, ､（●）､.:|
| ,,ﾉ(､_, )ヽ､,, .::::| ,,ﾉ(､_, )| ,,ﾉ(､_, )ヽ､,, .::::|_, )| ,,ﾉ(､_, )ヽ､,, .::::|
. | ｀-=ﾆ=- ' .:::::::| ｀-=ﾆ= | ｀-=ﾆ=- ' .:::::::|ﾆ=| ｀-=ﾆ=- ' .:::::::|
＼ ｀ﾆﾆ´ .:::::／＼ ｀ﾆﾆ ＼ ｀ﾆﾆ´ .:::::／ﾆ´ ＼ ｀ﾆﾆ´ .:::::／
／｀ー‐--‐‐―´＼ ／｀ー‐- ／｀ー‐--‐‐―´＼-‐‐ ／｀ー‐--‐‐―´
271 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/27 22:46:28 ID:MJO/ghSI
そしてこれを迎え撃つ楠木正成は、
, - ─- ､＿
／ ｀丶
rー‐<::／ ﾝ-―ー- ､ 、 ＼
｛(こ 〆.:::／ ＿＿__ ＼ ヽ..::::ヽ
__/'´/ 〃7了.:.:.:.:.:.:.:.:｀ヽ.j ::ヤ￢寸
／,ｲ>/ .:::/,':::{:::::!:::::::::::::::::ヽ ::|:. ::::Vヽ_,ｲ
ﾚ／,ｲ ::/ :{:ﾊ＼{ ::､::ヽ ::::::}::_|_: :::::l >::|
{／::| :!{.::ｨ'f坏ﾄ＼{ヽ ,>＜ﾑ:!:::::::: Ｋヽ:ﾄ､ 来たわね、鎌倉軍。
|::::ヽ::ｉ:ヽi. r'_;ﾒ ヽ´ ｲ圷ﾊ|::::::::::|＼/ヽ> 統制も全然取れてないし、バラバラ・・・
|i:::::::ﾄl::ﾊ. , r';ﾝ´j::::::::: l: V 坂東武者は命知らずというのは本当らしいわね。
|i::::::::!:::: ﾍ {＞ーｧ /:!::::::::/::/
ｌN:ヽ:ヽ::',:::ヽ､ヽ _,ノ ,.ィ::/::::::/ /
ヾ ／}::}八::::ヽ＞.-‐か／7::／∨
r＜¨ リ＼｀ヽ､＼__ { 〉/イ l )}
f⌒ ＼ ＼ヽ ）' ＼ﾆﾆ∧ | |!彡ﾍ
| ＼ ヽﾑ ヽ‐' .| | }ﾍ,__,ｲ
r-ヽ ￣ )＼ Vrj／￣ヽ ヽ
| ＼ // /)ミ ｰ-∨ /￣ ヽ
| (＞―‐'/ /勺ヽ¨ア / }
| ＼三三‐'ノ ＾ヽ/ /-―一 '
楠木正成
272 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/27 22:48:01 ID:MJO/ghSI
__ ┌<.＾ヽ::／:::::／￣￣￣￣｀ヽ:::::::::::＼
. ／ ヽ. ,.ヘ⊥／:::::／＿＿＿ ﾏ::::::::::::ヽ
/ ﾏ´ ／::::::::::::::::;ｨ::::/:::::::::::::￣ヽ. |:::::::::::|:::ﾍ
| ﾄ/::::::::::＼:／ !::::l::::::::!::::::::::ヽ::＼|:::ヽ::/::::::| ＿_
| |′:::::;ｲ::/ヽ l::::ﾊ::::::|:::::::::::::|:::::::::::::::}'￣￣ {
. ,r1 l::::::::::l |::| ﾍ.|:::| l::::::ﾄ:::::::::::ﾊ::::|:::|:::::| ヽ＜二ﾌ
/'_ｺ |、::::::| V ヾ| ヽ:::|_,ゝ‐:T'|:::ル::::::| ﾍ｀ ｰ-､ そーれ、よく狙って撃ちなさいよ！！
i´ ！ l ヽ::::| ﾆミ:.､ ベ _,ゞ'=ﾚ､l:::::::::| _〉ト､ 楠木党の恐ろしさを坂東武者に
. ﾉ ＼ l:::ヽ ｀ 'f rﾍ, ﾊ.ヽ:::::::{Tﾏ:::::ヽ ｀ 思い知らせてあげましょう！！
ｒ´ ヽ、 |ヽ｀ ､ ' ﾋこソｲ'´::::::/}:|. ';:::::::l ここから楠木正成の伝説が始まるのよ！！
！ ﾍ T _, j ヽ. }､ }'｀ ー､ ｀´/:::::::::::/:::::| ヾ::::!
ﾉ ', Y_,-〈 V､:＼ ､__ ノ ／::::::/::/::::::∧ ヾ!|
{ _ ヽ ,｀-' | lヾ:/ヽ ＿. - ァ':::::::／／::::::/:/:７Ｔﾞ:|
ヽ. ＼ ＼__／ | | ' |ヽ､ ／::ィ ﾌ:／:::: ィヽｲ::/ｌ:j l:|
|｀ - ､＞´ !'´ _. --r ’.l. |＼.｀ ー‐/ イ1;r7´/ /￢ /' '′
ヽ､_ ｀ ｰゝ-'rｲ ! :l l. |ヽ 二..ア ´{!' / / | ∧
￣ ´ .ゝ ｜:| ﾏ / ／ ／ ／／ ／ ヽ
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273 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/27 22:49:28 ID:MJO/ghSI
一斉に弓を放ち鎌倉軍を一気に千余人も討ち取った。
／⌒＼ シュッ
/ ＼ ―――――――――――＞
/ 人 ＼ シュッ
/ ／ | ⌒ヽ､ ―――――――――――＞
／__） 入. ヾ シュッ
（__／ ／ Ｙ 入 ＼＿＿ _＿ ―――――――――――＞
／ ／ ／ﾉ .＿＿二＿＿_ ＿＿二＿＿⌒つ) シュッ
/ ／ （ ＼／ .／ ,ｒﾆﾆ､ .::::＼ ￣ ―――――――――――＞
／__） ヽ､__ ノ| ｒ-=ﾆ=-ヽ :::::::| + シュッ
（__／ + | (´ ｀) :::| ―――――――――――＞
| （＞） ｀ ´ （＜）´.:::| + グアーー！！
/／ ＼,,,,,, ,,,,,, ::::／
/ ヽ／￣￣＼／
〃
､ﾊ/|,,､
274 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/27 22:50:59 ID:MJO/ghSI
これを見た鎌倉軍は陣を敷いて、態勢を立て直そうとしたが、
,, -‐''"￣￣｀ﾞ ヽ、
／ ＼
/ i
ノ ＿＿＿ﾉ
（＿＿＿_,,--‐‐'''''"''':::::l.川
. |（○）, ､（○）､.:|川 ぬぬ・・・この城、容易には落ちんぞ・・・
| ,,ﾉ(､_, )ヽ､,, u.::::|ﾘﾘ
. | u ｀-=ﾆ=- ' .:::::::|(((
彡＼ ｀ﾆﾆ´ .:::::／ミミ
／｀ー‐--‐‐―´＼
／￣￣￣￣￣￣ ＼
/⌒ヽ / '''''' '''''' ヽ
| / | （○）, ､（○） u |
| | | ,,ﾉ(､_, )ヽ､,, | こちらも陣も敷いて
| | | u ｀-=ﾆ=- ' | 合戦しようではないか。
| ｜ ! ｀ﾆﾆ´ .!
| / ＼ ＿＿＿_＿＿＿ ／
| | ///／Ｗ＼ヽヽヽヽ＼
| | ////ＷＷＷヽヽヽヽヽヽヽ
| | ////ＷＷＷＷヽヽヽヽヽヽヽ
Ｅ⊂////ＷＷＷＷＷヽヽヽヽヽヽヽ
Ｅ／///WWWWWWWWヽヽヽヽヽヽヽ
275 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/27 22:52:29 ID:MJO/ghSI
正成はその隙をついて鎌倉軍にゲリラ戦を展開した。
＿＿／∠ィT丁￣￣トミ､ゝ、ヽ⊥__ヽ、
ﾉ-ヲ/:.:/:.:.:ハ:.:.ｉ:.:.:.:.:.:.ヽ:.:ヽヽｉ:.:.:F{⌒￣{
ン ./:.:.i:.:.:.:!:.:.i:.:.:.!:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:ヽ:.!:.:.:l. ＼＞′
,i个.､{:.:.:.!:.:i:.:!:.:.ﾄ､:.:ﾄ､:.:.:.:.:.:.!:.:.ﾉ:.i:.:.:.:l >ゝ、
／ ///:.!:.:.i:.:.:!{:ト_ト､!:ｌ ヽ:.:.:.イ!｣:/!:.:.:├斥、ﾊ!
￣V/:.くl:.:.:i:.:.ﾚ彳Tヽ｀ヽ ｀xi斥 トｌ:.:.:.:ﾚ:.:ヽヽ 態勢を立て直すですって？
}:.:.:.:.l:.:.:ヽ:ﾄ､ゝン ゝン ,l:.:.:.:.!:.:.:.:.V! そんな暇与えるわけないじゃない。
l:.!:.:.:.':;:.:.:.:.＼ , /:.:.:.:.:i:.:./:.ﾊ! 正季、正遠、今よ！！
l:ﾊ:.:.:.:.:.:;:.:.:.:.:.ヽ ｰ‐_－ ／!:.:.:.:.:.,':./l/l/
ヽ ヽ:.:.:.:ヽ:.:.:.:.:.:｀ヽ、___ ｨ!｀V/!:.:.:/:｢ / ´
ヽ ＼ハヾヽ、:.:.:.:.ヽ、__′メ/:.,.ｲLl ´
／--i:{_ ｀⌒ヽ{ｒ‐┐.／イ ｉ! l
/__￣｀＼＼／￣/ ├､_／!:.:.:!!Y
/,:'|:::i:::::::／i|:::::l:::::/:::::::::::;≠‐-:Z._ /.::::／/:::/ ,!::|:::::|:::::|:: l
ノ |::l::::/.斤l::::|::;ｲ:::::::／＿.|／ -､｀ﾒ::／ /::/-''7::::|::::|:::::|ﾍ:l
|::ﾄ::ヽ,弋l:::|/:|::::;ｲ 攵;:cﾘ￣`/／ /,ィ-ｧ/:::::|::::|:::::| |:! ハッ、お任せください兄上。
.i:| l:::l.:＼,l::::::|::/:| ￣ /'ﾞｰﾞｲ;':::::::l|:::l|::::| ヾ
ｌ|.ﾉ::|::::l:::|i::::|/:::| ／､ /:::::::/.|::l.|:: l
,ｨ''〈 |::::j:::l !:::::::::| ヽ./:::::::/ ｊﾉ.l::/
/,.;:;:;:;/／ｊﾒ ヽ:::::| -‐.T:::::／ j/
／{,.;.;.;.;.;.;ﾞヽ, ＼.ヽ;::ﾄ､ ｀ｰ-- -‐ ,:ｲ l::::/
／,.;:;:;l,.;.;.;.;.;.;.;.;ヽ, ＼N. ` ､ ー ／|/ .|::/
;:;:;:;:;:;:;:l,.;.;.;.;.;.;.;.;.;.ヽ. ヾ､ ／､ﾞ ー ' |/
:;:;:;:;:;:;:;:;l,.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;:ヽ､ ＼__. ヽ､::,＼
楠木正季
,ｲ:::::::::::{少‐"´￣｀^＜::::::::ヽ:::::::::::::::!:::::::::::',
,ｲ::::::::::::／^ ＼:､:::ﾍ:::::､:::::i:::::::::ﾍ:',
ｒ:::/::::// 1:!､::::i:::::}::::::!:::::::::::!::,
l:::i::::::i::i , - ¨了ﾍ:::ﾄ､::i::::::i:::::::::::i:ﾊ
i::!::::::ﾍ:!＿_ ／ ｿ !ﾂ i::|:::::::}:::::::::::}:::! 幕府軍をけちょんけちょんに
t:从::::iヾ_ ｀ﾞ ,.ｨf斤本ヾ}:;!:::::::i=ｪ;::::::i:::i してやるさーーー！！
f !::::ﾊ x=ｪ． t弋り!}"|::!:::::::::ﾄ､ }::::::!:::!
! ヾ_:::ヽ《ｆt爪! ちｴﾝ 1j:::::::::tｲｿ:i::::i:::::i
｀iムヾﾑｲ ﾘ:::::::::::|´:::::|::::!::::i
|::::ﾊ ￣ ’ _,. -へ, f;:::::::::::::!::::::::|::::i:::::!
f:::::::::ゝ t ＿_¨ン |i::::::::::i::|:::::::::!::::i:::::}
i:::::::::::↑-､_ ,.イ::::::::::j::!:::::::::|:::::|:::::i
和田正遠
276 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/27 22:53:59 ID:MJO/ghSI
この時、正成が他の山に配してた弟の楠木正季と和田正遠の軍勢三百余騎が鎌倉軍に襲いかかった。
メ _|＼ _ ヾ､
メ ／ u ｡ ｀ｰ､＿__ ヽ
/ // ﾟ ｡ ⌒ ｡ ﾟ u ／ つ
/ //u ﾟ （●） u ﾟ｀ヽ｡i l わ こいつら、神出鬼没だぞー！！
l | | ｡ ﾟ,ｒ -(､_, )（●） / ! ぁぁ
ヾ ! //「ｴｪｪ､ ） ﾟ u/ ﾉ あぁ
// ｒヽ iｒ- ｒ ､//｡ﾟ／ く ああ
ノ ﾒ/ ヽ｀ﾆ' ｨ―' ヽヽヾ ぁあ
/＼＿＿_／ヽ
／ -‐' 'ｰ- ＼
r⌒ヽ､ | （●）,(､_,)､（●） ::|
/ ＼ ＼| ∪ /,.ｰ-‐､i∪:::::| 楠木正成は武士の戦の作法とやら知らんのか！？
_/ / ヽ | //⌒ヽヽ .::|
〈__／ . |. | ヽｰ-‐ノ :::::|
/ ＼ ￣i⌒＼ .::／
./ ／ ⌒ヽ, ＿.ヽ .＼
._＿ r ／ |／ｰ､＼ ＼
."ヽ | i, ﾉ .＼＾ i
.| ヽ./ ヽ､_../ / . ヽ､__ノ
.i / ／/ .／
.ヽ､_.／ ./ ／
./ ／
.ノ.＾/ ﾀﾞｯ
|_／
277 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/27 22:55:29 ID:MJO/ghSI
楠木正成はそれまでの武士の発想にはない、ゲリラ戦法を得意とした。
例えば赤坂城の塀は二重に造られており、外側の塀は釣り縄で支え、
/＼＿＿_／ヽ +
／'''''' '''''':::::::＼
＋ |（●）, ､（●）､.:| ならば塀を乗り越えれば・・・
| ,,ﾉ(､_, )ヽ､,, .::::|
+ | ｀-=ﾆ=- ' .:::::::| +
＿＿ /⌒＼ ｀ﾆﾆ´ .:::::／⌒ヽ＿＿__
| し'＾ヽ￣￣￣￣￣￣"⌒し′.＿|::::|
＿,._'r' r ＿__ ヽヽヽ
,r=ゝ,ｨ′/´1､ ｀¨Ｎ ', ヽ
. l ヽ ﾄ/ ｌ|ヽ l、 l l fヽ!、
| Ｗ-ヽ1 ヽｔゝｭV! |l V
l | lz｣｀ 1､,ﾊ|l. |｢l.|
ヽ ﾊ ,.-'-､｀¨ l.| l｣Y 今よ！縄を切りなさい！
r‐' ｀ ノ ヽ l、 ! ノ/' /ﾘ ,!
ﾉ ヽ. ､ i ヽニ-1,r'/,ｲ１/
（ ､ ｀ ヽy' | ')ン､/
〈 ､_ヽ- ;ｨ´ _ノｰ-‐ ´ ｀ヽ、
ヽ ｀'¨ ＾‐'´ ヽ ヽ
ザ ク ッ
/＼＿＿_／ヽ
／'''''' u ＼
i´｀Y´｀Y｀ヽ（⌒） ／ （○）, ''''''＼ うわあああああああああ！！！！！
ヽ_人_.人_ノ ｀~ヽ ./ u ﾉ(､_, )ヽ （○） .|
＼＿＿_ ＼ |. /￣〉 u |
＼_ 〉 ＼ /ｰ-〈 （⌒） ./
. ｀ﾆﾆ´ ノ Ｙ`Y´｀Yヽ
(´￣ .i__人_人_ﾉ
｀￣ヽ /
｀￣￣
切って落とす仕掛けになっていた。
278 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/27 22:56:58 ID:MJO/ghSI
さらに熱湯攻めや糞尿攻めなど多彩な手段を使い鎌倉軍を大いに苦しめた。
:::::::::::::::::::: ::::::::::／ ）:::::::::
:::::（＼::::::: _人 ／ ／ ):::::::::::
:::::/＼＼ ノ⌒ 丿 ／ ／ ／ヽ::::::::::::
:::: ヽ ＼＼ ＿／ ::（ ／ ／ ／ ／::::::::::::::::
:::: （ ＼ ＼＼ / :::::::＼ ｌ 三 ／ ／ ）:::::::::::::::
:::::::ヽ ヽ . ミヽヽ （ :::::::;;;;;;;） / 二 ／ ／::::::::::::::::::
::::::: ( ＼ ヽミ ヽヽ ＼＿――￣￣:::::::::: / 二 ___／ヽ ...::::::::::::::
::::... /ヽ ヽ ﾆ ヽヽ ﾉ￣ :::::::::::::: ／／ ニ _______／ ...:::::::::
:::. ヽ____ ﾆ ヽ （ .::::::::::::::;;;;／／ ニ ____ノ .....::::::::::
ヽ___, ﾆ／￣―――――￣￣::::::::＼ ニ ___ノ + + ....:::::::::
ヽﾆ -‐（ :::::::::::::::::::::::::::::::::≡ __ノ+ ┼ ＊:::::::::
ヽ---＼＿＿::::::::::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ノ＿ + ┼ .::::::::::
:::::... + ┼ + + ー-､___~'''''ー-､ :....::::::::::::
:::::::.... + ┼ ＊+ +~~'''ヽ ..:...::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::..... + ＊ . ┼ :....:::::::::::::::::
::::::::::::::::::::....: + ＊ + .....:::::::::::::::::
/＼＿＿_／ヽ ヽ
／ ::::::::::::::::＼ つ
. | ,,-‐‐ ‐‐-､ .:::| わ
| ､_(o)_,: _(o)_, :::|ぁぁ
. | ::< .::|あぁ
＼ /( [三] )ヽ ::／ああ
／｀ー‐--‐‐―´＼ぁあ
279 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/27 22:58:31 ID:MJO/ghSI
赤坂城にわずか五百の兵で籠る楠木正成に苦戦する鎌倉軍はついに最後の手段として兵糧攻めに出た。
,, -‐''"￣￣｀ﾞ ヽ、
／ ＼
/ i
ノ ＿＿＿ﾉ
（＿＿＿_,,--‐‐'''''"''':::::l.川
. |（●）, ､（●）､.:|川 こうなったら兵糧攻めをにするしかあるまい・・・
| ,,ﾉ(､_, )ヽ､,, u.::::|ﾘﾘ
. | u ｀-=ﾆ=- ' .:::::::|(((
彡＼ ｀ﾆﾆ´ .:::::／ミミ
／｀ー‐--‐‐―´＼
／￣￣￣￣￣￣ ＼
/⌒ヽ / '''''' '''''' ヽ
| / | （●）, ､（●） u |
| | | ,,ﾉ(､_, )ヽ､,, | くそう！楠木正成め・・・坂東武者をここまで苦しめるとは・・・
| | | u ｀-=ﾆ=- ' |
| ｜ ! ｀ﾆﾆ´ .!
| / ＼ ＿＿＿_＿＿＿ ／
| | ///／Ｗ＼ヽヽヽヽ＼
| | ////ＷＷＷヽヽヽヽヽヽヽ
| | ////ＷＷＷＷヽヽヽヽヽヽヽ
Ｅ⊂////ＷＷＷＷＷヽヽヽヽヽヽヽ
Ｅ／///WWWWWWWWヽヽヽヽヽヽヽ
280 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/27 23:00:00 ID:MJO/ghSI
籠城して二十日あまりが過ぎ、城の兵糧も既に尽きていた・・・
_,. - ―― - . .､
／´..... : : :＿＿＿ : :＼
/::.::.::.::./ ´ ＿＿＿ ｀ヽ: :ヽ
/::.::.:/::./ イ´: :: : : : : : ｀ヽ|:ヽ: !
/::.::ｨ/､:_!: :/:./: |::＿::＿-‐_ﾍノ:l:l
!::./ ,ト..十:T:ハ: |: : : l::..:.. l: : :|: :ﾄ〉
｜::｀ﾒ|::.::.|:..,|:| l lヽ: : ト､:: |: :｜:ﾚ|
|::.:/| |::.:..|:廾ト､ ヽ ＼:| ,.斗l-:l:.,1:! 敵も兵糧攻めで来たわね・・・
l.::.L|{1::.:.l:.ﾄ十::ﾃ ｰ ' イｫ:卞l/ｲ |:| 城の兵糧ももうすぐ尽きるころ・・・
|:.|:l:Lﾄ!:.:.ﾄ{ ￣ , ￣｀|:.|:Lj:l そろそろ潮時かしら。
!:|:l::.::.:l::..ト、 , -､ ｲ::l:..:ｲ:!
lﾑ|:.|::.:ﾄ:..l |＼ ´￣｀ ／7:/､/ﾉ′
/|: ｢lﾄ::.:|.ヽ:! ｀ ｰｧ ´}: : j/ : |｢ト.
ハl: l:::l ヽ!: : :ト_- ― ＜|: :/: : : !!| l
i ヽ:.l:::l : : : : l _, ----l: : : : : :l:|| |
| ﾄ:ヾヽ : : : l_ノ ￣ ｀| : : : : :l:l:l !
! { ヽヾヽ : : l l : : : : /'/ {
｜ ヽ ﾄヾヽ : :l !: : : :/':ｲ ｜
} V ヽヾヽ: :l fYiｿ : : /'/ ﾊ ｜
| _, --､ }＿ヽヾヽ |ljl/: : :/'/ / r‐- |
281 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/27 23:01:29 ID:MJO/ghSI
／::::::::::::/:::::::::::::, '´￣￣￣｀ヽ＼
/:r―‐‐ｖ':::::/::::::/ー7´￣￣｀:ーミ:ヽ
/ ! ノｶ:::::/:::::::/:::::/!::!::::::::::::......ヽ:::＼､
/...::ゝ'´/ |::/:|::::::/:::::/｜|:::::::::::::::::::::::!:::::::ﾊ
. /::::::::〉､〈 !,'::::|::::,'!:::X _ |::|ヽ:::::|::::::!:::::!:::::::::::!
'::,'::::/ /ｰ〉|:!:::::!::ハ/ ＼! V:::|ヽ::|::_:|::::::::}::!
|::|:::/ /::| L|:|:::::|::|,ｨ≠zﾐ､ヽ| ヽ:| ,X´:::|::::::/::|
|::|:::ヽ|:::| ﾊﾍ!:::::',:|弌:::::ｼ _≦!:::ﾊ:::/|:/ ここは自害したように見せて城を脱出するわ。
|:ﾊ::::::|:::| ﾄ､ !:::::::v ￣ k::::ｿ'/|:/:/| 正季、退き口を確保したら城に火をかけなさい。
|| |::::::|:::｀:::::i|:::::::| _ ' ｀￣/::|'|/「!
|| |:::::|!::::::::::|:V::::ﾄ、 ﾍ ｀ｰｧ /::::::|:´|'
| V:::| v:::::::|:::∨| ＼ ￣ ／:|:::::,'::ｨ|
Ⅵ V::::|ヽ;ゝ! ｀ｰ┬‐ ' ´::::/|:::// |'
',| ヽノ´ >| |｀ヽ::::::/ !//
＿, -'´ ﾍ､＿ _ -ﾐ､_! ∨＿|:/
/ ヽヽ ',´ , ‐─ ､ヽ ＼
/´｀､ヽ＼ Y´＿, -─-ﾍ ヽ!､
. / ヽ＼＼ ＼ } }:| |
/ .ヽ＼＼ ヽ | |:| |
/ ヽ＼＼ ヽ | |:| |
＿ ＿_
,. －'´::/::::｀ヽ:::::｀丶、
／:::::::_::::::/::::::::::::::::::::::::::::＼
,.'::::::::／::::ヽ:!:::::::::::::ヽ::::::::::::::::::＼
. /::::::::/:::::::/::_::::::::::::::::::::',:::::::::＼:::::::｀::....．._
, ':::::::::/:::::::::::::ハ厶:::::!::::::::'.::::::::::::ヽ::::ヽ￣
∠イ::::::/:::::::::|::::厂 ',::ﾄ､::::::ﾄ､::::::::::::',:::::ﾊ
|::::/:::/:::::_L::l._ ';l ';::::l ヽ:::i::::::',:::::::.
厶'-:';.r|::::::|∨ ｀丶 ' '斗-‐';┼:::::|::|:::|
￣|::::{ |::::::| 'Ｔﾂト ';}ゥＴ'';|.::::::|∧:| 分かりました、兄上。
l∧ヽ|::::::| ｀¨´ i ￣ ハ::::| :|
ﾍ:',::Ｎ } |:::ﾊ: !
_,.ｲヽ!ﾍ ′ /l/ l;′
_,.．- ´ ! | ',＼ ──‐ , 'ヽ､
,. '´ |. | ヽ ＼ ／ | ｀ ._
／ ｜ ! ＼ ｀ -イ .|. | ｀ヽ.
282 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/27 23:02:58 ID:MJO/ghSI
正成は自らの城に火をかけると自害したようにみせかけ、いずこともなく姿をくらました。
こういう発想や行動もまた、名誉を重んずる源平ゆかりの武将にはない発想であった。
─┐∥─┐∥─┐∥─┐∥─┐∥ ─┐∥─┐∥─┐∥─┐∥─┐∥
─┘ ─┘ ─┘ ─┘ ─┘ ─┘ ─┘ ─┘ ─┘ ─┘
) ､ )ヽ （
) （ （ ）ヽ ； ・ ） ; '
( ) ` （ ( ） ） （ （ ）ヽ ( ､ ）ヽ ；
; : , ) ) )ヽ（ ( :（ ） ヽ､） ） （ （ ） ）; （ （ （､ :
； ・ ）ヽ (丶 )ヽ （ （ ） （ ;; ;､: ; ;）__） ） （____） ） ）） ；
)`､ （ （ .） ）ノ | : ) ＿,,,-､__ ;; .､ （／（＿）ヽ ）ヽ ;;
( （__ノ `-' `-' :~～--～~--、_;; :: ､.､. ） ( （ ）ヽ
ヽ_,) ＿,,;::- ‐' ～~ ~ __,_ `‐-､__ （_（_） ） （ （
;; ; ;,／~ _,,...- ~～、_ ; ; ヽ_） ）
283 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/27 23:04:29 ID:MJO/ghSI
この戦いで楠木正成は自害したことにされた。
しかし、その武名は広がりその活躍が他の反幕府勢力の決起を促していくことになったのだ。
/ ,. - fｫ l j | 、 ヽ、 、 l. l. ｀、ヽ ＼. l
r' ´ ,.ィ' | l | ハ l l. ﾄ l. l、 l. ヽ--' l.
lヽ∠/ j | | | 、 ﾄ､ l l ', |_ l. l _ﾝ !
. | 〈 ｌj トA._ ｜ ヽ. ', ＼ ｌ Lｘ‐''ﾊ | ｈﾍ ヽヽ |
| /7-/ l | | ヽ｀'''ﾄ､ ＼ ',. ＼ ,.ﾄ'´| l | |｜ | l l. ', ヽ | 帝も捕えられたけどまだ生きてるし、
| / ,' ' ﾊ | l. ヽ l. ｀ヽ､ヽ､ '、 ｀ヽ／ N-＝ﾘ=､|ﾉl | l. l ', ',| まだまだこれからよ。
. | ,' l. / l 〉. N ,ｨz弋ドヽﾐ` ヽk、 ｀イｏ,...､ l｀ﾚ l |. | | ', ', ひとまず河内の山中に潜伏して時を待つわ。
｜ ｌ l. l | /∧. l Y/仏'f¨ﾍ. l｀. 仆{__ｿ,ｨ| | ｢｀ｌ | ', 〉 これで各地の不満武士が決起するはずよ。
| ヽ｣ l | l l ゝ ',ヾ､'ｹ､ヽｲ,ｔ| 'つﾆ'ゥ′ l. l. } ｣ l´|
| | ヽ｣ | | | iﾍ ヽ ｀乞ﾆ-┘ l ￣ ! l ノl'´ l.｜
｜ | | | | l、｀ヽﾄ.ヽ , ,' l ´ | l.｜
｜｜ ｌヽヽ丶 ｀ ﾐｰ ー一…… ´ ｨ ,′ ! l |
. ｜｜ l. ', ヽ､.._ ,// / / l. l
| |、 ', l、 ｀ヽ､ ,.-' / ,ｲ / j. ′
l |ヽ 、 ヽ ＼ ヽ , -' |ｰ､/,r'/ / 〃 /
', | ヽ ヽ ヽ ヽ､ lー ´ l ,ｼ＾ｿ / // /
ﾞﾍ. ヽ ヽ _,.ゝ 〉-`ｭ、 ﾉ '1 ｜ /ｰ- ､_// ,/
284 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/27 23:05:59 ID:MJO/ghSI
|.:.:.:.:.:|.:.:/ !:.:/ |/ ﾞ､:.:l ﾞ､l ヽ:.:lヽ: : |:::.:.:.:.:.: : ﾊ
| ;!.:.:.:|::/ _|_'＿_ｌ ﾞ､| ｌ＿＿ﾞL_ヽ::|::.:.:.:.:.: : : :|
|/l :.:.:|ﾊ´ ＿＿､ 、 .l ´ z＿＿_ ｀ﾞ:|::.:.:.:.:.:|:.:l:.:! ああ、また会おう正成・・・
ｌ l:ﾊ::l:::! ´_辷.｣｀ ゛ ´_辷_ﾘ_ :|::. /|/:.:.ﾊ:′
l |:!: ! ! ::|::./´!ﾞi:/ !
!l:::! .:; :|:/i //
ﾞl: l 、 ::|'ノ/:/
|ﾊ ,‐-'.:/
ヽ ./:.:.:/|′
ヽ ´￣￣゛ .／!:.:/
＼ ゛ . :´ : :l'|′
|:＼ . :'´: : :.::::|､
. r‐| ｀ －''´ _... ‐ '"´ ｀､_
／/ / / : / /. : : : : ｌ : ｀ヽ ヽ: : ｌ: : : : : : : : : : :l
/ :/ / / /l / l : : : : : ｌ : : : lヽ !: :! : : : : : :l : : : :l
/ . :i: l / / !/!: : l . . ! : : : l: :∨ : ト､: : : : :ｌ : : ｌ: l
/ . : l: :l !/｀ヽ! l: : :l : : : : . . .ｌ l l ト､ ヽ、|: : : !: !
. ′: : l: :l !fモヽ ヽ: :ｌヽ : : : : : l: : . .! ! ｌ | ﾄ､ ヽ、 ｌ: ! ・・・・・・・・・そういえば、兼光は何してるのかしら。
. l /. : : l//ｌ k_ﾉ| ヽ! ＼＿_: l＿/. :/ : : ｌ lヽ＼/´: /. :! 無事だといいけど。
l ! : : : :/ :l ゞ ｿ ´ ≧ !::/ｌ｀/. : : :l _!: ヽ、｀＞. :!
l l : : :/. :/! 〃/ ﾉ｀ヾ l/. : : : l/´l : : : :∨ : : :
. ! !: : :l :/ ∧ ′ ﾄくﾉ /ﾉ/. : : : /| l : : // : : :/
. ｌ ｌ: : :l∧/ ∧ 、 ー ' /. : : : /´_ヽ」: /:/. : : /
! ､ : ｌ /イ!::∧ ヽ /. : : : /くﾉ ﾉ :/:/ : : /
∨ヽ! / j//.:ヽ、 ＿_/. : : : /ー‐ ´: / / : : /
. / ヽ / /.::/ /￣「￣ ／. : : ／. : ／ : / :/ : 〃
／ ／ /.::/ ! ﾉ ／. : : :イ. : :／ : ／／:／/
. ／ ／ /.:::/ ﾉ ／_.. ＜ l :／|/／イ: ／／
. ／ （ヽ/ｌ /.:::/ ￣ ‐- j/ ! |/
／（ヽ、ヽ!::! /.:::::￣:::... ―- |
285 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/27 23:07:31 ID:MJO/ghSI
一方、やる夫も赤坂城攻めに参加していた。
しかし妻子を人質を取られ、嫌々出兵したため戦う気はなく城攻めでも日和見を貫いた。
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ●）（●） やる夫様、たった今赤坂城が落城した。
. | （__人__） 楠木正成とやらも自害したらしい。
| ｀ ⌒´ﾉ
. | }
. ヽ }
ヽ ノ
/ く ＼
| ＼ ＼
| |ヽ、二⌒)､
＿＿＿_
／ ＼
／ ⌒ ⌒ ＼ そうかお。
／ （ー） （ー） ／^ヽ でも幕府の大軍も苦戦したお。
| （__人__）（ / 〉| 楠木正成という男はなかなかの将だったお。
＼ ｀ ⌒´ 〈 ／ ⌒^ヽ
―――――――― ＼ _ _ ＿ ）
286 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/27 23:09:03 ID:MJO/ghSI
／ ￣￣＼
／ ノ ヽ
|:::::: （● ） やる夫様・・・
. |::::::::::: （__人） 俺達、河内まで来てほとんど何もしてないけどいいのか？
|:::::::::::::: ⌒ﾉ
. |:::::::::::::: }
. ヽ:::::::::::::: }
ヽ:::::::::: ノ
/:::::::::::: く
|:::::::::::::: |
|:::::::::::::::| |
／￣￣￣ ＼
／ ─ ─＼ いいんだお。
／ （ー） （ー） ＼ やる夫は名門だし別の功を焦ることはないお。
| （__人__） | それにやる夫にはこれから入京して戦後処理を頼まれてるお。
＼ ｀ ⌒´ ／
／ ヽノ ⌒＼＿_
/ | ＼_＿＿）⌒＼
｀￣＼ ＼ -''' ⌒(＿__)
＼ ／＼ ＼__
` ―─―─´ ヽ＿__）
287 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/27 23:10:31 ID:MJO/ghSI
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ●）（●）
. | （__人__） （河内まで来て戦後処理とか・・・
| ｀ ⌒´ﾉ 結局足利家は幕府のメンツのために出兵しただけか）
. | }
. ヽ }
ヽ ノ
/ く ＼
| ＼ ＼
| |ヽ、二⌒)､
＿＿＿_
／_ノ ヽ_＼
／（ ●）（ ●）＼ まあ、わざわざ出兵して戦後処理とかムカつくけど、
／::::::⌒（__人__）⌒::::: ＼ やる夫はまだ京の都には入ったことなかったお。
| （ （ | だからちょっとは楽しみにしてるんだお。
＼ `ー' ／
288 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/27 23:11:59 ID:MJO/ghSI
そしてやる夫は初めて京の都に入った。
:::....::::::........ . .::::::... .... ..::::::::::::::::....::::::........ . .::::::... .... ..::::::::::::::::....::::::........ . .::::::... ....::::::::::
.. .. . ... .::::.. . . .:: : :.. . ... ::: :::.. ... .. .. ... ... ..::. .. .
.. . .. .::::: :: :. ... .::::: :... . .:::: .. . .
... .. .. . ... ... ..:: . .. . .. . .. .. . ... ... .. ..:: . .. . ..
. .. . .. ... .. .. . ... ... ..:: . .. ... :: : . .. .
. .:: : :.. . ... ::: :::.. §. .. . .. .. .. .. ... ... ... .... ..:: .
. .. . .. .. .. .. . . . .. . § . ... ... . .. .
.. . .. .:::: :: -‐'" ﾞ''‐- . ... ... . ... ... ..:: .
..:: . .. . .. ｀`侖侖''" . .. .
-‐'"韭 ﾞ''‐- . ... ... ..:: .
ﾞ''､,,_,,,,-‐'゛｀`''､, ｀`侖侖侖''"
;'' ;~'',;'''',;'';'' ;~'',;''ﾟ ;~'',;;-‐'"韭韭 ﾞ''‐-
,;'',;''ﾟ ;~,;":;;;: : ;: ;: ;::::::｀｀ﾞ''ｰ-侖侖''"::;.-‐'゛~ﾞ｀ﾞ''-、.,,,:: . ... ...
::;.:".:;.:'"ﾞ:.:ﾞ,:;、,"'.:.:;,`:;,':,:;.,:;.:::;.:"ﾞ''､,;.:'"ﾞ:.:ﾞ,:;、,"'.:.:`;'' ;｀`'‐.､;;;;;;;.,.,.,.,..,.,.,.,.
:;,':,:;.,:;'' ;~'',;''ﾟ ;~'',;;~'',;';~.:.:;,`:;,':,:;.ﾞ:.:ﾞ,:;、,"'.:.:;,`:;,':,:;.ﾞ:.:ﾞ :: :;":;; ~ﾞ"'ｰ-;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;...
":;;;: : ;: ;: ;: ; ::; : ;:; :; : :: :; '' ;~'',;''ﾟ ;~'',;'',;' ｖ'ﾟ ;~,;''ﾟ ;~ﾟ''ﾟ ;~'',;'',;'~,;ﾞ''､,,_ｭiｭ... .. .. . ...
::;...;;.;;ii:i;;:;i,'' ;~'',;''ﾟ ;~'',;'',;' 'ﾟ ;~,;''ﾟ ;..;;.;;ii:i;;:;i'',;'',;''ﾟ ;~,;::;.:".:;.:'::;...;;.;;ii:i;;:;i|ﾞ:.:ﾞ,:;、,"ｺｴ...HE
ﾞゞ:.ﾐ,,;'',;' ;~,;''ﾟ ,:;,`ﾞゞ:.ﾐ,,;'',;' ;~ﾞゞ:.ﾐ,,;'',;' ;~,;''ﾟ ;~ﾟ''ﾟ ;"i|:;.::;,,;''ﾟ ;~ﾟ''ﾟ ;":;.::;,ﾞゞ:.ﾐ,,;'',;' ;~,;''ﾟ ,:
:.ﾐ,,;'',;' ;~,;''ﾟ ,::.ﾐ,,;'',;' ;~,;:.ﾐ,,ii;'',;' ;~,;''ﾟ :.ﾐ,,;'',;' ;~,;''ﾟ ,:;,`ﾞゞ:.ﾐ,;'',;' ;~ﾞゞ:.ﾐ,,;'',;' ;~,;,:.:.､;:...:,:.:.､
.:.:;,`:;,':,:;.ﾞ:.:ﾞ,:;、,"'.:.:;,`:;,':,:;.ﾞ:.:ﾞ.:.:;,`:;,':,:;.ﾞ:.:ﾞ,:;、,"'.:.:;,`:;,':,:;.ﾞ:.:ﾞ.:.:;,`:;,':,:;.ﾞ:.:ﾞ,:;、,"'.:.:;,`:;,':,:;.ﾞ
289 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/27 23:13:31 ID:MJO/ghSI
＿＿＿
／ ⌒ ⌒＼
／ （⌒） （⌒）＼ ここが京の都だお！！
／ ///（__人__）///＼ さすが都だけあって華やかなところだお！！
| u. `Y⌒y'´ |
＼ ﾞー ′ ,／
/⌒ヽ ー‐ ｨヽ
/ rｰ'ゝ 〆ヽ
/,ﾉヾ ,> ヾ_ノ,|
| ヽ〆 |´ |
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ー）（ー）
. | （__人__） （・・・・・・ちょっとどころかかなり楽しみにしてたんじゃないのか？）
| ｀ ⌒´ﾉ
.ｌ^l^lｎ }
. ヽ L }
ゝ ﾉ ノ
／ / ＼
／ / ＼
. / / |ヽ、二⌒)､
ヽ＿＿ﾉ
290 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/27 23:14:59 ID:MJO/ghSI
_,,,..-.ｰ.─.-.-....､._
二ヽ,,..::"::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀:..､
／::::::::｀`:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼::::::::::::ヽ
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヾ:::::::::::ヾ:::::＼:::::::::',
/:::::::::::::::i:::::i!::::::::::::::::ヾ:::::,,∠,､_:::::＼::::＼:::::',
i::::::::::::::::!:::::i i:::::::::l::::::::イ＼＼＼:::::::::＼:::＼::',
l:::::::i::::::::!::::i,,ゞ;::::::::i:::::::::l >≧r､＼::::::ヾ＼_::＞ そういえば、やる夫様。
ｌ::::::i!:::i::::l;/i ._,,＼::::!､::::::l 辻ヾ〉 ＼:::ヾ）::::＞ この京の都にはやる夫様と同じ名の“高氏”なる者が
i:::::ﾊ::::|::::l:::i〈｀（ﾍ＼! ＼:', ゞ-′ ラ∨/"´ 「婆娑羅者」と呼ばれ有名になっていると聞いたことがあります。
l:::i l:::|::::lヾ､ 弋i;） ヽ ＼ ┌::ソﾉ
∨ l::::l::::l:::＼ " ﾍ::::/
＼|＼!＼ ′ ∨
ヾ ヾ ､ ‐- , ゝ､
｀ ､ , ′ ／ ＼＿
｀ ｰ ＜ ／´ ／:::::￣｀ｰ-
_ノ´∧_∧ ／::::::::::::::::::::::
:::::´￣／ /〈::ヾ∧ /:::::::::::::::::::::
:::::::／ / ﾉ::::〈 ヽ /::::::::::::::::::::
＿＿＿
／ ヽ､_ ＼ やる夫と同じ“高氏”・・・
／（● ） （● ） ＼ ばさらもの・・・？
／:::⌒（__人__）⌒::::: ＼
| ｌ^l^lｎー'´ |
＼ヽ L ／
ゝ ﾉ
／ /
291 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/27 23:16:29 ID:MJO/ghSI
_,,,..-.ｰ.─.-.-....､._
二ヽ,,..::"::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀:..､
／::::::::｀`:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼::::::::::::ヽ
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヾ:::::::::::ヾ:::::＼:::::::::',
/:::::::::::::::i:::::i!::::::::::::::::ヾ:::::,,∠,､_:::::＼::::＼:::::',
i::::::::::::::::!:::::i i:::::::::l::::::::イ＼＼＼:::::::::＼:::＼::',
l:::::::i::::::::!::::i,,ゞ;::::::::i:::::::::l >≧r､＼::::::ヾ＼_::＞ ええ、「婆娑羅」とは帝や公家などの権威をなんとも思わず、
ｌ::::::i!:::i::::l;/i ._,,＼::::!､::::::l 辻ヾ〉 ＼:::ヾ）::::＞ 派手な服装や振る舞いを好んだりすることのようで・・・
i:::::ﾊ::::|::::l:::i〈｀（ﾍ＼! ＼:', ゞ-′ ラ∨/"´
l:::i l:::|::::lヾ､ 弋i;） ヽ ＼ ┌::ソﾉ
∨ l::::l::::l:::＼ " ﾍ::::/
＼|＼!＼ ′ ∨
ヾ ヾ ､ ｰ ´ , ゝ､
｀ ､ , ′ ／ ＼＿
｀ ｰ ＜ ／´ ／:::::￣｀ｰ-
_ノ´∧_∧ ／::::::::::::::::::::::
:::::´￣／ /〈::ヾ∧ /:::::::::::::::::::::
:::::::／ / ﾉ::::〈 ヽ /::::::::::::::::::::
＿＿＿_
／ ＼
／─ ─ ＼ ふ～ん・・・ばさらだおか・・・
／ （●） （●） ＼ （それが京の都の流行なんだおか？）
| （__人__） |
＼ ⊂ ヽ∩ <
| | '､＿ ＼ ／ )
| |＿＿＼ “ ／
＼ ＿＿＿＼_／
＜ちょっと、そこのアンタら。
.
292 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/27 23:18:01 ID:MJO/ghSI
/.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i,
. /.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/.:::::ﾊ::::/}:::::::::::::::::::::::::::::::::::::i,
/.:/.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/.::::厶 V-|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i
ｲ.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/|:::,′ , ‐|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i
.／ |:::::::::::::::::::::::::::::::::::{::::::::/ |::| ／/／|:::::}:::::::::::::::::::::::::::::::::|
. |::::::/.:::::::::::::::::::::::/|::::::/, ｲ:|/／ |:::ﾘ.:::::::::::::::::::::::::::::::::|
. |::::,'.::::::::::::::::i:::::://|::::///| l _」厶}:::::::::::::::::::::::::::::::::|
|:::::::::.!:::::::::::i::::///|::/}／jﾉ ､, ≦rgf''从::::::::::::|::::::::::::.', ::| 残念だが、その情報は少し古いぜ。
|::{::::::ｉ:::::::::::ｉ:::'///|/:}}ヽ ￣ ﾉ:|::::::::::::l::::::::::::::.',八
|八::::i:::::::::::{:::{///|:ノ i |:::::::::::j:::::::::::::::::}
V}人::::ﾊ::厂￣ ! ﾉﾊ::::::从ﾊ:::::::::::j
ﾘ:::::∨ { / |::::/.::::::::::::::::::ﾊ
/.:::::::八 丶 ‐ |::/.:::::::::::::::::::{
/ｲ::::::,ﾞ.:::ヽ , j/.:::::::::} ::::::::::{
|:::::: .::::::::::> `ｰ ニ二￣ ／ |:ﾘ::::八::::::::::::、
|::::::}:::::／|:| . ／ |从(( ＼:::::::::、
_, イ::::从 |j. ＼ ／ ﾉ ﾘ ＼ | ｀丶、
-‐''" V/ | `ｰ---‐' / | ｀丶、
/ | / , ｀丶、
ｉ │ / /
ｉ │ ヽ / /
＿＿＿
／⌒ ⌒＼ ━━┓┃┃
／（ ￣） （＿）＼ ┃ ━━━━━━━━
／::::::⌒（__人__）⌒:::: ＼ ┃ ┃┃┃
| ゝ'ﾟ ≦ 三 ﾟ｡ ﾟ ┛
＼ ｡≧ 三 ＝=-
-ｧ, ≧=- 。
ｲﾚ,､ ＞三 ｡ﾟ ･ ﾟ
≦｀Vヾ ヾ ≧
｡ﾟ /｡･ｲﾊ ､､ ｀ミ ｡ ﾟ ｡
293 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/27 23:19:30 ID:MJO/ghSI
＿＿＿_
／ノ ヽ､_＼
／（ ○）}liil{（○）＼ ちょっと、アンタ！なにしてるんだお！
／ （__人__） ＼ 今はまだ鎌倉時代末期だお！！
| ヽ |!!il|!|!l| / | アンタの時代は戦国時代末期だお！！
＼ |ｪｪｪｪ| ／ アンタが出てくるのはまだ２５０年先だお！！
294 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/27 23:21:02 ID:MJO/ghSI
＿＿／ ／
／,;;;:.／ ／｀＼
__ / i:／ ／ .:;;: ＼
. / | ､＿＿__,ﾚ ' ／'￣≧ .:;;r;;;:＼_ 戦国？２５０年先？
. |/^'| ＼__＿＿__,／i ∠::::::::ｨ< .;r;;;:＼ 何言ってるんだ？
|,ﾒ | ﾉ ＿＿､' :: ｨ<::::ｨ< ＿:;／} 俺がさっき、アンタらの話に出てたこの京にいる“高氏”、
. |,ﾒ | 〈,/{ﾘ'~ﾞ;‐ﾟ' ヽ.､ ｨ:: :: ｨ<::／:'／ / 佐々木高氏だ。
|,ﾒ | | / ヽ.､ｨ ::／:'／ / まあ、情報が古いってはもう俺は高氏ではなく
. |,ﾒ | j `j'_ _., //＼､ i:／ |￣￣ゝ 出家して佐々木道誉と名乗っているがな、understand?
|,ﾒ | ﾉﾚl｀i三ニﾆ´ﾑﾉﾘ／ , ￣＼::＼
. |,ﾒ | ,〃jﾉ｀ｰ‐=ﾍﾚ^／ ／ |:::;;:ヽ
_ﾚ' ￣＼_＿..... --‐‐'¨ﾚﾘ|￣ ＿／ ､ |:;:;;::,ゝ
｛__,-‐‐' | ::::::::| ／ .人 ;' ､ _`､＼::＼
｛ ___,-‐' | : :: :: :: ::::;:;:;;;;ﾚ' ／::::::::＼ ; ; `､_ _;. ヽ::|
[￣ ＿,--' ﾚ‐‐―-----=､/ ／;;｛;::;;」;;;;〉;;＼. ' , ; ` ; |;:|
匸_;=＝＝'=ﾍ. t-/ /:::::::ｨ:: .:::ﾃ::::::ﾄ::::ヽ ' ､; ,_'; ﾚ
. ／ _＿ ／ / {;;;;;;｛;;;: ;;;;」;;;;;;;;;;〉;;;;;l ; ;' ; |
《＿_ｲ ﾚ' | |:::::::ｨ:::....::::ﾃ::::::::::ﾄ:::::| ;. ; ; |
近江地頭・佐々木道誉
295 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/27 23:22:30 ID:MJO/ghSI
／￣￣￣＼
／ ─ ─ ＼ そ、そうだおか・・・？
／ （●） （●） ＼ それじゃああんたがその「ばさらもの」だおか？
| （__人__） u |
＼ ｀ ⌒´. ／
／ ＼
＞＼ ／＜
／.＼ ＞ , , 'ﾞ／＼
イi ＼ ＞､,_ _,.. ＜ ／ ||＼ いかにも。
／┠|| ＼＿／､_ ｀ﾞ'' - ､ _ ＿＿＿ , .-‐''"＼＿／ |┥ ＼ 俺が所謂「ばさらもの」だ。
＿/ .| λ､ ／: : :/ ＞ ､ ,...-彡＼. ノ 〉 ＼＿ いつまでも古いもんにしがみついてちゃ
∨∧ | ＼＼ /: : : :/::::/.//:!:.:.:＞ , , ｨ≦ﾉ,.ノﾞ { '., ／／ ! ∨ 一緒に腐っちまうぜ？OK？
〉. ', `ﾐ､二ュ: :./ Χ/::::::|: / |:.}|: :/`ﾞ小ｨ'" .∨ｨ ／ | :《
ノ| ﾏ 冫: : : :∧ //ヽﾞ」/;;;;|/:}/ ／ |/ヽ /∨ .' .!＼
／／| '., .／: : : : :/.',_{///. ′ ! !″ : ./}::::Χ. / .|＼.＼
_／／.: :.| ヽ ',／: : : : : :/: /: ∧ : ∧::::::::::ヽ , ' |. ＼.＼
_／ ∧ ／ﾞﾞ: : : : : :/: :,'::::::::∧ ､|. /::::::::::::::::::::、 ∧ ＼.＼
ﾞ＼ ＼／: : : : :, : : /: :,. : :::::::::∧ /|::::::::::::::::::::::∨ ／ ／ ／〉
_＼＼ |: :/|::/|: :/: : : : : ::: ::::::∧ ,＿, .. ... .＿＿_,ヽ /_ﾘ.::::::::::/|:::/:::|＼／..:.: ／ ／／
..＼＼＼ |/ |/ |:/|::::!::::::::!:::::/:: ∧ ￣￣｀ﾞ'''' ￣ / :|::::/|:/ .{/::::/:.:.:.:.:. ／ ／／
「婆娑羅」とは身分秩序を無視して公家や天皇といった時の権威を嘲笑し、粋で華美な服装や振る舞いを好む美意識であり、
後の戦国時代における下剋上的行動の一種とされる。
296 名前：名無しのやる夫さん ：09/05/27 23:23:26 ID:E8v0CLUS
BASARAものｗｗ
297 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/27 23:24:00 ID:MJO/ghSI
＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ─ ＼ で、その「ばさらもの」がこのやる夫になんか用かおか？
／ （●） （●） ＼ だてま・・・じゃなかった、佐々木道誉殿。
| （__人__） |
＼ ｀ ⌒´ ,／
/⌒ヽ ー‐ ｨヽ
/ ,⊆ニ_ヽ、 |
/ ／ r─--⊃、 |
| ヽ,.ｲ ｀二ﾆﾆうヽ. |
298 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/27 23:25:29 ID:MJO/ghSI
＿＿／ ／
／,;;;:.／ ／｀＼
__ / i:／ ／ .:;;: ＼ ・・・・・・・・・俺はよう、誰が天下人に相応しいかを、
. / | ､＿＿__,ﾚ ' ／'￣≧ .:;;r;;;:＼_ 今見極めてんだよ・・・Heven!
. |/^'| ＼__＿＿__,／i ∠::::::::ｨ< .;r;;;:＼
|,ﾒ | ﾉ ＿＿､' :: ｨ<::::ｨ< ＿:;／}
. |,ﾒ | 〈,/{ﾘ'~ﾞ;ﾟ‐' ヽ.､ ｨ:: :: ｨ<::／:'／ /
|,ﾒ | | / ヽ.､ｨ ::／:'／ /
. |,ﾒ | j `j'_ _., //＼､ i:／ |￣￣ゝ
|,ﾒ | ﾉﾚl｀i三ニﾆ´ﾑﾉﾘ／ , ￣＼::＼
. |,ﾒ | ,〃jﾉ｀ｰ‐=ﾍﾚ^／ ／ |:::;;:ヽ
_ﾚ' ￣＼_＿..... --‐‐'¨ﾚﾘ|￣ ＿／ ､ |:;:;;::,ゝ
｛__,-‐‐' | ::::::::| ／ .人 ;' ､ _`､＼::＼
｛ ___,-‐' | : :: :: :: ::::;:;:;;;;ﾚ' ／::::::::＼ ; ; `､_ _;. ヽ::|
[￣ ＿,--' ﾚ‐‐―-----=､/ ／;;｛;::;;」;;;;〉;;＼. ' , ; ` ; |;:|
匸_;=＝＝'=ﾍ. t-/ /:::::::ｨ:: .:::ﾃ::::::ﾄ::::ヽ ' ､; ,_'; ﾚ
. ／ _＿ ／ / {;;;;;;｛;;;: ;;;;」;;;;;;;;;;〉;;;;;l ; ;' ; |
《＿_ｲ ﾚ' | |:::::::ｨ:::....::::ﾃ::::::::::ﾄ:::::| ;. ; ; |
＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ─＼ ・・・・・・・・・天下人？
／ （●） （●） ＼
| （__人__） |
./ ∩ノ ⊃ ／
( ＼ ／ ＿ノ | |
.＼ “ ／＿＿| |
＼ ／＿＿＿ ／
299 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/27 23:26:59 ID:MJO/ghSI
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: .／＼::::: ＞
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: _, ＜::::::::::|ヽ::::. _＞
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: __ - ≦ l::::::::::::::: ト∨::_ - '' ｀､
‐- .. _＿＿_＿ ... -zzｒ二豕》沙 ＞l::::::::::: l､ K::: ､ あんたも知ってのとおり天皇が倒幕の兵を挙げた。
:::::::::::ﾉヽ ヽ､_' ￣ ' ‐-‐ '' l::::::: l l '､::. ､ まあ、今は捕まっちまったがな。
::::::／ l l::: l l ' ､ ､ だが俺は今の天下に相応しいのは天皇でもねえと思っている。
:／ l l:: lﾉ ,' '､ ､ 結局は鎌倉前に戻るだけだしな。もちろん幕府も違う。
l l: l: / ､. ､ だから俺はこの京にいるのを利用して各地の有力者に
| | l:/ l:､ ､ 会ってるってわけよ。
| | l' l:::ヽ ､ 誰になら天下を任せられるか、と思ってな。
| ﾚi l l:::::::ヽ ､
| /::|. l |:::::::::::ヽ. ､
_ヽ__/ ､ /::/| l |:::::::::::::::＼ ､
/::/:::| |i. l i |::::::::::::::::::::＼ 丶
.彡'|:::::l l:| l l',:: l:::::::::::::::::::::::::::ヽ､ ＼
‥ '''''' ‐-‐ ''''''' ‥ _,..彡' l::::::|i::|,':::... ::. l::',:::.N::::::::::::::::::::::::::::::::::＞ ､._ ＼
ミ＝=‐------‐=≦=＝三彡'' l:::::::|::::::::::::...::::::.. l:::::',:l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::￣ >
301 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/27 23:28:29 ID:MJO/ghSI
/.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i,
. /.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/.:::::ﾊ::::/}:::::::::::::::::::::::::::::::::::::i,
/.:/.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/.::::厶 V-|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i
ｲ.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/|:::,′ , ‐|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i
.／ |:::::::::::::::::::::::::::::::::::{::::::::/ |::| ／/／|:::::}:::::::::::::::::::::::::::::::::|
. |::::::/.:::::::::::::::::::::::/|::::::/, ｲ:|/／ |:::ﾘ.:::::::::::::::::::::::::::::::::|
. |::::,'.::::::::::::::::i:::::://|::::///| l _」厶}:::::::::::::::::::::::::::::::::|
|:::::::::.!:::::::::::i::::///|::/}／jﾉ ､, ≦rgf''从::::::::::::|::::::::::::.', ::| もちろん、足利高氏・・・
|::{::::::ｉ:::::::::::ｉ:::'///|/:}}ヽ ￣ ﾉ:|::::::::::::l::::::::::::::.',八 あんたも候補だぜ。
|八::::i:::::::::::{:::{///|:ノ i |:::::::::::j:::::::::::::::::}
V}人::::ﾊ::厂￣ ! ﾉﾊ::::::从ﾊ:::::::::::j
ﾘ:::::∨ { / |::::/.::::::::::::::::::ﾊ
/.:::::::八 丶 ‐ |::/.:::::::::::::::::::{
/ｲ::::::,ﾞ.:::ヽ , j/.:::::::::} ::::::::::{
|:::::: .::::::::::> `ｰ ニ二￣ ／ |:ﾘ::::八::::::::::::、
|::::::}:::::／|:| . ／ |从(( ＼:::::::::、
_, イ::::从 |j. ＼ ／ ﾉ ﾘ ＼ | ｀丶、
-‐''" V/ | `ｰ---‐' / | ｀丶、
/ | / , ｀丶、
ｉ │ / /
ｉ │ ヽ / /
.. ＿＿＿_
／ ― -＼
. . ／ （●） （●） やる夫が天下人・・・だおか？
／ U （__人__） ＼
| ｀ ⌒´ |
. ＼ ／
. ノ ＼
／´ ヽ
302 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/27 23:30:17 ID:MJO/ghSI
＿＿／ ／
／,;;;:.／ ／｀＼
__ / i:／ ／ .:;;: ＼ 足利家の勢力はでけえ。
. / | ､＿＿__,ﾚ ' ／'￣≧ .:;;r;;;:＼_ あんたにも十分チャンスはあるだろ。
. |/^'| ＼__＿＿__,／i ∠::::::::ｨ< .;r;;;:＼ そこで、足利高氏・・・あんたに聞きたい。
|,ﾒ | ﾉ ＿＿､' :: ｨ<::::ｨ< ＿:;／} あんた、天下を取る気はねえか？
. |,ﾒ | 〈,/{ﾘ'~ﾞ;ﾟ‐' ヽ.､ ｨ:: :: ｨ<::／:'／ /
|,ﾒ | | / ヽ.､ｨ ::／:'／ /
. |,ﾒ | j `j'_ _., //＼､ i:／ |￣￣ゝ
|,ﾒ | ﾉﾚl｀i三ニﾆ´ﾑﾉﾘ／ , ￣＼::＼
. |,ﾒ | ,〃jﾉ｀ｰ‐=ﾍﾚ^／ ／ |:::;;:ヽ
_ﾚ' ￣＼_＿..... --‐‐'¨ﾚﾘ|￣ ＿／ ､ |:;:;;::,ゝ
｛__,-‐‐' | ::::::::| ／ .人 ;' ､ _`､＼::＼
｛ ___,-‐' | : :: :: :: ::::;:;:;;;;ﾚ' ／::::::::＼ ; ; `､_ _;. ヽ::|
[￣ ＿,--' ﾚ‐‐―-----=､/ ／;;｛;::;;」;;;;〉;;＼. ' , ; ` ; |;:|
匸_;=＝＝'=ﾍ. t-/ /:::::::ｨ:: .:::ﾃ::::::ﾄ::::ヽ ' ､; ,_'; ﾚ
. ／ _＿ ／ / {;;;;;;｛;;;: ;;;;」;;;;;;;;;;〉;;;;;l ; ;' ; |
《＿_ｲ ﾚ' | |:::::::ｨ:::....::::ﾃ::::::::::ﾄ:::::| ;. ; ; |
＿＿＿_
／ ノ ＼＼
／ （●） (●）＼ えぇ！？
／ ∪ （__人__） ＼ 天下ってそんな・・・・・・・・・
| ｀ ⌒´ |
＼ /⌒)⌒)⌒) ／/⌒)⌒)⌒)
ノ | / / / (⌒) / / / /
／´ | :::::::::::(⌒) ゝ :::::::::::/
| ｌ | ノ / ） /
ヽ ヽ_ヽ /' / ／
ヽ ＿＿ ／ / ／
303 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/27 23:31:30 ID:MJO/ghSI
その時、やる夫は父の言葉を思い出していた。
――――――――――――――――――
| ／￣￣￣＼ |
| ／ ─ ─ ＼ |
| ／. =⊂⊃=⊂⊃= ＼ | やる夫、お前はもう北条に頭を下げる必要はない・・・
| | （__人__） | | 源氏の棟梁としてとして天下を目指せ・・・
| ＼ ｀⌒J´ ／ .|
| ／ ＼ ..|
| |￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣| |
| |XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX| |
／￣￣￣＼
／ ─ ─ ＼ （・・・・・・・・・でもこのまま幕府にへつらう人生でいいんだおか・・・
／ （●） （●） ＼ もし、やる夫に本当に天下の器があるとしたら・・・）
| （__人__） |
＼ ｀ ⌒´. ／
／ ＼
304 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/27 23:32:59 ID:MJO/ghSI
／￣￣￣＼ （やる夫が天下を取る・・・
／ ─ ─ ＼ 天下・・・やる夫の天下、武家の棟梁、それは・・・）
／ （●） （●） ＼
| （__人__） |
＼ ｀ ⌒´. ／
／ ＼
／￣￣￣＼
／ ＼ ／ ＼
／ （●） （●） ＼ （・・・・・・征夷大将軍になること・・・！！）
| （__人__） |
＼ ｀ ⌒´. ／
／ ＼
305 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/27 23:34:28 ID:MJO/ghSI
＿＿＿
／ ＼ （そうだお、足利家の本願は征夷大将軍・・・！！）
／ ＼ , , ／＼ ・・・・・・・・・・やる夫は征夷大将軍になるお！！
／ （●） （●） ＼
| （__人__） |
＼ ` ⌒ ´ ,／
ノ ＼
／´ _i⌒i⌒i⌒i┐ ヽ
| ｌ （ l / / / l
l l ヽ /
306 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/27 23:36:00 ID:MJO/ghSI
. |::::::/.:::::::::::::::::::::::/|::::::/, ｲ:|/／ |:::ﾘ.:::::::::::::::::::::::::::::::::|
. |::::,'.::::::::::::::::i:::::://|::::///| l _」厶}:::::::::::::::::::::::::::::::::|
|:::::::::.!:::::::::::i::::///|::/}／jﾉ ､, ≦rgf''从::::::::::::|::::::::::::.', ::|
|::{::::::ｉ:::::::::::ｉ:::'///|/:}}ヽ ￣ ﾉ:|::::::::::::l::::::::::::::.',八
|八::::i:::::::::::{:::{///|:ノ i |:::::::::::j:::::::::::::::::} ・・・・・・ほう！
V}人::::ﾊ::厂￣ ! ﾉﾊ::::::从ﾊ:::::::::::j 征夷大将軍とはでっかく出たな。
ﾘ:::::∨ { / |::::/.::::::::::::::::::ﾊ 高氏殿・・・
/.:::::::八 丶 ‐ |::/.:::::::::::::::::::{
/ｲ::::::,ﾞ.:::ヽ , j/.:::::::::} ::::::::::{
|:::::: .::::::::::> `ｰ ニ二￣ ／ |:ﾘ::::八::::::::::::、
|::::::}:::::／|:| . ／ |从(( ＼:::::::::、
_, イ::::从 |j. ＼ ／ ﾉ ﾘ ＼ | ｀丶、
-‐''" V/ | `ｰ---‐' / | ｀丶、
/ | / , ｀丶、
＿＿＿_
／ .u ＼ （ハッ・・・なんかつい変なこと口に出しちゃったお！！
(（○）) (（○）) 征夷大将軍だなんて・・・！！）
/⌒)⌒)⌒. :::: （__人__） l_j :::＼ /⌒)⌒)⌒)
| / / / |r┬-| | (⌒)/ / / /／
| :::::::::::(⌒) U .| | | ／ ゝ :::::::::::/
| ノ | | | ＼ / ） /
ヽ / └ー.┘ ヽ / ／
307 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/27 23:37:29 ID:MJO/ghSI
＞＼ ／＜
／.＼ ＞ , , 'ﾞ／＼
イi ＼ ＞､,_ _,.. ＜ ／ ||＼
／┠|| ＼＿／､_ ｀ﾞ'' - ､ _ ＿＿＿ , .-‐''"＼＿／ |┥ ＼
＿/ .| λ､ ／: : :/ ＞ ､ ,...-彡＼. ノ 〉 ＼＿
∨∧ | ＼＼ /: : : :/::::/.//:!:.:.:＞ , , ｨ≦ﾉ,.ノﾞ { '., ／／ ! ∨ OK！分かったぜ、高氏殿。
〉. ', `ﾐ､二ュ: :./ Χ/::::::|: / |:.}|: :/`ﾞ小ｨ'" .∨ｨ ／ | :《 征夷大将軍・・・覚えておくぜ、じゃあな。
ノ| ﾏ 冫: : : :∧ //ヽﾞ」/;;;;|/:}/ ／ |/ヽ /∨ .' .!＼
／／| '., .／: : : : :/.',_{///. ′ ! !″ : ./}::::Χ. / .|＼.＼
_／／.: :.| ヽ ',／: : : : : :/: /: ∧ : ∧::::::::::ヽ , ' |. ＼.＼
_／ ∧ ／ﾞﾞ: : : : : :/: :,'::::::::∧ ､|. /::::::::::::::::::::、 ∧ ＼.＼
ﾞ＼ ＼／: : : : :, : : /: :,. : :::::::::∧ /|::::::::::::::::::::::∨ ／ ／ ／〉
_＼＼ |: :/|::/|: :/: : : : : ::: ::::::∧ ,＿, .. ... .＿＿_,ヽ /_ﾘ.::::::::::/|:::/:::|＼／..:.: ／ ／／
..＼＼＼ |/ |/ |:/|::::!::::::::!:::::/:: ∧ ￣￣｀ﾞ'''' ￣ / :|::::/|:/ .{/::::/:.:.:.:.:. ／ ／／
＿＿＿_
／ ノ ＼＼
／ （●） (●）＼ いやいや、これはやる夫がうっかり・・・
／ ∪ （__人__） ＼
| ｀ ⌒´ |
＼ /⌒)⌒)⌒) ／/⌒)⌒)⌒)
ノ | / / / (⌒) / / / /
／´ | :::::::::::(⌒) ゝ :::::::::::/
| ｌ | ノ / ） /
ヽ ヽ_ヽ /' / ／
ヽ ＿＿ ／ / ／
308 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/27 23:38:59 ID:MJO/ghSI
_________
／ ＼
／ ⌒ ⌒＼ 兄上・・・
／ （ ●） （●）＼ 兄上にそんな大きな夢があるなんて直義は感動しました。
i ::::::* __´___ * .i ただのすけこましかと思ってたら違うんですんね！！
ヽ、 `ー'´ ／
／ ＼
(ヽ三/) ））
( i)))
／￣￣＼ ＼
／ _ノ ＼ ）
| （ ＞）（＜） なるほど！
. | ///（__人__） 源頼朝公のようにもう一度源氏の征夷大将軍になろうってことか！？
| ｀ ⌒´ﾉ 右馬介も感動しただろ！！
. | }
. ヽ }
ヽ ノ
⊂ヽ γ く
i !ｌ ノ ﾉ |
⊂ｃノ´| ｜
309 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/27 23:40:29 ID:MJO/ghSI
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾄ、:::::l
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:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／:::::::／ヘ|::::::::::::::::::::::::::! ';:::l
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::／ |:::::／／IIj:|:::::::::::::::::ﾄ::::/ !:!
::::::::::{:/:::::::::/::::::/ !::/ ヽ |;iｊ |::::/ﾚ:::::/ |/ ﾘ
:::::::::::i:::::::::/ |:::/ i/ ヽ7 |:∧ |:/ ′
:::::::::::::::::::/ |/ ﾞ ヽｿ これは参りました・・・やる夫様はもう一度、
:::::::::::::::::∧ ＼ 源氏筆頭の武家政権を作ろうという魂胆ですか・・・
:::::::∧:::/ ｀ｰ ／ 師直も感心しました！！
:::::/ ∨ `ｰ=ニﾌ /
／ﾍ , '
＼ ＼ ＼＿ /
＼ ＼ / ｀ ー - ′
＼ ＼__ /
￣＼ ＼
,' l |
,' l i | i | i | | | | |
,' / l .| | .| |i i | | | | | |
| il | | | il | l | .| lﾊ.l | | | |i
| l| | | l―ﾊ |lﾊ i. ,ﾊl ﾘ-―ｌ. | | | i 足利家は源氏一門の筆頭格・・・
| ﾊ ヽ ｌ |ｒ T￣T ||ヾ | 'T￣｀ｊヽｌ | | ∧.l 十分に征夷大将軍の資格はあります。
V | i V､ |ヽl-'::: | ﾘ l ! |-'::: | /ｌ |/ ｌ ｌ|
', l | l ヾ.| 弋辷ｊ ヽl. 弋辷ｊ/ /V j ﾘ
', |V'iヽ__', , /ノ /| /
v .| l ヽ、 ＿ _ ノ i ｌ / ﾘ
VVヽ i＼ イ / /V
ヽ|V,ri｀ ｰ--‐´ |VVv'
/ l |∧
／/ ＼ ／ l＼
310 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/27 23:42:00 ID:MJO/ghSI
＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ─ ＼ （なんか、やる夫・・・とんでもないこと口にした気がするお。）
／ -=・=- -=・=- ＼
| （__人__） U |
＼ ｀ ⌒´ ／
こうしてやる夫は源氏の悲願である征夷大将軍を目指すこととなった。
311 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/27 23:43:34 ID:MJO/ghSI
そしてやる夫が出会った男、「婆娑羅者」佐々木道誉
後の動乱の中でやる夫こと足利高氏の“永遠の盟友”として活躍することとなる・・・
＿＿／ ／
／,;;;:.／ ／｀＼
__ / i:／ ／ .:;;: ＼
. / | ､＿＿__,ﾚ ' ／'￣≧ .:;;r;;;:＼_
. |/^'| ＼__＿＿__,／i ∠::::::::ｨ< .;r;;;:＼ 今までは尊皇だの、いざ鎌倉など古臭え
|,ﾒ | ﾉ ＿＿､' :: ｨ<::::ｨ< ＿:;／} 答えばっかだったが征夷大将軍か・・・
. |,ﾒ | 〈,/{ﾘ'~ﾞ;‐ﾟ' ヽ.､ ｨ:: :: ｨ<::／:'／ / 足利高氏、やる夫か・・・
|,ﾒ | | / ヽ.､ｨ ::／:'／ / 俺が下につくとしたらああいう新しい男だな。
. |,ﾒ | j `j'_ _., //＼､ i:／ |￣￣ゝ
|,ﾒ | ﾉﾚl｀i三ニﾆ´ﾑﾉﾘ／ , ￣＼::＼
. |,ﾒ | ,〃jﾉ｀ｰ‐=ﾍﾚ^／ ／ |:::;;:ヽ
_ﾚ' ￣＼_＿..... --‐‐'¨ﾚﾘ|￣ ＿／ ､ |:;:;;::,ゝ
｛__,-‐‐' | ::::::::| ／ .人 ;' ､ _`､＼::＼
｛ ___,-‐' | : :: :: :: ::::;:;:;;;;ﾚ' ／::::::::＼ ; ; `､_ _;. ヽ::|
[￣ ＿,--' ﾚ‐‐―-----=､/ ／;;｛;::;;」;;;;〉;;＼. ' , ; ` ; |;:|
匸_;=＝＝'=ﾍ. t-/ /:::::::ｨ:: .:::ﾃ::::::ﾄ::::ヽ ' ､; ,_'; ﾚ
. ／ _＿ ／ / {;;;;;;｛;;;: ;;;;」;;;;;;;;;;〉;;;;;l ; ;' ; |
《＿_ｲ ﾚ' | |:::::::ｨ:::....::::ﾃ::::::::::ﾄ:::::| ;. ; ; |
329 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/29 22:30:06 ID:86iBfr59
元弘の変から年が明け1332年（正慶元年）、やる夫は京の都で戦後処理や洛中の警護にあたっていた。
＿＿＿_
／ ＼ （ ;;;;(
／ ＿ノ ヽ__＼) ;;;;)
／ （─） （─ /;;／ 結局、年が明けても関東には帰れなかったお・・・
| （__人__） l;;,´
./ ∩ ノ)━・'／
( ＼ ／ ＿ノ´.| |
.＼ " ／＿＿| |
＼ ／＿＿＿ ／
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ●）（●） 帝の処分が決まるまでの辛抱だ。
. | （__人__） 帰ったら貞氏様の葬儀をあげよう。
| ｀ ⌒´ﾉ
. | }
. ヽ }
ヽ ノ ＼
/ く ＼ ＼
| ＼ ＼ ＼
| |ヽ、二⌒)､ ＼
330 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/29 22:31:29 ID:86iBfr59
この時、幕府に謀反を起こした後醍醐天皇に変わり新たに持明院統の量仁親王が光厳天皇として即位した。
だが後醍醐天皇は未だに退位を拒否し続けていた。
／i
／ |
／ '-―- ､
/ ,､ ヽ
/-､ヽ／へ､ヽ !! i
|r_ヽ .r_ヽ j. ii !______
||gi ||gj <_,-､ _,,-'''
（ ｏ____, θﾉ-'''^ 僕が光厳天皇です！
＼. ヽ_ﾉ '='
,,､-t---t''^- 、
r'^γ r ヽ
／ i ! ＼
/ ⌒）^j | ヘ、 ヽ
i ￣）^／|____________ / > ⌒ ）
ヽ _フ^ i !! ||| _ﾌ⌒ ／
|!￣￣￣ し ）^
λ _,,,,＞--''^
i ＼_,,-''^ !
| ! |
!. ! |
光厳天皇
331 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/29 22:32:56 ID:86iBfr59
そして囚われの身の後醍醐天皇は隠岐国に配流されることなった。
同行を許されたのは側近の千種忠顕、一条行房、そして後醍醐天皇が最も寵愛した妃・阿野廉子である。
_＿_
／ ￣ ￣ ＼
/ ヽ
/ |
| , -＝＝＝- ､i もう京の都には帰ってこれないかもね・・・
| ／ ヽ
ヽ / | |
|＿| |_|
(.__.) |_)
│ -● |
| | |
⊂二二⊃⊂二⊃
後醍醐天皇
_,,....ヽ|/...._
.r''" ｀ヽ
/ , '⌒ v ⌒ヽ ﾍ
,' | | ! ﾊ
| |. ●|● | ! 陛下・・・私も隠岐へついていきます
| ,r┴‐‐ '⌒ ─┴､ |
|（ ── ---── ）!
/ ｀ ー-------一´ ﾍ
/／| |＼､
千種忠顕
＿_
／ | |
／ -─'┴‐- 、
ミー‐'──-- ｎ--─`‐=彡
｀7'''T卞二フﾉ |弋'フ'ｉi丁´
| | :| ', || | まだ諦めてはなりませんよ・・・
| | :| ﾉ,､,.〉 || |
. ｰ‐|─|‐抂─ノ‐ｖ-､‐刊┼─
| | :| } ｀ヾ`ｰ''フ ｆ||｜
| | :| L ´￣｀ ｣||｜
Ｌ.⊥ﾉ＼＿__ｆｆｆ__／廴|
／ 八 ヽ jｊii / / ＼
一条行房
332 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/29 22:34:32 ID:86iBfr59
阿野家は決して身分の高い家柄ではなかったが、阿野廉子は後醍醐天皇の皇后・西園寺禧子の女中として
御所に入ったが、後醍醐天皇に見初められ天皇の寵愛を一身に受け、皇后と同じ扱いであったと言われている。
_,...- '''''¨'''ヽ
,,.-''¨ ヽ
__,,..--───--...、∠.- ''''¨~￣¨¨''''''- .,）
,.-'''¨ ,,.-'¨ _,...-───- ...,'ヽ
/ ／ ,,,..-''¨ ,,,...、 ¨'''＼
| ／ ／ ／ ,,,,,ヽ ヽ
| ./ / ＼/ ／'／;l /ヽﾉﾉ
| / ./ ゝ／ /℃;〕 |)ヽl この、廉子も・・・陛下の傍に・・・
〕 / / l 〔;;;;;;〕 _,,,... --;;;;〕l,
ヽ / 〕 ￣￣¨'''' (￣)--〔
〕 〕 | ;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ＿ ヽ
＼ 〔 | ..-''''~/ 〕
＼ （ 〔 / ⌒/ |
¨''-〕 ヽ ヽ＿ﾉ /
ヽ ＼ ___,.... -──, -─-__ ／
＼ ,,,..-''''~_,... --─-(二二二) '''ヽ￣￣ヽ
ヽ ／- '''''''¨ ／ ヽ ●/~￣ ＼ 〕
阿野廉子
義良親王、後の南朝二代天皇・後村上天皇は彼女の生んだ子である。
333 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/29 22:35:58 ID:86iBfr59
天皇の一行は佐々木道誉らによって護送され京を出た後、摂津から播磨を抜けて旅を続けた。
.,,..､v------v､.,,,_
._,-‐'^⌒ .¨'-､
.,／ ＼
／ ＼
/⌒li ﾞ）
ﾉ .〕--v､､.,_ ﾞ! ありがとう・・・忠顕、行房、廉子。
|:ny ｝ .⌒7nz'' ! 僕はまだ頑張るよ・・・
（_ .,「^'┐._.v‐'′ ﾞ＼_, .. |
._,,､||'''（ ,,rﾐﾆ､,,v-ｰ'''^¨ﾞﾞ'<_ .｝
厂 .（ ﾞ‐r ‐''''ﾞ/ .________ '< .ﾉ
.ﾞ＞'′ l｝ ‐''^ﾞﾞ「［,／ .￣ .)､ ._／
＼_ .´｝ _,,.／|｝ _,|v-ｰ''¨ﾞ｀〕
.¨'''￢=i厂″ .__.,エ-''''''^ﾞ二､r-‐''''''ﾞ｝
｀^'l(ﾆミｧ''个¨￣ .｝
（;;;l!メ .┐ v 〔
._v-:厂 __ ﾚ″ |
.,/′,,|,,ﾆ⌒,.|､r( .,､ .|
.〔../′ ._ﾌi|′ .｀＼_,／ 〕,(^^'l
.ﾞ|′ ／ .ﾞ'ｰv､vr″ 八_ ._｝
.7.,,,,,|y. ../′.￣
､ .¨^'‐-v､.,_,,,____,,,､vｰ'′
334 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/29 22:37:29 ID:86iBfr59
その頃、備前国に児島高徳という者がおり、彼は後醍醐天皇が隠岐に配流になると聞くと一族の者を集めた。
|ミﾐﾐﾐﾐﾐﾐ"、;:;:|:;;;;|;;::::|;;/;;;;;;;;::::::///////
,.|＼ミﾐミﾐ,.ヽ、"ｌ,;;;ｌ;:::ｌ;;/;;;;;;;::::::///////
,. ,. ｌ"＼＼ミ/ "''、:'、ｌ::::|;|;;;;;;:::::::////ﾉノ
,. ''、"、 /ﾐ＼＼/:: ＼'、ｌ;;ｌ;|;;;;;;::::////／
;,.＼,.、ーへ,.、'',.,.ｌ＼ﾐﾐ|/:::: ::＼|::ｌ;|;;;;::://;;‐ﾌ/
＼＼"'‐-,."'/",.. ''ｌ＼ﾐ;|: ::::: :::::::::'、|;;:／／ // 俺は帝が挙兵されたと聞き、笠置へ馳せ参じようとしたが、
ー＼￣,＼,.ｌ,.‐"'ｌ ｌ＼ｌ" :::::: ::::::::: :::: // それより前に笠置が落城しちまった・・・
,.-‐'',.二ﾐ‐,ｌ ; ;,.‐' ,ｌﾐ／,:::: :::: :::::::::: // 仕方がなく今日まで自重していたが、
'''"~,.,....---ｌ,ｌ ''、 ﾚ ;;ｌ=-,.、 ::::::: ,.;;; /, 帝がこの備前を通るとなれば話は別だ・・・
ヽ│ ''、、ｌ ＼=-,;;ー、,.,.;ｌ: ,./ｌ ;;__=ｌ,.,.、 俺たちで帝を奪い返すぞ・・・！！
''、 ,.-、,.／''| '',、 ﾐ,＼‐''",.ｴ=ﾐ--ｌ,┴==／ ＼
ｌ ｌ::::::ｌ‐ｌ ;;;| ''、 ￣;:;. ｌ:::ｌｌ""‐/::::::::::::::::ヽ,
| '',.丿ﾉ ;;| |:::::::::''''';;;;,. ｌ:::ﾚ ,/::::::::::::::::::::,.'ｌ
::/,.,.,."''",.,.,.,.‐ｌ、 ｌ:::::::''''''' ゝ;;";," /ｌｌ,.‐''＼;;;;;'''''' ｌ
;;;;/"'-,、、 :::',、 ｌ::'''' -=;::::,.,.,、,._,. / ''ｌ ;;;;;;::::'"ｌ
::::::::::::＼;;;'''''‐-,.,.＼: ';;,. "'‐',."/ ｌｌ ／::::::ｌ ノ‐-,.、
::::::::::::::ヽ、"''‐-;;;;＼ ￣"""~," ;;;||／::,.‐'''''::"::::::::: ＼、
::::::::::::,.-、‐''''"";;''‐--＼, '';;;;; /|;;;;‐''"'//'''";;/''""''＼:::::::::: "'ｌ
,.,-,'''ヽ ,.'' __,.,.;;--‐' '''''‐‐","''‐-,.,/";;;;;;;;;;ｌ ,.,ﾉヽ,.,.;;;;;;,.,.|
''‐=,.=,.,""~ '';; ,-'' ,.,.‐ ;; "'''''''＼、;;;;;;;＼;;;''''"~ ''';;‐、
児島高徳
335 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/29 22:38:59 ID:86iBfr59
高徳とその一族は備前と播磨の国境にある船坂山の峠で待ち伏せ、天皇を奪い返そうとしたが、
高徳の思惑は外れ一行は播磨から美作へと入り、山陰道へと入った。
,. -‐'''''""¨¨¨ヽ
(.＿＿_,,,... -ｧァﾌ| あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ！
|i i| }! }} /／|
|l､{ j} /,,ｨ//｜ 『おれは帝を奪い返そうと備前播磨の国境で待ち伏せをしていたら
i|:!ヾ､_ﾉ／ u {:}//ﾍ いつのまにか帝は播磨の今宿から美作へと入っていた』
|ﾘ u' } ,ﾉ _,!V,ﾊ |
／´fト､_{ﾙ{,ィ'ｅﾗ , ﾀ人 な… 何を言ってるのか わからねーと思うが
/' ヾ|宀| {´,)⌒`/ |<ヽﾄiゝ おれも 何をされたのか わからなかった…
,ﾞ ／ )ヽ iLﾚ u' | | ヾｌﾄﾊ〉
|／_／ ﾊ !ニ⊇ '／:} V:::::ヽ 頭がどうにかなりそうだった…
/／ 二二二7'T'' ／u' __ /:::::::/｀ヽ
/'´r -―一ｧ‐ﾞＴ´ '"´ ／::::／-‐ ＼ 俺の判断ミスだとかのろまだとか
/ // 广¨´ /' ／:::::／´￣｀ヽ ⌒ヽ そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
ﾉ ' / ノ:::::`ー-､___／:::::／/ ヽ }
_／｀丶 /::::::::::::::::::::::::::￣`ー-{:::... ｲ もっと恐ろしいものの 片鱗を味わったぜ…
336 名前：名無しのやる夫さん ：09/05/29 22:40:20 ID:dK3QQFGg
泳いで参ったの先祖か
337 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/29 22:40:28 ID:86iBfr59
高徳らは美作の杉坂へ向かい再度待ち伏せようと試みたが、
既に時遅く天皇は院庄へと入ったあとであった。
／/￣￣|ヽ
＿ ／ ｜ ||＼
/ ヽ ｜ ||| ヽ
/ ヽヽ // /
/ ヽヽ // ヽ
/ヽヽヽﾉﾍ ヽヽ ｜ // // /
/ヽヽヽﾘ V／＼｜ ///ﾍ// /
|ヽヽヽﾉ ＼／ |/ /
|ヽヽ､| / ﾉ |/! クッ・・・機を逃してしまったか。
/ヽヽ./ ,.,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,, r'´ |ﾘ 仕方がない・・・せめて俺の思いを帝に伝えよう。
|,.､ミ | =ﾓtラー､:::r .r,.ﾐ_-､_ﾚ、
/,､∨ ￣ '´｜ |ゞﾆﾞゝ//!
//rヽヾ ／'７! / し!
〈ヾヽ｀ l ＼_ノ i l,ﾞ!_ﾍ
|ﾘヾ〃, l ,.=-⌒ﾆ､_､_ ∧ ', ヽ
,.--io'ｲﾞ´l l ｀'ｰ:-....-, //iﾍ ﾍ ヽ
| |ﾘ/ ヽ _ /r-!、l, ヽ
l, r"/ ＼ ,.-:'´:::｀ヽ /∧ ヽ!
Yﾞ l ＼::::::::::::::::/´:/ ﾉヽ_,.入
! ￣￣/:::::/ ヽ/ヽ ｲ
338 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/29 22:41:59 ID:86iBfr59
高徳は夜になって天皇行在所の作楽神社へ潜入すると傍にあった桜の木へ
「天莫空勾践 時非無范蠡」という漢詩を彫り、書き入れた。
|:: :|: .::| .:|:. l:|
|::.,: :r.:| ::|:. l:|
|: |:: |::.. ::. j:|
|: |::. ::| .:|: ::|
|: |::.天 時| :|
|:ｉ ::|莫 非ｌ :|
|:|: :|空 無;| |
|:|: :|勾 范:| |
|:|: :|践 蠡:{ |
|;} : :| :| :: |
|: .:| ;n ::| :: |
, . |: ::| ::{ﾘ ::! :!:| ,,.., .,..
; , | .::| ::r : :| :i | .:;;::;;;. ,;:. ,.
;; /.::/ :::|i :.:| :l;ﾊ.＿,,. ,,::;;.:. ,;:.,,. .. ,.,,.
ノ,;ノ : ::八 :ゝ::ヽ＼＿,,.,. :, ,.vVw,
;:´.:: :／.::::ヾ::＼::＼::ｰ､ ,;;::.. ,,:;;;.. .,:: ,;..,,.. ..
|
|
∥
∥
∥
||
,;ｰ-､ ||
. ,;‐'i-iｰv" l ｌ| ||
|ｌ__∀__ｌ|ll/`ｰ'| |.|
〔ｌ_='l l=',ﾚｰ'｣-'!､, |;|
ﾄ､ ﾄ!ｌ_l_ｌ｣∧ ー/i { /_¨ヽ 陛下・・・これが私の思いの丈でございます。
＿ｌ,-`ｰ'|､ゞ__ノ ,'｀ｰ' k ､ヽ_{｀ｿ
∨ 二、 !ｒ'´, '´｀､｀^ ､,-`<ﾟ ﾉ¨';ｰ- ､
. ＜! l C l ｛＿_ ' }、 〉 ）`ｰ'､ ｀ ､ヽ、
ヽ￣ノ,「＿:.:.｀ヽ'￣￣}￣ ｀}´ ゝ､＿_'丿
|__,f´､' ｀ヽ/｀ ￣´ ｀￣｀l￣´｀
/ ‐-､_ノﾍ, ' ‐_l_,- |
（ '､ `rｰ､;_ ｀ __,k、 |
＼ ｰ‐ﾉ:::ﾉ｡ﾟ)´ ;三ｱﾆ]
｣､￣ ７｀¨｢:.:.￣｀;/::.:|
,(_）ﾉヽ/ノﾉ/.:.:.:::';ﾝ.:.:.:.:|
/ー'､,/ ///.:.:.:.:.: l::.:.:.:.:/
|￣｀ヽl/ /7 .:.:.:.: /.:.:.:.:/
l /l ｌ /ｌ .:.:.:.:./.:.:.:.:/
ヽ / |,/〈|.:.:.:.:./.:.:.:／
339 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/29 22:43:29 ID:86iBfr59
翌朝、桜の木に彫られた漢詩を発見した兵士は何と書いてあるのか解せず、外が騒々しい為に何事か
仔細を聞いた後醍醐天皇のみこの漢詩の意味が理解できたという。
ＮＮＮＮＮＮＮ＼
＼ ＼
＜ ｀ヽ､
＜／ ／" ｀＼ 〆ヽ ＼
//, '〆 ＼ ＼ ヽ
〃 {_{ ・・・ 。・・・ │ i|
ﾚ!小§,（●）, ､（●).|、i
ﾚ §:: ノ ,,ﾉ(､_, )ヽ､,, |ﾉ 天・・・空・・・？
/ ｀ .∩√ ⊃=- '／ なんて書いてあるんだ？
( ＼ ／ ＿ノ´-,ｰ´
.＼ “∞∞／＿＿]^;
＼_ ／＿＿＿ ／
-‐ '´￣￣｀ヽ、
／::::::::::､::::::::::::::/ て
∠／::::::::/'´￣￣｀｀ ヽ
ノ／/::ﾉシ ヽヽ ｜
ｲ /: :(●）, ､（●）ﾚレ|
. |ﾊ| ,,ﾉ(､_, )ヽ､,, ./ﾉ
ｲ| ｀-=ﾆ=- ' ﾉ。 さあ・・・？帝は分かるのか？
ヽ ｀ﾆﾆ´ ／
ヽ＿/ } . ノ＼
/⊂ ＼∩ノ ⊃
(〆 ⊂ ／ ＿ノ |
＿＿＿＿＿
／ /⌒ヽ⌒ヽ＼
/ , ┤ （|） |- ヽ
/ ／ `ー ●ｰ′ ヽ ・・・・・・あ、あれは！？
ｉ / 二 | 二 l､
| | ─ | ─ ＿＿）
| | ／´￣￣￣￣￣ / /
! ! i ／⌒ヽ⌒ヽ / /
ヽ ヽ/⌒ヽ＿＿＿／ ／
┝／ ＼_ノ━━６━━､
340 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/29 22:44:57 ID:86iBfr59
, ─── ､
／ /⌒ ⌒ヽ＼
/ , ┤ ・|・ |-､ヽ 「天勾践を空しゅうすること莫れ、
ｌ ／ ー ●ｰ ヽ 時に范蠡なきにしも非ず・・・」
. | / 三 | 三 | _
| | ／⌒＼ __|_／＾ヽ ｌ（__）
ヽヽ （ ＿＿＿＿＿_ / / /
>━━━━,-､━━イ /
/ / ヽﾌ ヽ ｌ/
（ _） | ＿＿＿＿ | |
ｌ ヽ ヽ _＿___ ノ ﾉ ｌ
＿＿／ ／
／,;;;:.／ ／｀＼
__ / i:／ ／ .:;;: ＼
. / | ､＿＿__,ﾚ ' ／'￣≧ .:;;r;;;:＼_
. |/^'| ＼__＿＿__,／i ∠::::::::ｨ< .;r;;;:＼ ・・・恐れながら詩の来歴は？
|,ﾒ | ﾉ ＿＿､' :: ｨ<::::ｨ< ＿:;／}
. |,ﾒ | 〈,/{ﾘ'~ﾞ;‐ﾟ' ヽ.､ ｨ:: :: ｨ<::／:'／ /
|,ﾒ | | / ヽ.､ｨ ::／:'／ /
. |,ﾒ | j `j'_ _., //＼､ i:／ |￣￣ゝ
|,ﾒ | ﾉﾚl｀i三ニﾆ´ﾑﾉﾘ／ , ￣＼::＼
. |,ﾒ | ,〃jﾉ｀ｰ‐=ﾍﾚ^／ ／ |:::;;:ヽ
_ﾚ' ￣＼_＿..... --‐‐'¨ﾚﾘ|￣ ＿／ ､ |:;:;;::,ゝ
｛__,-‐‐' | ::::::::| ／ .人 ;' ､ _`､＼::＼
｛ ___,-‐' | : :: :: :: ::::;:;:;;;;ﾚ' ／::::::::＼ ; ; `､_ _;. ヽ::|
[￣ ＿,--' ﾚ‐‐―-----=､/ ／;;｛;::;;」;;;;〉;;＼. ' , ; ` ; |;:|
匸_;=＝＝'=ﾍ. t-/ /:::::::ｨ:: .:::ﾃ::::::ﾄ::::ヽ ' ､; ,_'; ﾚ
. ／ _＿ ／ / {;;;;;;｛;;;: ;;;;」;;;;;;;;;;〉;;;;;l ; ;' ; |
《＿_ｲ ﾚ' | |:::::::ｨ:::....::::ﾃ::::::::::ﾄ:::::| ;. ; ; |
佐々木道誉
341 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/29 22:46:29 ID:86iBfr59
＿＿＿＿
／－､ －､ ｀＼
/ | ・|・ |- ､ ヽ 勾践は大陸の越の王だった人だ。
/／ ｀ｰ●ー ′ ＼ ヽ そして范蠡はその勾践を助け、
ｌ 三 | 三 ヽ l 敵国の呉を滅ぼした忠臣の名だ。
（＿＿＿|＿＿＿ | ｌ
ヽ ｌ ＿＿ ｀ヽ ! /
_ ヽ ヽ__（＿＿＿)ノ / /
（ __）ｰ━━O━━━━━く
＼ |/ ＿＿＿_ ヽ /⌒i ）
ＮＮＮＮＮＮＮ＼
＼ ＼
＜ ｀ヽ､
＜／ ／" ｀＼ 〆ヽ ＼
//, '〆 ＼ ＼ ヽ
〃 {_{ ・・・ 。・・・ │ i|
ﾚ!小§,（●）, ､（●).|、i
ﾚ §:: ノ ,,ﾉ(､_, )ヽ､,, |ﾉ ・・・・・・？？？
/ ｀ .∩√ ⊃=- '／
( ＼ ／ ＿ノ´-,ｰ´
.＼ “∞∞／＿＿]^;
＼_ ／＿＿＿ ／
ｲ.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/|:::,′ , ‐|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i
.／ |:::::::::::::::::::::::::::::::::::{::::::::/ |::| ／/／|:::::}:::::::::::::::::::::::::::::::::|
. |::::::/.:::::::::::::::::::::::/|::::::/, ｲ:|/／ |:::ﾘ.:::::::::::::::::::::::::::::::::|
. |::::,'.::::::::::::::::i:::::://|::::///| l _」厶}:::::::::::::::::::::::::::::::::|
|:::::::::.!:::::::::::i::::///|::/}／jﾉ ､, ≦rgf''从::::::::::::|::::::::::::.', ::| （・・・・・・なるほど。
|::{::::::ｉ:::::::::::ｉ:::'///|/:}}ヽ ￣ ﾉ:|::::::::::::l::::::::::::::.',八 帝は倒幕をまだ諦めず・・・か。）
|八::::i:::::::::::{:::{///|:ノ i |:::::::::::j:::::::::::::::::}
V}人::::ﾊ::厂￣ ! ﾉﾊ::::::从ﾊ:::::::::::j
ﾘ:::::∨ { / |::::/.::::::::::::::::::ﾊ
/.:::::::八 丶 ‐ |::/.:::::::::::::::::::{
/ｲ::::::,ﾞ.:::ヽ , j/.:::::::::} ::::::::::{
|:::::: .::::::::::> `ｰ ニ二￣ ／ |:ﾘ::::八::::::::::::、
|::::::}:::::／|:| . ／ |从(( ＼:::::::::、
342 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/29 22:48:01 ID:86iBfr59
, -───- ､
／ / ⌒ヽ./⌒ヽ＼
/ , -{ / ﾊヽ } ､ ヽ
/ ／ ゝ _ ノ, ‐ヽ-' ＼ヽ （つまり天は勾践のように囚われの僕を殺したりしない・・・
/ ‐┼──- ゝ ノ - ‐一!|‐ そしていつしか范蠡のような忠臣が現れる、ということか。
| l.､, -一 | ｰ─- ｌL_ どこの誰かは知らないけどありがとう、元気付けられたよ。
| ／ ＼.／ | ｰ-.／ ! 僕はいつか必ず絶対に幕府を倒す・・・）
､ ' l. ／＼＿ | ＿／ /＼
ヽ Ｘ ￣￣ ／
/､二二二二二二二二 く
/ ／ ( 〒)＼ ヽ
! / / } !
この高徳の彫った詩を見た後醍醐天皇は囚われの身でありながら倒幕の決意を改めたという。
343 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/29 22:49:28 ID:86iBfr59
そして後醍醐天皇一行が都を出て約一ヶ月後、天皇は隠岐についた。
1332年（正慶元年）三月のことである。この時すでに都では光厳天皇が即位し、後醍醐天皇は先帝となっていた。
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344 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/29 22:51:00 ID:86iBfr59
一方、京の都にいたやる夫たちは・・・
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ●）（●）
. | （__人__） やる夫様、帝の処分も決まったし
| ｀ ⌒´ﾉ. そろそろ足利荘へ引き揚げようぜ。
. | }.
. ヽ }.
ヽ ノ
/ く
| |
| .|
＿＿＿_
／_ノ ヽ_＼ もう少し待ってほしいお。
／（ ●） （ ●）＼ やる夫は道誉に挨拶してから帰りたいお。
／ ::::::⌒（__人__）⌒::::＼ 道誉も帝の護送を終えてもうすぐ京に帰ってくるはずだお。
| ￣ |
＼ ／
345 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/29 22:52:28 ID:86iBfr59
／￣￣＼
／ _ノ ,ヽ＼
| （ ●）（●） 佐々木道誉ですか・・・
. ＼ | （__人__） 初めて会って以来よくやる夫様の元を訪ねていましたね。
.＼ .| ｀ ⌒ﾉ まさかあの「婆娑羅者」とやる夫様が仲良くなられるとは・・・
. ＼ ヽ } やはり同じ“高氏”同士気があったのですか？
.＼_,ゝ ノ
／, r､ く
./ 〈 ＼ i
. ヽ､ .ヽ ＼ i..｜
.て_） ＼ﾉ
＼
＿＿＿_
／⌒ ⌒＼ そうかもしれないお。
／（ ―） （―）＼ 「ばさらもの」ってどんな奴かと思ってたけど結構いい奴だったお。
／::::::⌒（__人__）⌒:::::＼ 道誉は信頼できる奴だお。
| |
＼ ／
346 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/29 22:54:00 ID:86iBfr59
京での滞在中、佐々木道誉はやる夫を気に入ったのかよくやる夫の滞在している上杉憲房邸を訪れた。
そこでやる夫と道誉はすっかり仲良くなっていたのだ。
＿＿＿＿
／;;;:::::::::::::::: ￣ ヽ
／:::: ,,ﾉ:..:ヾ、 ＼
／;;;;;ｰ'"´ ,,､ ｰ‐‐,, ＼ ・・・でよう、そこで高資の阿呆が
＿＿＿＿＿＿＿ + ／;;;;;（ (;;;;;) ）;;;;;;;;;;;（(;;;;;) ） ヽ 俺の嫁さんと息子を人質に取っちまうわけよ・・・
|ｉ:¨￣ ,、 ￣¨.: i |;;;;;;;;;;;;;;:::::::::: ｜ たく、あいつクマクマうるせーんだよ・・・
|i: ／ﾍ:＼ :i| _ |;;;;;;;;;;::::::: （___人___,） |
.|i:〈｀_､/´_｀>.、 :i| ,.r:;'三ヽ:;;;;;;;;;;;;;;; ヽ､⌒ij~" /｀､
|ii~~'､;'´`,'~,;~~~~:i|;ｲ:;:";;;;;;;;;;;＼;;;;;;;;;;;;;;; ｡;: ／::::: ヽ
|ｉ｀::;:':::::;::;:'::::::::::;.:i|`｡⌒/7, -──～ ､;;;;;;;;;;:::::::;;;;;"⌒;;::／::|:::::〆::＼
|i::::::;:':::::::::::::::::::::::i| ::::://,::::.. " ニﾆヽ;;;;;::::;;;;;;;_ ィ /:::::::|:::::〃::: : ヽ
─|｀ー＝===＝一 | ::::::|_|;;､:::._＿y-ﾆﾆ'ｰ-ｧ ﾟ‐─'───┴────── ‐
.／ |:::::::::::::::::::::::::::::::::::{::::::::/ |::| ／/／|:::::}:::::::::::::::::::::::::::::::::|
. |::::::/.:::::::::::::::::::::::/|::::::/, ｲ:|/／ |:::ﾘ.:::::::::::::::::::::::::::::::::|
. |::::,'.::::::::::::::::i:::::://|::::///| l _」厶}:::::::::::::::::::::::::::::::::|
|:::::::::.!:::::::::::i::::///|::/}／jﾉ ､, ≦rgf''从::::::::::::|::::::::::::.', ::| 分かる、分かる。
|::{::::::ｉ:::::::::::ｉ:::'///|/:}}ヽ ￣ ﾉ:|::::::::::::l::::::::::::::.',八 あいつクマクマうるさいんだよな、It`s Bear
|八::::i:::::::::::{:::{///|:ノ i |:::::::::::j:::::::::::::::::}
V}人::::ﾊ::厂￣ ! ﾉﾊ::::::从ﾊ:::::::::::j
ﾘ:::::∨ { / |::::/.::::::::::::::::::ﾊ
/.:::::::八 丶 ‐ |::/.:::::::::::::::::::{
/ｲ::::::,ﾞ.:::ヽ , j/.:::::::::} ::::::::::{
|:::::: .::::::::::> `ｰ ニ二￣ ／ |:ﾘ::::八::::::::::::、
|::::::}:::::／|:| . ／ |从(( ＼:::::::::、
_, イ::::从 |j. ＼ ／ ﾉ ﾘ ＼ | ｀丶、
-‐''" V/ | `ｰ---‐' / | ｀丶、
347 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/29 22:55:31 ID:86iBfr59
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ⌒）（⌒） まあ、道誉殿はやる夫様にうっかり「征夷大将軍」なんて
. | （__人__） 言わせちまう御方だからな。
| ｀ ⌒´ﾉ.
. | }.
. ヽ }.
ヽ ノ
/ く
| |
| .|
＿＿＿_
／⌒ ⌒＼
／（ ―） （―）＼ そうそう、やる夫がうっかり征夷・・・
／::::::⌒（__人__）⌒:::::＼
| |
＼ ／
348 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/29 22:56:58 ID:86iBfr59
＿＿＿_
／ .u ＼ ・・・ってなんで右馬介がやる夫が
(（○）) (（○）) うっかり口にしたって知ってるおか！？
/⌒)⌒)⌒. :::: （__人__） l_j :::＼ /⌒)⌒)⌒)
| / / / |r┬-| | (⌒)/ / / /／
| :::::::::::(⌒) U .| | | ／ ゝ :::::::::::/
| ノ | | | ＼ / ） /
ヽ / └ー.┘ ヽ / ／
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ●）（●） ・・・何年、やる夫様のお傍にいると思ってんだ？
. | （__人__） 俺が一色家の庶子で家督を継げないから
| ｀ ⌒´ﾉ 本家の足利家に奉公してからだろ。
. | } やる夫様に本当は征夷大将軍になる夢なんて
. ヽ } ないことは知ってるよ。
ヽ ノ
/ く ＼
| ＼ ＼
| |ヽ、二⌒)､
349 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/29 22:58:33 ID:86iBfr59
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ⌒）（⌒） ・・・でも足利家中は皆けっこう本気にしてるんだぜ？
. | （__人__） それはやる夫様はそれだけ人望があって
| ｀ ⌒´ﾉ 信じられてるってことだろ。
. | } ・・・・・・俺もやる夫様がどんな決断をしても
. ヽ } 最後まで付いていくつもりだぜ。
ヽ ノ
/ く ＼
| ＼ ＼
| |ヽ、二⌒)､
＿＿＿
／ ヽ､_ ＼
／（● ） （● ） ＼ ・・・・・・・・・右馬介。
／:::⌒（__人__）⌒::::: ＼ （やる夫に天下の器だおか・・・父上も道誉も言ってたお。）
| ｌ^l^lｎー'´ |
＼ヽ L ／
ゝ ﾉ
／ /
350 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/29 22:59:59 ID:86iBfr59
＿＿＿_
／ ＼
／ _ノ ヽ､_.＼ （でも征夷大将軍になると言っても
／ （●） （●） ＼ 実はやる夫はどうすればなれるのかがよくわからないんだお・・・）
| （__人__） |
/ ∩ノ ⊃ ／
( ＼ ／ ＿ノ | |
.＼ “ ／＿＿| |
＼ ／＿＿＿ ／
,.. --ｔ'7.ﾉ ヽ'i i :.ヽ､ヽ､
|'l^'‐ﾐ_ﾘ∠-ゝ'l : ::.i ヽ 丶
ﾘ ,-''´ ヽ!l i | i: `!ﾐ`l
|i' |, __ ;,..ｨ=ﾆ!i i :.i|! /.､ | やる夫様、客人がお見えになっております。
!,.i |ﾝt.) ´~^!| //.ﾉﾆ）'
ﾘ､ 'l. ﾉ !//)ﾉ:ンi'
|'.ヽゝ.`,..'... - |/'ﾉ ,|ヽ !
'l'ゝ. ' ,.／ `|
.ヽ___,....＜__,.....-'_l:､
_,..-/ )ﾆ/ / .l i Yﾆ|. ヽ-､_
__,.- '´.／ .ﾉ!/ .| ___.i. ヽ,|, 丶 `‐.､.._
_,..ｨ‐'´ / .i' ｙ,‐､〈´| | ,-ｔ||! ヽ `'‐.､.._
/' / <._ ,.j|||〉 `´ ' `T '||l!､ _,.> : ヽ
/ | _＞´ ||||7'i .l'i'､ f L.r,､| ヽ､ |! i
上杉憲房
351 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/29 23:01:29 ID:86iBfr59
＿＿＿_
／_ノ ヽ_＼
／（ ●） （ ●）＼ 客人・・・もしかして道誉が帰ってきたのかお？
／ ::::::⌒（__人__）⌒::::＼
| ￣ |
＼ ／
_,､-;,;-,,､_
＿ _i'ﾆﾞ;- -=ミii|||i':;､
i┌ﾞミ!i||||iin,ヽヾ: i|||iiゞ
ﾞi.||||i'゛ ﾞ; : ;;||ﾞ'';|i いえ・・・かつての源氏長者で先帝の側近中の側近、
|i.!!ゝ,, ､:'ｅｧi!ﾞi|||!ﾞ,!|i, 北畠親房殿です。
|! ヾ;~|_ , | .!!' T~ヽ
ヽ--- ﾞ, 'ｰ-'｀i;､
＿.＿／!｀;--イ '､ ヾ,'､',:ﾞ':､_
,.､::;;''ﾞ::::::::::::::/::::::!ﾞ､ ヽヾ;::ヽ｀''-､_
/:::::::::::ﾞ ,:::::::::::L_::::::| ', ,､-､_,'ﾞし､):::;ゝ::::::i:ﾞ:'-､
/::::::::::::::::::ﾞ､:::::::::::::ﾌ´:!｀y' ',.ゝ ､ヽヾ~ヽ;::::::::!:::::::i
/:::::::::::::::::::::::i::::::::<´::::::::||｀iヽ'~',､' )ﾞ_.）::::::ﾞi::::::i:::::::|
352 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/29 23:03:00 ID:86iBfr59
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ●）（● 北畠親房殿と言えば、後醍醐天皇の信望の厚かった側近の一人。
| （__人__） しかし今は出家し、一線を退いていて今回の挙兵にも無関係のはず・・・
. | ﾉ
| ∩ ノ ⊃
／ .／ ＿ノ
(. ＼ ／ .／_ノ │
＼ “ ／_＿_| |
. ＼／ ＿＿＿ /
＿＿＿_
／ ＼
／ _ノ ヽ､_.＼ そんな人物がやる夫になんの用だお？
／ （●） （●） ＼
| （__人__） |
/ ∩ノ ⊃ ／
( ＼ ／ ＿ノ | |
.＼ “ ／＿＿| |
＼ ／＿＿＿ ／
353 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/29 23:04:30 ID:86iBfr59
,.. --ｔ'7.ﾉ ヽ'i i :.ヽ､ヽ､
|'l^'‐ﾐ_ﾘ∠-ゝ'l : ::.i ヽ 丶
ﾘ ,-''´ ヽ!l i | i: `!ﾐ`l
|i' |, __ ;,..ｨ=ﾆ!i i :.i|! /.､ |
!,.i |ﾝt.) ´~^!| //.ﾉﾆ）'
ﾘ､ 'l. ﾉ !//)ﾉ:ンi' 何やら、やる夫様にお頼みしたいことがあると・・・
|'.ヽゝ.`,..'... - |/'ﾉ ,|ヽ !
'l'ゝ. ' ,.／ `|
.ヽ___,....＜__,.....-'_l:､
_,..-/ )ﾆ/ / .l i Yﾆ|. ヽ-､_
__,.- '´.／ .ﾉ!/ .| ___.i. ヽ,|, 丶 `‐.､.._
_,..ｨ‐'´ / .i' ｙ,‐､〈´| | ,-ｔ||! ヽ `'‐.､.._
/' / <._ ,.j|||〉 `´ ' `T '||l!､ _,.> : ヽ
＿＿＿
／ ヽ､_ ＼
／（● ） （● ） ＼ （やる夫に頼み・・・？）
／:::⌒（__人__）⌒::::: ＼ 分かったお、会ってみるお。
| ｌ^l^lｎー'´ |
＼ヽ L ／
ゝ ﾉ
／ /
354 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/29 23:05:59 ID:86iBfr59
／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
／::::::::/ﾚ'`ー ‐ - - - - ､ _ _ _ _ _ _ ヽ
/::::::::::::::l／l／ ￣ ｀ ¨ 丶 ､__ _ _ _ _ _ _ _ _.',
//::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
. //:::::::::::::::::/:ｲ::::::::::∧:ﾄ､:ﾄ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾊ
/ l ::::::::::::l:::Tトl::::::::l::l__l:l__l:l_＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::N
,′l ::::::::::::l vｧ‐､:::::::l:l l__l:l_ l:l::::::::::::::l:::::::::::::::l:l
l ｌ ::::::::::::ｌ. ﾄ:ﾟ:::ｌ＼:ｌ:l t_)::心 l::::::::::::::l-､::::::::// お初にお目にかかります、足利高氏殿。
. l :: :::::::::ｌ.弋::ﾀ ヽ! l::::::::c}j::::::::::::::l }::::/
. l:::| ::::::::l , ` 一 /::::::::::::::l ノ／
. l:::l ::::::::::､ _ /::/:::::::::::l::从
l:l N ::::::::l＼ ｀ ノ::/:::: /l::// ___
l:l ｌ ::::::|l::| 丶 ＿____.. イ::::::/-l/＼ ／:::;へ＿＿＿＿_
l ::::::|l::| >､_./::::/ ／∠,＼ fr==<／:::,.-===＝＝=､
ｌ :::::|v ffT /::::/／／-―--ヽ＼_____〃:::::r―|￣l:||::＼
', :::| ／:l |l/::／ ／ : : : : : : : : :V::::::::::|「￣:|::::::|:::::|:||:::::::＼
＼! ／/.:.「|.レ' ／ : : : : : : : : : : : :l:::::::::::|l:::::: |::::::|:::::|:||:::::::::::::＼
／￣￣￣＼
／ ─ ─ ＼ （・・・えっ、子供だお・・・・・！？）
／ （●） （●） ＼ き、君が北畠親房殿だお・・・か？
| （__人__） u |
＼ ｀ ⌒´. ／
／ ＼
355 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/29 23:07:30 ID:86iBfr59
＿ ｒーｒ―ｒ､ｒヽ､
／. . ＼ ｒ―／二二､´. . .ヽヽ＼
／. . . . . . ＼/ー. . . . . . . . .ヽ. . .ヽ. ..ヽ
/. . . . . . . . . .ヾ. . . . . . . . . . . . .ヽ. .＼. l
/. . ./. . . /. . . /`. . . .ﾊ. . . . .ヽ. . . . ヽ. ヾ|
/. . /. . . /. ./../. . ./. ./ |.|ヽ. l. . ヽ. . . ヽ. .ヽ
/. . / . . /. . /. |. . . l. ./ |,l ヽ. |. . .ヽ. . . ヽ. . ヽ
/. . /. . ../. . .| . |. . . |. | _|.|_,,ヽl_l. . .ヽ. . . .l. . . ヽ
| . /|. . . |. . . | . |. . . |. l'´r|.|―-､ヽ . ヽ_. . .l. . . . ヽ
|. .| |. . . |. . ..」」_ヽ. . |. l l､ノ;ヽヽl. . ヽヽ./. . . . ..ヽ いえいえ高氏殿、私が北畠親房です。
|. .| |. . . |. . . |/ljヽヽ |ヾ ヾ :;;ﾒ |. . .|ノｲ. . . . . . ヽ
|. .| |. . . |. . . |l ヾ:;;l ヾ /// |. . .|. . . . . ヽ. . .ヽ
|. .| |. . . |. . . ﾊ ` ' |. .|.|. |. . . . .ヽ. . .ヽ
|. .| ヽ. . ヽ. . |ﾊ〃 ー ´ ／∥..|.|. |. . . . . ヽ. . ヽ
ヾ.| ヽ. . ヽ. .|. .ヽ ／ |. /ﾘ. |ヽ. . . . .ヽ. ..ヽ
ヽ. . ヽ..| ＼. .. ＞ - ' |./ヽri.| ヽ. . . . . ヽ ヽ
ヽ. .ヽ ゝ. .< | ／ |;;;|＼ヽ. . . . . ヽヽ
ヽ..ヽｲ／l>､.ヽ| ___／ |;;;|/ ヽ､. . .ヽヽ
／ ヾ/;;/| ヾヽ ／ /;;;;| ヽ. ヽ
＿／ /;;/ .| > /;;;;;;;| ヽヽ
／ ....:::::::::／;;/ l ／ /;;;;;;;;;;| ヽ
/::::.... /;;;;;;;;;＼ | ／ ／;;;;;;;;;;;;;| ヽ
／ ...:::::::::/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼＿＿ ／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| ヽ
北畠親房
／￣￣￣＼
／ ─ ─ ＼ えっ・・・？じゃあ、そちらの少年は？
／ （●） （●） ＼
| （__人__） u |
＼ ｀ ⌒´. ／
／ ＼
356 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/29 23:08:58 ID:86iBfr59
／ | ＼ ＼
::::::: / / ｜｜ ヽ ヽ
::::::::::: | /| /! | ! | | !
:::::::: | ｜ / |｜| / | ﾊ ｜ﾊ | |、 !
::::::::｜| ﾊ ,斗十ト| ∥ 斗|〒'ト|､| ｜ | | |
::|::: ｜|ィﾍ | V V | | / ﾚﾞ |/∨｜! ｜ | | | ああ、そちらは私の長男の顕家です。
::|::: ｜V ∨ ＿ ﾚ| / ＿_ | | / | | | | まだ十五歳なんですけど、北畠家の当主で
┤::: | | _z＝=ｭ ﾚ ｚ＝=ｭ､ﾉ/ / | | |/ それにちっこいですけど強いんですよ♪
｜ :: ＼! " |/ / ﾊ / ヽ
｜:: | 〉 ﾚ :: / | | ｜
`! |:::: | r----┐ ｜:: | | | ｜
｜|::: | |、 { l , 少::::: | ﾚ| ｜
. ﾚ! : | ﾚ㌧、 ､＿＿ﾉ , ィ´ | |:: l | ｜{⌒i
｜|:::::N/ _|:::＞:､..__ ｰ _, '´ ! ｜|:: | / __⊥、}⌒i
｜| :: |／､|:::::::::::::::::::￣├､ ｜ V|:::::::/ /／ `ブ/ /ヽ
｜＼::! ＼::::::::::::::: |l ＼ l |:: / | / /´じ/､ / /
／..:.: :.:.::..｀丶、
／ ....:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.... ＼
, ′..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./.:.:.:.:.:.∧:.:.:.:.ヽ:.:.:.:ﾍ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..
/.:.::::'7ｧ:.::|::.:|:::.:.:.::|:| ヽ:.:::}:|:.:ヽ:.:}:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:'.
/ｲ '7//7::从ﾉﾘ{:::.:.|:l _｣,厶L-‐::.!::.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: ',
, ' ／///:.::| ,≧ｭ{::.: ! ´ '{_,ﾉ;;ﾊヽﾘ:::::.:.:.:.|::.::.:.:.:ﾄ､::.
／ , , ' //,ﾉ::{f'し:;;} ＼{ Vｹ::ﾀ ’|:::::.:.:.:.|::.:.:.:.:.| ヽ 私が北畠家当主の顕家です！
／ ,′ ,. ':.:.:ゝ 込ｿ ヽ ｀¨´″ |::::.:.:.:.:|､::.:.:.ﾘ
／｛{ ノ /:.l.:.:.::ﾄ､ :. |::::.:.:l:.:| }::.:/
／ ,ﾊ'. ｲ:/ | :.:::! ｀ |::::.:.:|:.:!':.:/
. ／ ／ ヾ、r '′|:! :.:.::ヽ、 ‐ |::::.:.:j/:.:/
／ ｛ || |:.:.:.::|::|l:..､ ,.イ::::.:.:/／
. ／ ／ |! |:.:.:.::|::|l 丶､ __ . ´ j!::: :/
. ／ ／ '.:.:.:::|;ﾊ | j::.:/
, ´ ＼::|…‐- .,__rく_,.．-‐ /／ヽ
/￣ ¨ ￢ヘ-─／ ヽ／..:::／/〈::.::.:〉 ,／ ／｀７ ｰ- ､
. / ノ ＼ /..::::::/／::.::.厂::.＼ ／ / ／￣｀ｱヽ、
＼ 〃￣〃{::.::.::.j{:.::.::.::.:.＼ / ／..::::::／ ハ
北畠顕家
北畠親房は後醍醐天皇の皇子・世良親王の養育を託されるなど後醍醐の信望が厚い賢臣であり、
吉田定房・万里小路宣房と共に「後の三房」と呼ばれた。また北畠家では初めて源氏長者に任じられたこともある。
しかし世羅親王が急死すると責任を感じた親房は出家し、家督を長男の顕家に譲り政界から既に退いていた。
357 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/29 23:10:30 ID:86iBfr59
＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ─ ＼ で、その親房殿がやる夫に頼みってなんだお？
／ （●） （●） ＼
| （__人__） |
＼ ｀ ⌒´ ,／
/⌒ヽ ー‐ ｨヽ
/ ,⊆ニ_ヽ、 |
/ ／ r─--⊃、 |
| ヽ,.ｲ ｀二ﾆﾆうヽ. |
/ / / / / .::| .:::ハ. l:. ヽ ..:;ハ ヽ.
. / / / .′ / .::// .::/| :::::| l: |i::.. |. ! ノ:イ:| l
/ ,′ .:/ l l .:://| :/ !｜ ::|:| ,ｨｷ弐ド､､. |:. | |:::::::::| |
i /l .:/ l l.斗-┼十l＝イl:. ::|:| ゝ..トV:.｀ト､. | |:::::::ｨ! | 実は同じ源氏一門としてやる夫様にお願いがあるのです。
|./ | :j′ ｜ | .:|.:ハ 千￣｀|ハ. ::|:| ヽ ヽ:.|Ⅵ.|: !彡:,′| | 我が北畠家の一族で帝の笠置挙兵にも従った
|′| .:l| | l! :N_.斗七ﾆ.示 Ⅵ::N 不テ二ミﾄトⅥ: l|::::/ | | 北畠具行の助命をお願いしに参りました。
| | .:::l| .: | ハﾊ｀{´トｨ:::::j.:| Ⅵ:| トｲ:::::::i :} j小|:: l|､/ ｜ |
! :|| :: ハ|:::小 乂＿ツ ヽ:| 乂＿.ジ |::::: l| }! | |
l.::::|| : :::::::::|:|! ｀￣ ﾉ ￣´ l!:::: ||/|. ..!.｜
|::::|l| ::| :::::::::l小 ` /::}:: l....|. ..|.｜
｜:||.|.::|: :::::::::|::lハ ｰ ｰ-- ' /|:::l: |....|. ..|.｜
l::|| Ⅵ!:...::::::::|::|......＼ .ｨ::|.|:::l: |.....|.. ..!..|
ヽ| .ﾊlV..::::::::|!:|........./ ＞ . イ‐ミ|.|:::|: ﾘ......!.. ...|..|
| |.バ∨::::::||:|........:!.......／ﾊ｀ ー‐ ´ ∨ |/|. /........|... ...l..|
|｜. .∨:::|ﾄ|_....斗 ´ | } / / //`iー､|__.. .|.|
358 名前：名無しのやる夫さん ：09/05/29 23:11:34 ID:C3q5fEM9
顕家というと、ゴクミだなｗｗｗ
359 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/29 23:11:58 ID:86iBfr59
親房が出家したあと、まだ幼少の当主・顕家の後見人となっていたのが一族の北畠具行であった。
だが後醍醐天皇が挙兵すると具行は天皇に従い共に笠置に籠城。
笠置落城後は幕府に捕らえられていた。
ﾏ｀::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾑ,
ﾔ::::::::::::::::,ｨ::ﾊ::/!,へ::ﾄ､i､::,、::::::::::::∠,
＜::::::::／ﾚ' ' '´ , ｀ ヽ!ヽ::::::::::>
<:::::::,' ,z＝＝=､ / z=＝=-､ |::::::::::>
ﾑ:::::l ' , -- ﾐ ヽ , ―‐､ l::::::::,ゝ
>::::| { 0 ! 0 } .!::::::,ゝ
Yヽl , -‐= | =‐- ､ lr‐ﾐ
l ｸｌ| '''''''' ｜ '''''''' ll斤}
ヽヾ! _ _ ,'ノ/
＼! ､＿＿＿＿＿_,, ,'／
',. l'´: : : : : : : : `l ,'
ﾄ､ ',: : : : : : : : :/ /
l ＼ `ー―― ´ ／ l、
／! l ＼ ￣ ／ i !:ヽ.
／:.:.:l} ',. ￣￣￣ / ll:.:.:.ヽ
北畠具行
360 名前：名無しのやる夫さん ：09/05/29 23:12:05 ID:f1HfHtTF
確かにこいつは強いｗｗｗ
361 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/29 23:13:27 ID:86iBfr59
＿＿＿_
／_ノ ヽ_＼
／（ ●）（ ●）＼ 北畠具行の助命だおか？
／::::::⌒（__人__）⌒::::: ＼
| （ （ |
＼ `ー' ／
/ / / / / .::| .:::ハ. l:. ヽ ..:;ハ ヽ.
. / / / .′ / .::// .::/| :::::| l: |i::.. |. ! ノ:イ:| l
/ ,′ .:/ l l .:://| :/ !｜ ::|:| ,ｨｷ弐ド､､. |:. | |:::::::::| |
i /l .:/ l l.斗-┼十l＝イl:. ::|:| ゝ..トV:.｀ト､. | |:::::::ｨ! |
|./ | :j′ ｜ | .:|.:ハ 千￣｀|ハ. ::|:| ヽ ヽ:.|Ⅵ.|: !彡:,′| |
|′| .:l| | l! :N_.斗七ﾆ.示 Ⅵ::N 不テ二ミﾄトⅥ: l|::::/ | | ええ、具行は私が出家した後も北畠家と
| | .:::l| .: | ハﾊ｀{´トｨ:::::j.:| Ⅵ:| トｲ:::::::i :} j小|:: l|､/ ｜ | 顕家を支えてくれた功労者。
! :|| :: ハ|:::小 乂＿ツ ヽ:| 乂＿.ジ |::::: l| }! | | なんとしても生かしてやりたいのです・・・
l.::::|| : :::::::::|:|! ｀￣ ﾉ ￣´ l!:::: ||/|. ..!.｜ 同じ源氏の名門である足利家の
|::::|l| ::| :::::::::l小 ` /::}:: l....|. ..|.｜ あなたならと嘆願しに参りました・・・
｜:||.|.::|: :::::::::|::lハ ｰ ｰ-- ' /|:::l: |....|. ..|.｜ なにとぞ、お願いいたします。
l::|| Ⅵ!:...::::::::|::|......＼ .ｨ::|.|:::l: |.....|.. ..!..|
ヽ| .ﾊlV..::::::::|!:|........./ ＞ . イ‐ミ|.|:::|: ﾘ......!.. ...|..|
| |.バ∨::::::||:|........:!.......／ﾊ｀ ー‐ ´ ∨ |/|. /........|... ...l..|
|｜. .∨:::|ﾄ|_....斗 ´ | } / / //`iー､|__.. .|.|
362 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/29 23:14:58 ID:86iBfr59
＿＿＿_
／ ＼ （ ;;;;(
／ ＿ノ ヽ__＼) ;;;;)
／ （─） （─ /;;／ ん～～～～・・・・・・・・・
| （__人__） l;;,´
./ ∩ ノ)━・'／
( ＼ ／ ＿ノ´.| |
.＼ " ／＿＿| |
＼ ／＿＿＿ ／
363 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/29 23:16:28 ID:86iBfr59
／ ::.::.::.::.::.::.::.::.:.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.＼
／,... .................................................... ヽ
/.::/:.::.::.:.::.::.::.:::.::./::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:ﾊ、
/:.:/:.::.::.::.::.|::.::.|::./!|::.::.::.::.::.:|::ﾄ::.::.::.::.::.::.::.:i:ﾄ＼
i:.:/|i:.::/.:.::|ﾊ:._:ﾑ{-|l!:.::.::.::.:|:A:|_|::.!::.::.::.::.::.:|:ヽ
|/ !!::l::.::.:イ V_士ﾐ:|l::.: ::.:/ムﾆ|::ト::}::.::/::.ハ:l
l′ |l::|:ﾄ::.: |,ｲ.ﾉ;;;;j.}ハ::.::/ﾉｲﾉ;;;jｲ}:/::./::.::.| |
|ハ|:ﾊ:.:{ 廴zヅ V 廴zﾂﾉ}.:/::.::.: | お願いします・・・高氏殿。
|.::|:.::::ヽ{｀¨,,,, , ,,,,¨´/:/:::.::.::.:′
Ⅵ:.::::::::ト ___ ノﾌ'::::.::.::/
Ⅵ:.:::ﾄ:l＞､.. ｰ' ... イ}::/:.://
ﾄ:.::|｜ ノ´{｀ ― チヽ /ｲ::./′
,∠.＞Ⅵ弋| __,＞ｫj＜.､、 |7７::/＜ﾆヽ
/../...｀7|ヾ. ﾄ{{´／/ﾊ､ヽ }}/| /:/ |´...ヽ...ヽ
/..ナｰ/､.! |.廴..ｲ{_l_lト=''__j/´ ﾊ.-‐十..∧
ﾉ../...../......|.＿__{..士.}.}士!｢.l..__j＿_/...|......_ヽ._∧
/‐十...十..-ﾊ |.| l.｢ /‐...｢...........}..｀.}
ヽ:::ヽ:::::ヽ:::::::} |｣ j｣ {.l.....ﾉ::::::::::ﾉ::.ノ
＿＿＿_
／ ＼
／ _ノ ヽ､_.＼ ・・・・・・・・・・・・・・・
／ （●） （●） ＼
| （__人__） |
/ ∩ノ ⊃ ／
( ＼ ／ ＿ノ | |
.＼ “ ／＿＿| |
＼ ／＿＿＿ ／
364 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/29 23:17:59 ID:86iBfr59
＿＿＿_
／_ノ ヽ_＼
／（ ●）（ ●）＼ ・・・分かったお。
／::::::⌒（__人__）⌒::::: ＼ やる夫なんかが役に立つかが分からないけどお願いしてみるお。
| （ （ | でもあんまり期待しないでほしいお。
＼ `ー' ／
／.: / / i | ヽ
/ .:ィ ./ i ,ｲ / | }! ヽ. | i
/／ / ハ .:| | /｜/ ,ﾚi/ ﾊ|: ハ |､ ヽ l
′ ′: ..:.| ､ヽ! l: / lﾑイ | ′}:ト 廴|_ヽ | |
. /.:.／:.:.l. :ヽ|.: ﾊ丁￣ | | / | ヽ| ハ| |
/／|:.:.:.:∧:.:.:|: | 斗==＝＝ l./ / ＝＝ =l= | | |. | 感謝します、高氏殿！
ノ' |:.:.:.:.:.:.〉´|:.. | /／ / ／ﾉ' / ／ /／/ {.:. |! |
. |:.:.l:.:.:.{ |::: l／ / ､＿, ､＿ﾉ /／,ハ:. .: ハ |
. |:.:ﾊ:.:.:ヽ. |:::. | | | 八.:. | :|
V |:.:.:.:.｀|:.:.:. | | | ／:.:.:.:.:.|
｜.l:.:.:ﾊ:.:{:.:ト . l l . イ |:.:.l.:.:.:l
!:.ﾊ:.:.∧|: | ｀ ┬--l .ﾘ‐ ´ |:/|:.:.:.|
}′l:.:{ |:..L _r‐､_ﾉ 廴 ｲ＿r‐､-- ､l' !:.:./
ﾉ′}:.／ヽ:{ ヽ ＼ __ __ﾉ / ヽ.|:./
/- ､ ＼ `ー---‐彡' .ﾊ′
｜ ＼ ｀ ¨¨¨¨´ i / |
365 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/29 23:19:29 ID:86iBfr59
_＿＿
. . :´.: : : : : : : : .:｀ . 、
／: : : : : : : : : : : .: .: .＼
..: : : : : : : : : .: . . .: : : : : :＼
/: : . . .. .. . .: ::、 :. 、.: :. : :ヽ
.: : . . .. .: : :: : : : :::!＼: .＼: ::. : : :.、
:. : : . : : : : : .:ヽ: : |､:: : : |X´＞､ﾄ､::..:.:.:トゝ
!: : ::. : : : : .:.:.::.:ﾄ、!_ヽ:: .:ｉ,rく心.ヽ{＼.:.:|
:..:. :.:.. : :{: : :.::从ﾍiﾆ、＼| 弋リ い ヽ!
'.::. :::.、 ',::...:/ xくｭ沁 ､ }: ! それと、高氏殿。
.:!､::∧: ＼{ﾍ{ く込ﾉ ′ /: :! 私からもう一つ北畠家当主としてお願いがあるのですが・・・
',い:{ ﾊ::...:.:.∧ ｒj .ｲ.:|:.:|
ヾｰﾍ::.: : ∧._ ∠ 」∧:|
＼ ヽ:::､.:ﾍ.､ ￣丁´ヽ＼′',ﾄ、
>､ﾄ､:',.｀`丶|rく⌒＼ヽ !
∧ ヽ:, ／ヽく : : : ∨{' !
/ ､ ｀ {.: : : .:|＼__/}ﾉ｝|
／ ヽ. ';_:_:__;!ヽ } ﾊi
i ｀ヽ、 ､＼＿} ＼} / / !
| ＼ }＜ ＼ / i
＿_＿__ ━┓
／ ― ＼ ┏┛
／ノ ( ●) ＼ ・
. ｜ ( ●) ⌒） | ・・・・・・・・・なんだお？
. ｜ （__ノ￣ /
. ｜ /
＼＿ _ノ＼
/´ |
. | / |
366 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/29 23:20:59 ID:86iBfr59
／..:.: :.:.::..｀丶、
／ ....:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.... ＼
, ′..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./.:.:.:.:.:.∧:.:.:.:.ヽ:.:.:.:ﾍ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..
/.:.::::'7ｧ:.::|::.:|:::.:.:.::|:| ヽ:.:::}:|:.:ヽ:.:}:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:'.
/ｲ '7//7::从ﾉﾘ{:::.:.|:l _｣,厶L-‐::.!::.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: ', ・・・征夷大将軍になられて帝の、
, ' ／///:.::| ,≧ｭ{::.: ! ´ '{_,ﾉ;;ﾊヽﾘ:::::.:.:.:.|::.::.:.:.:ﾄ､::. 後醍醐帝の力になられてほしいのです。
／ , , ' //,ﾉ::{f'し:;;} ＼{ Vｹ::ﾀ ’|:::::.:.:.:.|::.:.:.:.:.| ヽ
／ ,′ ,. ':.:.:ゝ 込ｿ ヽ ｀¨´″ |::::.:.:.:.:|､::.:.:.ﾘ
／｛{ ノ /:.l.:.:.::ﾄ､ :. |::::.:.:l:.:| }::.:/
／ ,ﾊ'. ｲ:/ | :.:::! ｀ |::::.:.:|:.:!':.:/
. ／ ／ ヾ、r '′|:! :.:.::ヽ、 ‐ |::::.:.:j/:.:/
／ ｛ || |:.:.:.::|::|l:..､ ,.イ::::.:.:/／
. ／ ／ |! |:.:.:.::|::|l 丶､ __ . ´ j!::: :/
. ／ ／ '.:.:.:::|;ﾊ | j::.:/
, ´ ＼::|…‐- .,__rく_,.．-‐ /／ヽ
/￣ ¨ ￢ヘ-─／ ヽ／..:::／/〈::.::.:〉 ,／ ／｀７ ｰ- ､
. / ノ ＼ /..::::::/／::.::.厂::.＼ ／ / ／￣｀ｱヽ、
＼ 〃￣〃{::.::.::.j{:.::.::.::.:.＼ / ／..::::::／ ハ
＿＿＿
／ ＼
／ノ ＼ u. ＼ ・・・・・・！？
／ （●） （●） ＼
| （__人__） u. |
＼ u.｀ ⌒´ ／
ノ ＼
367 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/29 23:22:28 ID:86iBfr59
. /:::::::::::::::::::::/::::/:::/|:::::::::::::::i::ﾊ:::|＼ﾍ::::::::::::::::::::..ﾍ
//!::::::::::::::::::ﾊ:::/|:/ |::::::::::::::|::|⊥!＿!:ﾄ、:::::::::::::::::::ﾍ
. // |::::::::|:i:::::├i::|¨|￣ |ﾊ:::::::::ハ| ﾘ＿ｻ ∨::::::::::::::::::ﾄヽ
/' |:::::::::|ﾊ:::::|ｨ斤气ｋ |' ∨::::! |彳テﾍミ､|ｨ:::::::::::::::::ﾊ ﾍ 今の幕府、北条の政権には正義がありません。
|:::::::::|:::ﾄ:::ﾊイ:::::ﾈﾘ ∨:| lY::::::ｿ.ﾊ|:::::::i::::::::::|ﾊ 私は後醍醐帝にこそ、正義があると思っております。
|:::|:::::::::::ﾍ|｀ゝｭｚソ V 込zｭﾉ |::::::ｲ:/::::::|､ﾍ それに北条は平氏・・・今こそ源氏一門が正義のために
|:::|:::::ﾄ:::::| , /ｲ´::|/|::::i::| V| 後醍醐帝を奉じて決起するときだと私は考えています。
|:::ﾊ:::|丶ﾍ |:::::/:::|::::|::| |'
|::! !::::::∨! ､ ─ ｲ:::::::::::|:::,'|'
|::! ∨::::::|:::i ヽ ／ |:::::::::/|/
ヽ! ∨::::|､:| ｀ t､ ＿ ,. - i´| |::::::/ |
∨::|ﾍ| 入 |^ヽ /:://
. ∨| / r' ／ }':://
368 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/29 23:24:57 ID:86iBfr59
／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
／::::::::/ﾚ'`ー ‐ - - - - ､ _ _ _ _ _ _ ヽ
/::::::::::::::l／l／ ￣ ｀ ¨ 丶 ､__ _ _ _ _ _ _ _ _.',
//::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::', 征夷大将軍は帝による宣旨により与えられるもの・・・
. //:::::::::::::::::/:ｲ::::::::::∧:ﾄ､:ﾄ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾊ 私は源氏最大の勢力を持つあなたにこそ
/ l ::::::::::::l:::Tトl::::::::l::l__l:l__l:l_＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::N 征夷大将軍が相応しいと思っております。
,′l ::::::::::::l vｧ‐､:::::::l:l l__l:l_ l:l::::::::::::::l:::::::::::::::l:l あなたが征夷大将軍となって後醍醐帝を助けるのです。
l ｌ ::::::::::::ｌ. ﾄ:ﾟ:::ｌ＼:ｌ:l t_)::心 l::::::::::::::l-､::::::::// 後醍醐帝にこそ正義がある・・・私はそう考えております。
. l :: :::::::::ｌ.弋::ﾀ ヽ! l::::::::c}j::::::::::::::l }::::/
. l:::| ::::::::l , ` 一 /::::::::::::::l ノ／
. l:::l ::::::::::､ _ /::/:::::::::::l::从
l:l N ::::::::l＼ ｀ ノ::/:::: /l::// ___
l:l ｌ ::::::|l::| 丶 ＿____.. イ::::::/-l/＼ ／:::;へ＿＿＿＿_
l ::::::|l::| >､_./::::/ ／∠,＼ fr==<／:::,.-===＝＝=､
ｌ :::::|v ffT /::::/／／-―--ヽ＼_____〃:::::r―|￣l:||::＼
', :::| ／:l |l/::／ ／ : : : : : : : : :V::::::::::|「￣:|::::::|:::::|:||:::::::＼
＼! ／/.:.「|.レ' ／ : : : : : : : : : : : :l:::::::::::|l:::::: |::::::|:::::|:||:::::::::::::＼
／￣￣￣＼
／ ─ ─ ＼ ・・・・・・・・・・・・
／ （●） （●） ＼
| （__人__） u |
＼ ｀ ⌒´. ／
／ ＼
369 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/29 23:26:29 ID:86iBfr59
＞￣｀＞ -― ‐- ､/⌒＼
／_, ／ ､ ヽ
/´/´ｨ/.::: / / .l .. ﾄ.!、 ヽ ､ l
|/７i ::::/::|::斗;/| |::..ﾚ|‐ﾄr< l |
ﾊ:| :::|:::ｲ/ |′|ﾊ/ ﾊゝ＼N_ まあ、私らはそんな風に考えているということで
｜::ヽ:_!::: | ,z==' ,r=ミ {ド､ ＼}ヽ 今日は失礼しますね、高氏殿。
V_|（_l:::::| xxx r-ｰr xx.八.}ﾄ､ / ヽ 具行助命の件、お願いしました。
|::l::l::::ﾄ､ ヽ._ﾉ ｲ}: ムノ |
Nヽﾄ::V{､ ーri＜´ |:/ ｀iヽ .ノ
,ｨﾍ:ト､＼. } | jｲ ／
rく. ヽ ＼ ﾉ | ｀| ／
/ ＼ / | V
/: : : :l: : : : : | : : : : : : |: : : : : : l: : : : : : : : :ﾊ
/: : : : |: : :l: :/|: l: : : :|: :l＼: : : : l: : : : :l: : : : :ﾊ
,: : : : : :!: : l:/ｰｌ: l: : : :|: :|ーヽ: : :l : : : : l: : : : :｜
/: l: : l : |: : N≠Vﾊ : : |ﾚｔ＝ミl: :/: : :ﾊ: :l: : : ｌ: :l ・・・・・・・・またお会いしましょう、高氏殿。
|:/|: : l : |: : lﾘr〉::l Ｖﾘ rﾉ::::::ﾙ' |: :/: :Vﾊ: : ｌ: :|
|' l: :ﾊ: :ヽ: トVり V 弋Ｚり /:ｲ: : : |ｿ: :/ﾚﾉ!
| l: l |: :l: : l "" 〈 "" イ : : : /: :〃 |'
V l: l: : :l _ ＿ l: : : :/: :ｲ
ヽ!: : :ゝ. / : : /: ﾉﾘ
|: : : : :ﾊ＞ ＿ イﾚ: : /´ {
|: : : :/ _ｲ介レ'´/: :〃 ／＼
|: : :/ イ_ﾉ ＼l /／ ｨ彡-― ＼
|: :/／ /| ｝ /' ／ ヽ
370 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/29 23:27:57 ID:86iBfr59
こうして北畠親子はやる夫に北畠具行の助命を嘆願し、上杉邸を去った。
／￣￣￣＼
／ ─ ─ ＼ 北畠顕家、あの若さであんな考えを持ってるなんて・・・
／ （●） （●） ＼ 恐ろしい少年だお・・・
| （__人__） |
＼ ｀ ⌒´. ／
／ ＼
371 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/29 23:29:29 ID:86iBfr59
そして、ついにやる夫が京の都を去る時が来た。季節は既に春になっていた。
＿＿＿_
／_ノ ヽ_＼
／（ ●）（ ●）＼ それじゃあ北畠具行助命の件は任せたお、
／::::::⌒（__人__）⌒::::: ＼ だてまさ・・・じゃなかった、道誉。
| （ （ |
＼ `ー' ／
＿＿／ ／
／,;;;:.／ ／｀＼
__ / i:／ ／ .:;;: ＼
. / | ､＿＿__,ﾚ ' ／'￣≧ .:;;r;;;:＼_
. |/^'| ＼__＿＿__,／i ∠::::::::ｨ< .;r;;;:＼ ああ、分かった。
|,ﾒ | ﾉ ＿＿､' :: ｨ<::::ｨ< ＿:;／} 六波羅に頼んでみよう。
. |,ﾒ | 〈,/{ﾘ'~ﾞ;‐ﾟ' ヽ.､ ｨ:: :: ｨ<::／:'／ /
|,ﾒ | | / ヽ.､ｨ ::／:'／ /
. |,ﾒ | j `j'_ _., //＼､ i:／ |￣￣ゝ
|,ﾒ | ﾉﾚl｀i三ニﾆ´ﾑﾉﾘ／ , ￣＼::＼
. |,ﾒ | ,〃jﾉ｀ｰ‐=ﾍﾚ^／ ／ |:::;;:ヽ
_ﾚ' ￣＼_＿..... --‐‐'¨ﾚﾘ|￣ ＿／ ､ |:;:;;::,ゝ
｛__,-‐‐' | ::::::::| ／ .人 ;' ､ _`､＼::＼
｛ ___,-‐' | : :: :: :: ::::;:;:;;;;ﾚ' ／::::::::＼ ; ; `､_ _;. ヽ::|
[￣ ＿,--' ﾚ‐‐―-----=､/ ／;;｛;::;;」;;;;〉;;＼. ' , ; ` ; |;:|
匸_;=＝＝'=ﾍ. t-/ /:::::::ｨ:: .:::ﾃ::::::ﾄ::::ヽ ' ､; ,_'; ﾚ
. ／ _＿ ／ / {;;;;;;｛;;;: ;;;;」;;;;;;;;;;〉;;;;;l ; ;' ; |
《＿_ｲ ﾚ' | |:::::::ｨ:::....::::ﾃ::::::::::ﾄ:::::| ;. ; ; |
372 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/29 23:31:00 ID:86iBfr59
＿＿／ ／
／,;;;:.／ ／｀＼
__ / i:／ ／ .:;;: ＼
. / | ､＿＿__,ﾚ ' ／'￣≧ .:;;r;;;:＼_
. |/^'| ＼__＿＿__,／i ∠::::::::ｨ< .;r;;;:＼
|,ﾒ | ﾉ ＿＿､' :: ｨ<::::ｨ< ＿:;／} ・・・・・・・・・・・・高氏、
. |,ﾒ | 〈,/{ﾘ'~ﾞ;‐ﾟ' ヽ.､ ｨ:: :: ｨ<::／:'／ /
|,ﾒ | | / ヽ.､ｨ ::／:'／ /
. |,ﾒ | j `j'_ _., //＼､ i:／ |￣￣ゝ
|,ﾒ | ﾉﾚl｀i三ニﾆ´ﾑﾉﾘ／ , ￣＼::＼
. |,ﾒ | ,〃jﾉ｀ｰ‐=ﾍﾚ^／ ／ |:::;;:ヽ
_ﾚ' ￣＼_＿..... --‐‐'¨ﾚﾘ|￣ ＿／ ､ |:;:;;::,ゝ
｛__,-‐‐' | ::::::::| ／ .人 ;' ､ _`､＼::＼
｛ ___,-‐' | : :: :: :: ::::;:;:;;;;ﾚ' ／::::::::＼ ; ; `､_ _;. ヽ::|
[￣ ＿,--' ﾚ‐‐―-----=､/ ／;;｛;::;;」;;;;〉;;＼. ' , ; ` ; |;:|
匸_;=＝＝'=ﾍ. t-/ /:::::::ｨ:: .:::ﾃ::::::ﾄ::::ヽ ' ､; ,_'; ﾚ
. ／ _＿ ／ / {;;;;;;｛;;;: ;;;;」;;;;;;;;;;〉;;;;;l ; ;' ; |
《＿_ｲ ﾚ' | |:::::::ｨ:::....::::ﾃ::::::::::ﾄ:::::| ;. ; ; |
＿＿＿_
／_ノ ヽ_＼
／（ ●） （ ●）＼ ・・・・・・・・・ん、なんだお？
／ ::::::⌒（__人__）⌒::::＼
| ￣ |
＼ ／
373 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/29 23:32:29 ID:86iBfr59
＞＼ ／＜
／.＼ ＞ , , 'ﾞ／＼
イi ＼ ＞､,_ _,.. ＜ ／ ||＼
／┠|| ＼＿／､_ ｀ﾞ'' - ､ _ ＿＿＿ , .-‐''"＼＿／ |┥ ＼ 俺はお前が言っていた征夷大将軍・・・
＿/ .| λ､ ／: : :/ ＞ ､ ,...-彡＼. ノ 〉 ＼＿ 本気にしてるぜ。
∨∧ | ＼＼ /: : : :/::::/.//:!:.:.:＞ , , ｨ≦ﾉ,.ノﾞ { '., ／／ ! ∨ そしてお前が戦うと決めた時は俺も即駆けつけよう。
〉. ', `ﾐ､二ュ: :./ Χ/::::::|: / |:.}|: :/`ﾞ小ｨ'" .∨ｨ ／ | :《 これは約束じゃない、盟約だ。
ノ| ﾏ 冫: : : :∧ //ヽﾞ」/;;;;|/:}/ ／ |/ヽ /∨ .' .!＼ ・・・・・・また会おう、高氏。
／／| '., .／: : : : :/.',_{///. ′ ! !″ : ./}::::Χ. / .|＼.＼
_／／.: :.| ヽ ',／: : : : : :/: /: ∧ : ∧::::::::::ヽ , ' |. ＼.＼
_／ ∧ ／ﾞﾞ: : : : : :/: :,'::::::::∧ ､|. /::::::::::::::::::::、 ∧ ＼.＼
ﾞ＼ ＼／: : : : :, : : /: :,. : :::::::::∧ /|::::::::::::::::::::::∨ ／ ／ ／〉
_＼＼ |: :/|::/|: :/: : : : : ::: ::::::∧ ,＿, .. ... .＿＿_,ヽ /_ﾘ.::::::::::/|:::/:::|＼／..:.: ／ ／／
..＼＼＼ |/ |/ |:/|::::!::::::::!:::::/:: ∧ ￣￣｀ﾞ'''' ￣ / :|::::/|:/ .{/::::/:.:.:.:.:. ／ ／／
＿＿＿
／ ヽ､_ ＼
／（● ） （● ） ＼ ・・・・・・・・・道誉。
／:::⌒（__人__）⌒::::: ＼ ・・・また会おうお。
| ｌ^l^lｎー'´ |
＼ヽ L ／
ゝ ﾉ
／ /
374 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/29 23:34:00 ID:86iBfr59
一方、やる夫も嘆願した北畠具行の助命であったが・・・
´￣￣￣￣￣￣＼
/ ／ ＼ 丶
│ ／＼ .| 具行の助命？高氏の頼み？
| ／￣￣＼ | ダメダメ。
＼ ／
r､ r､／ ヘ
ヽヾ 三 |:l1 ヽ
＼>ヽ/ |｀ ｝ | |
ﾍ lノ `'ｿ | |
/´ / |. |
＼. ｨ | |
| | |
六波羅探題北方・北条仲時
＿＿／ ／
／,;;;:.／ ／｀＼
__ / i:／ ／ .:;;: ＼
. / | ､＿＿__,ﾚ ' ／'￣≧ .:;;r;;;:＼_
. |/^'| ＼__＿＿__,／i ∠::::::::ｨ< .;r;;;:＼ （やっぱ無理だったか・・・）
|,ﾒ | ﾉ ＿＿､' :: ｨ<::::ｨ< ＿:;／}
. |,ﾒ | 〈,/{ﾘ'~ﾞ;ﾟ‐' ヽ.､ ｨ:: :: ｨ<::／:'／ /
|,ﾒ | | / ヽ.､ｨ ::／:'／ /
. |,ﾒ | j `j'_ _., //＼､ i:／ |￣￣ゝ
|,ﾒ | ﾉﾚl｀i三ニﾆ´ﾑﾉﾘ／ , ￣＼::＼
. |,ﾒ | ,〃jﾉ｀ｰ‐=ﾍﾚ^／ ／ |:::;;:ヽ
_ﾚ' ￣＼_＿..... --‐‐'¨ﾚﾘ|￣ ＿／ ､ |:;:;;::,ゝ
｛__,-‐‐' | ::::::::| ／ .人 ;' ､ _`､＼::＼
六波羅探題に突っぱねられ北畠具行の死罪が決まった。
375 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/29 23:35:29 ID:86iBfr59
死罪が決定した北畠具行は佐々木道誉によって鎌倉に送られることになった。
＜. : : : : : : : : :∧.:.∧.:.:∧.:.∧.:.:.:.:.ﾊ.:.:.:.:.く
ｲ.:.:.:.:.:.:.:l l∧/ V V V V V Vl.:.:.:.:>
〉.:.:.:.:.:.j! ,,､､､,,,, _,,,､､､ !.:.:ｨ
ｲ.:.:.:.:.:.:/ '''''二ﾆ ヽ ,.ィﾆ二_ ｀`7.:'´
l//⌒i.:! ィ _ﾓ式ﾝ.:.: ,.:くﾓ弐ヽ // 護送感謝いたす、道誉殿。
l/ いi::! ｀` ￣´ i ´￣ﾞﾞ l.{ 死ぬ前にあなたのような人物に会えてよかった。
ヽ ヽ:::! ', ﾘ
ヽ_,.ｲﾐ } ,′
i:ﾐ ¨｀ ' /
l.ミ t ----‐ｧ /
l `ヽ､ ｀ﾆﾆ´ /
/〈 ヽ､ ´￣` /i!
／l ヽ ヽ __ _＿ ノ .lﾄ､
／ l ＼ / l. ヽ
/.:/.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/.::::厶 V-|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i
ｲ.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/|:::,′ , ‐|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i
.／ |:::::::::::::::::::::::::::::::::::{::::::::/ |::| ／/／|:::::}:::::::::::::::::::::::::::::::::|
. |::::::/.:::::::::::::::::::::::/|::::::/, ｲ:|/／ |:::ﾘ.:::::::::::::::::::::::::::::::::| あんたも公家にしちゃ新しい奴だ。
. |::::,'.::::::::::::::::i:::::://|::::///| l _」厶}:::::::::::::::::::::::::::::::::| 気に入ったぜ、確かに死なすのは惜しいぜ。
|:::::::::.!:::::::::::i::::///|::/}／jﾉ ､, ≦rgf''从::::::::::::|::::::::::::.', ::|
|::{::::::ｉ:::::::::::ｉ:::'///|/:}}ヽ ￣ ﾉ:|::::::::::::l::::::::::::::.',八
|八::::i:::::::::::{:::{///|:ノ i |:::::::::::j:::::::::::::::::}
V}人::::ﾊ::厂￣ ! ﾉﾊ::::::从ﾊ:::::::::::j
ﾘ:::::∨ { / |::::/.::::::::::::::::::ﾊ
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/ｲ::::::,ﾞ.:::ヽ , j/.:::::::::} ::::::::::{
|:::::: .::::::::::> `ｰ ニ二￣ ／ |:ﾘ::::八::::::::::::、
|::::::}:::::／|:| . ／ |从(( ＼:::::::::、
_, イ::::从 |j. ＼ ／ ﾉ ﾘ ＼ | ｀丶、
-‐''" V/ | `ｰ---‐' / | ｀丶、
/ | / , ｀丶、
具行は高氏の丁重な扱いに感謝の意を述べたと伝わる。
「婆娑羅」と呼ばれた高氏は、公家である具行も終始忌み嫌っていたが、死に臨んでの
具行の態度には高氏も感服して、その別れを惜しんだと言う。
376 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/29 23:37:01 ID:86iBfr59
具行は鎌倉に送られる途中、幕府の命により近江国柏原で斬られた。
_
_ .. -‐‐￢_￣ ￣｀￢- 、
_ -‐ ￢ ￣ ／, ｀ ｀ヽ
／_...-,r‐ ／,／ i i 、 ヽ
/／ ,／ ,r' ／／ ,ｲ : l l λ ヽ
. / ／ ／,' ／ / ／ :l . .: } ! :! l | ﾍ
／ ,／,./ / ,/,/ /!.: .:::. /}_ﾑ‐.ﾄ. i ! ヽ、 l
/ ／／/ / //{ /l.|:: :r'7/:/__l_|___.l ! | }:.ﾍ. l
__.-‐‐‐‐ ､/／ / / / ,. {//._,/-| {:..::::///i´ ::!lヾ` l | }:. ﾄ:::::}.1 （具行殿・・・幕府は、悪は必ず倒します・・・）
/ﾍ. ﾍ / { / r1 ,/ {.´/ L.ﾍ: //ｲ弋.::::':ﾉ., },1 !: : | l:::l!:|
. ﾍﾞ ﾍ i./ :!///| {! | lri'´:∧ヾ. ｀ﾆ ‐' ///::.: }ノ::}.!:!
∨:.ﾍ :..ﾍ. {// l {!i! ! l､弋::丿, ／//:::.:: /::::/ .!!
∨::ﾍ :. . : ﾍ // | l.!|. N∧.｀´ /ｲ::. : /:::/ |!
. ﾍ::.ﾍ...,,={l}=.//、 l.|l::{ |::::.λ ´ ／ /::. /:／ ﾉ
＼〃/ﾊﾞ {.|＿> || l::ヾ:;:::| iiゝ、 ／ ,r/::. /.:/
＼ﾍ､/.|l ＼.i. |:::::l|::.|. i! _｀≧z-i‐＜,/ ／!:/
＼:. ! ::. ＼ゞ:::!ゞ!ﾍﾞ´ ＼ ^｀￢./∠.__{_,､`＜
ﾍ::. :::.,r,ｪ ＼ヾ ｀ .ﾍ ＼ ﾚ'／,<::::::::>-テi
＼::./ /,rーっ 、 ﾍ.!＿ ＞=':'´:.:::::≧'!::::::::::!丶＿
ﾍ! l/ /_~´ :.ﾍ ＼,＞':.:.:.:.:.:.:.:.:.:::.:.:.:/:.:.:::.:.:{ ! ヽ｀ヽ
| / ,'/,r,ミ'. ﾍ f､´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/!:.:.:.:.:.:ﾍ ! 冫.!
>、' ",rべ> .＼｀＜:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.://:.:.:.:.:.:.:.:l! / !
//＼ ＼:::::: :::..＼ヽ｀ ＜:.:.:.:.:..//:.:.:.:.:.:.:.:_:｝_ i'l l
// ,ﾍ} ﾍ、 :..... ::＼ヽ＿｀`< !っ--,- ´ ゞ'.| ! l
// ／ ＼-､ﾊ ::::::::::::::::.＼ ￣フ´ _／ ,...、 | i l
／'／ c／`ﾏ:lﾍ :::..＼ ,..Τ´ ゝ ' l! !
／ ,ノ / 〉 ﾍ ﾍゝ '|. {i !
／>'´ c／ / ＼ ＼ ! :!i l
この具行が後見を務めた若き北畠家当主・北畠顕家は後に後醍醐天皇に忠誠を尽くし、
南朝方の有力武将の一人として活躍することとなる。
377 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/29 23:38:30 ID:86iBfr59
一方、後醍醐天皇の皇子・大塔宮は天皇挙兵の際比叡山に籠り六波羅の軍と戦っていたが、
急な挙兵だったこともありあっという間に敗れ、わずかな供とともに落ちのび倒幕活動を続けながら
熊野詣の山伏に変装し紀伊半島を転々としていた。還俗して護良親王と名乗ったのもこの頃である。
, ── ､
／ _＿＿＿＿_ヽ
ゝ/ |/ / ⌒ヽ ⌒ヽ
| | | ‘|‘ | 父上も隠岐に流されてしまったが、
. v‐､l￣ヽ __ ﾉ ､__ ﾉ 僕だけで本当に倒幕を成せるんだろうか・・・
ｌ ) ＾ l
｀ｰ ､ ──┘ノ
｀ ー──､´
/|／＼ ／ ヽ
ｌ ｌ | |
| | | |
護良親王
378 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/29 23:39:59 ID:86iBfr59
護良親王に同行していたのは村上義光、赤松則祐、笠置山から落ちのび親王に合流した四条隆資、
そして同じく笠置から合流した伊賀兼光などであった。
/|
/｜ /|
/ | / ｜
/ .| / |
､ / | / |
､ ＼ --､/´ ￣ヽ |/＿_ |
｀×、 ｛ o }'＿_ ヽ
. ―{‐ ∴ ヽ､＿ノ{ |＼ ￣} 元気出すにゃ、宮様！！
ヽ､＿ φヽ」 ヽノｰ､
/ / ￣７ ￢､ ￣∴ ー}―
| | ￣ ＼ ､｀メ、
| | / >ー‐へ、
| | ハ-、 / /／⌒ ⊃
ヽヽ{ '∠_／／ <⌒Ｕ ∩ ,_ ,
｀ー――´ .(⌒ヽ＼／ ⊃,／ )
村上義光
,,､､_ ,ィ‐-─＝ ､
,r '´ ｀` ＼
/ , ＼
/// / , / /! `,､ヽ ヽ
, イ // // //l_,ｲ_j ,!,ｲﾄ､l ヽ!
／／l/N ,ｲ/ //ｨl/,､rt|ヽ/ l/N !j ,j
／／ V´｀Y ｲ/ ｨ'´〈じj ｲIj |/ / / 私たちがお守りします。
,彳/ ／ ヽ(ｶVY ゝ-‐'ﾞ ゝ, ,ﾚNl/
/ // ／ゝr ' ' ´ ﾉ/'´
/／// ,イ / l ! -‐ ,ｲ'´
/,ィｲ^7^i/火､ 丶、 ,ｲ｀ヽ
,ｨﾆ二ヽ´￣二ﾌ´N/ `''ｰ-､｀二ﾆ´/ | l
.,ｨﾚ'´￣ ヽ､￣ ヽ'´ ｀ ｲ√ l ,!
＿＿＿＿ 赤松則祐
Ｙ／ニニ∞ニ＼
／ ／/＼＿＿＿＼
|／ /＝＝＝＝| ￣
| / ・ ・ | 必ず宮様に味方する者も現れるのだ。
＼（6 （_λ_） |
| ||||||| |
|））￣□￣□￣|
＼＿＿＿＿_／
四条隆資
__. --─-- 、
∠ ＼
. ／,r / / ヽ ﾍヽ ＼
/// , | ｜ | | ﾍ ヽ
. |/ ｌ / | ∧ | | :| |、:|｜ ',
. | l | ､ﾄ､.|. |ﾊ ﾊ |ヽ!ヽ'Ｖ ｜ ・・・・・・・・・
. lｲ lヽ| _ム-- ｀ レﾆニT | N
∨| |´ 'ﾓｼ´ ﾞー' |｜ |
|ハ！ |/／
ヽﾄ、 l /
ヽl＼ -─ .ｲ
l｀ ._ ／ ﾉ、
/ | ,rく. ヽ
伊賀兼光
379 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/29 23:41:29 ID:86iBfr59
,. '´ : : : : : : : :./: : : : : : : : : : : : : : : :.`ｰ 、
, ' ./ .::/ :∧
/.:/ .::/ .::′.:::′l : : ::::::.: : : : : : :!::.:.: : : : : :.∧
./"/. : ::′.:::!: :.:::,l :| : : :::ｌ::. ､:::.:.: : :|::: : : : : : :∧
.′.:.::| : :::;!: :::/.|.:∧: :.:::ﾄ､:::|＼:::.:.:|::::: !:::. : : : :∧
|.:.:.:.:.:|.:.:/ !:.:/ |/ ﾞ､:.:l ﾞ､l ヽ:.:lヽ: : |:::.:.:.:.:.: : ﾊ
| ;!.:.:.:|::/ _|_'＿_ｌ ﾞ､| ｌ＿＿ﾞL_ヽ::|::.:.:.:.:.: : : :|
|/l :.:.:|ﾊ´ ＿＿､ 、 .l ´ z＿＿_ ｀ﾞ:|::.:.:.:.:.:|:.:l:.:!
ｌ l:ﾊ::l:::! ´_辷.｣｀ ゛ ´_辷_ﾘ_ :|::. /|/:.:.ﾊ:′ （それにしても正成は生きてるんだろうか・・・
l |:!: ! ! ::|::./´!ﾞi:/ ! 赤坂で自害したと聞くが奴が死んだとは到底思えない・・・）
!l:::! .:; :|:/i //
ﾞl: l 、 ::|'ノ/:/
|ﾊ ,‐-'.:/
ヽ ./:.:.:/|′
ヽ ´￣￣゛ .／!:.:/
＼ ゛ . :´ : :l'|′
|:＼ . :'´: : :.::::|､
. r‐| ｀ －''´ _... ‐ '"´ ｀､_
／| ｀ ‐､ _.ノ´ヽ ／:::＼
_,./ : :| / >´i 〉、 ／::::::::::::::i-.._
_. '´:/: : : :! .ハ.0l - ! ／::::ﾍ, '::::::::::::::::::::!::::::｀: :- .._
_... '´ : : : /: : : :.:|∧:::ﾞ､|＿i／:::／ /.:::::::::::::::: : : |:: : : : : : : :｀: :- .._
_... '"´: : : : : : :.:/: : : : :.:| >'"´:::::｀::'、 /::::::::: : : : : : : |: : : : : : : : : : : : : :｀: :- .._
380 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/29 23:42:59 ID:86iBfr59
幕府の追及は厳しく護良親王一行の首には恩賞が与えられており、一行は様々な困難に遭遇していた。
＿＿＿＿
／´ ｀＼ﾚ
/＿＿＿＿＿＿＿ ヽ
|ノ─ ､ ─ ＼ | ヽ
| ｖ|・ ｌ＿| ! ・・・もう何回敵の追手には遭遇して逃げたことか・・・
,| | | Ul´⌒Y さすがに疲れたよ・・・
l/`ー ﾍ ` ─ ′ （ |
ｌ__ _ ノ- ､
(＿／⌒ヽ_／⌒ ／/ ｌ
` ─┬─┬ /ヽ/ /|
|＿__| ` /＼ / |
＜そこの一行！！
.
381 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/29 23:44:33 ID:86iBfr59
,r-─────､
,f ＿＿＿＿＿,､ー-､
,ノ r' t ヽ
f / '''''' ''''''::＼ .l そこなる山伏殿は大塔宮の御一行とお見受けした！！
| |（●）, .､（●）､:::| ﾉ おとなしく降参するがいい！！
（⌒' .,,ﾉ(､_, )ヽ､,, .:::::;⌒) さもなくばここで一戦交えるぞ！！
. t_t ｀-=ﾆﾟ=- ' .:::::::;tノ
＼ ｀ﾆﾆ´ .:::::／
,,.....イ ｀ー-.ﾆ－― ノﾞ-､..
: ┃ ◆・◆ ┃ i
┃ .┃ ｜
382 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/29 23:46:00 ID:86iBfr59
＿＿_ _
＼Ｖ￣￣￣＿＿| ＼二二／｜_
/ ／￣＿＿｜ [＿＿] | ＼
│ ／ ／｀ヽ＿_∟∠＿＿＞Ｊ＿＿＞
｜／ ／| ‐―――――――― |
（ / | ――――――――‐ |
（_/ | ● ● |
｜＼ | （＿人＿） ＼＿ ＿＿＿＿＿
| ) | ＿ ＿＿|||||||||||＿＿＿＿＿） ／
ヽ_| //／└┘ ￣￣￣ └┘| | / 宮様！！
/／／ ／／ ＜
｜//＼_ (⌒Ｙ⌒) ＿／／ ＼ 敵兵なのだ！！
＼ ヽ―─―⌒￣￣ ／ ＼＿＿＿＿＿
｀―──―――‐―´
／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
／:::::::::::::::::::/::::::::::::::::::::i::::i:::::::::::::::ヽ
/::::::::::/:::::::::/::::::::,:::::,ｲ:::::|:::::!:::::i:::ヽ:::::ヽ
/::::::::::/:::::::,.ｲ:::::::,ｨ:::,ｲ::::::/!:::::|::::::!:::::!:::::::ヽ
,'::::::/::::!:::／,ｲ::／ .!/ .|::::/ |:::::ﾊ:::::!::::::!::::::::::i
!::::::l::::::ﾚ',! ー-､ !/ !::/ !::ハ:,ｲ:::::::::::|
!::::_」:::::::::! ..,,＿`ヽ､_,. ,ﾘ ´ _,..,_ !::::::::ﾊj
!/f r.|::::::::! 弋ｴﾉ｀ ｀'ｨﾆ二_ /:::::::::!
k.ﾔ!:::::::! ゞｚｿ,. /::::∧::| しかも今度は数も多い・・・クソッ！！
|∧`Y::ﾘ i //|/ ヾ
!Tヾ u. j //ノ
ﾔ. ヽ. , ‐-､,__ ,.ｲ:/
r＜´|. ＼ 弋,＿_,/ ／ |/
! ｀丶､. ＼ ｰ ／
_/ `'-､. `'ｰ-r<´
383 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/29 23:47:29 ID:86iBfr59
＿＿＿＿＿
／´ ｀＼
ゝ/ _＿＿＿＿＿＿＿_ヽ
/ | ヘ､ ノ⌒ |
| | ／ ￣｀ヽ / ￣｀ヽｌ
l | ｌ ｌｊ | lｊ l ・・・・・・・・・進むことも退くこともできないか・・・
ヽ |＿| | |
/⌒` ヽ ｌ ﾉ､
| ) ｀ ー─ ´ っー ´ ｌ
ヽ__ ／⌒＼＿＿＿_つ ﾉ
＼ （ _＿＿＿＿_ ノ ／
>ー───､─ ´
/ ＼ ／ ＼/ ＼
ｌ l |／＼
├─┤ |､
384 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/29 23:49:00 ID:86iBfr59
, ─── ､
ゝ／ ＿＿＿＿＿＼ っ
/ |ノ/ ⌒ ヽ ⌒ヽｌ っ こうなったらもう自害するしかない！
ｌ |─| ･|∠ | 射てる弓も全部撃つんだ！！
（（ Y⌒ ` ー ﾍｰ ヽ 敵に恥ずかしい姿を見せるな！！
ヽ_ /⌒ヽ＿＿＿つ ＿
／⌒)､ ヽ | / |≡|
| ､_,(_ﾉ >､二二二) .| .|
ヽ＿_ﾉ ／ .l／ ＼／ ヽ､ | .|
| l | ＼ /⌒
ヽ＿ ／ | |＼ ｌヽ_
/ ／ ..::/.::/ .:::::: /.::::::/.:::::!::::::..!.. l ::ヽ｀ヽ
i / .::::::!::/l ..:::／/.:::／!:::::/l::::::::l:::::l:::....l !
! ! l .:::::::/l/__l／ /／ ｌ:::/.:::!::::/!:::::!:::::::!::!:l
ｌ /l/l .::::::/ ＿_ ｀ヽ、 ｌ/ .::::l::/.:l:::/l:::::::!::!::!
V く ｌ .:::/ ¨ 疋ﾀ` ヽ､ノ .::::::_j/ -―ｌ:::/.∧l
∨ｰ!::/ ｀¨ ／fr芹､:::／l/.:/
j/iヽl/ /.:::::┴'..:::/./ j/ ・・・・・・心得ました。
. ｌ::∧ { ::::::::::::::/.:/
. __/V ::ヽ ／..::::::::::/.:/
／i/ ! ::::::ヽ _ .:::::／ j/
.三l :: ｌ :::::::ヽ、 __‐-..::::／
.三 !.:::::.ヽ、:::::::::ヽ、 ....:::::／
三ﾆｌ:::::::::::::＼::::::::::::::ｰ匕＼
385 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/29 23:50:30 ID:86iBfr59
,r-─────､
,f ＿＿＿＿＿,､ー-､
,ノ r' t ヽ
f / '''''' ''''''::＼ .l
| |（●）, .､（●）､:::| ﾉ それ！大塔宮を討ち取れい！！
（⌒' .,,ﾉ(､_, )ヽ､,, .:::::;⌒)
. t_t ｀-=ﾆﾟ=- ' .:::::::;tノ
＼ ｀ﾆﾆ´ .:::::／
,,.....イ ｀ー-.ﾆ－― ノﾞ-､..
: ┃ ◆・◆ ┃ i
┃ .┃ ｜
＿＿__
ゝ／＿＿＿＿ヽ
/ | , ─ ｗ－､!
| __|-| +|+ |
（ u ｀ー oー | ・・・・・・運不運は天命・・・
/ヽ､/＾＼__／ ﾉ
ｌ､(uu ー,─ ､´
ｌ ＼ __／┬ ′
＜待ていっ！！！！
しかし、その時だった・・・
386 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/29 23:51:58 ID:86iBfr59
__ ＿
ｒ :「 :| :| :ﾊ
| ::| :!_:｣__j _:!
ヽ'ヽ´, -'-ｲ:人
｀´!ｰ…'´ .:', ,、 ,、
ヽ ::.i 〈ヽf二ｿ､〉 紀伊国が住人、野長瀬六郎だ！！
ヽ. /',-ﾍ弐｣=Y＝- 宮様を迎えに来た！！
ト- ' -､-ﾄ{j]]ｲﾊ /７' _/二',
＼ ＿ノ ヽ＼_T ＞' /_ L｣--､}
!: : : : ﾉ ＼_|:i:|_／:!:.}、/l Ｌﾆ.ﾉ
｀i: :´: : : ; -- ､: : V /.: ｀ ｰｲ
＼:.／ Y＼{、 ／
| _ - ､| ￣
j／. : : : : : : ヽ
/ : : : : :, -－､:|
{, -- ､/ |'
野長瀬六郎
-､ｰ､_.,r ｰ ､ ＿__
/ / iｰ'´ ／｀
（ ,ﾆ.'''''_''_'''' i 同じく七郎よ！！
ヽ|ｰ| ﾊｰヽ ﾉ 宮様に弓を引く奴らは我々が討つわ！！
｀､|/ ﾉ ._／
_,,,, ゝｰ ' i´
`j ｀-ｰ'7'-ｰ --j-､__ _ ,, -,=ｰ,-
_,r'7_ / ／ ｀´ ._／_／
|／´ ｀ v ／ｰ-､ / ／ ヽ､
／i i / ヽ .ﾚ' _ i
／ ヽ､ _ ,ノ i. i ﾚ ' ´ ｀i
/ ﾊ / ヽ､ _ _ .ノ /i i
__,='､､ ／ .}__/_ _ _ ヽ ／ i !
野長瀬七郎
387 名前：名無しのやる夫さん ：09/05/29 23:52:31 ID:zgiYXAS7
なんかすごいの来たｗ
388 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/29 23:53:29 ID:86iBfr59
, ───- ､〟
／＿＿＿＿＿ ヽ
! － 、－ ､ヽ | |
| ﾍ|・ |─ | / ・・・・・・神の御心が通じた！！
| ーｃ ─ ′ ｒ⌒i やはり僕に倒幕の使命を果たすまで死ねないんだ！！
_,- ､ !└────┐ _ノ
! ﾉ（ ） ＼＼ ＿_＿／ ／
＼_ ／＼＿｀_──＿イ_
（（ ＼＿∩ /|／＼_／ ヽ
☆冫∈ |￣￣￣ |
護良親王一行は親王を迎えに来た紀伊の豪族・野長瀬兄弟により窮地を脱した。
「太平記」によると野長瀬兄弟は前日、老松と名乗る童から「宮が危険な目に遭うので助けてほしい」と告げられたと語り、
不思議に思い大塔宮が肌身につけた北野天神の御守りを見ると老松明神の足に土がついていたという。
389 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/29 23:54:59 ID:86iBfr59
この頃大和の吉野、十津川あたりの土豪武士の中に護良親王に味方するものが現れはじめ、親王は吉野に拠点を構えた。
そして全国各地の武士に倒幕の挙兵を促す令旨を書き送り、紀伊半島に一大勢力を築くに至ったのだ。
─､,,,,,,.r─v‐-､,＞、 ／＿__
| | | | |`ヽー､ ,--|r─ヽ`ヽi
| | | ,,|,,,--!、 ヾ |i',-、 i ヽ.|
.. | ,-!-‐┴" i ||ﾍ !__r┤
|ハ i C`'! / 〉ヽ この吉野から僕の倒幕が始まるぞ・・・
|ヾﾐヽ i i~ｰ' `ー '" | ,！ 全国の武士たちに倒幕挙兵の手紙を書こう。
| ヾ.ﾐヽ _ヾ`ー、──‐ｿ
| ヾr-ヽ !、＿ >'￣>'"
ニニニ〉、ヽ.γ~l ヽ, | |_
〉ヽ ヽ! ヽ, _,,,,,-‐‐i `i-' ￣T_,,,-
ｌ` |‐''',,,.-<‐'"/⌒､'ﾆ二-､_
ヽ 〈‐'" `T、 ／⌒ヽ、
390 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/29 23:56:28 ID:86iBfr59
__,,,､,, ,,､- ､
／´: : : : : ｀´: : : : :ヽ
／: : : : : : : : : : : : : : : : : :＼
/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.ヽ
/: : : : : : :i: : : : :.∧: : :il: : i: : :ヾ: :',
,': : : : : : : l: : :/:./ ∨:ハ: :i!: :l: :::::::i
l: l: i: : l ／!／∨ |/ ∨∨!: :::::::l
ﾚ!: !: :l i"⌒"'-､ ,､-'''⌒`l: :::::ﾍ!
∨ﾍ i | でラ` , f∃ｿ /::∧| 紀伊半島の豪族は味方につけた。
!ﾍ∨ゝ i ∧ｿ 宮様の身ももう大丈夫だろう。
ﾚヽi l. ｊ ∧ﾉ
ﾚﾍ /ﾉ
∨＼ ´ ￣ ／ ′
／i｛ ＼. ／i
/:::::l ﾍ ｀ ´ ∧＼
_,,-''/::::::::l ` ｰ､ ,／ .i:::::＼､,_
_,..-.:":::::::/:::::::::::i /;;ﾍ__!入 l:::::::::＼`::..､,,_
_,..-.:":::::::::::::::::::::＼:::／:|ﾍ /`ﾍ::::::::ｿ´ﾍ i::＼::／::::::::::::`i:ｰ.,
,´ｰ-､::::::::::::::::::::::::::／:::::::::i ∨:/ l::::::::＼::::::::::::::i:::::::',
391 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/29 23:57:57 ID:86iBfr59
/ ／ ..::/.::/ .:::::: /.::::::/.:::::!::::::..!.. l ::ヽ｀ヽ
i / .::::::!::/l ..:::／/.:::／!:::::/l::::::::l:::::l:::....l !
! ! l .:::::::/l/__l／ /／ ｌ:::/.:::!::::/!:::::!:::::::!::!:l
ｌ /l/l .::::::/ ＿_ ｀ヽ、 ｌ/ .::::l::/.:l:::/l:::::::!::!::!
V く ｌ .:::/ ¨ 疋ﾀ` ヽ､ノ .::::::_j/ -―ｌ:::/.∧l
∨ｰ!::/ ｀¨ ／fr芹､:::／l/.:/ そして宮様の令旨でこれから
j/iヽl/ /.:::::┴'..:::/./ j/ 各地の武士が挙兵するはず・・・
. ｌ::∧ { ::::::::::::::/.:/
. __/V ::ヽ ／..::::::::::/.:/ あの男も・・・また・・・
／i/ ! ::::::ヽ _ .:::::／ j/
.三l :: ｌ :::::::ヽ、 __‐-..::::／
.三 !.:::::.ヽ、:::::::::ヽ、 ....:::::／
三ﾆｌ:::::::::::::＼::::::::::::::ｰ匕＼
392 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/29 23:59:29 ID:86iBfr59
そして兼光の言う“あの男”も再び行動を開始した。
__ __
／:::::::::::::::ヽ
_/ ﾍ-､
〈/:::::::::::::::::::::::::::::V/
/l::::/:::::,'::::::::i:::::l::!:ﾊ
~|::::l:::::/:::::::::l:::::l::i:!｣ ・・・・・・いよいよ機が熟したわね。
ヽ:{::::{:::::::::/:::/:::ﾘ
, ィ ﾄ{八::::/リj/V-､
{{ | | ｀'' | l }}
{:',|└─‐‐─┘|//
{ﾍ ￣￣￣￣ / :}
, -―-ゝﾍ ＿ノ {_/ ＿__
{ ＞=入＿､_＿__人=＜ ヽ
ヽ 〃 `┴‐┴'´ ヽ /
＼| / ', | ／
ヾ_ { } ﾚ′
`ーゝ ＿＿＿_」L=‐'
393 名前：1 ◆XR6x1ddXyM ：09/05/30 00:01:00 ID:1WydK5Z/
, -―- ､ -― - 、
／ ,_ -―‐- _ ＼
／ ,ｨ／_ -――- _ヽ ヽ
/ ,.-/ /´ / ＼ ＼｀ﾍ ヽ. ',
/ rｲ / 〃./::.{:. l:. ヽ:.ヽ:.ﾊ fﾍﾊ
/ 〉i,'./:{{:..{:. ﾊ:..:. !:.... !:ヽ..',::i| |ヽ>',
/ く/| l.::ij＞k{八::.:{＼:::..};ｨ匕}:ｉ| |_∧ﾊ
,' i:ヽ| l.::|ｨfﾁ必`＼ヽ くfﾁ必ﾒ'! L!Ｎハ まずは赤坂城を奪還するわよ！！
i ! .::ｌ.::{| ヽﾄ, r'_;;ｿ r'_;;ｿ l |:: l:..i i
| ! !::::! ::i.:: ﾑ ´ ＿' ___ ｀ ﾊ :j:: j:: l |
| ! !::::!::∧:: {ﾍ { } ,ｲ,' /::: ,':::::i |
ヽ!ﾊ::::ヽ:::ヽ:.',::＞,､ ゝ._ _ノ , イ::/ / ::./:i!::::!:l
,‐＜ﾞヽ=､{ヾヽ f,/＞ｰ＜{_1`/ / :::/_ﾉ}::ﾘ/
/ /⌒ﾝ＜ヽ ＼ ﾄ､_ _,, ﾚ／ {::/ }}ヽ〈'
/ / / | ｀! V‐=＝=-V ヽ }} l ヽ_
〈_ ' ' j ! V￣￣ V / / } ﾍ≦＼
/ ヽ,､ / i! i! / / / j ヽ
r‐ '― / ｀~ ∧ i! i! / / / ／ }
/ /. ∧ ヽ ! rtz ! ./ / / ／ ／＼
楠木正成
赤坂落城のあと、行方が知れてなかった楠木正成は突如として河内に姿を現した。
1332年（正慶元年）四月三日のことである。
≪やる夫で学ぶ「太平記」≫ つ づ く
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