やる夫で学ぶ日露戦争
第十一話「番外編 参謀と兵站システム・諸外国の対応について」
/ ̄ ̄\
/ _ノ \ 今回は遼陽会戦を取り上げるつもりだったんだが、
| ( ●)(●
| (__人__) 軍隊について解説が足りないと思うし、
. | ノ
| ∩ ノ ⊃ 諸外国の対応などもまだなので、
/ ./ _ノ
(. \ / ./_ノ │ 一括して取り上げる。
\ “ /___| |
. \/ ___ /
784 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 21:30:58 ID:25AGrKow
/ ̄ ̄\
/ _ノ \ まずは、前回、色々と話題になった参謀制度についてだ。
| ( ●)(●)
. | (__人__). rm、 やる夫、参謀でイメージする人って、誰だ?
| ` ⌒´ノr川 ||
. | },.! ノ'
. ヽ r / .|
ヽ ノノ ノ
/ / ./
| /
| i´
785 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 21:31:43 ID:25AGrKow
(ヽ三/) ))
__ ( i)))
/⌒ ⌒\ \ 、この人だお!
/( ●) (●)\ )
./:::::: ⌒(__人__)⌒::::\ 参謀って作戦を考える人だお!
| (⌒)|r┬-| |
,┌、-、!.~〈`ー´/ _/ つまり、軍師だお!
| | | | __ヽ、 /
レレ'、ノ‐´  ̄〉 |
`ー---‐一' ̄
______
r〃〃〃 f7⌒ろ)
l∥∥∥ || f灯
|∥∥∥ || | |
|儿儿儿._」∟⊥厶
〔__o____o_≦ト、
. 「⌒ヽノ ヽ|l __ ヽ
|ヘ、 rノ¬、 l「r,ヽ i
. l ー| `ー' ||、_八 |
l │ ll 〃V
、{`―-ヽ ,〃 〃 \
__\ rテ ノ´ 〃 / ー- 、
. ,ィ(⊆≧リ≦⊇)〃 / rク\
. / | ̄r少}¨ ̄〃 / /′ ヽ
〃 l | l| | l| 〃 / / └ヽ
/ l |l | |l/″ / ! 厂 \
く, Y ! l」fレト! / | / 1
丿 | | 丿} じ’ / | / |
/ l | `¨ / レ′ |
諸葛亮孔明
786 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 21:32:43 ID:25AGrKow
/ ̄ ̄\
/ _ノ \ ・・・
| ( ー)(ー)
. | (__人__) 軍師と参謀ってのは、ちょっと違うんだ・・・
| ` ⌒´ノ
. | nl^l^l これを理解するために、なぜ参謀という制度ができたか、
. ヽ | ノ
ヽ ヽ く 説明しよう。
/ ヽ \
787 :
名無しのやる夫だお :2009/11/27(金) 21:33:19 ID:xmkfqtOc
参謀…… スタースクリームとか?w 788 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 21:33:32 ID:25AGrKow
/ ̄ ̄\
/ _ノ \ 15世紀以降、ヨーロッパでは常備軍が整備されるようになる。
| ( ●)(●
| (__人__) それまでの戦争ごとに傭兵と契約して軍隊を編成するのではなく、
. | ノ
| ∩ ノ ⊃ 常雇いの兵隊で、軍隊を編成することになるわけだ。
/ ./ _ノ
(. \ / ./_ノ │ その結果、こういう事例が起きた。
\ “ /___| |
. \/ ___ /
789 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 21:34:28 ID:25AGrKow
∧∧ ∩
( ´∀`)/ 給料マダー?
⊂ ノ
(つ ノ ∧∧ ∩
(ノ ( ´∀`)/ 飯マダー?
⊂ ノ
(つ ノ
(ノ ∧∧ ∩
( ´∀`)/ 銃マダー?
⊂ ノ
(つ ノ
(ノ
∧∧ ∩ 寝るとこ、ドコ?
( ´∀`)/
_| つ/ヽ-、_
/ └-(____/
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
それまでは、契約した傭兵隊長にすべてを任せればよかった。
しかし、常備軍であるということは、常に兵士の管理をしなければいけない、ということである。
給料はもちろんのこと、食料や武器、兵舎などを与えねばならない。
また、兵の募集や訓練、規律の維持など、様々な管理業務をこなさねばならなくなった。
790 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 21:36:34 ID:25AGrKow
*``・*。. 。.:☆ . *。+゚ ★
| `*。 ;* †▲_*;.。.: ∧ ∧ /*。
,。∩ *. ゚*: (('A`);゚' +< ,,‘∀‘> つ *。+゚
+ (・ω・`)*。 ゚・* ( 7 `*。 二つ *゚*
`*。 ヽ つ*゜* . < ヽ \+。*・'
`・+。*・`゜⊃ +゜ *。+゚ ∪`J
☆ ∪~。**'``・* 。
`・+。*・゜. | `*。
,。 _,,∩,_ * もうどうにでもな~れ~☆
+ / ,' 3 `ヽ* 。+゚
`*⊂ ,j *゚ *
゚と・+。*・' ゚ +゚
☆ `(ノ′ 。*
この役割を担うのは部隊の指揮官だが、軍が肥大化するにつれ、この種の仕事が増えてくる。
一人でできることには限界がある。指揮官たちの負担は増大し、業務に停滞を招くことになる。そこで・・・
791 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 21:37:32 ID:25AGrKow
/ ̄ ̄\
/ ─ ─\ 我々官僚がお手伝いしましょう。
/ (●) (●)ヽ
.| (__人__) |
.| `⌒´ |
ヽ /
/ ヽ ノヽ
/ ヾ
この種の作業には、文書がつきものである。無学な者には務まらない。
そこで、文書作成能力に長けた官僚を軍に編入し、指揮官の補佐役として業務にあたらせた。
これが、参謀や副官と言った制度の始まりである。
792 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 21:38:06 ID:25AGrKow
/ ̄ ̄\
/ ヽ、_ \ というのが、参謀制度の起こりだ。
(●)(● ) |
(__人__) | 当初参謀とは、指揮官の管理任務遂行を補佐する
(`⌒ ´ |
. { | 存在だったんだな。ここは注意するところだ。
{ ノ
ヽ ノ
ノ ヽ
/ |
____
/ \ 単なる管理業務の補佐役が、
/ ─ ─\
/ (●) (●) \ なんで、作戦立案をするようになったんだお?
| (__人__) |
./ ∩ノ ⊃ /
( \ / _ノ | |
.\ “ /__| |
\ /___ /
793 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 21:39:16 ID:25AGrKow
/ ̄ ̄\
/ _ノ \ それについては、歴史をひもとこう・・・
| ( ●)(●)
. | (__人__). rm、 参謀制度はその後発展し、18世紀後半には、
| ` ⌒´ノr川 ||
. | },.! ノ' 一つの大きな組織として編成されるようになった。
. ヽ r / .|
ヽ ノノ ノ そして、このころ、フランスにある天才的な軍人が現れる・・・
/ / ./
| /
| i´
794 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 21:40:37 ID:25AGrKow
l;;llllll||lll从从WWWl||ll,,ツ从ツツノlイノ'彡ヽ
イ从、从从从从从ll|| |リ从////ノノ彡;j
jl从从从从;;;;;;;;;;;;从;;;;;/;;;;;;;;;、、、;;-ー、イ彡:}
(ミミ;;ッ''"゙ ̄ '、::::゙`゙''ー、/"´::: :::: |;;;;;彡|
}ミミ;;;} ::: {:: ゙:::::、::: :::ィ ,,:::: };;;;イ;;l
jミミ;;;;} ::: ヽ::::ミヽ:: | ノ W:: |;;;;彡:|
}ミ;;;;;;} ::: ヾ {:::::ミ ヽ j イ|从 ":::: };;;;;;彡{
iミ゙;;;ノ:::::: \'、 }}: l||イ /,ィ;;、、-ーーヾ'ァ;;イ、
{;;;;リ:レ彡"三三ミヽ,,リ{{,,ノ;;;;ィ≦==ミ'" |;;〉l.|
l"';;;l ゙'''<<~(::) >>::)-ら::ィ'ー゙-゙,,彡゙ .:|;l"lリ
|l ';;', ::: ー` ̄:::::::ミ}゙'~}彡ィ""´ .:::lリノ/
l'、〈;', ::: :::::::t、,j iノ:::、::.. ..::::lー'/
,、,,,/| ヽヽ,,', ::.、 :::::(゙゙( ),、)、ヽ::. イ ::::l_ノ
)ヽ"´ ''''"レl_ヽ,,,', ヾ'ー、:::;r'"`' ゙'';;"" ゙l| ::j ::: |: l,,,,
゙''(,l ', l| リ {"ィr''''' ーー''ijツヽ l| :" l |',`ヽ,
世 大 (l :'、 `',. 'l| |;;゙゙゙゙"""´ー、;;| ノ: / /リヽ \
. 界 陸 Z::::ヽ '、 ゙'t;ヽ ` ´ ノ;;リ ,r' // |
最. 軍 >; :::ヽ ::ヽミニニニ彡'" , ':::::// |
強 は フヽ ::\ : ミー―― "ノ , ':::: //: |
ォ }ヽヽ :::::\::( ̄ ̄ ̄ /:::://: |
ォ }| ヽヽ :::::`'-、竺;;ニィ':::// | l
ォ (: | ヽ ヽ :::: ::::::... ::// | |
) ッ. ( | ヽ ヽ:: ::::::... // リ. |
つ、 // r、{ | ヽ ヽ // / |
ヽ・・ '´ | ヽ ヽ // / |
ナポレオン・ボナパルト
ナポレオンは従来からあった参謀制度を進化させ、参謀本部として組織、参謀総長ポストも置いた。
これにより、ナポレオンを参謀本部制度の創始者、とする意見もある。しかしながら、
795 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 21:44:43 ID:25AGrKow
/ ̄ ̄\
/ _ノ \ この参謀本部の任務は補給や情報収集、輸送などの業務で、
| ( ●)(●)
. | (__人__) 作戦を主導するものじゃなかった。今までの組織を発展させただけ、だったんだな・・・
| ` ⌒´ノ
. | } なぜならナポレオンは、天才的な軍人だったからだ。助言なんか、必要ないんだな。
. ヽ }
ヽ ノ mm
/  ̄ ̄ ̄ つノ
| | ̄ ̄ ̄
ナポレオンは天才的な軍人であった。それゆえ、作戦は彼が立案する。彼にとって他人が作戦に介入することは、
劣った者の意見を聞くこと、わずらわしいことであった。彼は他者に自分の補佐以上のことは望まなかったのである。
796 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 21:45:43 ID:25AGrKow
/ ̄ ̄\
/ _ノ \ ナポレオンの部下たちは、ナポレオンの指示通りに動くことが要求された。
| ( ●)(●
| (__人__) これを命令戦法という。詳細まで規定され、逸脱は許されない。
. | ノ
| ∩ ノ ⊃ この戦法でナポレオンとその部下たちは、ヨーロッパを席巻した。
/ ./ _ノ
(. \ / ./_ノ │
\ “ /___| |
. \/ ___ /
____
/⌒ ⌒\ さすがだお!
⊂。(゚>) (<゚)。つ
⊂ /::::::⌒(__人__)⌒::::: \ つ 文字通り、「余の辞書に不可能はない」だお!
⊂ | /| | | | | | つ
\ (、`ー―'´, /
( ヽ _____ ././
\ \| ., レ゛/
.\旨EX ξン┐
797 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 21:46:33 ID:25AGrKow
(⊃ ̄ ̄\
(⊃ _ノ \ ところが、「不可能」があるんだな。
(⊃ ( ●)(●)
| (__人__)
| ` ⌒´ノ
| } \
/ヽ } \
/ ヽ、____ノ )
/ . | _/
| / ̄ ̄(_)
\ \ /| JJJ (
\ / /⊂_)
___ ━┓
/ ―\ ┏┛
/ノ (●)\ ・
. | (●) ⌒)\
. | (__ノ ̄ |
\ /
\ _ノ
/´ `\
| |
| |
798 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 21:47:35 ID:25AGrKow
/ ̄ ̄\
/ _ノ ヽ こういうことだ。
| ( ●) |
| (__人) 昨日、天気予報は晴れだったけど、雨降ったよな・・・
| ⌒ノ
ン ノ
/⌒ヽ、 _ノ
/ ノ \__ィ ´
/ / '|.
( y |.
\ \ |
\ィン、__)、
.| ij ,ノ
,.-'⌒ヽ,
ノ ヽ、
(´ ,ノヽ )
,.-' (´ `)`ー-、
(´ ,ヽ、 (⌒ )
`ー-'´ ⌒'ー、,,,,,,,,..,,.-' ̄
。i 。 ゚l 。
! | ゜ i
l i ! ゚
! 、i;,| i, ゚,゜ ゜ そうだお!
! /  ̄ u  ̄ \:
! ::/ :j ::::\: ちょうど外出中で、傘を持っていなかったから、
;: | u :::::::| :
\.....::::::::: u ::::, / ひどい目に遭ったお!
! r " .r /゚。 !
:|::| ::::| :::i !
:|::|: .::::| :::|: !
! :`.|: .::::| :::|_:
:.,': .::( :::}: !
! :i `.-‐"
799 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 21:48:17 ID:25AGrKow
/ ̄ ̄\
rヽ / ノ \ \ お前は天気予報から、傘は必要ないと判断して
i ! | (●)(●) |
r;r‐r/ |. | (__人__) | 持たずに外出した。だが、雨が降った。
〈_L (`ヽ .} | ` ⌒´ ノ
l` ( ``/ . | } 初めの想定とは違うことが起きたわけだ。
ヽ l . ヽ }
|,. l /⌒ ー‐ ィ ヽ
800 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 21:50:10 ID:25AGrKow
/ ̄ ̄\
_ノ ヽ、 \ つまり、物事には、当初の想定からは違うことが起きたり、
( ●)( ●) |
(__人__) | ../} はっきりとは予測できない、不確定要素があるということなんだ。
_ ヽ`⌒ ´ | / / __
(^ヽ{ ヽ { ./ / . / .ノ これは戦場でもそうだ。むしろ、不確定要素であふれている、とも言える。
( ̄ ヽ ヽ i ヽ / 厶- ´ /
.(二 ヽ i i |,r‐i ノ. ヽ / / 例えば、天候が急変したら、当初計画通りのスピードでは行軍はできない。
ヽ / ノ / r一'´ ー 、  ̄ ̄ ̄)
i { イ―イ / .`ー―. 、__ .〈 ̄ ̄ 以後の計画に大きな影響をもたらすんだが、命令戦法だとどうなるか?
ヽ. `ー '/ / /\ \
`ー '  ̄ ̄! | ヽノ
801 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 21:50:59 ID:25AGrKow
____
/ \ 逸脱は許されていないのだから、
. / \
. / /) ノ ' ヽ、 \ そのまま、行動するしかない、ってことかお?
| / .イ '(ー) (ー) u|
. /,'才.ミ). (__人__) /
. | ≧シ' ` ⌒´ \
/\ ヽ ヽ
/ ̄ ̄\
/ _ノ \ その通り!
| ( ●)(●)
. | (__人__) 命令戦法では、想定とは違った状況に陥った時、柔軟な対応ができないんだ。
| ` ⌒´ノ
. | } このことが、後にナポレオンの命取りとなった。
. ヽ }
ヽ ノ ビシッ さて、そのころ、同じヨーロッパの別の国で、このアンチテーゼが生み出された。
/ く__,-ュ__ て
| ___ 三) (
| |  ̄ ´
802 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 21:52:21 ID:25AGrKow
_,;'";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;゙';;、
,;';; ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; `、
,';;;;;,, ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ;゙; ナポレオンという天才に対抗するためには、
/;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ,,,;;;;;i
i;;;;;;;;;;;;;;;,,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ;; ;;;;; ,,,,,,,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| チームワークが必要です・・・
ノ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;li;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/l;;;/l;ソ;;/ |;;;;;;/| l;;l゙ヾ;;;ト、;;;;;;;;;;;;;i そのための、参謀たちです・・・
|;;、;;;;;;;;// /,'' / l/ |/|/ ゙l ヾ、゙i;;;;;;::::/
/ヾ;;/ソ , , ヽ l;;l"゙l
'、 (ヾ,,===;;;;;;;,,,,,_`il,i゙__,,,,;;;;;=== ,/|lヽ l
ヽ、`||ヾi;'(:::::゙'゙:::/;;i=i;;;ヽ:::゙'゙::::)゙i;/ |l'ノ/
/ヽ|l、 ゙i::;;;;/⌒⌒).ヾ..;;;;;;;;;;..ノノ/l.,/\
/;;;/::ミヾ、./ / / ) '゙ /ミ"i;;;;;;;;\_
_,.-;;'";;;;;;;;r‐ ミ/゙ ,/ / /_!/` /,,l;;;ミ/;;;;;;;;;;;;;;;;~\
_,、-‐;;'";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| / / / /.__,,,..-/ヽ /;;;ミ/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`;,,、_
‐'";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| ノ / .ノ / ,,, / ノ/';;;;ミ/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;゙'';;;,,、_
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ノ/ ノ / /,,,,/ /;;;;ミ /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/ / /;/ /;;;;;;ミ ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ノ , `゙ /―''':::::::::::ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| | | ノ:::::::::::::::::::;;;;/i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
ゲルハルト・フォン・シャルンホルスト
プロイセン王国、後のドイツ帝国の母体となるこの国は、ナポレオンとの戦争で壊滅的な敗北を喫し、
軍制改革に乗り出すこととなる。この中心となったのが、シャルンホルストであった。
彼は、作戦を担当する参謀本部の母体を創設し、その発展に寄与した。
803 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 21:53:27 ID:25AGrKow
/::::::::::::/|/|/::::|/:::::/イ N:::::::::::
|/|/{|/:::::::::::::::::/ / ハ:::::::: ナポレオンの戦法では、柔軟な対応ができない。其処をつける。
〈r__ヽ |/L、、,,,,,,,,,,,,,,,,__ ノ\::
>r‐t.ハ 7/´::ヘソ_`ヽ_/ミ: 我々は大方針を示し、そこから逸脱しない限り、指揮官(ライン)
(.ヽ:フリ⌒ヘ、:ヽ ̄::::_ノ ̄ ミ:
`┬彳  ̄ ̄ / ミ:: に柔軟な行動を認めよう。
ヽく. __〉、 ..:::::::::ミ:::
V::::::_ .._ 、 .:::::::ハミ:::: そして、指揮官を補佐する参謀(スタッフ)が必要だ。
∧::::::::_ ,,、ハN::::::
」|i;;;::::;;ii,,..... ..、ハ||トミ'': : : 指揮官は、この新しい戦法に慣れていないし、
ハ从||||||||||||||トNミ''/:::
∠//"`-"ー'イ::::::::::: こちらの意図も十分理解していないからな・・・
|:::::|〉: : : : :「::::::::::::::::::
_/:::::::|: : : : : :|:::::::::::::::::::
_/::::::::::::└: : : : :」::::::::::::::::::
この戦法を訓令戦法という。これにより、大幅な柔軟性を獲得したプロイセン軍は、ある方面では不利となっても、
別の方面の軍が活躍して選挙区の打開が図れる、という事態を招くことができた。
804 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 21:54:43 ID:25AGrKow
.l ..ノイ.....:::::::::::.. ....::::::::::::::::: V
.| , :::.. i:: .| / 参謀本部の意図を理解させるために、
|i ____` i / / ::: j`:、、 i l __,,/,、 / ,
,イ´___ `'´ ̄ ̄` マ、,__ _,_i / .:\ ゝ´ ̄ i ̄` マヽ二ニマ ,'イ 参謀たちには、共通の専門教育が必要だ。
´:.:.:.: . ". . . . .:.`ヾ仁ノ} ヽ-イ/ヽ . . . . . .:.:.:、///
ヽ____:. . . . . . . .: :.:l:L丿,ニ、ゞ.:.:.f:.:.:. . . . . . . . .:.:.L__,/ そうでなければ、参謀本部の意図を理解して、
`ー―_!」:.:.: . . . . . . . .:.:iイ二ニニニニ二!:.:.:. . . . . . . .:.:r‐--ィ'1
-弋;.:.: . . . . . . .:./ヘ ,' i il! ゝ,:.:. . . . . . . 丶/イ i 方針に沿った助言を指揮官にできない・・・
/, ,ヘ;';.. . . . . . . .:.:/\、/,イ iハ、/ヽ、'.:. . . . . _._:.:/ヘ、 |
/ `,'ー‐i--!┼ ヘ` 、 ノ/ |ilili、 / ≧/-i-┼‐ ' ` 、 l 参謀本部と部隊勤務を繰り返すことも大切だ・・・
ヽ, / i / .:::::...`` ‐┴----_以ヘ‐-、 .i , ィ,{
,\´`ヽ、 ,イ .:::::::::::::::::::::::::::::::::;/イ ´..:::::::::.ヽ、 ///,イ!
.|ヾヽ `>'´ ....::::::::i;_;:_:::;_:::;, ィ'¨´::::::i:::;ソ :::::::..\ ルi{
| _, ィ'´ ......::::::::;ィ,r'-‐‐::'::::::::::::::::::::::::;y' .::::... `¨`' 、. 从リ{
`y′ .:::::::::::::;::::;/ :::::::::::::::::::::::;:/ ..:::::::::::::: ̄`ヾ、_ `'ー-ュ,仆林
_/ ..i::::::;;;ン;イ ...:::::::::::::::::::;ィ'´ ..:::::::::::::::::::::::::::::::::::...`丶、 .\_`マ{
/ .::::://,イ .:::::::;:__;斗>'´ ..::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`ヾ、
...::::::/,イr'´ .::::::::;メ,≧´ .....::::::::::::::::::::::::_;;;、ノ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
ゝ,__,イ/ | :::::::::j-イ! i:::::::::::::::::::::;ィ¨´:_:_:i'::::::`ゝ‐---ュ、;::::::::::::::::::::::::::::::::
指揮官に勝つための作戦を助言する、ということは専門的な教育が必要である。
それが共通のものであれば、どこの部隊でも参謀がいる限り、同一の助言ができるわけである。
また、参謀本部と部隊勤務を繰り返すことで、部隊に最新の参謀本部の方針を理解する者が置ける。
805 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 21:55:40 ID:25AGrKow
´.
__,,:::========:::,,__
...‐''゙ . ` ´ ´、 ゝ ''‐...
..‐´ ゙ `‐..
/ \
.................;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::´ ヽ.:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.................
.......;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙ .' ヽ ゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;......
;;;;;;゙゙゙゙゙ / ゙: ゙゙゙゙゙;;;;;;
゙゙゙゙゙;;;;;;;;............ ;゙ ゙; .............;;;;;;;;゙゙゙゙゙
゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;;;;;;;;.......;............................. ................................;.......;;;;;;;;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙
゙゙゙゙i;゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;l゙゙゙゙゙
ノi|lli; i . .;, 、 .,, ` ; 、 .; ´ ;,il||iγ
/゙||lii|li||,;,.il|i;, ; . ., ,li ' ; .` .; il,.;;.:||i .i| :;il|l||;(゙
`;;i|l|li||lll|||il;i:ii,..,.i||l´i,,.;,.. .il `, ,i|;.,l;;:`ii||iil||il||il||l||i|lii゙ゝ
゙゙´`´゙-;il||||il|||li||i||iiii;ilii;lili;||i;;;,,|i;,:,i|liil||ill|||ilill|||ii||lli゙/`゙
´゙`゙⌒ゞ;iill|||lli|llii:;゙|lii|||||l||ilil||i|llii;|;_゙ι´゚゙´`゙
1815年6月18日、ベルギー・ワーテルロー。エルバ島から脱出したナポレオン率いるフランス軍は、
この地で、イギリス・オランダ軍と激突した。ワーテルローの戦いである。
この直前、ナポレオンは、イギリス軍と合流前のプロイセン軍に打撃を与えており、これを追撃するため、
グルーシーという将軍に別働隊を預け、追わせた。
806 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 21:56:44 ID:25AGrKow
/ ̄ ̄\
/ _ノ \ ( ;;;;( ナポレオンはプロイセン軍を撃破した、後は残敵掃討、と考えていたんだが、
| ( ─)(─ ) ;;;;)
| (__人__) /;;/ プロイセン軍は戦闘力を保っていた。そして、グル―シーは釣りだされ、
. | ノ l;;,´
| ∩ ノ)━・' ワーテルローから遠ざかって行った・・・
/ / _ノ´
(. \ / ./ │
\ “ /___| |
. \/ ___ /
イギリス・オランダ軍との激突前、ナポレオンはグル―シーを呼び返そうとした。
しかし、連絡は付かなかった。当日、ワーテルロー方面から砲声が届き、
帰還を進言する部下もいたが、グル―シーは、
807 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 21:57:36 ID:25AGrKow
_ . .、、、,,,,.....__
,r'´¨ ,r `ヽ、
,.r'´ィ'´`゙ー-ゞ、,,〃" `ヾ `ヾ、 皇帝陛下は私に、プロイセン軍を追え、と命じられた。
,' ',,〃"_,,Y、_ `゙il、 )
ノi',,〃" ,/´ ̄`゙"`i `i:;, ヾ
,! ! ,:ィ'タ ;オ ,r'‐- 、 `ト,.ソ,!ソ : ノ
l ,.,, ノ ,丿 -‐=;、、_,. 从リト,,.,:i'
'y|i!,'¨ヾ, / ゞ ,-=・ゞ゙';`〈・=ヾソ
l il!、,!l,リ,! ー-‐ : `li'‐|´
'i ´ ト、ゞ、 ,; ,l./
ヾ, ノ,ノーi. '´ ''゙´l
,;',;r'゙ i l. i -‐‐一 l
,}'ヽ、 'l `丶、  ̄ ,!
/ `丶、 \ ,!
、-‐一'、 `丶、`ー─イ'
`ヽ、 rソこ-`fヾ;i}
`ヽ、. ¨``Y| i|l
`ヽ、 ,-‐'ソ| il|、
と繰り返すばかりだった。行動の柔軟性がない、命令戦法の欠陥が現れたのである。
グルーシーの部隊が遊軍となったのに対し、プロイセン軍は決戦場に到着し、フランス軍側面を攻撃、
フランス軍を敗走させ、ナポレオンの命運は尽きたのだった。
808 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 21:58:35 ID:25AGrKow
/ ̄ ̄\ ( ;;;;(
/ ._ノ ヽ、\) ;;;;) 作戦立案に携わる参謀本部創設のいきさつは、以上の通りだ。
| (●)(●)/;;/
| (__人__)l;;,´| プロイセン参謀本部の栄光に関する話は、
| ./´ニト━・' .l
| .l _ニソ } こちらの方のスレを見た方が良いかと、思う。
/ヽ、_ノ /
__/ / ノ__ 「
やる夫が鉄血宰相になるようです 」様
/ / / `ヽ.
/´ ./ ,. ヽ.
ト、_,/. |、 ヽ では、参謀の業務内容について、詳しく見ていこう。
| |/ /
809 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 21:59:44 ID:25AGrKow
/ ̄ ̄\
/ _ノ \ と、その前に、ライン・スタッフについて説明しておこう。
| ( ●)(●)
. | (__人__) ラインとは、指揮系統や指揮官、スタッフとはこれを補佐する参謀を指す。
| ` ⌒´ノ
.l^l^ln } このシステムは企業経営なんかにも取り入れられているから、
.ヽ L }
ゝ ノ ノ 聞いたことがあるかもしれない。
/ / \
/ / \
. / / -一'''''''ー-、.
人__ノ (⌒_(⌒)⌒)⌒))
810 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 22:00:52 ID:25AGrKow
/ ̄ ̄\
/ _ノ \ 軍隊は柔軟性を確保するために、レベルに合わせて様々な部隊が編成される。
| ( ●)(●)
. | (__人__) 師団の下は旅団や連隊、といった風にだ。
| ` ⌒´ノ
. | } そして、その各部隊には、規模に見合った階級を持つ指揮官が置かれる。
. ヽ }
_/⌒ヽ ィ 日本軍の場合で言えば、師団長は中将、小隊長は中尉・少尉となる。
i'⌒゙l | l \__ィ~っ
| |. | | ト、_"__冫く;'三}こうして、上から下への命令系統が確立され、
| | ( " ̄⌒ヽ、 |____`ー‐"
|.  ̄ ̄ ̄ ̄|ソノノ ̄`ヽ ̄⌒ヽ.'⌒lソ 目的に合わせて部隊編成ができるようになる。
| l .| y |_ィ | .||
| | .|.| | | | ||
| | |___| |__| ||
|_______.|___(__゙)__{___゙)_||
811 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 22:02:12 ID:25AGrKow
/ ̄ ̄\
/ _ノ \ そして、それぞれのラインに対し、スタッフである参謀が置かれる。
| ( ●)(●)
. | (__人__) 軍司令官には、軍参謀、師団長には師団参謀、といった風にだ。
| ` ⌒´ノ
. | } ∫∬ これがライン-スタッフ制度の基本形となる。
ヽ } i.⌒i
ヽ ノ kニ l
/ く.[ニニニニニニニニニニニニ`.ニニ´ニニ´
| ヽ、二/ 〈〉 〈〉 ヽ
. | / 〈〉 ヽ
| / 〈〉 〈〉 〈〉 ヽ
ヽ、_ヾ-‐‐--‐‐--‐‐--‐‐--‐‐--‐‐--‐ゞ
812 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 22:03:10 ID:25AGrKow
/ ̄ ̄\
/ ヽ、 _ \ さて、このライン-スタッフ制度、押さえていかなければならないことがある。
( ●)( ●) |
(__人__) | それは、上位ラインが、直接下のラインに命令を下す、ということだ。
(`⌒ ´ .|
{ |
{ .ノ
ヽ ノ\
| __/ )
へ へ|___/| 三二==
⊂《二 《⊃ | 三二==
\\|/\__| 三二== スイ~ッ
\\ / ) 三二==
\/ ノ 三二==
/ / / 三二二==
\\_ \ 三二==
⊂⊂ / ̄ ̄\ 三二=
| | ̄ | /\ | 三二=
|  ̄ ̄| \/ | 三二==
\__\__/
813 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 22:04:04 ID:25AGrKow
_____ ━┓
/ ― \ ┏┛
/ノ ( ●) \ ・
. | ( ●) ⌒) | そんなの、当り前じゃないかお?
. | (__ノ ̄ /
. | /
\_ _ノ\
/´ |
. | / |
/ ̄ ̄\
/ _ノ \ 確かにそうかもしれないが、
| ( ●)(●)
. | (__人__) これを決めておくのとしないのでは、大違いだ。
| ` ⌒´ノ
. | } 指揮系統が不明だと大混乱するんだ。
. ヽ }
ヽ ノ mm こういうことが起きかねない・・・
/  ̄ ̄ ̄ つノ
| | ̄ ̄ ̄
814 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 22:05:03 ID:25AGrKow
∧∧ この歩兵中隊長の上官は歩兵大隊長(少佐)の私だ!
(,,゚Д゚)
(i i)
~| |
し`J
∧___∧
( ´∀` ) 砲兵連隊長だけど、大佐で大隊長より階級は上だ!
( )
i i 歩兵中隊への指揮権がある!
(,__,ハ,__,)
ライン制度では、直属の上官以外の指揮命令は受けない。例え二等兵であっても、
直属の上官でない限り、大将の命令を聞く必要はないのである。
こうして、誰の命令を聞くべきか、という無用の混乱を避けている。
815 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 22:06:06 ID:25AGrKow
∧_∧
(・∀・ ,,) 中隊長が中隊の指揮を執れなくなったので、
( )
| | | 第一小隊長の小官が指揮を執ります!
(_(__)
また、指揮官が指揮をとれなくなった場合、誰が引き継ぐか、というのも明確にしてある。
この場合、下の階級の指揮官で先任(その階級に最も早く昇任した者)の指揮官に引き継がれる。
言い換えれば、軍隊の階級とはこのためにある、とも言える。図にするとこうなる。
軍司令官──軍参謀部
│
│
師団長───師団参謀部
│
│
旅団長───旅団参謀部
816 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 22:07:05 ID:25AGrKow
/ ̄ ̄\
. ./ _ノ ヽ さて、この制度、もうひとつ重要なポイントがある。
| ( ●) (●)
| (__人__) ∫ スタッフには指揮命令の権限がない、ということだ。
| `⌒´ノ ∬
. ヽ } | ̄|
ヽ ノ |_|)
____/ イー┘ |
| | / / ___/
| | / / |
| | (  ̄ ̄ ̄⌒ヽ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
817 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 22:08:12 ID:25AGrKow
____
/⌒ ー、\
/( ●) (●)\ え?小説や漫画では、参謀が指揮を執っている場合があるお!
/::::::⌒(__人__)⌒:::::\
| |r┬-/ ' | あの話では、司令官が負傷したんで、参謀の主人公が指揮を執って、
\ `ー'´ /
敗北を免れているお!
818 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 22:09:16 ID:25AGrKow
/ ̄ ̄\
/ ノ ヽ それはな、その小説が間違っているんだ・・・
| (●)(●) |
| (__人__) | 良く分かっていないんだな・・・
| ` ⌒´ |
ヽ }
__,, -ヽ ノ -、
/⌒ヽ | \><ヘl ヽ \ .
{::: l \ ヽ };;{ | | i }
{:::::.. 〈;;,, ヽ V;;;}ノ l彡 ヽ
_,,.-‐''" |:::::::: ヽ--、 \ >--'⌒ヽ::. }
|| |_,,.ィ'|::::..... }_,,.-‐''"~ヽ_,,.-し':: )_,
|| | || !:: / .::ノ::::::::::. ノ
|| | || _ヽ,, .;::: _,,.-‐''"ー''--'' ̄
_,,. -‐''" `ー---''"
___
/ \
/ 一' `ー\
/ ( ○) (○)\
i (__人__) i
ヽ、 |r┬-| /
/ `ー'´ く
i 丶 ヽ ヽ ガシャ
r ヽ、__) (_丿 , -っ ゚
ヽ、___ ヽ ヽ r. ― ┐ ー ュ '
と_____ノ_ノ | 茶. | 。, つ o
` ー‐┘‐- ´。
819 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 22:13:54 ID:25AGrKow
/ ̄ ̄\
/ _ノ \ 確かに、参謀は指揮官のスタッフとして、
| ( ●)(●)
. | (__人__). rm、 様々な命令を発することがあるが、
| ` ⌒´ノr川 ||
. | },.! ノ' それは指揮権から権限を委譲されたり、
. ヽ r / .|
ヽ ノノ ノ 指揮官の同意を得てから行う。
/ / ./
| / つまり、参謀そのものには、指揮命令の権限はないんだ。
| i´
指揮官のスタッフであると共に、自らも部隊を率いて戦う軍師との違いはここなんだ。
820 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 22:15:02 ID:25AGrKow
/ ̄ ̄ ̄\ _, -‐ スタッフである参謀に指揮権がないのは原則だが、
/ ヽ ,~'_, -‐
/ 丶 _,~'_ッ'- この原則から外れた事例は結構あるし、
| _ノ ( ●) .厂
i ( ●) ! .⊃ 上記のような例もあるから、誤解が生じることもわかるが、
| (__人_) /〉
/∧ ,.<))/´二//⊃ もう少し調べれば、わかることだと思うんだな。
/ : | ヽ / / '‐、二ニ⊃`
, -‐'´: : : : :l 丶l ´ヽ〉: : : : \ 当り前のように参謀が指揮権を継承するのは
/: : : : : : : : :| /_/ __人〉|: : : : :|
「ヾ: : : : : : : : : :l_/:_/ヽ. /´ | : : : : :| 違和感ありまくりだろ、常識的に・・・
〈\ : : : : : : : :,、: :/´∨/`ー'〉 |_| |: : : : :|
!: : :ミヽ: : :/ `y′.: ',ゝ、_/ l: : : : : :|
! ⌒ヽ: : : :.ヾ/: ://: : : :| l: : : : : :|
821 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 22:16:15 ID:25AGrKow
. / ̄ ̄\
-、 / ヽ、_ \ ではなぜ、スタッフに指揮権がないのか?
/ / (●)(● ) |
| , (__人__) | これは無用な指揮の混乱を防止するためだ。
l | (`⌒ ´ |
┌―} l . { | ラインとスタッフから違う命令が出されたら、どうなるか?
┌‐| lノ 〉 { ノ
「1( ̄ `ヽ / ヽ ノ―┐
└イ ̄フ { 小 ´ / l
l 〈 ノー- 、 /」、__ム | └i
ゝ _ノ /\ / / r┐! l \
| / |' //⌒Vー'| 厂\ \
\ r'´ ,// l / / \ \
` <. __/// / / / / /
822 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 22:17:03 ID:25AGrKow
旅団長「A地点を攻撃しろ」
師団参謀長「B地点を攻撃しろ」
. .: : : : : : : : :: :::: :: :: : :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
. . : : : :: : : :: : ::: :: : :::: :: ::: ::: :::::::::::::::::::::::::::::::::::::: どっちに従えばいいんだよ?
. . .... ..: : :: :: ::: :::::: :::::::::::: : :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
Λ_Λ . . . .: : : ::: : :: ::::::::: :::::::::::::::::::::::::::::
/:彡ミ゛ヽ;)ー、 . . .: : : :::::: :::::::::::::::::::::::::::::::::
/ :::/:: ヽ、ヽ、 ::i . .:: :.: ::: . :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
/ :::/;;: ヽ ヽ ::l . :. :. .:: : :: :: :::::::: : ::::::::::::::::::
 ̄ ̄ ̄(_,ノ  ̄ ̄ ̄ヽ、_ノ ̄ ̄ ̄ ̄
連隊長
この場合、どちらも上記組織のライン・スタッフであり、どちらに従えばよいかわからない、ということになる。
指揮命令系統は一元化されねばならないのである。
823 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 22:18:23 ID:25AGrKow
/ ̄ ̄\
/ ヽ_ .\ このような事態を避けるために、スタッフである参謀には、
( ●)( ●) |
(__人__) | 指揮命令の権限は与えられないんだ。
l` ⌒´ |
{ | では、参謀とはどのような業務を行うのか。
{ /
_. -: ´Λ _.へ` 、
r<: : : : /:|: :、  ̄r' \ :\_
/: : :l : : : : : :\`IエL>、 >ヘ::Λ
|: : : ト、: : : : : : : : : : : : : `ー/ : : V |
〈: : : :::: _ -¬--―-、: : く:r 、: : : V }
/: : :_ン´: : : : \ ,___, ィ ): : :`く : : : ヘ|
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
/ ̄ ̄ ̄\
/ \ 作戦を立案すること、じゃないのかお?
/ ─ ─ ヽ
| (●) (●) |
\ ∩(__人/777/
/ (丶_//// \
824 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 22:19:19 ID:25AGrKow
/ ̄ ̄\
/ _ノ \ 確かにそうだが、それだけじゃない。
| ( 一)(●)
| (__人__) 参謀の役割は多岐にわたる。
| `⌒´ノ
| ,.<))/´二⊃ わかりやすく言えば、
ヽ / / '‐、ニ⊃
ヽ、l ´ヽ〉 「指揮官の決心を助けるために、情報を収集・整理して、
''"::l:::::::/ __人〉
:::::::::|_/ヽ. /|||||゙!:゙、-、_ 事前に指揮官の意図を把握して、決心の根拠を提供する。
:::::::/´∨/`ー'〉゙||i l\>::::゙'ー、
:::y′.: ',ゝ、_/ヽ.||||i|::::ヽ::::::|:::! そしてそれを文書にして、伝達する」ことだ。
/: ://: : : :|:::ヽ|||||:::::/::::::::i::|
825 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 22:20:22 ID:25AGrKow
/ ̄ ̄\
/ ─ ─\ 味方の戦力はこれで、敵の戦力はいくら。
/ (●) (●)ヽ
.| (__人__) | 想定戦場はここで、地形は把握してある・・・
.| `⌒´ |
ヽ / だから、こういう作戦計画が良いか、と。
/ ヽ ノヽ
/ ヾ
参謀は彼我戦力、行動能力を見積もって作戦を立案する。
想定戦場の把握も必要である。こうやって事前に情報を収集・整理して、勝つための戦術を研究する。
こうしたことは、事前に行っておかなければならない。参謀の仕事の第一は、事前の研究なのである。
826 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 22:21:17 ID:25AGrKow
____________
| ==========. |
|;;;;;;;; _/|/ ̄\/ ̄ ̄ ;;;;;;;;|
| ;;;;;;;; ∧,,∧. / ∧,,∧ ;;;;;;;;; |
| (`・ω・)/ (・ω・´) ; |
∧,,∧ . ̄ ̄( つ ̄ ̄( ) ∧,,∧
( `・ω) ./ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄lll(ω・´ )
| つ、_ Σ ⊂ |
∧,,∧ゝ-/ / / _ ─\ノ
( `・ω)/_  ̄ \ \ ∧,,∧
| つ/ /  ̄ ⊂(ω-` )ヽ
ゝ/  ̄= o ⊂二ノ )
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
また、組織が大きくなるにつれ、一人の人間では手に余るようになる。参謀も同様である。
このため、業務を分けた結果、参謀の数が増える、参謀の部下が存在する、ということになった。
そうなると、参謀そのものが組織化され、部隊規模ごとに参謀部として編成されるようになった。
827 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 22:22:17 ID:25AGrKow
∧,,∧ ∧,,∧
∧ (´・ω・) (・ω・`) ∧∧ こういう作戦計画で行きたいんだよね・・・
( ´・ω) U) ( つと ノ(ω・` )
| U ( ´・) (・` ) と ノ でも、それじゃ補給に無理がないか?
u-u (l ) ( ノu-u
`u-u'. `u-u' 通信は維持できるのか?兵の休養も必要だぞ?
参謀部には、作戦参謀のほか、通信・情報・兵站といった各担当の参謀がいる。
作戦計画立案の際には、それぞれの立場から、計画について議論する。
そうした議論の上で、合理的で根拠のある作戦計画をいくつか立案し、
828 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 22:23:10 ID:25AGrKow
∧,,_∧
⊂(´・ω・)つ-、 ほいじゃ、B案にしよう。
/// /_/:::::/
|:::|/⊂ヽノ|:::| /」 lヽ,,lヽ lヽ,,lヽ lヽ,,lヽ
/ ̄ ̄旦 ̄ ̄ ̄/| ( )( )( ) A・B・Cと三案、立案しました。
/______/ | | と.、 iと.、 iと.、 i
| |-----------| しーJ しーJ しーJ それぞれのメリット・デメリットは・・・
指揮官に提出して、決心の材料としてもらうのである。
829 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 22:23:53 ID:25AGrKow
/ ̄ ̄\
/ \ ./\ 前線視察に行くか!
/ (●) (●)ヽ
.| (__人__) | 味方部隊の状況も把握しておかないといけないし・・・
.| `⌒´ |
ヽ /
/ ヽ ノヽ
/ ヾ
情報収集は担当の参謀や部下達が行うが、重要な事項については、作戦参謀・参謀長といった
重要人物が自らの目で確認を行うことが必要である。
良い計画を作るためには、自ら状況の把握に努めなければならない。
830 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 22:24:48 ID:25AGrKow
/ ̄ ̄\_
/ ─ ─\ 歩兵連隊はB地点を攻撃し、
/ (●) (●)ヽ
.| (__人__) | 砲兵はこれを支援すること。
.| `⌒´ |
ヽ / 工兵は事前に敵陣地の障害を除去すること、と・・・
ノ ヽ ノ \
. / ヽ カ
| l l||l 从人 l||l l||l 从人 l||l カ タ
ヽ -一''''''"~~``'ー--、 -一'''''''ー-、. タ
ヽ ____(⌒)(⌒)⌒) ) (⌒_(⌒)⌒)⌒))
┌ ┌┬┬┐┌┬┬┬┐┌┬┬┬┐┌┬┬┬┐
,. - ''"| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ρ ̄`l
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ノ ̄ ̄
作戦計画が決定されたら、これを隷下部隊に伝達しなければならない。これも参謀の仕事である。
ただ単に「どこを攻撃しろ」ではなく、「どこをどのように攻撃しろ」と具体的に、簡潔に伝えなければならない。
こうした作業には、知識と経験が必要であり、専門教育を受けた参謀の重要な仕事なのである。
831 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 22:26:03 ID:25AGrKow
. … .
:____:
:/_ノ ー、\: 命令の伝達なんて、誰にでも、電話一本できるお!
:/( ●) (●)。 \:
:/:::::: r(__人__) 、 :::::\: こんなのが専門技能だなんて、おかしいお!
:| { l/⌒ヽ |:
:\ / / /:
〈 \ 「 \
〉 `> `>
/ / / 大間違いだ!
/ / 〈
| ./ ̄ ̄ヽ |
/llllllヽ_ ヽ ..) l
| (○)(○ ) | | ∥
| | ∥ (_人__) | ∥ ∩⌒)
∥ . ∥ ヽ⌒´ | |/ /
| __ 「 ̄`フ/{ | ll /
∥ / `ヽ | | ( <ヽ l ノ
,/ /ヽ ヽ/ /__,ヽ ノ ∥
く / | '´ ̄ . _ ノ )
 ̄ | _,,..-‐'.;;;(○ )/
.`ー-‐'´ ̄ \ /
 ̄ ̄
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
832 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 22:26:59 ID:25AGrKow
,, -‐ 、
/' ヽ 確かに簡単な命令なら、電話一本で事足りる!
/ ̄ ̄\ ./ i
/ ._ノ ヽ、\ / ...........i しかし、それが複雑な内容だったら?理解させるのは難しいぞ!
| (●)(●) | / ..:::::::::::::::|
| (__人__) | / ..::::::::::::::::::l それに誤解したらどうなる!
.| ` ⌒´ .} ./ ..::::::::::::::::::::!
| }/ .::::::::::::::::::::/ 命令伝達の技術は、非常に重要なんだ!
ヽ ./ .:::::::::::::::::::/
.ヽ . ./ .:::::::::::::::::::/
,. ‐'"´ `'‐,r''"~ .:::::::::::::::::/
..:./,. -‐‐- 、 l′ ..:::::::::::::/|
:,' / !.:::::::/:i..:..l
r 、 / !::::::::::: i..:..i
l .......`:i i !:::::::::: ゙、:.i
! ::::::::::/ i i:::::::::: ヽ:i
.! ::::::::/ i .....i::::::::::: ヽ
.ヽ ::::::| `、 `、 .....::::::::::::l:::::::::::: `,
/ \:::l. `、 ヽ::::::::::::::::::::l::::::::::: /'''ー─----、
`ヽ `、 .::::\:::::::::::::::|::::::::: /,, ,. ‐;''
833 :
名無しのやる夫だお :2009/11/27(金) 22:27:01 ID:GtW92szk
参謀は指揮官の補佐役だね。 指揮に専念してもらうために、情報収集、総務、命令伝達を代わりに行う。 834 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 22:27:59 ID:25AGrKow
/ ̄ ̄\
/ ─ ─\
/ (●) (●)ヽ この作戦では、あなたの部隊に危険を冒してもらわないといけません。
.| (__人__) |
.| `⌒´ | ですが、あなたの努力は無駄にしません。きっと、勝ってみせます。
ヽ /
/ ヽ ノヽ ですから、理解していただきたいのです・・・
./ / ∩ノ ⊃| |
( \ / _ノ | |
.\ “ /__| |
. \ /___ /
また、リスクが伴う作戦の場合、命令を受ける相手に納得させなければならない。
そのためには、参謀が直接出向いて状況を説明し、指揮官に理解してもらわないといけない。
こうしたコミュニケーション技術も必要なのである。
835 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 22:29:15 ID:25AGrKow
/ ̄ ̄\
rヽ / ノ \ \ このように、参謀とは前線や隷下部隊にひんぱんに赴いて、
i ! | (●)(●) |
r;r‐r/ |. | (__人__) | 状況を確認したり、調整の業務をしなければならない。
〈_L (`ヽ .} | ` ⌒´ ノ
l` ( ``/ . | } 日本軍では、「参謀は足で働け」と言われたらしい。
ヽ l . ヽ }
|,. l /⌒ ー‐ ィ ヽ
836 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 22:30:26 ID:25AGrKow
/ ̄ ̄\
/ _ノ .ヽ、\ お分かりになったと思うが、第三軍司令部の参謀が
| (●)(●) |
. | (__人__) .| 前線に来ないことで非難されたのは、
| ` ⌒´ ノ
. r─一'´ ̄`<ヽ } ・敵の状況を確認していない
. `ー‐ァ , ) , -'~⌒ヽ、
ノ {. ,ヘ ,l. ゝ、_ .'ヽ). ・味方部隊の状況を確認していない
. /, 、 _ /. | . ', . .. .ヽ、
(/ / // / / ...| ...|\..\\ \_)・味方の指揮官に、軍司令官の考えを伝えていない、意図がよくわからない
/ // / / . . \_\_)、_)
ー' {_/ノ ."´ からなんだな。そりゃ、怒るだろ、常識的に・・・
837 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 22:31:30 ID:25AGrKow
/ ̄ ̄\
/ \ /\
| (●) (●) ヽ. そうではありません!
| (__人__) .|
| `⌒´ | その部隊はこちらに移動させてください!
/ /
/ ヽ∩__ .ノヽ
/ ( ) | |
( / ノ .| |
.\__/ _| |
.___ /
参謀が部隊を頻繁に訪れるのは、まだ理由がある。監視と指導である。
部隊が軍司令官の命令をきちんと実行しているか、監視する。また、部隊が作戦計画を誤解している場合は、指導して正す。
これは、軍司令官の役割であるが、多忙であるため、軍司令官のスタッフである参謀の役割となっている。
838 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 22:32:12 ID:25AGrKow
/ ̄ ̄\_
/ ─ ─\ 何時何分に砲兵が敵陣地に射撃を開始し、
/ (●) (●)ヽ
.| (__人__) | 歩兵がその後突撃、何時何分に陣地を占領、と
.| `⌒´ |
ヽ /
ノ ヽ ノ \
. / ヽ カ
| l l||l 从人 l||l l||l 从人 l||l カ タ
ヽ -一''''''"~~``'ー--、 -一'''''''ー-、. タ
ヽ ____(⌒)(⌒)⌒) ) (⌒_(⌒)⌒)⌒))
┌ ┌┬┬┐┌┬┬┬┐┌┬┬┬┐┌┬┬┬┐
,. - ''"| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ρ ̄`l
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ノ ̄ ̄
報告書の作成も参謀の仕事である。
このように、参謀の仕事は非常に多岐に渡る。
平時でも研究はもとより、演習や教育訓練、情報収集が待っている。
839 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 22:33:38 ID:25AGrKow
/ ̄ ̄\
/ ノ ヽ /\'ー、 ,, ..,、
| ( ●)( / .\` 、 . // / 多くの仕事を担う参謀。
. | (__人/ \ヽ、,.// ../
| ` / ``77 / こうした多岐にわたる仕事を行うには、専門教育が必要だ。
. ヽ / / / /
ヽ.. / fヽ、/ / , -,./ では、どのように養成されるのか。
/./ r-、 ヽ ∨,ノ /
|. \ 〈\.\,〉 `, f
| . \ (ヽ ヽ `.. |
| .\ \ ノ
840 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 22:34:33 ID:25AGrKow
___________________
|| ||
|| ||
|| ||
|| ∧ ∧ 。 ||
|| ( ,,゚Д゚)/ ||
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ノ つ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
/  ̄ ̄ ̄ /|
| ̄ ̄ ̄ ̄| |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|____|/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
∧,,∧ ∧,,∧
∧ (´・ω・) (・ω・`) ∧∧
( ´・ω) U) ( つと ノ(ω・` )
| U ( ´・) (・` ) と ノ
u-u (l ) ( ノu-u
`u-u'. `u-u'
国によって名称に違いはあるが、どこの国の軍でも参謀を養成する教育機関を持っている。
日本陸軍で言えば、陸軍大学校である。
こうした教育機関を経ずして参謀になることは、まれと言って良い。
841 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 22:35:48 ID:25AGrKow
∧,,∧ ∧,,∧
┌(・ω・`)ァ r、(´・ω・)ァ
`\ < > /
⊂一、_)∧,,∧(_,ー、う
(^(・ω・`)^)
`> <´
(ヽ∧,(_/ \_),∧/)
⊂(´・ω・) (・ω・`)⊃
`ー-、_)(_,-一'´
(-ω-´)
⊂ ⊃
(_,ー 、,)
ここには、試験を経て入学してきた尉官・佐官級の若手将校が集まり、必要な専門教育を受ける。
卒業後、部隊に配属され参謀となるが、中には部隊指揮官や学校の教官となる者もいる。
その後、数年おきに異動を繰り返し、エリートして軍の階級・役職を駆け上る。
842 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 22:36:30 ID:25AGrKow
♪ ∧,, ∧ ♪
♪ ∧,, ∧ ・ω・)
∧,, ∧ ・ω・) )
♪∧,, ∧ ・ω・) )っ__フ ♪ ∧,, ∧
∧,, ∧ ・ω・) )っ__フ(_/ 彡 .∧,, ∧ )
( ・ω・) )っ__フ(_/彡 ∧,, ∧ ) )
(っ )っ__フ(_/彡 .∧,, ∧ ) ) Οノ
( __フ(_/彡 ∧,, ∧ ) ) Οノ ヽ_)
(_/彡 ( ) ) Οノ 'ヽ_)
( ) Οノ 'ヽ_)
(ゝ. Οノ 'ヽ_) ♪
♪ ミ ヽ_
教育機関では、同一の教育を受ける。卒業後、彼らが部隊や軍の各機関に散らばることで、
ドクトリン(教義・部隊運用の基本原則)の統一が容易となる。同じ思考で物事を見つめられるのである。
843 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 22:37:08 ID:25AGrKow
! l ! r
i l l i
! 从 l i i
l / ゝ人 /
∧,,∧ ; ! __ ヽ r ∧,,∧
(´・ω・) 丿 ヾ/;;/ ヽ (・ω・`)
∧,,∧ /つ_ _O (二;;;;二二;二;;二) O _ とヽ ∧,,∧
( ´・ω) ゝノu.u ((;;;;;;/;;/;;;;@) u'u'、ソ (ω・` )
/ つ (二二;;二;;;二二) と ヽ
ゝ_人) ∧,,∧ (@);;;;;;;;;;(@) ∧,,∧ (人_ノ
( ´・) (・` )
/ ) ( ヽ
ゝ_ ) ( _ノ
教育の中には参謀旅行と呼ばれる、各地に赴いて、実地で戦術の検討を行うものがある。
日本陸軍では、終了後は宴会となるが、ここで将来の参謀たちが率直に意見交換することで、
後に円滑な部隊運用ができるようになることも期待された。
844 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 22:38:03 ID:25AGrKow
/ ̄ ̄\
/ _ノ ヽ、_ \ このように、参謀制度は発展したのだが、
. | ( ●)(● ) |
. | (__人__) │ 問題もあった。それは、「指導」という役割に起因する。
| `⌒ ´ |
. | |
. ヽ /
ヽ /
> <
| |
| |
/ ̄ ̄\
/ \.i||i./\ そうじゃありません!
/ (○) (○)ヽ
.| (__人__) | あなたは、私の言うとおりにやっていればいいんです!
.| `|::::::| .|
ヽ .l;;;;;;l /
/ ヽ .`ー' .ノヽ
/ .ヾ
参謀に指揮命令権限はない。しかし、「指導」を通して指揮官の意を伝える役割を持つ。
時には佐官級の参謀が、階級が上の将官に実行を強制する、という図式ができてしまった。
845 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 22:38:44 ID:25AGrKow
/ ̄ ̄\
/ \ /\ 何やってんだ、こいつら・・・!
| (●) (●) ヽ.
| (__人__) .| 俺に任せれば、もっとうまくやって見せる!
| `⌒´ |
/ /
/ ヽ∩__ .ノヽ
/ ( ) | |
( / ノ .| |
.\__/ _| |
.___ /
また参謀は情報に精通している。命令を起案し、伝達する役割にもたけている。
またエリートであり、その自負から功名心にはやる場合もある。自分の考えを命令しようと思えば、できないことはない。
ここに、階級が下の者が上の者を従わせるという、「下剋上」が生じる可能性が生まれるのである。
846 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 22:39:27 ID:25AGrKow
/ ̄ ̄\
/ \ 日本軍における参謀の問題点については、
|:::::: |
. |::::::::::: | 本編の最後に紹介するつもりなので、
|:::::::::::::: | ....,:::´, .
. |:::::::::::::: } ....:::,, .. 詳細な説明はここでは省くが、とにかく悪評が強い。
. ヽ:::::::::::::: } ,):::::::ノ .
ヽ:::::::::: ノ (:::::ソ: . 参謀制度に否定的な意見を持たれた方もいるかもしれないが、
/:::::::::::: く ,ふ´..
-―――――|:::::::::::::::: \ -―,――ノ::ノ―― 一人の指揮官ですべてを実行できない現状では、この制度はなくならない。
|:::::::::::::::|ヽ、二⌒)━~~'´
制度そのものでなく、運用に問題があるような気がするな・・・
847 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 22:41:20 ID:25AGrKow
/ ̄ ̄\
/ ノ \ さて、それでは、兵站について解説しよう。
.(●)(● ) |
(__人__) | 兵站とは、軍隊の戦闘力を維持するための役割、
.(`⌒ ´ |
{ | つまり戦闘量を維持するために、様々な物資の補給や武器の整備、
{ . /
\ / 兵士の休養等の様々なサービスと言った、業務を指す。
. {__} ノ \
l1 ,. - 、/´ `}
rz=γ⌒ヽ \rf} ィ ̄>、 1// 言うなれば、戦うために必要な様々なサービス業務、と言ったところだろうか。
Y⌒ Y1 ! z=、}z} `´/:.:.:}ミ、::! |
'、__ノ::i fイ__)==zュ、}__/_/:)、j
_,.く:::::::::ヘ `Y: : : : :\─-`Y´:/: :!
/ }!::::{ 入/: : :r--1 }::::: , -─────--_, __,イ、
/ /イ::,ノ :} _\: : :1ヘ::::Y<__________/__,.〉/ /=z、
. i / / / イ::::::::::::i: : :!: : Y-======== z___/ _!/γY
. ! i / / ノ__,ノ : :.i : : |:.:.!:.:.:.:.:.:.!:.:.::.:.:.!:.:.:.::.:.:. ̄:.!ヽイ/ {!j
. i: :: :i { </ ` ─--─一 ┐:i:.:.:.:.:.: !:.:.:.:.:.:!.:.:.:.:.:.:.:.:.:. jノ∧ /
! : :.i、 ソ `ー──────‐ '´ ̄!__{__ノ
ー -'
848 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 22:44:11 ID:25AGrKow
/7
// その中で重要な「補給」について、取り上げよう。
//
__ // ここで言う「補給」とは、軍隊が作戦行動をする上で
. /ノ ヽ\ .//
. / (●)(●〉/ 必要な物資を提供することだ。
l (__人_,//l
. | `⌒// ノ ちなみに、一番重要な物資とは何だったか、お前わかるか?
l // ./
. ヽ r-‐''7/)/
/ と'_{'´ヽ
/ _.、__〉 ト,
{ 、__} |.i
ヽ _,.フ .|.|
849 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 22:45:41 ID:25AGrKow
____
/⌒ ⌒\ 軍隊なんだから、武器や弾薬に決まっているお!
/( ●) (●)\
/::::::⌒(__人__)⌒:::::\
| |r┬-| |
\ `ー'´ /
/ ̄ ̄\
/ _ノ \ 予想通りの回答だが、違うんだ。
| ( ●)( ●)
| (__人__) もっとも重要なのは、食料と馬の餌である飼い葉だ。
| `⌒ ´l
| }
ヽ }
ゝ 丿
____( ̄ ̄ / ̄ ̄/´ ̄/_
i⌒ゝ、 ヽ ヽ. / / ⊂) i⌒ゝ、
i;;;;;;;;;;|__ L人  ̄ ̄`´ ̄ ノ__i;;;;;;;;;;|
銃や砲といった火器が戦場に登場するのは13世紀ごろからだが、その発射スピードの低さから、
使用する弾薬はそれほど多くない。兵士の背嚢や部隊の手持ち分で十分戦うことができた。
19世紀後半に至るまで、最も重要な物資は食料と、輸送手段である馬の餌・飼い葉だった。
850 :
名無しのやる夫だお :2009/11/27(金) 22:48:34 ID:vzpgYwls
>>831 そもそも電話が通じなかったり、防諜の必要もあるしねえ 851 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 22:48:37 ID:25AGrKow
/ ̄ ̄\
. ./ _ノ ヽ 飼い葉の調達は、実に厄介だ。
| ( ●) (●)
| (__人__) ∫ 人間の食料はある程度長期保存がきくが、飼い葉はそうはいかない。
| `⌒´ノ ∬
. ヽ } | ̄| 草を主とするが、一度刈り取れば、再び成長するのにも時間がかかる。
ヽ ノ |_|)
____/ イー┘ |
| | / / ___/
| | / / |
| | (  ̄ ̄ ̄⌒ヽ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
852 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 22:51:13 ID:25AGrKow
/ ̄ ̄ ̄\
/ \ それじゃ、補給業務は大変なことになるお・・・
/ ─ ─ ヽ
| (●) (●) | 根拠地から物資を輸送するのは大変だお・・・
\ ∩(__人/777/
/ (丶_//// \
/ ̄ ̄\
/ _ノ \ ところがだな、中世、17世紀後半に至るまで、
| ( ●)(●)
. | (__人__) ヨーロッパの軍隊は根拠地からの輸送による
| ` ⌒´ノ
.l^l^ln } 補給業務にそれほど関心を払っていないんだ。なぜなら、必要がなかったからだ。
.ヽ L }
ゝ ノ ノ それはだな・・・
/ / \
/ / \
. / / -一'''''''ー-、.
人__ノ (⌒_(⌒)⌒)⌒))
853 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 22:52:34 ID:25AGrKow
,, -‐ 、
/' ヽ
/ ̄ ̄\ ./ i 軍隊は食料と飼い葉を現地で調達すること、
/ ._ノ ヽ、\ / ...........i
| (●)(●) | / ..:::::::::::::::| が原則だったからだ!
| (__人__) | / ..::::::::::::::::::l
.| ` ⌒´ .} ./ ..::::::::::::::::::::! と、いうよりそれしかできなかった・・・
| }/ .::::::::::::::::::::/
ヽ ./ .:::::::::::::::::::/
.ヽ . ./ .:::::::::::::::::::/
,. ‐'"´ `'‐,r''"~ .:::::::::::::::::/
..:./,. -‐‐- 、 l′ ..:::::::::::::/|
:,' / !.:::::::/:i..:..l
r 、 / !::::::::::: i..:..i
l .......`:i i !:::::::::: ゙、:.i
! ::::::::::/ i i:::::::::: ヽ:i
.! ::::::::/ i .....i::::::::::: ヽ
.ヽ ::::::| `、 `、 .....::::::::::::l:::::::::::: `,
/ \:::l. `、 ヽ::::::::::::::::::::l::::::::::: /'''ー─----、
`ヽ `、 .::::\:::::::::::::::|::::::::: /,, ,. ‐;''
854 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 22:53:25 ID:25AGrKow
rーi .|
.l二コ .。! ̄| ̄!。
|: | ÷|÷ l 十
/|: |. |i~|_ l |
,ニニ゙|: | ニニニニニニニニ,ト, ,
r--┴/-|;;;_|┴┴┴┴┴┴-` =ii、
| ロ ./ロ|: | ロ ロ ロ ロ ロ | !゙ー、
| / |: | | ii; |、
| ロ' lココ|: |ユ lココ lココ lコ | i ii |;;;)
l"l __!/_i__lユ_|;,, |___lコ ロ ロl"l ロ .| i ii ゙' マ
_,.!='''" -==-  ̄~""' ‐-,L.!.,_ ! ii ;;; |
\; ; ; ; ; ; ; ; ; :::::: =- `t iiii トュ `i
ヽ; ; ; ; ; ; ; :::: ,-, `゙''ー- 、,L!!!`i
ヽ; ; ; ; ; ; :: , (;;/ .: : : : : : : : |
ー へへーーヽ; ; ; ; i; ..: : : : : : : : : : : : : : : ノへーへ
,,~ ,,~:ヽ; ; ; i .: : : : : : : : : : : : : : :: : : . / ~ ~:
~ ,,~ ,,~:へーーへへーーへへーーへへーへへー''"⌒,, ,,~
根拠地から物資を運ぶ手段として、船がある。船は多くの荷物を少人数・低コストで運べるが、
海や川のないところでは使えない。
855 :
名無しのやる夫だお :2009/11/27(金) 22:54:50 ID:GtW92szk
ヒャハー 856 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 22:55:13 ID:25AGrKow
________
/ _______ `ヽー――、xー―-、_
//三三三三三三三三ニ`ヽ \ / ヽー――、
|\三三三三三三三三三三〉/|、.∠ .l \
│ヽ` ー-―――――――" .|  ̄ ―- 、| |
│ \ / .|  ̄ ‐--i/
∧__ ∧ │ 、 ´ / .| │
ヾ/"人//ーヽ、_x_,-、__ | / | │
l ) ノノ 〉'\ ` ̄ ̄ ̄ ̄ ヽ|_ | │
ゝ ● l // / \\ \三ミ、 .l" ̄ ̄ ̄//| .___| │
/ / ノ / // `ーヘ 、 \从 ゝ----"""┘ // ̄ ̄.| __|_
/⌒" ,/`ヽ/ /" \\ l川/ \ |// | / / ∧
゙ヘ_ヘノ __// | \\ | /ヾ、___ノ// | l l l
 ̄ ` ̄ ̄´ 〉、′、 l \\ | /  ̄ ̄ ̄ | | | l | .|
( ゝ-〉 /ー――ヽ⌒ヽ \\ / | | | | | |
| | | / l ヽ \\| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄´ヘヘ | , -l | |
/ l | | \ ヽ\ \\ | l | , -'" - l | .|
l 〉 | 〉 | l 〉 /\\ _ | |___| _,..-'''" , -'" | l l
| | .| | l | l | ゙̄ \\ / / ̄ヘ ̄ ̄ ̄ ̄| , -' " l l /
| | | | / / | |―――\l i、ヘ /l―――" ゝ-ゝ-"
ノ l | l、 〈 〈 | | | | ー -.l
[二ニ] | / /ー 〉〈 l l l / 、l
〈二] ゙ー "∠ニゝ ゝ-ゝ- "
そのため、地上の輸送は馬車を使うということになるが、千人単位の部隊を維持するために、百単位の馬車が必要になる。
人や馬が大量に必要になり、目的地に着くまでの食料・飼い葉も同時に運ばねばならない。
また、時間が経つにつれ、傷んでしまう。また、道路事情が悪いと、ただ動かすだけでも大変になる。
857 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 22:57:15 ID:25AGrKow
/ ̄ ̄\
/ _ノ \ ( ;;;;( コストと手間は馬鹿にならない・・・
| ( ─)(─ ) ;;;;)
| (__人__) /;;/ それじゃ、現地で調達した方が良い、ということになる。
. | ノ l;;,´
| ∩ ノ)━・'
/ / _ノ´
(. \ / ./ │
\ “ /___| |
. \/ ___ /
858 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 22:58:39 ID:25AGrKow
___
/ .u \
/((○)) ((○))\
/⌒)⌒)⌒. :::: (__人__) l_j :::\ /⌒)⌒)⌒) 現地調達、ってこんな感じかお?!
| / / / |r┬-| | (⌒)/ / / //
| :::::::::::(⌒) U .| | | / ゝ :::::::::::/
| ノ | | | \ / ) /
ヽ / └ー.┘ ヽ / /
859 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 22:59:25 ID:25AGrKow
t 〉从||||iiー''";;;;;;;;ー、リリ) ~'ー、
了 ,r'~;;;;Lr'";;;;;、 '"ヽ ~' 、ii〈 /
て 消 ( /ソ、;;;;;;;;;;;/::: ::ヽ:::ヽi| 食 わ (
え 毒 〉 |/、,, 'ーiii~''",,,、ヽ- 、,,t:::::j 料 は 〉
か さ ( y,,,,='';;'"´ ;;;;;;、r'--ミ:ヌ を は (
┃. れ ヽ, t'" ;;;r'⌒''yー'" ::t ) 出 は / ,,、-''"
┃ ゝ i ̄:::::ノ'ーイ;;;;,,,,_ー、 彡|i | せ /'",、-'"
┃ ,r" ヽ、 'r=='"~,,)i'iii リ:j | // 〉:::::::::::::
// r-、| ', i;;;;r'"~~ リ ソ:://'''ー、 ・・ _(::::::::::::::
・・ | i tー'--,ノ / ,r';;; :::L _ __ /::::::::::::/
,r、 ,、-- 、, -'" ,iヽ, 二~-ー, ',、 ':::::::::/ ノ/",, レ''"、~ ,、 ':::;;、
レ"从 ;:;: ( _,, r'''~|::::to'''''"o~j";;;、 -'":::"::| ,,,,」L,,,, ヽ''",,、-'~::::
从 ),,,、-ー ''''" ̄ ̄::/::::. (、;;;;二=ー'''":::::::::::::::,、-''i, |j" ,,,,,、- '":::::::::::::
゙〉 , '''~ '''"::''___''''/::::::::| ::::::::::::::::::::::::::::::::::;;;、-ー''"/从;;;;~'''''''i'i""| i|:/ ̄ ̄
∫ (,,:::::''" ,r"ii .ツY""::/:' 、;;;;;;;;;;、 -ー ''"" i i|||;;;;;;;;;;;;;;||;;;;;| i|:::/
`}∫ _ノ、,,,,,,,/ニ了 ̄/,,,,,i////::::::::::::::::::::tj:::::::::::::::::::::::::| }||;;;;;;;;;;;;;;;|i;;;;;;| |/
";:;: ;:i'___(二二i|/iiiiii//// :::::i ::: i 〈t""○;;;;ti;;;;;;i /
'、t,,々ヽ==、、~'' 、ヽ| iOj//リ:::::,、 '"" :::| ::: t | t、、 ti;;;;;;i
.,r/;:;~''tt;;;;;:ヽヽヽ'yi|リ,//iソ''~ ::::| ::: '、ヽ';;;;;;O;;;;ヽ;;i
.i.|;:;:;:;:;;゚;;;;o;:;;:;:;:i |"|::|O|ii|||| :: it ::::::: ' 、;'、;;;;;;;;;;;;ヽ| 、、
i ';:;:;:;:;;;;;;:;:;:;:;;:;:;ノノ:::i:ソii|||i| || ::;;ヽ ::::::::......................`' 、;;;;;;;;;;;;;;;i :::" ,、
ー、' 、、;;;;;;;;;;;、 '"::::ノ人i从i || ::::::;;;j ~' 、,,::::::::::::::::::::::::::::::\;;;;;;;;;;;t ::::::,、 '~ ,,
_i、ヽ,,二_,,、 '",,r"入从jノ:::::::::::::::::::::::::::;;/ (:、 ~ '''''''''''''''''""""~ヽ;;;;;;;;;'、/:::/::
'フヽ、iii二二;;;;、-'"ー-'、〉、、;;;;;;;;;;;;,、- ''~ ;;;;};;;;:::::;;;;;;;; ,,,,,,,,,、 ,、-ー''''、~フ""/:::::::
/、 '"~(~~~ '''、"~ ヽ,...,,'ー-、~'ー、::::'''" ヽ:: ~ 、-ー''":::::::ヽ Y
860 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 23:00:10 ID:25AGrKow
(⊃ ̄ ̄\
(⊃ _ノ \ まあ、そういう略奪形式もあるが、
(⊃ ( ●)(●)
| (__人__) 対価を払って手に入れる、というのが一般的だな。
| ` ⌒´ノ
| } \
/ヽ } \
/ ヽ、____ノ )
/ . | _/
| / ̄ ̄(_)
\ \ /| JJJ (
\ / /⊂_)
食料を探すために、徴発隊を編成する、または商人と契約して用意させる、
という方式が取られた。しかし、この現地調達方式、重大な問題がある。
861 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 23:01:08 ID:25AGrKow
__
/|: : :.:::|
l | : : : :|
| |: : :. .:|
| |: : : :.:|
iv'ヘ | |:|l==|
| ;`;| | |:|》: ::::| i'1
| ;'l:| i'`'i 、 /| |:|\ : | . |;'| ,、
!:`l'| ζ\ |;`;| ∥ 〕 .| |:| || | ./\ _.|;'| /.:〉
-、_|_.;l:| \';、\ :|':i;;| . i'1 ||/> r┘.:| |:| ||::| | ∥‐┘ .:|';|──へ./.:/_r‐
ー|_}:;| \';、.\|;';;;| ./〉 |;|_r// /| ̄\:| |:|  ̄ .:〃../>.::|;'|:::::::::::::::/.:/:::::::::::
-|_|`|_r:‐:‐:‐:‐\';、\;| r‐//┐_|:|::::::::;⊥、r/.::| .:::::::|/\/\ 《// ..:::|;'|:::::[]::::/.:/]:::::::[]::
ー|_};|::::::::::: : :: : {二l\;i`!、::://:::::::::::::::::::r| .::| /.:::::<\/ 〈:::.:... \ 》 ' .::::::::/|\_n::::::::::::::::::::
-|_| ̄/\:::::::/`|_{┬| |;、\::::::::i'|::::::r┴冂、 .:::::|::\\ _____:::::.:..〉″へ:::::/ .| |: : : |:|::::::::l`!へ、
ー|_}::/ 、';';〉.:/ /{_|┴lニニニニニl.r┴、_|_|_|:>:::::___|」__:l;_;_//..::. `〈 :| |: : : |:|::::::::| |: : :
-|_;l'_;_;_∠;/_/___l_,,:;;}┬┴┬┴┬┴┐::| .:::|_rェ┘__;!___;!__;|_;_;:::.:/ : :| |: : : |:|::::::::| | : :
~゛'' ┘⊥ 」_ | |{_|┴┬┴┬┴┬┴┤ .:|_;!__;!__:l__;!__;|<___;_/\_;_;_;|;|-∠|_|;_;_;
~゛'''' ┴'::⊥Λ二\.:| .:|ー:|__;!__;!__;!__:l__;l:::...\/<>::. ∠二
` , ' . ` ∨_,,,;;;;/. ~゛`┴ -'⊥ .」_;!__;!__;!__;!_;ト、 r─‐-、 ...:.:.:.::.:
, ~゛ ┴ ⊥. .,_..:::| ::/ ̄. ̄'"ヽ┴-、_;_;_;_;_;_;_
,, ` ~゛'' ‐-|\___ト--/.. ...:::::::./|
` ., ` ,. ' \|__;_;_;_;_;!─l二二二l/
. ` `
何千・何万人という軍隊が現地で物資を調達する。ということは多くの物資が必要になる。
これは、調達された町から物資がなくなる、ということを意味する。
そして物資がなければ軍隊は移動する。これを繰り返す。結果として、荒廃した街がどんどんできる。
862 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 23:01:57 ID:25AGrKow
∧∧ ∧∧ ∧∧ ∧∧ ∧∧ ∧∧
/⌒ヽ) /⌒ヽ) /⌒ヽ) /⌒ヽ) /⌒ヽ) /⌒ヽ)
i三 ∪ i三 ∪ i三 ∪ i三 ∪ i三 ∪ i三 ∪
〇三 | 〇三 | 〇三 | 〇三 | 〇三 | 〇三 |
(/~∪ (/~∪ (/~∪ (/~∪ (/~∪ (/~∪
三三 三三 三三 三三 三三 三三
三三 三三 三三 三三 三三 三三
三三三 三三三 三三三 三三三 三三三 三三三
そして、物資を調達できる街がなくなったら、軍隊は行動できなくなる。
つまり崩壊する。行動能力に限界があるのだ。
そもそも、何万人もの規模に膨れ上がった部隊を、維持できるだけの物資を調達するのは非常に難しい。
863 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 23:03:24 ID:25AGrKow
/ ̄ ̄\
/ _ノ \ ( ;;;;( こうした欠陥のため、軍隊は倉庫(補給拠点)に物資をあらかじめ集積しておいて、
| ( ─)(─ ) ;;;;)
| (__人__) /;;/ 必要に応じて前線に送るという方式をとるようになった。倉庫方式だ。
. | ノ l;;,´
| ∩ ノ)━・'
/ / _ノ´
(. \ / ./ │
\ “ /___| |
. \/ ___ /
864 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 23:04:14 ID:25AGrKow
/ ̄ ̄\ ( ;;;;(
/ ._ノ ヽ、\) ;;;;) と、これで、現地調達が解消されたか、と言えばそうでもない。
| (●)(●)/;;/
| (__人__)l;;,´| 後方の補給拠点から前線まで必要な物資を運ぶことは、膨大なコストと手間がかかる。
| ./´ニト━・' .l
| .l _ニソ } これは、鉄道や自動車といった新たな輸送手段が登場してからも、解決しなかった。
/ヽ、_ノ /
__/ / ノ__ 特に鉄道は兵站業務に大きな影響を与えたのだが、抜本的解決には至らなかった。
/ / / `ヽ.
/´ ./ ,. ヽ. この辺の詳しいところは、後日、鉄血宰相さんが説明されると思うので、そちらを見てほしい。
ト、_,/. |、 ヽ
| |/ / 原則として、現地調達に頼らない軍隊というのは、WW2のアメリカ軍を待たねばならない。
865 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 23:05:08 ID:25AGrKow
,rn / ̄ ̄\
r「l l h. / ノ ヽ \ さて、それでは日露戦争当時の兵站システムはどうだったか。
| 、. !j | ( ●) (●) |
ゝ .f, | (__人__) | この時期、ある革命的なことが起きる。
| | | ` ⌒ ´ |
,」 L_ | | 銃や砲の発射速度が上がり、弾薬の消費量が大幅に上がったのだ。
ヾー‐'| ヽ /
| じ_,,ゝ (,_ 戦争前の予想を超える状況だった。
\ ´ `ー-一´`ヽ
\ , |
│ | l
│ l_ |
│ |' }
\ ー─‐一ヾ/
| ij ノ
| |. |
| | l
i' ,} ,ノ
l | /
|,_、|,/
(゙ ))
866 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 23:06:35 ID:25AGrKow
/ ̄ ̄\
/ _ノ ヽ 銃砲の発射量が上がるということは、補修部品や交換用の武器も必要となる。
| ( ●) |
| (__人) 補給物資の中で食料と飼い葉の割合は減り続け、弾薬の割合が大幅に増加する。
| ⌒ノ
ン ノ ついに軍隊は食料と飼い葉を現地調達し、手持ちの弾薬で戦うということができなくなった。
/⌒ヽ、 _ノ
/ ノ \__ィ ´ 補給拠点から遠く離れて行動することができなくなったのだ。
/ / '|.
( y |.
\ \ |
\ィン、__)、
.| ij ,ノ
867 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 23:09:15 ID:25AGrKow
/ ̄ ̄\
/ _ノ \ 日露戦争はこの過渡期だった。
| ( ー)(ー)
. | (__人__) 多くのサインは出ていたのだが、諸外国がこのことに気づくのは、
| ` ⌒´ノ
.l^l^ln } WW1を待たねばならない。
. ヽ L }
ゝ ノ ノ
/ / \
/ / \
. / / |ヽ、二⌒)、
ヽ__ノ
868 :
名無しのやる夫だお :2009/11/27(金) 23:10:26 ID:kSRU9cD.
>自らも部隊を率いて戦う軍師 これはどういう人物のことなんだろう。 869 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 23:10:56 ID:25AGrKow
―― [] []
| l ̄ | | / ̄ ̄\
|_| 匚. | / _ノ \ 最後に、日本ロシア以外の諸外国の対応・立ち位置について解説しよう。
| | | ( ●)(●) .
|_| | (__人__)
| ` ⌒´ノ .
[] [] ,-, | } .
// ヽ }
匚/ / ̄ヽヽ ノ ,.r-、
/ ⌒\ P{三)
/ヽ/^y /\ \/\ノ
(、、J / / ヽ / /
/ / \___/
从从 ( /
Σ ヽ、 __へ \
Σ /  ̄ \ \
Σ_ノ \、__ / \ ヽ
\ 〉
/ /
/ /
/ /
\二フ
870 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 23:13:15 ID:25AGrKow
__,,,,.....,,__
_,. :- :' ":´: : : : :` ': 、、
_,.r ':´: : : : : : : : : : : : ヽ、 ロシアに対抗するために日本を使う・・・
_,.-'´: : : : : : : : : .人: : : : : : \
,.ィ'´: : : : : : : : : : / ヾ、: : : : : :ヽ 参戦はしないが、支援は惜しまないぞ。
/: : : : : : : : : : : ノ ヾ、: : : : : ゙i、
'イ: : : : : : : : /: // ヽ : : : : : 'i
/: : : : : ノ'_,. 彡',.ィ'/" 'i | : : : : 'i
'7: : : : /ム" '''''^~''"゙ !:|: : : : : |
レi: : : :i' ,...:;;.、 ゙'! : : : : |
.!∧ : : ! =-x、.,_ .;' : _,,.、=:''""'ー | : : : : 丿
゙ \ r'l,_r'""゙゙゙゙~~Y_,,....,,i'"゙゙~~ ̄`゙ト、.,_ i':r‐、: :/
`1 i !, _,!.| '''!、 _j! ゙''レ'ri ! ;/
ヽl| ゙゙"""~~ . | ゙゙"~~ ̄ .:jシ' ノ /
'、! └-ー '~/ :ノ
゙'、 ,/-',,.:-'゙
゙、 :: _,,. -―- 、..,,_ :: ,/ |'゙
゙i、 '""'' .ノ .|
| '、 / .|_
,.┤.ヽ、____,,./ _,|..)
_,..-|`゙"'''ー-、 :: ,.-― '''''""゙ ト-.、、
__,,,,,...、- ''";;;;;ト 、、 く,ヽ、 /j _,.-'゙|;;;;;;;;;;゙;;';ー;,,、..,,,_
、--―;'';;;"゙;;;;;;;;;;::''';;;;;;;;;;;;;;;|: : : ゙,.>≫V.∠..、__-‐_'',," ノ;;;;;;;;;;;;;;;;;''-、.,;;;;;;;;;;;゙;;;;;;'';;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::''';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|>''":/" :: ゙'、__,,,,,,... ノ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;'',,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;'",;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/: /:/ ::. \ ,/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;゙'.,;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;゙';,, ..;;;;;;;;;;;/: :/ : / :::: ヽ、 ,/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,,-‐''''';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:",,;;;;;;;;;/ : :/: : / ::: ヽ/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;, ';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;";;;;;;;;;;;;;く: : : /∩_,./ λ n ::: ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;, ';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
イギリスは極東でのロシア強大化を恐れ、日本を同盟国とした。
日英同盟では、直接の参戦義務はないものの、多くの物的・精神的支援を与えた。
特に、全世界にネットワークを張り、世界第一位の規模を持つイギリス海軍が味方であることは、
日本にとって大いに有利なことだった。
871 :
名無しのやる夫だお :2009/11/27(金) 23:13:45 ID:gIJImI66
>>868 孔明とかのことじゃないかな。 物語だとアドバイザーだけど本来あの人は軍の指揮官だから。 872 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 23:14:47 ID:25AGrKow
// ̄ ̄|ヽ
_ / | ||\ ロシアは俺の同盟国。
/ ヽ | ||| ヽ
/ ヽヽ // / 対ドイツ対策に重要なパートナーなのさ・・・
/ ヽヽ // ヽ
/ヽヽヽノヘ ヽヽ | // // /
/ヽヽヽリ V/\| ///ヘ// /
|ヽヽヽノ \/ |/ /
|ヽヽ、| / ノ |/!
/ヽヽ./ ,.,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,, r'´ |リ
|,.、ミ | =モtラー、:::r .r,.ミ_-、_レ、
/,、∨  ̄ '´| |ゞニ゙ゝ//!
//rヽヾ /'7! / し!
〈ヾヽ` l \_ノ i l,゙!_ヘ
|リヾ〃, l ,.=-⌒ニ、_、_ ∧ ', ヽ
,.--io'イ゙´l l `'ー:-....-, //iヘ ヘ ヽ
| |リ/ ヽ _ /r-!、l, ヽ
l, r"/ \ ,.-:'´:::`ヽ /∧ ヽ!
Y゙ l \::::::::::::::::/´:/ ノヽ_,.入
!  ̄ ̄/:::::/ ヽ/ヽ イ
フランスの仮想敵国はドイツである。普仏戦争で大敗し、ヴェルサイユでドイツ皇帝の戴冠式を
やられててしまった不倶戴天の敵である。
このため、ロシアと同盟を結び、東西からドイツを圧迫しようとした。しかし・・・
873 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 23:16:16 ID:25AGrKow
ムヾ 川 /////〃〃/// /
タ´`ヾリ////〃〃// .彡 /
タ `"""´´´`ミ ニ 彡彡/ ヨーロッパの兵をアジアに回すだと!?
/ 〃 J ミ ニ彡彡/
{ __{(( .._ ミ ニ 彡 / ドイツへの圧迫がすくなくなるじゃねえか!
}どo ゞ‐`ヱo~ゞ ヾミ彳う)
,' / ``` りノ
! ({ 、 ├タ<
/| ィニ‐-、 /〃リ
r'´}! } __ ', / r'")
,r==、Zノ| レ三‐ -フ / <ノ
/ ハ {  ̄ / |リ
_../ ヲ /_ ノ) \ -‐- リ
/´/ 〉ー "/ー‐ ヽ |`==‐ '" ト、
本来の対抗相手であるドイツを圧迫するための兵力を極東に転用され、不満に思っていた。
フランスにとって日露戦争とは、不必要なものであり、ロシアが大きな痛手を被らずに終わることを願っていた。
874 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 23:18:08 ID:25AGrKow
_,, iー' .、 '、. ..'-, .'、 . _..
_.. イ'".ヽ .ヽ. \ .ヽ. \.ヽ. ..,,, -''"゛
,,, ィ'''"`'、 ヽ ヽ .ヽ ヽ ヽ,,..ノ‐'゙´
._..y‐''゙ヽ. .ヽ .ヽ ヽ _> |-.. ┴´
._.. -'," ヽ ヽ ヽ .ヽ./ ~ _,,二ー 、
."`',. ヽ ヽ .ヽ .l./ ゛ ./´ `'-.\ 貴様は太平洋の提督となれ!
.ヽ .ヽ ヽ._,, ;;ゞ゛ ./ : 海 ヽ ',
、 .ヽ . ..lr‐'"´/ / .l, ~''" .! .! 俺は大西洋の提督となる!
.ヽ._.. ゙‐'゙゛ ,./ /',''''''!ly、 ._.イ│
: '''´ ./ ,- ,/'''''゙‐'t;;',', ,i,'!!~゙゙} .|
././ / ゙‐''゙⌒.! ',
,,i,'イ゛ /.l .、 _ | .l
/ .,/ノ ,' l゙ l.l .,,―`-ニ. ., .,.. l ヽ
.,/イ ,' l l ',l゙,.. - ,,..,!.il! l ./ \
.\, .,''゙,! l l ,i'/ッ._,,,,,, .゙!/│ ! .゙y
.`'-,,"." l'、 .!.l l .,!.l ゙l .l',゙ll゙ i____,,,..-'"゛.ヽ..,,,_
.`'ー、,、 / ゙' l .゙" .',.| !/.|"!/ `''
`゙'ー、、 .! .\ .! !..,_, . 〃 /
`'-',,_ ___;;,,.. --┴''''''¨'ー、、
 ̄ ̄ `'-、,
`''ー ..,,,,,,,,.. ‐'
ロシアとの間はあまり良好ではなかったが、皇帝はいとこ同士だった。
ヴィルヘルム2世はニコライ2世をこのようにたきつけたらしい。
この結果、ロシアは満洲に港を得たくなり、日露戦争の原因になった、という説もあるようだ。
>>1 は信じていないが。
875 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 23:21:52 ID:25AGrKow
∩____∩
| ノ ノ \ヽ 乗り遅れてしまったクマー・・・
/ ● ● |
ミ ( _●_) ミ
-(___.)─(__)─
アメリカは日本同様、遅れて来てやってきた帝国主義国である。なぜそうなったのかは、
この国がおかれた特殊な状況にある。
876 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 23:23:58 ID:25AGrKow
: : : : : : : : : : : : : : : : : ; ;_:_; : : : : : : : : : : : : : : : : : :._:.;;''".._:.::;;:':.:. .. ..:...:..:::.:::;;:;:;';:
: : : : : : : : : : : : : : :_ :,.,.;::.:.;:'':':';:''":"´: :: : : : : :_,..:''""`..:.;:;:':::.:.. . . ....:...:....:.';;..:.:'.';;:::.::
: : : : : : :_,.,.,;::;::.:::.:::;;:;:;:;:;':':':'"´: : : : : : : : : : : :..,;,:.:゙'"..:.:'.';;:.:;. :.. . . . ....:...:..:::.::;:;:;;';':':'
: :_,.,.,;::;::.:::.:::;;:;:;:;:;':':':'"´: : : : : : : : : : : : :..,;,:.:゙'"..:.:'.';;:.:;. :.. . . . ....:...:..:::.::;:;:;;';':':':'"´
"..:.:::;:;:::;';':::':'"´ : . : : . : : . : : . : : . : :...:.:'"..:.:;;:;.:. ..,._' ....:...:...:.:.:::.:::.:::;:;:;':':':'"´: :.._;_:,.; ._,:..
:'''´: : . : : : . : : . : : . : : . : : . : : .''""゙゙´_,.,.::;;;' : : .: : . :..:.:.:..::.::::::;;:;:;';:':':':'" : .__,.,;:"''':;';:::: .:::;'": : .
. : : . : : . : : . : : . : : . : : . : : . : :_.:_ _;::': . : :. ....::.:::;;;:';':'':'"´: : `_,.,...::.':'"...:.:::;;:;:;';:;':';;:''"´.. : : .. :
. . . . . . . . . . . . . .__,.,:::;':;';'"` .. . ..:.:.:;:;;':':'"´ . _.,..:''"、:.:::.:::;;:;:;';';':''':'"´. : . : . : . : . ::
. . . . . . . . ._..,...;'"´...:.:.:::.:::;;:;:';':':':'"´. . . . .,.,.;'::':"".`""''''"´ . . . . . . : : . :
. . . . . _,;::."'..:.:.:::.:::;;:;:;:;';::':':'"´ `´ . . . . . . . . . . . . . . . .. . . . ,.,:::
._,. :.':"...:.:::;:;';':':::':'"´ ,, ,.,.;,;::::,:::::;''" ..:.::;':;
_.....:;;:;:;::';::':':'"´ .,_.,::;:':''"゙"゙゙'..:::::.::;::;:::;:::;:;';';:::';'::'''"
` ´ ...:.,.._ .., . . .,;:;':"...:::::.;:;:';'"'''` .;:;'、;':'":'" . .
,.,:'".,:::;:':;'' . . .,.,.;'::':"".`""''''"´ . . . . . . : : . :
';'::'''" ;、.x,,;..v、 , -─'゙7´ ̄ ̄ハ─r‐
、v,..v、 :w爻爻爻彡v、./ /.:: .::./....::/ ,::'.ソ;:::
─'ー;;ミ゙'爻爻ミ;..─'ー ッk ー─---xw‐ーー;、x,v、;爻ミミ爻炎彡ミx;: -─: ッw ー ywv、‐ー
゙':;ゞ;爻彡炎炎;ゞ;∠二ヽ,....:;~'' ,;: ; :; ::..::::y爻爻ミ゙'爻ゞ炎炎彡ミメ゙';ヾ: ;:; ';: ;:; 'ヾ淡炎ミミx:;'
'' ;~ ;^::;”v:";y;''゚ ; ::;y ; ::; : ;:; '',;: ;:; ;~''^"''^”v:";v ; ::; : ;:; ;~ ;y ::; : ;:; 'ミ゙': ;: ',;:; ;~'',;'':; ;
";: ;: ;: ;: ; ::; : ;:; :; : :: :; : ;:; ;~'',;' ' : ;:; ;~ ; ::; ;~'',;'' ; : ; ::; :;~'',;:; ,”v:": ;:; ';v:'';'' ;~'',;'
: ;:; ;~ ; :; ;~ ',;'' ; : ; :: :; ~'' ,;: ; : ;: ; : ;:; ; ~'',;' ;:; '゚ ":;;;: : ; : ;:
:; . ;: ; ; '', ;' ' .;~' ', ;' '゚ ". . ;; : ; : ; : ;: . ; :; ;~ ; :; ;~ ',
: ; .' : ; . ; . ; ' : ' ;~ ', . . . ' : '', ; ' ' ;
アメリカ合衆国は、ヨーロッパからの移民が建国した国家である。
彼らが安住の地とした「新大陸」はあまりに広大で、「未開」の地が広がっていた。
彼らはこれを神から与えられ、開発にいそしむのは使命であると考えた。
これを「マニフェスト・ディステニィ(明白なる運命)」という。もっとも、その「未開」地には先住民がいたのだが。
878 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 23:26:26 ID:25AGrKow
: . /,|
___ __ __,... ∥| / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
))。I/:: :: \ |I。( ∥| < クマども!
\ \::_::_:: / /.. .. ∥| \ 西部開拓いくクマ―!!
,/::\_((⌒) /ヽ ∥| \____________
/,\=ニニ二二ニ=/,ヽ++-
\ / ● ● ヽ/つ⌒)
/// ( _●_) ミI /|x|
/三//__ |∪| __ ` ,/ `゙
/ニ// ,|。|_ ヽノ _|。|_ノ\
( ̄ ̄)  ̄ ̄ ̄ 〕\//
 ̄Tニ===∞===ニ!,〆`"
{I|三三|⌒I|三三〕
|。。/ (| 。 。)
∪ ( ̄\. \ クマ――――――――――ッ?? /
\_).. \ /
∩ ∩ ∩ ∩ ∩ ∩ /⌒)
|  ̄ ̄ ̄ ヽ/⌒) |  ̄ ̄ ̄ ヽ |  ̄ ̄ ̄ ヽ /∩ ∩
/ | / / | ∩ ∩ ,/ |  ̄ ̄ ̄ ヽ
| ノ / | ノ |  ̄ ̄ ̄ ヽ,/⌒) / |
彡、∩ ∩ ∩、 ∩ ヽ/ | / | |
|  ̄ ̄ ̄ ヽ |  ̄ ̄ ̄ ヽ | ノ/ 彡、 ノ
彼らは初期の居住区域であった東海岸から、西へ西へと開発の手を伸ばした。
道を作り、町を開き、鉄道を通した。彼らの前にある「未開」地はあまりに広大で、終わりがないように思えた。
879 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 23:27:27 ID:25AGrKow
/ ̄ ̄\
/ _ノ \ アメリカの国外への膨張があまりなかったのは、
| ( ●)(●
| (__人__) 国内の、あまり広大な「未開」地の開発が優先されたからなんだな。
. | ノ
| ∩ ノ ⊃ 南北戦争による国土荒廃の復興、という目的もあったし・・・
/ ./ _ノ
(. \ / ./_ノ │
\ “ /___| |
. \/ ___ /
だが、この状況が終わるときが、ついにやってくる。
880 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 23:29:03 ID:25AGrKow
∩___∩
| ノ u ヽ フロンティアがなくなってしまったクマー!
/ ● ● |
| u ( _●_) ミ
彡、 |∪| 、`\
/ __ ヽノ /´> )
(___) / (_/
| /
| /\ \
| / ) )
∪ ( \
\_)
フロンティアとは、国内における人口希薄地域、つまり開発すべき「未開」地である。
1890年の調査で、ついにこのフロンティアが消滅したことが発表された。
アメリカは、自己の膨張先を国外に求めなければいけなくなったのである。
881 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 23:31:26 ID:25AGrKow
∩___∩
| ノ _, ヽ いい戦争だったクマ・・・
/ ─ ─ |
| ////( _●_)//ミ
彡、 |∪| ノヽ
/ヽ /⌒つ⊂⌒ヽ |
| / / k l | l
ヽ、_ノ ヽ,,ノ
1898年、キューバ問題をめぐり、スペインと開戦。大勝利を得る。米西戦争である。
この戦争でフィリピン・グアム・プエルトリコを領有し、独立したキューバを保護国化した。
かくも、素晴らしき戦果を得たこの戦争を、スプレンディット・リトル・ウオー(素晴らしき小戦争)ともいう。
882 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 23:33:30 ID:25AGrKow
∩___∩
(ヽ | ノ ヽ /) 次は清国クマー!
(((i ) / (゜) (゜) | ( i)))
/∠彡 ( _●_) |_ゝ \ 貿易するクマー!
( ___、 |∪| ,__ )
| ヽノ /´
| /
アメリカの次なる進出先は、清国であった。しかし・・・
883 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 23:34:16 ID:25AGrKow
ムヾ 川 /////〃〃/// /
タ´`ヾリ////〃〃// .彡 /
タ `"""´´´`ミ ニ 彡彡/ 広東は俺のものだぜ!
/ 〃 J ミ ニ彡彡/
{ __{(( .._ ミ ニ 彡 /
}どo ゞ‐`ヱo~ゞ ヾミ彳う)
,' / ``` りノ
! ({ 、 ├タ<
/| ィニ‐-、 /〃リ
r'´}! } __ ', / r'")
,r==、Zノ| レ三‐ -フ / <ノ
/ ハ {  ̄ / |リ
_../ ヲ /_ ノ) \ -‐- リ
/´/ 〉ー "/ー‐ ヽ |`==‐ '" ト、
884 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 23:35:39 ID:25AGrKow
Y
,. '"´三二二三`ヽ _ノ 山東省に入って来んな!
/,ィ彡'" 海 ̄ ``ヾミヽ 〈
/ / ', ヽ ノ
/ /::( 狂 ノ:::) ヽ く
/ /く´‘`ヽ ',从,' ∠‘``', ヽ ノノ
/ ハ´ ̄`フ.:;;;;;:: ヽ ̄`フ', ヽ )
/ / ,, ,, ', 〈{
/ /::、 / .;;;;;;' ヽ /::ト、 〃.
./ //:::::::; l /⌒ー一⌒ヽl ;:::::ト、V //
/ // 1:::::; V.:ViiiiiiiiiiiiiViiV ;:::::ト、V /
/ // ./.l:::::;. /l /´  ̄ ̄`ヽ ;_ ___ノ
/ // / l::::; l | .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:| ;::: ̄\
/ // / 1::; | |.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.| ;::! i i 弋
. / // / / l:::;. |WWWWWW! /1 | | _ノ
/ // / / .|ヾ、 L二二二ニノ / | | | ヽ
. / // / / |(__ノ\ /xxxxxヽ/ /! ! ! ム
. // / / ノ ', l}}}}}}}}}}}}} /| | | | __,)
// / / ハ:::::::::.\ V´ ̄`Vく/ l | | | `ヽ.
. // / / l >.-、/ ヽ ヽ | | ! ! ノ
// / / |/ / \) l/ | | く.
.// / / V 〉 '"´ ``ヽ). | ! ゝ
/ / 〈 '"´ ``ヽ) l/ .ノ
日清戦争以降、列強による清国の分割は確実に進んでおり、自由貿易を求めるアメリカが入る余地はあまりなかった。
885 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 23:37:06 ID:25AGrKow
∩_
〈〈〈 ヽ 清国をこのままにはしておけないクマー!
〈⊃ }
∩___∩ | | ・清国の領土保全
| ノ ヽ ! !
/ ● ● | / ・清国内の機会均等
| ( _●_) ミ/
彡、 |∪| / を求めるクマー!
/ __ ヽノ /
(___) /
1898年、1900年、国務長官ジョン・ヘイにより、列強諸国へ通牒が出される。「門戸開放宣言」である。
ここで求めていることは、
886 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 23:39:16 ID:25AGrKow
________
_/´´ / ,r ~  ̄、"ー 、 ロシアが満洲に居座ってしまったクマ・・・
, ´ / / ○ ヽ ノ
,/ ,| / / _i⌒ |
と,-‐ ´ ̄ / / (⊂ ● |
(´__ 、 / /  ̄!,__, ○ /ヽ、
 ̄ ̄`ヾ_ し -‐一 -‐一─`'__ノ
義和団事件以降、満州はロシアに占領された。アメリカにとってこの状況はまずい。
清国への進出がますます遅れるからである。ロシアの排除をしてくれる勢力が必要であった。
887 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 23:39:58 ID:25AGrKow
∩___∩ /)
| ノ ヽ ( i ))) 日本だクマー!
/ ● ● | / /
| ( _●_) |ノ / ロシアと対抗してくれるクマー!
彡、 |∪| /
/ ヽノ /
それが日本だった。こすいて、アメリカ政府の上層部は、日本への期待を持つようになったのだ。
888 :
1 ◆R8YMTME8eI :2009/11/27(金) 23:40:37 ID:25AGrKow
/ ̄ ̄ ̄\
/ \ 今回はこれで終わりだ。
./ ヽ
.l l 次は遼陽会戦なわけなのだが・・・
l l
.l l
ヽ l
ヽ l
.) __,,../
/===、_〈
/ \
/ ヽ
.i 、 . l
.l i l l
l .l l l
l l . l l
l l . l l
l .l 、 .ヽ
ヽ .l ヽ ヽ
ヾ、__ ___ヽ_, ')
l_ ̄_ ̄ ̄__ __ .ヽ_ノ
l l l l l
やる夫で学ぶ日露戦争
第十一話「番外編 参謀と兵站システム・諸外国の対応について」
._
\ヽ, ,、
`''|/ノ
.|
_ |
\`ヽ、|
\, V
`L,,_
|ヽ、) ,、
/ ヽYノ
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次回第十二話「戦争編その7 遼陽会戦」
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日本で走る参謀といったら・・・『辻政信』
なーんでこの人を連想しちゃったかなぁ・・・自分。
辻ーんは大隊長なら名軍人になれたとはよく言われるけどねえ・・・
まあ、アメリカが恵まれているのは東はイギリス、
西は日本と言う中間地点にある位置だな。下は
メキシコだが、この時は好戦的では無かったし、
上はアメリカの同盟国であるカナダだ。
「西部開拓終わったから、次はヨーロッパを
攻めるクマー」という考えにならなかったのも
良かった。何しろ西にある日本や中国は、文明や
技術水準でも劣っているからだ。これでアメリカは
気にせず、中国へ進出する前に自国内の工業力や
都市開発を進められた。多少遅れても、十分取り戻す
余裕もあるし、日本に対して恐怖感はまだ無かった。
むしろロシアにあったのだが、実はこの時からレッド
計画と言う「対イギリス侵略」を考えていたのは
あまり日本人に知られていない。それは、カナダと
日本に一時的経済支援をさせて、東海岸から英国を
攻めるという内容だった。もちろん、日露戦争後に
その計画はとん挫してしまったがw
>817で言ってるあの話が銀英伝のアスターテ会戦ことなら
パエッタ中将が負傷後にヤンに指揮権を委譲してるんだけどなぁ・・・
インパール作戦でも、牟田口軍司令官に対して現場の師団長が
「コッチに軍参謀の一人も派遣せず好き勝手言ってんじゃねーよ!」ってブチ切れてたな。
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